JPH05121241A - インダクタンス部品およびその製造方法 - Google Patents

インダクタンス部品およびその製造方法

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JPH05121241A
JPH05121241A JP3281147A JP28114791A JPH05121241A JP H05121241 A JPH05121241 A JP H05121241A JP 3281147 A JP3281147 A JP 3281147A JP 28114791 A JP28114791 A JP 28114791A JP H05121241 A JPH05121241 A JP H05121241A
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coil
ferrite
magnetic
magnetic layer
layer
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JP3281147A
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Akihiko Ibata
昭彦 井端
Seiji Motojima
誠次 源島
Ryo Kimura
涼 木村
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、磁性体(コア)を有するインダク
タンス部品に関し、特に特性の優れた薄型のインダクタ
ンス部品を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、セラミック基板1上に絶縁層4と
導体部5を交互に積層してなるセラミック等と金属から
なるコイルとコイルが発生する滋束を通すフェライト磁
性層3を有し、さらにこれらの上に磁性体2を有するイ
ンダクタンス部品である。このような構成にすることに
よって、つまりインダクタンス部品の磁気回路の大部分
を磁性体2で構成することによって、優れた電気特性を
有するインダクタンス部品となる。また、絶縁層4と導
体層5でコイルを形成した厚膜の積層コイルであるた
め、コイル部の厚みが薄くなり、インダクタンス部品全
体が薄型あるいは小形となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性体(コア)を有す
るインダクタンス部品に関し、特に特性の優れた薄型の
インダクタンス部品およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】インダクタンス部品は各種通信機器,民
生用機器などのコイル,トランスなどとして多用されて
おり、近年、小形あるいは薄型のインダクタンス部品が
ますます要求されている。
【0003】小形のインダクタンス部品としては、磁性
層と導体を交互に積層した積層インダクタンス(例え
ば、特開昭55−91103号公報)および同様の構造
の積層トランスなどが提案されているが、磁性層と導
体、つまりフェライト磁性体と導体を同時に焼成して得
るため、低温で焼結が可能な限られたフェライト磁性
体、例えばNiZnCu系フェライトを用いるのが現状
である。しかしながら小形化等のために透磁率あるいは
磁束密度等の磁気特性の優れた他のフェライト磁性体、
例えばMnZn系フェライト等を用いることができな
い。
【0004】一方、十分な条件で焼結したフェライト磁
性体に巻線等を施して得られるインダクタンス部品で
は、フェライト磁性体を単独で焼成したものを使用す
る。そのため、種々の系のフェライト磁性体を用いるこ
とができ、優れたフェライト磁性体の磁気特性を利用す
ることができる。しかし、小形化特に薄型化には限界が
あり、しかも巻線は被覆した銅線を用いるのが一般的で
あり、そのため耐熱性にも限界がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、これまで
に種々のインダクタンス部品が提案されているが、種々
の系のフェライト磁性体の特性を十分に発揮した状態で
使用し、しかも小形あるいは薄型であり、さらにインダ
クタンス部品を利用した種々のモジュールなどの小形
化,高集積化あるいは配線基板とインダクタンス部品の
実装を同時に行うような製造プロセス等をも満足するイ
ンダクタンス部品が得られていないという課題があっ
た。
【0006】本発明は上記の従来の問題点を解決するも
ので、種々の系のフェライト磁性体の十分な磁気特性を
発揮しながら、薄型化あるいは小形化を満足するインダ
クタンス部品を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに本発明は、セラミック基板上に絶縁層と導体部を交
互に積層してなるコイルと、このコイルの周囲にコイル
の面と同一面になるように設けたフェライト磁性層とを
有し、前記コイルおよびフェライト磁性層上に磁性体を
配置したもである。
【0008】
【作用】本発明によれば、磁気回路の大部分を磁性体で
構成するため、各種磁性体の優れた軟磁気特性を十分に
発揮することができる。例えば、磁性体がフェライトで
あれば、種々の系のフェライト磁性体の磁気特性を十分
に発揮できる。しかも、絶縁層と導体部を交互に積層し
たコイルであるため、薄型あるいは小形のインダクタン
ス部品となる。
【0009】さらに、十分な耐熱性を有する材料で構成
したインダクタンス部品であるため、耐熱性と信頼性が
確保でき、配線基板とインダクタンス部品の実装を同時
に行うような製造プロセス等をも可能にするインダクタ
ンス部品となる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例のインダクタンス部
品およびその製造方法について説明する。
【0011】第1の実施例のインダクタンス部品は、セ
ラミック基板上に絶縁層と導体部を交互に積層してなる
コイルと、このコイルの周囲にコイルの面と同一面にな
るように設けたフェライト磁性層とを有し、前記コイル
およびフェライト磁性層上に磁性体を配置したインダク
タンス部品である。また、第2の実施例として、第1の
実施例において、セラミック基板上にフェライト磁性層
を設けた構成としている。
【0012】セラミック基板とは一般的なセラミック基
板をいい、最も多用されているのはアルミナ基板であ
る。しかし、アルミナ基板等の非磁性基板を用いるより
もフェライト基板等の磁性基板を用いるほうが有利にな
る場合がある。これはフェライト基板が磁気回路の一部
を構成するため、インダクタンス部品の薄型化により有
効となり、インダクタンスの向上あるいは磁気シールド
性に対しても良好となる。また、セラミック基板として
フェライト基板を用いた場合は前述した第2の実施例に
する必要はない。
【0013】磁性体とは軟磁気特性の優れた磁性体をい
い、特に本実施例のインダクタンス部品に対して相性が
良いのは酸化物の磁性体、フェライト焼結体である。
【0014】コイルを形成する絶縁層とは電気絶縁性を
有するガラス、酸化物あるいは各種セラミック基板用の
原材料を含んだガラスなどがあり、電気絶縁性の高い材
料であればなんでも良い。また、コイルを形成する導体
部を構成する導体材料は導電性の優れた材料をいう。
【0015】フェライト磁性層とは実施例の製造方法で
詳述するように、前述した磁性体とは異なり、フェライ
ト粉末同士が結合ないしは他の低融点の物質で結合した
層をいい、空孔が比較的多く存在している層である。例
えば、前記の磁性体をフェライト焼結体とした場合、こ
のフェライト磁性層との差異は、フェライト焼結体は微
量の添加物を除くと通常知られている種々の系のスピネ
ル型のフェライトからなり、空孔等が少ない非常に高い
密度である。一方、フェライト磁性層は前述した積層イ
ンダクタなどのフェライト層と同様で、空孔が多く焼結
温度が高いフェライトの場合はガラス等の低融点の結合
剤を含む層である。
【0016】本実施例の製造方法としては、セラミック
基板上に絶縁層と導体部でコイルとフェライト磁性層を
形成し、コイルおよびフェライト磁性層を焼成する前あ
るいは焼成した後に磁性体をフェライト磁性層に固定し
て得る方法、セラミック基板上にまずフェライト磁性層
を形成した後、前述と同じ手順で絶縁層と導体部でコイ
ルとフェライト磁性層を形成し、コイルおよびフェライ
ト磁性層を焼成する前あるいは焼成した後に磁性体をフ
ェライト磁性層上に固定して得る方法あるいは逆に磁性
体上に絶縁層と導体部でコイルとフェライト磁性層を形
成した後、これらをセラミック基板上に固定した後、焼
成して得る方法などがある。
【0017】コイルを構成する導体部あるいは絶縁層の
形成には印刷法またはデッピング法あるいはスピンコー
ト法などの方法があり、導体のパターン形成にはレーザ
等を用いることも可能である。つまり、導体層を一面に
形成した後、一部をレーザで削除してコイルを形成する
方法である。フェライト磁性層の形成も同様に印刷等の
方法で行う。これらは一般に知られているセラミック基
板あるいは磁性体に直接各層を形成する方法でもあるい
はグリーンシート状の各層を積層して作製する方法でも
よい。さらには、絶縁層としてマイカあるいは非常に薄
い絶縁体の板を用い、マイカあるいは絶縁板に印刷等で
導体パターンを形成してコイルを作製する方法もある。
【0018】次に、本実施例を具体的に図を用いて、さ
らに詳述する。図1(a),(b)および図2(a),
(b)に本発明の第1,第2の実施例のインダクタンス
部品の分解斜視図及び断面図を示す。図において、1は
セラミック基板であり、2は磁性体である。3はフェラ
イト磁性層、3aは第1のフェライト磁性層、3bは第
2のフェライト磁性層で、4は絶縁層であり、5は導体
部である。この絶縁層4と導体部5でコイルを形成す
る。なお導体部5は何層で構成してもよい。
【0019】セラミック基板1としては、通常一般によ
く用いられるセラミック基板をいい、アルミナ,ムライ
ト,ベリリア,ステアタイト,フォルステライト,マグ
ネシア,チタニア,フェライト等の各種セラミックスが
ある。
【0020】磁性体2としては、フェライト磁性体、パ
ーマロイ,センダストなどの軟磁気特性の優れた酸化物
系あるいは金属系等の磁性体がある。
【0021】フェライト磁性層3,3a,3bとして
は、MnZn系フェライト,NiZn系フェライト,N
iZnCu系フェライト以外に他のスピネル型の種々の
フェライトあるいは混合物があり、磁性体2の1つであ
るフェライト磁性体とは作製条件が大きく異なるため、
構造あるいは磁気特性などに差異が生じる。
【0022】絶縁層4を形成する材料としては、前述し
たセラミック基板1と同様に各種のセラミックスあるい
は各種のガラスセラミックス、窒化物,炭化物,NiZ
n系フェライト、NiZnCu系フェライト、マイカな
どがある。本発明では絶縁層と称しているが、絶縁層を
形成するものとしては絶縁体以外に誘電体あるいは非磁
性体と呼ばれるものでもよく、電気抵抗が高い材料であ
ればよい。誘電体としては、前述した絶縁体に含まれる
ものやチタン酸バリウム,ニオブ酸カリウムなどがあ
る。非磁性体としては、スピネル型フェライトに相性の
よい亜鉛フェライト,酸化鉄などがある。
【0023】導体部5の材料には、銀,銅,金,銀とパ
ラジウム、銀と白金の合金などの通常印刷方法等でよく
用いられる導体形成用の金属がある。導体の抵抗値と融
点が選択時の重要な条件である。通常、コイル抵抗を小
さくするために導体部5に銀あるいは銅を用いる。この
場合、焼成温度は比較的低温であるためフェライト磁性
層3,3a,3bを十分焼結させることができなくなる
場合がある。そのためフェライト磁性層3,3a,3b
を形成するため焼結助剤あるいは結合剤としてガラス等
を混合する場合がある。
【0024】前述したように、セラミック基板1,磁性
体2,フェライト磁性層3,絶縁層4および導体部5は
1つの物質で必ずしも構成する必要はなく、種々の物質
の混合物で形成してもよい。
【0025】このように、セラミック基板1と磁性体2
あるいはさらにフェライト磁性層3および絶縁層4と導
体部5で構成したコイルからなるインダクタンス部品と
することによって、フェライト焼結体の十分な特性を有
する薄型あるいは小形のインダクタンス部品を得ること
ができる。磁気回路の大部分をフェライト焼結体で構成
するため、薄型あるいは小形でありながら優れた電気特
性を示すインダクタンス部品となる。セラミック基板を
用いて、1つの電気的モジュール、例えばDC−DCコ
ンバータなどを製造する場合、厚膜の抵抗あるいはコン
デンサ等を用いる場合、特に本実施例のインダクタンス
部品の特徴を発揮することができ、配線基板と本実施例
のインダクタンス部品の実装を一括して行うような製造
プロセスあるいは高密度実装、さらには高信頼性を得る
ことができる。
【0026】また、コイルの形状としては、ソレノイド
型、同一面に何周もしたスパラル等の平面コイルが代表
的であり、小形化に対してはソレノイド型が有効であ
り、薄型に関してはスパイラルタイプが有効である。
【0027】また、コイル(絶縁層4と導体部5)およ
びフェライト磁性層3,3a,3bを形成するためのペ
ーストは、各粉末とプチルカルビトール,テルピネオー
ル,アルコールなどの溶剤、エチルセルロース,ポリビ
ニルブチラール,ポリビニルアルコール,ポリエチレン
オキサイド,エチレン−酢酸ビニルなどの結合剤、さら
に、各種の酸化物あるいはガラス類などの焼結助剤を添
加し、プチルベンジルフタレート,ジブチルフタレー
ト,グリセリンなどの可塑剤あるいは分散剤等を添加し
てもよい。これらを混合した混練物を用いて各層を形成
する。これらを前述したような所定の構造に積層したも
のを所定温度で焼成してインダクタンス部品を得る。
【0028】焼成温度範囲としては約700℃から13
00℃の範囲である。特にコイルを形成する導体の構成
材料によって異なり、例えば、導体材料として銀を用い
れば比較的低温にする必要があり、銀とパラジウムの合
金では比較的高温でも可能である。
【0029】(実施例1)焼成温度が850℃のガラス
粉末20gに対して、テルピネオールおよびエチルセル
ロースを重量比で100:6で混合したもの(以下バイ
ンダと略す)を6g加えて混合した後、3本ロールを用
いて混練してガラスペーストを作製した。さらに銀の粉
末30gとバインダ3gとを用いて同様に銀ペーストを
作製した。NiZnCu系フェライト粉末20gとバイ
ンダ7gとを用いて同様にNiZnCu系フェライトペ
ーストを作製した。
【0030】これらのペーストを用い、スクリーン印刷
法で縦および横が50mmで厚みが1mmのMnZn系フェ
ライト基板、NiZn系フェライト基板または96%ア
ルミナ基板上に図3(a)に示した基板絶縁パターンを
前記ガラスペーストを用いて印刷した。次に図3(b)
に示すような端子Aに接続コイルパターンAを前記銀ペ
ーストを用いて印刷し、続いて図3(c)に示した絶縁
パターンを前記ガラスペーストを用いて印刷した。さら
に図3(d)に示すような端子Bに接続したコイルパタ
ーンBを前記銀ペーストを用いて印刷し、続いて図3
(e)に示したコイル間絶縁パターンを前記ガラスペー
ストを用いて、順次印刷してコイルを形成した。さらに
図4(a)に示したコアパターンを前記NiZnCu系
ペーストを用いてフェライト磁性層3を形成した。印刷
後の乾燥は150℃で行い、フェライト磁性体3の厚み
がコイル部の厚みより約0.1mm厚くなるまで印刷し
た。なお印刷に用いた版はステンレス製で200メッシ
ュである。本実施例においてはコイルは図3(b)に示
したコイルパターンAと図3(d)に示したコイルパタ
ーンBの2層で構成しており、両者の結線は中心部の太
い線の部分で行う。コイルパターンA上に図3(c)に
示した絶縁パターンを印刷したときコイルパターンAの
中心部が露出した状態になり、その上にコイルパターン
Bを印刷することによって露出部で両者が結線される。
次に、磁性体2としてMnZn系フェライトのI型コア
(コアの厚みが1mmである。)をコイル及びフェライト
磁性層3上にのせ、これらのフェライト基板とアルミナ
基板を大気中において850℃で10分間保持した後、
窒素中で冷却する条件で焼成した。
【0031】このようにして得たインダクタのインダク
タンスを測定した。測定はLCRメータを用い、測定周
波数は500kHzである。MnZn系フェライト基板の
場合は180μHであり、NiZn系フェライト基板で
は130μHであり、アルミナ基板の場合は40μHで
あった。
【0032】このように本実施例のインダクタは優れた
電気特例を示すインダクタンス部品であり、しかもフェ
ライト焼結体2のI型コアを用いているが薄型であり、
厚膜プロセスで作製するため耐熱性に富み、焼結フェラ
イト磁性体の磁気特性を十分に発揮したインダクタンス
部品であった。しかも、セラミック基板1上にコイルと
フェライト磁性層3を同一面に形成するため、お互いに
寸法精度の許容量が大きいため、非常に作りやすい方法
である。
【0033】(実施例2)次に本発明の他の実施例につ
いて説明する。実施例1と同じガラス、銀およびNiZ
nCu系フェライトペーストを用いて、実施例1と同じ
アルミナ基板に、NiZnCu系フェライトペーストを
用いて、図4(b)に示した全面パターンを印刷した。
第1のフェライト磁性層3aの乾燥後の膜厚は0.3mm
であった。次に、第2のフェライト磁性層3aの上に実
施例1と同様に、基板絶縁,コイルパターンA,絶縁パ
ターン,コイルパターンB,コイル間絶縁および第2の
フェライト磁性層3bとしてコアパターンを順次印刷し
た。
【0034】次に、MnZn系フェライトのI型コア
(コアの厚みが1mmである。)をコイル及び第2のフェ
ライト磁性層3b上にのせ、大気中において850℃で
10分間保持した後、窒素中で冷却する条件で焼成し
た。
【0035】焼成して得たインダクタのインダクタンス
を測定したところ、82μHであった。なお、測定はL
CRメータを用い、測定周波数は500kHzである。
【0036】(実施例3)次に本発明の他の実施例につ
いて説明する。実施例1と同じガラス、銀およびNiZ
nCu系フェライトの各ペーストを用いて、実施例1と
同じ3種類の基板に実施例1と同様に、基板絶縁,コイ
ルパターンA,絶縁パターン,コイルパターンB,コイ
ル間絶縁およびコアパターンを順次印刷した。さらにコ
イルパターンAあるいはコイルパターンBとはコイルの
端子位置がそれぞれC〜Hと異なった同様のコイルパタ
ーンC〜Hを用いて、前述した印刷工程(コイルパター
ンA,絶縁パターン,コイルパターンBおよびコイル間
絶縁)を繰り返して、図5に示すように5つのコイルを
積層した構造とした。図5はコイル部の断面を模式的に
示した図であり、AからHはコイルの引き出し線、端子
位置が異なることを示し、I,II,III,IVはコイルNo.
を示す。コイルIIが2つあるのは端子位置が一致するた
め、2つのコイルを並列接続して1コイルを形成したこ
とを意味する。次に、磁性体2としてMnZn系フェラ
イトのI型コア(コアの厚みが1mmである。)をコイル
とフェライト磁性層3上にのせ、これらのフェライト基
板とアルミナ基板を大気中において850℃で10分間
保持した後、窒素中で冷却する条件で焼成した。
【0037】LCRメータを用いて、このようにして得
た4つのコイルを内蔵したインダクタンス部品、つまり
トランスの周波数500kHzのときのコイルIIのインダ
クタンスを測定したところ、MnZn系フェライト基板
の場合は180μHであり、NiZn系フェライト基板
では130μHであり、アルミナ基板の場合は40μH
であった。
【0038】さらに、コイルII以外のコイルI,コイル
IIIあるいはコイルIVをそれぞれオープンあるいはショ
ートしてコイルの結合状態を結合係数として求めたとこ
ろ、コイルIあるいはコイルIVをショートしたときは共
に0.998であり、コイルIIIをショートしたときは
0.999であった。このように本実施例のインダクタ
ンス部品はトランスとしても漏れ磁束が少ない、優れた
特性を示した。
【0039】本実施例によれば、インダクタンス部品の
磁気回路の大部分を磁性体2で構成することによって、
種々の系のフェライト磁性体、例えば十分な磁気特性を
発揮したMnNn系フェライトあるいはNiZn系フェ
ライト磁性体で構成することによって、優れた電気特性
を有するインダクタンス部品となる。また、絶縁層4と
導体部5でコイルを形成した厚膜の積層コイルであるた
め、コイル部の厚みが薄くなり、インダクタンス部品全
体が薄型あるいは小形となる。さらに、インダクタンス
部品を構成するコイル,磁性体,フェライト磁性層2,
セラミック基板1の各部が高い耐熱性を有するため、十
分な耐熱性と高い信頼性を備えているため実装面でも種
々の実装法をとることができる自由度の高いインダクタ
ンス部品を実現できる。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、セラミッ
ク基板上に絶縁層と導体部を交互に積層してなるコイル
と、このコイルが発生するフェライト磁性層を有し、前
記コイルとフェライト磁性層上に磁性体を有するインダ
クタンス部品にすることによって、磁気回路の大部分を
磁性体で構成し、磁性体として十分な磁気特性を発揮し
た種々の系の焼結フェライト磁性体を用いることができ
る。そのため、非常に優れた特性を有するインダクタン
ス部品となる。さらに、絶縁層と導体を交互に積層した
厚膜状のコイルであるためコイル高さが薄く、部品全体
としても非常に薄型あるいは小形となる。さらに、十分
な耐熱性と高い信頼性をも兼ね備えた優れたインダクタ
ンス部品を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)はそれぞれ本発明の一実施例のイ
ンダクタンス部品の構成を示す分解斜視図および断面図
【図2】(a)(b)はそれぞれ本発明の一実施例のイ
ンダクタンス部品の構成を示す分解斜視図および断面図
【図3】(a)〜(e)はそれぞれ同実施例におけるコ
イル形成用のパターンを示す平面図
【図4】(a),(b)はそれぞれ同実施例におけるフ
ェライト磁性層形成用のパターンを示す平面図
【図5】同実施例におけるコイルの積層状態を模式的に
示した断面図
【符号の説明】
1 セラミック基板 2 磁性体 3 フェライト磁性層 3a 第1のフェライト磁性層 3b 第2のフェライト磁性層 4 絶縁層 5 導体部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック基板上に絶縁層と導体部を交互
    に積層してなるコイルと、このコイルの周囲にコイルの
    面と同一面になるように設けたフェライト磁性層とを有
    し、前記コイルとフェライト磁性層上に磁性体を配置し
    たインダクタンス部品。
  2. 【請求項2】セラミック基板上にフェライト磁性層を設
    けた請求項1記載のインダクタンス部品。
  3. 【請求項3】セラミック基板上に絶縁ペーストと導体ペ
    ーストを塗布することで絶縁層と導体部を交互に積層し
    てコイルを形成し、このコイルの周辺部にフェライトペ
    ーストを塗布してフェライト磁性層を形成した後、コイ
    ル及びフェライト磁性層の上に磁性体をのせ焼成するこ
    とを特徴とする請求項1記載のインダクタンス部品の製
    造方法。
  4. 【請求項4】セラミック基板上にフェライトペーストを
    塗布することでフェライト磁性層を形成し、この第1の
    フェライト磁性層上に絶縁ペーストと導体ペーストを塗
    布することで絶縁層と導体部を交互に積層してコイルを
    形成し、このコイルの周辺部にフェライトペーストを塗
    布してフェライト磁性層を形成した後、コイル及び第2
    のフェライト磁性層の上に磁性体をのせ焼成することを
    特徴とする請求項2記載のインダクタンス部品の製造方
    法。
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