JPH0689811A - 薄型インダクタ/トランスおよびその製造方法 - Google Patents

薄型インダクタ/トランスおよびその製造方法

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JPH0689811A
JPH0689811A JP4238700A JP23870092A JPH0689811A JP H0689811 A JPH0689811 A JP H0689811A JP 4238700 A JP4238700 A JP 4238700A JP 23870092 A JP23870092 A JP 23870092A JP H0689811 A JPH0689811 A JP H0689811A
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JP
Japan
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soft magnetic
magnetic oxide
ceramic
green sheet
transformer
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JP4238700A
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Inventor
Shingo Katayama
真吾 片山
Kenichi Tanigawa
健一 谷川
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、薄型インダクタ/トランスにおい
て、スパイラル状コイルを施したセラミックス基板と軟
質磁性酸化物膜の間に、セラミックス・軟質磁性酸化物
複合体層を設けることにより、焼成時に、軟質磁性酸化
物膜が剥離せず、クラックの発生のない薄型インダクタ
/トランスおよびその製造方法を提供する。 【構成】 薄型インダクタ/トランスにおいて、セラミ
ックス基板上に、スパイラル状平面コイル、セラミック
ス・軟質磁性酸化物複合体、軟質磁性酸化物体を積層す
ることから成る。セラミックス・軟質磁性酸化物複合体
は、セラミックス/軟質磁性酸化物の混合比が重量比で
40〜60%とするのがよい。 【効果】 本発明では、焼成時に生じるセラミックス基
板と軟質磁性酸化物膜の間の収縮率の差による剥離やク
ラックを防止することができ、歩留まりを向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電源や信号処理用回路
の部品として使用される薄型インダクタ/トランスおよ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型,薄型化要求に伴い、電
源や信号処理に用いるインダクタ、トランス等の磁性部
品の小型,薄型化も進められている。焼結フェライトコ
アの巻線を施した巻線方式のインダクタ/トランスは小
型化に限界があるため、巻線の代わりに平面コイルを用
いる方式の研究が進められており、平面コイルと磁性膜
を組み合わせてなる種々の薄型のインダクタやトランス
が提案されている。例えば、スパイラル状の平面コイル
を軟質磁性酸化物膜で挟んだ構造のインダクタが知られ
ている。ここで、スパイラル状の平面コイルは、セラミ
ックス基板の両面に設けられ、スルーホールを介して電
気的に接続されている。平面コイルを複数設けることに
より、トランスが作製できる。前記薄型インダクタ/ト
ランスは、セラミックスのグリーンシートにスパイラル
状のコイルをスクリーン印刷し、軟質磁性酸化物のグリ
ーンシートをのせて、焼成することにより作製される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の薄型インダクタ
/トランスでは、スパイラル状コイルを設けたセラミッ
クス基板に直接軟質磁性酸化物膜を積層した構造であっ
た。このような構造では、セラミックスのグリーンシー
トと軟質磁性酸化物膜のグリーンシートの収縮率が大き
く異なるため、焼成時に、セラミックス基板から軟質磁
性酸化物膜が剥離したり、膜にクラックが発生した。
【0004】本発明は、上記課題を解決するために創案
されたものであり、焼成時に、軟質磁性酸化物膜が剥離
せず、クラックの発生のない薄型インダクタ/トランス
およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の薄型インダクタ/トランスでは、スパイラ
ル状平面コイルを施したセラミックス基板と軟質磁性酸
化物膜の間に、セラミックス・軟質磁性酸化物複合体層
を設ける。セラミックス・軟質磁性酸化物複合体におい
ては、セラミックス/軟質磁性酸化物の混合比が重量比
で40〜60%とするのがよく、また、セラミックス・
軟質磁性酸化物複合体に用いるセラミックスと軟質磁性
酸化物は、それぞれ、薄型インダクタを構成するセラミ
ックス基板と軟質磁性酸化物膜の組成系と同じ組成系を
用いるのが好ましい。
【0006】軟質磁性酸化物膜およびセラミックス・軟
質磁性酸化物複合体に用いられる軟質磁性酸化物として
は、例えば、Mn−Zn系、Ni−Zn系、Ni−Cu
系、Ni−Cu−Zn系等のスピネル系フェライト、A
l置換ガーネット、Gd−置換ガーネット等のガーネッ
ト系フェライトが挙げられる。
【0007】セラミックス基板およびセラミックス・軟
質磁性酸化物複合体に用いられるセラミックスとして
は、例えば、アルミナ系、シリカ系、ガラスセラミック
ス系、ジルコニア系、コーディエライト系、窒化アルミ
系等のセラミックスが挙げられる。
【0008】スパイラル状コイルを施したセラミックス
基板と軟質磁性酸化物膜の間に設けるセラミックス・軟
質磁性酸化物複合体においては、セラミックス/軟質磁
性酸化物の混合比が重量比で40〜60%の範囲が望ま
しい。40%未満では、焼成時において、軟質磁性酸化
物体のグリーンシートとセラミックス・軟質磁性酸化物
複合体のグリーンシートの収縮率の差が大きくなり、剥
がれやクラック等が発生する。60%を超えると、焼成
時において、セラミックス基板のグリーンシートとセラ
ミックス・軟質磁性酸化物複合体のグリーンシートの収
縮率の差が大きくなり、剥がれやクラック等が発生す
る。
【0009】本発明の薄型インダクタの基本構造の一例
を、図1に示した。図において1はセラミックス基板、
2a,2bはスパイラル状コイル、3はスルーホール、
4a,4bはセラミックス・軟質磁性酸化物複合体層、
5a,5bは軟質磁性酸化物層、6a,6bは端子であ
る。スパイラル状平面コイル2a,2bは、インダクタ
ンス、直流重畳特性、サイズ等に応じて、電気的に直列
に、縦および横に、配置することが可能である。スパイ
ラル状平面コイルを並列的に複数設けることにより、ト
ランスを作製できる。
【0010】本発明の薄型インダクタ/トランスは、ス
パイラル状コイルをセラミックス基板用グリーンシート
上にスクリーン印刷した後、セラミックス粒子と軟質磁
性酸化物粒子から成るゾルを用いてセラミックス・軟質
磁性酸化物複合体層をスクリーン印刷し、この上に軟質
磁性酸化物体のグリーンシートを積層し、焼成して製造
できる。または、スパイラル状コイルをセラミックス基
板用グリーンシートにスクリーン印刷し、この上にセラ
ミックス・軟質磁性酸化物複合体のグリーンシートおよ
び軟質磁性酸化物体のグリーンシートを積層し、焼成し
て製造できる。
【0011】本発明で使用されるグリーンシートは、無
機粉末(セラミックス粉末、軟質磁性酸化物粉末、セラ
ミックスと軟質磁性酸化物の混合粉末)を有機結合剤、
溶剤、可塑剤、湿潤剤等とともに混練して調製したスラ
リーを、ドクターブレード法等によってシート状に成形
し、乾燥して作製される。本発明で使用されるセラミッ
クス粒子と軟質磁性酸化物粒子から成るゾルは、金属ア
ルコキシド、アセチルアセトナート、硝酸塩、有機酸塩
等の加水分解によるゾル・ゲル法で作製される。
【0012】
【作用】本発明の薄型インダクタ/トランスによれば、
スパイラル状コイルを施したセラミックス基板と軟質磁
性酸化物膜の間にセラミックス・軟質磁性酸化物複合体
層を設けることにより、焼成時におけるセラミックス基
板と軟質磁性酸化物膜の大きな収縮率差で生じる剥がれ
やクラックを防ぐことができる。これは、セラミックス
・軟質磁性酸化物複合体層の収縮率が、セラミックス基
板と軟質磁性酸化物膜の収縮率の中間であるためによる
ものである。
【0013】
【実施例】本発明における薄型インダクタ/トランスお
よびその製造方法を以下の実施例によって具体的に説明
する。ただし、本発明は、これらの実施例のみに限定さ
れるものではない。
【0014】〔実施例1〕ガラスセラミックスのグリー
ンシートにスルーホールを設け、この両面に、Ag/P
dペーストを用いてスパイラル状の平面コイルをスクリ
ーン印刷した。スパイラル状の平面コイル構造は、スパ
イラル数38、コイル辺長12mm、コイル幅・間隔75
μm、コイル厚さ10μmである。前記グリーンシート
の上に、Si,B,Pb,Alのアルコキシドを加水分
解して調製したセラミックス粒子およびNi−Cu−Z
n系フェライト粒子の混合粒子(セラミックス/フェラ
イトの重量比:40%)から成るゾルを13mm×13mm
の正方形状に厚さ10μmでスクリーン印刷した。前記
セラミックス・軟質磁性酸化物複合体層を施した上に、
Ni−Cu−Zn系フェライトのグリーンシートを積層
し、焼成した。
【0015】得られたインダクタには、剥離やクラック
は見られず、以下のようなインダクタ特性を示した。 インダクタンス測定値:450〜500μH(500kH
z) 〔実施例2〕ガラスセラミックスのグリーンシートにス
ルーホールを設け、この両面に、Ag/Pdペーストを
用いてスパイラル状の平面コイルをスクリーン印刷し
た。スパイラル状の平面コイル構造は、スパイラル数3
8、コイル辺長12mm、コイル幅・間隔75μm、コイ
ル厚さ10μmである。前記グリーンシートの上に、ガ
ラスセラミックス粒子とNi−Zn系フェライト粒子か
ら成るグリーンシート(セラミックス/フェライトの重
量比:60%)を積層し、さらに、Ni−Zn系フェラ
イトのグリーンシートを積層し、焼成した。
【0016】得られたインダクタには、剥離やクラック
は見られず、以下のようなインダクタ特性を示した。 インダクタンス測定値:400〜450μH(500kH
z) 〔比較例1〕ガラスセラミックスのグリーンシートにス
ルーホールを設け、この両面に、Ag/Pdペーストを
用いてスパイラル状の平面コイルをスクリーン印刷し
た。スパイラル状の平面コイル構造は、スパイラル数3
8、コイル辺長12mm、コイル幅・間隔75μm、コイ
ル厚さ10μmである。前記グリーンシートの上に、N
i−Zn系フェライトのグリーンシートを積層し、焼成
した。焼成後、セラミックス基板とフェライト膜の間で
剥離がみられ、フェライト膜にクラックが生じた。これ
によって、コイルが断線し、インダクタ特性は測定でき
なかった。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、薄型イン
ダクタ/トランスにおいて、スパイラル状コイルを施し
たセラミックス基板と軟質磁性酸化物膜の間に、セラミ
ックス・軟質磁性酸化物複合体層を設けることにより、
焼成時に生じるセラミックス基板と軟質磁性酸化物膜の
間の収縮率の差による剥離やクラックを防止することが
でき、歩留まりを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄型インダクタ/トランスの構造例で
あって、(a)は平面図、(b)は(a)図のA−A断
面図である。
【符号の説明】
1 セラミックス基板 2a,2b スパイラル状コイル 3 スルーホール 4a,4b セラミックス・軟質磁性酸化物複合体層 5a,5b 軟質磁性酸化物層 6a,6b 端子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス基板上に、スパイラル状平
    面コイル、軟質磁性酸化物体を積層することから成る薄
    型インダクタ/トランスにおいて、スパイラル状平面コ
    イルを施したセラミックス基板と軟質磁性酸化物膜の間
    に、セラミックス・軟質磁性酸化物複合体層を設けたこ
    とを特徴とする薄型インダクタ/トランス。
  2. 【請求項2】 セラミックス・軟質磁性酸化物複合体に
    おいて、セラミックス/軟質磁性酸化物の混合比が重量
    比で40〜60%であることを特徴とする薄型インダク
    タ/トランス。
  3. 【請求項3】 セラミックス基板用グリーンシート上に
    スパイラル状コイルをスクリーン印刷した後、このグリ
    ーンシートにセラミックス粒子と軟質磁性酸化物粒子か
    ら成るゾルを用いてセラミックス・軟質磁性酸化物複合
    体層をスクリーン印刷し、この上に軟質磁性酸化物体の
    グリーンシートを積層して焼成することを特徴とする薄
    型インダクタ/トランスの製造方法。
  4. 【請求項4】 セラミックス基板用グリーンシート上に
    スパイラル状コイルをスクリーン印刷し、この上にセラ
    ミックス・軟質磁性酸化物複合体のグリーンシートおよ
    び軟質磁性酸化物体のグリーンシートを積層し、焼成す
    ることを特徴とする薄型インダクタ/トランスの製造方
    法。
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