JP3074853B2 - インダクタンス部品およびその製造法 - Google Patents

インダクタンス部品およびその製造法

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JP3074853B2 JP03281145A JP28114591A JP3074853B2 JP 3074853 B2 JP3074853 B2 JP 3074853B2 JP 03281145 A JP03281145 A JP 03281145A JP 28114591 A JP28114591 A JP 28114591A JP 3074853 B2 JP3074853 B2 JP 3074853B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性体を有するインダ
クタンス部品に関し、特に特性の優れた薄型のインダク
タンス部品およびその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インダクタンス部品は各種通信機器,民
生用機器などのコイル,トランスなどとして多用されて
おり、近年、小形あるいは薄型のインダクタンス部品が
ますます要求されている。
【0003】小形のインダクタンス部品としては、磁性
層と導体を交互に積層した積層インダクタ(例えば、特
開昭55−91103号公報)および同様の構造の積層
トランスなどが提案されているが、磁性層と導体、つま
りフェライト磁性体と導体を同時に焼成することによっ
て得るため、低温で焼結が可能な限られたフェライト磁
性体、例えばNiZnCu系フェライトを用いるのが現
状である。小形化等のために透磁率あるいは磁束密度等
の磁気特性の優れた他のフェライト磁性体、例えばMn
Zn系フェライト等を用いることができない。一方、十
分な条件で焼結したフェライト磁性体に巻線等を施して
得られるインダクタンス部品では、フェライト磁性体を
単独で焼成したものを使用する。そのため、種々の系の
フェライト磁性体を用いることができ、優れたフェライ
ト磁性体の磁気特性を利用することができる。しかし、
小形化、特に薄型化には限界があり、しかも巻線は被覆
した銅線を用いるのが一般的であり、そのため耐熱性に
も限界がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、これ
までに種々のインダクタンス部品が提案されているが、
種々の系のフェライト磁性体の特性を十分に発揮させて
使用し、しかも小形あるいは薄型であり、さらにインダ
クタンス部品を利用した種々のモジュールなどの小形
化,高集積化あるいは配線基板とインダクタンス部品の
実装を同時に行うような製造プロセス等をも満足するイ
ンダクタンス部品が得られていないという課題があっ
た。
【0005】本発明は上記の従来の問題点を解決するも
ので、種々の系のフェライト磁性体の十分な磁気特性を
発揮しながら、薄型あるいは小形を満足し、インダクタ
ンス部品を利用した種々のモジュールなどの小形化,高
集積化等を満足するインダクタンス部品を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに本発明は、セラミック基板上に絶縁層と導体部を交
互に積層してなるコイルを有し、さらにセラミック基板
と接触ないし必要なすき間を隔てた磁性体あるいはセラ
ミック基板の貫通孔を通して接触ないし必要なすき間を
隔てた一対の磁性体を有するインダクタンス部品とした
ものである。
【0007】
【作用】前述したインダクタンス部品にすることによっ
て、つまりセラミック基板上に絶縁層と導体部を交互に
積層してなるセラミック等と金属で構成したコイルを有
し、さらにセラミック基板と接触ないし必要なすき間を
隔てた磁性体あるいはセラミック基板の貫通孔を通して
接触ないし必要なすき間を隔てた一対の磁性体を有する
インダクタンス部品にすることによって、磁気回路の大
部分を磁性体で構成され、各種磁性体の優れた軟磁気特
性を十分に発揮することができる。例えば、磁性体がフ
ェライトであれば、種々の系のフェライト磁性体の磁気
特性を十分に発揮できる。しかも、絶縁層と導体部を交
互に積層したコイルであるため、薄型あるいは小形のイ
ンダクタンス部品となる。さらに、十分な耐熱性を有す
る材料で構成したインダクタンス部品であるため、耐熱
性および信頼性が確保でき、配線基板とインダクタンス
部品の実装を同時に行うような製造プロセス等をも可能
にするインダクタンス部品となる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例について説明する。
【0009】本発明のインダクタンス部品は、セラミッ
ク基板上に絶縁層と導体部を交互に積層してなるコイル
を有し(場合によってはセラミック基板とコイル間にフ
ェライト磁性層を有する。)、さらにセラミック基板
(場合によってはフェライト磁性層)と接触ないし必要
なすき間を隔てた磁性体あるいはセラミック基板の貫通
孔を通して接触ないし必要なすき間を隔てた一対の磁性
体を有するインダクタンス部品である。このように本発
明のインダクタンス部品は大きく3つに分けることがで
きる。1つは、セラミック基板と磁性体およびコイルの
3つの部分で構成したもので、コイルはさらに少なくと
も絶縁層と導体部の2つの部分で構成している。2つ目
はセラミック基板と一対の磁性体とコイルからなるもの
で、3つ目はセラミック基板とフェライト磁性層とコイ
ルおよび磁性体で構成したインダクタンス部品である。
【0010】セラミック基板とは一般的なセラミック基
板をいい、最も多用されているものはアルミナ基板であ
る。アルミナ基板等の非磁性基板を用いるよりもフェラ
イト基板等の磁性基板を用いるほうが有利になる場合が
ある。これはフェライト基板が磁気回路の一部分を構成
するため、インダクタンス部品の薄型化により有効とな
り、インダクタンスの向上あるいは磁気シールド性に対
しても良好となる。磁性体とは軟磁気特性の優れた磁性
体をいい、特に本発明のインダクタンス部品に対して相
性が良いのは酸化物の磁性体、フェライト焼結体であ
る。コイルを形成する絶縁層とは電気絶縁性を有するガ
ラス、酸化物あるいは各種セラミック基板用の原材料を
含んだガラスなどがあり、電気絶縁性の高い材料であれ
ばなんでも良い。導体材料は導電性の優れた材料をい
う。フェライト磁性層とは本発明の製造法で詳述するよ
うに、前述した磁性体とは異なり、フェライト粉末どう
しが結合ないしは他の低融点の物質で結合した層をい
い、空孔が比較的多く存在している層である。例えば、
前記の磁性体をフェライト焼結体をとした場合、このフ
ェライト磁性層との差異は、フェライト焼結体は微量の
添加物を除くと通常知られている種々の系のスピネル型
のフェライトからなり、空孔等が少ない非常に高い密度
である。一方、フェライト磁性層は前述した積層インダ
クタなどのフェライト層と同様で、空孔が多く焼結温度
が高いフェライトの場合はガラス等の低融点の結合剤を
含む層である。
【0011】製造法としては、セラミック基板上に絶縁
層と導体部を交互に積層してコイルを形成し、コイルを
焼成する前あるいは焼成した後に磁性体をセラミック基
板上に固定して得る方法、磁性体上にコイルを形成し、
コイルを焼成する前あるいは焼成した後に磁性体とセラ
ミック基板を固定して得る方法、セラミック基板上にコ
イルを形成し、コイルを焼成する前あるいは焼成した後
にセラミック基板の貫通孔を通して一対の磁性体を固定
して得る方法、一対の磁性体の一方の磁性体上にコイル
を形成し、コイルを焼成する前あるいは焼成した後にセ
ラミック基板の貫通孔を通して他方の磁性体と固定して
得る方法あるいはセラミック基板上にフェライト磁性層
を形成し、さらにその上にコイルを形成した後、フェラ
イト磁性層およびコイルの焼成の前あるいは後に磁性体
をフェライト磁性層に固定して得られる方法などがあ
る。
【0012】コイルを構成する導体部あるいは絶縁層の
形成には印刷法またはデッピング法あるいはスピンコー
ト法などの方法があり、導体のパターン形成にはレーザ
等を用いることも可能である。つまり、導体層を全面に
形成した後、一部をレーザで削除してコイルを形成する
方法である。フェライト磁性層の形成も同様に印刷等の
方法で行う。これらは一般に知られているセラミック基
板あるいは磁性体に直接各層を形成する方法でもあるい
はグリーンシート状の各層を積層して作製する方法でも
よい。さらには、絶縁層としてマイカあるいは非常に薄
い絶縁体の板を用い、マイカあるいは絶縁板に印刷等で
導体パターンを形成してコイルを作製する方法もある。
【0013】本発明のインダクタンス部品の具体例を図
を用いて、さらに詳述する。図1(a),(b)、図2
(a),(b)および図3(a),(b)に本発明の代
表的なインダクタンス部品の分解斜視図およびコイル部
の断面の概略図を示す。図1,図2および図3は前述し
た本発明の代表的な3つのタイプのインダクタンス部品
である。図1,図2および図3において、1はセラミッ
ク基板であり、2はE型またはEI型の磁性体、3はフ
ェライト磁性層である。4は絶縁層であり、5は導体部
である。絶縁層4と導体部5でコイルを形成する。導体
部5は何層で構成してもよい。
【0014】セラミック基板1としては、通常一般に知
られているセラミック基板をいい、アルミナ,ムライ
ト,ベリリア,ステアタイト,フォルステライト,マグ
ネシア,チタニア,フェライト等の各種セラミックス基
板がある。
【0015】磁性体2としては、フェライト磁性体,パ
ーマロイ,センダストなどの軟磁気特性の優れた酸化物
系あるいは金属系等の磁性体がある。
【0016】フェライト磁性層3としては、MnZn系
フェライト,NiZn系フェライト,NiZnCu系フ
ェライト以外に他のスピネル型の種々のフェライトある
いは混合物があり、磁性体2の1つであるフェライト磁
性体とは作製条件が大きく異なるため、構造あるいは磁
気特性などに差異が生じる。
【0017】絶縁層4を形成する材料としては、前述し
たセラミックス基板1と同様に各種のセラミックスある
いは各種のガラスセラミックス,窒化物,炭化物,Ni
Zn系フェライト,NiZnCu系フェライト,マイカ
などがある。本発明では絶縁層と称しているが、絶縁層
4を形成するものとしては絶縁体以外に誘電体あるいは
非磁性体と呼ばれるものでもよく、電気抵抗が高い材料
であればよい。誘電体としては、前述した絶縁体に含ま
れるものやチタン酸バリウム,ニオブ酸カリウムなどが
ある。非磁性体としては、スピネル型フェライトに相性
のよい亜鉛フェライト,酸化鉄などがある。
【0018】導体部5の材料には、銀,銅,金,銀とパ
ラジウム,銀と白金の合金などの通常印刷法等でよく用
いられる導体形成用の金属がある。導体の抵抗値と融点
が選択時の重要な条件である。
【0019】前述したように、セラミック基板1,磁性
体2,フェライト磁性層3,絶縁層4および導体部5は
1つの物質で必ずしも構成する必要はなく、種々の物質
の混合物で形成してもよい。このように、セラミック基
板1と磁性体2とフェライト磁性層3およびコイル(絶
縁層4と導体部5で構成)からなるインダクタンス部品
とすることによって、フェライト焼結体の十分な特性を
有する薄型あるいは小形のインダクタンス部品を得るこ
とができる。磁気回路の全部ないしは大部分をフェライ
ト焼結体で構成するため、薄型あるいは小形でありなが
ら優れた電気特性を示すインダクタンス部品となる。セ
ラミック基板を用いて、1つの電気的モジュール、例え
ばDC−DCコンバータなどを製造する場合、厚膜の抵
抗あるいはコンデンサ等を用いる場合、より一層本発明
のインダクタンス部品の特徴を発揮することができ、配
線基板と本発明のインダクタンス部品の実装を一括して
行うような製造プロセスあるいは高密度実装、さらに高
信頼性を得ることができる。
【0020】コイルの形状としては、ソレノイド型、同
一面に何周もしたスパイラル等の平面コイルが代表的で
あり、小形化に対してはソレノイド型が有効であり、薄
型に関してはスパイラルタイプが有効である。
【0021】フェライト磁性層3と絶縁層4と導体部5
を形成するためのペーストは、各粉末とブチルカルビト
ール,テルピネオール,アルコールなどの溶剤、エチル
セルロース,ポリビニルブチラール,ポリビニルアルコ
ール,ポリエチレンオキサイド,エチレン−酢酸ビニル
などの結合剤、さらに、各種の酸化物あるいはガラス類
などの焼結助剤を添加し、ブチルベンジルフタレート,
ジブチルフタレート,グリセリンなどの可塑剤あるいは
分散剤等を添加してもよい。これらを混合した混練物を
用いて各層を形成する。これらを前述したような所定の
構造に積層したものを所定温度で焼成してインダクタン
ス部品を得る。
【0022】焼成温度範囲としては約700℃から13
00℃の範囲である。特にコイルを形成する導体の構成
材料によって異なり、例えば、導体材料として銀を用い
れば比較的低温にする必要があり、銀とパラジウムの合
金では比較的高温でも可能である。
【0023】次に本発明の更に具体的な実施例について
説明する。 (実施例1)焼成温度が850℃のガラス粉末を20g
に対して、テルピネオールおよびエチルセルロースを重
量比で100:6で混合したもの(以下バインダと略
す)を6g加えて混合した後、3本ロールを用いて混練
してガラスペーストを作製した。さらに銀の粉末を30
gとバインダを3gとを用いて同様に銀ペーストを作製
した。これらのペーストを用い、スクリーン印刷法で縦
および横が50mmで厚みが1mmのMnZn系フェライト
基板,NiZn系フェライト基板および96%アルミナ
基板上に図4(a)に示した基板絶縁パターンをガラス
ペーストを用いて印刷した。次に、図4(b)に示した
コイルAパターンを銀ペーストを用いて印刷し、その上
に、図4(c)に示した絶縁パターンをガラスペースト
を用いて印刷した。さらに図4(d)に示したコイルB
パターンを銀ペーストで印刷し、図4(e)に示したコ
イル間絶縁パターンをガラスペーストを用いて順次印刷
してコイルを形成した。印刷後の乾燥は150℃で行
い、各層を2回印刷してコイルを形成した。なお印刷に
用いた版はステンレス製で200メッシュである。コイ
ルは図4(b)に示したコイルAパターンと図4(d)
に示したコイルBパターンの2層で構成しており、両者
の結線は中心部で行う。コイルAパターン上に図4
(c)に示した絶縁パターンを印刷したときコイルAパ
ターンの中心部(線が太くなった部分)が露出した状態
になり、その上にコイルBパターンを印刷すると露出部
で両者が結線される。
【0024】次に、MnZn系フェライトE型コア(E
型コアの足の長さが0.2mmであり、コアの背の厚みが
1mmである。)の基板との接触部にがラスペーストを塗
り、フェライトE型コアをこのガラスを介して基板に接
触させて、これらのフェライト基板とアルミナ基板を大
気中において850℃で10分間保持した後、窒素中で
冷却する条件で焼成した。
【0025】次に、焼成して得たインダクタのインダク
タンスを測定した。測定はLCRメータを用い、測定周
波数は500kHzであった。MnZn系フェライト基板
の場合は200μHであり、NiZn系フェライト基板
では150μHであり、アルミナ基板の場合は50μH
であった。
【0026】このように本発明のインダクタは優れた電
気特性を示すインダクタンス部品であり、しかもフェラ
イト焼結体のE型コアを用いているが薄型であり、厚膜
プロセスで作製するため耐熱性に富み、焼結フェライト
磁性体の磁気特性を十分に発揮したインダクタンス部品
であった。
【0027】(実施例2)焼成温度が950℃のガラス
粉末を20gに対して、バインダを6g加えて混合した
後、混練してガラスペーストを作製した。実施例1と同
じ3種類の基板を用いて、実施例1と同様に、基板絶
縁,コイルAパターン,絶縁パターン,コイルBパター
ンおよびコイル間絶縁パターンを順次印刷した。銀ペー
ストは実施例1と同じものを使用した。さらにコイルA
パターンあるいはコイルBとはコイル端子位置が異なる
同様のコイルパターン(CからH)を用いて、前述した
印刷(コイルAパターン,絶縁パターン,コイルBパタ
ーンおよびコイル間絶縁)を繰り返して、つまりコイル
AおよびコイルB以外に6種類のCからHのコイルパタ
ーンを用いて、図5に示すように5コイルを積層した。
図5はコイル部の断面を模式的に示した図であり、Aか
らHはコイルの引き出し線、端子位置が異なることを示
し、11から14はコイルNo.を示す。コイル12が2
つあるのは端子位置が一致するため、2つのコイルを並
列接続して1コイルを形成したことを意味し、AとBで
1コイルを形成し、以下同様にCとDで1コイルを形成
している。
【0028】次に、MnZn系フェライトのE型コア
(E型コアの足の長さが0.6mmであり、コアの背の厚
みが1mmである。)の基板との接触部にガラスペースト
を塗り、E型コアをこのガラスを介して基板に接触させ
て、これらのフェライト基板とアルミナ基板を大気中に
おいて850℃で10分間保持した後、窒素中で冷却す
る条件で焼成した。このように、基板とE型コアの間に
ガラスペーストを塗り、両者の固定およびギャップ形成
を行った。
【0029】焼成して得た4つのコイルを内蔵したイン
ダクタンス部品、つまりトランスのインダクタンスを同
様に測定した。コイル12のインダクタンスは、MnZ
n系フェライト基板の場合は200μHであり、NiZ
n系フェライト基板では150μHであり、アルミナ基
板の場合は50μHであった。
【0030】さらに、コイル12以外のコイル11,コ
イル13あるいはコイル14をそれぞれオープンあるい
はショートしてコイルの結合状態を結合係数として求め
たところ、コイル11あるいはコイル14をショートし
たときは共に0.998であり、コイル13をショート
したときは0.999であった。このように本発明のイ
ンダクタンス部品はトランスとしても漏れ磁束が少ない
優れた特性を示した。
【0031】(実施例3)厚みが0.02から0.03
mmのマイカの板を複数枚使用して、実施例1と同様に図
4に示したコイルAパターンおよびコイルBを実施例1
で作製した銀ペーストを用いて印刷した。このマイカの
板にE型コアの挿入孔を炭酸ガスレーザを用いて形成し
た。コイルAパターンおよびコイルBを形成したマイカ
を重ね中心部で銀ペーストを用いて結線した。
【0032】次に、実施例1と同じ3種類の基板にマイ
カとMnZn系フェライトのE型コアをガラスペースト
を用いて固定し、これらを大気中において850℃で2
0分間保持した後、窒素中で冷却する条件で焼成した。
【0033】これまでと同様にインダクタンスを測定し
たところ、MnZn系フェライト基板の場合は200μ
Hであり、NiZn系フェライト基板では150μHで
あり、アルミナ基板の場合は50μHであった。
【0034】(実施例4)焼成温度が880℃のガラス
粉末を20gに対して、バインダを6g加えて混合した
後、混練してガラスペーストを作製した。実施例1と同
じ3種類の基板を用いて、図6に示した全面パターンを
ガラスペーストを用いて各基板に印刷した。次に、実施
例1と同様に、コイルAパターン,絶縁パターン,コイ
ルBパターンおよびコイル間絶縁を順次印刷した。銀ペ
ーストは実施例1と同じものを使用した。さらに実施例
2と同様にコイルパターンAあるいはコイルBとはコイ
ルの端子位置が異なる同様のコイルパターン(Cから
H)を用いて、前述した印刷(コイルAパターン,絶縁
パターン,コイルBパターンおよびコイル間絶縁)を繰
り返して、つまりコイルAおよびコイルB以外に6種類
のCからHのコイルパターンを用いて、実施例2と同様
に図5に示すように5コイルを積層した。
【0035】次に、MnZn系フェライトのE型コア
(E型コアの足の長さが0.6mmであり、コアの背の厚
みが1mmである。)をコアの挿入孔に入れて、これらの
フェライト基板とアルミナ基板を大気中において850
℃で10分間保持した後、窒素中で冷却する条件で焼成
した。このように、基板にまず図6に示した全面パター
ンを印刷することによって、E型コアと基板の固定およ
びギャップ形成を行った。
【0036】これまでと同様にインダクタンスを測定し
た。コイル12のインダクタンスは、MnZn系フェラ
イト基板の場合は200μHであり、NiZn系フェラ
イト基板では150μHであり、アルミナ基板の場合は
50μHであり、実施例2と同等の特性であった。
【0037】さらに、コイル12以外のコイル11,コ
イル13あるいはコイル14をそれぞれオープンあるい
はショートしてコイルの結合状態を結合係数として求め
たところ、コイル11あるいはコイル14をショートし
たときは共に0.998であり、コイル13をショート
したときは0.999であった。このように本発明のイ
ンダクタンス部品はトランスとしても漏れ磁束が少ない
優れた特性を示した。
【0038】(実施例5)図2に示したようなフェライ
トE型コアの足が挿入できる穴のあいた縦および横が5
0mmで厚みが0.635mmの96%アルミナ基板を用い
て、実施例1と同じ方法でしかも同じペーストを用い
て、アルミナ基板上にコイルを形成した。
【0039】次に、MnZn系フェライトのE型コア
(E型コアの足の長さが0.8mmであり、コアの背の厚
みが1mmである。)と厚みが1mmのI型コアとの接触部
にガラスペーストを塗り、アルミナ基板の挿入孔に足を
通してフェライトE型コアとI型コアを接触させて、こ
れらのフェライトコアとアルミナ基板を大気中において
850℃で10分間保持した後、窒素中で冷却する条件
で焼成した。
【0040】これまでと同様にインダクタンスを測定し
たところ、200μHであった。本実施例のインダクタ
は実施例1と異なり、一般に多用しているアルミナ基板
を用いて、非常に優れたインダクタンスを示す。
【0041】同様のアルミナ基板を用いて、実施例2と
同様にトランスを試作したが、フェライト基板を用いた
場合の特性と同等のものが得られた。
【0042】(実施例6)NiZnCu系フェライト粉
末を20gとバインダを7gとを混合および混練し、N
iZnCu系フェライトペーストを作製した。
【0043】縦および横が50mmで厚みが1mmのアルミ
ナ基板に、図6に示した全面パターンをNiZnCu系
フェライトペーストを用いて、乾燥状態で厚みが0.5
mmになるまでまず印刷した。次に、実施例1で作製した
ガラスペーストおよび銀ペーストを用いて、実施例1と
同様にコイルを形成した。印刷は実施例1に示した手順
で行った。
【0044】次に、大気中において850℃で10分間
保持した後、窒素雰囲気で冷却する条件で焼成した。
【0045】これまでと同様にインダクタンスを測定し
たところ、80μHであった。
【0046】
【発明の効果】本発明によって、セラミック基板上に絶
縁層と導体部を交互に積層してなるコイルを有し、さら
にセラミック基板と接触ないし必要なすき間を隔てた磁
性体あるいはセラミック基板の貫通孔を通して接触ない
し必要なすき間を隔てた一対の磁性体を有するインダク
タンス部品にすることによって、磁気回路の大部分を磁
性体で構成し、磁性体として十分な磁気特性を発揮した
種々の系の焼結フェライト磁性体を用いることができ、
非常に優れた特性を有するインダクタンス部品となる。
さらに、絶縁層と導体層を交互に積層した厚膜コイルで
あるためコイル高さが薄いため、非常に薄型あるいは小
形のインダクタンス部品となる。さらに、十分な耐熱性
と高い信頼性をも兼ね備えた優れたインダクタンス部品
を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)本発明の代表的なインダクタン
ス部品の構成を示す分解斜視図およびコイル部の断面図
【図2】(a),(b)本発明の代表的なインダクタン
ス部品の構成を示す分解斜視図およびコイル部の断面図
【図3】(a),(b)本発明の代表的なインダクタン
ス部品の構成を示す分解斜視図およびコイル部の断面図
【図4】(a)〜(e)実施例におけるコイル形成用の
各パターンを示す図
【図5】実施例におけるコイルの積層状態を示す断面の
模式図
【図6】実施例における全面パターンを示す図
【符号の説明】
1 セラミック基板 2 磁性体 3 フェライト磁性層 4 絶縁層 5 導体部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 半田 浩之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−91103(JP,A) 実開 昭55−14768(JP,U) 実開 昭58−173212(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 17/00 - 17/04 H01F 41/00,41/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック基板上にフェライト磁性層を
    有し、さらにその上に絶縁層と導体部を交互に積層して
    なるコイルを有し、フェライト磁性層と接触ないし必要
    なすき間を隔てた磁性体を有するインダクタンス部品。
  2. 【請求項2】 セラミック基板上にフェライト磁性層を
    形成し、さらにその上に絶縁層と導体部を交互に積層し
    てなるコイルを形成した後、フェライト磁性層およびコ
    イルの焼成の前あるいは後に磁性体をフェライト磁性層
    上に固定して得られるインダクタンス部品の製造法。
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