JPH1017547A - 光重合開始剤 - Google Patents

光重合開始剤

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JPH1017547A
JPH1017547A JP19153196A JP19153196A JPH1017547A JP H1017547 A JPH1017547 A JP H1017547A JP 19153196 A JP19153196 A JP 19153196A JP 19153196 A JP19153196 A JP 19153196A JP H1017547 A JPH1017547 A JP H1017547A
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JP
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benzophenone
group
butylperoxycarbonyl
compound
tri
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JP19153196A
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Takashi Kato
隆 加藤
Yoshinori Masaki
良典 正木
Hideo Sato
英雄 佐藤
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Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高感度且つ光重合性モノマーに対する溶解性
に優れた光重合性開始剤、それを用いた光重合性樹脂組
成物、光重合性樹脂硬化物を得る。 【解決手段】 一般式Iの構造のベンゾフェノン誘導
体、例えば3,4,4’ートリ(t−ブチルペルオキシ
カルボニル)ベンゾフェノンなどを用いる。 ただしR、Rは独立にC〜C15の3級アルキル
基または3級アラルキル基、R、Rは独立に水素、
〜C10のアルキル基、C〜C10のアルコキシ
基、ハロゲン化メチル基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ
基、C〜C20のジアルキルアミノ基、m、nは0≦
m≦2、1≦n≦3の整数であり、RとRが同時に
水素ではない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0010】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なベンゾフェノ
ン誘導体およびそれを用いた光重合性樹脂組成物等に関
する。
【0011】
【従来の技術】ビニル基等の重合性不飽和基を有するモ
ノマー、オリゴマーを重合、硬化する際に光重合開始剤
の存在下、光を照射することによる重合方法は、他の方
法に比較して速い硬化速度、低温での硬化が可能といっ
た利点を有していることから、塗料、レジスト等に広く
利用されている。硬化の速度は光重合開始剤に依存する
ため、これまで各種の光重合開始剤が開発されてきた。
例えばドイツ特許1694149号にはベンゾインエー
テル類、米国特許404803号にはアセトフェノン誘
導体等が開示されている。またこれ以外にも、アリルジ
アゾニウム塩やハロゲン化炭化水素等の光ラジカル発生
剤が知られている。
【0012】またある種の有機過酸化物も光重合開始剤
として有用なことが知られており、これらの重合系につ
いても多くの研究がなされている。具体的には米国特許
4171252号、4416826号および47526
49号には、特定の構造のt−ブチルペルエステルを有
する芳香族化合物が開示されている。さらに、ジャーナ
ル オブ オーガニック ケミストリー、44巻412
3頁(1979年)やジャーナル オブ ポリマー サ
イエンス ポリマーケミストリー、21巻3129頁
(1983年)には、4,4’−ジ(t−ブチルペルオ
キシカルボニル)ベンゾフェノン等の、過酸エステルを
1〜2個有するベンゾフェノン誘導体の合成とビニルモ
ノマーの重合について検討されている。しかしこれらの
化合物は光重合活性が必ずしも高いとは言えなかった。
また特公平3−60322号公報には過酸エステルを4
個有するベンゾフェノン誘導体が開示されているが、こ
の化合物は光重合活性は良好だが溶解性にやや問題があ
る。また過酸エステル以外の置換基を同時に有する化合
物は全く開示されていなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述の様に従来の光重
合開始剤は、光重合活性と溶解性の両立という点でなお
改良が必要であった。以上の問題点から本発明の目的
は、高い重合活性を有しモノマーへの溶解性にも優れた
新規な光重合開始剤を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決すべく本
発明者らは鋭意検討を重ねた結果、高い重合活性を有し
かつ不飽和モノマーへの溶解性にも優れた光重合開始剤
を発明した。すなわち本発明の構成は、下記の通りであ
る。 (1) 式(I)
【0015】
【化2】
【0016】で示されるベンゾフェノン誘導体。ただし
1、R2はそれぞれ独立にC4〜C15の3級アルキル基
または3級アラルキル基、R3、R4はそれぞれ独立に水
素原子、C1〜C10のアルキル基、C1〜C10のアルコキ
シ基、ハロゲン化メチル基、ハロゲン原子、シアノ基、
ニトロ基、C2〜C20のジアルキルアミノ基を示し、か
つm、nは0≦m≦2、1≦n≦3の範囲の整数であ
り、R3とR4が同時に水素原子ではないものである。 (2) 式(I)で示されるベンゾフェノン誘導体。た
だしR1、R2はそれぞれ独立ににC4〜C15の3級アル
キル基または3級アラルキル基であり、R3、R4はとも
に水素原子であり、かつm、nは0≦m≦2、1≦n≦
3の範囲の整数であり、1≦|mーn|≦3である。 (3) (1)項若しくは(2)項に記載のベンゾフェ
ノン誘導体を含有する光重合開始剤。 (4) 不飽和基を有する化合物と、(1)項若しくは
(2)項に記載の化合物を光重合開始剤として含有する
ことを特徴とする光重合性樹脂組成物。 (5) 不飽和基を有する化合物と、(1)項若しくは
(2)項に記載の化合物を光重合開始剤として含有する
光重合性樹脂組成物の硬化(重合)物。
【0017】
【発明の実施の形態】上記式(I)においてR1、R2
おけるC4〜C15の3級アルキル基としては、t−ブチ
ル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチル
ブチル基、1,1−ジメチルペンチル基等が挙げられ
る。またR3、R4におけるC1〜C10のアルキル基とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が
挙げられる。C1〜C10のアルコキシ基としては、メト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙
げられる。ハロゲン化メチル基としては、クロロメチル
基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメ
チル基、ジブロモメチル基等が挙げられる。ハロゲン原
子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子等が挙げ
られる。ジアルキルアミノ基としては、N,N−ジメチ
ルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等が挙げられ
る。
【0018】(1)項の化合物は特定の置換基を有する
(ペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン誘導体であ
り、(2)項の化合物は非対称の該誘導体である。この
様な構造上の特徴のため本発明の化合物は結晶構造を取
ることなく、油状物であり、そのため光重合性組成物と
して使用した場合、モノマーである不飽和化合物に対す
る溶解性が優れ、よって、高い重合活性が得られるもの
と推定される。
【0019】本願発明のベンゾフェノン誘導体の具体例
を以下に示すが、本願発明はこれらの例に限定されるも
のではない。3,4,4'-トリ(t−ブチルペルオキシカル
ボニル)ベンゾフェノン、3,5,4'-トリ(t−ブチルペ
ルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,5-トリ(t
−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,3,
4-トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェ
ノン、3,4,4'-トリ(t−ブチルペルオキシカルボニ
ル)ベンゾフェノン、3,4,4'-トリ(t−アミルペルオ
キシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4'-トリ(t−
ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,
4'-トリ(t−オクチルペルオキシカルボニル)ベンゾ
フェノン、3,3,4'-トリ(クミルペルオキシカルボニ
ル)ベンゾフェノン、4-メトキシ-3',4'-ジ(t−ブチ
ルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3-メトキシ
-3',4'-ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾ
フェノン、2-メトキシ-3',4'-ジ(t−ブチルペルオキ
シカルボニル)ベンゾフェノン、4-エトキシ-3',4'-ジ
(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、
4-メトキシ-3',4',5'-トリ(t−ブチルペルオキシカル
ボニル)ベンゾフェノン、4-エトキシ-3',4',5'-トリ
(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、
4-ジメチルアミノ-3',4',5'-トリ(t−ブチルペルオキ
シカルボニル)ベンゾフェノン、4-ジエチルアミノ-3',
4',5'-トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾ
フェノン、4-シアノ-3',4',5'-トリ(t−ブチルペルオ
キシカルボニル)ベンゾフェノン、4-メチル-3',4',5'-
トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノ
ン、4-エチル-3',4',5'-トリ(t−ブチルペルオキシカ
ルボニル)ベンゾフェノン、4-シクロヘキシル-3',4',
5'-トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフ
ェノン、4-ニトロ-3',4',5'-トリ(t−ブチルペルオキ
シカルボニル)ベンゾフェノン、4-ジメチルアミノ-3',
4'-ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェ
ノン、4-ジエチルアミノ-3',4'-ジ(t−ブチルペルオ
キシカルボニル)ベンゾフェノン、4-シアノ-3',4'-ジ
(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、
4-メチル-3',4'-ジ(t−ブチルペルオキシカルボニ
ル)ベンゾフェノン、4-エチル-3',4'-ジ(t−ブチル
ペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4-シクロヘキ
シル-3',4'-ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベ
ンゾフェノン、4-ニトロ-3',4'-ジ(t−ブチルペルオ
キシカルボニル)ベンゾフェノン。
【0020】これらの内で一層好ましい化合物を以下に
示す。3,4,4'-トリ(t−ブチルペルオキシカルボニ
ル)ベンゾフェノン、3,5,4'-トリ(t−ブチルペルオ
キシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,5-トリ(t−ブ
チルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,3,4-ト
リ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノ
ン、3,4,4'-トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)
ベンゾフェノン、3,4,4'-トリ(t−アミルペルオキシ
カルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4'-トリ(t−ヘキ
シルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4'-
トリ(t−オクチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェ
ノン、3,3,4'-トリ(クミルペルオキシカルボニル)ベ
ンゾフェノン、4-メトキシ-3',4'-ジ(t−ブチルペル
オキシカルボニル)ベンゾフェノン、3-メトキシ-3',4'
-ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノ
ン、2-メトキシ-3',4'-ジ(t−ブチルペルオキシカル
ボニル)ベンゾフェノン、4-エトキシ-3',4'-ジ(t−
ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン。
【0021】本発明の化合物を製造するには、式(I
I)に示したようにそれぞれの置換基を有するベンゾフ
ェノンカルボン酸誘導体を合成し、塩化チオニル、五塩
化リン、ホスゲン等を用いてカルボン酸塩化物とした
後、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジン等
の塩基性化合物の存在下ヒドロペルオキシドと反応させ
て得ることができる。
【0022】
【化3】
【0023】ただしR1、R2、R3、R4は前述の通りで
ある。ラジカル重合性モノマー、オリゴマーである不飽
和化合物に本発明の光重合開始剤を混合して光重合、硬
化させる場合、単独または複数の不飽和化合物と本発明
の光重合開始剤との混合物中に必要により、顔料、色
素、既知の光重合開始剤、増感剤、重合禁止剤、可塑
剤、溶媒等を配合することにより本発明の光重合性樹脂
組成物を得ることができる。本発明の光重合性樹脂組成
物を基板に塗布し、光照射することにより塗膜を得るこ
とができる。又、マスクを通して光照射し、現像を行う
ことによりネガ型のパターンを得ることができる。この
様にして本発明の光重合性樹脂硬化物を得ることを得る
ことができる。本発明の光重合開始剤を用いた樹脂組成
物あるいは硬化物は電子材料用の各種保護膜、液晶ディ
スプレー用のカラーフィルター材料、塗料、レジストな
どに使用することができる。
【0024】本発明の感光性樹脂組成物に使用される不
飽和化合物の例として、例えばアクリル酸、アクリル酸
エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸、メタク
リル酸エステル類、メタクリルアミド類、酢酸ビニル等
のビニルエステル類、ビニルエーテル類、スチレン、ア
ルキルスチレン、ハロゲン化スチレン、ジビニルベンゼ
ン、ビニルナフタレン、N−ビニルピロリドン、ジアリ
ルフタレート等が挙げられる。またこれら不飽和化合物
以外にも、マレイン酸類、フマル酸類、アリル基を有す
る化合物、不飽和ポリエステル、不飽和アクリル樹脂お
よびイソシアネート変性アクリレートオリゴマー、エポ
キシ変性アクリルオリゴマー、ポリエステルアクリルオ
リゴマー、およびポリエーテルアクリルオリゴマー等を
挙げることができる。
【0025】本発明のベンゾフェノン誘導体は単独で光
重合開始剤として使用することができるが、これ以外に
以下に示すような既知の光重合開始剤、増感剤等を添加
して感光性樹脂組成物とすることができる。ベンゾフェ
ノン、ミヒラーズケトン、4,4’−ビスジエチルアミ
ノベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、イソ
プロピルキサントン、2,4−ジエチルチオキサント
ン、2−エチルアントラキノン、アセトフェノン、2−
ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン、イソプロピルベン
ゾインエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、
ベンジル、カンファーキノン、4−ジメチルアミノ安息
香酸エチル等を挙げることができる。
【0026】本発明の光重合開始剤の使用量は不飽和化
合物に対して0.01〜20重量%、好ましくは0.1
〜10重量%であるが、使用量が多すぎるとポリマー中
に光重合開始剤が残存し、物性の低下を招く危険性があ
る。また少なすぎると重合反応が完結しない。本発明の
光重合開始剤は、ベンゾフェノンを基本骨格にしている
ため、420nm以下の光を吸収してラジカルを発生し
重合反応を行う。従って光源としては420nm以下の
波長の光を含む、日光、水銀ランプ、水素放電管、キセ
ノンランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、色
素レーザー、クリプトンレーザー等が挙げられる。
【0027】本発明で使用することができる溶媒として
は、光重合開始剤と不飽和化合物を溶解したのち、得ら
れた光重合性樹脂組成物を一定の時間安定に保存するこ
とができるものであれば特に限定されない。その様な溶
媒の具体例として以下に列挙することができる。メトキ
シエタノール、エトキシエタノール、ジエチレングリコ
−ルモノメチルエ−テル、ジエチレングリコールモノエ
チルエ−テル等のグリコールエ−テル類、2ーメトキシ
エタノール、2ーエトキシエタノールアセテート等のエ
ステル類、若しくは水が好ましく使用されるが、光重合
開始剤の良溶媒である、上記グリコールエ−テル類、エ
ステル類、水と混合して好ましく使用される。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定される
物ではない。実施例で得られた光重合開始剤の構造は以
下の方法で確認した。 核磁気共鳴吸収スペクトル(1H−NMR):日本電子
株式会社製EX−90A、内部標準物質にテトラメチル
シランを用いて測定した。
【0029】実施例1 3,4,4’−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニ
ル)ベンゾフェノン(式(I)においてR1=R2=t−
ブチル基、R3=R4=水素原子、m=1、n=2)の合
成。 冷却管を付けた100mlのナスフラスコに3,4,
4’−ベンゾフェノントリカルボン酸10.0gをと
り、塩化チオニル20.2mlを加えて加熱還流下3時
間撹拌した。反応終了後過剰の塩化チオニルを減圧下留
去し、トルエンで3回溶媒交換して、淡黄色油状物の
3,4,4’−ベンゾフェノントリカルボン酸トリクロ
ライドを10.7g得た。この化合物の構造はNMRで
確認し、そのまま次の反応に用いた。続いて撹拌子、温
度計を付けた200mlの三つ口フラスコに純水40.
0ml、水酸化ナトリウム2.10gを取り溶液とし
た。この溶液を10℃以下に冷却し、t−ブチルヒドロ
ペルオキシド70%水溶液を6.80g加えた。ここに
3,4,4’−ベンゾフェノントリカルボン酸トリクロ
ライド5.0gをベンゼン45.0mlに溶かした液を
10℃以下で滴下した。滴下終了後室温で3時間撹拌し
た。反応終了後、分液し、有機層を1N水酸化ナトリウ
ム水溶液で3回、飽和食塩水で3回洗浄した後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥、ろ過し、溶媒を減圧下留去し
て、無色油状物の3,4,4’−トリ(t−ブチルペル
オキシカルボニル)ベンゾフェノンを6.20g得た。
NMRの測定結果を以下に示す。1H−NMR(90M
Hz、CDCl3)δ1.26(s,9H),1.43
(s,18H),7.61−8.51(m,7H)
【0030】実施例2 4−メトキシ−2’,4’−ジ(t−ブチルペルオキシ
カルボニル)ベンゾフェノン(ただし式(I)におい
て、R2=t−ブチル基、R3=メトキシ基、R4=水素
原子、m=0、n=2)の合成。3,4,4’−ベンゾ
フェノントリカルボン酸の替わりに4−メトキシ−
2’,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸を用いる以外
は実施例1に準拠して行い、無色油状物の目的物が5.
10g得られた。この化合物のNMR測定結果を示す。
1H−NMR(90MHz、CDCl3)δ1.20
(s,9H),1.42(s,9H),3.80(s,
3H),6.87−8.40(m,7H) 続いて実施例1、2で合成した化合物を用いて光重合を
行い、その結果により本発明の優位性を以下の実施例と
比較例により示す。
【0031】実施例3 メタクリル酸メチルとメタクリル酸の共重合物(モル比
6/4、ポリスチレン換算平均分子量90,000)1
0重量部、不飽和モノマーとして、トリメチロールプロ
パントリアクリレート5重量部、光重合開始剤として、
実施例1で合成した3,4,4’−トリ(t−ブチルペ
ルオキシカルボニル)ベンゾフェノンを0.5重量部、
増感剤として、ミヒラーズケトン0.2重量部をイエロ
ーライトの下で、プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート100重量部に配合、溶解し、本発明の
光重合性樹脂組成物を得た。この際経時的な光重合開始
剤の沈殿析出はなく、溶解性は良好であった。この光重
合性樹脂組成物をガラス基板にスピンコーターを用いて
塗布し、100℃、10分間熱処理し、2μmの皮膜を
得た。ついでこの皮膜をウシオ社製UI−501C超高
圧水銀灯で、ストライプパターンのマスクを介して、空
気中露光量を変えて露光した。露光後、0.1%水酸化
ナトリウム水溶液に1分間浸漬、ついで純水で15秒洗
浄して未露光部を除去し、ストライプパターンの硬化皮
膜を得た。各露光量の硬化皮膜の膜厚を測定し、膜厚が
飽和する最少露光量を求めたところ、50mJ/cm2
と光重合活性は良好であった。
【0032】実施例4 光重合開始剤として、実施例2で合成した4−メトキシ
−2’,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)
ベンゾフェノンを使用した以外は、実施例1と全く同様
にして本発明の光重合性樹脂組成物、および硬化皮膜を
得たところ、膜厚が飽和する最少露光量は、70mJ/
cm2と光重合活性は良好であった。
【0033】比較例1 光重合開始剤として、ベンゾインイソプロピルエーテル
を使用した以外は、実施例1と全く同様にして光重合性
樹脂組成物、および硬化皮膜を得たところ、膜厚が飽和
する最少露光量は、200mJ/cm2と光重合活性は
低かった。
【0034】比較例2 光重合開始剤として、ジエトキシアセトフェノンを使用
した以外は、実施例1と全く同様にして光重合性樹脂組
成物、および硬化皮膜を得たところ、膜厚が飽和する最
少露光量は、300mJ/cm2と光重合活性は低かっ
た。
【0035】
【発明の効果】本発明のベンゾフェノン誘導体は光重合
開始剤として使用した場合、高い重合活性とともに、そ
の構造が非対称の(ペルオキシカルボニル)ベンゾフェ
ノンであるか、又は特定の置換基を有する(ペルオキシ
カルボニル)ベンゾフェノンであるためモノマーとして
用いる不飽和化合物に対して優れた溶解性を有してい
る。また顔料等の存在下でも本来の性能が保持されるこ
とから、顔料分散カラーフィルター用レジストをはじめ
とする広い範囲での利用が可能である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 で示されるベンゾフェノン誘導体。ただしR1、R2はそ
    れぞれ独立にC4〜C15の3級アルキル基または3級ア
    ラルキル基、R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、C1
    〜C10のアルキル基、C1〜C10のアルコキシ基、ハロ
    ゲン化メチル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
    2〜C20のジアルキルアミノ基を示し、かつm、nは
    0≦m≦2、1≦n≦3の範囲の整数であり、R3とR4
    が同時に水素原子ではないものである。
  2. 【請求項2】 式(I)で示されるベンゾフェノン誘導
    体。ただしR1、R2はそれぞれ独立ににC4〜C15の3
    級アルキル基または3級アラルキル基であり、R3、R4
    はともに水素原子であり、かつm、nは0≦m≦2、1
    ≦n≦3の範囲の整数であり、1≦|mーn|≦3であ
    る。
  3. 【請求項3】 請求項1若しくは2に記載のベンゾフェ
    ノン誘導体を含有する光重合開始剤。
  4. 【請求項4】 不飽和基を有する化合物と、請求項1若
    しくは2に記載の化合物を光重合開始剤として含有する
    ことを特徴とする光重合性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 不飽和基を有する化合物と、請求項1若
    しくは2に記載の化合物を光重合開始剤として含有する
    光重合性樹脂組成物の硬化(重合)物。
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JP (1) JPH1017547A (ja)

Cited By (1)

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