JP4583121B2 - ガラスセラミック基板 - Google Patents

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本発明は、ガラスセラミックス焼結体から成る絶縁基体の内部に、ガラスセラミック絶縁層と同時焼成されて形成されるとともに内部にコイル用導体が埋設された、インダクタンス値を上げるためのフェライト層が設けられたガラスセラミック基板に関する。
従来、携帯電話機を始めとする移動体通信機器等の電子機器には、多数の電子装置が組み込まれている。かかる携帯電話機等の通信機器は、近年小型化が急激に進んでおり、これに搭載される各種電子装置も小型化、薄型化が要求されている。例えば、ガラスセラミック基板の内部にコイルを内蔵した構成のLCフィルタが知られている。このLCフィルタの場合、従来チップ部品のコイルを用いていたのをガラスセラミック基板の内部に内蔵することで小型化、薄型化ができるという利点を有する。なかでも、100nHを超えるインダクタンスの大きなコイルは、チップ部品として比較的大型であり、これをガラスセラミック基板に内蔵することは小型化、薄型化への効果が大きいという利点を有する。
しかしながら、コイルを内蔵したガラスセラミック基板では、非磁性のガラスセラミック基板内にコイルを形成するため、100nH程度と比較的大きなインダクタンスを得ることができるコイルを内蔵させるには、コイルの巻き数を多くすることが必要となるため、ガラスセラミック基板にコイルを内蔵しても小型化、薄型化を達成することができなくなるという不具合があった。
そこで、近年、ガラスセラミック基板内部に強磁性を有するフェライト層を形成し、コイルをこのフェライト層に埋設させることにより、コイルの巻き数を多くすることなく100nHを超えるコイルを内蔵させ、これにより表面実装工程の簡略化およびガラスセラミック基板の小型化が図られている。
なお、このような方法では、ガラスセラミック絶縁層のガラスをフェライト層に拡散させることによりフェライト層とガラスセラミック絶縁層を強固に接合するために、フェライト層とガラスセラミック絶縁層を同時焼成することによって、ガラスセラミック基板内部にフェライト層を形成している。
特開平6−20839号公報 特開平6−21264号公報
しかしながら、上記のようなガラスセラミック基板内部にフェライト層を形成し、このフェライト層にコイルを埋設した従来のガラスセラミック基板では、フェライト層とガラスセラミック絶縁層との同時焼成において、フェライト層のガラスがガラスセラミック基板のガラスと結合することによって、フェライト層がガラスセラミック絶縁層に拘束され収縮することが阻害され、フェライト層の焼結が不十分となって粗化する。この結果、ガラスセラミック基板側面に露出したフェライト層から大気中の水分などが入し、ガラスセラミック基板に吸水が発生するという問題点があった。ガラスセラミック基板に吸水が発生すると、ガラスセラミック基板の内層に形成された配線導体が短絡する等の電気特性不良を誘発し、ガラスセラミック基板の電気的信頼性を低下させることとなる。
一方、上記のようなガラスセラミック基板内部にフェライト層を形成し、このフェライト層にコイルを埋設した従来のガラスセラミック基板では、以下のような理由から、内部のフェライト層は微小体積または低密度のものしか形成できず、また同じように作製したガラスセラミック基板間でのコイルのインダクタンスのばらつきもあり、フェライト層を用いて充分なコイル特性を持ったガラスセラミック基板を安定して得ることが困難であるという問題点があった。例えば、焼成温度800〜1000℃で焼結密度5.0g/cm以上であり、1KHz〜10MHzの周波数帯域で透磁率100以上のフェライト層を内蔵したガラスセラミック基板を得ることはできなかった。
また従来の構成では、焼成温度が1000℃を超えるフェライト層をガラスセラミック基板の焼成温度である800℃〜1000℃で焼成するためには、ガラス粉末やSiO、Al等の焼結助剤を添加しなければならなかった。一般的に、フェライト等の磁性体の磁気特性は透磁率(μ)を指標として表される。透磁率が高ければ、コイルのインダクタンスが高くなる。ただし、透磁率は磁性体中に非磁性部分が存在すると、その非磁性部分の体積の3乗に比例して低下する。従って、フェライト層に非磁性体であるガラス粉末や焼結助剤を添加した場合、これらはフェライト層中に非磁性の領域を形成し、フェライト層中のフェライトの密度が低下して、透磁率が低くなるという問題があった。
さらに、フェライト層とガラスセラミック絶縁層との同時焼成において、フェライト層の熱膨張係数とガラスセラミック絶縁層の熱膨張係数とが異なるため、同時焼成過程においてフェライト層に応力がかかることにより磁歪が発生し、フェライト層の透磁率が低下して所望の透磁率を得ることが困難になるという問題もあった。
また、十分なインダクタンスを得るためにフェライト層を厚く形成すると、ガラスセラミック基板とフェライト層との熱膨張係数の差に起因して発生する応力によって、焼成後のフェライト層が剥離しやすくなるという問題もあった。
本発明は、以上のような従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガラスセラミック絶縁層と同時に低温での焼成が可能であり、端面からの吸水がなく高周波帯域で透磁率の高いフェライト層を備えており、そのフェライト層に内蔵されたコイル用導体のインダクタンスが高くかつ安定しているガラスセラミック基板を提供することにある。
本発明のガラスセラミック基板は、ガラスおよびフィラーからなるガラスセラミック絶縁層が複数層積層されて成る絶縁基体の内層に、前記ガラスセラミック絶縁層と同じ大きさのフェライト層が介在層を介して形成されており、前記フェライト層の内部にはコイル用導体が埋設されてなるガラスセラミック基板であって、前記ガラスセラミック基板の側面の前記フェライト層端部が露出している部位から前記介在層の端部が露出している部位にかけて、非透水性の保護層が形成されていることを特徴とする。
本発明のガラスセラミック基板は好ましくは、前記保護層は、SiO−B系ガラス、SiO−B−Al系ガラス、SiO−AlPbO−SiO−B系ガラス、Bi−SiO−B系ガラスおよびZnO−SiO−B系ガラスのうちの少なくとも1種から成ることを特徴とする。
本発明のガラスセラミック基板は好ましくは、前記保護層は、前記ガラスセラミック絶縁層と同じ前記ガラスおよび前記フィラーからなるガラスセラミックスから成ることを特徴とする。
また、本発明のガラスセラミック基板は好ましくは、前記保護層は、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂およびフッ素系樹脂のうち少なくとも1種の樹脂からなることを特徴とする。
また、本発明のガラスセラミック基板は好ましくは、前記フェライト層は、Feを63〜73重量%、CuOを5〜10重量%、NiOを5〜12重量%、ZnOを10〜23重量%含有していることを特徴とする。
また、本発明のガラスセラミック基板は好ましくは、記介在層は、ガラスおよび前記フェライト層と同じ成分を含有しているとともに前記ガラスセラミック絶縁層の熱膨張係
数と前記フェライト層の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する絶縁層から成ることを特徴とする。
また、本発明のガラスセラミック基板は好ましくは、記介在層は、Cu,Ag,Au,Pt,Ag−Pd合金およびAg−Pt合金のうちの少なくとも1種の金属とガラスとを含有している焼結金属層から成ることを特徴とする。
また、本発明のガラスセラミック基板は好ましくは、前記介在層は、ガラスおよび前記フェライト層と同じ成分を含有しているとともに前記ガラスセラミック絶縁層の熱膨張係数と前記フェライト層の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する絶縁層と、Cu,Ag,Au,Pt,Ag−Pd合金およびAg−Pt合金のうちの少なくとも1種の金属とガラスとを含有している焼結金属層とが積層されて成ることを特徴とする。
また、本発明のガラスセラミック基板は好ましくは、前記介在層は、ガラスおよび前記フェライト層と同じ成分を含有しているとともに前記ガラスセラミック絶縁層の熱膨張係数と前記フェライト層の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する絶縁層と、Cu,Ag,Au,Pt,Ag−Pd合金およびAg−Pt合金のうちの少なくとも1種の金属とガラスとを含有している焼結金属層とが同じ層内に並ぶように形成されて成ることを特徴とする。
本発明のガラスセラミック基板によれば、ガラスセラミック基板の側面のフェライト層端部が露出している部位から介在層の端部が露出している部位にかけて、非透水性の保護層が形成されていることから、ェライト層が吸水することを防ぐことができ、その結果、ガラスセラミック基板の内層に形成された配線導体が短絡するなどの電気特性不良が発生しない。
本発明のガラスセラミック基板は好ましくは、保護層は、SiO−B系ガラス、SiO−B−Al系ガラス、SiO−AlPbO−SiO−B系ガラス、Bi−SiO−B系ガラスおよびZnO−SiO−B系ガラスのうちの少なくとも1種から成ることから、保護層をガラスセラミック基板と同時に焼成することによって形成した場合でも、ガラスセラミック基板の焼成後に形成した場合でも、保護層を強固に接合することができる。その結果、保護層が剥がれたりすることがなく、ガラスセラミック基板の少なくともフェライト層が露出している端部から介在層が露出している端部にかけて密着性よく被覆することができ、またガラスセラミック基板の吸水を効果的に防止することができる。
また、本発明のガラスセラミック基板は好ましくは、保護層は、ガラスセラミック絶縁層と同じガラスおよびフィラーからなるガラスセラミックスとしたことから、保護層が絶縁基体と同様の組成となることから、絶縁基体と焼結挙動が同様となり、さらに露出して
いるフェライト層の端部から介在層の端部にかけて密着性良く被覆することができ、ガラスセラミック基板の吸水をより効果的に防止することができる。
また、本発明のガラスセラミック基板は好ましくは、保護層は、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂およびフッ素系樹脂のうち少なくとも1種の樹脂からなることから、保護層を形成する際にガラスセラミック基板に熱的負荷がかからず、温度差による応力によってガラスセラミック基板が割れることがない。その結果、ガラスセラミック基板の側面のフェライト層端部が露出している部位から介在層の端部が露出している部位にかけて、保護層によって密着性よく被覆することができ、またガラスセラミック基板の吸水を効果的に防止することができる。
本発明のガラスセラミック基板は好ましくは、フェライト層は、Feを63〜73重量%、CuOを5〜10重量%、NiOを5〜12重量%、ZnOを10〜23重量%含有していることから、低温で焼結可能なCuZnフェライトを高周波帯域特性に優れたNiZnフェライトに組み合わせたNiCuZnフェライトを用いて、ガラスセラミック絶縁層と同じ大きさの、内部にコイルが埋設されたフェライト層を形成することができる。その結果、フェライト層にガラス粉末やSiO、Al等の焼結助剤を添加しなくても、ガラスセラミック基板と同時焼成が可能で、かつ高周波帯で高い透磁率を得ることができ、高いインダクタンスをもつコイルを内蔵したガラスセラミック基板を得ることができる。
また、本発明のガラスセラミック基板は好ましくは、在層は、ガラスおよびフェライト層と同じ成分を含有しているとともにガラスセラミック絶縁層の熱膨張係数とフェライト層の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する絶縁層から成ることから、フェライト層とガラスセラミック絶縁層との熱膨張差により生じる応力を、ガラスセラミック絶縁層の熱膨張とフェライト層の熱膨張の中間である絶縁層により緩和することができ、磁歪による透磁率の低下を抑制するとともに、フェライト層とガラスセラミック絶縁層とを強固に接合することができる。
また、本発明のガラスセラミック基板は好ましくは、在層は、Cu,Ag,Au,Pt,Ag−Pd合金およびAg−Pt合金のうちの少なくとも1種の金属とガラスとを含有している焼結金属層から成ることから、フェライト層とガラスセラミック絶縁層との熱膨張係数差により生じる応力を焼結金属層が塑性変形することで緩和することができ、磁歪による透磁率の低下を抑制するとともに、フェライト層とガラスセラミック絶縁層とを強固に接合することができる。
また、本発明のガラスセラミック基板は好ましくは、介在層は、ガラスおよびフェライト層と同じ成分を含有しているとともにガラスセラミック絶縁層の熱膨張係数とフェライト層の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する絶縁層と、Cu,Ag,Au,Pt,Ag−Pd合金およびAg−Pt合金のうちの少なくとも1種の金属とガラスとを含有している焼結金属層とが積層されて成ることから、上記の絶縁層の作用と焼結金属層の作用とが相乗的に作用することによって、フェライト層とガラスセラミック絶縁層との熱膨張差により生じる応力をより一層効果的に緩和することができる。その結果、磁歪による透磁率の低下をさらに効果的に抑制することができ、フェライト層とガラスセラミック絶縁層との接合もさらに強固に接合することができる。
また、本発明のガラスセラミック基板は好ましくは、介在層は、ガラスおよびフェライト層と同じ成分を含有しているとともにガラスセラミック絶縁層の熱膨張係数とフェライト層の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する絶縁層と、Cu,Ag,Au,Pt,Ag−Pd合金およびAg−Pt合金のうちの少なくとも1種の金属とガラスとを含有している焼結金属層とが同じ層内に並ぶように形成されて成ることから、上記の絶縁層の作用と焼結金属層の作用とが同じ層内で作用することによって、フェライト層とガラスセラミック絶縁層との熱膨張差により生じる応力をより一層効果的に緩和することができる。その結果、磁歪による透磁率の低下をさらに効果的に抑制することができ、フェライト層とガラスセラミック絶縁層との接合もさらに強固に接合することができる。
本発明を添付図面に基づいて以下に詳細に説明する。図1は本発明のガラスセラミック基板の実施の形態の一例を示す断面図であり、1は複数のガラスセラミック絶縁層6から成る絶縁基体、2はフェライト層、3はコイル用導体を含む配線導体、4は絶縁層、5は焼結金属層、6はガラスセラミック絶縁層、7は保護層である。
本発明の絶縁基体1は、複数のガラスセラミック絶縁層6が積層されて構成されており、その内層に配線導体3が埋設されたフェライト層2が、絶縁層4、焼結金属層5を介して形成されている。
絶縁基体1は、ガラスセラミック絶縁層6となるガラスセラミックグリーンシートおよびフェライト層2となるフェライトグリーンシートを製作し、これらのガラスセラミックグリーンシートおよびフェライトグリーンシートに配線導体3となる導体ペースト、絶縁層4となる絶縁ペーストおよび焼結金属層5となる金属ペーストを印刷した後、これらのガラスセラミックグリーンシートおよびフェライトグリーンシートを複数枚積層し、大気中または加湿窒素雰囲気中にて、800〜1000℃の温度で焼成して作製される。
ガラスセラミック絶縁層6は、まず、ガラス粉末およびフィラー粉末(セラミック粉末)、さらに有機バインダ,可塑剤,有機溶剤等を混合してスラリーを得て、これからドクターブレード法,圧延法,カレンダーロール法等によってガラスセラミック絶縁層6となるガラスセラミックグリーンシートを製作し、このガラスセラミックグリーンシート複数枚でフェライト層2を挟んで積層する。
ガラス粉末としては、例えばSiO−B系,SiO−B−Al系,SiO−B−Al−MO系(但し、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは同じまたは異なってCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO−B−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは上記と同じである),SiO−B−M O系(但し、MはLi,NaまたはKを示す),SiO−B−Al−M O系(但し、Mは上記と同じである),Pb系ガラス,Bi系ガラス等を用いることができる。
また、フィラー粉末としては、例えばAl,SiO,ZrOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物や、TiOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物,AlおよびSiOから選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル,ムライト,コージェライト)等を用いることができる。
配線導体3は、絶縁基体1の表面、内部およびフェライト層2の内部に形成されており、Cu,Ag,Au,Ag合金等の金属粉末に、適当な有機バインダ,溶剤を混練して作製した導体ペーストを、スクリーン印刷法やグラビア印刷法等によりガラスセラミックグリーンシート表面およびフェライトグリーンシート表面に塗布し、ガラスセラミックグリーンシートおよびフェライトグリーンシートと同時に焼成されて形成される。
介在層としての絶縁層4は、配線導体3の上下面を覆うフェライト層2とガラスセラミック絶縁層6との間に形成されており、ガラス粉末およびフェライト層2に含有されるフェライト粉末を、その熱膨張係数がガラスセラミック絶縁層6の熱膨張係数とフェライト層2の熱膨張係数の間になるように配合し、適当な有機バインダ,溶剤を混練して作製した絶縁ペーストを、従来周知のスクリーン印刷法やグラビア印刷法等によりガラスセラミックグリーンシート上のフェライト層2が載置される位置に塗布し、ガラスセラミックグリーンシートと同時に焼成されて形成される。
なお、絶縁層4のフェライト粉末は、フェライト層2のフェライト粉末と同様であり、焼結体としてFeを63〜73重量%、CuOを5〜10重量%、NiOを5〜12重量%、ZnOを10〜23重量%を主成分として含むフェライトを用いることができる。
また、絶縁層4のガラス粉末は、ガラスセラミック絶縁層6のガラスセラミックスと同様のものを用いることができ、例えばSiO−B系,SiO−B−Al系,SiO−B−Al−MO系(但し、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは同じまたは異なってCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO−B−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは上記と同じである),SiO−B−M O系(但し、MはLi,NaまたはKを示す),SiO−B−Al−M O系(但し、Mは上記と同じである),Pb系ガラス,Bi系ガラス等を用いることができる。
介在層としての焼結金属層5は、配線導体3の上下面を覆うフェライト層2とガラスセラミック絶縁層6との間に形成されており、Cu,Ag,Au,Pt,Ag−Pd合金およびAg−Pt合金のうちの少なくとも1種の金属の金属粉末にガラス粉末を配合し、適当な有機バインダ,溶剤を混練して作製した金属ペーストを、従来周知のスクリーン印刷法やグラビア印刷法等によりガラスセラミックグリーンシート上のフェライト層2が載置される位置に塗布し、ガラスセラミックグリーンシートと同時に焼成されて形成される。
なお、焼結金属層5に含まれるガラス粉末は、ガラスセラミック絶縁層6のガラスセラミックスと同様のものを用いることができ、例えばSiO−B系,SiO−B−Al系,SiO−B−Al−MO系(但し、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは同じまたは異なってCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO−B−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは上記と同じである),SiO−B−M O系(但し、MはLi,NaまたはKを示す),SiO−B−Al−M O系(但し、Mは上記と同じである),Pb系ガラス,Bi系ガラス等を用いることができる。
また、焼結金属層5は配線導体3と同じ組成であってもよく、配線導体3の一部を焼結金属層5として用いてもよい。
なお、介在層を絶縁層4と焼結金属層5とを組み合わせて形成する場合、図1に示すように、ガラスセラミック絶縁層6とフェライト層2の間の同じ層内(層間)に並べて配置する構成と、ガラスセラミック絶縁層6とフェライト層2の間に積層して配置する構成と、またそれらの構成を組み合わせた構成がある。これらの構成はそれぞれ、上記手法で作製した絶縁ペーストと金属ペーストを、従来周知のスクリーン印刷法やグラビア印刷法等によりガラスセラミックグリーンシート上のフェライト層2が形成される位置に、それぞれ別々に塗布し、ガラスセラミックグリーンシートと同時焼成されて形成される。
絶縁層4と焼結金属層5とを組み合わせた介在層をガラスセラミック絶縁層6とフェライト層2の間の同じ層内に並べて配置した場合、ガラスセラミック絶縁層6とフェライト層2の間に、絶縁体である絶縁層4と導体である焼結金属層5とを用いて配線導体3を形成することができる。絶縁層4と焼結金属層5とを積層して成る介在層をガラスセラミック絶縁層6とフェライト層2の間に形成した場合、絶縁層4と焼結金属層5の応力緩和の効果がよりいっそう高くなる。また、絶縁層4と焼結金属層5とを同じ層内に並べた構成と、絶縁層4と焼結金属層5とを積層した構成とを組み合わせた介在層を、ガラスセラミック絶縁層6とフェライト層2の間に形成した場合、2つの構成のそれぞれの効果を合わせて得ることができる。
フェライト層2は、配線導体3の上下面を覆うようにして、絶縁基体1の内層に配線導体3とともに形成されている。このフェライト層2は、焼結体としてFeを63〜73重量%、CuOを5〜10重量%、NiOを5〜12重量%、ZnOを10〜23重量%含んでなることが、低温で焼成可能であり、かつ高周波帯域で十分に高い透磁率を得るために必要である。
Feは、フェライトの基幹成分であり、フェライトの主成分をX−Fe(XはCu、Ni、Zn等)として示される逆スピネル構造の固溶体とすれば、そのうち63〜73重量%を構成していなくてはならない。63重量%未満の場合、十分な透磁率が得られない。他方、73重量%より多い場合、焼結密度の低下により機械的強度が低下してくる。
CuOはフェライトの主成分のうち5〜10重量%を構成していなくてはならない。これは、CuOは焼結温度の低温化に大きく寄与しており、CuOが低温で液層を形成することにより焼結を促進させる効果を用いて、磁気特性を損なわずにガラスセラミックスの焼成温度である800〜1000℃で焼成するためである。5重量%未満であると、本発明の目的とする低温度域で焼成を行う場合に焼結密度が不十分になり機械強度が不足する。また、10重量%より多い場合、磁気特性の低いCuFeの割合が多くなるため磁気特性を損なう。
NiOはフェライトの高周波域における透磁率を確保するために含有させる。NiFeは高周波域まで共振による透磁率の減衰を起さず、高周波域での透磁率を比較的高い値に維持することができるが、初期透磁率は低い特徴をもつため、5重量%未満であると、10MHzないしそれ以上の高周波域での透磁率が低下し、また12重量%より多い場合は、NiFeの割合が多くなるため初期透磁率が低下する。そのため、フェライトの主成分中の含有量は5〜12重量%に限定される。
ZnOはフェライトの透磁率向上のために重要な要素であり、フェライト主成分のうち10重量%未満であると、磁気特性不十分の問題を生じ、逆に23重量%より多くても磁気特性が悪くなる。
フェライト層2の形成は、まずフェライト粉末に適当な有機バインダ,可塑剤,有機溶剤等を混合してスラリーを得て、これからドクターブレード法,圧延法,カレンダーロール法等によってフェライトグリーンシートを製作する。次に、このフェライトグリーンシートを所定の配線導体3を覆うものとしてガラスセラミックグリーンシートと平面視で同じ大きさの同形状にカットし、ガラスセラミックグリーンシート積層体の内部に、間に配線導体3となる導体パターンを配置して、その配線導体3の上面および下面を覆うようにして積層する。
このとき、効果的にコイル用導体のインダクタンスを高くするためには、配線導体3の上下面をフェライト層2で完全に覆う必要がある。よって、そのような配線導体3およびフェライト層2を形成するためには、所定のガラスセラミックグリーンシートの表面に、下面のフェライト層2となるフェライトグリーンシート、配線導体3となる導体ペーストのパターン、上面のフェライト層2となるフェライトグリーンシートの順番に各層を配置して積層するとよい。
フェライト層2となるフェライトグリーンシートを形成するのに用いるフェライト粉末は、仮焼済みのフェライト粉末であり、平均粒径が0.1μm〜0.9μmの範囲で均一であり、球形状に近い粒が良い。平均粒径が0.1μmより小さいと、フェライトグリーンシートの製作においてフェライト粉末の均一な分散が困難であり、平均粒径が0.9μmより大きいとフェライトの焼結温度が高くなるからである。また、粒径が均一で球状に近いことにより均一な焼結状態を得ることができ、例えばフェライト粉末で部分的に小さい粒径が存在した場合は、その部分のみ結晶粒の成長が低下し、焼結後に得られるフェライト層2の透磁率が安定しにくい傾向がある。
保護層7は、ガラスセラミック基板のフェライト層2が露出した端面から介在層が露出した端面にかけて完全に覆うように形成されており、例えば、ガラス,ガラスセラミックス,樹脂等の水分が浸透しない部材を用いれば良い。また、保護層7は絶縁基体1と同時に焼成することによって形成しても、絶縁基体1を焼成後に形成しても良い。
保護層7にガラスを用いて、絶縁基体1と同時に形成する場合には、例えば、ガラス粉末、有機バインダ、可塑剤、有機溶剤などを混合してペーストを得て、そのペーストにガラスセラミック絶縁層6から成る絶縁基体1とフェライト層2と介在層とから成るガラスセラミック基板をそのペーストの中に浸漬、あるいは端面に印刷や吹き付けなどによって塗布した後、ガラスセラミックグリーンシートと同時に焼成されて形成される。
一方、絶縁基体1を焼成した後にガラスから成る保護層7を形成する場合は、特に、母基板となる1枚のガラスセラミックグリーンシートに分割溝を設け、複数枚積層し焼結してガラスセラミックス焼結体とした後、分割溝で分割することにより個々の製品とするといった、所謂多数個取りの形態での製造において有効である。この場合、ガラスセラミックグリーンシートおよびフェライトグリーンシートおよび絶縁ペーストおよび/または金属ペーストを複数積層し、大気中または加湿窒素雰囲気中にて800〜1000℃の温度で焼成して母基板を得て、それを分割した個々の製品の端面に、上記と同様の方法を用いて保護層7となるペーストを塗布した後、再度焼成することによって保護層7を形成することができる。
また、上記の多数個取りの形態のように、焼成後にガラスから成る保護層7を形成する場合は、再焼成温度を低くしてガラスセラミック絶縁層6やフェライト層2の過焼結による特性変化や、配線導体3などの拡散を抑制するという観点からは、軟化点が焼成温度以下のガラスを用いることが良く、特に軟化点が600℃以下のガラスを用いることが好ましい。
このような軟化点が焼成温度以下のガラス粉末として、PbO−SiO−B系、Bi−SiO−B系、ZnO−SiO−B系、SiO−B系ガラスなどを用いることができる。
また、上記の保護層7に用いられるガラス粉末として、SiO−B系,SiO−B−Al系,SiO−Al3、PbO−SiO−B系、Bi−SiO−B系およびZnO−SiO−B系ガラスを用いた場合、保護層7を絶縁基体1と同時に形成する場合でも、絶縁基体1を焼成した後に再焼成によって保護層7を形成する場合においても、保護層7とガラスセラミック絶縁層6とを強固に接合することができる。また、温度差によってガラスセラミック基板が割れたり、保護層7が剥がれたりすることがなく、ガラスセラミック基板の側面のフェライト層2の端部が露出している部位から介在層の端部が露出している部位にかけて密着性よく被覆することができる。
保護層7にガラスセラミックスを用いる場合、上述のガラスセラミック絶縁層6と同様なガラスおよびフィラーを用いることができ、上記のガラスから成る保護層7と同様に焼成前または焼成後に形成することができる。特に、保護層7を絶縁基体1と同時に形成する場合、保護層7はガラスセラミック絶縁層6と同様にフィラーを含有していることから、絶縁基体1と焼結挙動が類似したものとなり、保護層7とガラスセラミック絶縁層6とを強固に接合することができる。
さらに、保護層7のガラスセラミックスをガラスセラミック絶縁層6と同じガラスおよびフィラーとすると、保護層7と絶縁基体1の焼結挙動は一致することから一層強固に接合することができ、温度差によってガラスセラミック基板が割れたり、保護層7が剥がれたりすることがなく、ガラスセラミック基板の側面のフェライト層2の端部が露出している部位から介在層の端部が露出している部位にかけて密着性よく被覆することができ、吸水をより効果的に防止することができる。
なお、ガラスセラミックスから成る保護層7において、ガラス粉末は上記のガラスからなる保護層7と同じものを用いると、同様な作用と効果が得られるので好ましい。
保護層7に樹脂を用いる場合、上記の多数個取りの形態での製造等の絶縁基体1の焼結後に保護層7を形成する際に有効であり、エポキシ系樹脂,アクリル系樹脂,シリコン系樹脂およびフッ素系樹脂等を用いることができる。
保護層7を樹脂で形成するには、絶縁基体1に硬化前の樹脂をガラスセラミック基板のフェライト層2が露出した端面から介在層が露出した端面にかけて完全に覆うようにスクリーン印刷法等で塗布するといった手法を用いることができる。
絶縁基体1の焼成後に保護層7を樹脂で形成した場合には、絶縁基体1と樹脂とを接合させるための熱処理(硬化処理)の温度を150℃以下と低くすることができ、絶縁基体1が過焼結することによってガラスセラミック基板が反ったり、配線導体3またはフェライト層2を構成する金属が拡散する事による電気的な特性の低下等の不具合が発生したりすることを抑制することができる。また、材料が安価であり、かつ、簡易な装置を用いて保護層7を形成することができるため、端面からの吸水がなく高周波帯域で透磁率の高いフェライト層を備えており、そのフェライト層に内蔵されたコイル用導体のインダクタンスが高くかつ安定しているガラスセラミック基板を容易に提供することができる。
本発明のガラスセラミック基板の製造方法においては、まず、フェライト層2および配線導体3を上述の要領でガラスセラミックグリーンシートの複数枚とともに積層してガラスセラミックグリーンシート積層体を作製する。そして、このガラスセラミックグリーンシート積層体から有機成分を除去した後に焼成する。有機成分の除去は、ガラスセラミックグリーンシート積層体に荷重をかけつつ100〜800℃の温度範囲でガラスセラミックグリーンシート積層体を加熱することによって行ない、有機成分を分解し揮散させる。また、焼成温度はガラスセラミック組成により異なるが、通常は約800〜1000℃の範囲内である。焼成は通常は大気中で行なうが、配線導体3の導体材料としてCuを使用する場合、100〜700℃の加湿窒素雰囲気中で有機成分の除去を行ない、次に窒素雰囲気中で焼成を行なう。
また、有機成分の除去時および焼成時には、ガラスセラミックグリーンシート積層体の反りを防止するために、その上面に重しを載せる等して荷重をかけるとよい。このような重しによる荷重は50Pa〜1MPa程度が適当である。荷重が50Pa未満である場合、ガラスセラミックグリーンシート積層体の反りを抑制する作用が充分でなくなる。また、荷重が1MPaを超える場合、使用する重しが大きくなるため、焼成炉に入らなくなったり、また焼成炉に入っても重しが大きいために熱容量が不足することになり焼成できなくなる等の問題をひき起こすおそれがある。
この重しとしては、ガラスセラミック基板の焼成中に変形、溶融等して荷重が不均一になったり、分解した有機成分の揮散を妨げたりすることがないような耐熱性の多孔質のものが適している。具体的には、セラミックス等の耐火物、あるいは高融点の金属等が挙げられる。また、ガラスセラミックグリーンシート積層体の上面に多孔質の重しを置き、その上に非多孔質の重しを置いてもよい。
本実施例1では、ガラスとしてSiO−B系ガラスを、フィラーとしてAlを用いたガラスセラミック基板の側面のフェライト層2端部が露出している部位に、非透水性の保護層7が形成されており、保護層は、PbO−SiO−B系ガラスとした。
即ち、図1に示すように、保護層を設けた、5mm×5mmの形状の評価用の試験片を作製し、吸水率を測定した。吸水率の測定は、初めに試験片の重量を測定し、その後試験片を水中に浸漬し、真空中に1時間放置し、その後の試験片の重量を測定し、水中浸漬前後の重量差を求めた。その重量差を初期重量で割って百分率を求めて、表1に、吸水率が0.1%以上の場合は×、0.1%未満の場合は○で示している。
透磁率の測定は、図2に示すような、外径16mm、内径8mmのリング状の試験片を作製し測定した。透磁率の測定は、インピーダンスアナライザー(「HP−4291A」ヒューレットパッカード社製)を用い、高周波電流電圧法にて測定した。表1に示すように、○は実用上は問題ないが1.0MHz,10.0MHzにおける透磁率が100未満のもの、◎は1.0MHz,10.0MHzにおける透磁率が100以上のものであり、透磁率の特性としてはさらに良い。
本実施例2では、実施例1と同じガラスセラミック基板を用い、保護層として、このガラスセラミック基板と同じ組成のガラスセラミックスを用いた試験片を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
本実施例3では、実施例1と同じガラスセラミック基板を用い、保護層としてエポキシ系樹脂を用いた試験片を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
本実施例4では、実施例1のものに、Feを63〜73重量%、CuOを5〜10重量%、NiOを5〜12重量%、ZnOを10〜23重量%含有したフェライト層を設けた試験片を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
本実施例では、実施例4のフェライト層とガラスセラミック絶縁層との層間に絶縁層4を介在させて、外径16mm,内径8mmのリング状の試験片を作製し、透磁率を測定した。
絶縁層4を形成する絶縁ペーストは、ガラスセラミックスに含有されるガラス粉末と同じSiO−Al−MgO−B−ZnO系ガラス粉末30質量%,フェライトグリーンシートに含有されるフェライト仮焼粉末と同じ平均粒径0.5〜0.7μmのZnFe,CuFe,FeFe,NiFeの結晶相から構成されるフェライト粉末70質量%を用い、所定量のエチルセルロース系樹脂とテルピネオールを加え、3本ロールにより適度な粘度になるように混合し作製した。
まず、ガラスセラミックグリーンシートの所定枚数を重ね合わせ、その上に絶縁ペースト層を全面に塗布し乾燥を行なった。その後、乾燥した絶縁ペースト層上にフェライトグリーンシートを重ね合わせ、さらに、その上に絶縁ペースト層を全面に塗布し乾燥を行なった。その後、乾燥した絶縁ペースト層上にガラスセラミックグリーンシートの所定枚数を重ね合わせ、温度55℃,圧力20MPaで圧着してガラスセラミック積層体を得た。
得られたガラスセラミック積層体をアルミナセラミックスのセッターに載置し、その上にアルミナセラミックスのセッターと同一成分から成る重しを載せて約0.5MPaの荷重をかけつつ大気中にて500℃で2時間加熱して有機成分を除去した後、大気中にて900℃で2時間焼成した。
得られた本実施例5のガラスセラミック基板について、透磁率を測定した結果を表2に示す。
実施例5の絶縁層に代えて、Ag粉末(平均粒径1.0μm)80質量%、SiO−Al−MgO−B−ZnO系ガラス粉末20質量%を含むペースト用いて焼結金属層を形成した以外は実施例3と同様にして、実施例6の試験片を作製した。得られたガラスセラミック基板について、透磁率を測定した結果を表2に示す。
実施例5の絶縁層に加えて、Ag粉末(平均粒径1.0μm)80質量%、SiO−Al−MgO−B−ZnO系ガラス粉末20質量%を含むペーストを用いて焼結金属層を形成した以外は実施例3と同様にして、実施例7の試験片を作製した。得られたガラスセラミック基板について、透磁率を測定した結果を表2に示す。
比較例1
本比較例1では、実施例1において保護層を設けなかった。
Figure 0004583121
表1より、保護層を設けない比較例1の場合、吸水率が0.1%以上であったが、保護層を設けた実施例1〜7においては、吸水率は0.1%未満であった。
また、実施例4〜7の構成において、Feを63〜73重量%、CuOを5〜10重量%、NiOを5〜12重量%、ZnOを10〜23重量%含有したフェライト層としたものを設けると、透磁率は100以上となり、さらに透磁率が高くなった。
Figure 0004583121
表2より、フェライト層とガラスセラミック絶縁層との層間に、絶縁層および焼結金属層の少なくとも一方を介在させた実施例5〜7の透磁率は、実施例4の場合の透磁率に比べ高かった。これは、絶縁層および焼結金属層の少なくとも一方がフェライト層とガラスセラミック絶縁層との間に働く応力を緩和することにより、フェライト層に働く磁歪を低減したためである。
なお、本発明は上述の実施の形態および実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の実施の形態の例では配線導体にAgを用いたが、配線導体3にCu,Au,Ag−Pd合金等を用いてもよい。
本発明のガラスセラミック基板の実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明のガラスセラミック基板の透磁率を測定するための試験片を示す断面図である。
符号の説明
1:絶縁基体
2:フェライト層
3:配線導体
4:絶縁層
5:焼結金属層
6:ガラスセラミック絶縁層
7:保護層

Claims (9)

  1. ガラスおよびフィラーからなるガラスセラミック絶縁層が複数層積層されて成る絶縁基体の内層に、前記ガラスセラミック絶縁層と同じ大きさのフェライト層が介在層を介して形成されており、前記フェライト層の内部にはコイル用導体が埋設されてなるガラスセラミック基板であって、前記ガラスセラミック基板の側面の前記フェライト層端部が露出している部位から前記介在層の端部が露出している部位にかけて、非透水性の保護層が形成されていることを特徴とするガラスセラミック基板。
  2. 前記保護層は、SiO−B系ガラス、SiO−B−Al系ガラス、SiO−AlPbO−SiO−B系ガラス、Bi−SiO−B系ガラスおよびZnO−SiO−B系ガラスのうちの少なくとも1種から成ることを特徴とする請求項1記載のガラスセラミック基板。
  3. 前記保護層は、前記ガラスセラミック絶縁層と同じ前記ガラスおよび前記フィラーからなるガラスセラミックスから成ることを特徴とする請求項1記載のガラスセラミック基板。
  4. 前記保護層は、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂およびフッ素系樹脂のうち少なくとも1種の樹脂からなることを特徴とする請求項1記載のガラスセラミック基板。
  5. 前記フェライト層は、Feを63〜73重量%、CuOを5〜10重量%、NiOを5〜12重量%、ZnOを10〜23重量%含有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のガラスセラミック基板。
  6. 記介在層は、ガラスおよび前記フェライト層と同じ成分を含有しているとともに前記ガラスセラミック絶縁層の熱膨張係数と前記フェライト層の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する絶縁層から成ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のガラスセラミック基板。
  7. 記介在層は、Cu,Ag,Au,Pt,Ag−Pd合金およびAg−Pt合金のうちの少なくとも1種の金属とガラスとを含有している焼結金属層から成ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のガラスセラミック基板。
  8. 前記介在層は、ガラスおよび前記フェライト層と同じ成分を含有しているとともに前記ガラスセラミック絶縁層の熱膨張係数と前記フェライト層の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する絶縁層と、Cu,Ag,Au,Pt,Ag−Pd合金およびAg−Pt合金のうちの少なくとも1種の金属とガラスとを含有している焼結金属層とが積層されて成ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のガラスセラミック基板。
  9. 前記介在層は、ガラスおよび前記フェライト層と同じ成分を含有しているとともに前記ガラスセラミック絶縁層の熱膨張係数と前記フェライト層の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する絶縁層と、Cu,Ag,Au,Pt,Ag−Pd合金およびAg−Pt合金のうちの少なくとも1種の金属とガラスとを含有している焼結金属層とが同じ層内に並ぶように形成されて成ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のガラスセラミック基板。
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