JPH1017769A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH1017769A
JPH1017769A JP17328996A JP17328996A JPH1017769A JP H1017769 A JPH1017769 A JP H1017769A JP 17328996 A JP17328996 A JP 17328996A JP 17328996 A JP17328996 A JP 17328996A JP H1017769 A JPH1017769 A JP H1017769A
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Atsushi Shibuya
篤 渋谷
Tomomi Yoshimura
知美 吉村
Yoshihiro Sakata
佳広 坂田
Wataru Yamashita
渉 山下
Hideaki Oikawa
英明 及川
Masahiro Ota
正博 太田
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 一般式(1): で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有し、対
数粘度が0.10dl/g以上3.0dl/g以下であ
るポリイミド50〜99重量部に対して、一般式
(2): で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有し、対
数粘度が0.01dl/g以上3.0dl/g以下であ
るポリイミド50〜1重量部を含有してなることを特徴
とする樹脂組成物。 【効果】 この樹脂組成物は、優れた耐熱性、機械物性
に加え、きわめて優れた成形加工性・接着性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加工性・接着性・耐
熱性に優れる樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドはその高耐熱性に加え、力学
的強度、寸法安定性が優れ、難燃性、電気絶縁性などを
併せ持つ。そのため従来から、電気・電子機器、宇宙航
空用機器、輸送機器等の分野で使用されており、また今
後も耐熱性が要求される様々な分野に広く用いられるこ
とが期待される。このため、種々の優れた特性を示すポ
リイミドが開発されてきた。
【0003】しかし、従来のポリイミドではその性能に
それぞれ一長一短があり、あるものは耐熱性に優れる一
方で加工性に乏しかったり、またあるものは加工性向上
を主目的として開発されたため、耐熱性、耐溶剤性など
に劣っていたりする、というのが現状である。
【0004】例えば、J.Polym.Sci.Mac
romol.Rev.,11,161(1976)に記
載されている、式(7)(化9):
【0005】
【化9】 で表される基本骨格からなるポリイミド(デュポン社
製,商品名Kapton,Vespel)は明瞭なガラ
ス転移温度を有さず、耐熱性に優れた樹脂ではあるが、
成形材料として用いる場合には加工が難しく、焼結成形
などの手法を用いる必要がある。また、寸法安定性や絶
縁性、はんだ耐熱性等を左右する吸水性も高く、電気・
電子部品材料として用いる上で問題となることが考えら
れる。そこで、本出願人らは特開昭62−205124
号公報において、式(8)(化10):
【0006】
【化10】 で表される繰り返し構造単位を有するポリイミドを開発
した。このポリイミドはガラス転移温度(以下Tg と表
記する)が260℃、結晶化温度が310〜340℃、
結晶融解温度が367〜385℃と、耐熱性に優れるに
もかかわらず溶融成形可能で、耐薬品性、耐溶剤性にも
優れた樹脂である。しかしながらこの樹脂は、接着性に
ついてはこの方法によっては解決不可能である。また接
着力については例えばProceedings, Symposium on Poly
mers for Electronics, Totyo (1988)でC.J.Leeによっ
て述べられているように、一般式(9)(化11):
【0007】
【化11】 で表されるポリシロキサン単位を共重合させることによ
り改善されることが明かとなっているが、成形加工性に
ついてはこの方法によっては解決不可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題はポリイ
ミド樹脂においてその良好な耐熱性を損なうことなく良
好な接着性・成形加工性を両立させることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の目的
を達成するために鋭意検討した結果、ある特定構造を持
つポリイミドと、特定構造を持つシロキサン結合を含む
ポリイミドとを特定の混合比で混合することによって、
良好な耐熱性を損なうことなく良好な接着性・成形加工
性を両立させることができることを見いだし、本発明を
完成した。すなわち本発明は次に示す(項1)〜(項1
0)の10項目による。 (項1) 一般式(1)(化12):
【0010】
【化12】 で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有し、対
数粘度が0.10dl/g以上3.0dl/g以下であ
るポリイミド50〜99重量部に対して、一般式(2)
(化13):
【0011】
【化13】 で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有し、対
数粘度が0.01dl/g以上3.0dl/g以下であ
るポリイミド50〜1重量部を含有してなることを特徴
とする樹脂組成物。 (項2)項1記載の樹脂組成物からなる接着用フィル
ム。 (項3)項1記載の樹脂組成物が有機溶媒中に溶解また
は分散してなることを特徴とする接着剤。 (項4)項1記載の一般式(1)で表されるポリイミド
および/または項1記載の一般式(2)で表されるポリ
イミドを重合する際に、一般式(3)(化14):
【0012】
【化14】 (式中、R5 は炭素数6〜15であり、単環式芳香族
基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員
により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる
群より選ばれた1価の基を表す)で表されるジカルボン
酸無水物および/または一般式(4)(化15):
【0013】
【化15】 (式中、R6 は炭素数6〜15であり、単環式芳香族
基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員
により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる
群より選ばれた1価の基を表す)で表されるモノアミン
をジアミン1モルに対して合計0.001モル以上1.
00モル以下の範囲内で共存させて得られるポリイミド
を用いて得られることを特徴とする項1記載の樹脂組成
物。 (項5) 一般式(5)(化16):
【0014】
【化16】 で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有し、対
数粘度が0.10dl/g以上3.0dl/g以下であ
るポリイミド50〜99重量部に対して、一般式(6)
(化17):
【0015】
【化17】 で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有し、対
数粘度が0.01dl/g以上3.0dl/g以下であ
るポリイミド50〜1重量部を含有してなることを特徴
とする樹脂組成物。 (項6)項5記載の一般式(5)で表されるポリアミド
酸および/または項3記載の一般式(6)で表されるポ
リアミド酸を重合する際に、一般式(3)(化18):
【0016】
【化18】 (式中、R5 は炭素数6〜15であり、単環式芳香族
基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員
により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる
群より選ばれた1価の基を表す)で表されるジカルボン
酸無水物および/または一般式(4)(化19):
【0017】
【化19】 (式中、R6 は炭素数6〜15であり、単環式芳香族
基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員
により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる
群より選ばれた1価の基を表す)で表されるモノアミン
をジアミン1モルに対して合計0.001モル以上1.
00モル以下の範囲内で共存させて得られるポリアミド
酸を用いて得られることを特徴とする項5記載の樹脂組
成物。 (項7)項5記載の樹脂組成物が有機溶媒中に溶解また
は分散してなることを特徴とする接着剤。 (項8)項5記載の樹脂組成物を熱的或いは化学的にイ
ミド化してなることを特徴とするポリイミド。 (項9)項8記載のポリイミドからなる接着用フィル
ム。 (項10)項8記載のポリイミドが有機溶媒中に溶解ま
たは分散してなることを特徴とする接着剤。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂樹脂組成物に含まれ
る前記一般式(1)を繰り返し構造単位として有するポ
リイミド及び前記一般式(2)を繰り返し構造単位とし
て有するポリイミドはほぼ同じ方法で製造することがで
きる。また、前記一般式(5)を繰り返し構造単位とし
て有するポリアミド酸及び前記一般式(6)を繰り返し
構造単位として有するポリアミド酸はそれぞれ前記一般
式(1)を繰り返し構造単位として有するポリイミド及
び前記一般式(2)を繰り返し構造単位として有するポ
リイミドを製造する際、熱的または化学的イミド化を行
う前の状態に相当し、言い替えれば前記一般式(1)を
繰り返し構造単位として有するポリイミド及び前記一般
式(2)を繰り返し構造単位として有するポリイミドは
前記一般式(5)を繰り返し構造単位として有するポリ
アミド酸及び前記一般式(6)を繰り返し構造単位とし
て有するポリアミド酸を熱的または化学的イミド化する
ことによって得られる。これらのポリイミドまたはポリ
アミド酸を製造するには、ジアミン成分であり、一般式
(10)(化20)
【0019】
【化20】 で表されるジアミンまたは一般式(11)(化21)
【0020】
【化21】 で表されるジアミンと、一般式(12)(化22)
【0021】
【化22】 で表されるテトラカルボン酸二無水物を、製造するポリ
イミドまたはポリアミド酸の構造に応じて適当に選択す
る必要がある。
【0022】前記一般式(10)で表されるジアミンと
前記一般式(12)で表されるテトラカルボン酸二無水
物から前記一般式(5)で表されるポリアミド酸が得ら
れ、これを熱的或いは化学的にイミド化することにより
前記一般式(1)のポリイミドが得られる。同様に、前
記一般式(11)で表されるジアミンと前記一般式(1
2)で表されるテトラカルボン酸二無水物から前記一般
式(6)で表されるポリアミド酸が得られ、これを熱的
或いは化学的にイミド化することにより前記一般式
(2)のポリイミドが得られる。この際用いられる一般
式(10)で表されるジアミンとしては例えば一般式
(13) H2 N−R−NH2 (13) において、式中−R−が
【0023】
【化23】 であるものが用いられる。これらのジアミンは単独また
は必要に応じて2種以上混合して用いることができる。
また、前記一般式(12)で表されるテトラカルボン酸
二無水物としては、たとえば、
【0024】
【化24】 が挙げられる。
【0025】これらのモノマーからポリアミド酸を得る
には、有機溶剤中で反応させることにより容易に製造す
ることができる。
【0026】また、ポリイミドの製造方法としては、こ
れらのモノマーを所定量混合し、加熱溶融することによ
り製造することも可能ではあるが、有機溶剤中で反応を
行うのが特に好ましい。これらの反応の際用いられる有
機溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチル
アセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、
1,2−ジメトキシエタン−ビス(2−メトキシエチ
ル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)
エタン、ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]
エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、
1,4−ジオキサン、キシレン、ピリジン、ピコリン、
ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチ
ル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、フェノール、o
−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、m−
クレゾール酸、p−クロロフェノール、アニソール等が
挙げられる。また、これらの有機溶剤は単独でも、また
2種以上混合して用いても差し支えない。
【0027】本発明においても、通常ポリイミドを合成
する際に使用する有機塩基触媒を共存させても、なんら
問題ない。有機塩基触媒としては、トリエチルアミン、
トリブチルアミン、トリペンチルアミン、N,N−ジメ
チルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、
α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2,4−
ルチジン、2,6−ルチジン、キノリン、イソキノリン
等が挙げられるが、好ましくはピリジン、γ−ピコリン
等である。
【0028】該ポリイミドを製造する際、有機溶剤中で
反応を行うには公知のいずれの方法によっても可能であ
る。すなわち、 1)有機溶剤中で各モノマーを混合しポリアミド酸を合
成し、溶剤を減圧蒸留等の手法を用いて低温下に除去す
るか、得られたポリアミド酸溶液を貧溶媒に排出する方
法によりポリアミド酸を単離した後、これを加熱してイ
ミド化を行いポリイミドを得る方法。 2)1)と同様にしてポリアミド酸溶液を調製した後、
無水酢酸に代表される脱水剤を加え、また必要に応じて
触媒を加えて化学的にイミド化を行った後、公知の方法
によりポリイミドを単離し必要に応じて洗浄、乾燥を行
う方法。 3)1)と同様にしてポリアミド酸溶液を得た後、減圧
もしくは加熱処理により溶剤を除去すると同時に熱的に
イミド化を行う方法。 4)有機溶剤中に原料を装入後、加熱しポリアミド酸の
合成とイミド化反応を同時に行い、必要に応じて触媒や
共沸剤、脱水剤を共存させる方法。などが挙げられる。
【0029】また、該ポリイミドを重合する際に、熱安
定性向上を目的として、前記一般式一般式(3)(化2
5):
【0030】
【化25】 (式中、R5 は炭素数6〜15であり、単環式芳香族
基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員
により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる
群より選ばれた1価の基を表す)で表されるジカルボン
酸無水物および/または一般式(4)(化26):
【0031】
【化26】 (式中、R6 は炭素数6〜15であり、単環式芳香族
基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員
により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる
群より選ばれた1価の基を表す)で表されるモノアミン
をジアミン1モルに対して合計0.001モル以上1.
00モル以下の範囲内で共存させて、ポリイミド分子末
端を封止したものを含むポリイミドとすることができ
る。
【0032】一般式(3)で表されるジカルボン酸無水
物および/または一般式(4)で表されるモノアミンを
共存させる方法としては、 (イ)テトラカルボン酸二無水物と、ジアミンを反応さ
せた後にジカルボン酸無水物あるいはモノアミンを添加
して反応を続ける方法。 (ロ)ジアミンにジカルボン酸無水物を加えて反応させ
た後テトラカルボン酸二無水物を添加して反応を続け
る、あるいは、テトラカルボン酸二無水物にモノアミン
を加えて反応させた後ジアミンを添加して反応を続ける
方法。 (ハ)テトラカルボン酸二無水物、ジアミンおよびジカ
ルボン酸無水物あるいはモノアミンを同時に添加して反
応をさせる方法。など、いずれの方法を用いても全く問
題ない。
【0033】この際用いられる前記一般式(3)で表さ
れるジカルボン酸無水物としては、例えば、無水フタル
酸、2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,
4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3−ジカ
ルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、3,4−ジ
カルボキシフェニルフェニルエーテル酸無水物、2,3
−ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4−ビフェニル
ジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフ
ェニルスルホン無水物、3,4−ジカルボキシフェニル
フェニルスルホン無水物、2,3−ジカルボキシフェニ
ルフェニルスルフィド無水物、3,4−ジカルボキシフ
ェニルフェニルスルフィド無水物、1,2−ナフタレン
ジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸
無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,
2−アントラセンジカルボン酸無水物、2,3−アント
ラセンジカルボン酸無水物、1,9−アントラセンジカ
ルボン酸無水物等が挙げられる。これらの芳香族ジカル
ボン酸無水物の中では無水フタル酸が得られる樹脂の性
能面および実用面から、最も好ましい。
【0034】また、モノアミンを使用する場合、モノア
ミンとしては、例えばアニリン、o−トルイジン、m−
トルイジン、p−トルイジン、2,3−キシリジン、
2,6−キシリジン、3,4−キシリジン、3,5−キ
シリジン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、
p−クロロアニリン、o−2ブモアニリン、m−ブロモ
アニリン、p−ブロモアニリン、o−ニトロアニリン、
m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、o−アミノ
フェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノ
ール、o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジ
ン、o−フエネチジン、m−フエネチジン、p−フエネ
チジン、o−アミノベンツアルデヒド、m−アミノベン
ツアルデヒド、p−アミノベンツアルデヒド、o−アミ
ノベンゾニトリル、m−アミノベンゾニトリル、p−ア
ミノベンゾニトリル、2−アミノビフェニル、3−アミ
ノビフェニル、4−アミノビフェニル、2−アミノフェ
ニルフェニルエーテル、3−アミノフェニルフェニルエ
ーテル、4−アミノフェニルフェニルエーテル、2−ア
ミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾフェノン、4−
アミノベンゾフェノン、2−アミノフェニルフェニルス
ルフィド、3−アミノフェニルフェニルスルフィド、4
−アミノフェニルフェニルスルフィド、2−アミノフェ
ニルフェニルスルホン、3−アミノフェニルフェニルス
ルホン、4−アミノフェニルフェニルスルホン、α−ナ
フチルアミン、β−ナフチルアミン、1−アミノ−2−
ナフトール、2−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ
−1−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、5−
アミノ−2−ナフトール、7−アミノ−2−ナフトー
ル、8−アミノ−1−ナフトール、8−アミノ−2−ナ
フトール、1−アミノアントラセン、2−アミノアント
ラセン、9−アミノアントラセン等が挙げられる。
【0035】一般式(3)で表されるジカルボン酸無水
物および/または一般式(4)で表されるモノアミンを
共存させる際の量はジアミン1モルに対して合計0.0
01モル以上1.00モル以下の範囲内である。この範
囲を逸脱して多く加えると耐熱性及び機械強度が不足
し、また、この範囲未満の量ではジカルボン酸無水物モ
ノアミンを共存させる目的である、熱酸化安定性の改良
効果が少ない。また、この範囲は好ましくは0.003
モル以上0.800モル以下であり、さらに好ましくは
0.005モル以上0.750モル以下である。本発明
の樹脂組成物に含まれるポリイミド及びポリアミド酸は
以上の方法で製造できる 本発明で用いられる前記一般式(1)で表される繰り返
し単位を基本骨格として有するポリイミドの対数粘度は
0.10dl/g以上3.0dl/g以下である。0.
10dl/g未満であると機械強度及び耐熱性が劣り、
3.0dl/gを越えると成形性が劣る。また、この範
囲は好ましくは0.15dl/g以上2.5dl/g以
下であり、もっとも好ましくは0.20dl/g以上
2.2dl/g以下である。
【0036】また、本発明で用いられる前記一般式
(2)で表される繰り返し単位を基本骨格として有する
ポリイミドの対数粘度は0.01dl/g以上、3.0
dl/g以下である。この範囲を逸脱すると前記ポリイ
ミドの場合と同様に好ましくない。また、この範囲は好
ましくは0.015dl/g以上、2.0dl/g以
下、もっと好ましくは0.02dl/g以上、1.5d
l/g以下である。
【0037】本発明は前記一般式(1)で表される繰り
返し構造単位を基本骨格として有するポリイミド50〜
99重量部に対して、前記一般式(2)で表される繰り
返し構造単位を基本骨格として有するポリイミド50〜
1重量部を含有してなることを特徴とする樹脂組成物ま
たはこの樹脂組成物からなる接着用フィルム、有機溶媒
中に溶解または分散してなることを特徴とする接着剤で
あり、また、これらのポリイミドの前駆体である前記一
般式(5)で表される繰り返し構造単位を基本骨格とし
て有するポリイミド及び前記一般式(6)で表される繰
り返し構造単位を基本骨格として有するポリイミド同様
の重量比で含有してなることを特徴とする樹脂組成物及
びこの樹脂組成物が有機溶媒中に溶解または分散してな
ることを特徴とする接着剤、熱的或いは化学的にイミド
化してなることを特徴とするポリイミド、このポリイミ
ドからなる接着用フィルム、このポリイミドが有機溶媒
中に溶解または分散してなることを特徴とする接着剤で
ある。
【0038】この際の重量比において前記一般式(2)
または前記一般式(6)の含有量が50重量部を越える
ものについては耐熱性が劣り、1重量部未満では接着性
の改善効果が不足する。
【0039】以上の製造法により本発明に用いられるポ
リイミドを重合する際、モノマーとして用いられるジア
ミン及び/またはテトラカルボン酸二無水物群の一部
を、本発明の方法の良好な諸物性を損なわない範囲で、
それぞれ他のジアミン、テトラカルボン酸二無水物に置
き換えることができる。
【0040】一部代替として用いられるジアミン化合物
としては、一般式(14): H2 N−R−NH2 (14) で表されるジアミンが用いられる。具体的には、 Rが脂肪族基である;エチレンジアミン、1,4−ジア
ミノブタン等、 Rが環式脂肪族基である;1,4−ジアミノシクロヘキ
サン等、 Rが単環式芳香族基である;m−フェニレンジアミン、
o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m
−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、
ジアミノトルエン等、 Rが縮合多環式芳香族基である;2,6−ジアミノナフ
タレン等、 Rが芳香族基を直接連結した非縮合環式芳香族基であ
る;4,4’−ジアミノビフェニル,4,3’−ジアミ
ノビフェニル等、 Rが芳香族基を架橋員により連結した非縮合環式芳香族
基である;3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、
3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジ
アミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェ
ニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフ
ィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,
3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−
ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノ
ジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニ
ルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、
4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジ
アミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェ
ノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−
ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェ
ニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビ
ス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、
1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,
3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プ
ロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル]ブタン、1,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタ
ン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミ
ノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,
2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチル
フェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)
−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)−3、5−ジメチルフ
ェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキ
サフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)
ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェ
ニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]
ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルフェド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル]エ−テル、ビス[4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼ
ン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベン
ゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフ
ェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−
(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,
4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベン
ゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,
3’−ジメチルビフェニル、4,4’−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)−3、5−ジメチルビフェニル、4,
4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’,5,
5’−テトラメチルビフェニル、4,4’−ビス(3−
アミノフェノキシ)−3,3’−ジクロロビフェニル、
4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3’,
5,5’−テトラクロロビフェニル、4,4’−ビス
(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジブロモビフェニ
ル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,
3’,5,5’−テトラブロモビフェニル、ビス[4−
(3−アミノフェノキシ)−3−メトキシフェニル]ス
ルフィド、[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]
[4−(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジメトキシ
フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノ
キシ)−3,5−ジメトキシフェニル]スルフィド、
1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−
アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス
[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−
ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4
−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、
1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α
−ジメチルベンジル]ベンゼン、ビス[4−(3−アミ
ノフェノキシ)フェニル]スルホン等 等が挙げられる。一部代替として用いられるテトラカル
ボン酸二無水物としては、一般式(15)(化27):
【0041】
【化27】 で表されるテトラカルボン酸二無水物が用いられる。
【0042】具体的には、 R'が脂肪族基である;ブタンテトラカルボン酸二無水
物等、 R'が環式脂肪族基である;シクロペンタンテトラカル
ボン酸二無水物、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無
水物等、 R' が単環式芳香族基である;1,2,3,4−ベンゼ
ンテトラカルボン酸二無水物等、 R' が縮合多環式芳香族基である;2,3,6,7−ナ
フタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−
ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6
−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2、3,
4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,
10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,
6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,
2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物
等、 R' が芳香族基を直接連結した非縮合環式芳香族基であ
る;3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物等、 R' が芳香族基を架橋員により連結した非縮合環式芳香
族基である;3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,
3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二
無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニ
ル)プロパン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフ
ェニル)エーテル二無水物、ビス(3、4−ジカルボキ
シフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカル
ボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(2,3
−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,
4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,1−
ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水
物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エ
タン二無水物、1,2−ビス(2,3−ジカルボキシフ
ェニル)エタン二無水物、1,2−ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)エタン二無水物、1,3−ビス
(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水
物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)
ベンゼン二無水物、1,4−ビス(2、3−ジカルボキ
シフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,
4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、2,
2’−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)
フェニル]プロパン二無水物、ビス[4−(3,4−ジ
カルボキシフェノキシ)]ビフェニル二無水物等 等が挙げられる。
【0043】本発明の樹脂組成物には、本発明の樹脂組
成物の良好な諸物性を損なわない範囲で、必要に応じて
添加物を加えることができる。例えば、熱可塑性樹脂と
しては、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルス
ルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ
エーテルイミド、変性ポリフェニレンオキシド等を主成
分とするもの、およびこれらの熱可塑性樹脂を2種類以
上共重合化させたものなどが挙げられる。
【0044】また、充填剤としては、フッ素樹脂、グラ
ファイト、カーボランダム、ケイ石粉、二硫化モリブデ
ン、等の耐摩耗性向上剤、炭素繊維、黒鉛、ガラス繊
維、カーボン繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、カー
ボンウィスカー、アスベスト、金属繊維、セラミック繊
維等の補強剤、三酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、
炭酸カルシウム等の難燃性向上剤、クレー、マイカ等の
電気的特性向上剤、アスベスト、シリカ、グラファイト
等の耐トラッキング向上剤、硫酸バリウム、シリカ、メ
タケイ酸カルシウム等の耐酸性向上剤、鉄粉、亜鉛粉、
アルミニウム粉、銅粉、他の金属粉等の熱伝導度向上
剤、各種結晶化速度促進剤または結晶化速度抑制剤、各
種相溶化促進剤、その他、ガラスビーズ、ガラス球、タ
ルク、ケイ藻土、アルミナ、シラスバルン、水和アルミ
ナ、金属酸化物、着色剤類等、等が挙げられる。上記添
加物は、必要に応じて何種類でも加えることができる。
【0045】また、本発明においてポリイミド及び(必
要に応じて)添加物等の諸原材料を混合する手段は特に
限定されるものではなく、原料を個別に溶融混合機に供
給する方法、あらかじめヘンシェルミキサー、ボールミ
キサー、リボンブレンダー等の汎用の混合機を用いる方
法等、いずれの方法をとってもよい。
【0046】本発明の樹脂組成物は加工性に優れる上
に、さまざまな相手材との接着性にも特に優れるもので
ある。このことから、回路基板などの製造時等の接着剤
として、特に有用である。接着方法は限定されるもので
はないが、例えば、次に挙げるa)〜c)などの方法で
実施することができる。 a) 本発明の方法により製造された樹脂組成物のパウ
ダーを接着面に均一に散布し、加熱・加圧して接着する
方法。 b) 本発明の方法により製造された樹脂組成物を溶剤
に溶解または懸濁させ、接着面に均一に塗布したのち、
加熱または減圧乾燥などの手段により溶剤を除去した後
に加熱・加圧して接着する、或いは、加熱・加圧して溶
剤を除去しながら同時に接着する方法。 c) 本発明の方法により製造された樹脂組成物を押し
出し等の方法によりフィルム化し、加熱・加圧して接着
する方法。
【0047】上記の各方法に記載の加熱・加圧の際の加
熱温度は100℃から420℃、好ましくは150℃〜
400℃である。また、接着圧力は限定されるものでは
ないが、0.1〜1000kg/cm2 の範囲が好まし
い。加熱・加圧の方法も限定はされないが、例えば熱プ
レス、熱ロール、ダブルベルトプレス、オートクレー
ブ、高周波による誘導加熱等の公知の方法が用いられ
る。また、加熱・加圧の後、150℃〜400℃の条件
でキュアすると、さらに強固に接着することができる。
【0048】上記のa)の方法に記載のパウダーの塗布
の方法としては、静電的に行うなどの方法が用いられ
る。
【0049】また、上記のb)の方法に記載の溶剤は限
定されるものではないが、溶解させて用いられる溶媒と
しては例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、N−メチ
ル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン、N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメト
キシエタン−ビス(2−メトキシエチル)エーテル、
1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス
[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]エーテル、テ
トラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオ
キサン、キシレン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスル
ホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘキ
サメチルホスホルアミド、フェノール、o−クレゾー
ル、m−クレゾール、p−クレゾール、m−クレゾール
酸、p−クロロフェノール、アニソール、等が挙げられ
る。また、懸濁させて用いられる溶剤としては上記の
他、水、アセトン、メタノール、エタノール、プロピル
アルコール、ベンゼン、トルエン等の一般的な溶剤が用
いられる。これらの有機溶剤は単独でも、また2種以上
混合して用いても差し支えない。
【0050】また、上記のc)の方法に記載のフィルム
化の方法は限定されるものではないが、例えば、ペレッ
ト化した後に押し出しフイルム化する方法、溶剤に溶解
した後にキャストしてフィルム化する方法、等が挙げら
れる。
【0051】本発明の樹脂組成物は、このほか、耐熱
性、耐薬品性、機械強度、電気特性、耐溶剤性、吸水
率、耐湿性、耐放射線性にも優れるため、さまざまな用
途に使用できる。
【0052】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により詳細
に説明する。
【0053】実施例・比較例中の各種試験の試験方法は
次に示すとおりである。 1) ポリイミドの対数粘度 サンプル0.50gをp−クロロフェノールとフェノー
ルの混合溶媒(90:10重量比)100mlに加熱溶
解した後、35℃に冷却後測定。 2) 流動開始温度 島津高化式フローテスター(CFT500A)により荷重100
kg、昇温速度5℃/minで測定。 3) 1%重量減少温度 空気中にてDTA−TG(島津DT−40シリーズ、4
0M)を用い、昇温速度10℃/min.で測定。 4) ガラス転移温度(Tg) DSC(島津DT−40シリーズ、DSC−41M)に
より測定。 5) 接着強度 JIS K−6848および6850による。
【0054】合成例1〜22 表1に示す仕込み表に従って各ポリイミドを合成した。
【0055】具体的には、かきまぜき、還流冷却器、水
分離器および窒素導入管を備えた容器に、表1に示した
ジアミン、テトラカルボン酸二無水物、無水フタル酸を
それぞれ表1に示した量、さらに、γ−ピコリン1.3
8g(1.5x10-2モル)およびクレゾール2500
gを装入し、窒素雰囲気下において撹拌しながら150
℃まで加熱昇温し、150℃で4時間反応を行った。そ
の後、室温まで冷却し、10.0kgのメチルエチルケ
トンに排出した後、濾別した。このポリイミド粉をメチ
ルエチルケトンでさらに洗浄し、窒素雰囲気下におい
て、50℃で24時間予備乾燥した後、200℃で6時
間減圧乾燥してポリイミド粉を得た。
【0056】
【表1】 但し、表中、略号はそれぞれ次のジアミン・テトラカル
ボン酸二無水物を示す。
【0057】
【化28】 各合成例により得られたポリイミド粉の物性を表2に示
す。
【0058】
【表2】 これらの合成例により得られたポリイミドを用いて次に
示す実施例1〜24及び比較例1〜3の評価を行った。
【0059】(実施例1〜3,比較例1〜3)合成例3
のポリイミドと合成例21のポリイミドを表3に示す混
合比にてヘンシェルミキサーを用いて混合した。
【0060】
【表3】 さらにこの混合物を二軸混練押出機にて400℃で押し
出しペレット化の後、1%重量減少温度を測定した。結
果を表4に示す。
【0061】
【表4】 このことから、本発明の範囲を逸脱して多くのシロキサ
ン結合含有ポリイミドを加えた樹脂組成物は耐熱性にお
いて非常に劣ることがわかる。
【0062】さらに、得られたペレットをN−メチル−
2−ピロリドンに25重量%になるように混合した後
に、二枚の冷間圧延鋼板(JIS G−3141,SP
CC/SD,25×100×1.6mm)の片面の接着
面に均一に塗布し、200℃で2時間予備加熱し溶媒を
ほぼ除去した後、310℃,20kg/cm2の条件で
5分間加圧し、圧着させた。この試験片について25℃
および110℃にて接着強度を測定した。結果を(表
5)にまとめて示す。
【0063】
【表5】 この結果から、本発明の範囲を逸脱して少ないシロキサ
ン結合含有ポリイミドを加えたものでは接着強度の改善
が十分ではなく、本発明の範囲のもののみが優れた接着
強度を持つことが明らかである。
【0064】(実施例4〜23)表6に示した合成例番
号のポリイミド160gと合成例22のポリイミド40
gをヘンシェルミキサーを用いて混合した。さらに(実
施例1〜3)と全く同様にペレット化の後、得られたペ
レットを用いて、400℃にて押し出しフィルム化を行
い、厚さ35〜47μmのフイルムを得た。このフィル
ムを130℃に予備加熱した二枚の冷間圧延鋼板(JI
S G−3141,SPCC/SD,25×100×
1.6mm)の間に挿入し、表6に示した温度で20k
g/cm2の圧力で5分間加圧し、圧着させた。この試
験片について25℃にて接着強度を測定した。結果を
(表6)にまとめて示す。
【0065】
【表6】
【0066】(実施例24)合成例14のポリイミド1
60gと合成例22のポリイミド40gをヘンシェルミ
キサーを用いて混合した後に、130℃に予備加熱した
二枚の冷間圧延鋼板(JIS G−3141,SPCC
/SD,25×100×1.6mm)の片面の接着面に
粉を均一に塗布し、310℃,20kg/cm2 の条件
で10分間加圧し、圧着させた。さらに、この試験片を
250℃にて3時間キュアした後冷却し、25℃て接着
強度を測定した。接着強度は3.25kg/mm2 であ
った。 合成例23〜26 表7に示す仕込み表に従って各ポリアミド酸溶液を合成
した。
【0067】具体的には、かきまぜき、窒素導入管を備
えた容器に、表1に示したジアミン、テトラカルボン酸
二無水物、無水フタル酸をそれぞれ表1に示した量、さ
らに、N−メチル−2−ピロリドン1500gを装入
し、窒素雰囲気下において50℃で4時間反応を行っ
た。得られたポリアミド酸溶液の一部を、ポリアミド酸
濃度が0.5g/dlとなるようにN−メチル−2−ピ
ロリドンで希釈し、ポリアミド酸の対数粘度を測定し
た。結果を表7に併せて示す。
【0068】
【表7】 なお、表中の略号は表1において示したとおりのジアミ
ンまたはテトラカルボン酸二無水物を示す。
【0069】(実施例25)合成例23のポリアミド酸
溶液1000gと合成例25のポリアミド酸溶液400
gを窒素気流下で混合し、このワニスを二枚の冷間圧延
鋼板(JIS G−3141,SPCC/SD,25×
100×1.6mm)の片面の接着面に均一に塗布し、
200℃で2時間予備加熱し溶媒をほぼ除去した後、3
10℃,20kg/cm2 の条件で5分間加圧し、圧着
させた。この試験片について25℃にて接着強度を測定
したところ3.75kgf/mm2 であった。
【0070】(実施例26)かきまぜき、還流冷却器お
よび窒素導入管を備えた容器に、合成例24のポリアミ
ド酸溶液1000gと合成例26のポリアミド酸溶液4
00gを窒素気流下で混合し、1200gのN−メチル
−2−ピロリドンと10.74gのγ−ピコリン、19
0.6gの無水酢酸を装入して70℃にて3時間反応さ
せた。得られたポリアミドイミド共重合体溶液を、溶液
に対して重量比で5倍量のメタノール中に排出し、濾
過、メタノール洗浄の後、50℃で24時間、220℃
で6時間乾燥させた。得られたポリイミドの対数粘度は
0.46dl/gであった。さらに(実施例1〜3)と
全く同様にペレット化の後、得られたペレットを用い
て、400℃にて押し出しフィルム化を行い、厚さ37
μmのフイルムを得た。このフィルムを130℃に予備
加熱した二枚の冷間圧延鋼板(JIS G−3141,
SPCC/SD,25×100×1.6mm)の間に挿
入し、295℃で20kg/cm2 の圧力で5分間加圧
し、圧着させた。この試験片について25℃にて接着強
度を測定したところ3.45kgf/mm2 であった。
【0071】これらの結果は本発明の樹脂組成物・接着
剤・フィルム等が優れた接着性をもっていることを示し
ている。
【0072】
【発明の効果】本発明により、優れた耐熱性、機械物性
に加え、きわめて優れた加工性・接着性を有する樹脂組
成物が提供される。この樹脂組成物は良好な低吸湿性、
電気特性、耐溶剤性、耐薬品性を併せ持ち、加工時の寸
法安定性に優れ、溶融加工に適し、これを主成分として
有する成形物・フイルム・繊維などは、きわめて良好な
耐熱性、機械強度、疲労強度、低吸湿性、摺動特性、電
気特性、耐溶剤性、耐薬品性、耐放射線性、寸法安定性
を併せ持つものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 渉 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 及川 英明 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 太田 正博 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)(化1): 【化1】 で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有し、対
    数粘度が0.10dl/g以上3.0dl/g以下であ
    るポリイミド50〜99重量部に対して、一般式(2)
    (化2): 【化2】 で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有し、対
    数粘度が0.01dl/g以上3.0dl/g以下であ
    るポリイミド50〜1重量部を含有してなることを特徴
    とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂組成物からなる接着
    用フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の樹脂組成物が有機溶媒中
    に溶解または分散してなることを特徴とする接着剤。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の一般式(1)で表される
    ポリイミドおよび/または請求項1記載の一般式(2)
    で表されるポリイミドを重合する際に、一般式(3)
    (化3): 【化3】 (式中、R5 は炭素数6〜15であり、単環式芳香族
    基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員
    により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる
    群より選ばれた1価の基を表す)で表されるジカルボン
    酸無水物および/または一般式(4)(化4): 【化4】 (式中、R6 は炭素数6〜15であり、単環式芳香族
    基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員
    により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる
    群より選ばれた1価の基を表す)で表されるモノアミン
    をジアミン1モルに対して合計0.001モル以上1.
    00モル以下の範囲内で共存させて得られるポリイミド
    を用いて得られることを特徴とする請求項1記載の樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】 一般式(5)(化5): 【化5】 で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有し、対
    数粘度が0.10dl/g以上3.0dl/g以下であ
    るポリイミド50〜99重量部に対して、一般式(6)
    (化6): 【化6】 で表される繰り返し構造単位を基本骨格として有し、対
    数粘度が0.01dl/g以上3.0dl/g以下であ
    るポリイミド50〜1重量部を含有してなることを特徴
    とする樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の一般式(5)で表される
    ポリアミド酸および/または請求項3記載の一般式
    (6)で表されるポリアミド酸を重合する際に、一般式
    (3)(化7): 【化7】 (式中、R5 は炭素数6〜15であり、単環式芳香族
    基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員
    により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる
    群より選ばれた1価の基を表す)で表されるジカルボン
    酸無水物および/または一般式(4)(化8): 【化8】 (式中、R6 は炭素数6〜15であり、単環式芳香族
    基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員
    により相互に連結された非縮合多環式芳香族基からなる
    群より選ばれた1価の基を表す)で表されるモノアミン
    をジアミン1モルに対して合計0.001モル以上1.
    00モル以下の範囲内で共存させて得られるポリアミド
    酸を用いて得られることを特徴とする請求項5記載の樹
    脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の樹脂組成物が有機溶媒中
    に溶解または分散してなることを特徴とする接着剤。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の樹脂組成物を熱的或いは
    化学的にイミド化してなることを特徴とするポリイミ
    ド。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のポリイミドからなる接着
    用フィルム。
  10. 【請求項10】 請求項8記載のポリイミドが有機溶媒
    中に溶解または分散してなることを特徴とする接着剤。
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JP2002080815A (ja) * 2000-09-05 2002-03-22 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd ポリイミド系接着剤溶液およびそれを用いて得られるフィルム状積層部材
JP2002161250A (ja) * 2000-11-27 2002-06-04 Hitachi Chem Co Ltd 接着フィルム、その製造法、半導体素子と支持部材との接着法、接着フィルム付き支持部材及び半導体装置

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JP2002161250A (ja) * 2000-11-27 2002-06-04 Hitachi Chem Co Ltd 接着フィルム、その製造法、半導体素子と支持部材との接着法、接着フィルム付き支持部材及び半導体装置

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