JP3832912B2 - ナフタレン化合物、液晶組成物および液晶素子 - Google Patents

ナフタレン化合物、液晶組成物および液晶素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なナフタレン化合物に関する。さらに詳しくは、液晶表示素子などに用いる液晶組成物の成分として有用な新規なナフタレン化合物、該液晶化合物を含有する液晶組成物および該液晶組成物を使用した液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、液晶表示素子としては、TN(ツイステッド・ネマチック)型表示方式が最も広汎に使用されている。このTN型表示方式は、応答時間の点において、発光型素子(陰極管、エレクトロルミネッセンス、プラズマディスプレイ等)と比較して劣っている。ねじれ角を180〜270゜にしたSTN(スーパー・ツイステッド・ネマチック)型表示素子も開発されているが、応答時間はやはり劣っている。この様に種々の改善の努力が行われているが、応答時間の短いTN型表示素子は実現には到っていない。
しかしながら、近年、盛んに研究が進められている強誘電性液晶を用いる新しい表示方式に於いては、著しい応答時間の改善の可能性がある〔N.A.Clarkら;Applied Phys.lett.,36,899(1980)〕。
この方式は、強誘電性を示すカイラルスメクチックC相等のカイラルスメクチック相を利用する方法である。強誘電性を示す相はカイラルスメクチックC相のみではなく、カイラルスメクチックF、G、H、I等の相が強誘電性を示す強誘電性液晶相であることが知られている。これらのスメクチック液晶相は、チルト系のカイラルスメクチック相に属するものであるが、実用的には、その中で低粘性であるカイラルスメクチックC相が好ましい。
カイラルスメクチックC相を示す液晶化合物は、これまでにも種々検討されており、既に数多くの化合物が探索、製造されてきた。しかしながら、実際に使用する強誘電性液晶表示素子に応用する際に求められる数多くの特性(高速応答性、配向性、高いコントラスト比、メモリー安定性、さらにこれらの諸特性の温度依存性等)を最適化するためには、現在のところ、1つの化合物では応じられず、いくつかの液晶化合物を混合して得られる強誘電性液晶組成物を使用している。また、強誘電性液晶組成物としては、強誘電性液晶相を示す化合物のみからなる強誘電性液晶組成物ばかりでなく、特開昭61ー195187号公報には非カイラルなスメクチックC相を示す化合物または組成物を基本物質として、これに強誘電性液晶相を示す一種または複数の化合物を混合して全体を強誘電性液晶組成物として得ることが報告されている。さらにスメクチックC相等の相を示す化合物または組成物を基本物質として、光学活性ではあるが、強誘電性液晶相は示さない一種または複数の化合物を混合して全体を強誘電性液晶組成物とする報告も見受けられる(Mol.Cryst.Liq.Cryst.,89,327(1982))。
【0003】
これらのことをまとめると強誘電性液晶相を示すか否かに係わらず光学活性である化合物の一種または複数と、非カイラルな、スメクチックC相等の相を示す化合物を混合することにより強誘電性液晶組成物を構成できることが判る。
このように液晶組成物の構成成分としては、種々の化合物を使用することが可能であるが、実用的には室温を含む広い温度範囲でスメクチックC相またはカイラルスメクチックC相を呈する液晶化合物もしくは混合物が望ましい。これらのスメクチックC液晶組成物の成分としては、フェニルベンゾエート系液晶化合物、ビフェニル系液晶化合物、フェニルピリミジン系液晶化合物およびトラン系液晶化合物などが知られている。しかし、これらの化合物を構成成分とする液晶組成物も、まだ充分な特性を備えているとは言いがたい。
例えば、上記の液晶化合物を使用した場合、スメクチックC相において層構造がブックシェルフ構造とならず、層が「く」の字型に折れ曲がったシェブロン構造となるため、配向欠陥が生じコントラスト比が低下したり、電界に対する自発分極の応答が効率的に行われず応答速度の低下が生じたりする問題点があった。スメクチックC相での層構造をブックシェルフまたは疑似ブックシェルフにするためにナフタレン骨格を有する化合物を使用することが開示されている(特開平6−122875号公報)。しかしながらナフタレン骨格を有する化合物は、比較的融点が高い化合物が多く、ナフタレン化合物のみで室温を含む広い温度範囲でスメクチックC相を示す液晶組成物を調製することが困難であったため、フェニルベンゾエート系液晶化合物等を混合して広い温度範囲のスメクチックC相を示す液晶組成物が調製されていた。
そのため現在では、スメクチックC相においてブックシェルフまたは疑似ブックシェルフ層構造を示し、且つ融点が低いナフタレン化合物を用いて、室温を含む広い温度範囲でスメクチックC相を示す液晶組成物を調製することが望まれている。また、ナフタレン化合物とフェニルベンゾエート系液晶化合物を混合して調製された液晶組成物は、チルト角が18°程度(最適値は22.5°)と若干低く、高いコントラスト比の液晶素子を得るためにチルト角の改善が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、強誘電性液晶素子の実用化のために、スメクチックC相において、ブックシェルフまたは疑似ブックシェルフ層構造を示し、且つ室温を含む広い温度範囲でスメクチックC相を示す、チルト角の改善されたナフタレン系液晶組成物を調製する際に有用なナフタレン化合物および該化合物を含有してなる液晶組成物、該組成物を使用した液晶素子を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ある種のナフタレン化合物を見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は一般式(1)(化2)で表されるナフタレン化合物に関するものである。また、一般式(1)で表されるナフタレン化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする液晶組成物、該組成物を使用することを特徴とする液晶素子に関するものである。
【0006】
【化2】
Figure 0003832912
〔式中、R1およびR2は不斉炭素を含有しないハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基または炭素数2〜24の直鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基を表し、Yは単結合または−O−基を表し、mは1または2を表し、nは1〜3の整数を表し、Arは置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、2,6−ナフチレン基を表し、C*は不斉炭素を表す〕
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関し詳細に説明する。
本発明の一般式(1)で表されるナフタレン化合物において、R1およびR2は不斉炭素を含有しないハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基、あるいは炭素数2〜24の直鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基を表す。
1およびR2は、好ましくは、不斉炭素を含有しないハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数4〜22の直鎖または分岐鎖のアルキル基、あるいはアルコキシアルキル基であり、より好ましくは、不斉炭素を含有しない炭素数5〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基、あるいはアルコキシアルキル基である。
【0008】
1およびR2で表される基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、n−ヘネイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、1−メチルエチル基、1,1−ジメチルエチル基、1−エチルプロピル基、1−n−プロピルブチル基、1−n−ブチルペンチル基、1−n−ペンチルヘキシル基、1−n−ヘキシルヘプチル基、1−n−ヘプチルオクチル基、1−n−オクチルノニル基、1−n−ノニルデシル基、2−メチルプロピル基、2−エチルブチル基、2−n−プロピルペンチル基、2−n−ブチルヘキシル基、2−n−ペンチルヘプチル基、2−n−ヘキシルオクチル基、2−n−ヘプチルノニル基、2−n−オクチルデシル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、3−エチルペンチル基、3−n−プロピルヘキシル基、3−n−ブチルヘプチル基、3−n−ペンチルオクチル基、3−n−ヘキシルノニル基、3−n−ヘプチルデシル基、4−メチルペンチル基、4−エチルヘキシル基、4−n−プロピルヘプチル基、4−n−ブチルオクチル基、4−n−ペンチルノニル基、4−n−ヘキシルデシル基、5−メチルヘキシル基、5−エチルヘプチル基、5−n−プロピルオクチル基、5−n−ブチルノニル基、5−n−ペンチルデシル基、6−メチルヘプチル基、6−エチルオクチル基、6−n−プロピルノニル基、6−n−ブチルデシル基、7−メチルオクチル基、7−エチルノニル基、7−n−プロピルデシル基等のアルキル基、
【0009】
2−フルオロエチル基、3−フルオロ−n−プロピル基、4−フルオロ−n−ブチル基、5−フルオロ−n−ペンチル基、6−フルオロ−n−ヘキシル基、
2−クロロエチル基、3−クロロ−n−プロピル基、4−クロロ−n−ブチル基、5−クロロ−n−ペンチル基、6−クロロ−n−ヘキシル基、
トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基、パーフルオロ−n−ヘプチル基、パーフルオロ−n−オクチル基、パーフルオロ−n−ノニル基、パーフルオロ−n−デシル基、パーフルオロ−n−ウンデシル基、パーフルオロ−n−ドデシル基、パーフルオロ−n−テトラデシル基、
1,1−ジヒドロパーフルオロエチル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−プロピル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−ブチル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−ペンチル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−ヘキシル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−ヘプチル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−オクチル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−ノニル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−デシル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−ウンデシル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−ドデシル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−テトラデシル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−ペンタデシル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−ヘキサデシル基、
1,1,2−トリヒドロパーフルオロエチル基、1,1,3−トリヒドロパーフルオロ−n−プロピル基、1,1,4−トリヒドロパーフルオロ−n−ブチル基、1,1,5−トリヒドロパーフルオロ−n−ペンチル基、1,1,6−トリヒドロパーフルオロ−n−ヘキシル基、1,1,7−トリヒドロパーフルオロ−n−ヘプチル基、1,1,8−トリヒドロパーフルオロ−n−オクチル基、1,1,9−トリヒドロパーフルオロ−n−ノニル基、1,1,11−トリヒドロパーフルオロ−n−ウンデシル基、
【0010】
2−(パーフルオロエチル)エチル基、2−(パーフルオロ−n−プロピル)エチル基、2−(パーフルオロ−n−ブチル)エチル基、2−(パーフルオロ−n−ペンチル)エチル基、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチル基、2−(パーフルオロ−n−ヘプチル)エチル基、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル基、2−(パーフルオロ−n−デシル)エチル基、2−(パーフルオロ−n−ノニル)エチル基、2−(パーフルオロ−n−ドデシル)エチル基、
2−トリフルオロメチルプロピル基、3−(パーフルオロ−n−プロピル)プロピル基、3−(パーフルオロ−n−ブチル)プロピル基、3−(パーフルオロ−n−ヘキシル)プロピル基、3−(パーフルオロ−n−ヘプチル)プロピル基、3−(パーフルオロ−n−オクチル)プロピル基、3−(パーフルオロ−n−デシル)プロピル基、3−(パーフルオロ−n−ドデシル)プロピル基、
4−(パーフルオロエチル)ブチル基、4−(パーフルオロ−n−プロピル)ブチル基、4−(パーフルオロ−n−ブチル)ブチル基、4−(パーフルオロ−n−ペンチル)ブチル基、4−(パーフルオロ−n−ヘキシル)ブチル基、4−(パーフルオロ−n−ヘプチル)ブチル基、4−(パーフルオロ−n−オクチル)ブチル基、4−(パーフルオロ−n−デシル)ブチル基、
5−(パーフルオロ−n−プロピル)ペンチル基、5−(パーフルオロ−n−ブチル)ペンチル基、5−(パーフルオロ−n−ペンチル)ペンチル基、5−(パーフルオロ−n−ヘキシル)ペンチル基、5−(パーフルオロ−n−ヘプチル)ペンチル基、5−(パーフルオロ−n−オクチル)ペンチル基、
6−(パーフルオロエチル)ヘキシル基、6−(パーフルオロ−n−プロピル)ヘキシル基、6−(パーフルオロ−n−ブチル)ヘキシル基、6−(パーフルオロ−n−ヘキシル)ヘキシル基、6−(パーフルオロ−n−ヘプチル)ヘキシル基、6−(パーフルオロ−n−オクチル)ヘキシル基、
7−(パーフルオロエチル)ヘプチル基、7−(パーフルオロ−n−プロピル)ヘプチル基、7−(パーフルオロ−n−ブチル)ヘプチル基、7−(パーフルオロ−n−ペンチル)ヘプチル基等のハロゲン原子で置換されたアルキル基、
【0011】
メトキシメチル基、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、5−メトキシペンチル基、6−メトキシヘキシル基、7−メトキシヘプチル基、8−メトキシオクチル基、9−メトキシノニル基、10−メトキシデシル基、エトキシメチル基、2−エトキシエチル基、3−エトキシプロピル基、4−エトキシブチル基、5−エトキシペンチル基、6−エトキシヘキシル基、7−エトキシヘプチル基、8−エトキシオクチル基、9−エトキシノニル基、10−エトキシデシル基、n−プロピルオキシメチル基、2−n−プロピルオキシエチル基、3−n−プロピルオキシプロピル基、4−n−プロピルオキシブチル基、5−n−プロピルオキシペンチル基、6−n−プロピルオキシヘキシル基、7−n−プロピルオキシヘプチル基、8−n−プロピルオキシオクチル基、9−n−プロピルオキシノニル基、10−n−プロピルオキシデシル基、n−ブチルオキシメチル基、2−n−ブチルオキシエチル基、3−n−ブチルオキシプロピル基、4−n−ブチルオキシブチル基、5−n−ブチルオキシペンチル基、6−n−ブチルオキシヘキシル基、7−n−ブチルオキシヘプチル基、8−n−ブチルオキシオクチル基、9−n−ブチルオキシノニル基、10−n−ブチルオキシデシル基、n−ペンチルオキシメチル基、2−n−ペンチルオキシエチル基、3−n−ペンチルオキシプロピル基、4−n−ペンチルオキシブチル基、5−n−ペンチルオキシペンチル基、6−n−ペンチルオキシヘキシル基、7−n−ペンチルオキシヘプチル基、8−n−ペンチルオキシオクチル基、9−n−ペンチルオキシノニル基、10−n−ペンチルオキシデシル基、n−ヘキシルオキシメチル基、2−n−ヘキシルオキシエチル基、3−n−ヘキシルオキシプロピル基、4−n−ヘキシルオキシブチル基、5−n−ヘキシルオキシペンチル基、6−n−ヘキシルオキシヘキシル基、7−n−ヘキシルオキシヘプチル基、8−n−ヘキシルオキシオクチル基、9−n−ヘキシルオキシノニル基、10−n−ヘキシルオキシデシル基、n−ヘプチルオキシメチル基、2−n−ヘプチルオキシエチル基、3−n−ヘプチルオキシプロピル基、4−n−ヘプチルオキシブチル基、5−n−ヘプチルオキシペンチル基、6−n−ヘプチルオキシヘキシル基、7−n−ヘプチルオキシヘプチル基、8−n−ヘプチルオキシオクチル基、9−n−ヘプチルオキシノニル基、10−n−ヘプチルオキシデシル基、
【0012】
オクチルオキシメチル基、2−n−オクチルオキシエチル基、3−n−オクチルオキシプロピル基、4−n−オクチルオキシブチル基、5−n−オクチルオキシペンチル基、6−n−オクチルオキシヘキシル基、7−n−オクチルオキシヘプチル基、8−n−オクチルオキシオクチル基、9−n−オクチルオキシノニル基、10−n−オクチルオキシデシル基、n−ノニルオキシメチル基、2−n−ノニルオキシエチル基、3−n−ノニルオキシプロピル基、4−n−ノニルオキシブチル基、5−n−ノニルオキシペンチル基、6−n−ノニルオキシヘキシル基、7−n−ノニルオキシヘプチル基、8−n−ノニルオキシオクチル基、9−n−ノニルオキシノニル基、10−n−ノニルオキシデシル基、n−デシルオキシメチル基、2−n−デシルオキシエチル基、3−n−デシルオキシプロピル基、4−n−デシルオキシブチル基、5−n−デシルオキシペンチル基、6−n−デシルオキシヘキシル基、7−n−デシルオキシヘプチル基、8−n−デシルオキシオクチル基、9−n−デシルオキシノニル基、10−n−デシルオキシデシル基、2−n−ウンデシルオキシエチル基、4−n−ウンデシルオキシブチル基、6−n−ウンデシルオキシヘキシル基、8−n−ウンデシルオキシオクチル基、10−n−ウンデシルオキシデシル基、2−n−ドデシルオキシエチル基、4−n−ドデシルオキシブチル基、6−n−ドデシルオキシヘキシル基、8−n−ドデシルオキシオクチル基、10−n−ドデシルオキシデシル基、
【0013】
イソプロピルオキシメチル基、2−イソプロピルオキシエチル基、3−イソプロピルオキシプロピル基、4−イソプロピルオキシブチル基、5−イソプロピルオキシペンチル基、6−イソプロピルオキシヘキシル基、7−イソプロピルオキシヘプチル基、8−イソプロピルオキシオクチル基、9−イソプロピルオキシノニル基、10−イソプロピルオキシデシル基、イソブチルオキシメチル基、2−イソブチルオキシエチル基、3−イソブチルオキシプロピル基、4−イソブチルオキシブチル基、5−イソブチルオキシペンチル基、6−イソブチルオキシヘキシル基、7−イソブチルオキシヘプチル基、8−イソブチルオキシオクチル基、9−イソブチルオキシノニル基、10−イソブチルオキシデシル基、
tert−ブチルオキシメチル基、2−tert−ブチルオキシエチル基、3−tert−ブチルオキシプロピル基、4−tert−ブチルオキシブチル基、5−tert−ブチルオキシペンチル基、6−tert−ブチルオキシヘキシル基、7−tert−ブチルオキシヘプチル基、8−tert−ブチルオキシオクチル基、9−tert−ブチルオキシノニル基、10−tert−ブチルオキシデシル基、
【0014】
(2−エチルブチルオキシ)メチル基、2−(2’−エチルブチルオキシ)エチル基、3−(2’−エチルブチルオキシ)プロピル基、4−(2’−エチルブチルオキシ)ブチル基、5−(2’−エチルブチルオキシ)ペンチル基、6−(2’−エチルブチルオキシ)ヘキシル基、7−(2’−エチルブチルオキシ)ヘプチル基、8−(2’−エチルブチルオキシ)オクチル基、9−(2’−エチルブチルオキシ)ノニル基、10−(2’−エチルブチルオキシ)デシル基、
(3−エチルペンチルオキシ)メチル基、2−(3’−エチルペンチルオキシ)エチル基、3−(3’−エチルペンチルオキシ)プロピル基、4−(3’−エチルペンチルオキシ)ブチル基、5−(3’−エチルペンチルオキシ)ペンチル基、6−(3’−エチルペンチルオキシ)ヘキシル基、7−(3’−エチルペンチルオキシ)ヘプチル基、8−(3’−エチルペンチルオキシ)オクチル基、9−(3’−エチルペンチルオキシ)ノニル基、10−(3’−エチルペンチルオキシ)デシル基、
【0015】
2−(2’−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2’−エトキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−プロピルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−イソプロピルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ブチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−イソブチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−tert−ブチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ペンチルオキシエトキシ)エチル基、2−〔2’−(2”−エチルブチルオキシ)エトキシ〕エチル基、2−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)エチル基、2−〔2’−(3”−エチルペンチルオキシ)エトキシ〕エチル基、2−(2’−n−ヘプチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−オクチルオキシエトキシ)エチル基、
2−(2’−n−ノニルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−デシルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ウンデシルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ドデシルオキシエトキシ)エチル基、
【0016】
2−〔2’−(2”−メトキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−エトキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−プロピルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−イソプロピルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−イソブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−tert−ブチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−{2’−〔2”−(2”’−エチルブチルオキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、2−〔2’−(2”−n−ペンチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ヘキシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−{2’−〔2”−(3”’−エチルペンチルオキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、2−〔2’−(2”−n−ヘプチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−オクチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ノニルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−デシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ウンデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ドデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、
2−{2’−〔2”−(2”’−メトキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、2−{2’−〔2”−(2”’−n−ドデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、
2−{2’−{2”−〔2”’−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エトキシ}エチル基、
2−{2’−{2”−{2”’−〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エトキシ}エトキシ}エチル基、
【0017】
2−エトキシエトキシメチル基、2−n−ブチルオキシエトキシメチル基,2−n−ヘキシルオキシエトキシメチル基、3−エトキシプロピルオキシメチル基、3−n−プロピルオキシプロピルオキシメチル基、3−n−ペンチルオキシプロピルオキシメチル基、3−n−ヘキシルオキシプロピルオキシメチル基、4−メトキシブチルオキシメチル基、4−エトキシブチルオキシメチル基、4−n−ブチルオキシブチルオキシメチル基、2−(3’−メトキシプロピルオキシ)エチル基、2−(3’−エトキシプロピルオキシ)エチル基、2−(4’−メトキシブチルオキシ)エチル基、2−(4’−エトキシブチルオキシ)エチル基、2−〔4’−(2”−エチルブチルオキシ)ブチルオキシ〕エチル基、2−〔4’−(3”−エチルペンチルオキシ)ブチルオキシ〕エチル基、3−(2’−メトキシエトキシ)プロピル基、3−(2’−エトキシエトキシ)プロピル基、3−(2’−n−ペンチルオキシエトキシ)プロピル基、3−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)プロピル基、3−(3’−エトキシプロピルオキシ)プロピル基、3−(3’−n−プロピルオキシプロピルオキシ)プロピル基、3−(3’−n−ブチルオキシプロピルオキシ)プロピル基、3−(4’−エトキシブチルオキシ)プロピル基、3−(5’−エトキシペンチルオキシ)プロピル基、4−(2’−メトキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−エトキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−イソプロピルオキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−イソブチルオキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−n−ブチルオキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)ブチル基、4−(3’−n−プロピルオキシプロピルオキシ)ブチル基、4−〔2’−(2”−メトキシエトキシ)エトキシ〕ブチル基、4−〔2’−(2”−n−ブチルオキシエトキシ)エトキシ〕ブチル基、4−〔2’−(2”−n−ヘキシルオキシエトキシ)エトキシ〕ブチル基、5−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)ペンチル基、2−[2’−(2”−n−ブチルオキシエトキシ)エトキシ]エチル基、
(2−エチルヘキシルオキシ)メチル基等のアルコキシアルキル基、
【0018】
2−(2’−フルオロエチルオキシ)エチル基、4−(2’−フルオロエチルオキシ)ブチル基、6−(2’−フルオロエチルオキシ)ヘキシル基、8−(2’−フルオロエチルオキシ)オクチル基、
2−(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−フルオロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、
2−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(4’−フルオロ−n−ブチルオキシ)オクチル基、
2−(2’−クロロエトキシ)エチル基、4−(2’ークロロエトキシ)ブチル基、6−(2’−クロロエトキシ)ヘキシル基、8−(2’−クロロエトキシ)オクチル基、2−(3’−クロロ−n−プロピルオキシ)エチル基、4−(3’−クロロ−n−プロピルオキシ)ブチル基、6−(3’−クロロ−n−プロピルオキシ)ヘキシル基、8−(3’−クロロ−n−プロピルオキシ)オクチル基、2−(4’−クロロ−n−ブチルオキシ)エチル基、4−(4’−クロロ−n−ブチルオキシ)ブチル基、6−(4’−クロロ−n−ブチルオキシ)ヘキシル基、8−(4’−クロロ−n−ブチルオキシ)オクチル基等のハロゲン原子で置換されたアルコキシアルキル基を挙げることができる。
【0019】
本発明の一般式(1)で表されるナフタレン化合物において、Yは単結合または−O−基を表す。
mは1または2を表す。
nは1〜3の整数を表し、好ましくは、1または2を表す。
Arは置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、2,6−ナフチレン基を表し、置換基としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、トリフルオロメトキシ基等を挙げることができる。好ましい置換基としては、フッ素原子、メチル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、メトキシ基である。Arは好ましくは、置換または無置換の1,4−フェニレン基、置換または無置換の4,4’−ビフェニレン基、無置換の2,6−ナフチレン基である。
また、C*は不斉炭素を表し、光学活性な不斉炭素であってもよく、非光学活性な不斉炭素であってもよい。C*が非光学活性な不斉炭素である場合、一般式(1)で表されるナフタレン化合物はラセミ体である。
【0020】
本発明の一般式(1)で表されるナフタレン化合物の具体例としては、以下の(表1)〜(表14)に示すような化合物を挙げることができる。尚、表中の「↑」は「同上」を表し、「Ph」、「F-Ph」、「Ph-F」、「Ph-2F」、「CH3-Ph」、「CN-Ph 」、「Ph-CN」、「Ph-2CN」、「CF3-Ph」、「CH3O-Ph」、「BiPh」、「F-BiPh」、「Nap」は以下に示す構造(化3)を表す。
【0021】
【化3】
Figure 0003832912
【0022】
【表1】
Figure 0003832912
【0023】
【表2】
Figure 0003832912
【0024】
【表3】
Figure 0003832912
【0025】
【表4】
Figure 0003832912
【0026】
【表5】
Figure 0003832912
【0027】
【表6】
Figure 0003832912
【0028】
【表7】
Figure 0003832912
【0029】
【表8】
Figure 0003832912
【0030】
【表9】
Figure 0003832912
【0031】
【表10】
Figure 0003832912
【0032】
【表11】
Figure 0003832912
【0033】
【表12】
Figure 0003832912
【0034】
【表13】
Figure 0003832912
【0035】
【表14】
Figure 0003832912
【0036】
本発明の一般式(1)で表されるナフタレン化合物は、例えば、以下に示す工程(化4)を経て製造することができる。
【0037】
【化4】
Figure 0003832912
すなわち、▲1▼一般式(2)で表されるカルボン酸と一般式(3)で表されるヒドロキシナフタレン化合物をN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(以下、DCCと略記する)等の脱水縮合剤と触媒(例えば、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジン)の存在下に縮合させる方法、▲2▼一般式(2)で表されるカルボン酸にハロゲン化剤(例えば、チオニルクロライド、オギザリルクロライド)を作用させ、カルボン酸ハライドへと誘導した後、塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン)の存在下に、一般式(3)で表されるヒドロキシナフタレン化合物と反応させる方法により製造することができる。
また、一般式(1)で表されるナフタレン化合物は、以下に示す行程(化5)を経て製造することもできる。
【0038】
【化5】
Figure 0003832912
すなわち、▲1▼一般式(4)で表されるカルボン酸誘導体と一般式(5)で表されるアルコールをジエチルアゾジカルボン酸(以下、DEADと略記する)等の脱水縮合剤とトリフェニルホスフィンの存在下に縮合させる方法、▲2▼一般式(4)で表されるカルボン酸誘導体にハロゲン化剤(例えば、チオニルクロライド、オギザリルクロライド)を作用させ、カルボン酸ハライドへと誘導した後、塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン)の存在下に、一般式(5)で表されるアルコールと反応させる方法により製造することができる。
尚、一般式(3)で表されるヒドロキシナフタレン化合物は、例えば、以下に示す工程(化6)を経て製造することができる。
【0039】
【化6】
Figure 0003832912
すなわち、式(6)で表されるベンジルオキシナフタレンカルボン酸にハロゲン化剤(例えば、チオニルクロライド、オギザリルクロライド)を作用させ、カルボン酸ハライドへと誘導した後、塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン)の存在下に、一般式(5)で表されるアルコールと反応させ、その後、接触水素化分解等によりベンジル基を除去することにより製造することができる。
また、一般式(4)で表されるカルボン酸誘導体は、例えば、以下に示す行程(化7)を経て製造することができる。
【0040】
【化7】
Figure 0003832912
すなわち、式(7)で表されるヒドロキシナフタレンカルボン酸ベンジルエステルと一般式(2)で表されるカルボン酸の酸ハライド誘導体を塩基の存在下、縮合させ、その後、ベンジル基を接触水素添加等の方法により除去する方法により製造することができる。
【0041】
本発明のナフタレン化合物には、それ自体で液晶性を示す化合物および液晶性を示さない化合物がある。また、液晶性を示す化合物には、スメクチックC(以下、SC相と略記する)またはカイラルスメクチックC(以下、SC *相と略記する)を示す化合物と、液晶性は示すが、SC相およびSC *相を示さない化合物がある。これらの化合物は、それぞれ液晶組成物の構成成分として有効に使用することができる。
【0042】
次ぎに、本発明の液晶組成物について説明する。液晶組成物は、一般に2種以上の成分からなるが、本発明の液晶組成物は、必須成分として、本発明のナフタレン化合物を少なくとも1種含有するものである。
本発明の液晶組成物に用いる本発明のナフタレン化合物としては、液晶性を示さないナフタレン化合物、SC相を示すナフタレン化合物、SC *相を示すナフタレン化合物、および、液晶性を示すがSC相およびSC *相を示さないナフタレン化合物である。
本発明の液晶組成物としては、好ましくは、カイラルスメクチックC、F、G、H、I等の相を示す液晶組成物が挙げられ、より好ましくは、SC *相を示す液晶組成物である。
【0043】
本発明のSC *相を示す液晶組成物は、本発明のナフタレン化合物、本発明のナフタレン化合物以外のSC *相を示す液晶化合物、本発明のナフタレン化合物以外のSc相を示す液晶化合物および光学活性化合物から選ばれる化合物を複数組み合わせることにより調製される組成物であり、本発明のナフタレン化合物を少なくとも一種含有する。
本発明のナフタレン化合物以外のSC *相を示す液晶化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、光学活性フェニルベンゾエート系液晶化合物、光学活性ビフェニルベンゾエート系液晶化合物、光学活性ナフタレン系液晶化合物、光学活性フェニルナフタレン系液晶化合物、光学活性トラン系液晶化合物、光学活性テトラリン系液晶化合物、光学活性フェニルピリミジン系液晶化合物、光学活性ナフチルピリミジン系液晶化合物を挙げることができる。
本発明のナフタレン化合物以外のSC相を示す液晶化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェニルベンゾエート系液晶化合物、ビフェニルベンゾエート系液晶化合物、ナフタレン系液晶化合物、フェニルナフタレン系液晶化合物、トラン系液晶化合物、テトラリン系液晶化合物、フェニルピリミジン系液晶化合物、ナフチルピリミジン系液晶化合物を挙げることができる。
また、光学活性化合物とは、それ自体では液晶性を示さないが、SC相を示す液晶化合物またはSC相を示す液晶組成物と混合することにより、SC *相を発現する能力を有する化合物を示し、光学活性化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、光学活性フェニルベンゾエート系非液晶化合物、光学活性ビフェニルベンゾエート系非液晶化合物、光学活性ナフタレン系非液晶化合物、光学活性フェニルナフタレン系非液晶化合物、光学活性テトラリン系非液晶化合物、光学活性フェニルピリミジン系非液晶化合物、光学活性ナフチルピリミジン系非液晶化合物、光学活性トラン系非液晶化合物を挙げることができる。
【0044】
また、本発明の液晶組成物には、上記の必須成分の他に、任意成分としてSC相を示さないスメクチックおよびネマチック液晶化合物、本発明のナフタレン化合物以外の液晶性を示さない化合物(例えば、アントラキノン系色素、アゾ系色素等の2色性色素、および導電性付与剤、寿命向上剤等)を含有していてもよい。本発明の液晶組成物中の本発明のナフタレン化合物の含有量は特に限定されるものではないが、通常、5〜99重量%であり、好ましくは、10〜90重量%である。
本発明の液晶組成物において、カイラルスメクチックC、F、G、H、I相を示す液晶組成物は強誘電性を示す液晶組成物である。
強誘電性を示す液晶組成物は、電圧印加によりスイッチング現象を起こし、これを利用した応答時間の短い液晶表示素子を作製することができる。
本発明のナフタレン化合物を少なくとも1種含有する液晶組成物は、従来より知られている液晶組成物と比較して応答時間、メモリー安定性、SC相での層構造、チルト角、配向膜上での配向特性および液晶化合物間の相溶性の点で優れている。
【0045】
次ぎに、本発明の液晶素子に関して説明する。
本発明の液晶素子は、本発明の液晶組成物を1対の電極基板間に配置してなる。(図1)は強誘電性を利用した液晶素子の構成を説明するためのカイラルスメクチック相を有する液晶素子の一例を示す断面概略図である。
液晶素子は、それぞれ透明電極3および絶縁性配向制御層4を設けた1対の基板2間にカイラルスメクチック相を示す液晶層1を配置し、かつ、その層厚をスペーサー5で設定してなるものであり、1対の透明電極3間にリード線6を介して電源7より電圧を印加可能なように接続する。また、1対の基板2は、1対のクロスニコル状態に配置された偏光板8により挟持され、その一方の外側には光源9が配置される。
基板2の材質としては、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス等のガラスおよびポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート等の透明性高分子が挙げられる。
2枚の基板2に設けられる透明電極3としては、例えば、In23、SnO2またはITO(インジウム・チン・オキサイド;Indium Tin Oxide)の薄膜からなる透明電極が挙げられる。
【0046】
絶縁性配向制御層4は、ポリイミド等の高分子の薄膜をナイロン、アセテート、レーヨン等の植毛布等でラビングし、液晶を配向させるためのものである。絶縁性配向制御層4の材質としては、例えば、シリコン窒化物、水素を含有するシリコン窒化物、シリコン炭化物、水素を含有するシリコン炭化物、シリコン酸化物、ホウ素窒化物、水素を含有するホウ素窒化物、セリウム酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物やフッ化マグネシウムなどの無機物質絶縁層、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリパラキシレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリスチレン、セルロース樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アクリル樹脂などの有機絶縁層が挙げられ、無機絶縁層の上に有機絶縁層を形成した2層構造の絶縁性配向制御層であってもよく、無機絶縁層または有機絶縁層のみからなる絶縁性配向制御層であってもよい。
【0047】
絶縁性配向制御層が無機絶縁層である場合には、蒸着法などで形成することができる。また、有機絶縁層である場合には、有機絶縁層材料または、その前駆体の溶液をスピンナー塗布法、浸透塗布法、スクリーン印刷法、スプレー塗布法、ロール塗布法等で塗布し、所定の条件下(例えば、加熱下)で溶媒を除去し、所望により焼成させて形成することができる。なお、有機絶縁層を形成する際には、必要に応じ、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等を使用して表面処理を行い、その後、有機絶縁層材料または、その前駆体を塗布してもよい。絶縁性配向制御層4の層厚は、通常、10オングストローム〜1μm、好ましくは、10〜3000オングストローム、さらに好ましくは、10〜1000オングストロームである。
【0048】
2枚の基板2は、スペーサ5により任意の間隔に保たれている。例えば、所定の直径を持つシリカビーズ、アルミナビーズをスペーサとして基板2で挟み、2枚の基板2の周囲をシール材(例えば、エポキシ系接着剤)を用いて密封することにより、任意の間隔に保つことができる。また、スペーサーとして高分子フィルムやガラスファイバーを使用してもよい。この2枚の基板の間にカイラルスメクチック相を示す液晶を封入する。液晶層1は、一般には0.5〜20μm、好ましくは、1〜5μmの厚さに設定する。
透明電極3からはリード線によって外部の電源7に接続されている。
また、基板2の外側には、互いの偏光軸を、例えば、クロスニコル状態とした1対の偏光板8が配置されている。(図1)の例は透過型であり、光源9を備えている。
また、本発明の液晶組成物を使用した液晶素子は、(図1)に示した透過型の素子としてだけではなく、反射型の素子としても応用可能である。
【0049】
本発明の液晶組成物を使用する液晶素子の表示方式に関しては、特に限定されるものではないが、例えば、(a)ヘリカル変歪型、(b)SSFLC(サーフェス・スタビライズド・フェロエレクトリック・リキッド・クリスタル)型、(c)TSM(トランジェント・スキャッタリング・モード)型、(d)G−H(ゲスト−ホスト)型の表示方式を使用することができる。
また、本発明のナフタレン化合物および該化合物を含有してなる液晶組成物は、表示用液晶素子以外の分野(例えば、▲1▼非線形光機能素子、▲2▼コンデンサー材料等のエレクトロニクス材料、▲3▼リミッター、メモリー、増幅器、変調器などのエレクトロニクス素子、▲4▼熱、光、圧力、機械変形などと電圧の変換素子やセンサー、▲5▼熱電発電素子等の発電素子)への応用が可能である。
【0050】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
尚、各実施例中の相転移温度の測定および液晶相の同定は温度制御装置を備えた偏光顕微鏡を用いて実施した。また、記号I、Ch、SA、SC、SC *、SXおよびCは以下の意味を表す。
I:等方性液体
Ch:コレステリック相
A:スメクチックA相
C:スメクチックC相
C *:カイラルスメクチックC相
X:未同定のスメクチック相
C:結晶相
【0051】
製造例1:6−ヒドロキシ−2−(2’−n−ブチルオキシ−1’−メチルエトキシカルボニル)ナフタレンの製造
6−ベンジルオキシナフタレン−2−カルボン酸59.77g、オギザリルクロライド15.5gおよびトルエン470mlよりなる混合物にN,N−ジメチルホルムアミドを1滴添加し、75℃で4時間加熱撹拌した。その後、過剰のオギザリルクロライドおよびトルエンを減圧下に留去し、残査にトルエン420mlおよび2−n−ブチルオキシ−1−メチルエタノール31.45gを添加し、氷冷し、トリエチルアミン22.8gを1時間かけて滴下した。その後室温で12時間撹拌し、不溶物をろ別した後、ろ液を塩酸により中和し、水洗し、トルエンを留去した。残査をイソプロパノールより再結晶し、71.8gの6−ベンジルオキシ−2−(2’−n−ブチルオキシ−1’−メチルエトキシカルボニル)ナフタレンを淡褐色の結晶として得た。
次に、6−ベンジルオキシ−2−(2’−n−ブチルオキシ−1’−メチルエトキシカルボニル)ナフタレン60gを酢酸エチル350mlに溶解し、Pd/C(50重量%含水)6.0gを添加し、水素雰囲気下に12時間撹拌した。その後。Pd/Cをろ別し、ろ液より酢酸エチルを留去し、6−ヒドロキシ−2−(2’−n−ブチルオキシ−1’−メチルエトキシカルボニル)ナフタレン45gを得た。
【0052】
製造例2:6−(4’−n−デシルオキシフェニルカルボニルオキシ)ナフタレン−2−カルボン酸の製造
6−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸ベンジルエステル55.6g、4−n−デシルオキシ安息香酸クロライド(この化合物は4−n−デシルオキシ安息香酸とオギザリルクロライドより調製した)59.3g、およびトルエン150gよりなる混合物を氷浴により5℃に冷却し、撹拌下、トリエチルアミン20.6gおよびトルエン30gよりなる溶液を1時間かけて滴下した。その後、室温まで昇温し、室温で3時間撹拌を行った。反応中に生成したトリエチルアミン塩酸塩をろ別し、ろ液を希塩酸で中和し、水洗した後、トルエンを留去した。残渣をイソプロパノールより再結晶し、6−(4’−n−デシルオキシフェニルカルボニルオキシ)ナフタレン−2−カルボン酸ベンジルエステル94.6gを得た。
次に、6−(4’−n−デシルオキシフェニルカルボニルオキシ)ナフタレン−2−カルボン酸ベンジルエステル60gを酢酸エチル350mlに溶解し、Pd/C(50重量%含水)6.0gを添加し、水素雰囲気下に12時間撹拌した。その後、Pd/Cをろ別し、ろ液より酢酸エチルを留去し、6−(4’−n−デシルオキシフェニルカルボニルオキシ)ナフタレン−2−カルボン酸47.5gを得た。
【0053】
実施例1:例示化合物27の製造
6−ヒドロキシ−2−(2’−n−ブチルオキシ−1’−メチルエトキシカルボニル)ナフタレン302mg、4−n−オクチルオキシ安息香酸250mg、DCC206mgおよびクロロホルム5mlよりなる混合物に4−ピロリジノピリジンを0.02g添加し、室温で12時間撹拌を行った。その後、不溶物をろ別し、クロロホルムを留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;トルエン:酢酸エチル:ヘキサン=10:1:1[容量比])により精製し、得られた固体をエタノールより2回再結晶して例示化合物27を無色の結晶として240mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0003832912
【0054】
実施例2:例示化合物35の製造
実施例1において4−n−オクチルオキシ安息香酸を使用する代わりに、4−n−ノニルオキシ安息香酸264mgを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い例示化合物35を無色の結晶として238mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0003832912
【0055】
実施例3:例示化合物50の製造
実施例1において4−n−オクチルオキシ安息香酸を使用する代わりに、4−n−ウンデシルオキシ安息香酸278mgを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い例示化合物50を無色の結晶として248mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。尚、()内の数字は降温過程での相転移温度を示す。
Figure 0003832912
【0056】
実施例4:例示化合物59の製造
実施例1において4−n−オクチルオキシ安息香酸を使用する代わりに、4−n−ドデシルオキシ安息香酸292mgを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い例示化合物59を無色の結晶として253mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0003832912
【0057】
実施例5:例示化合物104の製造
実施例1において4−n−オクチルオキシ安息香酸を使用する代わりに、4−n−ノニルオキシ−3−フルオロ安息香酸282mgを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い例示化合物104を無色の結晶として244mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0003832912
【0058】
実施例6:例示化合物97の製造
実施例1において4−n−オクチルオキシ安息香酸を使用する代わりに、4−n−デシルオキシ−3−フルオロ安息香酸296mgを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い例示化合物97を無色の結晶として255mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。尚、()内の数字は降温過程での相転移温度を示す。
Figure 0003832912
【0059】
実施例7:例示化合物100の製造
実施例1において4−n−オクチルオキシ安息香酸を使用する代わりに、4−(4’−n−デシルオキシフェニル)安息香酸354mgを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い例示化合物100を無色の結晶として332mg得た。この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0003832912
【0060】
実施例8:例示化合物107の製造
実施例1において4−n−オクチルオキシ安息香酸を使用する代わりに、6−n−デシルオキシナフタレンカルボン酸328mgを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い例示化合物107を無色の結晶として326mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。尚、()内の数字は降温過程での相転移温度を示す。
Figure 0003832912
【0061】
実施例9:例示化合物111の製造
6−(4’−デシルオキシフェニルカルボニルオキシ)ナフタレン−2−カルボン酸448mg、2−n−ブチルオキシ−1−メチルエタノール132mg、トリフェニルホスフィン262mgおよびテトラヒドロフラン5mlよりなる混合物に氷冷下、DEAD176mgを添加し、室温で6時間撹拌を行った。その後、テトラヒドロフランを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、得られた固体をエタノールより2回再結晶し、例示化合物111を無色の結晶として225mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0003832912
【0062】
実施例10:例示化合物223の製造
実施例9において2−n−ブチルオキシ−1−メチルエタノールを使用する代わりに、2−(2’−メトキシ−1−メチルエトキシ)−1−メチルエタノール148mgを使用した以外は、実施例9に記載の操作に従い例示化合物223を無色の結晶として232mg得た。
この化合物の相転移温度(℃)を以下に示した。尚、()内の数字は降温過程での相転移温度を示す。
Figure 0003832912
【0063】
実施例11:液晶組成物の調製
下記の化合物群(化8)を、下記に示した割合で混合して用い、100℃で加熱溶融し、液晶組成物(強誘電性液晶組成物)を調製した。
【0064】
【化8】
Figure 0003832912
この液晶組成物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0003832912
【0065】
実施例12:液晶素子の作製
2枚の1.1mm厚のガラス板を用意し、それぞれのガラス板上に、ITO膜を形成し、このITO膜付きのガラス板に液晶配向剤(ポリビニルアルコール)をスピンコートし、成膜後、120℃で30分間焼成した。この配向膜にラビング処理を行い、平均粒径1.9μmのシリカビーズを一方のガラス板上に散布した。その後、それぞれのラビング処理軸が互いに反平行となるよう、シール剤を用いてガラス板を張り合わせセルを作製した。このセルを100℃に加熱し、加熱(100℃)した実施例11で調製した液晶組成物を注入し、その後、3℃/分の速度で冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。このことは本発明の液晶組成物がスメクチックC相においてブックシェルフまたは疑似ブックシェルフ構造を取っていることを示す。尚、室温(25℃)における光学的な応答時間は102μ秒であった。また、矩形波駆動時の二つ暗点の角度(2θ)より求めた液晶組成物のチルト角(θ)は19.0°であった。
【0066】
比較例1:
比較のため実施例11の液晶組成物において本発明のナフタレン化合物の代わりにフェニルベンゾエート系化合物を添加した液晶組成物を調製した。
すなわち、下記の化合物群(化9)を、下記に示した割合で混合し、100℃で加熱溶融し、液晶組成物(強誘電性液晶組成物)を調製した。
【0067】
【化9】
Figure 0003832912
この液晶組成物の相転移温度(℃)を以下に示した。
Figure 0003832912
尚、使用したフェニルベンゾエート系液晶化合物の相転移温度(℃)は以下に示したとおりである。
Figure 0003832912
実施例11と比較例1より、本発明の液晶化合物は、本発明のナフタレン化合物の代わりにフェニルベンゾエート系液晶化合物を使用した液晶組成物と比較すると、広い温度範囲のスメクチックC相を示すことが判る。
【0068】
比較例2:
2枚の1.1mm厚のガラス板を用意し、それぞれのガラス板上に、ITO膜を形成し、このITO膜付きのガラス板に液晶配向剤(ポリビニルアルコール)をスピンコートし、成膜後、120℃で30分間焼成した。この配向膜にラビング処理を行い、平均粒径1.9μmのシリカビーズを一方のガラス板上に散布した。その後、それぞれのラビング処理軸が互いに反平行となるよう、シール剤を用いてガラス板を張り合わせセルを作製した。このセルを100℃に加熱し、加熱(100℃)した比較例1の液晶組成物を注入し、その後、3℃/分の速度で冷却し、液晶素子を作製した。この液晶素子をクロスニコル状態に配置した2枚の偏光板に挟持し、±20V、10Hzの矩形波を印加したところ、明瞭なスイッチング現象が観察された。また、偏光顕微鏡観察では良好な均一配向状態が観察され、ジグザグ欠陥等の配向欠陥は観察されなかった。尚、室温(25℃)における光学的な応答時間は100μ秒であった。また、矩形波駆動時の二つの暗点の角度(2θ)より求めた液晶組成物のチルト角は17.5°であった。
実施例12と比較例2より明らかなように、本発明の液晶組成物は、本発明のナフタレン化合物の代わりにフェニルベンゾエート系液晶化合物を使用した液晶組成物と比較し、応答時間は同等であるものの、チルト角が大きいことが判る。
【0069】
【発明の効果】
本発明により広い温度範囲でスメクチックC相を示し、ブックシェルフまたは疑似ブックシェルフ層構造を示すナフタレン系液晶組成物の構成成分として有用なナフタレン化合物を提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】カイラルスメクチック相を示す液晶を用いた液晶素子の一例の断面概略図である。
【符号の説明】
1 カイラルスメクチック相を有する液晶層
2 基板
3 透明電極
4 絶縁性配向制御層
5 スペーサー
6 リード線
7 電源
8 偏光板
9 光源
0 入射光
I 透過光

Claims (4)

  1. 一般式(1)(化1)で表されるナフタレン化合物。
    Figure 0003832912
    〔式中、R1およびR2は不斉炭素を含有しないハロゲン原子で置換されていて
    もよい炭素数1〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基、あるいは炭素数2〜24の直鎖または分岐鎖のアルコキシアルキル基を表し、Yは単結合または−O−基を表し、mは1または2を表し、nは1〜3の整数を表し、Arは置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、2,6−ナフチレン基を表し、C*は不斉炭素を表す〕
  2. 一般式(1)で表される化合物がラセミ体である請求項1記載のナフタレン化合物。
  3. 請求項1記載のナフタレン化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする液晶組成物。
  4. 請求項2記載の液晶組成物を使用することを特徴とする液晶素子。
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