JPH10177920A - 複合部品およびその製造方法 - Google Patents

複合部品およびその製造方法

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JPH10177920A
JPH10177920A JP8337892A JP33789296A JPH10177920A JP H10177920 A JPH10177920 A JP H10177920A JP 8337892 A JP8337892 A JP 8337892A JP 33789296 A JP33789296 A JP 33789296A JP H10177920 A JPH10177920 A JP H10177920A
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conductor
capacitor
insulator
forming
conical
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JP8337892A
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English (en)
Inventor
Akihiko Ibata
昭彦 井端
Shinji Harada
真二 原田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は複合部品およびその製造方法に関
し、特に特性の優れた複合部品を提供することを目的と
する。 【解決手段】 絶縁体内に複数ターンからなる導体を有
する複合部品において、中空体状の外側絶縁体1aの内
面に各ターン部の径が一端から他端にかけて徐々に異な
るとともに、少なくとも各ターン部が異なる平面内に位
置する導体2と絶縁体内に電極層3と誘電体層4を交互
に積層してなるコンデンサ部を設け、しかもこれらの端
子と導体2の一端とを接続した構成としたものである。
この構成により、導体間の浮遊容量が小さく、導体の直
流抵抗も小さくすることが可能な優れた電気特性を有
し、しかも少ない工数で容易に製造可能な構造を有する
複合部品となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種電子機器、通信
機器などに利用される複合部品およびその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】複合部品は各種電子機器、通信機器など
に多用されており、近年は小型あるいは薄型の複合部品
がますます要求されており、しかも、回路の高周波化や
ディジタル化に伴ってノイズ対策部品としての複合部品
もますます重要になってきている。
【0003】従来のこれらの要望を満たす複合部品とし
ては、フェライト磁性層とコイル用導体層を交互に積層
して得られる積層型コイル部品(例えば特公昭57−3
9521号公報)にさらに積層セラミックコンデンサを
重ねたLC複合部品がある。
【0004】コイルとコンデンサからなる複合部品では
コンデンサの容量もさることながらコイルの大きさも複
合部品の特性に重要である。つまり、種々の減衰特性の
複合部品を得るには種々の電気特性のコイル部分を形成
することが必要となる。
【0005】この積層型コイル部品は図12、図13に
示すようにフェライトのグリーンシート20上の半分に
印刷によるフェライト層21を形成し、このフェライト
層21のない部分とフェライト層21の一部に印刷によ
りL字状の導体パターン22を形成し、この導体パター
ン22上にグリーンシート20の約半分のフェライト層
21を印刷し、上記導体パターン22と連続するように
フェライト層21上とフェライト層23の一部にU字状
の導体パターン24を印刷し、この工程を数回繰返して
最上層にフェライトのグリーンシート20を積層したも
のを一括焼成し、この積層体の両端に端面電極25を形
成して構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記構成によるもので
は、大きなインダクタンスを得るためには導体パターン
の巻数を多くすることが必要となり、きわめて多くのフ
ェライト層21,23、導体パターン22,24を積層
印刷する必要があり、生産工数が増えて生産性の点で問
題があり、しかも、導体パターン24はフェライト層2
3を介して相対向するように形成されるため、導体パタ
ーン間の浮遊容量が大きくなり、コイル部品としては自
己共振周波数が小さくなったり、耐圧が小さいあるいは
複合部品を構成するコイル部品として用いた場合、減衰
量の周波数特性が悪くなるという問題があった。
【0007】さらに、この積層型複合部品を構成するコ
イル部品では、フェライト層の一部に導体パターンが形
成されるため、コイル導体抵抗を低減するために導体パ
ターンの厚さを厚くすると、全体の厚みが導体パターン
22,24のある部分とない部分では大きく異なり、焼
成してもクラックが発生したりして安定した品質の複合
部品を得ることができないものであった。
【0008】本発明は以上のような従来の欠点を除去
し、生産性に優れ、しかも浮遊容量が小さく電気特性に
優れた複合部品およびその製造方法を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の複合部品は、絶縁体内あるいは表面に複数タ
ーンからなり、各ターン部の径が一端から他端にかけて
徐々に異なるとともに少なくとも各ターン部が異なる平
面内に位置した導体と、前記絶縁体内に電極層と誘電体
層で構成したコンデンサ部を有し、しかもコンデンサ部
の1つの端子と前記導体の一端とを接続した構成とした
ものである。
【0010】この本発明によれば、生産性に優れ電気特
性の優れた複合部品が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、絶縁体内あるいは表面に複数ターンからなり、各タ
ーン部の径が一端から他端にかけて徐々に異なるととも
に少なくとも各ターン部が異なる平面内に位置した導体
と、前記絶縁体内に電極層と誘電体層で構成したコンデ
ンサ部を有し、しかもコンデンサ部の1つの端子と前記
導体の一端とを接続する構成としたものであり、生産し
やすくしかも導体の各ターン部間の浮遊容量が小さく電
気特性の優れたものとすることができるとともに優れた
減衰特性を発揮するLC複合部品となる。
【0012】請求項2に記載の発明は、コンデンサ部が
導体の内側に位置する構成としたものであり、小型の複
合部品が実現でき、しかも生産性の優れた方法で形成で
きる構造となる。
【0013】請求項3に記載の発明は、コンデンサ部が
導体の外側に位置する構成としたもので、コイル部のデ
ッドスペースを有効に活用できるため、小型の複合部品
が実現できる。また、この構成では生産性の優れた方法
で形成できる。
【0014】請求項4に記載の発明は、コンデンサ部が
導体の小径部上ないしは大径部上の端部にある構成とし
たもので、複合部品としての内部結線が容易となり、し
かもこのような構成によって、コイル部とコンデンサ部
の干渉を極力排除できる構成である。
【0015】請求項5に記載の発明は、コンデンサ部が
導体を構成する各ターンの間にあるように構成したもの
で、コイル部を2つ以上有する複合部品の場合に特に有
効な構造となる。
【0016】請求項6に記載の発明は、コンデンサ部を
2つ有し、各コンデンサ部の一方の電極端子が導体のそ
れぞれの端子に接続され、電気的には2つのコンデンサ
と1つのコイルからなるπ型フィルタ回路を構成したも
ので、コイル部の浮遊容量が小さいため、優れた減衰特
性を示す複合部品となる。
【0017】請求項7に記載の発明は、導体を2つ有
し、各導体の1つの端子とコンデンサ部の一方の電極端
子が接続され、電気的には1つのコンデンサと2つのコ
イルからなるT型フィルタ回路を構成したもので、コイ
ル部の浮遊容量が小さいため、優れた減衰特性を示す複
合部品となる。
【0018】請求項8に記載の発明は、コンデンサ部を
構成する電極層と誘電体層は交互に積層してなる構造で
あり、しかもその積層面が少なくとも各ターン部が異な
る平面内に位置した導体の前記平面と平行である構成と
したもので、このような構成にすることによって、生産
性の優れた方法で形成できる構造となる。
【0019】請求項9に記載の発明は、コンデンサ部を
構成する電極層と誘電体層は交互に積層してなる構造で
あり、しかもその積層面が少なくとも各ターン部が異な
る平面内に位置した導体の前記平面に垂直である構成と
したもので、コイル部とコンデンサ部の内部結線を容易
にする構造となる。
【0020】請求項10に記載の発明は、コンデンサ部
を構成する電極層と誘電体層は同心円状に交互に積み重
ねた構造であり、しかもその同心円の軸方向が少なくと
も各ターン部が異なる平面内に位置した導体の前記平面
にほぼ垂直である構成としたもので、コンデンサ部の形
成が容易な構造となる。
【0021】請求項11に記載の発明は、コンデンサ部
を構成する電極層と誘電体層はのり巻状に巻き重ねた構
造であり、しかもその巻きつけた軸方向が少なくとも各
ターン部が異なる平面内に位置した導体の前記平面にほ
ぼ垂直である構成としたもので、コンデンサ部の形成が
容易になり、しかも小型の複合部品となる。
【0022】請求項12に記載の発明は、円錐形状また
は角錐形状の中空部を設けた中空体状であってコンデン
サ用電極層と誘電体層を交互に積層してコンデンサ部を
形成する工程と、円錐形状または角錐形状の絶縁体を形
成する工程と、中空体状のコンデンサ部の内面あるいは
円錐形状または角錐形状の絶縁体の表面に複数ターンか
らなり各ターン部の径が一端から他端にかけて徐々に異
なるとともに少なくとも各ターン部が異なる平面内に位
置するように導体を形成する工程と、中空体状のコンデ
ンサ部あるいは円錐形状または角錐形状の絶縁体の端面
に端面層を形成する工程からなる複合部品の製造方法で
あって、容易にコンデンサ部を形成することができる。
【0023】請求項13に記載の発明は、円錐形状また
は角錐形状の中空部を設けた中空体状の絶縁体を形成す
る工程と、円錐形状または角錐形状の絶縁体を形成する
工程と、中空体状の絶縁体の内面あるいは円錐形状また
は角錐形状の絶縁体の表面に複数ターンからなり各ター
ン部の径が一端から他端にかけて徐々に異なるとともに
少なくとも各ターン部が異なる平面内に位置するように
導体を形成する工程と、中空体状の絶縁体あるいは円錐
形状または角錐形状の絶縁体の端面にコンデンサ用電極
層と誘電体層を交互に積層してなるコンデンサ部を形成
する工程とからなる複合部品の製造方法であって、コイ
ル部とコンデンサ部を分離して形成できることができ
る。
【0024】請求項14に記載の発明は、円錐形状また
は角錐形状の中空部を設けた中空体状の絶縁体を形成す
る工程と、円錐形状または角錐形状であり、しかもコン
デンサ用電極層と誘電体層を同心円状に重ねてコンデン
サ部を形成する工程と、中空体状の絶縁体の内面あるい
は円錐形状または角錐形状のコンデンサ部の表面に複数
ターンからなり各ターン部の径が一端から他端にかけて
徐々に異なるとともに少なくとも各ターン部が異なる平
面内に位置するように導体を形成する工程と、中空体状
の絶縁体あるいは円錐形状または角錐形状のコンデンサ
部の端面に端面層を形成する工程からなる複合部品の製
造方法であって、コンデンサ部の形成が容易な方法であ
る。
【0025】請求項15に記載の発明は、円錐形状また
は角錐形状の中空部を設けた中空体状の絶縁体を形成す
る工程と、円錐形状または角錐形状であってコンデンサ
用電極層と誘電体層をのり巻状に巻き重ねたコンデンサ
部を形成する工程と、中空体状の絶縁体の内面あるいは
円錐形状または角錐形状のコンデンサ部の表面に複数タ
ーンからなり各ターン部の径が一端から他端にかけて徐
々に異なるとともに少なくとも各ターン部が異なる平面
内に位置するように導体を形成する工程と、中空体状の
絶縁体あるいは円錐形状または角錐形状のコンデンサ部
の端面に端面層を形成する工程からなる複合部品の製造
方法であって、コンデンサ部の形成が容易な方法であ
る。
【0026】以下、本発明の実施の形態について図面を
用いて説明する。まず、図1に本発明の複合部品の代表
的な一例の断面図を示す。絶縁体1は導体2の外側に位
置する外側絶縁体1aと導体2の内側に位置する内側絶
縁体1bで構成される。この導体2は複数ターンからな
り、一端から他端にかけて各ターン部の径が徐々に大き
くなる円で形成され、しかも各ターン部の位置がそれぞ
れ異なる平面内に位置している。さらに、具体的な例と
しては、導体2の一端は小径の円で形成され、他端側に
なるにつれて徐々に径が大きくなる円で形成され、その
各ターン部は終端あるいは始端で立上がってまたは立下
がって隣りのターン部と接続されている。したがって、
各ターン部は同一平面内に位置し、隣接するターン部は
立上がりや立下がり部によって異なった平面部に位置
し、かつ、その径が異なるように設定されている。別の
例としては、導体2は一端から他端にかけて徐々に径が
大きくなるとともにその位置が全て異なる平面内に位置
する立体的うず巻状がある。
【0027】図1に示すように、外側絶縁体1aのさら
に外側には電極層3と誘電体層4が交互に積み重ねてな
るコンデンサ部を有し、電極層3は端面電極7,8,9
にそれぞれ電気的に接続されている。また、導体2の端
子も引出電極5,6とつながっており、この引出電極
5,6はさらに端面電極7,8と電気的に接続されてい
る。
【0028】このように図1の例では、導体2は1つの
コイル部を形成し、電極層3と誘電体層4は2つのコン
デンサ部を形成する。つまり、電極層3と誘電体層4は
図1において左右で分かれており、右と左で各1つずつ
のコンデンサ部を形成する。図1の場合は、1つのコイ
ル部と2つのコンデンサ部からなる一般に知られている
π型のフィルタを構成した複合部品である。
【0029】次に、別の一例を図2に示す。図2の複合
部品は図1と同様に導体2からなるコイル部を有してい
る。一方、コンデンサ部を構成する電極層3と誘電体層
4は導体2の内側に位置している。この場合も同様に導
体2の2つの端子はそれぞれ2つの引出電極5,6につ
ながり、電極層3は端面電極7,8,9に電気的に接続
されている。この場合も同様に、導体2からなる1つの
コイルと電極層3と誘電体層4で構成されるコンデンサ
部は2つからなり、1つのコイル部と2つのコンデンサ
部からなる一般に知られているπ型のフィルタを構成し
た複合部品である。
【0030】さらに別の例を図3に示す。図3に示した
複合部品は導体2の小径部上の端部に電極層3と誘電体
層4からなるコンデンサ部がある複合部品の例を示す。
つまり、端面層11のさらに端面に電極層3と誘電体層
4からなるコンデンサ部がある複合部品である。この場
合も同様に、1つのコイル部と2つのコンデンサ部から
なる一般に知られているπ型のフィルタを構成した複合
部品である。
【0031】次に、図4にさらに別の複合部品の例を示
す。図4に示した複合部品は図3に示したものとほぼ同
様であるが、端面層11のさらに端面側に存在する電極
層3と誘電体層4で構成するコンデンサ部は1つであ
る。一方、絶縁体1内には2つの導体2を有し、コイル
部は2つある。この場合は、2つのコイル部と1つのコ
ンデンサ部からなる一般に知られているT型のフィルタ
を構成した複合部品である。
【0032】図3では、導体2の径の大きい部分が上
で、径の小さい部分が下に位置している。外側絶縁体1
aおよび内側絶縁体1bで構成される絶縁体1の上下端
面部分には端面層10,11が存在する。端面層10,
11および外側絶縁体1aの端面部には端面電極7,8
があり、さらに端面層11には端面電極9を有する。外
側絶縁体1a内にはさらに図3に示すように、2つのコ
ンデンサを有し、コンデンサは電極層3と誘電体層4か
ら構成されている。
【0033】図3に示した外側絶縁体1a、内側絶縁体
1bおよび端面層10,11は非磁性体であっても磁性
体であってもよい。
【0034】非磁性体としては、ガラスエポキシ、ポリ
イミドなどの有機系の絶縁材料、ガラス、ガラスセラミ
ックスあるいはセラミックスなどの無機系の絶縁材料な
どの電気的に絶縁性があればどのようなものであっても
よい。
【0035】磁性体としては、NiZn系やNiZnC
u系などの一般に知られる透磁率が大きいフェライト材
料であればよい。
【0036】外側絶縁体1a、内側絶縁体1bあるいは
端面層10,11を磁性体とした場合はインダクタンス
値を大きくすることができ、非磁性体とした場合は大き
なインダクタンス値を得ることができないが、自己共振
周波数が高くなり、使用できる周波数帯域は広くなる。
【0037】また、導体2あるいは引出電極5,6の材
料としては電気的に良導体であれば何でもよいが、抵抗
率が重要で低抵抗なものが複合部品には要求されるため
銅、銀とパラジウム合金あるいは銀などの導体材料が有
効である。
【0038】端面電極7,8,9としては導電性材料で
あればよいが、一般的には単一層でなく複数層から構成
されることが望ましく表面実装用とした場合にはプリン
ト配線板への実装時の実装強度あるいは実装時の半田の
濡れ性、半田くわれなどを配慮する必要があり、具体的
には最下層は引出電極5,6と同じ導体材料を用い、中
間層には半田に対して耐性を有するニッケルを用い、最
外層には半田に対して濡れ性の良い半田あるいは錫を用
いる。
【0039】しかしながら、これは一例であり、必ずこ
の構成を採用する必要はなく、金属等の導電性に優れた
材料以外に導電性樹脂材料を含んでもよい。
【0040】また、アルミナやフェライトなどのセラミ
ック基板に所定の配線パターンを形成し、セラミック基
板に窓を設けて複合部品を挿入し、配線パターンと複合
部品の端面電極7,8,9を接触させ厚膜形成プロセス
を用いて焼成して電気的に接続するため、耐熱性を高
め、この厚膜形成プロセスに対応する構成とすることも
考えられる。
【0041】これまでに示した複合部品の導体2を取り
巻く絶縁体1、つまり外側絶縁体1aおよび内側絶縁体
1bに磁気的性質の異なるもので構成してもよい。外側
絶縁体1aは磁性体で構成し、内側絶縁体1bを非磁性
体で構成するとコイル部品としては、絶縁体1を磁性体
で構成した場合に比べて、インダクタンス値が小さくな
るが、直流重畳特性を大幅に改善することができる。つ
まり、電流値を変化させてもインダクタンス値の変化を
小さくでき、許容電流値を大きくすることができる。
【0042】外側絶縁体1aあるいは内側絶縁体1bを
非磁性体で構成する極端な例としては、外側絶縁体1a
あるいは内側絶縁体1bのどちらかを無くし、空気とし
た場合がある。この場合、導体2は外側絶縁体1aある
いは内側絶縁体1bのどちらかの存在する方の表面に形
成すればよい。
【0043】また、外側絶縁体1aと内側絶縁体1bが
共に磁性体であり、しかも磁気的に磁束密度の異なる特
性のものにすることによって、直流重畳特性の改善が可
能となる。
【0044】さらに、外側絶縁体1aと内側絶縁体1b
が共に磁性体であり、しかも磁気的に透磁率の異なる特
性のものにすることによって、同一導体構造でインダク
タンス値の異なる複合部品を得ることができる。この場
合、外側絶縁体1aと内側絶縁体1bとの透磁率の大小
関係には特に限定はない。
【0045】以上のように外側絶縁体1aと内側絶縁体
1bの磁気的性質を適当に選ぶことにより、複合部品と
してのインダクタンス値を任意に選ぶことができるとと
もに、漏洩磁束あるいは直流重畳特性のコントロールも
自由に行えることになる。
【0046】導体2の断面形状は、偏平な長方形状以外
に導体2の断面積を大きくして導体抵抗を小さくし大電
流用としても使用できる。この場合、導体2断面形状と
しては、三角形、円形、楕円形、半円形、多角形あるい
は長円形などの種々のものが可能である。このような断
面形状の導体2を得るには、例えば、外側絶縁体1aの
内面に階段状の段差部を設け、この段差部に導電ペース
トを塗布して硬化させた後、焼結させることによって断
面三角形の導体2を実現することができる。
【0047】なお、導体2の形状としてはこれまで円形
状の例を示したが、角形状などでもよい。つまり、本
来、面実装型の複合部品としては角柱状が好まれてお
り、各柱状の複合部品においては角形状のターン部で構
成し複合部品の外形いっぱいの角形状のターン部を形成
することが可能になる。このような導体2を得るには、
例えば、絶縁体に角錐状の中空部を形成して、この中空
部の傾斜面に導体2を形成し、さらにこの中空部を絶縁
体で充填することによって絶縁体内に角形状のターン部
を構成することができる。
【0048】以上数多くの例で説明した通り、絶縁体1
内あるいは表面に各ターン部の径が一端から他端にかけ
て徐々に異なるとともに、少なくとも各ターン部が異な
る平面内に位置した導体2が連続的に形成される構成の
ため、従来の積層構造とは異なり、生産しやすく、歩留
りの向上を図ることができるとともに、近隣のターン部
が絶縁体1を介して面対向しないため、浮遊容量の発生
も最小限に抑えられるため、自己共振周波数が小さくな
ってフィルタなどとして用いた場合広帯域で高い減衰量
を得られないといったことが阻止でき、品質面、性能面
で著しく優れた複合部品とすることができる。
【0049】なお、上記実施の形態においては、面実装
タイプとして両端等に端面電極7,8,9を設けたもの
についてのみ説明してきたが、絶縁体にピン端子を植設
したものや、端面電極7,8,9の代りに端子を有する
キャップ状電極を絶縁体の両端に嵌合結合したリードタ
イプの複合部品とすることもできる。
【0050】次に、本発明の複合部品の製造方法につい
て説明する。本発明の複合部品の製造方法の1つは、形
状は円錐形状または角錐形状の中空部を設けた中空体状
であってコンデンサ用の電極層3と誘電体層4を交互に
積層してコンデンサ部を形成する工程と、円錐形状また
は角錐形状の絶縁体(内側絶縁体1b)を形成する工程
と、中空体状のコンデンサ部の内面あるいは円錐形状ま
たは角錐形状の絶縁体の表面(外側絶縁体1a)に複数
ターンからなり各ターン部の径が一端から他端にかけて
徐々に異なるとともに少なくとも各ターン部が異なる平
面内に位置するように導体2を形成する工程と、中空体
状のコンデンサ部あるいは円錐形状または角錐形状の絶
縁体(内側絶縁体1b)の端面に端面層10,11を形
成する工程からなる製造方法である。
【0051】さらに、2つ目は円錐形状または角錐形状
の中空部を設けた中空体状の絶縁体(外側絶縁体1a)
を形成する工程と、円錐形状または角錐形状の絶縁体
(内側絶縁体1b)を形成する工程と、中空体状の絶縁
体(外側絶縁体1a)の内面あるいは円錐形状または角
錐形状の絶縁体(内側絶縁体1b)の表面に複数ターン
からなり各ターン部の径が一端から他端にかけて徐々に
異なるとともに少なくとも各ターン部が異なる平面内に
位置するように導体2を形成する工程と、中空体状の絶
縁体(外側絶縁体1a)あるいは円錐形状または角錐形
状の絶縁体(内側絶縁体1b)の端面にコンデンサ用の
電極層3と誘電体層4を交互に積層してなるコンデンサ
部を形成する工程からなる製造方法である。
【0052】3つ目の方法は、円錐形状または角錐形状
の中空部を設けた中空体状の絶縁体(外側絶縁体1a)
を形成する工程と、円錐形状または角錐形状であってし
かもコンデンサ用電極層と誘電体層を同心円状に重ねて
コンデンサ部を形成する工程と、中空体状の絶縁体(外
側絶縁体1a)の内面あるいは円錐形状または角錐形状
のコンデンサ部の表面に複数ターンからなり各ターン部
の径が一端から他端にかけて徐々に異なるとともに少な
くとも各ターン部が異なる平面内に位置するように導体
2を形成する工程と、中空体状の絶縁体(外側絶縁体1
a)あるいは円錐形状または角錐形状のコンデンサ部の
端面に端面層10,11を形成する工程からなる製造方
法である。
【0053】さらに、4つ目の方法は、円錐形状または
角錐形状の中空部を設けた中空体状の絶縁体(外側絶縁
体1a)を形成する工程と、円錐形状または角錐形状で
あってコンデンサ用の電極層3と誘電体層4をのり巻状
に巻き重ねたコンデンサ部を形成する工程と、中空体状
の絶縁体(外側絶縁体1a)の内面あるいは円錐形状ま
たは角錐形状のコンデンサ部の表面に複数ターンからな
り各ターン部の径が一端から他端にかけて徐々に異なる
とともに少なくとも各ターン部が異なる平面内に位置す
るように導体2を形成する工程と、中空体状の絶縁体
(外側絶縁体1a)あるいは円錐形状または角錐形状の
コンデンサ部の端面に端面層10,11を形成する工程
からなる製造方法である。
【0054】前述したように、電極層3と誘電体層4か
らなるコンデンサ部が導体2の外側か内側かあるいは端
面側かの差はあるものの基本的には前述したように、絶
縁体1の内部あるいは表面に各ターン部の径が一端から
他端にかけて徐々に異なるとともに、少なくとも各ター
ン部が異なる平面内に位置した導体2と電極層3と誘電
体層4から構成したコンデンサを設けた複合部品であ
る。つまり、絶縁体1の傾斜状あるいは階段状の面に導
体2を形成するため、優れた生産性で複合部品を得るこ
とができ、しかもこのコイル部のデッドスペースやある
いは所定部品サイズ内でコイル部に影響しない部分にコ
ンデンサ部を設けるため、小型の複合部品となる。
【0055】次に、さらに詳細な本発明の複合部品の製
造方法について、図を参照しながら説明する。
【0056】図5〜図11は本発明の複合部品の製造方
法を工程順に示した断面図である。まず、図5に示すよ
うに円錐形状または角錐形状の中空部13を中央に形成
した中空体状の外側絶縁体1aの内面に、立体的うず巻
状の階段部分を形成し、この階段部分に複数ターンから
なり各ターン部の径が一端から他端にかけて徐々に異な
るとともに、少なくとも各ターン部が異なる平面内に位
置するように導体2を形成することができるような内面
を有する外側絶縁体1aを形成する。
【0057】導体2を形成する内面の形状としては、単
純な円錐面あるいは角錐面状であっても導体2を前述し
たように、複数ターンからなり各ターン部の径が一端か
ら他端にかけて徐々に異なるとともに少なくとも各ター
ン部が異なる平面内に位置するように導体2をこの内面
に形成すればよい。一方、単純な傾斜面ではなく階段面
の場合には、例えば、階段面の隅に導体2を形成した場
合、全体的には複数ターンからなり、各ターン部の径が
一端から他端にかけて徐々に異なるとともに、少なくと
も各ターン部が異なる平面内に位置するように導体2が
形成される必要がある。
【0058】導体2のさらに具体的なものとしては、前
述したように、導体2の各ターン部が一端から他端にか
けて同じ平面内に形成され、各ターン部の終端あるいは
始端で隣り合うターン部と接続されたものあるいは導体
が一端から他端にかけて立体的うず巻状としたものなど
がある。
【0059】前述した形状の内面を有する中空体状の外
側絶縁体1aを形成する方法としては、この内面に噛み
合うことのできる凸部を有する支持体上にスラリー状の
絶縁体を流し、乾燥後この支持体から分離することによ
って、絶縁体に特定の中空部13を形成することができ
る。また、別の方法としては前記と同様にスラリー状の
絶縁体を平坦な支持体上に流し込み平滑なシート状の絶
縁体を形成した後、前述した所定の中空部13を形成す
るための形状を有する金型で絶縁体に特定の中空部13
を形成する方法である。さらには、通常一般に知られた
粉末成型法によって同様に特定の中空部13を有する中
空体状の外側絶縁体1aを形成することができる。いず
れの方法でも図5に示したように、前述した特定の内面
を有する中空体状の外側絶縁体1aを形成することがで
きる。しかも前述したように、内面は斜面でも階段状の
斜面のいずれでもよい。
【0060】次に、図6に示すように特定の中空部13
を有する外側絶縁体1aのこの中空部13のスパイラル
階段状の内面に導体2を形成する。この導体2は、複数
ターンからなり、各ターン部の径が一端から他端にかけ
て徐々に異なるとともに、少なくとも各ターン部が異な
る平面内に位置するものである。その形状としては、前
述したように、蚊取り線香状の導体2の中心部を引き下
げて、ラッパ形状にしたものあるいは同心円状のものを
連ねた形状などがある。
【0061】次に、導体2を形成した外側絶縁体1aは
図7に示すように、外側絶縁体1aの底面に導体2の導
体径の小さい側の導体端部と接合できる引出電極5を予
め形成した端面層11を接合する。
【0062】次に、図8に示すように、外側絶縁体1a
と端面層11で形成された中空部13に絶縁体1を充填
し、内側絶縁体1bを形成する。
【0063】図9に示すように、端面層11を形成した
時と同様に、外側絶縁体1aの底面、引出電極5を形成
した反対面に導体2の導体径の大きい側の導体端部と接
合可能な引出電極6を予め形成した端面層10を外側絶
縁体1aと内側絶縁体1bの端面に接合する。
【0064】次に、図10に示すように誘電体層4と電
極層3を交互に積層してなるコンデンサ部を端面層11
に接合する。
【0065】さらに、図11に示すようにチップ状の部
品の表面に端面電極7,8および9を形成する。得られ
たこの積層体を焼成することによって、複合部品を得る
ことができる。しかし、焼成は端面電極7,8および9
を形成せずに行ってもよい。つまり、端面電極7,8お
よび9を形成していないものを焼成し、焼成後に端面電
極7,8および9を形成する方法である。この場合の形
成法の一例を説明すると、図11に示した端面電極7,
8および9と同様の形状に導体層を形成し、一度焼成す
る。その後、焼成前に形成した導体層を電極にして、ニ
ッケルめっきおよび半田あるいは錫めっきを施す。最終
的には、端面電極7,8および9は焼成によって形成し
た下地の導体層と電気めっきによって形成したニッケル
および半田ないしは錫の3層構造である。
【0066】以上の外側絶縁体1a、内側絶縁体1bあ
るいは端面層10,11は一般に知られているグリーン
シート成形法、印刷法、ディッピング法、粉末成型法あ
るいはスピンコート法などで形成することができる。導
体2あるいは引出電極5,6は印刷法が一般的である
が、レーザを用いたパターン形成、金型等で所定形状に
予め形成した導体を転写する方法、滴下、ポッティング
あるいは溶射法などの方法でもよい。
【0067】本発明の製造方法で得られる複合部品は耐
熱性に優れた複合部品であるためモジュール化すること
が容易である。例えば、アルミナ基板あるいはフェライ
ト基板などのセラミック基板に所定の配線層を形成し、
基板の配線と複合部品の端面電極7,8ないし9との結
線を同時に行って、一体化あるいは組立が可能である。
この場合、基板の所定場所に窓をあけて複合部品の側面
の端面電極7,8ないし9とセラミック基板上の配線に
結線することが可能になるため、薄型のモジュールが得
られる。この場合は、一般に知られているセラミック基
板を用いた通常の厚膜形成プロセスが適用できる。複合
部品の端面電極7,8ないし9は半田づけを前提とした
ものでなく、焼成して電気的に接続するものにすればよ
い。
【0068】以上のコイルを形成する導体2の2つの端
子は、チップ部品の端面に形成して端面電極7,8ない
し9と電気的に接続された状態である。つまり、導体2
の最上部および最下部には端面電極7,8ないし9と電
気的に結線するための引出電極5,6を有して、端面電
極7,8ないし9につながっている。
【0069】前記の各層を形成するためのペーストは、
各粉末とブチルカルビトール、テルピネオール、アルコ
ールなどの溶剤、エチルセルロース、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイ
ド、エチレン−酢酸ビニルなどの結合剤、さらに、各種
の酸化物あるいはガラス類などの焼結助剤を添加し、ブ
チルベンジルフタレート、ジブチルフタレート、グリセ
リンなどの可塑剤あるいは分散剤等を添加してもよい。
これらを混合した混練物を用いて各層を形成する。これ
らを前述したような所定の構造に積層したものを焼成し
て複合部品を得る。グリーシートを作製する場合は、前
記の溶剤に替えて蒸発性の優れた各種の溶剤、例えば酢
酸ブチル、メチルエチルケトン、トルエン、アルコール
などが望ましい。
【0070】焼成温度範囲としては約800℃から13
00℃の範囲である。特に導体材料によって異なり、例
えば、導体材料として銀を用いれば900℃前後にする
必要があり、銀とパラジウムの合金では950℃で、さ
らに高温で焼成するには導体材料にニッケル、パラジウ
ムなどを用いる。
【0071】次に本発明の更に具体的な実施例について
説明する。 (実施例1)NiZnCu系フェライト粉末100gに
対してブチラール樹脂を8g、ブチルベンジルフタレー
トを4g、メチルエチルケトンを24gおよび酢酸ブチ
ルを24g混合し、ポットミルを用いて混練してフェラ
イトスラリーを作製した。
【0072】このスラリーを使い、コータを用いて乾燥
後厚み0.2mmのフェライトグリーンシートを作製し
た。なおグリーンシートはPETフィルム上に形成し
た。
【0073】このフェライトグリーンシートを3枚積み
重ねて積層した。フェライトグリーンシートの積層には
熱プレスを用い、熱プレスの定盤温度は100℃に設定
し、圧力は500kg/cm2であった。図5に示したよう
な中空体状の外側絶縁体1aの内面に複数ターンからな
り各ターン部の径が一端から他端にかけて徐々に異なる
とともに少なくとも各ターン部が異なる平面内に位置す
るように導体2を形成することができるような所定の内
面を形成するための形状を有する金型を用いて、パンチ
ャーを使用して前記の積層したフェライトグリーンシー
トに所定の内面を形成し、円錐形状の中空部を中央に設
けた中空体状の外側絶縁体1aを形成した。
【0074】次に、図6に示すように、市販の銀ペース
トと印刷機を用いて外側絶縁体1aの内面に複数ターン
からなり各ターン部の径が一端から他端にかけて徐々に
異なるとともに少なくとも各ターン部が異なる平面内に
位置するように導体2を形成した。なお、印刷方法は一
般に知られるスルーホール印刷と同様に外側絶縁体1a
の印刷面の反対面から吸引し、内面の階段状斜面の隅に
銀ペーストが残されるように行った。
【0075】次に、図7に示すように、先に作製したフ
ェライトグリーンシート(厚みが0.2mm)に前記と同
じ銀ペーストと印刷機を用いて、引出電極5を形成し
た。さらに、端面層11と導体2を形成した外側絶縁体
1aを張り合わせた。
【0076】さらに、図8に示したように、外側絶縁体
1aの内面、つまり中空部13に前述したフェライトス
ラリーを流し込みほぼ平坦なフェライトグリーンシート
を作製した。つまり、この充填によって内側絶縁体1b
を形成した。
【0077】次に図9に示すように、先に作製したフェ
ライトグリーンシート(厚みが0.2mm)に前記と同じ
銀ペーストと印刷機を用いて引出電極6を形成した。つ
まり、端面層10に引出電極6を形成した。さらに、端
面層10と内側絶縁体1b、導体2などを形成した外側
絶縁体1aを張り合わせた。
【0078】さらに、図10に示すように、電極層3と
誘電体層4を交互に積層してなる積層型のコンデンサを
端面層11に接合した。
【0079】次に図11に示すように、端面電極7,
8,9を市販の銀ペーストを用いて形成し、900℃で
2時間保持する条件で焼成した。
【0080】以上の方法で得られた本発明の複合部品に
は剥離、割れ、反りなどの欠陥は認められなかった。次
に、焼成したものをインピーダンスアナライザあるいは
ネットワークアナライザなどを用いて、各種の電気特性
を測定したところ、優れた特性を有する複合部品であっ
た。
【0081】このように本発明の複合部品は従来の積層
型の複合部品よりも少ない工数でコイル部を形成するこ
とができ、優れた電気特性を有する複合部品を得ること
ができる。
【0082】(実施例2)実施例1と同様にNiZnC
u系フェライト粉末100gに対してブチラール樹脂を
6g、ブチルベンジルフタレートを4g、酢酸ブチルを
50g混合し、ポットミルを用いて混練してフェライト
スラリーを作製した。
【0083】このスラリーを使い、実施例1と同様に中
空体状の外側絶縁体1aの内面に複数ターンからなり各
ターン部の径が一端から他端にかけて徐々に異なるとと
もに少なくとも各ターン部が異なる平面内に位置するよ
うに導体2を形成することができるシート状のポリイミ
ド上にコータを用いて乾燥後厚み0.6mmのフェライト
グリーンシートを作製し、外側絶縁体1aを形成した。
【0084】次に、実施例1と同様に外側絶縁体1aの
内面に導体2を形成した。さらに、図7以降に示すよう
に、実施例1と同様の方法で端面層11、内側絶縁体1
b、端面層10、引出電極5,6、電極層3、誘電体層
4および端面電極7,8,9などを形成し、900℃で
2時間保持する条件で焼成した。
【0085】以上の方法で得られた本発明の複合部品に
は剥離、割れ、反りなどの欠陥は認められなかった。次
に、実施例1と同様に、焼成したものをインピーダンス
アナライザあるいはネットワークアナライザなどを用い
て、各種の電気特性を測定したところ、優れた特性を有
する複合部品であった。
【0086】このように本発明の複合部品は従来の積層
型の複合部品よりも少ない積層数で優れた電気特性を有
する複合部品を得ることができる。さらに、この方法は
実施例1に示した方法よりも外側絶縁体1を一工程で形
成し工数的にも有利な方法であった。
【0087】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
複合部品を形成するコイル部分は、積層構造ではないた
め生産性に優れ、しかも絶縁体内あるいは表面上の円錐
形状または角錐形状の表面の傾斜あるいは階段状の斜面
上に導体を位置させているため高さを低く抑えることが
でき、かつ、導体のターン部間での浮遊容量も殆ど発生
せず電気特性の優れたものとすることができ、産業的価
値の大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合部品の一実施の形態を示す断面図
【図2】他の実施の形態を模式的に示した断面図
【図3】さらに他の実施の形態を模式的に示した断面図
【図4】さらに別の実施の形態を模式的に示した断面図
【図5】本発明の複合部品の製造方法を示す模式的な断
面図
【図6】本発明の複合部品の製造方法を示す模式的な断
面図
【図7】本発明の複合部品の製造方法を示す模式的な断
面図
【図8】本発明の複合部品の製造方法を示す模式的な断
面図
【図9】本発明の複合部品の製造方法を示す模式的な断
面図
【図10】本発明の複合部品の製造方法を示す模式的な
断面図
【図11】本発明の複合部品の製造方法を示す模式的な
断面図
【図12】従来の複合部品を示す概略斜視図
【図13】同分解斜視図
【符号の説明】
1 絶縁体 1a 外側絶縁体 1b 内側絶縁体 2 導体 3 電極層 4 誘電体層 5,6 引出電極 7,8,9 端面電極 10,11 端面層 13 中空部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H03H 7/01 H01G 4/40 321A

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁体内あるいは表面に複数ターンから
    なり、各ターン部の径が一端から他端にかけて徐々に異
    なるとともに少なくとも各ターン部が異なる平面内に位
    置した導体と、前記絶縁体内に電極層と誘電体層で構成
    したコンデンサ部を有し、しかもコンデンサ部の1つの
    端子と前記導体の一端とを接続してなる複合部品。
  2. 【請求項2】 コンデンサ部が導体の内側に位置する請
    求項1に記載の複合部品。
  3. 【請求項3】 コンデンサ部が導体の外側に位置する請
    求項1に記載の複合部品。
  4. 【請求項4】 コンデンサ部が導体の小径部上ないしは
    大径部上の端部に位置する請求項1に記載の複合部品。
  5. 【請求項5】 コンデンサ部が導体を構成する各ターン
    部の間に位置する請求項1記載の複合部品。
  6. 【請求項6】 コンデンサ部を2つ有し、各コンデンサ
    部の一方の電極端子が導体のそれぞれの端子に接続さ
    れ、電気的には2つのコンデンサと1つのコイルからな
    るπ型フィルタ回路を構成した請求項1に記載の複合部
    品。
  7. 【請求項7】 導体を2つ有し、各導体の1つの端子と
    コンデンサ部の一方の電極端子が接続され、電気的には
    1つのコンデンサと2つのコイルからなるT型フィルタ
    回路を構成した請求項1に記載の複合部品。
  8. 【請求項8】 コンデンサ部を構成する電極層と誘電体
    層は交互に積層してなる構造であり、しかもその積層面
    が少なくとも各ターン部が異なる平面内に位置した導体
    の前記平面とほぼ平行である請求項1に記載の複合部
    品。
  9. 【請求項9】 コンデンサ部を構成する電極層と誘電体
    層は交互に積層してなる構造であり、しかもその積層面
    が少なくとも各ターン部が異なる平面内に位置した導体
    の前記平面にほぼ垂直である請求項1に記載の複合部
    品。
  10. 【請求項10】 コンデンサ部を構成する電極層と誘電
    体層は同心円状に交互に積み重ねた構造であり、しかも
    その同心円の軸方向が少なくとも各ターン部が異なる平
    面内に位置した導体の前記平面にほぼ垂直である請求項
    1に記載の複合部品。
  11. 【請求項11】 コンデンサ部を構成する電極層と誘電
    体層はのり巻状に巻き重ねた構造であり、しかもその巻
    きつけた軸方向が少なくとも各ターン部が異なる平面内
    に位置した導体の前記平面にほぼ垂直である請求項1に
    記載の複合部品。
  12. 【請求項12】 円錐形状または角錐形状の中空部を設
    けた中空体状であってコンデンサ用電極層と誘電体層を
    交互に積層してコンデンサ部を形成する工程と、円錐形
    状または角錐形状の絶縁体を形成する工程と、中空体状
    のコンデンサ部の内面あるいは円錐形状または角錐形状
    の絶縁体の表面に複数ターンからなり各ターン部の径が
    一端から他端にかけて徐々に異なるとともに少なくとも
    各ターン部が異なる平面内に位置するように導体を形成
    する工程と、中空体状のコンデンサ部あるいは円錐形状
    または角錐形状の絶縁体の端面に端面層を形成する工程
    とを有する複合部品の製造方法。
  13. 【請求項13】 円錐形状または角錐形状の中空部を設
    けた中空体状の絶縁体を形成する工程と、円錐形状また
    は角錐形状の絶縁体を形成する工程と、中空体状の絶縁
    体の内面あるいは円錐形状または角錐形状の絶縁体の表
    面に複数ターンからなり各ターン部の径が一端から他端
    にかけて徐々に異なるとともに少なくとも各ターン部が
    異なる平面内に位置するように導体を形成する工程と、
    中空体状の絶縁体あるいは円錐形状または角錐形状の絶
    縁体の端面にコンデンサ用電極層と誘電体層を交互に積
    層してなるコンデンサ部を形成する工程とを有する複合
    部品の製造方法。
  14. 【請求項14】 円錐形状または角錐形状の中空部を設
    けた中空体状の絶縁体を形成する工程と、円錐形状また
    は角錐形状であり、しかもコンデンサ用電極層と誘電体
    層を同心円状に重ねてコンデンサ部を形成する工程と、
    中空体状の絶縁体の内面あるいは円錐形状または角錐形
    状のコンデンサ部の表面に複数ターンからなり各ターン
    部の径が一端から他端にかけて徐々に異なるとともに少
    なくとも各ターン部が異なる平面内に位置するように導
    体を形成する工程と、中空体状の絶縁体あるいは円錐形
    状または角錐形状のコンデンサ部の端面に端面層を形成
    する工程とを有する複合部品の製造方法。
  15. 【請求項15】 円錐形状または角錐形状の中空部を設
    けた中空体状の絶縁体を形成する工程と、円錐形状また
    は角錐形状であってコンデンサ用電極層と誘電体層をの
    り巻状に巻き重ねたコンデンサ部を形成する工程と、中
    空体状の絶縁体の内面あるいは円錐形状または角錐形状
    のコンデンサ部の表面に複数ターンからなり各ターン部
    の径が一端から他端にかけて徐々に異なるとともに少な
    くとも各ターン部が異なる平面内に位置するように導体
    を形成する工程と、中空体状の絶縁体あるいは円錐形状
    または角錐形状のコンデンサ部の端面に端面層を形成す
    る工程とを有する複合部品の製造方法。
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JP4572567B2 (ja) * 2004-04-14 2010-11-04 パナソニック株式会社 インダクタ複合部品及び複合素子

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