JP2002324730A - 積層セラミック電子部品およびその製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品およびその製造方法

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JP2002324730A
JP2002324730A JP2001127064A JP2001127064A JP2002324730A JP 2002324730 A JP2002324730 A JP 2002324730A JP 2001127064 A JP2001127064 A JP 2001127064A JP 2001127064 A JP2001127064 A JP 2001127064A JP 2002324730 A JP2002324730 A JP 2002324730A
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ceramic green
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green layer
mol
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JP2001127064A
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Takehiko Otsuki
健彦 大槻
Motoi Nishii
基 西井
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電体セラミックグリーン層と磁性体セラミ
ックグリーン層とを、中間層を介在させずに積層して焼
成しても、焼結後において、誘電体セラミック層と磁性
体セラミック層との間での構成成分の相互拡散による特
性変動を抑制でき、かつこれらの間で良好な接合状態が
得られるようにする。 【解決手段】 ガラス成分を含有させることによって、
誘電体セラミックグリーン層5aの焼結開始温度を、磁
性体セラミックグリーン層6aに比べて、6℃以上かつ
20℃以下の範囲でより高くなるようし、焼成工程で、
磁性体セラミックグリーン層6aの焼結を先に始め、ガ
ラス成分の磁性体セラミックグリーン層6aへの拡散を
抑制することによって、誘電体セラミックグリーン層5
aからのガラス成分を誘電体セラミックグリーン層5a
と磁性体セラミックグリーン層6aとの間の界面に多く
留まらせ、このガラス成分を接合材として作用させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、積層セラミック
電子部品の製造方法およびこの製造方法によって得られ
た積層セラミック電子部品に関するもので、特に、互い
に異なる材料組成を有する第1および第2のセラミック
層を積層した積層構造を有する積層セラミック電子部品
に対して有利に適用される、積層セラミック電子部品の
製造方法およびこの製造方法によって得られた積層セラ
ミック電子部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】チップ状の積層セラミックコンデンサや
積層セラミックインダクタ等の積層セラミック電子部品
が、高周波用途に向けられるとき、その小型化や高性能
化に対する要求がますます高まっている。この要求を満
たすため、複数の機能素子を複合化した複合部品も種々
実用化されており、たとえばLCフィルタとして機能す
る複合部品としてのチップ状の積層セラミック電子部品
も実用化されている。
【0003】上述したLC複合部品は、コンデンサ電極
が形成された複数の誘電体セラミックグリーンシート
と、コイル導体が形成された複数の磁性体セラミックグ
リーンシートとを、直接、積層し、圧着することによっ
て得られた積層構造を有する生の積層体を作製し、これ
を焼成し、焼結後の積層体の外表面上に、入出力端子や
グラウンド端子となる外部電極を形成することによって
製造されている。
【0004】しかしながら、上述したLC複合部品のた
めの生の積層体を焼成する場合、誘電体セラミックグリ
ーンシートと磁性体セラミックグリーンシートとが直接
接した状態にあり、かつこれらが同時に焼成されるた
め、誘電体セラミックグリーンシートと磁性体セラミッ
クグリーンシートとの間、すなわち生の積層体における
誘電体セラミックグリーン層と磁性体セラミックグリー
ン層との間で、各セラミックグリーンシートに含まれる
構成成分が相互に拡散し合うことがある。
【0005】上述のように、誘電体セラミックグリーン
層および磁性体セラミックグリーン層の各々に含まれる
構成成分が相互拡散すると、焼結後の積層体において、
誘電体セラミック層および磁性体セラミック層の各々の
電磁気特性が劣化したり、場合によっては、誘電体セラ
ミック層と磁性体セラミック層との間で剥離が生じたり
することがある。
【0006】また、数多くの誘電体セラミック原材料の
うち、磁性体セラミック原材料と直接接した状態で同時
に焼結させ得る材料は限られているため、多様な電磁気
特性を十分に満足するようなLC複合部品を得ること
は、極めて困難である。
【0007】上述したような問題を解決し得る有効な方
法として、誘電体セラミック部分と磁性体セラミック部
分との間に、適当な中間層を介在させる方法が提案され
ている。たとえば、特開昭59−90915号公報、特
開昭58−172804号公報または特開昭59−33
247号公報には、誘電体セラミックグリーン層と磁性
体セラミックグリーン層との間に、誘電体セラミック原
材料と磁性体セラミック原材料との混合材料層、ガラス
材料層、または金属材料層等をそれぞれ設けた後、これ
らを同時に焼成することによって、セラミック複合部品
を製造することが記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような中間層を介在させる方法によれば、焼成工程に
おいて、誘電体セラミックグリーン層と磁性体セラミッ
クグリーン層との間において生じる内部応力を中間層に
よって十分に緩和することができるものの、各セラミッ
クグリーン層の構成成分の相互拡散を十分に抑制するこ
とは難しい。
【0009】たとえば、中間層として金属材料層を用い
た場合、誘電体セラミック原材料または磁性体セラミッ
ク原材料が、焼成工程中に中間層を通過してしまうこと
がある。
【0010】また、中間層として誘電体セラミック原材
料と磁性体セラミック原材料との混合材料層を適用した
場合、各セラミック層間の接着力の向上が期待できるも
のの、各セラミックグリーン層の構成成分の相互拡散を
高精度に制御することは難しい。
【0011】また、中間層としてガラス材料層、特に非
晶質ガラス材料層を用いると、誘電体セラミックグリー
ン層または磁性体セラミックグリーン層がガラス成分を
含有している場合、焼成工程中に、各セラミックグリー
ン層中のガラス成分が、その液相焼結過程で、中間層を
通過してしまうことがある。
【0012】さらに、中間層を介在させることは、それ
だけで製造コストを引き上げることになる。
【0013】また、中間層自体は、有効な電磁気特性が
得られない部分であるため、このような中間層の介在
は、セラミック複合電子部品の小型化の妨げともなる。
【0014】そこで、この発明の目的は、上述したよう
な問題を解決し得る、積層セラミック電子部品の製造方
法およびこの製造方法によって得られた積層セラミック
電子部品を提供しようとすることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明は、互いに異な
る材料組成を有する少なくとも第1および第2のセラミ
ックグリーン層を、第1および第2のセラミックグリー
ン層が互いに隣接した状態で、積層した積層構造を有す
る生の積層体を作製する積層体作製工程と、生の積層体
を焼成する焼成工程とを備える、積層セラミック電子部
品の製造方法にまず向けられるものであって、上述した
技術的課題を解決するため、第1のセラミックグリーン
層は、第2のセラミックグリーン層に比べて、焼成工程
における焼結開始温度が6℃以上かつ20℃以下の範囲
でより高くなる材料組成とされることを特徴としてい
る。
【0016】なお、この明細書において、焼結開始温度
とは、焼成温度の昇温幅1℃あたりの収縮率が0.01
%以上となる温度である。収縮率とは、これを百分率で
表わすと、「{(焼成前の寸法−焼成時の寸法)/焼成
前の寸法}×100」の式によって求められるものであ
る。
【0017】前述したように、第1のセラミックグリー
ン層の焼結開始温度が、6℃以上かつ20℃以下の範囲
で、第2のセラミックグリーン層の焼結開始温度より高
くされることにより、焼成工程において、第2のセラミ
ックグリーン層が先に焼結を開始し、この焼結がある程
度進行してから、第1のセラミックグリーン層の焼結が
始まるようにすることができる。
【0018】このように、焼結挙動に差をもたせること
により、焼結開始温度がより高い第1のセラミックグリ
ーン層に含まれる成分の一部は、焼結開始温度がより低
い第2のセラミックグリーン層へ拡散することになる
が、焼結開始温度がより低い第2のセラミックグリーン
層では先に焼結を始めており、セラミック粒子間のネッ
ク成長がある程度進んでいるので、このような成分の第
2のセラミックグリーン層内への拡散を抑制することに
なり、第2のセラミックグリーン層内へ拡散できない成
分は、第1のセラミックグリーン層と第2のセラミック
グリーン層との間の界面に多く留まり、これが接合材と
して作用するようになる。
【0019】好ましくは、少なくとも第1のセラミック
グリーン層は、ガラス成分とセラミック成分とを混合し
たガラスセラミック組成物を含む。
【0020】上述のガラス成分は、好ましくは、ガラス
セラミック組成物100重量部に対して、10〜50重
量部含有するようにされる。
【0021】第1および第2のセラミックグリーン層の
双方がガラス成分を含む場合、好ましくは、第1のセラ
ミックグリーン層は、第2のセラミックグリーン層に比
べて、ガラス成分をより多く含むようにされ、それによ
って、焼結開始温度がより高くなるようにされる。
【0022】ガラス成分は、5〜60モル%のSiO2
と、0.5〜70モル%のBi2 3 と、50モル%以
下のCuOと、50モル%以下のTiO2 と、1〜15
モル%のアルカリ金属酸化物と、20〜70モル%のア
ルカリ土類金属酸化物とを含むガラスを主成分とするも
のであることが好ましい。
【0023】上述の好ましい実施態様のように、少なく
とも第1のセラミックグリーン層がガラス成分を含んで
いる場合、前述した焼成工程において第2のセラミック
グリーン層へと拡散しようとする第1のセラミックグリ
ーン層の成分の一部は、このガラス成分によって与えら
れる。したがって、前述したように、焼成工程におい
て、先に焼結を始めている第2のセラミックグリーン層
内へのガラス成分の拡散が抑制された結果、ガラス成分
は、第1のセラミックグリーン層と第2のセラミックグ
リーン層との間の界面に多く留まり、このガラス成分が
接合材として作用する。
【0024】この発明は、生の積層体において、第1の
セラミックグリーン層にはコンデンサ電極が形成され、
第2のセラミックグリーン層にはコイル導体が形成され
ていて、焼成工程によって、第1のセラミックグリーン
層は誘電体セラミック層となるものであり、第2のセラ
ミックグリーン層は磁性体セラミック層となるものであ
る場合、すなわち、積層セラミック電子部品がLC複合
部品である場合において、特に有利に適用される。
【0025】上述した誘電体セラミック層は、{(Ba
1-x Cax )O}m (Ti1-y Zr y )O2 (ただし、
0.02≦x≦0.22、0.05≦y≦0.20、
1.00≦m≦1.05)の組成を有する誘電体セラミ
ック成分を含むものであることが好ましい。
【0026】また、上述の磁性体セラミック層は、45
〜50モル%のFe2 3 と、10〜40モル%のNi
Oと、1〜35モル%のZnOと、5〜15モル%のC
uOとを含有する磁性体セラミック成分を含むものであ
ることが好ましい。
【0027】また、コンデンサ電極およびコイル導体
は、金、銀および銅から選ばれた少なくとも1種を含む
ことが好ましい。
【0028】この発明は、また、上述したような製造方
法によって得られた積層セラミック電子部品にも向けら
れる。この積層セラミック電子部品においては、第1お
よび第2のセラミックグリーン層によってそれぞれ与え
られた第1および第2のセラミック層が、第1のセラミ
ックグリーン層に含まれる成分の一部によって与えられ
た接合部を介して互いに接合されている。特に、前述し
たように、第1のセラミックグリーン層がガラス成分を
含む場合には、第1および第2のセラミック層が、この
ガラス成分によって与えられた接合部を介して互いに接
合されることになる。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の一実施形態に
よる積層セラミック電子部品としてのLC複合部品1の
外観を示す斜視図である。図2は、図1に示したLC複
合部品1の内部構造を示す断面図である。
【0030】LC複合部品1は、コンデンサ部分2とイ
ンダクタ部分3とを一体に構成した積層体4を備えてい
る。積層体4は、コンデンサ部分2において、複数の誘
電体セラミック層5を積層した積層構造を有し、インダ
クタ部分3において、複数の磁性体セラミック層6を積
層した積層構造を有している。
【0031】コンデンサ部分2には、複数の誘電体セラ
ミック層5の間の特定の界面に沿って、互いに対向する
複数のコンデンサ電極7が形成されている。他方、イン
ダクタ部分3には、複数の磁性体セラミック層6の間の
特定の界面に沿って延びる導体膜および特定の磁性体セ
ラミック層6を貫通するビアホール導体をもって、コイ
ル状に延びるコイル導体8が形成されている。
【0032】また、積層体4の外表面上には、複数の外
部電極9が形成されている。詳細な図示を省略するが、
外部電極9は、入出力端子やグラウンド端子となった
り、あるいは、コンデンサ電極7によって与えられるコ
ンデンサ素子とコイル導体8によって与えられるインダ
クタとを相互接続したりするためのものである。
【0033】図1および図2において、コンデンサ部分
2とインダクタ部分3との間の界面に沿って接合部10
が図示されている。この接合部10は、この発明の特徴
となるべき要素であって、以下に説明するようなLC複
合部品1の製造方法に由来して形成されるものである。
【0034】図3は、図1および図2に示したLC複合
部品1における積層体4を得るための焼成工程に付され
る前の生の積層体4aの内部構造を示す、図2に相当す
る断面図である。図3において、図2に示す要素に相当
する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省
略する。
【0035】生の積層体4aは、コンデンサ部分2にお
いて、複数の誘電体セラミックグリーン層5aを積層し
た積層構造を有し、また、インダクタ部分3において、
複数の磁性体セラミックグリーン層6aを積層した構造
を有していて、生の積層体4a全体としては、特定の誘
電体セラミックグリーン層5aと特定の磁性体セラミッ
クグリーン層6aとが互いに接した状態で、これらセラ
ミックグリーン層5aおよび6aを積層した積層構造を
有している。
【0036】このような生の積層体4aを得るため、通
常、誘電体セラミックグリーン層5aとなるべき誘電体
セラミックグリーンシートと磁性体セラミックグリーン
層6aとなるべき磁性体セラミックグリーンシートと
が、それぞれ、たとえばセラミックスラリーをシート状
に成形することによって作製され、これら誘電体セラミ
ックグリーンシートおよび磁性体セラミックグリーンシ
ートが所定の順序に従って積層され、圧着される。
【0037】上述した誘電体セラミックグリーンシート
の特定のものには、コンデンサ電極7が、たとえば導電
性ペーストの印刷によって形成され、また、磁性体セラ
ミックグリーンシートには、コイル導体8となるべき導
体膜およびビアホール導体がたとえば導電性ペーストの
印刷によって形成される。
【0038】これら導電性ペーストに含まれる導電成分
として、金、銀および銅から選ばれた少なくとも1種が
用いられることが好ましい。これらの金属は比抵抗が小
さく、コンデンサ電極7およびコイル導体8の電気抵抗
を小さくすることができ、したがって、得られたLC複
合部品1を、高周波特性に優れたものとすることができ
るからである。
【0039】なお、生の積層体4aに備える誘電体セラ
ミックグリーン層5aおよび磁性体セラミックグリーン
層6aをそれぞれ形成するため、誘電体セラミック原材
料を含むペーストおよび磁性体セラミック原材料を含む
ペーストをそれぞれ繰り返し印刷する方法が採用されて
もよい。
【0040】誘電体セラミックグリーン層5aおよび磁
性体セラミックグリーン層6aは、焼成されることによ
って、それぞれ、図2に示した誘電体セラミック層5お
よび磁性体セラミック層6となるものであるが、誘電体
セラミックグリーン層5aは、磁性体セラミックグリー
ン層6aに比べて、焼成工程における焼結開始温度が6
℃以上かつ20℃以下の範囲でより高くなる材料組成と
されている。
【0041】このような焼結開始温度の差は、典型的に
は、誘電体セラミックグリーン層5aのみが、ガラス成
分とセラミック成分とを混合したガラスセラミック組成
物を含むようにしたり、あるいは、誘電体セラミックグ
リーン層5aおよび磁性体セラミックグリーン層6aの
双方がガラス成分を含む場合には、誘電体セラミックグ
リーン層5aが、磁性体セラミックグリーン層6aに比
べて、ガラス成分をより多く含むようにしたりすること
によって与えることができる。
【0042】上述のように、少なくとも誘電体セラミッ
クグリーン層5aがガラスセラミック組成物を含む場
合、ガラス成分は、ガラスセラミック組成物100重量
部に対して、10〜50重量部含有することが好まし
い。ガラス成分の含有量が10重量部未満であれば、セ
ラミック材料の焼結助剤としての作用が低下し、たとえ
ば900℃以下の温度での焼結が困難になり、他方、ガ
ラス成分の含有量が50重量部を超えると、誘電体セラ
ミック層5の電磁気特性を低下させ、また、磁性体セラ
ミック層6もガラス成分を含む場合には、磁性体セラミ
ック層6の電磁気特性をも低下させるからである。
【0043】上述したガラス成分は、5〜60モル%、
より好ましくは9〜49モル%のSiO2 と、0.5〜
70モル%、より好ましくは9〜29モル%のBi2
3 と、50モル%以下のCuOと、50モル%以下のT
iO2 と、1〜15モル%のアルカリ金属酸化物と、2
0〜70モル%のアルカリ土類金属酸化物とを含むガラ
スを主成分とするものが好ましい。
【0044】ガラス成分において含まれるCuOやTi
2 やアルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物
は、ガラス成分の反応性、結晶溶融温度および粘度等を
制御し、後述する焼成工程の結果、このようなガラス成
分が良好な接合性を与えるようにするためにそれぞれ適
量添加されるものである。
【0045】次に、生の積層体4aは、焼成される。
【0046】この焼成工程において、少なくとも誘電体
セラミックグリーン層5aに含まれるガラス成分は、焼
結助剤としてまず作用する。
【0047】また、誘電体セラミックグリーン層5a
は、磁性体セラミックグリーン層6aに比べて、焼結開
始温度が6℃以上かつ20℃以下の範囲でより高くなる
ようにガラス成分を含む材料組成とされているので、焼
成工程において、焼結開始温度がより低い磁性体セラミ
ックグリーン層6aが先に焼結を開始し、この焼結があ
る程度進行してから、焼結開始温度のより高い誘電体セ
ラミックグリーン層5aの焼結が始まる。
【0048】このとき、誘電体セラミックグリーン層5
aに含まれているガラス成分は、誘電体セラミックグリ
ーン層5aから磁性体セラミックグリーン層6aへと拡
散しようとする挙動を示す。しかしながら、磁性体セラ
ミックグリーン層6aでは先に焼結を始めており、セラ
ミック粒子間のネック成長がある程度進んでいるので、
ここへのガラス成分の拡散を抑制してしまう。その結
果、上述のように拡散しようとしたガラス成分は、その
多くが磁性体セラミックグリーン層6aと誘電体セラミ
ックグリーン層5aとの間の界面に留まる。
【0049】その結果、このガラス成分は、生の積層体
4aの焼成によって得られた、図1および図2に示した
LC複合部品1のための積層体4において、誘電体セラ
ミック層5と磁性体セラミック層6との間で接合材とし
て作用する接合部10を構成する。
【0050】また、焼成工程において、ガラス成分の一
部は、誘電体セラミックグリーン層5a側および磁性体
セラミックグリーン層6a側に拡散し、上述した接合部
10とともに、誘電体セラミック層5と磁性体セラミッ
ク層6との間での良好な接合性を与えるように作用す
る。
【0051】このようにして、ガラス成分によって与え
られた接合部10は、互いに異なる材料組成を有し、そ
のため焼成時の収縮率が互いに異なる誘電体セラミック
層5と磁性体セラミック層6との間であっても強固な接
合状態を実現し、また、相互拡散による電磁気特性の変
動を小さくすることができる。また、接合部10による
接合は、固相反応による接合と比較して、接合面にかか
る応力を著しく低減することができる。
【0052】誘電体セラミック層5は、{(Ba1-x
x )O}m (Ti1-y Zry )O 2 (ただし、0.0
2≦x≦0.22、0.05≦y≦0.20、1.00
≦m≦1.05)の組成を有する誘電体セラミック成分
を含むことが好ましい。
【0053】このような誘電体セラミック成分の組成と
することによって、誘電体セラミック層5を構成する誘
電体の比誘電率が250以上となり、誘電損失が1%以
下とすることができる。
【0054】また、磁性体セラミック層6は、45〜5
0モル%のFe2 3 と、10〜40モル%のNiO
と、1〜35モル%のZnOと、5〜15モル%のCu
Oとを含有する、Ni−Zn−Cuフェライトからなる
ものであることが好ましい。
【0055】このような組成にすることによって、磁性
体セラミック層6を構成する磁性体の初透磁率が15〜
900になり、10MHz〜500MHzの周波数範囲
での使用に対応できるようになる。
【0056】以上のようにして、生の積層体4aが焼成
されることによって、焼結後の積層体4が得られた後、
積層体4の外表面上に外部電極9を形成することによっ
て、LC複合部品1が完成される。
【0057】以上、この発明を図示した実施形態に関連
して説明したが、この発明の範囲内において、種々の変
形例が可能である。
【0058】たとえば、図示した積層セラミック電子部
品は、LC複合部品であったが、他の機能を有する複合
部品に対しても、あるいは、複合部品以外の積層セラミ
ック電子部品に対しても、この発明を適用することがで
きる。
【0059】以下に、この発明またはこの発明の好まし
い実施態様の効果を確認するために実施した実験例につ
いて説明する。
【0060】
【実験例】この実験例において、図3に示すような生の
積層体4aを作製し、これを焼成することによって、図
1および図2に示すような焼結後の積層体4を得て、そ
の後、外部電極9を形成することによって、LC複合部
品1を作製した。
【0061】誘電体セラミックグリーン層5aに含まれ
る誘電体セラミック材料として、(Ba,Ca)TiO
3 系誘電体セラミック粉末に、表1の「誘電体材料」の
欄に示した「ガラス組成」を有するガラス成分を「ガラ
ス配合量」に示した配合量をもって添加したものを用意
した。表1には、これらの誘電体セラミック材料の焼結
開始温度も示されている。
【0062】なお、表1の「ガラス組成」の欄にある
「Ra2 O」および「ReO」における「Ra」および
「Re」は、それぞれ、アルカリ金属およびアルカリ土
類金属を示すものである。したがって、「Ra」は、L
i、NaおよびKのいずれかであり、「Re」は、M
g、Ca、SrおよびBaのいずれかである。アルカリ
金属として、Li、NaおよびKのいずれを用いても、
あるいは、アルカリ土類金属として、Mg、Ca、Sr
およびBaのいずれを用いても、互いに同様の結果を示
すことが確認されているので、表1に示した「Ra
2 O」は、Li2 O単独、Na2 O単独、K2 O単独、
またはLi2 O、Na2 OおよびK2 Oの少なくとも2
つの合計であると理解すればよく、「ReO」は、Mg
O単独、CaO単独、SrO単独、BaO単独、または
MgO、CaO、SrOおよびBaOのうちの少なくと
も2つの合計であると理解すればよい。
【0063】他方、磁性体セラミックグリーン層6aに
含まれる磁性体セラミック材料として、Ni−Zn−C
uフェライトを用意した。表1には、この磁性体セラミ
ック材料の焼結開始温度が示されている。
【0064】また、表1には、焼結開始温度の差も示さ
れている。ここに示した焼結開始温度の差は、誘電体セ
ラミック材料の焼結開始温度から磁性体セラミック材料
の焼結開始温度を引いた値である。
【0065】
【表1】
【0066】表1において、試料番号に*を付したもの
は、この発明の範囲外の比較例に相当するものである。
【0067】次に、これら誘電体セラミック材料および
磁性体セラミック材料のそれぞれについて、適当量のバ
インダ、可塑剤、分散剤および溶剤を加えて混合し、ス
ラリーを得た。
【0068】次に、これら誘電体セラミックスラリーお
よび磁性体セラミックスラリーのそれぞれについて、ド
クターブレード法を適用して、厚さ10μm以下の誘電
体セラミックグリーンシートおよび磁性体セラミックグ
リーンシートをそれぞれ得た。
【0069】次に、銀を導電成分として含む導電性ペー
ストを用いて、誘電体セラミックグリーンシートにはコ
ンデンサ電極7を印刷により形成し、磁性体セラミック
グリーンシートには、コイル導体8を印刷により形成し
た。
【0070】次に、複数の誘電体セラミックグリーンシ
ートと複数の磁性体セラミックグリーンシートとを積層
し、圧着することによって、図3に示すような複数の誘
電体セラミックグリーン層5aと複数の磁性体セラミッ
クグリーン層6aとを備える生の積層体4aを得た。こ
のとき、生の積層体4aの厚さを1mmとし、複数の誘
電体セラミックグリーン層5aが与えるコンデンサ部分
2の厚みと複数の磁性体セラミックグリーン層6aが与
えるインダクタ部分3の厚みとを互いに同等とした。
【0071】次に、生の積層体4aを、所定の寸法とな
るように切断した後、900℃で2時間焼成して、図1
および図2に示すような焼結後の積層体4を得た。
【0072】次に、この積層体4の外表面上であって、
コンデンサ電極7またはコイル導体8が露出している部
分上に、銀粉末にガラスフリットと有機ビヒクルとを加
えて分散させた導電性ペーストを塗布し、800℃で3
0分間焼き付けることによって、外部電極9を形成し
た。
【0073】次に、このようにして得られたLC複合部
品1の各々について、表2に示すように、接合性、電磁
気特性および拡散距離を評価した。
【0074】接合性については、接合部10を中心とし
て積層体4を折り曲げるような力を加え、抗折強度を求
めた。
【0075】また、電磁気特性については、静電容量、
誘電損失、絶縁抵抗およびインダクタンスを測定した。
【0076】また、拡散距離については、WDX分析法
(Wavelength Dispersive X-ray Spectrometry; 波長分
散型X線分析法)によって、誘電体セラミック層5側と
磁性体セラミック層6側の各々について相互拡散の程度
を求めた。WDX分析は、接合部10に垂直な切断面に
ついて行ない、拡散距離は、接合部10から誘電体セラ
ミック層5および磁性体セラミック層6の各々への拡散
分のカウント数が分析装置の精度の誤差範囲に入る点ま
でとし、各々複数の拡散成分のうち、最も拡散距離が大
きいものについての値を採用した。
【0077】
【表2】
【0078】この発明の範囲内にある試料2〜4および
6〜8によれば、誘電体セラミック層5と磁性体セラミ
ック層6との間の抗折強度が0.48MPa以上と高
く、かつ、接合部10で生じる相互拡散を十分に制御で
きる。なお、接合性の評価において、この発明の範囲内
にある試料2〜4および6〜8によれば、接合部10で
は良好な接合状態を維持しながら、インダクタ部分3の
部分で破壊が生じる、といった破壊モードを示した。
【0079】また、この発明の範囲内にある試料2〜4
および6〜8によれば、優れた電磁気特性を示してい
る。
【0080】これに対して、この発明の範囲外にある試
料1および10では、それぞれ、0.49MPaおよび
0.48MPaというように比較的高い抗折強度が得ら
れているものの、電磁気特性のいずれかにおいて、この
発明の範囲内にある試料2〜4および6〜8より劣って
いる。これは、誘電体セラミックグリーン層5aと磁性
体セラミックグリーン層6aとの間で焼結開始温度の差
が大きすぎたため、ガラス成分による接合部10の形成
には十分であったが、ガラス成分の過度の流動/拡散が
電磁気特性のいずれかに影響を及ぼしたことが原因であ
ると考えられる。
【0081】また、この発明の範囲外にある試料5およ
び9では、接合性が劣るとともに、電磁気特性のいずれ
かが劣っている。これは、誘電体セラミックグリーン層
5aと磁性体セラミックグリーン層6aとの間で焼結開
始温度の差が小さすぎたため、ガラス成分による接合部
10を十分に形成することができず、また、誘電体セラ
ミックグリーン層5aおよび磁性体セラミックグリーン
層6aの各々の構成成分の流動/拡散が比較的多く生
じ、そのため、電磁気特性のいずれかに影響を及ぼした
ことが原因であると考えられる。
【0082】なお、ガラス成分の含有量は、10〜50
重量%に選ばれることが好ましい。この点に関して、試
料1では、ガラス成分の含有量が10重量%未満の9重
量%であるので、ガラス成分の焼結助剤としての作用が
低下し、ガラス成分の含有量が10〜50重量%の範囲
内にある試料2〜4、7および8に比べて、抗折強度が
低くなっている。他方、試料5および6では、ガラス成
分の含有量が50重量%を超える51重量%となってい
るので、ガラス成分の含有量が10〜50重量%の範囲
内にある試料2〜4、7および8に比べて、電磁気特性
が低下している。
【0083】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、焼成
されるべき生の積層体における互いに異なる材料組成を
有する第1および第2のセラミックグリーン層のうち、
第1のセラミックグリーン層が、第2のセラミックグリ
ーン層に比べて、焼成工程における収縮開始温度が6℃
以上かつ20℃以下の範囲でより高くなる材料組成とさ
れているので、焼成工程において、第2のセラミックグ
リーン層が先に焼結を開始し、この焼結がある程度進行
してから、第1のセラミックグリーン層の焼結が始まる
ようにすることができる。
【0084】したがって、焼結開始温度がより高い第1
のセラミックグリーン層に含まれる成分の一部は、焼結
開始温度がより低い第2のセラミックグリーン層へ拡散
することになるが、焼結開始温度がより低い第2のセラ
ミックグリーン層では先に焼結を始めており、セラミッ
ク粒子間のネック成長がある程度進んでいるので、この
ような成分の第2のセラミックグリーン層内への拡散を
抑制することになり、第2のセラミックグリーン層内へ
拡散できない成分は、第1のセラミックグリーン層と第
2のセラミックグリーン層との間の界面に多く留まり、
これを接合材として作用させることができる。
【0085】このことから、第1のセラミックグリーン
層と第2のセラミックグリーン層との間に中間層を介在
させずに良好な接合部を形成することができ、また、第
1および第2のセラミックグリーン層に含まれる構成成
分の流動および/または拡散による特性変動を抑制する
ことができる。
【0086】したがって、第1および第2のセラミック
グリーン層のそれぞれに与えられる組成の選択の幅を広
げることができ、たとえば、LC複合部品を得る場合に
は、誘電体セラミック材料および磁性体セラミック材料
の各々についての選択の幅が広がり、LC複合部品が与
える特性の多様化を容易に図ることができる。
【0087】この発明において、少なくとも第1のセラ
ミックグリーン層が、ガラス成分とセラミック成分とを
混合したガラスセラミック組成物を含む場合には、前述
した焼成工程において第2のセラミックグリーン層へと
拡散しようとする第1のセラミックグリーン層の成分の
一部は、このガラス成分によって与えられ、このガラス
成分が確実に接合材として作用するので、信頼性の高い
接合部を実現することができる。
【0088】上述のガラス成分が、ガラスセラミック組
成物100重量部に対して、10〜50重量部含有する
ようにされると、ガラス成分をセラミック材料の焼結助
剤として確実に作用させることができるとともに、得ら
れた積層セラミック電子部品の電磁気特性に悪影響を及
ぼすことを確実に防止することができる。
【0089】この発明において、第1のセラミックグリ
ーン層が、第2のセラミックグリーン層に比べて、ガラ
ス成分をより多く含むようにされると、前述したような
焼結開始温度の差を容易に得ることができる。
【0090】少なくとも第1のセラミックグリーン層が
ガラス成分を含む場合、このガラス成分が、5〜60モ
ル%のSiO2 と、0.5〜70モル%のBi2
3 と、50モル%以下のCuOと、50モル%以下のT
iO2 と、1〜15モル%のアルカリ金属酸化物と、2
0〜70モル%のアルカリ土類金属酸化物とを含むガラ
スを主成分とするものであるとき、CuOやTiO2
アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物の添加量
を制御することによって、良好な接合性を与え得る、ガ
ラス成分の反応性、結晶溶融温度および粘度等を容易に
制御することが可能となる。
【0091】生の積層体において、第1のセラミックグ
リーン層にはコンデンサ電極が形成され、第2のセラミ
ックグリーン層にはコイル導体が形成されていて、焼成
工程によって、第1のセラミックグリーン層が誘電体セ
ラミック層となり、第2のセラミックグリーン層が磁性
体セラミック層となるものであるとき、この発明を適用
することによって、LC複合部品を得ることができる。
【0092】このようなLC複合部品において、誘電体
セラミック層が、{(Ba1-x Ca x )O}m (Ti
1-y Zry )O2 (ただし、0.02≦x≦0.22、
0.05≦y≦0.20、1.00≦m≦1.05)の
組成を有する誘電体セラミック成分を含むようにすれ
ば、得られたLC複合部品におけるコンデンサ部分での
誘電体の比誘電率を250以上とし、誘電損失を1%以
下とすることができる。
【0093】また、LC複合部品において、磁性体セラ
ミック層が、45〜50モル%のFe2 3 と、10〜
40モル%のNiOと、1〜35モル%のZnOと、5
〜15モル%のCuOとを含有する磁性体セラミック成
分を含むようにすれば、得られたLC複合部品における
インダクタ部分に備える磁性体の初透磁率を15〜90
0にすることができ、10MHz〜500MHzの周波
数範囲での使用に対応することが可能となる。
【0094】また、LC複合部品において、コンデンサ
電極およびコイル導体が、金、銀および銅から選ばれた
少なくとも1種を含むようにすれば、これらコンデンサ
電極およびコイル導体の電気抵抗を小さくすることがで
き、高周波特性に優れたLC複合部品とすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による積層セラミック電
子部品としてのLC複合部品1の外観を示す斜視図であ
る。
【図2】図1に示したLC複合部品1の内部構造を示す
断面図である。
【図3】図1および図2に示したLC複合部品1に備え
る積層体4を得るために用意される生の積層体4aの内
部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 LC複合部品(積層セラミック電子部品) 4 積層体 5 誘電体セラミック層 6 磁性体セラミック層 7 コンデンサ電極 8 コイル導体 10 接合部 4a 生の積層体 5a 誘電体セラミックグリーン層 6a 磁性体セラミックグリーン層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 27/00 H01G 4/40 321A 5E070 41/04 H01F 15/00 D 5E082 H01G 4/12 358 C04B 35/00 H Fターム(参考) 4F100 AA17A AA17B AA18A AA21A AA23B AA24B AA25B AD00A AD00B AG00A BA02 BA07 GB41 JA20A JG05A JG06B JJ10A JL02 JL03 JL11 YY00A 4G018 AA01 AA23 AA24 AA25 AC06 AC12 AC16 4G030 AA01 AA05 AA08 AA10 AA16 AA17 AA27 AA29 AA31 AA32 AA37 AA43 BA01 BA09 CA03 CA08 GA19 GA23 5E001 AB03 AH01 AH07 AJ01 AJ02 5E062 DD04 5E070 AA05 AB02 BA12 CB02 CB13 5E082 AA01 AB03 DD07 EE23 FF05 FG26 FG46

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに異なる材料組成を有する少なくと
    も第1および第2のセラミックグリーン層を、前記第1
    および第2のセラミックグリーン層が互いに直接接した
    状態で、積層した積層構造を有する生の積層体を作製す
    る積層体作製工程と、 前記生の積層体を焼成する焼成工程とを備える、積層セ
    ラミック電子部品の製造方法であって、 前記第1のセラミックグリーン層は、前記第2のセラミ
    ックグリーン層に比べて、前記焼成工程における焼結開
    始温度が6℃以上かつ20℃以下の範囲でより高くなる
    材料組成とされる、積層セラミック電子部品の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記第1のセラミックグリー
    ン層は、ガラス成分とセラミック成分とを混合したガラ
    スセラミック組成物を含む、請求項1に記載の積層セラ
    ミック電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ガラス成分は、前記ガラスセラミッ
    ク組成物100重量部に対して、10〜50重量部含有
    する、請求項2に記載の積層セラミック電子部品の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記第1のセラミックグリーン層は、前
    記第2のセラミックグリーン層に比べて、ガラス成分を
    より多く含む、請求項2または3に記載の積層セラミッ
    ク電子部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ガラス成分は、 5〜60モル%のSiO2 と、 0.5〜70モル%のBi2 3 と、 50モル%以下のCuOと、 50モル%以下のTiO2 と、 1〜15モル%のアルカリ金属酸化物と、 20〜70モル%のアルカリ土類金属酸化物とを含むガ
    ラスを主成分とする、請求項2ないし4のいずれかに記
    載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記生の積層体において、前記第1のセ
    ラミックグリーン層にはコンデンサ電極が形成され、前
    記第2のセラミックグリーン層にはコイル導体が形成さ
    れていて、前記焼成工程によって、前記第1のセラミッ
    クグリーン層は誘電体セラミック層となるものであり、
    前記第2のセラミックグリーン層は磁性体セラミック層
    となるものである、請求項1ないし5のいずれかに記載
    の積層セラミック電子部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記誘電体セラミック層は、{(Ba
    1-x Cax )O}m (Ti1-y Zry )O2 (ただし、
    0.02≦x≦0.22、0.05≦y≦0.20、
    1.00≦m≦1.05)の組成を有する誘電体セラミ
    ック成分を含む、請求項6に記載の積層セラミック電子
    部品の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記磁性体セラミック層は、 45〜50モル%のFe2 3 と、 10〜40モル%のNiOと、 1〜35モル%のZnOと、 5〜15モル%のCuOとを含有する磁性体セラミック
    成分を含む、請求項6または7に記載の積層セラミック
    電子部品の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記コンデンサ電極および前記コイル導
    体は、金、銀および銅から選ばれた少なくとも1種を含
    む、請求項6ないし8のいずれかに記載の積層セラミッ
    ク電子部品の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかに記載の
    製造方法によって得られた積層セラミック電子部品であ
    って、前記第1および第2のセラミックグリーン層によ
    ってそれぞれ与えられた第1および第2のセラミック層
    が、前記第1のセラミックグリーン層に含まれる成分の
    一部によって与えられた接合部を介して互いに接合され
    ている、積層セラミック電子部品。
  11. 【請求項11】 請求項2ないし9のいずれかに記載の
    製造方法によって得られた積層セラミック電子部品であ
    って、前記第1および第2のセラミックグリーン層によ
    ってそれぞれ与えられた第1および第2のセラミック層
    が、前記ガラス成分によって与えられた接合部を介して
    互いに接合されている、積層セラミック電子部品。
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