JPH0963845A - 積層部品およびその製造方法 - Google Patents

積層部品およびその製造方法

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JPH0963845A
JPH0963845A JP7214396A JP21439695A JPH0963845A JP H0963845 A JPH0963845 A JP H0963845A JP 7214396 A JP7214396 A JP 7214396A JP 21439695 A JP21439695 A JP 21439695A JP H0963845 A JPH0963845 A JP H0963845A
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JP
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forming
layer
laminated
conductor layer
powder
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JP7214396A
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English (en)
Inventor
Akihiko Ibata
昭彦 井端
Hirotaka Ito
裕隆 伊藤
Shinji Harada
真二 原田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は積層部品に関し、特に特性の優れた
積層部品およびその製造方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 予め焼結したフェライト板1上にコイル形成
用の導体層2と少なくともフェライト粉末および金属粉
末からなる金属磁性層3を有した積層体であって、それ
らを焼成して得られる積層部品である。このような構成
にすることによって、優れた電気特性を有ししかも優れ
た焼成時の整合性を発揮するため欠陥のない良好な積層
部品となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層部品に関し、特に特
性の優れた積層部品およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】積層部品としては、コンデンサおよびイ
ンダクタなど種々のものがこれまでに提案され実用化さ
れている。インダクタは各種通信機器、民生用機器など
のコイル、トランスなどとして多用されており、近年、
小型あるいは薄型のインダクタがますます要求されてい
る。さらに、回路の高周波化あるいはディジタル化に伴
って、ノイズ対策部品としてのコイルあるいはコイルと
コンデンサの複合部品もますます重要になっている。
【0003】ノイズ対策部品におけるコイルとしては、
フェライト磁性層とコイル用導体層を交互に積層して得
られる積層部品がある。
【0004】さらに、コイルとコンデンサの複合部品と
しては、フェライト磁性層と導体層を交互に積層した積
層インダクタと同様に誘電体層と導体層を交互に積層し
た積層コンデンサを重畳してなる積層T型フィルター
(例えば、特公昭62−28891号公報)などが提案
されている。この積層T型フィルターの主な構成部材は
磁性層を形成するフェライトと導体層を形成する電極材
料および誘電体層を形成する誘電体材料であり、しか
も、コイル部とコンデンサ部を積み重ねてLC複合部品
を得るものである。つまり、積層型のコイルと積層型の
コンデンサを積み重ねて複合部品にしたものである。そ
のため、少なくとも磁性材料と誘電体材料の異種材料を
同時に焼成して欠陥のない積層部品を製造する必要があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、これ
まで積層部品としていくつかのものが提案されている
が、基本的には磁性層あるいは導体層の積層体を形成
し、これらの積層体を一括焼成して積層部品を得るた
め、これらの焼成時の整合性、つまり焼成時の焼成収縮
挙動やあるいは冷却時の熱膨張係数の合致等の問題を解
決しなければ優れた特性を有する積層部品を得ることが
できないという課題があった。特に、前述のコイルとコ
ンデンサを有する複合部品において整合性の確保が非常
に困難となり、さらには異種材料の同時焼成で得るため
に相互に異元素の拡散等の問題があった。
【0006】つまり、磁性層への誘電体層形成元素の拡
散による特性の劣化あるいはこの拡散により単独で焼成
するよりも前記整合性の確保を困難にしたり、さらには
各材料の選択が狭められたりする問題がある。
【0007】本発明は上記の従来の問題点を解決するも
ので、コイルあるいはコイルとコンデンサを有する積層
部品において、優れた特性を発揮し、前述した焼成時の
高い整合性を確保できる構造を有する積層部品を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに本発明は、予め焼結したフェライト板上にコイル形
成用の導体層と少なくともフェライト粉末および金属粉
末からなる金属磁性層を有した積層体あるいはさらにコ
ンデンサ形成用の導体層と少なくとも誘電体粉末からな
る誘電体層をも含んだ積層体であって、それらを焼成し
て積層部品としたものである。
【0009】
【作用】前述した積層部品にすることによって、つまり
予め焼結したフェライト板上にコイル形成用の導体層と
少なくともフェライト粉末および金属粉末からなる金属
磁性層を有した積層体あるいはさらにコンデンサ形成用
の導体層と少なくとも誘電体粉末からなる誘電体層をも
含んだ積層体であって、それらを焼成して得られる積層
部品とすることによって、優れた焼成時の整合性を確保
することができるために、優れた特性を有するコイルあ
るいはコンデンサとコイルを有する複合部品となる。こ
れによって、一般に知られた種々の酸化物系の磁性材料
あるいは誘電体材料を選択することができ優れた電気特
性の積層部品となり、製法的には焼成時の整合性確保が
容易となるため、歩留りが高く生産性の優れた複合部品
を得ることができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例について説明する。
【0011】本発明の積層部品は、予め焼結したフェラ
イト板上にコイル形成用の導体層と少なくともフェライ
ト粉末および金属粉末からなる金属磁性層を有した積層
体あるいはさらにコンデンサ形成用の導体層と少なくと
も誘電体粉末からなる誘電体層をも含んだ積層体であっ
て、それらを焼成して積層部品としたものである。
【0012】本発明の積層部品は、予め焼結したフェラ
イト板あるいは誘電体基板を有するため、優れた磁気特
性あるいは誘電体特性を有するこれらの予め焼成したセ
ラミックス基板を構成部材にしているため、電気特性の
優れた積層部品を実現できる。
【0013】例えば、前記のセラミックス基板が予め焼
結したフェライト板で構成した場合は、優れた磁気特性
を有するフェライト板となる。これは、通常フェライト
は1200〜1300℃程度の高温で焼成して得られる
が、積層部品の場合には導体材料との同時焼成であり、
導体材料としては一般には抵抗率の小さい銀などを用い
るため焼成温度は900℃程度の低温にする必要があ
る。そのため、フェライト材料としては低温で十分焼結
するように組成的にはCu量の多い組成とし、またZn
量も比較的多い方が焼結性が良好となる。つまり、磁気
特性よりも焼結性を優先した組成となり、フェライト材
料の磁気特性は必ずしも優れたものではない。
【0014】さらに、焼結性を優先したフェライト材料
を用いた場合には、所定の電気特性を得るためには積層
数を多くするなどの必要がある。例えば、所定のインダ
クタンスを必要とする場合、フェライト材料の特性が低
い場合には、積層数を多くしてつまり巻数を多くして所
定の特性を確保する必要がある。さらに、ノイズ対策部
品として用いる場合でも、フェライト材料の磁気特性が
完全なものでないため、高周波信号の吸収性は劣るもの
となる。しかし、本発明の積層部品は前述したように、
優れた磁気特性を発揮することが可能な予め焼結したフ
ェライト板を有するため優れた電気特性を有する積層部
品となる。
【0015】本発明の積層部品のインダクタンス部を構
成する部材に予め焼結したフェライト板を用いるため、
インダクタンス部を構成する残りの磁性体としては少な
くともフェライト粉末および金属粉末からなる金属磁性
層とした。これは焼成時の整合性を確保し、欠陥のない
優れた磁気特性の磁性層を確保するためである。つま
り、フェライト粉末からなる磁性層を焼成すると焼結に
よって収縮する。そのため、予め焼結したフェライト板
が反り、所定の積層部品を得ることができない。そこで
金属粉を含んだ金属磁性層とすることによって、焼成収
縮量を小さくし、予め焼結したフェライト板との整合性
を確保したものである。この金属磁性層は焼成すること
によって、金属粉末は酸化し膨張するため金属磁性層全
体としての焼成収縮量はかなり小さくなる。
【0016】同様に、誘電体層に関しても金属粉末を含
んだ誘電体層とすることによって、焼成時の整合性を確
保することができる。
【0017】本発明の積層部品は前述したように3つに
分けることができる。1つは予め焼結したフェライト板
とコイル形成用の導体層と少なくともフェライト粉末お
よび金属粉末からなる金属磁性層を有した積層体であ
る。2つ目は1つ目のものにさらにコンデンサ形成用の
導体層と少なくとも誘電体粉末からなる誘電体層をも有
した積層体である。3つ目は予め焼結した誘電体板にコ
イル形成用の導体層と少なくともフェライト粉末および
金属粉末からなる金属磁性層とさらにコンデンサ形成用
の導体層とを有した積層体である。
【0018】次に、図面を参照して、さらに具体的な本
発明の積層部品について説明する。1つ目の積層部品の
分解斜視図を図1に示し、中央部の断面図を図2に示
す。これらの図に示すように予め焼結したフェライト板
1とコイル形成用の導体層2および金属磁性層3とを積
層したものである。電極層4はチップ部品としての取り
出し電極であり、図2に示すようにコイル形成用の導体
層2の両端は電極層4と電気的に結線されている。さら
に、図2に示すように電極層4はチップ部品の3面(あ
るいは5面)に形成するのが一般的であり、場合によっ
ては積層面に垂直な端面の1面だけでもよい。このよう
にコイル形成用の導体層2の回りの半分は予め焼結した
フェライト板1からなるため優れた電気特性を示す積層
部品となり、残り半分は少なくともフェライト粉末と金
属粉末とからなる金属磁性層3で構成される。
【0019】2つ目の積層部品の分解斜視図を図3に示
し、中央部の断面図を図4に示す。これも前記と同様に
予め焼結したフェライト板1とコイル形成用の導体層2
および金属磁性層3とを積層してなり、電極層4が取り
出し電極である。前記と同様に電極層4はコイル形成用
の導体層2の両端と電気的に結線されている。さらに、
図3に示すように電極層4はチップ部品の3面(あるい
は5面)に形成するのが一般的であり、場合によっては
積層面に垂直な端面の1面だけでもよい。
【0020】2つ目の積層部品ではさらに、コンデンサ
形成用の導体層5と少なくとも誘電体粉末からなる誘電
体層6とコンデンサ形成用の導体層7を有し、さらに導
体層7を絶縁するように絶縁層8を有する。このコンデ
ンサ形成用の導体層5と誘電体層6およびコンデンサ形
成用の導体層7によってコンデンサ部を構成する。フェ
ライト板1の中央部には貫通穴12を有し、コイル形成
用の導体層2とコンデンサ形成用の導体層5はこの貫通
穴12を介して電気的に結線されている。コンデンサ形
成用の導体層7は図3に示すように、単純な長方形状で
はなく一部突き出した部分を有し、その部分はチップ部
品の長辺部分に形成した電極層4と電気的に接続してい
る。1つ目の積層部品と異なる点は、このコンデンサ形
成用の導体層5と誘電体層6およびコンデンサ形成用の
導体層7からなるコンデンサ部を有することであり、こ
れによってコイルとコンデンサを有する複合部品とな
る。前述したように、チップ部品の短辺部分に形成した
電極層4はコイル形成用の導体層2と電気的に接続され
ており、長辺部分に形成した電極層4はコンデンサ形成
用の導体層7と電気的に接続されている。
【0021】3つ目の積層部品の分解斜視図を図5に示
し、中央部の断面図を図6に示す。これは前記の予め焼
結したフェライト板1の替わりに予め焼結した誘電体板
9を用い、この誘電体板9の上面ないし下面にコンデン
サ形成用の導体層5およびコンデンサ形成用の導体層7
を有し、さらにコンデンサ形成用の導体層5上に少なく
ともフェライト粉末と金属粉末からなる金属磁性層3と
コイル形成用の導体層2および少なくともフェライト粉
末と金属粉末からなる金属磁性層10を積層した構成で
ある。2つ目の積層部品と同様に、金属磁性層3の中央
部には貫通穴12を有し、コイル形成用の導体層2とコ
ンデンサ形成用の導体層5はこの貫通穴12を介して電
気的に結線されている。コンデンサ形成用の導体層7は
図5に示すように、単純な長方形状ではなく一部突き出
した部分を有し、その部分はチップ部品の長辺部分に形
成した電極層4と電気的に接続している。
【0022】以上の積層部品はいかなる製品性能が必要
かによって、予め焼結したフェライト板の構成とするか
あるいは予め焼結した誘電体板にするかを選択し、さら
には誘電体材料、磁性材料および導体材料の種類あるい
は積層数さらには部品サイズや導体パターンの各部の寸
法などを適宜決めればよい。
【0023】いずれの場合であっても、本発明の積層部
品は優れた磁気特性ないしは誘電特性を有する予め焼結
した板状の機能材料層を有するため優れた電気特性を発
揮し、さらにコイルとコンデンサの複合部品の場合には
プロセス的にも予め焼結した層が異種材料の境界あるい
は片方を予め焼結しているため焼成時の整合性確保が容
易となり、拡散性の大きい元素を含む組成系をも用いる
ことができる。
【0024】予め焼結したフェライト板1を構成する磁
性材料としては、一般に知られる透磁率が大きいフェラ
イト磁性材料であればよい。具体的には、NiZn系、
NiZnCu系、MnZn系などのフェライト磁性材料
である。
【0025】コイル形成用の導体層2あるいはコンデン
サ形成用の導体層5ないし7については同一の導体材料
でもよいが、コイル用については導体の抵抗率が重要で
ある。つまり、低抵抗なコイルを形成することが一般に
は重要となるため、抵抗率の小さい導体材料が望まし
い。具体的には、銀、銀とパラジウム合金、銅などが望
ましい。コンデンサ形成用の導体材料については電圧を
印加したときの導体材料のマイグレーションを考慮し
て、銀とパラジウム合金、パラジウム、銅、ニッケルな
どが望ましい。しかし、複合部品としてはコイル形成用
の導体層2とコンデンサ形成用の導体層5ないし7を同
一の導体材料、例えば銀で形成してもよい。
【0026】少なくともフェライト粉末と金属粉末から
なる金属磁性層3を構成するフェライト粉末としては前
述した各種のフェライト粉末でよい。金属粉末としては
フェライトを構成する主要元素である鉄、ニッケル、銅
などがある。これらの一種以上が含まれれば前述した整
合性は確保できる。
【0027】誘電体層6を形成する誘電体材料として
は、一般に知られた誘電体材料あるいは絶縁材料であれ
ばいかなるものでもよい。例えば、強誘電体材料として
はTGS族、ロッシェル塩族、KDP族、ペロブスカイ
ト族、ニオブ酸リチウム族、タングステンブロンズ族な
どがあり、特にペロブスカイト族のチタン酸系がよく知
られている。他にも酸化チタンを含む各種の誘電体材
料、ガラス系の絶縁材料でもよい。以上のような種々の
材料がある。
【0028】電極層4を形成する電極材料は導電性材料
であればよいが、一般には単一層ではなく複数の電極層
からなる。つまり、本発明の積層部品はチップ状の複合
部品であるため、基板に実装したときの接着強度あるい
は実装における半田づけ時の濡れ性、喰われ性などが重
要である。そのため、一般的には最下層は前記のコイル
形成用の導体層2と同じ導体材料からなり、中間層には
半田に対して耐性を有するニッケルを用い、最表層には
半田に対して濡れ性が良好な半田あるいは錫を用いる。
しかし、これは一般的な十分な安全性を確保した構成で
あり、極論すれば、導電性の材料で電極層4を構成すれ
ばいかなるものでもよい。しかも、金属等の導電性に優
れた材料以外に他の樹脂等を含んでいてもよく、必要な
ことは電気的な導電性を有していることである。
【0029】次に、積層部品の製造方法について説明す
る。前述した3つの積層部品において、2つ目の積層部
品が最も工程的に多くなるため、これを例にして図を参
照しながら積層部品の製造方法の一例を説明する。他の
積層部品の製造方法もこれとほぼ同様である。
【0030】図7は2つ目の積層部品の積層体を各層ご
とに分解した図である。まず、図7(a)に示すように
貫通穴12を有する予め焼結したフェライト板1に図7
(b)に示すようにコイル形成用の導体層2を形成す
る。次に、図7(c)に示すようにコイル形成用の導体
層2を覆うように、少なくともフェライト粉末と金属粉
末を含んだ金属磁性層3を形成する。
【0031】次に、図7(d)に示すように、予め焼結
したフェライト板1上にコンデンサ形成用の導体層5を
形成する。フェライト板1には貫通穴12が存在するた
め、コンデンサ形成用の導体層5は貫通穴12を介し
て、コイル形成用の導体層2と電気的に接続される。次
に、図7(e)に示すようにさらにその上に誘電体層6
を形成し、さらに図7(f)に示すようにコンデンサ形
成用の導体層7を形成する。さらに図7(g)に示すよ
うにコンデンサ形成用の導体層7を絶縁するように絶縁
層8を形成し、図7(h)に示したように引き出し電極
層4を形成する。この積層体を焼成することによって積
層部品を得ることができる。
【0032】以上の金属磁性層3あるいは誘電体層6な
どは一般に知られているグリーンシート成形法、印刷
法、デッピング法あるいはスピンコート法などで形成す
ることができる。コイル形成用の導体層2あるいはコン
デンサ形成用の導体層5ないし7は印刷法が一般的であ
るが、レーザを用いたパターン形成あるいはグリーンシ
ート法で所定パターンに打ち抜きさらには金型等で所定
形状に予め形成した導体層を転写するなどの方法でもよ
い。
【0033】本発明の積層部品は耐熱性に優れた積層部
品であるためモジュール化することが容易である。例え
ば、アルミナ基板あるいはフェライト基板などのセラミ
ック基板に所定の配線層を形成し、基板の配線と積層部
品の電極層4との結線を同時に行って一体化あるいは組
立が可能である。この場合、基板の所定場所に窓をあけ
て積層部品の側面の電極層4とセラミック基板上の配線
に結線することが可能になるため、薄型のモジュールが
得られる。この場合は、一般に知られているセラミック
基板を用いた通常の厚膜形成プロセスが適用できる。積
層部品の電極層4は半田づけを前提としたものでなく、
焼成して電気的に接続するものにすればよい。半田づけ
を想定した電極層4の形成法としては、銀あるいは銀パ
ラジウムで電極層4の下地を形成しておき、この下地電
極にさらにNiめっきおよび半田めっきを施す方法ある
いは導電性の金属粉末を含有した樹脂を用いて電極層4
を形成する方法などがある。
【0034】コイル形成用の導体層2を交互に積層して
形成するコイルの形状としては、ソレノイド型あるいは
同一面に何周もしたスパイラル型さらには折れ曲がった
つづら折れ型等がある。小型化に対してはソレノイド型
が有効である。ソレノイド型は大きな巻数を必要とする
場合は積層数が大きくなるが、導体抵抗は小さくでき
る。スパイラル型では大きな巻数を得るには有利である
が、反面導体抵抗が大きくなる。これらのコイルの形状
の特徴といかなる部品性能が必要かで適宜使い分ける必
要がある。
【0035】前記の各層を形成するためのペーストは、
各粉末とブチルカルビトール、テルピネオール、アルコ
ールなどの溶剤、エチルセルロース、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイ
ド、エチレン−酢酸ビニルなどの結合剤、さらに、各種
の酸化物あるいはガラス類などの焼結助剤を添加し、ブ
チルベンジルフタレート、ジブチルフタレート、グリセ
リンなどの可塑剤あるいは分散剤等を添加してもよい。
これらを混合した混練物を用いて各層を形成する。これ
らを前述したような所定の構造に積層したものを焼成し
て積層部品を得る。グリーンシートを作製する場合は、
前記の溶剤に替えて蒸発性の優れた各種の溶剤、例えば
酢酸ブチル、メチルエチルケトン、トルエン、アルコー
ルなどが望ましい。
【0036】本発明の積層部品の焼成温度範囲としては
約800℃から1300℃の範囲である。特に導体材料
によって異なり、例えば、導体材料として銀を用いれば
900℃前後にする必要があり、銀とパラジウムの合金
では950℃で、さらに高温で焼成するには導体材料に
ニッケル、パラジウムなどを用いる。
【0037】次に本発明の更に具体的な実施例について
説明する。 (実施例1)NiZnCu系フェライト粉末、Fe粉、
NiO粉、CuO粉およびZnO粉を混合した粉末10
0gに対してエチルセルロースが8g、α−テルピネオ
ールが20g混合し、3本ロールを用いて混練して、金
属磁性ペーストを作製した。
【0038】次に、予め焼結したNiZnCu系フェラ
イト板に市販の銀ペーストを用いて図1に示したような
コイルパターンを形成し、さらにその上に先に作製した
金属磁性ペーストを用いて金属磁性層を形成した。さら
に、図1に示すような電極層を銀パラジウムペーストを
用いて形成し、900℃で6時間保持する条件で焼成し
た。
【0039】以上の方法で得られた本発明の積層部品に
は剥離、割れ、反りなどの欠陥は認められなかった。イ
ンピーダンスアナライザなどを用いて各種の電気特性を
測定したところ、優れた特性を有する積層部品であっ
た。
【0040】このように本発明の積層部品は予め焼結し
たフェライト板を用い、さらに金属粉を含んだ金属磁性
層を焼成して得るため、焼成時の欠陥発生を回避できし
かも優れた特性を有する積層部品を得ることができる。
【0041】(実施例2)BiCaNbO系の誘電体粉
末100gに対してブチラール樹脂が8g、ブチルベン
ジルフタレートが4g、メチルエチルケトンが24gお
よび酢酸ブチルが24g混合し、ポットミルを用いて混
練して誘電体材料のスラリーを作製した。このスラリー
を使い、コータを用いて乾燥後厚み30μmの誘電体グ
リーンシートを作製した。なおグリーンシートはPET
フィルム上に形成した。
【0042】実施例1と同様に作製した予め焼結したフ
ェライト板上にコイル部を形成したフェライト板の反対
面に、図3に示すようなコンデンサ形成用導体層を市販
の銀ペーストを用いて形成した後、先に作製した誘電体
層を接合し、さらにその上にコンデンサ形成用導体層を
市販の銀ペーストを用いて形成した。コンデンサ形成用
導体層の形成には印刷機を用いて、市販の焼成型銀ペー
ストで印刷法で形成した。導体層の厚みは乾燥後で15
μmであった。誘電体層の積層には熱プレスを用い、熱
プレスの定盤温度は100℃に設定し、圧力は60kg/
cm2であった。さらに、図3に示すような電極層を銀パ
ラジウムペーストを用いて形成し、900℃で6時間保
持する条件で焼成した。
【0043】以上の方法で得られた本発明の積層部品に
は剥離、割れ、反りなどの欠陥は認められなかった。イ
ンピーダンスアナライザなどを用いて各種の電気特性を
測定したところ、優れた特性を有する積層部品であっ
た。
【0044】このように本発明の積層部品は、予め焼結
したフェライト板の一方の面にコイル部を形成し、他方
の面にコンデンサ部を形成するため焼成時の拡散による
特性の劣化を回避することができ、しかも金属磁性層で
あるために反りの問題もなく、優れた特性を有する積層
部品を1回の焼成で一体化でき、生産性に優れた積層部
品を得ることができる。
【0045】(実施例3)予め焼結したBaTiO3
の誘電体板を用いて、実施例2と同様に図5に示すよう
な積層部品を作製した。
【0046】前記の方法で得られた本発明の積層部品に
は剥離、割れ、反りなどの欠陥は認められず、インピー
ダンスアナライザなどを用いて各種の電気特性を測定し
たところ、優れた特性を有する積層部品であった。
【0047】
【発明の効果】本発明によって、つまり、予め焼結した
フェライト板上にコイル形成用の導体層とフェライト粉
および金属粉からなる金属磁性層を有した積層体あるい
はさらにコンデンサ形成用の導体層と少なくとも誘電体
粉末からなる誘電体層をも含んだ積層体であって、それ
らを焼成して得られる積層部品にすることによって、優
れた電気特性の積層部品を得ることができる。しかも、
金属磁性層を用いることによって、焼成時に発生する基
板反り等の問題も回避でき、さらには誘電体材料をも含
む複合部品においても焼成時の拡散による特性劣化をも
回避できる構造となる。さらに、十分な耐熱性と高い信
頼性をも兼ね備えた優れた積層部品であるため、モジュ
ール化にも対応する積層部品を提供することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の積層部品の構成を示す分解
斜視図
【図2】同積層部品の構成を示す断面図
【図3】本発明の他の実施例の積層部品の構成を示す分
解斜視図
【図4】同積層部品の構成を示す断面図
【図5】本発明のさらに他の実施例の積層部品の構成を
示す分解斜視図
【図6】同積層部品の構成を示す断面図
【図7】本発明の積層部品の製造工程を示す斜視図
【符号の説明】
1 フェライト板 2,5,7 導体層 3,10 金属磁性層 4 電極層 6 誘電体層 8,11 絶縁層 9 誘電体板 12 貫通穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03H 7/075 H01F 15/00 D H05K 1/16 H01G 4/40 321A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め焼結したフェライト板上にコイル形
    成用の導体層と少なくともフェライト粉末および金属粉
    末からなる金属磁性層を有した積層体からなり、それら
    を焼成してなる積層部品。
  2. 【請求項2】 予め焼結したフェライト板上にコイル形
    成用の導体層と少なくともフェライト粉末および金属粉
    末からなる金属磁性層を有し、さらにコンデンサ形成用
    の導体層と少なくとも誘電体粉末からなる誘電体層を有
    した積層体からなり、それらを焼成してなる積層部品。
  3. 【請求項3】 予め焼結した誘電体基板上にコンデンサ
    形成用の導体層とコイル形成用の導体層とさらに少なく
    ともフェライト粉末および金属粉末からなる金属磁性層
    を有した積層体であって、それらを焼成してなる積層部
    品。
  4. 【請求項4】 予め焼結したフェライト板上にコイル形
    成用の導体層を形成する工程と、少なくともフェライト
    粉末および金属粉末からなる金属磁性層を形成する工程
    と、前記導体層と金属磁性層を形成した予め焼結したフ
    ェライト板をさらに焼成する工程とを有する積層部品の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 予め焼結したフェライト板上にコイル形
    成用の導体層を形成する工程と、少なくともフェライト
    粉末および金属粉末からなる金属磁性層を形成する工程
    と、コンデンサ形成用の導体層を形成する工程と、少な
    くとも誘電体粉末からなる誘電体層を形成する工程と、
    前記導体層と金属磁性層を形成した予め焼結したフェラ
    イト板をさらに焼成する工程とを有する積層部品の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 予め焼結した誘電体基板上にコンデンサ
    形成用の導体層を形成する工程と、コイル形成用の導体
    層を形成する工程と、少なくともフェライト粉末および
    金属粉末からなる金属磁性層を形成する工程と、前記導
    体層と金属磁性層を形成した予め焼結した誘電体基板を
    さらに焼成する工程とを有する積層部品の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002324962A (ja) * 2001-02-21 2002-11-08 Toppan Printing Co Ltd インダクタ内蔵のプリント配線板及びその製造方法
JP2014127718A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd コモンモードフィルタ及びその製造方法
DE112017002537T5 (de) 2016-05-17 2019-02-14 Microcraft Korea Co., Ltd. Verfahren zur Herstellung einer Tintenstrahlharzzusammensetzung
DE112017002573T5 (de) 2016-05-17 2019-02-28 Microcraft Korea Co., Ltd. Tintenstrahlharzzusammensetzung und gedruckte Leiterplatte, die dieselbe verwendet

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