JPH11260647A - 複合部品およびその製造方法 - Google Patents

複合部品およびその製造方法

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JPH11260647A
JPH11260647A JP10062805A JP6280598A JPH11260647A JP H11260647 A JPH11260647 A JP H11260647A JP 10062805 A JP10062805 A JP 10062805A JP 6280598 A JP6280598 A JP 6280598A JP H11260647 A JPH11260647 A JP H11260647A
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JP
Japan
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varistor
layer
coil
electrode
terminal
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JP10062805A
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English (en)
Inventor
Akihiko Ibata
昭彦 井端
Michihisa Ooba
美智央 大庭
Toshihiro Yoshizawa
俊博 吉澤
Yasuo Wakahata
康男 若畑
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は複合部品およびその製造方法に関
し、特に種々の特性の複合部品を容易に得る構成を提供
することを目的とする。 【解決手段】 電極層とバリスタ層を積層してなるバリ
スタを有した素体1の表面に、コイル用の導体2および
端面電極3を有する複合部品としたものである。この構
成により、種々のタイプのあるいは周波数特性の複合部
品を容易に製造可能な構造を有する複合部品となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種電子機器、通信
機器などに利用される複合部品およびその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】複合部品は各種電子機器、通信機器など
に多用されており、近年は小型あるいは薄型の複合部品
がますます要求されており、しかも、回路の高周波化や
デジタル化に伴ってノイズ対策部品としての複合部品も
ますます重要になってきている。
【0003】従来これらの要望を満す複合部品として
は、フェライト磁性層とコイル用導体層を交互に積層し
て得られる積層型コイル部品(例えば特公昭57−39
521号公報)にさらに積層セラミックコンデンサを重
ねた複合部品(例えば特公昭59−24534号公報、
特公昭62−28891号公報など)などがある。
【0004】コイルとバリスタからなる複合部品ではこ
れらを構成するコイルおよびバリスタをいかに立体的に
配置するか、つまりいかに積層するかで種々の複合部品
(例えば特公平3−274815号公報など)がある。
特に、ノイズ対策部品で用いられる複合部品は複数のコ
イルおよびバリスタを用いて、L型、T型あるいはπ型
などのフィルタを形成して用いるのが一般的である。し
かし、これまで種々の複合部品が提案されているが、寄
生成分を低減するためにコイルとバリスタを全て積層型
で実現し、いかに種々のフィルタを実現するかというも
のであった。例えば、前記特公平3−274815号公
報に示しているものはT型フィルタに限定したしかもコ
イルとバリスタを共に積層型にした複合部品である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、複数
のコイルおよびバリスタから構成した複合部品は、複合
部品を構成するコイルおよびバリスタを共に積層型で具
現化するのが一般的であった。しかも、L型、T型ある
いはπ型などの種々のタイプおよび周波数特性を実現す
るには問題があった。
【0006】さらに、一般にはコイルは磁性体と導体で
構成し、バリスタはバリスタ層と電極層で構成する。前
述した積層型においては、つまり積層一体化した複合部
品は性質の異なる磁性体とバリスタ層を一体化する難し
さも有しており、欠陥のない一体ものを得るには両者の
整合性を確保することが優先され、個々の特性を犠牲に
せざるを得ない一面もあった。例えば、磁性体は応力を
受けることによって特性が変化することが一般に知られ
ており、そのような観点からも積層一体化したものは問
題を有している。さらには、どちらか一方に拡散しやす
い元素が含まれると種々の問題が発生する。
【0007】本発明は以上のような従来の欠点を除去
し、全てを積層して得る構造ではないため生産性に優
れ、しかも種々のタイプおよび周波数特性のフィルタを
極力少ない小変更で実現できる構成の複合部品およびそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の複合部品は、電極層とバリスタ層を積層し外
層にバリスタ層を有するバリスタからなる素体の表面
に、コイル用の導体と上記電極層あるいはコイル用の導
体に接続した端面電極を設けた構成としたものである。
【0009】この本発明によれば、積層構造でないコイ
ルの構成であるため、複合部品でありながらバリスタと
コイルの特性を個々に優先した形成が可能となり、しか
も種々のタイプあるいは周波数特性のフィルタを容易に
得ることが可能な複合部品となる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、電極層とバリスタ層を積層し外層にバリスタ層を有
するバリスタからなる素体の表面に、コイル用の導体と
上記電極層あるいはコイル用の導体と接続した端面電極
を設けた複合部品としたものであり、バリスタとコイル
の特性を個々に優先した形成が可能となり、しかも種々
のタイプあるいは周波数特性のフィルタを容易に得るこ
とが可能な構造となる。
【0011】請求項2に記載の発明は、電極層とバリス
タ層を積層し、さらに絶縁体層を有したバリスタからな
る素体の表面にコイル用の導体と上記電極層あるいはコ
イル用の導体と接続した端面電極を有する複合部品とし
たものであり、素体の表面の絶縁体層を磁性体あるいは
非磁性体とすることで容易に種々の周波数特性のフィル
タを得ることができる構造となる。
【0012】請求項3に記載の発明は、端面電極以外の
表面をさらに絶縁体層で覆ったものであり、これによっ
て、コイルの絶縁性が向上する。
【0013】請求項4に記載の発明は、電極層とコイル
用の導体との接続部を素体の内部に設けた複合部品とし
たもので、信頼性の向上が図れる。
【0014】請求項5に記載の発明は、電極層とコイル
用の導体との接続部を端面電極とした複合部品で、電気
的な接続を効率的に行うことができる。
【0015】請求項6に記載の発明は、1つのバリスタ
とコイルを有し、しかも特定の接続を行うことによっ
て、トラップを実現できる構造となる。
【0016】請求項7に記載の発明は、1つのバリスタ
とコイルを有し、しかも特定の接続を行うことによっ
て、トラップを実現できる構造となる。
【0017】請求項8に記載の発明は、1つのバリスタ
とコイルを有し、しかも特定の接続を行うことによっ
て、L型のフィルタを実現できる構造となる。
【0018】請求項9に記載の発明は、1つのバリスタ
と直列に接続した2つのコイルを有し、しかも特定の接
続を行うことによって、T型のフィルタを実現できる構
造となる。
【0019】請求項10に記載の発明は、2つのバリス
タと1つのコイルを有し、しかも特定の接続を行うこと
で、π型のフィルタを実現できる構造となる。
【0020】請求項11に記載の発明は、2つのバリス
タと直列に接続した2つのコイルを有し、しかも特定の
接続によって、L型の2段フィルタを実現できる構造と
なる。
【0021】請求項12に記載の発明は、バリスタ層を
形成する工程と、バリスタ層の表面にバリスタ用の電極
層を形成する工程と、バリスタ用の電極層を形成したま
たは電極層を形成していないバリスタ層を積層して素体
を得る工程と、素体の表面にコイル用の導体を形成する
工程と、素体の表面に端面電極を形成する工程とからな
る複合部品の製造方法としたものであり、容易に複合部
品を得ることができる。
【0022】請求項13に記載の発明は、バリスタ層を
形成する工程と、バリスタ層の表面にバリスタ用の電極
層を形成する工程と、バリスタ用の電極層を形成したま
たは電極層に形成していないバリスタ層を積層して素体
を得る工程と、素体の表面に絶縁体層を形成する工程
と、素体の表面にコイル用の導体を形成する工程と、素
体の表面に端面電極を形成する工程とからなる複合部品
の製造方法としたものであり、種々の特性の複合部品を
得ることができる。
【0023】請求項14に記載の発明は、端面電極以外
の素体の表面にさらに絶縁体層を形成する工程を付加す
ることによって、コイルの絶縁性の優れた複合部品を得
ることができる。
【0024】以下、本発明の実施の形態について図面を
用いて説明する。まず、図1に本発明の複合部品の代表
的な一例の模式的な外観斜視図を示す。図1はチップ状
の本発明の複合部品の外観イメージを模式的に示してお
り、図1に示すように、素体1の表面にコイル用の導体
2を有する構成である。さらに、素体1の表面には2つ
の端面電極3を有する。
【0025】図2は図1に示した素体1の内部を表すた
めに分解した積層模式図である。つまり、素体1はバリ
スタ層4と電極層5を積層してなるバリスタを有し、さ
らに絶縁体層6を積層した構成である。つまり、バリス
タはバリスタ層4と電極層5で構成されており、さらに
絶縁体層6を有する構造である。図2に示した絶縁体層
6は必ずしも必要ではない。つまり、バリスタを構成す
るバリスタ層4と電極層5は必要不可欠で、少なくとも
これらによって素体1を構成する。後述するように、コ
イルの特性を変えるためにこの絶縁体層6を活用し、特
に非磁性体か磁性体かを適宜選択することによって可能
である。この場合は、部品サイズを一定にするために、
非磁性体か磁性体を使い分けることも可能である。
【0026】図3は図1に示した本発明の複合部品の端
面電極3以外の表面をさらに絶縁体層7でコートしたも
のを示す。絶縁体層7は必ずしも必要ではないが、コイ
ルを構成する導体2の絶縁性を十分に確保したい場合や
あるいはコイルの特性を変化させたいときに、この絶縁
体層7を非磁性体か磁性体かのいずれかを適宜選択すれ
ばよい。さらに、絶縁体層7の表面にさらに導体層を設
けてシールドを行うことも可能である。
【0027】図4から図5は素体1を構成するバリスタ
層4とバリスタ用の電極層5の代表的なパターンを示し
た図である。つまり、図2に示す素体1は全部で7枚の
バリスタ層4ないしは絶縁体層6を積層してなる構造で
ある。図1ないし図3に示した端面電極3は図2ないし
は図4、図5に示すようにバリスタを構成する電極層5
の一部あるいはコイル用の導体2と接続しており、所定
のタイプのフィルタを構成する。より具体的には、コイ
ルとバリスタを直列ないしは並列に接続したもの、L
型、T型あるいはπ型フィルタになるように接続したも
のである。図2のバリスタを構成する電極層5と端面電
極3との接続は、図に示すように積層断面から露出した
電極層5の部分と端面電極3とを接続しているが、他の
方法として例えば電極層5と接続したスルーホールを素
体1の表面まで配置し、そのスルーホールを介して端面
電極3と接続する方法でもよい。
【0028】素体1の内部に含まれるバリスタ用の電極
層5は最低2層で1つのバリスタを形成する。このバリ
スタ用の電極層5の代表的なパターンを図2ないしは図
4、図5に示している。図2および図5は1つのバリス
タを構成する場合のパターンを示しており、図4は2つ
のバリスタを構成する場合のパターンを示す。特に、図
4はπ型フィルタの場合のバリスタ用の電極層5の一例
を示す図である。図5はT型フィルタの場合のバリスタ
用の電極層5の一例を示す図である。図2ないし図4、
図5は必要最低限のバリスタ用の電極層5の構成ないし
はパターンを示したもので、バリスタを構成するバリス
タ層4と電極層5を多くして、バリスタの容量を大きく
してもよい。
【0029】ノイズ対策部部品としての複合部品におい
て、特にT型あるいはπ型フィルタの電気特性として重
要なものの1つのフィルタとしてのカットオフ周波数が
ある。これは、一般にはローパスフィルタとして所定の
減衰量が得られる周波数として定義されており、この周
波数は所定のインピーダンスにおいてはフィルタを構成
するコイルおよびバリスタの各容量値でほぼ決められ
る。図4に示すように同一の構成でも、バリスタを構成
する電極層5を一部切断することによって容量を変更し
たり、バリスタ層4の厚みを変更して容量を変更するこ
とが容易にできる。これらによって、種々のカットオフ
周波数を有するフィルタを実現することができるインダ
クタンス値の変更方法としては、コイル用の導体2の巻
数を変更する方法ないしは絶縁体層6さらには絶縁体層
7の磁気的な特性を変更する方法などである。
【0030】絶縁体層6や絶縁体層7は非磁性体であっ
ても磁性体であってもよい。非磁性体としては、ガラス
エポキシ、ポリイミドなどの有機系の絶縁材料、ガラ
ス、ガラスセラミックスあるいはセラミックスなどの無
機系の絶縁材料などの電気的に絶縁性があればどのよう
なものであってもよい。磁性体としては、NiZn系や
NiZnCu系などの一般に知られる透磁率が大きいフ
ェライト材料であればよい。
【0031】バリスタ層4を構成する材料としては、Z
nO系あるいはSrTiO3系などが一般的に知られて
おり、バリスタ特性を有する材料であれば特に限定はな
い。
【0032】絶縁体層6や絶縁体層7を磁性体とした場
合は、コイルのインダクタンス値を大きくすることがで
き、非磁性体とした場合はインダクタンス値を小さくす
ることができる。前述したように、フィルタとしてのカ
ットオフ周波数を変化させることができる。
【0033】導体2あるいは電極層5の材料としては電
気的に良導体であれば何でもよいが、銅、銀とパラジウ
ム合金あるいは銀などが望ましい。
【0034】端面電極3としては導電性材料であればよ
いが、一般的には単一層でなく複数層から構成されるこ
とが望ましく表面実装用とした場合にはプリント配線板
への実装時の実装強度あるいは実装時の半田の濡れ性、
半田くわれなどを配慮する必要があり、具体的には最下
層は導体2あるいは電極層5と同じ導体材料を用い、中
間層には半田に対して耐性を有するニッケルを用い、最
外層には半田に対して濡れ性の良い半田あるいは錫を用
いる。
【0035】しかしなから、これは一例であり、必ずこ
の構成を採用する必要はなく、金属等の導電性に優れた
材料以外に導電性樹脂材料を含んでもよい。
【0036】また、アルミナやフェライトなどのセラミ
ック基板に所定の配線パターンを形成し、セラミック基
板に窓を設けて複合部品を挿入し、配線パターンと複合
部品の端面電極3を接触させ厚膜形成プロセスを用いて
焼成して電気的に接続するため、耐熱性を高め、この厚
膜形成プロセスに対応する構成とすることも考えられ
る。
【0037】以上の例で説明した通り、電極層5とバリ
スタ層4を積層してなるバリスタを有し、あるいはさら
に絶縁体層6を有する素体1の表面に導体2で構成した
コイルを有する構造の複合部品とすることによって、従
来のコイルも積層タイプのものとは異なり、生産しやす
く、しかも種々のタイプのフィルタあるいは種々の周波
数特性のフィルタをわずかな変更で作り分けることが可
能な構造の複合部品とすることができる。
【0038】上記実施の形態においては、面実装タイプ
として両端等に端面電極3を設けたものについてのみ説
明してきたが、絶縁体にピン端子を植設したものや、端
面電極3の代りに端子を有するキャップ状電極を絶縁体
の両端に嵌合結合したリードタイプの複合部品とするこ
とも容易にできる。
【0039】図6は図1と同様に本発明の複合部品の外
観を模式的に示した外観斜視図である。図6に示すよう
に、素体1の形状は図1に示したように必ずしもほぼ直
方体状でなくてもよい。図6に示したものはコイル用の
導体2の位置する部分がくびれた形状になっており、端
面電極3を形成する部分は断面が大きくなった、つまり
くびれていない部分になり、コイルを構成する導体2は
くびれた部分に存在する。この場合、絶縁体層7が存在
しなくてもある程度の接触によるショートの回避は可能
となる。
【0040】次に、本発明の複合部品の製造方法につい
て説明する。本発明の複合部品の製造方法の1つは、バ
リスタ層4を形成する工程と、バリスタ層4の表面にバ
リスタ用の電極層5を形成する工程と、バリスタ用の電
極層5を形成したまたは電極層5を形成していないバリ
スタ層4を積層して素体1を得る工程と、素体1の表面
にコイル用の導体2を形成する工程と、素体1の表面に
端面電極3を形成する工程ないしは素体1の表面に絶縁
体層6をさらに形成する工程あるいはさらにコイル用の
導体2の表面に絶縁体層7を形成する工程とからなる。
【0041】次に、さらに詳細な本発明の複合部品の製
造方法について、図を参照しながら説明する。
【0042】図2は本発明の1つの複合部品の構成を模
式的に示す斜視図であったが、この図2と図1および図
3を用いて製造方法をさらに説明する。
【0043】まず、バリスタ層4あるいはバリスタ層4
さらに絶縁体層6を形成する。次に、図2に示すように
バリスタ層4に図2に示すようなそれぞれ所定のパター
ンの電極層5を形成する。バリスタ層4および電極層5
を形成したバリスタ層4さらには絶縁体層6を順次積層
する。積層して得られた積層体、つまり素体1の表面に
コイル用の導体2を形成する。素体1の表面に図1に示
すような端面電極3を形成する。さらに図3に示すよう
に端面電極3以外の表面に絶縁体層7を形成し、コイル
用の導体2を絶縁コートする。
【0044】以上の方法で本発明の複合部品を得ること
ができる。焼成は図2に示したパリスタ層4、電極層5
および絶縁体層6を積層した状態で行ってもよいし、積
層した素体1に絶縁体層7を形成した後に行ってもよ
い。つまり、構成材料や生産性等を考慮して、適宜決め
ればよい。また、端面電極3を形成していないものを焼
成し、焼成後に端面電極3を形成する方法でもよい。そ
の形成法の一例を説明すると、端面電極3と同様の形状
に導体を形成し一度焼成する。この導体は端面電極3の
下地層となる。次に、この導体を電極にしてニッケルめ
っきおよび半田あるいは錫めっきを行う。最終的には、
端面電極3は焼成によって形成した端面電極下地層の導
体と電気めっきによって形成したニッケルおよび半田な
いしは錫の3層構造となる。
【0045】以上のバリスタ層4あるいは絶縁体層6は
一般に知られているグリーンシート成形法や印刷法が一
般的であるが他にディッピング法、粉末成型法あるいは
スピンコート法などでも形成できる。導体2、電極層5
あるいは端面電極3は印刷法が一般的であるが、レーザ
を用いたパターン形成、金型やめっき等で所定形状に予
め形成した導体を転写する方法、滴下、ポッティングあ
るいは溶射法などの方法でもよい。特に、コイル用の導
体2はめっき、蒸着、スパッタ、描画、転写、印刷、デ
ィッピングなどで形成し、螺旋状へのパターンニングに
はカット、マスキング、エッチングなどを用いて行うこ
とができる。さらには、素体1の表面形状をねじ状に
し、その表面に導体2を形成し、ねじ山を排除する程度
落とすことによって、素体1の表面に螺旋状の導体2を
形成することも可能である。
【0046】また、導体2のパターンとしては螺旋状が
一般的であるが、例えば図1に示すようなチップ部品の
4つの側面につづら折れ状ないしはスパイラル状にして
もよい。この場合も1面だけの利用でも4面利用しても
よく、必要なコイル特性によって適宜選択すればよい。
さらに、平行した導体2を用いてもよい。例えば、各面
に独立した導体2を形成し、両端面に存在する端面電極
3にそれぞれの端部を接続することによって、4本の独
立した導体で導体2を構成でき、直流抵抗や耐電流の向
上あるいは直流重畳特性の改善が可能となる。
【0047】本発明の製造方法で得られる複合部品は耐
熱性に優れた複合部品であるためモジュール化すること
が容易である。例えば、アルミナ基板あるいはフェライ
ト基板などのセラミック基板に所定の配線層を形成し、
基板の配線と複合部品の端面電極3との結線を同時に行
って、一体化あるいは組立が可能である。この場合、基
板の所定場所に窓をあけて複合部品の側面の端面電極3
とセラミック基板上の配線に結線するあるいは複合部品
の側面の端面電極3部にさらに端子ピンを有し、そのピ
ンとセラミック基板状の配線とを結線することなどが可
能になるため、薄型のモジュールが得られる。この場合
は、一般に知られているセラミック板を用いた通常の厚
膜形成プロセスが適用できる。複合部品の端面電極3は
半田づけを前提としたものでなく、焼成して電気的に接
続するものにすればよい。
【0048】前記の各層を形成するためのペーストない
しスラリーは、各粉末とブチルカルビトール、テルピネ
オール、アルコールなどの溶剤、エチルセルロース、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリエチ
レンオキサイド、エチレン−酢酸ビニルなどの結合剤、
さらに、各種の酸化物あるいはガラス類などの焼結助剤
を添加し、ブチルベンジルフタレート、ジブチルフタレ
ート、グリセリンなどの可塑剤あるいは分散剤等を添加
してもよい。これらを混合した混練物を用いて各層を形
成する。これらを前述したような所定の構造に積層した
ものを焼成して複合部品を得る。グリーンシートを作製
する場合のスラリーとしては、前記の溶剤に替えて蒸発
性の優れた各種の溶剤、例えば酢酸ブチル、メチルエチ
ルケトン、トルエン、アルコールなどが望ましい。
【0049】焼成温度範囲としては約800℃から13
00℃の範囲である。特に導体材料によって異なり、例
えば、導体材料として銀を用いれば900℃前後にする
必要があり、銀とパラジウムの合金では950℃で、さ
らに高温で焼成するには導体材料にニッケル、パラジウ
ムなどを用いる。さらに、バリスタ層4を構成する材料
としてSrTiO3系などのように比較的高温で焼成す
る必要がある材料を用いた場合は、高温で焼成可能な電
極材料を用いるとよい。
【0050】
【実施例】次に本発明の更に具体的に実施例について説
明する。
【0051】(実施例1)主として酸化亜鉛粉末で構成
されるバリスタ粉末100gに対してブチラール樹脂が
8g、ブチルベンジルフタレートが4g、メチルエチル
ケトンが24gおよび酢酸ブチルが24g混合し、ポッ
トミルを用いて混練してバリスタスラリーを作製した。
【0052】このスラリーを使い、コータを用いて乾燥
後厚み0.2mmのバリスタグリーンシートを作製した。
なおグリーンシートはPETフィルム上に形成した。
【0053】バリスタグリーンシートを用いて、図1お
よび図2に示すような積層体、素体1を得るために電極
層5を形成した。電極層5の形成には市販の導体ペース
トと印刷機を用いて形成した。なお、導体ペーストは銀
ペーストである。
【0054】これらのバリスタグリーンシートを図1お
よび図2に示すような状態に積層した。積層には熱プレ
スを用い、熱プレスの定盤温度は100℃に設定し、圧
力は500kg/cm2であった。
【0055】この積層体を900℃で2時間保持する条
件で焼成した。焼成した積層体の全面に導体を形成し、
さらに導体を図1に示すような螺旋状のパターンにし
た。なお、導体2には銅を用い、さらに導体2を螺旋状
に形成するのにレーザーを用いて導体を切断して螺旋状
にした。さらに、図1に示したような端面電極3を形成
した。
【0056】以上の方法で得られた本発明の複合部品に
は剥離、割れ、反りなどの欠陥は認められなかった。
【0057】次に、インピーダンスアナライザあるいは
ネットワークアナライザなどを用いて、各種の電気特性
を測定したところ、優れた特性を有する複合部品であっ
た。
【0058】同様の方法で図4に示すπ型フィルタおよ
び図5に示すT型フィルタを先に作製したグリーンシー
トの大部分を共用して作製した。
【0059】さらに、前記と同様の方法で得られた複合
部品をインピーダンスアナライザあいはネットワークア
ナライザなどを用いて、各種の電気特性を測定したとこ
ろ、同様に優れた電気特性を示す複合部品であった。
【0060】(実施例2)NiZnCu系フェライト粉
末100gに対してブチラール樹脂が8g、ブチルベン
ジルフタレートが4g、メチルエチルケトンが24gお
よび酢酸ブチルが24g混合し、ポットミルを用いて混
練してフェライトスラリーを作製した。
【0061】このスラリーを使い、コータを用いて乾燥
後厚み0.2mmのフェライトグリーンシートを作製し
た。なおグリーンシートはPETフィルム上に形成し
た。
【0062】実施例1で作製したバリスタグリーンシー
トを用いて、図1および図2に示すような積層体を得る
ために、電極層4を実施例1と同様に形成した。
【0063】これらのバリスタグリーンシートをバリス
タ層4とし、フェライトグリーンシートを絶縁体層6と
して、図1および図2に示すような状態に積層した。積
層には熱プレスを用い、熱プレスの定盤温度は100℃
に設定し、圧力は500kg/cm2であった。
【0064】この積層体を900℃で2時間保持する条
件で焼成した。焼成した積層体の表面に実施例1と同様
の方法で螺旋状の導体と端面電極を形成した。
【0065】以上の方法で得られた本発明の複合部品に
は剥離、割れ、反りなどの欠陥は認められなかった。
【0066】次に、インピーダンスアナライザあるいは
ネットワークアナライザなどを用いて、各種の電気特性
を測定したところ、優れた特性を有する複合部品であっ
た。
【0067】同様の方法で図4に示すπ型フィルタおよ
び図5に示すT型フィルタを先に作製したグリーンシー
トの大部分を共用して作製した。
【0068】さらに、前記と同様の方法で得られた複合
部品をインピーダンスアナライザあるいはネットワーク
アナライザなどを用いて、各種の電気特性を測定したと
ころ、同様に優れた電気特性を示す複合部品であった。
【0069】(実施例3)実施例2で作製した素体1の
表面にさらに図3に示すような絶縁体層7を形成し、素
体1の端面電極3以外の表面は絶縁体層7で覆った。
【0070】得られた複合部品は絶縁性にも優れた複合
部品となった。なお、絶縁体層7としては熱硬化性の樹
脂を用いたものとこの熱硬化性の樹脂にフェライト粉末
を含有した2種類を用いた。
【0071】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
複合部品は、電極層とバリスタ層を積層してなるバリス
タからなる素体に、コイル用の導体さらに端面電極を有
する構成とし、種々のタイプのあるいは周波数特性の複
合部品を容易に得ることができる産業的価値の大なるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合部品の一実施の形態を示す模式的
な外観斜視図
【図2】本発明の複合部品の一実施の形態を示す積層状
態を模式的に表す斜視図
【図3】本発明の複合部品の一実施の形態を示す模式的
な外観斜視図
【図4】本発明の複合部品の一実施の形態を示すバリス
タ用の電極パターンを示す模式図
【図5】さらに他の本発明の複合部品の一実施の形態を
示すバリスタ用の電極パターンを示す模式図
【図6】さらに他の本発明の複合部品の一実施の形態を
示す模式的な外観斜視図
【符号の説明】
1 素体 2 コイル用の導体 3 端面電極 4 バリスタ層 5 バリスタ用の電極層 6 絶縁体層 7 絶縁体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H03H 7/01 H01F 15/10 C (72)発明者 若畑 康男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極層とバリスタ層を積層し外層にバリ
    スタ層を有するバリスタからなる素体の表面に、コイル
    用の導体と上記電極層あるいはコイル用の導体と接続し
    た端面電極を設けた複合部品。
  2. 【請求項2】 電極層とバリスタ層を積層し外層にバリ
    スタ層、さらにその外層に絶縁体層を有するバリスタか
    らなる素体の表面に、コイル用の導体と上記電極層ある
    いはコイル用の導体と接続した端面電極を設けた複合部
    品。
  3. 【請求項3】 端面電極以外の素体の表面をさらに絶縁
    体層で覆った請求項1または2に記載の複合部品。
  4. 【請求項4】 電極層とコイル用の導体との接続部を素
    体の内部に設けた請求項1または2に記載の複合部品。
  5. 【請求項5】 電極層とコイル用の導体との接続部を端
    面電極とした請求項1または2に記載の複合部品。
  6. 【請求項6】 素体には1つのバリスタを有し、素体の
    表面には1つのコイル用の導体を有し、バリスタの一方
    の端子とコイルの一方の端子は1つの端面電極と接続
    し、さらに他方のバリスタの端子とコイルの端子は別の
    端面電極に接続した請求項1または2に記載の複合部
    品。
  7. 【請求項7】 素体には1つのバリスタを有し、素体の
    表面には1つのコイル用の素体を有し、バリスタの一方
    の端子はコイルの一方の端子と接続し、さらに他方のバ
    リスタの端子およびコイルの端子はそれぞれ別の端面電
    極と接続した請求項1または2に記載の複合部品。
  8. 【請求項8】 素体には1つのバリスタを有し、素体の
    表面には1つのコイル用の導体を有し、一方のバリスタ
    の端子および一方のコイルの端子はそれぞれ別の端面電
    極と接続し、さらに他方のバリスタの端子とコイルの端
    子はさらに別の端面電極と接続した請求項1または2記
    載の複合部品。
  9. 【請求項9】 素体には1つのバリスタを有し、さらに
    素体の表面には直列に接続した2つのコイル用の導体を
    有し、しかも一方のバリスタの端子はコイルどうしを接
    続した端子と接続し、他方のバリスタの端子は端面電極
    に接続し、さらに各コイルの端子のバリスタと接続して
    いないそれぞれの端子はお互い別の端面電極にそれぞれ
    接続した請求項1または2に記載の複合部品。
  10. 【請求項10】 素体には2つのバリスタを有し、さら
    に素体の表面には1つのコイル用の導体を有し、しかも
    各バリスタの一方の端子はコイルのそれぞれの端子と端
    面電極とに接続し、他方のそれぞれのバリスタの端子は
    さらに別の1つの端面電極に接続した請求項1または2
    記載の複合部品。
  11. 【請求項11】 素体には2つのバリスタを有し、さら
    に素体の表面には直列に接続した2つのコイル用の導体
    を有し、各コイルのコイルどうし接続していない端子は
    それぞれ別の端面電極と接続し、さらに2つのバリスタ
    のそれぞれの端子は1つの橋面電極に接続し、1つのバ
    リスタの他方の端子は直列に接続したコイル間と接続
    し、もう一方のバリスタの他方の端子はコイルの端子と
    接続したいずれかの端面電極と接続した請求項1または
    2記載の複合部品。
  12. 【請求項12】 バリスタ層を形成する工程と、バリス
    タ層の表面にバリスタ用の電極層を形成する工程と、バ
    リスタ用の電極層を形成したまたは電極層を形成してい
    ないバリスタ層を積層して素体を得る工程と、素体の表
    面にコイル用の導体を形成する工程と、素体の表面に端
    面電極を形成する工程とからなる複合部品の製造方法。
  13. 【請求項13】 バリスタ層を形成する工程と、バリス
    タ層の表面にバリスタ用の電極層を形成する工程と、バ
    リスタ用の電極層を形成したまたは電極層に形成してい
    ないバリスタ層を積層して素体を得る工程と、素体の表
    面にさらに絶縁体層を形成する工程と、絶縁体層を付加
    した素体の表面にコイル用の導体を形成する工程と、素
    体の表面に端面電極を形成する工程とからなる複合部品
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 素体の表面にコイル用の導体と端面電
    極を形成した素体に、端面電極以外の素体の表面にさら
    に絶縁体層を形成する工程からなる請求項12または1
    3に記載の複合部品の製造方法。
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