JP4526132B2 - ナフタレン化合物、液晶組成物および液晶素子 - Google Patents

ナフタレン化合物、液晶組成物および液晶素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナフタレン化合物に関する。さらに詳しくは、新規なナフタレン化合物および該化合物の製造中間体として有用なナフタレン化合物に関し、また、該ナフタレン化合物を含有する液晶組成物、および該組成物を使用した液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、液晶表示素子は、低電圧動作、低消費電力、薄型表示が可能なこと、さらには、受光性の表示素子であるため目が疲れないこと等の優れた特徴を生かし、各種表示素子として広く利用されてきた。
中でも、ネマティック液晶を用いたTN(Twisted Nematic) 型液晶表示素子、および、ねじれ角を180〜270°にしたSTN(Super Twisted Nematic) 型液晶表示素子が広く利用されている。これら表示素子は、ネマティック液晶を用いたネマティック液晶表示素子であるが、これらのネマティック液晶表示素子は、応答時間が長く、数十msecのオーダーの応答時間しか得られない等という欠点がある。
最近の産業技術の進展に伴い、液晶表示素子にも高速応答性が強く要求され、このような要求に対して、液晶材料の改良による種々の試みがなされている。
例えば、強誘電性液晶の光スイッチング現象を利用した表示デバイスが提案され〔 Appl. Phys. Lett., 36 、 899 (1980) 〕、液晶テレビ等のディスプレイ用のみならず、光プリンターヘッド、光フーリエ変換素子、ライトバルブ等のオプトエレクトロニクス関連素子の素材への応用が期待されている。
【0003】
強誘電性液晶は、液晶相としてはチルト系のカイラルスメクティック相に属するものであり、その中でも実用的に望ましいのものは、粘度の低いカイラルスメクティックC相と呼ばれるものである。カイラルスメクティックC相を示す液晶化合物は、これまでにも種々検討されており、既に数多くの化合物が探索、製造されている。強誘電性液晶素子として用いるための条件としては、
・室温を含む広い温度範囲でカイラルスメクティックC相を示すこと、
・良好な配向性を得るために、カイラルスメクティックC相の高温側に適当な相系列を有し、かつその螺旋ピッチが大きいこと、
・適当なチルト角を有すること、
・粘性が小さいこと、
・自発分極がある程度大きいこと、
などが挙げられるが、これらの条件を単独で満足するものは知られていない。このため、実際には、いくつかの液晶化合物または非液晶化合物を混合して得られる強誘電性液晶組成物を使用する必要がある。
また、強誘電性液晶化合物のみからなる強誘電性液晶組成物ばかりでなく、例えば、特開昭60−36003号公報には、非カイラルなスメクティックC、F、G、H、Iなどの相を呈する化合物および組成物を基本物質として、これに強誘電性液晶相を呈する一種または複数の化合物を混合して、全体を強誘電性液晶組成物として得ることが報告されている。さらに、非カイラルなスメクティックC相などの相を呈する化合物および組成物を基本物質として、光学活性ではあるが、強誘電性液晶相は呈さない一種または複数の化合物を混合して全体を強誘電性液晶組成物とする報告も見受けられる〔Mol. Cryst. Liq. Cryst., 89, 327 (1982)〕。
従来、カイラルスメクティックC相を示す代表的な化合物として、下記(化5)に示すようなフェニルピリミジン系液晶化合物やフェニルベンゾエート系液晶化合物が知られている。
【0004】
【化5】
Figure 0004526132
(式中、Rはアルキル基、R*は光学活性アルキル基を表す)
さらに、特開昭63−246346号公報、特開平1−193390号公報、特開平3−68686号公報、特開平3−106850号公報には、下記(化5)に示すようなナフタレン系液晶化合物が提案されている。
【0005】
【化6】
Figure 0004526132
(式中、Rはアルキル基、R*は光学活性アルキル基を表す)
しかしながら、前記フェニルピリミジン系液晶化合物やフェニルベンゾエート系液晶化合物などを用いた強誘電性液晶組成物は、液晶セルに注入した際に、配向むらが生じて欠陥が発生しやすく、良好なメモリー性が得られず、コントラスト比が低いという問題点があった。
また、前記ナフタレン系液晶化合物からなる強誘電性液晶組成物を液晶セルに注入した場合には、良好な配向性を示し、欠陥は観察されずに良好なメモリー性が得られるが、高速応答性および応答時間の温度依存性等の点で十分な特性を有しているとはいえない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、強誘電性液晶素子の実用化のために、強誘電性液晶組成物に配合した際に高速応答性、配向性、高いコントラスト等の諸特性を改善するに適した液晶化合物、もしくは液晶組成物の構成成分として有用な化合物、及び該化合物の製造中間体ならびに該化合物を含有してなる液晶組成物、及び該組成物を使用した液晶素子を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、新規な化合物を見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一般式(1)(化7)で表されるナフタレン化合物に関するものである。
【0008】
【化7】
Figure 0004526132
〔式中、R1 、R2 はハロゲン原子で置換されていてもよい不斉炭素原子を有さない炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基あるいは炭素数2〜20のアルケニル基を表し、Aは下記式(化8)で表されるいずれかの基
【0009】
【化8】
Figure 0004526132
(式中、X1 、X2 、X3 およびX4 は水素原子またはハロゲン原子を表し、1,4−シクロヘキシレン環はトランス配置である)
を表し、zは0または1を表す〕
また、本発明は、一般式(1)で表されるナフタレン化合物を製造するに際して製造中間体として有用な一般式(2)(化9)で表されるナフタレン化合物に関するものであり、さらに、一般式(1)で表される化合物を用いた液晶組成物、および該液晶組成物を使用した液晶素子に関するものである。
【0010】
【化9】
Figure 0004526132
(式中、R3 は不斉炭素原子を有さない炭素数3〜20の分岐鎖のアルキル基、ハロゲン原子で置換された不斉炭素原子を有さない炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基あるいは炭素数2〜20のアルケニル基を表し、Bは水素原子またはベンジル基を表す)
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関し、詳細に説明する。
本発明の一般式(1)で表されるナフタレン化合物は新規な化合物である。
一般式(1)において、R1 、R2 はハロゲン原子で置換されていてもよい不斉炭素原子を有さない炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基または炭素数2〜20のアルケニル基を表し、より好ましくは、下記一般式(I)または(II)で表される直鎖または分岐鎖のアルキル基、一般式(III)で表されるアルコキシアルキル基、あるいは一般式(IV)、(V)または(VI)で表されるハロゲン化アルキル基である。さらに好ましくは、R1 、R2 は(I)、(II)、(III)、(IV)または(VI)で表される基であり、特に好ましくは、R1 は式(I)、(III)、(IV)または(VI)で表される基である。
−Ca 2a+1(n) (I)
−(CH2 b CH(Cc 2c+12 (II)
−Cd 2dO(Ce 2eO)f g 2g+1 (III)
−(CH2 h (CX2 i H (IV)
−(CH2 j (Ck 2kl m 2m+1 (V)
−(CH2 )n (CX2 p X (VI)
(上式中、aは1〜20、bは0〜17、cは1〜9の自然数を表し、b+c×2≦19であり、dは1〜10、eは1〜10、fは0〜5、gは1〜12の自然数を表し、d+e×f+g≦20であり、hは0〜19、iは1〜20、jは0〜18、kは1〜10、lは1〜19、mは1〜19、nは0〜19、pは1〜20の自然数を表し、h+i≦20、j+k×l+m≦20、n+p≦20であり、Xはハロゲン原子を表す)
【0012】
1 、R2 の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基の直鎖のアルキル基;
例えば、1−メチルエチル基、2−メチルプロピル基、3−メチルブチル基、4−メチルペンチル基、5−メチルヘキシル基、6−メチルヘプチル基、7−メチルオクチル基、8−メチルノニル基、9−メチルデシル基、11−メチルドデシル基、3−ペンチル基、2−エチルブチル基、3−エチルペンチル基、4−エチルヘキシル基、5−エチルヘプチル基、6−エチルオクチル基、4−ヘプチル基、2−n−プロピルペンチル基、3−n−プロピルヘキシル基、4−n−プロピルヘプチル基、5−n−プロピルオクチル基、6−n−プロピルノニル基、7−n−プロピルデシル基、8−n−プロピルウンデシル基、9−n−プロピルドデシル基、1−n−ブチルペンチル基、2−n−ブチルヘキシル基、3−n−ブチルヘプチル基、4−n−ブチルオクチル基、5−n−ブチルノニル基、6−n−ブチルデシル基、7−n−ブチルウンデシル基、8−n−ブチルドデシル基、
2−n−ペンチルヘプチル基、3−n−ペンチルオクチル基、5−n−ペンチルデシル基、3−n−ヘキシルノニル基、4−n−ヘキシルデシル基、6−n−ヘキシルドデシル基、2,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルペンチル基、4,4−ジメチルペンチル基、5,5−ジメチルヘキシル基、6,6−ジメチルヘプチル基、3,3−ジエチルペンチル基、2,2,4,4−テトラメチルペンチル基等の分岐鎖のアルキル基;
【0013】
例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、3−フルオロ−n−プロピル基、4−フルオロ−n−ブチル基、5−フルオロ−n−ペンチル基、6−フルオロ−n−ヘキシル基、2−クロロエチル基、3−クロロ−n−プロピル基、4−クロロ−n−ブチル基、5−クロロ−n−ペンチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロイソブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基、パーフルオロ−n−ヘプチル基、パーフルオロ−n−オクチル基、パーフルオロ−n−ノニル基、パーフルオロ−n−デシル基、パーフルオロ−n−ウンデシル基、パーフルオロ−n−ドデシル基、パーフルオロ−n−テトラデシル基、1−ヒドロパーフルオロイソプロピル基、1,1−ジヒドロパーフルオロエチル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−プロピル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−ブチル基、1,1−ジヒドロパーフルオロイソブチル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−ペンチル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−ヘキシル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−ヘプチル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−オクチル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−ノニル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−デシル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−ウンデシル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−ドデシル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−テトラデシル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−ペンタデシル基、1,1−ジヒドロパーフルオロ−n−ヘキサデシル基、1,1,2−トリヒドロフルオロパーフルオロエチル基、1,1,3−トリヒドロパーフルオロ−n−プロピル基、1,1,4−トリヒドロパーフルオロ−n−ブチル基、1,1,5−トリヒドロパーフルオロ−n−ペンチル基、1,1,6−トリヒドロパーフルオロ−n−ヘキシル基、1,1,7−トリヒドロパーフルオロ−n−ヘプチル基、1,1,8−トリヒドロパーフルオロ−n−オクチル基、1,1,9−トリヒドロパーフルオロ−n−ノニル基、1,1,11−トリヒドロパーフルオロ−n−ウンデシル基、
【0014】
2−(パーフルオロエチル)エチル基、2−(パーフルオロ−n−プロピル)エチル基、2−(パーフルオロ−n−ブチル)エチル基、2−(パーフルオロ−n−ペンチル)エチル基、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル基、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチル基、2−(パーフルオロ−n−ヘプチル)エチル基、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル基、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル基、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル基、2−(パーフルオロ−n−デシル)エチル基、2−(パーフルオロ−n−ノニル)エチル基、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチル基、2−(パーフルオロ−n−ドデシル)エチル基、
2,2−ビス(トリフルオロメチル)プロピル基、3−(パーフルオロ−n−プロピル)−n−プロピル基、3−(パーフルオロ−n−ブチル)−n−プロピル基、3−(パーフルオロ−n−ヘキシル)−n−プロピル基、3−(パーフルオロ−n−ヘプチル)−n−プロピル基、3−(パーフルオロ−n−オクチル)−n−プロピル基、3−(パーフルオロ−n−デシル)−n−プロピル基、3−(パーフルオロ−n−ドデシル)−n−プロピル基、
4−(パーフルオロエチル)−n−ブチル基、4−(パーフルオロ−n−プロピル)−n−ブチル基、4−(パーフルオロ−n−ブチル)−n−ブチル基、4−(パーフルオロ−n−ペンチル)−n−ブチル基、4−(パーフルオロ−n−ヘキシル)−n−ブチル基、4−(パーフルオロ−n−ヘプチル)−n−ブチル基、4−(パーフルオロ−n−オクチル)−n−ブチル基、4−(パーフルオロ−n−デシル)−n−ブチル基、5−(パーフルオロ−n−プロピル)−n−ペンチル基、5−(パーフルオロ−n−ブチル)−n−ペンチル基、5−(パーフルオロ−n−ペンチル)−n−ペンチル基、5−(パーフルオロ−n−ヘキシル)−n−ペンチル基、5−(パーフルオロ−n−ヘプチル)−n−ペンチル基、5−(パーフルオロ−n−オクチル)−n−ペンチル基、
6−(パーフルオロエチル)−n−ヘキシル基、6−(パーフルオロ−n−プロピル)−n−ヘキシル基、6−(パーフルオロ−1−メチルエチル)−n−ヘキシル基、6−(パーフルオロ−n−ブチル)−n−ヘキシル基、6−(パーフルオロ−n−ヘキシル)−n−ヘキシル基、6−(パーフルオロ−n−ヘプチル)−n−ヘキシル基、6−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−n−ヘキシル基、6−(パーフルオロ−n−オクチル)−n−ヘキシル基、6−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−n−ヘキシル基、7−(パーフルオロエチル)−n−ヘプチル基、7−(パーフルオロ−n−プロピル)−n−ヘプチル基、7−(パーフルオロ−n−ブチル)−n−ヘプチル基、7−(パーフルオロ−n−ペンチル)−n−ヘプチル基等のハロゲン化アルキル基;
【0015】
例えば、メトキシメチル基、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、5−メトキシペンチル基、6−メトキシヘキシル基、7−メトキシヘプチル基、8−メトキシオクチル基、9−メトキシノニル基、10−メトキシデシル基、エトキシメチル基、2−エトキシエチル基、3−エトキシプロピル基、4−エトキシブチル基、5−エトキシペンチル基、6−エトキシヘキシル基、7−エトキシヘプチル基、8−エトキシオクチル基、9−エトキシノニル基、10−エトキシデシル基、n−プロポキシメチル基、2−n−プロポキシエチル基、3−n−プロポキシプロピル基、4−n−プロポキシブチル基、5−n−プロポキシペンチル基、6−n−プロポキシヘキシル基、7−n−プロポキシヘプチル基、8−n−プロポキシオクチル基、9−n−プロポキシノニル基、10−n−プロポキシデシル基、n−ブトキシメチル基、2−n−ブトキシエチル基、3−n−ブトキシプロピル基、4−n−ブトキシブチル基、5−n−ブトキシペンチル基、6−n−ブトキシヘキシル基、7−n−ブトキシヘプチル基、8−n−ブトキシオクチル基、9−n−ブトキシノニル基、10−n−ブトキシデシル基、n−ペンチルオキシメチル基、2−n−ペンチルオキシエチル基、3−n−ペンチルオキシプロピル基、4−n−ペンチルオキシブチル基、5−n−ペンチルオキシペンチル基、6−n−ペンチルオキシヘキシル基、7−n−ペンチルオキシヘプチル基、8−n−ペンチルオキシオクチル基、9−n−ペンチルオキシノニル基、10−n−ペンチルオキシデシル基、n−ヘキシルオキシメチル基、2−n−ヘキシルオキシエチル基、3−n−ヘキシルオキシプロピル基、4−n−ヘキシルオキシブチル基、5−n−ヘキシルオキシペンチル基、6−n−ヘキシルオキシヘキシル基、7−n−ヘキシルオキシヘプチル基、8−n−ヘキシルオキシオクチル基、9−n−ヘキシルオキシノニル基、10−n−ヘキシルオキシデシル基、
【0016】
n−ヘプチルオキシメチル基、2−n−ヘプチルオキシエチル基、3−n−ヘプチルオキシプロピル基、4−n−ヘプチルオキシブチル基、5−n−ヘプチルオキシペンチル基、6−n−ヘプチルオキシヘキシル基、7−n−ヘプチルオキシヘプチル基、8−n−ヘプチルオキシオクチル基、9−n−ヘプチルオキシノニル基、10−n−ヘプチルオキシデシル基、n−オクチルオキシメチル基、2−n−オクチルオキシエチル基、3−n−オクチルオキシプロピル基、4−n−オクチルオキシブチル基、5−n−オクチルオキシペンチル基、6−n−オクチルオキシヘキシル基、7−n−オクチルオキシヘプチル基、8−n−オクチルオキシオクチル基、9−n−オクチルオキシノニル基、10−n−オクチルオキシデシル基、n−ノニルオキシメチル基、2−n−ノニルオキシエチル基、3−n−ノニルオキシプロピル基、4−n−ノニルオキシブチル基、5−n−ノニルオキシペンチル基、6−n−ノニルオキシヘキシル基、7−n−ノニルオキシヘプチル基、8−n−ノニルオキシオクチル基、9−n−ノニルオキシノニル基、10−n−ノニルオキシデシル基、n−デシルオキシメチル基、2−n−デシルオキシエチル基、3−n−デシルオキシプロピル基、4−n−デシルオキシブチル基、5−n−デシルオキシペンチル基、6−n−デシルオキシヘキシル基、7−n−デシルオキシヘプチル基、8−n−デシルオキシオクチル基、9−n−デシルオキシノニル基、2−n−ウンデシルオキシエチル基、4−n−ウンデシルオキシブチル基、6−n−ウンデシルオキシヘキシル基、8−n−ウンデシルオキシオクチル基、2−n−ドデシルオキシエチル基、4−n−ドデシルオキシブチル基、6−n−ドデシルオキシヘキシル基、
【0017】
イソプロポキシメチル基、2−イソプロポキシエチル基、3−イソプロポキシプロピル基、4−イソプロポキシブチル基、5−イソプロポキシペンチル基、6−イソプロポキシヘキシル基、7−イソプロポキシヘプチル基、8−イソプロポキシオクチル基、9−イソプロポキシノニル基、10−イソプロポキシデシル基、イソブトキシメチル基、2−イソブトキシエチル基、3−イソブトキシプロピル基、4−イソブトキシブチル基、5−イソブトキシペンチル基、6−イソブトキシヘキシル基、7−イソブトキシヘプチル基、8−イソブトキシオクチル基、9−イソブトキシノニル基、10−イソブトキシデシル基、tert−ブトキシメチル基、2−tert−ブトキシエチル基、3−tert−ブトキシプロピル基、4−tert−ブトキシブチル基、5−tert−ブトキシペンチル基、6−tert−ブトキシヘキシル基、7−tert−ブトキシヘプチル基、8−tert−ブトキシオクチル基、9−tert−ブトキシノニル基、10−tert−ブトキシデシル基、
2−エチルブトキシメチル基、2−(2’−エチルブトキシ)エチル基、3−(2’−エチルブトキシ)プロピル基、4−(2’−エチルブトキシ)ブチル基、5−(2’−エチルブトキシ)ペンチル基、6−(2’−エチルブトキシ)ヘキシル基、7−(2’−エチルブトキシ)ヘプチル基、8−(2’−エチルブトキシ)オクチル基、9−(2’−エチルブトキシ)ノニル基、10−(2’−エチルブトキシ)デシル基、
3−エチルペンチルオキシメチル基、2−(3’−エチルペンチルオキシ)エチル基、3−(3’−エチルペンチルオキシ)プロピル基、4−(3’−エチルペンチルオキシ)ブチル基、5−(3’−エチルペンチルオキシ)ペンチル基、6−(3’−エチルペンチルオキシ)ヘキシル基、7−(3’−エチルペンチルオキシ)ヘプチル基、8−(3’−エチルペンチルオキシ)オクチル基、9−(3’−エチルペンチルオキシ)ノニル基、10−(3’−エチルペンチルオキシ)デシル基、
【0018】
2−(2’−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2’−エトキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−プロポキシエトキシ)エチル基、2−(2’−イソプロポキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ブチルオキエトキシ)エチル基、2−(2’−イソブチルオキエトキシ)エチル基、2−(2’−tert−ブトキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ペンチルオキシエトキシ)エチル基、2−〔2’−(2”−エチルブトキシ)エトキシ〕エチル基、2−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)エチル基、2−〔2’−(3”−エチルペンチルオキシ)エトキシ〕エチル基、2−(2’−n−ヘプチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−オクチルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ノニルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−デシルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ウンデシルオキシエトキシ)エチル基、2−(2’−n−ドデシルオキシエトキシ)エチル基、
2−〔2’−(2”−メトキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−エトキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−プロポキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−イソプロポキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ブトキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−イソブトキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−tert−ブトキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−{2’−〔2”−(2''' −エチルブトキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、2−〔2’−(2”−n−ペンチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ヘキシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−{2’−〔2”−(3''' −エチルペンチルオキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、2−〔2’−(2”−n−ヘプチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−オクチルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ノニルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−デシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、2−〔2’−(2”−n−ウンデシルオキシエトキシ)エトキシ〕エチル基、
【0019】
2−{2’−〔2”−(2''' −メトキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エチル基、2−{2’−{2”−〔2''' −(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エトキシ}エチル基、2−{2’−{2”−{2''' −〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕エトキシ}エトキシ}エトキシ}エチル基、
2−エトキシエトキシメチル基、2−n−ブトキシエトキシメチル基、2−n−ヘキシルオキシエトキシメチル基、3−エトキシプロポキシメチル基、3−n−プロポキシプロポキシメチル基、3−n−ペンチルオキシプロポキシメチル基、3−n−ヘキシルオキシプロポキシメチル基、
4−メトキシブトキシメチル基、4−エトキシブトキシメチル基、4−n−ブトキシブトキシメチル基、2−(3’−メトキシプロポキシ)エチル基、2−(3’−エトキシプロポキシ)エチル基、2−(4’−メトキシブトキシ)エチル基、2−(4’−エトキシブトキシ)エチル基、2−〔4’−(2”−エチルブトキシ)ブトキシ〕エチル基、2−〔4’−(3”−エチルペンチルオキシ)ブトキシ〕エチル基、
3−(2’−メトキシエトキシ)プロピル基、3−(2’−エトキシエトキシ)プロピル基、3−(2’−n−ペンチルオキシエトキシ)プロピル基、3−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)プロピル基、3−(3’−エトキシプロポキシ)プロピル基、3−(3’−n−プロポキシプロポキシ)プロピル基、3−(3’−n−ブトキシプロポキシ)プロピル基、3−(4’−エトキシブトキシ)プロピル基、3−(5’−エトキシペンチルオキシ)プロピル基、4−(2’−メトキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−エトキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−イソプロポキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−イソブトキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−n−ブトキシエトキシ)ブチル基、4−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)ブチル基、4−(3’−n−プロポキシプロポキシ)ブチル基、4−〔2’−(2”−メトキシエトキシ)エトキシ〕ブチル基、4−〔2’−(2”−n−ブトキシエトキシ)エトキシ〕ブチル基、4−〔2’−(2”−n−ヘキシルオキシエトキシ)エトキシ〕ブチル基等のアルコキシアルキル基;
【0020】
2−(2’−フルオロエトキシ)エチル基、4−(2’−フルオロエトキシ)ブチル基、6−(2’−フルオロエトキシ)ヘキシル基、8−(2’−フルオロエトキシ)オクチル基、2−(3’−フルオロ−n−プロポキシ)エチル基、4−(3’−フルオロ−n−プロポキシ)ブチル基、6−(3’−フルオロ−n−プロポキシ)ヘキシル基、8−(3’−フルオロ−n−プロポキシ)オクチル基、2−(4’−フルオロ−n−ブトキシ)エチル基、4−(4’−フルオロ−n−ブトキシ)ブチル基、6−(4’−フルオロ−n−ブトキシ)ヘキシル基、8−(4’−フルオロ−n−ブトキシ)オクチル基、
2−(2’−クロロエトキシ)エチル基、4−(2’−クロロエトキシ)ブチル基、6−(2’−クロロエトキシ)ヘキシル基、8−(2’−クロロエトキシ)オクチル基、2−(3’−クロロ−n−プロポキシ)エチル基、4−(3’−クロロ−n−プロポキシ)ブチル基、6−(3’−クロロ−n−プロポキシ)ヘキシル基、8−(3’−クロロ−n−プロポキシ)オクチル基、2−(4’−クロロ−n−ブトキシ)エチル基、4−(4’−クロロ−n−ブトキシ)ブチル基、6−(4’−クロロ−n−ブトキシ)ヘキシル基、8−(4’−クロロ−n−ブトキシ)オクチル基等のハロゲン化アルコキシアルキル基;
例えば、ビニル基、プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、3−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、2−オクテニル基、3−オクテニル基、7−オクテニル基、2−ノネニル基、3−ノネニル基、6−ノネニル基、8−ノネニル基、2−デセニル基、3−デセニル基、9−デセニル基、2−ウンデセニル基、3−ウンデセニル基、10−ウンデセニル基、2−ドデセニル基、3−ドデセニル基、11−ドデセニル基等のアルケニル基を挙げることができる。
一般式(1)において、Aは下記式(化10)で表されるいずれかの基を表し、好ましくは、下記式(化11)で表されるいずれかの基である。
【0021】
【化10】
Figure 0004526132
【0022】
【化11】
Figure 0004526132
【0023】
Aにおいて、X1 、X2 、X3 およびX4 は水素原子またはハロゲン原子を表し、好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子または臭素原子であり、より好ましくは、水素原子、フッ素原子または塩素原子であり、特に好ましくは、水素原子またはフッ素原子である。
1 、X2 の置換位置は、置換基R1 −またはR1 O−に対して、オルト位またはメタ位であり、より好ましくは、オルト位である。X3 の置換位置は、−COO−基に対して、オルト位またはメタ位であり、より好ましくは、オルト位である。また、X4 の置換位置は、ナフタレン環のα位またはβ位であり、好ましくは置換基R1 −またはR1 O−および/または−COO−基に対して、オルト位であり、さらに好ましくは置換基R1 −またはR1 O−および/または−COO−基に対して、オルト位で、かつナフタレン環のα位である。
一般式(1)において、zは0または1を表す。
本発明の一般式(1)で表されるナフタレン化合物は、Aの種類に応じ、以下の(1−1)〜(1−5)(化12)の5種類の構造に大別される。
【0024】
【化12】
Figure 0004526132
一般式(1)で表されるナフタレン化合物の具体例としては、例えば、以下に示す構造の化合物(化13〜59)を挙げることができる。
【0025】
【化13】
Figure 0004526132
【0026】
【化14】
Figure 0004526132
【0027】
【化15】
Figure 0004526132
【0028】
【化16】
Figure 0004526132
【0029】
【化17】
Figure 0004526132
【0030】
【化18】
Figure 0004526132
【0031】
【化19】
Figure 0004526132
【0032】
【化20】
Figure 0004526132
【0033】
【化21】
Figure 0004526132
【0034】
【化22】
Figure 0004526132
【0035】
【化23】
Figure 0004526132
【0036】
【化24】
Figure 0004526132
【0037】
【化25】
Figure 0004526132
【0038】
【化26】
Figure 0004526132
【0039】
【化27】
Figure 0004526132
【0040】
【化28】
Figure 0004526132
【0041】
【化29】
Figure 0004526132
【0042】
【化30】
Figure 0004526132
【0043】
【化31】
Figure 0004526132
【0044】
【化32】
Figure 0004526132
【0045】
【化33】
Figure 0004526132
【0046】
【化34】
Figure 0004526132
【0047】
【化35】
Figure 0004526132
【0048】
【化36】
Figure 0004526132
【0049】
【化37】
Figure 0004526132
【0050】
【化38】
Figure 0004526132
【0051】
【化39】
Figure 0004526132
【0052】
【化40】
Figure 0004526132
【0053】
【化41】
Figure 0004526132
【0054】
【化42】
Figure 0004526132
【0055】
【化43】
Figure 0004526132
【0056】
【化44】
Figure 0004526132
【0057】
【化45】
Figure 0004526132
【0058】
【化46】
Figure 0004526132
【0059】
【化47】
Figure 0004526132
【0060】
【化48】
Figure 0004526132
【0061】
【化49】
Figure 0004526132
【0062】
【化50】
Figure 0004526132
【0063】
【化51】
Figure 0004526132
【0064】
【化52】
Figure 0004526132
【0065】
【化53】
Figure 0004526132
【0066】
【化54】
Figure 0004526132
【0067】
【化55】
Figure 0004526132
【0068】
【化56】
Figure 0004526132
【0069】
【化57】
Figure 0004526132
【0070】
【化58】
Figure 0004526132
【0071】
【化59】
Figure 0004526132
一般式(1)で表される化合物は、代表的には、以下の方法により製造することができる。すなわち、一般式(3a)(化60)で表される化合物と、一般式(4)(化60)で表される化合物とを用いて、エステル化反応を行うことにより製造することができる。
【0072】
【化60】
Figure 0004526132
(式中、R1 、R2 、Aおよびzは前記に同じ意味を表す)
尚、エステル化を実施する方法としては、公知の方法、例えば、▲1▼一般式(3a)で表される化合物と、一般式(4)で表される化合物とを、例えば、4−ピロリジノピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジンなどの触媒の存在下、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等の縮合剤を作用させる方法、あるいは▲2▼一般式(4)で表される化合物に、チオニルクロライドまたはオギザリルクロライド等を作用させて、ハロゲン化物とした後、一般式(3a)で表される化合物を作用させる方法等を適用することができる。
【0073】
一般式(4)で表される化合物は、一部の化合物は市販されており、また公知の方法〔例えば、J. Chem. Soc., 1874 (1935)、J. Chem. Soc., 2556 (1954)、J. Chem. Soc., 1412 (1955)、J. Chem. Soc., 393 (1957) 、J. Chem. Soc., 1545 (1959)等に記載の方法〕により製造することができる。すなわち、例えば、4−アルキルオキシ安息香酸誘導体は、4−ヒドロキシ安息香酸誘導体に、塩基の存在下、アルキルハライド、アルキルトシレート等のアルキル化剤を作用させることにより製造することができる。
また、4−アルキルオキシビフェニル−4’−カルボン酸誘導体は、4−ヒドロキシビフェニル−4’−カルボン酸誘導体に、塩基の存在下、アルキルハライド、アルキルトシレート等のアルキル化剤を作用させることにより製造することができる。
一般式(3a)および(3b)で表される化合物は、代表的には以下の経路(化61)に従って製造することができる。
【0074】
【化61】
Figure 0004526132
(但し、R2 は前記に同じ意味を表し、Yはハロゲン原子を表し、Bzはベンジル基を表す)
【0075】
すなわち、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に、ベンジルハライド等を用いてベンジル化して製造される式(5)で表される2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸に、チオニルクロライドまたはオキザリルクロライド等を作用させて、式(6)で表される酸ハロゲン化物を製造する。
その後、式(6)で表される酸ハロゲン化物と一般式(7)で表されるアルコール化合物とを、反応させて、一般式(3b)で表される化合物を製造することができる。
2 −OH (7)
(式中、R2 は前記に同じ意味を表す)
また、一般式(3b)で表される化合物は、式(5)で表される2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸と、一般式(7)で表されるアルコール化合物とを、例えば、4−ピロリジノピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジンなどの触媒の存在下、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等の縮合剤を作用させる方法によっても製造することができる。
【0076】
また、一般式(3b)で表される化合物は、例えば、非プロトン性極性溶媒およびアルカリ金属塩基の存在下で、式(5)で表される2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸に、一般式(8)で表されるアルキル化剤を作用させて製造することもできる。
2 −W (8)
(式中、R2 は前記に同じ意味を表し、Wはハロゲン原子、アリールスルフォニルオキシ基などの脱離基を表す)
その後、一般式(3b)で表される化合物を水素化分解(脱ベンジル化)して、一般式(3a)で表される化合物を製造することができる。
水素化分解は、其自体公知の方法により実施することができる。すなわち、例えば、Pd、Pt、Rh、Co、Ni等の金属を、活性炭、アルミナ、硫酸バリウム等に担持させた触媒の存在下、有機溶媒(例えば、アルコール系溶媒、エステル系溶媒)中で、常圧〜50kg/cm2 程度の圧力下で水素化することにより実施できる。水素化分解は、一般に、0〜200℃程度、より好ましくは、10〜150℃程度で実施される。
【0077】
また、一般式(3a)で表される化合物は、例えば、非プロトン性極性溶媒およびアルカリ金属塩基の存在下で、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に、一般式(8)で表されるアルキル化剤を作用させて製造することもできる。
2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸は、公知の方法〔例えば、J. Chem. Soc., 678 (1954) に記載の方法〕により製造することができる。
尚、一般式(3a)および(3b)で表されるナフタレン化合物の内で、一般式(2)(化62)で表されるナフタレン化合物、すなわち一般式(2a)および(2b)(化62)で表される化合物は、新規な化合物であり、本発明は、これらの化合物をも提供するものである。
【0078】
【化62】
Figure 0004526132
【0079】
一般式(2)において、Bは水素原子またはベンジル基を表し、一般式(2b)において、Bzはベンジル基を表す。また、一般式(2a)および(2b)中、R3 は不斉炭素原子を有さない炭素数3〜20の分岐鎖のアルキル基、ハロゲン原子で置換された不斉炭素原子を有さない炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基または炭素数2〜20のアルケニル基を表し、好ましくは、一般式(II)で表される分岐鎖のアルキル基、一般式(III)で表されるアルコキシアルキル基、一般式(IV)、(V)または(VI)で表されるハロゲン化アルキル基である。
3 の具体例としては、一般式(1)におけるR1 およびR2 の具体例として挙げた分岐鎖のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシアルキル基、ハロゲン化アルコキシアルキル基、アルケニル基を挙げることができる。
【0080】
このようにして製造される一般式(1)で表される化合物の多くは、それ自体液晶性を有するものであり、液晶組成物、および該液晶組成物を用いた液晶素子を構成する際には、有用な化合物である。
本発明のナフタレン化合物には、それ自体で液晶性を示すナフタレン化合物、および、それ自体では液晶性を示さないナフタレン化合物がある。また、液晶性を示すナフタレン化合物には、スメクティックC相を示すナフタレン化合物、および、液晶相を示すがスメクティックC相を示さないナフタレン化合物がある。これらの化合物は、それぞれ液晶組成物の構成成分として有効に使用することができる。
【0081】
次に、本発明の液晶組成物について説明する。
液晶組成物は、一般に2種以上の成分からなるが、本発明の液晶組成物は、必須成分として、本発明のナフタレン化合物を少なくとも1種含有するものである。本発明の液晶組成物に用いる本発明のナフタレン化合物としては、液晶性を示さないナフタレン化合物、スメクティックC相を示すナフタレン化合物、および、液晶性を示すがスメクティックC相を示さないナフタレン化合物が挙げられる。本発明の液晶組成物としては、特に限定するものではないが、例えば、スメクティック相を示す液晶組成物、およびカイラルスメクティック相を示す液晶組成物が挙げられ、好ましくは、スメクティックC、F、G、H、Iなどの相を示す液晶組成物、およびカイラルスメクティックC、F、G、H、Iなどの相を示す液晶組成物が挙げられ、より好ましくは、カイラルスメクティックC相を示す液晶組成物である。
【0082】
スメクティックC相を示す液晶組成物は、一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有し、任意成分として、一般式(1)で表される化合物以外の他のスメクティックC相を示す化合物、例えば、フェニルベンゾエート系液晶化合物、ビフェニルベンゾエート系液晶化合物、ナフタレン系液晶化合物、フェニルナフタレン系液晶化合物、フェニルピリミジン系液晶化合物、ナフチルピリミジン系液晶化合物、トラン系液晶化合物等の液晶化合物を含有することができ、さらには、単独では、スメクティックC相を示さない化合物をも所望により含有することができる。
スメクティックC相を示す液晶組成物中、一般式(1)で表される化合物1種以上の含有量は、特に限定するものではないが、通常、1〜100重量%であり、より好ましくは、2〜80重量%であり、特に好ましくは、2〜50重量%である。
【0083】
カイラルスメクティックC相を示す液晶組成物は、一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有し、さらに、光学活性化合物としては、例えば、公知の光学活性フェニルベンゾエート系液晶化合物、光学活性ビフェニルベンゾエート系液晶化合物、光学活性ナフタレン系液晶化合物、光学活性フェニルナフタレン系液晶化合物、光学活性フェニルピリミジン系液晶化合物、光学活性ナフチルピリミジン系液晶化合物、光学活性トラン系液晶化合物等を少なくとも1種含有してなる。
カイラルスメクティックC相を示す液晶組成物中、一般式(1)で表される化合物1種以上の含有量は、特に限定するものではないが、通常、1〜99重量%であり、より好ましくは、2〜80重量%であり、特に好ましくは、2〜50重量%である。
【0084】
また、本発明の液晶組成物は、上記の必須成分の他に、任意成分として本発明のナフタレン化合物以外の液晶性を示さない化合物(例えば、アントラキノン系色素、アゾ系色素などの2色性色素、および、導電性付与剤、寿命向上剤等)を含有していてもよい。
本発明の液晶組成物を使用することにより、高速応答性、応答時間の温度依存性、配向性、メモリー性、コントラスト比などの特性が改善された液晶素子を提供することができる。
本発明の液晶素子とは、一般式(1)で表されるナフタレン化合物を少なくとも1種含有してなる液晶組成物を用いた液晶素子である。液晶素子としては、特に限定するものではないが、好ましくは、スメクティック液晶素子に関するものであり、特に好ましくは、強誘電性液晶素子に関するものである。
強誘電性を示す液晶組成物は、電圧印加によりスイッチング現象を起こし、これを利用した応答速度の速い液晶表示素子を作製することができる〔例えば、特開昭56−107216号公報、特開昭59−118744号公報、 Appl. Phys. Lett., 36 899 (1980)〕。
【0085】
次に、本発明の液晶素子に関して説明する。
本発明の液晶素子は、本発明の液晶組成物を、1対の電極基板間に配置し、液晶層としたものである。一般に、液晶層は、液晶組成物を、真空中、等方性液体となるまで加熱し、液晶セル内に注入後、冷却して、液晶層を形成し、常圧に戻すことにより形成することができる。
(図1)に、強誘電性を利用した液晶素子の構成を説明するためのカイラルスメクティック相を有する液晶素子の一例を示した断面概略図を記載した。
(図1)に示した液晶素子は、透過型の液晶素子であるが、勿論、本発明の液晶素子の形態に関しては、特に限定するものではなく、透過型の液晶素子のみならず、例えば、反射型の液晶素子をも包含するものである。
(図1)において、1は液晶(カイラルスメクティック)層、2は基板、3は透明電極、4は絶縁性配向制御層、5はスペーサー、6はリード線、7は電源、8は偏光板、9は光源を示している。
【0086】
液晶素子は、それぞれ透明電極3および絶縁性配向制御層4を設けた1対の基板2の間に、カイラルスメクティック相を示す液晶層1を配置し、かつその層厚をスペーサー5で設定してなるものであり、1対の透明電極3の間にリード線6を介して電源7より電圧を印加可能に接続する。
また1対の基板2は、1対のクロスニコル状態に配置された偏光板8により挟持され、その一方の外側には光源9が配置される。尚、基板2としては、一般的には、ガラス基板またはプラスティック基板が用いられる。
2枚の基板2に設けられる透明電極3としては、例えば、In2 3 、SnO2 またはITO(インジウム・チン・オキサイド;Indium Tin Oxide)の薄膜からなる透明電極が挙げられる。
絶縁性配向制御層4は、ポリイミド等の高分子の薄膜を、ガーゼやアセテート植毛布等でラビングし、液晶を配向させるためのものである。
【0087】
絶縁性配向制御層4の材質としては、例えば、シリコン窒化物、水素を含有するシリコン窒化物、シリコン炭化物、水素を含有するシリコン炭化物、シリコン酸化物、ホウ素窒化物、水素を含有するホウ素窒化物、セリウム酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物やフッ化マグネシウムなどの無機物質絶縁層、例えば、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリパラキシレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリスチレン、セルロース樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アクリル樹脂、フォトレジスト樹脂などの有機絶縁層が挙げられ、さらには、無機絶縁層の上に、有機絶縁層を形成した2層構造の絶縁性配向制御層であってもよく、無機絶縁層または有機絶縁層のみからなる絶縁性配向制御層であってもよい。
絶縁性配向制御層が無機絶縁層である場合には、蒸着法などで形成することができる。また、有機絶縁層である場合には、その前駆体を溶解した溶液をスピンナー塗布法、浸透塗布法、スクリーン印刷法、スプレー塗布法、ロール塗布法等で塗布し、所定の硬化条件下(例えば、加熱下)で硬化させて形成することができる。
絶縁性配向層4の層厚は、特に限定するものではないが、通常、10オングストローム〜10μm、好ましくは、10〜3000オングストローム、さらに好ましくは、10〜1000オングストロームである。
【0088】
2枚の基板2は、スペーサ5により任意の間隔に保たれている。例えば、所定の直径を持つシリカビーズ、アルミナビーズをスペーサとして基板2で挟み、周囲をシール材(例えば、エポキシ系接着剤)を用いて密封することにより任意の間隔に保つことができる。また、スペーサーとしては、高分子フィルムやガラスファイバーを使用してもよい。
この2枚の基板の間に、カイラルスメクティック相を示す液晶を封入する。液晶層1は、一般には、0.5〜20μm、好ましくは、1〜5μmの厚さに設定する。
【0089】
本発明の液晶組成物を使用する液晶素子の表示方式に関しては、特に限定されるものではないが、例えば、(a)ヘリカル変歪型、(b)SSFLC(サーフェス・スタビライズド・フェロエレクトリック・リキッド・クリスタル)型、(c)TSM(トランジェット・スキャッタリング・モード)型、(d)G−H(ゲスト−ホスト)型などの表示方式を使用することができる。
また、本発明のナフタレン化合物および該化合物を含有してなる液晶組成物は、表示用液晶素子以外の分野(例えば、▲1▼非線形光機能素子、▲2▼コンデンサー材料などのエレクトロニクス材料、▲3▼リミッター、メモリー、増幅器、変調器などのエレクトロニクス素子、▲4▼熱、光、圧力、機械変形などと電圧の変換素子やセンサー、▲5▼熱電発電素子などの発電素子など)への応用が可能である。
【0090】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。尚、実施例中の相転移温度の測定および液晶相の同定は、温度制御装置を備えた偏光顕微鏡での観察により実施した。また、実施例および表中の記号はそれぞれ以下の意味を表す。
I:等方性液体
N:ネマティック相
SA:スメクティックA相
SC:スメクティックC相
SC*:カイラルスメクティックC相
C:結晶相
【0091】
製造例1:2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 n−ブチルエステルの製造
2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸18.8g、N,N−ジメチルホルムアミド150gおよび無水炭酸ナトリウム13.3gの混合物を70℃に加温し、n−ブチルブロマイド16.4gを1時間を要して滴下した。滴下後、さらに6時間、70〜80℃で撹拌した。反応混合物を室温にまで冷却し、無機塩を濾過した後、濾液を1000gの水に排出し、析出した固体を分離し、n−ヘキサンでスラッジを行い褐色結晶として2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 n−ブチルエステル22.0gを得た。融点 107.0〜112.0℃。
【0092】
製造例2:2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 n−ペンチルエステルの製造
製造例1において、n−ブチルブロマイドの代わりに、n−ペンチルブロマイド18.1gを使用した以外は、製造例1に記載の操作に従い、褐色結晶として2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 n−ペンチルエステル23.7gを得た。
融点 89.0〜93.0℃。
【0093】
製造例3:2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 n−ヘキシルエステルの製造
製造例1において、n−ブチルブロマイドの代わりに、n−ヘキシルブロマイド19.8gを使用した以外は、製造例1に記載の操作に従い、褐色結晶として2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 n−ヘキシルエステル23.9gを得た。
融点 93.0〜98.0℃。
【0094】
製造例4:2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 n−オクチルエステルの製造
製造例1において、n−ブチルブロマイドの代わりに、n−オクチルブロマイド23.2gを使用した以外は、製造例1に記載の操作に従い、褐色結晶として2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 n−オクチルエステル27.0gを得た。
融点 82.0〜86.0℃。
【0095】
製造例5:2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 n−デシルエステルの製造
製造例1において、n−ブチルブロマイドの代わりに、n−デシルブロマイド26.5gを使用した以外は、製造例1に記載の操作に従い、褐色結晶として2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 n−デシルエステル30.2gを得た。
融点 92.0〜96.0℃。
【0096】
実施例1:2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1−メチルエチルエステルの製造
2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸27.8gとオギザリルクロライド15.2gを、トルエン200g中、3時間、加熱還流した後、過剰のオギザリルクロライドとトルエンを減圧留去し、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸塩化物を得た。この酸塩化物をトルエン120gに溶解し、ピリジン9.5gおよび2−プロパノール6.6gを加え、80℃で3時間攪拌した。その後、析出したピリジン塩酸塩を濾別した後、有機層を1N−塩酸で洗浄し、さらに中性になるまで水洗した。有機層を分離し、トルエンを減圧下留去して、粗生成物を得た。これをエタノールを用いて再結晶を行い、無色結晶として2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1−メチルエチルエステル27.2gを得た。
融点 89.0〜96.0℃。
【0097】
実施例2:2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−メチルプロピルエステルの製造
実施例1において、2−プロパノールの代わりに、2−メチル−1−プロパノール8.1gを使用した以外は、実施例1の操作に従い、無色結晶として、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−メチルプロピルエステル30.1gを得た。融点 114.0〜115.5℃。
【0098】
実施例3:2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 3−メチルブチルエステルの製造
実施例1において、2−プロパノールの代わりに、3−メチル−1−ブタノール9.7gを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い、無色結晶として2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 3−メチルブチルエステル31.0gを得た。融点 89.5〜91.0℃。
【0099】
実施例4:2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 4−メチルペンチルエステルの製造
実施例1において、2−プロパノールの代わりに、4−メチル−1−ペンタノール11.2gを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い、無色結晶として2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 4−メチルペンチルエステル29.0gを得た。融点 64.0〜67.0℃。
【0100】
実施例5:2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1−エチルプロピルエステルの製造
実施例1において、2−プロパノールの代わりに、3−ペンタノール9.7gを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い、無色結晶として2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1−エチルプロピルエステル26.1gを得た。
融点 65.0〜70.0℃。
【0101】
実施例6:2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−エチルブチルエステルの製造
実施例1において、2−プロパノールの代わりに、2−エチル−1−ブタノール11.2gを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い、無色結晶として2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−エチルブチルエステル31.7gを得た。融点 84.0〜86.0℃。
【0102】
実施例7:2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1,1,5−トリヒドロパーフルオロ−n−ペンチルエステルの製造
実施例1において、2−プロパノールの代わりに、1,1,5−トリヒドロパーフルオロ−n−ペンチルアルコール25.5gを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い、無色結晶として2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1,1,5−トリヒドロパーフルオロ−n−ペンチルエステル38.4gを得た。融点 98.0〜100.0℃。
【0103】
実施例8:2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1,1,7−トリヒドロパーフルオロ−n−ヘプチルエステルの製造
実施例1において、2−プロパノールの代わりに、1,1,7−トリヒドロパーフルオロ−n−ヘプチルアルコール36.5gを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い、無色結晶として2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1,1,7−トリヒドロパーフルオロ−n−ヘプチルエステル39.4gを得た。融点 108.0〜112.0℃。
【0104】
実施例9:2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−(パーフルオロ−n−ブチル)エチルエステルの製造
実施例1において、2−プロパノールの代わりに、2−(パーフルオロ−n−ブチル)エタノール51.6gを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い、無色結晶として2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−(パーフルオロ−n−ブチル)エチルエステル63.4gを得た。
融点 108.0〜109.0℃。
【0105】
実施例10:2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルエステルの製造
実施例1において、2−プロパノールの代わりに、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エタノール40.0gを使用した以外は、実施例1に記載の操作に従い、無色結晶として2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルエステル52.4gを得た。
融点 115.0〜117.0℃。
【0106】
実施例11:2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−(n−ブトキシ)エチルエステルの製造
2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸27.8g、N,N−ジメチルホルムアミド150gおよび無水炭酸カリウム13.8gの混合物を80℃に加温し、ここに、p−トルエンスルフォン酸−2−n−ブトキシエチルエステル40.8gを1時間を要して滴下した。滴下後、さらに8時間、70〜80℃で撹拌した。反応混合物を室温にまで冷却し、無機塩を濾過した後、濾液を塩酸により中和し、トルエンを用いて抽出を行った。トルエン層を水洗した後、トルエンを減圧下留去して無色結晶として2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−(n−ブトキシ)エチルエステル24.6gを得た。
融点 57.0〜58.0℃。
【0107】
実施例12:2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−(n−ヘキシルオキシ)エチルエステルの製造
実施例11において、p−トルエンスルフォン酸−2−n−ブトキシエチルエステルの代わりに、p−トルエンスルフォン酸−2−n−ヘキシルオキシエチルエステル45.0gを使用した以外は、実施例11に記載の操作に従い、無色油状物として2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−(n−ヘキシルオキシ)エチルエステル28.4gを得た。
【0108】
実施例13:2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)エチルエステルの製造
実施例11において、p−トルエンスルフォン酸−2−n−ブトキシエチルエステルの代わりに、p−トルエンスルフォン酸−2−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)エチルエステル51.6gを使用した以外は、実施例11に記載の操作に従い、無色油状物として2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)エチルエステル29.3gを得た。
【0109】
実施例14:2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−〔2’−(2”−n−ブトキシエトキシ)エトキシ〕エチルエステル
実施例11において、p−トルエンスルフォン酸−2−n−ブトキシエチルエステルの代わりに、p−トルエンスルフォン酸−2−〔2’−(2”−n−ブトキシエトキシ)エトキシ〕エチルエステル54.0gを使用した以外は、実施例11に記載の操作に従い、無色油状物として2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−〔2’−(2" −n−ブトキシエトキシ)エトキシ〕エチルエステル35.6gを得た。
【0110】
実施例15:2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 1−メチルエチルエステルの製造
2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1−メチルエチルエステル16.0gを、2−プロパノール100gに溶解し、5重量%Pd/炭素1gの存在下、常圧で、水素雰囲気下40℃で水素化した。Pd/炭素を濾別後、2−プロパノールを減圧下留去し、無色結晶として2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 1−メチルエチルエステル10.2gを得た。
融点 110.0〜114.0℃。
【0111】
実施例16:2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 2−メチルプロピルエステルの製造
実施例15において、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1−メチルエチルエステルの代わりに、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−メチルプロピルエステル16.7gを使用した以外は、実施例15に記載の操作に従い、無色結晶として2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 2−メチルプロピルエステル10.7gを得た。融点 122.5〜123.5℃。
【0112】
実施例17:2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 3−メチルブチルエステルの製造
実施例15において、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1−メチルエチルエステルの代わりに、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 3−メチルブチルエステル17.4gを使用した以外は、実施例15に記載の操作に従い、無色結晶として2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 3−メチルブチルエステル12.3gを得た。融点 119.5〜121.5℃。
【0113】
実施例18:2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 4−メチルペンチルエステルの製造
実施例15において、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1−メチルエチルエステルの代わりに、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 4−メチルペンチルエステル18.1gを使用した以外は、実施例15に記載の操作に従い、無色結晶として2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 4−メチルペンチルエステル11.6gを得た。融点 73.0〜74.5℃。
【0114】
実施例19:2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 1−エチルピロピルエステルの製造
実施例15において、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1−メチルエチルエステルの代わりに、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1−エチルプロピルエステル17.4gを使用した以外は、実施例15に記載の操作に従い、無色結晶として2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 1−エチルプロピルエステル11.6gを得た。融点 89.0〜92.0℃。
【0115】
実施例20 2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 2−エチルブチルエステルの製造
実施例15において、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1−メチルエチルエステルの代わりに、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−エチルブチルエステル18.1gを使用した以外は、実施例15に記載の操作に従い、無色結晶として2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 2−エチルブチルエステル12.8gを得た。融点 96.5〜97.5℃。
【0116】
実施例21:2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 1,1,5−トリヒドロパーフルオロ−n−ペンチルエステルの製造
実施例15において、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1−メチルエチルエステルの代わりに、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1,1,5−トリヒドロパーフルオロ−n−ペンチルエステル24.6gを使用した以外は、実施例15に記載の操作に従い、無色結晶として2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸1,1,5−トリヒドロパーフルオロ−n−ペンチルエステル17.5gを得た。融点 105.0〜113.0℃。
【0117】
実施例22 2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 1,1,7−トリヒドロパーフルオロ−n−ヘプチルエステルの製造
実施例15において、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1−メチルエチルエステルの代わりに、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1,1,7−トリヒドロパーフルオロ−n−ヘプチルエステル29.6gを使用した以外は、実施例15に記載の操作に従い、無色結晶として2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸1,1,7−トリヒドロパーフルオロ−n−ヘプチルエステル20.1gを得た。融点 123.0〜132.0℃。
【0118】
実施例23:2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 2−(パーフルオロ−n−ブチル)エチルエステルの製造
実施例15において、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1−メチルエチルエステルの代わりに、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−(パーフルオロ−n−ブチル)エチル エステル26.2gを使用した以外は、実施例15に記載の操作に従い、無色結晶として2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 2−(パーフルオロ−n−ブチル)エチルエステル18.6gを得た。
融点 101.0〜103.0℃。
【0119】
実施例24:2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルエステルの製造
実施例15において、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1−メチルエチルエステルの代わりに、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルエステル31.2gを使用した以外は、実施例15に記載の操作に従い、無色結晶として2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルエステル21.4gを得た。
融点 124.0〜127.0℃。
【0120】
実施例25:2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 2−(n−ブトキシ)エチルエステルの製造
実施例15において、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1−メチルエチルエステルの代わりに、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−(n−ブトキシ)エチルエステル18.9gを使用した以外は、実施例15に記載の操作に従い、無色結晶として無色結晶として2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 2−(n−ブトキシ)エチルエステル13.7gを得た。
融点 54.0〜56.0℃。
【0121】
実施例26:2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 2−(n−ヘキシルオキシ)エチルエステルの製造
実施例15において、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1−メチルエチルエステルの代わりに、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−(n−ヘキシルオキシ)エチルエステル20.3gを使用した以外は、実施例15に記載の操作に従い、無色結晶として2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 2−(n−ヘキシルオキシ)エチルエステル15.0gを得た。
融点 67.0〜68.0℃。
【0122】
実施例27:2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 2−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)エチルエステルの製造
実施例15において、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1−メチルエチルエステルの代わりに、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)エチルエステル22.5gを使用した以外は、実施例15に記載の操作に従い、無色結晶として2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 2−(2’−n−ヘキシルオキシエトキシ)エチルエステル15.3gを得た。
融点 59.0〜62.0℃。
【0123】
実施例28:2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 2−〔2’−(2”−n−ブトキシエトキシ)エトキシ〕エチルエステルの製造
実施例15において、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 1−メチルエチルエステルの代わりに、2−ベンジルオキシ−6−ナフトエ酸 2−〔2’−(2”−n−ブトキシエトキシ)エトキシ〕エチルエステル23.3gを使用した以外は、実施例15に記載の操作に従い、無色油状物として2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 2−〔2’−(2”−n−ブトキシエトキシ)エトキシ〕エチルエステル14.2gを得た。
【0124】
実施例29:例示化合物15の製造
2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 1−メチルエチルエステル230mg、4−n−デシルオキシ安息香酸278mg、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド247mgおよび4−ピロリジノピリジン7mgを、クロロホルム5gに溶解し、室温で24時間撹拌した。副生したN,N’−ジシクロヘキシル尿素を濾別した後、クロロホルムを減圧下留去し、粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:トルエン)により分離精製し、さらにエタノール/酢酸エチルを用いて二回再結晶を行い、無色結晶として目的物392mgを得た。この化合物の相転移温度は下記のとおりであった。
Figure 0004526132
( )は内の数字は降温過程での温度を表す。
【0125】
実施例30〜114
表1(表1〜13)に示した6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルと種々のカルボン酸を用いて、実施例29に記載の操作に従い、ナフタレン化合物を製造した。これらの化合物の相転移温度を表2(表14〜26)に示した。
なお、表2において「・」はその液晶相が存在することを表し、「−」はその液晶相が存在しないことを表す。また、表2中の( )内の数字は降温過程での温度を表す。
【0126】
【表1】
Figure 0004526132
【0127】
【表2】
Figure 0004526132
【0128】
【表3】
Figure 0004526132
【0129】
【表4】
Figure 0004526132
【0130】
【表5】
Figure 0004526132
【0131】
【表6】
Figure 0004526132
【0132】
【表7】
Figure 0004526132
【0133】
【表8】
Figure 0004526132
【0134】
【表9】
Figure 0004526132
【0135】
【表10】
Figure 0004526132
【0136】
【表11】
Figure 0004526132
【0137】
【表12】
Figure 0004526132
【0138】
【表13】
Figure 0004526132
【0139】
【表14】
Figure 0004526132
【0140】
【表15】
Figure 0004526132
【0141】
【表16】
Figure 0004526132
【0142】
【表17】
Figure 0004526132
【0143】
【表18】
Figure 0004526132
【0144】
【表19】
Figure 0004526132
【0145】
【表20】
Figure 0004526132
【0146】
【表21】
Figure 0004526132
【0147】
【表22】
Figure 0004526132
【0148】
【表23】
Figure 0004526132
【0149】
【表24】
Figure 0004526132
【0150】
【表25】
Figure 0004526132
【0151】
【表26】
Figure 0004526132
【0152】
実施例115
(液晶組成物の調製)
下記の化合物群を、以下に示した割合で混合して用い、100℃で加熱溶解し、液晶組成物A(強誘電性液晶組成物)(化63)を調製した。式中*は光学活性炭素を表す。
Figure 0004526132
【0153】
【化63】
Figure 0004526132
(液晶素子の作製)
二枚の0.7mm厚のガラス板に透明電極、ポリイミド製の絶縁性配向制御層を設け、平均粒径2μmのアルミナビーズを一方のガラス板に散布した後、シール剤を用いてガラス板をはり合わせ、(図1)に示すセルを作製した。このセルに上記で調製した液晶組成物を等方相に加熱した後、セルに注入し、1℃/分の割合で強誘電性液晶相まで徐冷することにより、液晶素子を作製した。
この液晶素子をクロスニコル状態に配置した二枚の偏光板に挟持し、20Vの電圧を印加し、光学的な応答(透過光量変化10〜90%)を検知して応答時間を測定した。測定結果を(図2)に示す。
【0154】
実施例116
(液晶組成物の調製)
下記の化合物群を、以下に示した割合で混合して用い、100℃で加熱溶解し、液晶組成物B(強誘電性液晶組成物)(化64)を調製した。
式中*は光学活性炭素を表す。
Figure 0004526132
【0155】
【化64】
Figure 0004526132
(液晶素子の作製)
二枚の0.7mm厚のガラス板に透明電極、ポリイミド製の絶縁性配向制御層を設け、平均粒径2μmのアルミナビーズを一方のガラス板に散布した後、シール剤を用いてガラス板をはり合わせ、(図1)に示すセルを作製した。このセルに上記で調製した液晶組成物を等方相に加熱した後、セルに注入し、1℃/分の割合で強誘電性液晶相まで徐冷することにより、液晶素子を作製した。
この液晶素子をクロスニコル状態に配置した二枚の偏光板に挟持し、20Vの電圧を印加し、光学的な応答(透過光量変化10〜90%)を検知して応答時間を測定した。測定結果を(図2)に示した。
【0156】
比較例
(液晶組成物の調製)
下記の化合物群を、以下に示した割合で混合して用い、100℃で加熱溶解し、液晶組成物C(強誘電性液晶組成物)(化65)を調製した。
式中*は光学活性炭素を表す。
Figure 0004526132
【0157】
【化65】
Figure 0004526132
(液晶素子の作製)
二枚の0.7mm厚のガラス板に透明電極、ポリイミド製の絶縁性配向制御層を設け、平均粒径2μmのアルミナビーズを一方のガラス板に散布した後、シール剤を用いてガラス板をはり合わせ、(図1)に示すセルを作製した。このセルに上記で調製した液晶組成物を等方相に加熱した後、セルに注入し、1℃/分の割合で強誘電性液晶相まで徐冷することにより、液晶素子を作製した。
この液晶素子をクロスニコル状態に配置した二枚の偏光板に挟持し、20Vの電圧を印加し、光学的な応答(透過光量変化10〜90%)を検知して応答時間を測定した。測定結果を(図2)に示した。
【0158】
(図2)より本発明の実施例と比較例を比較すると、25℃における応答時間が液晶組成物Cでは55μsecであるのに対し、液晶組成物AおよびBでは40μsecであり応答時間が短縮されていることが認められる。また、20〜40℃での応答時間の変動は、液晶組成物Cでは、20℃での応答時間は40℃での応答時間の約5倍であるのに対し、液晶組成物AおよびBでは応答時間の変動は約4倍であり、本発明の液晶組成物は、応答時間の温度依存性が小さいことが認められる。
【0159】
【発明の効果】
本発明のナフタレン化合物は、液晶組成物に添加することにより、液晶組成物の高速応答性、応答時間の温度依存性等の諸特性を改善することが可能である。従って、本発明の化合物は、液晶組成物、とくに強誘電性液晶組成物の構成成分として用いる液晶材料として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】カイラルスメクティック相を示す液晶を用いた液晶素子の一例の断面概略図。
【図2】実施例115、実施例116および比較例の液晶組成物についての応答時間およびその温度依存性を示すグラフ。
【符号の説明】
1:カイラルスメクティック相を有する液晶層
2:基板
3:透明電極
4:絶縁性配向制御層
5:スペーサー
6:リード線
7:電源
8:偏光板
9:光源
O :入射光
I:透過光

Claims (5)

  1. 一般式(1)で表されるナフタレン化合物。
    Figure 0004526132
    〔式中、R1 、R2 はハロゲン原子で置換されていてもよい不斉炭素原子を有さない炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシアルキル基あるいは炭素数2〜20のアルケニル基を表し、且つR1 またはR2 の少なくとも1つが、一般式(IV)、(V)または(VI)で表されるハロゲン化アルキル基であり、
    −(CH2 h (CX2 i H (IV)
    −(CH2 j (Ck 2kl m 2m+1 (V)
    −(CH2 )n (CX2 X (VI)
    (式中、Xはハロゲン原子を表し、hは0〜19、iは1〜20、jは0〜18、kは1〜10、lは1〜19、mは1〜19、nは0、pは1〜20の自然数を表し、h+i≦20、j+k×l+m≦20、n+p≦20である)
    Aは下記式で表されるいずれかの基
    Figure 0004526132
    (式中、X1 、X2 、X3 およびX4 は水素原子またはハロゲン原子を表し、1,4−シクロヘキシレン環はトランス配置である)を表し、zは0または1を表す〕
  2. 一般式(1)において、R1 、R2 のいずれか一方が一般式(IV)、(V)または(VI)で表されるハロゲン化アルキル基であり、
    −(CH2 h (CX2 i H (IV)
    −(CH2 j (Ch 2kl m 2m+1 (V)
    −(CH2)n (CX2p X (VI)
    (式中、Xはハロゲン原子を表し、hは0〜19、iは1〜20、jは0〜18、kは1〜10、lは1〜19、mは1〜19、nは0、pは1〜20の自然数を表し、h+i≦20、j+k×l+m≦20、n+p≦20である)かつ、他方が一般式(I)〜(III)のいずれかで表されるアルキル基またはアルコキシアルキル基
    −Ca 2a+1(n) (I)
    −(CH2 b CH(Cc 2c+12 (II)
    −Cd 2dO(Ce 2eO)f g 2g+1 (III)
    (式中、aは1〜20、bは0〜17、cは1〜9、dは1〜10、eは1〜10、fは0〜5、gは1〜12の自然数を表し、b+c×2≦19、d+e×f+g≦20である)である請求項1記載のナフタレン化合物。
  3. 一般式(1)において、Aが下記式で表されるいずれかの基である請求項1〜2のいずれかに記載のナフタレン化合物。
    Figure 0004526132
    (式中、X1 、X2 、X3 およびX4 は水素原子またはハロゲン原子を表す)
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のナフタレン化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする液晶組成物。
  5. 請求項4記載の液晶組成物を、一対の電極基板間に配置してなる液晶素子。
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