JPH10173097A - 熱伝導基板用シート状物とその製造方法及びそれを用いた熱伝導基板とその製造方法 - Google Patents
熱伝導基板用シート状物とその製造方法及びそれを用いた熱伝導基板とその製造方法Info
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Abstract
さらに熱硬化樹脂組成物とを含み、前記熱硬化樹脂が未
硬化状態では可撓性を有し、硬化後はリジットになるよ
うに構成し、基板の平面方向の熱膨脹係数が半導体と近
く、放熱性に優れた熱伝導基板とその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 無機質フィラー70-95重量部と、熱硬化
樹脂、硬化剤および硬化促進剤を含む熱硬化樹脂組成物
4.9-28重量部と、溶剤0.1-2重量部を含む熱伝導シート
状物200と、配線を形成するリードフレーム201を重ね合
せ(C)、加熱加圧し(D)、リードフレームの表面まで熱伝
導シート状物熱伝導シート状物を充填し、さらに熱伝導
シート状物の中の熱硬化樹脂を硬化させ、リードフレー
ムの必要部分を残してカットし、さらに取り出し電極と
するためリードフレームを垂直に曲げ加工する(E)。
Description
の混合物により放熱性を向上させた回路基板に関し、特
に、パワー用エレクトロニクス実装のための高放熱樹脂
基板(熱伝導基板)に関するものである。
求に伴い、半導体の高密度、高機能化が要請されてい
る。これによりそれらを実装するため回路基板もまた小
型高密度なものが望まれている。その結果、回路基板の
放熱を考慮した設計が重要となってきている。回路基板
の放熱性を改良する技術として、従来のガラス−エポキ
シ樹脂によるプリント基板に対し、アルミニウムなどの
金属基板を使用し、この金属基板の片面もしくは両面に
絶縁層を介して回路パターンを形成する金属ベース基板
が知られている。またより高熱伝導性を要求される場合
は、アルミナや窒化アルミなどのセラミック基板に銅板
をダイレクトに接合した基板が利用されている。比較的
小電力な用途には、金属ベース基板が一般的に利用され
るが、熱伝導を良くするため絶縁層が薄くなければなら
ず、金属ベース間でノイズの影響を受けることと、絶縁
耐圧に課題を有している。
およびセラミック基板は、性能およびコストの面で両立
させることが難しいため、近年熱可塑性樹脂に熱伝導性
フィラーを充填した組成物を電極であるリードフレーム
と一体化した射出成形による熱伝導モジュールが提案さ
れている。この射出成形熱伝導モジュールは、セラミッ
ク基板によるそれと比べ機械的強度の面で優れている反
面、熱可塑性樹脂に放熱性を付与するための無機フィラ
ーを高濃度に充填することが困難であるため、放熱性が
悪い。これは熱可塑性樹脂を高温で溶融させフィラーと
混練する際、フィラー量が多いと溶融粘度が急激に高く
なり混練できないばかりか射出成形すらできなくなるか
らである。また充填させるフィラーが研磨剤として作用
し、成形金型を摩耗させ多数回の成形が困難となる。そ
のため充填フィラー量に限界が生じセラミック基板の熱
伝導に対し低い性能しか得られないという問題点があっ
た。
めになされたものであり、無機フィラーを高濃度に充填
することが可能で、しかも簡易な工法によって作製され
る熱伝導モジュールが可能で、さらに基板の平面方向の
熱膨脹係数が半導体と近く、放熱性に優れた熱伝導基板
用シート状物とその製造方法及びそれを用いた熱伝導基
板とその製造方法を提供することを目的とする。
め、本発明の熱伝導基板用シート状物は、無機質フィラ
ーが70〜95重量部と、少なくとも熱硬化樹脂、硬化
剤、および硬化促進剤を含む樹脂組成物5〜30重量部
からなる混合物シートであって、前記混合物シートが半
硬化又は部分硬化状態(以下半硬化又は部分硬化状態を
「Bステージ」という)で可撓性を有するものである。
この熱伝導基板用シート状物はその可撓性を利用して、
所望の形に成型、加工が行えるものであり、しかも加熱
による前記熱硬化樹脂の硬化にリジットで機械的強度に
すぐれた基板となる。
いては、半硬化又は部分硬化状態が、粘度:102 〜1
05 (Pa・s)の範囲であることが好ましい。可撓性
と加工性にさらに優れるから所望の形に成型・加工が容
易となる。特に好ましくは、半硬化又は部分硬化状態
が、粘度:103 〜104 (Pa・s)の範囲である。
測定方法による。測定は、粘弾性測定装置(動的粘弾性
測定装置MR−500、(株)レオロジ製)を用いる。
シート状物を所定の寸法に加工し、コーン径17.97
mm、コーン角1.15degのコーンプレートに挟
み、サンプルに捩り方向の正弦波振動を与え、それによ
り生じたトルクの位相差などを計算し粘度を算出するこ
とで得られる。本シート状物の評価では1Hzの正弦波
で歪み量0.1deg、荷重500gで25℃における
値を求めた。
においては、無機質フィラーおよび熱硬化樹脂組成物の
合計量100重量部に対して、さらに150℃以上の沸
点を有する溶剤0.1〜2重量部を添加したことが好ま
しい。可撓性と加工性にさらに優れるからである。
においては、150℃以上の沸点を有する溶剤が、エチ
ルカルビトール、ブチルカルビトール及びブチルカルビ
トールアセテートから選ばれた少なくとも1種の溶剤で
あることが好ましい。取り扱いが容易であり、室温でも
熱硬化樹脂に可撓性を与え、成型・加工が行い易い粘度
にすることができるからである。
においては、熱硬化樹脂組成物を100重量部としたと
き、 1)室温で固形の樹脂が0〜45重量部、 2)室温で液状の樹脂が5〜50重量部、 3)硬化剤が4.9〜45重量部、および 4)硬化促進剤が0.1〜5重量部 の範囲であることが好ましい。可撓性と加工性に優れる
からである。
においては、室温で液状の熱硬化樹脂としての主成分が
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型
エポキシ樹脂、または液状フェノール樹脂から選ばれた
1種以上であることが好ましい。Bステージの状態を安
定して保つことができ、さらに硬化後の電気絶縁特性、
機械的強度などに優れるからである。
においては、熱硬化樹脂組成物の主成分が、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂及びシアネート樹脂から選ばれた少
なくとも一つの樹脂であるあることが好ましい。
においては、熱硬化樹脂組成物が臭素化された多官能エ
ポキシ樹脂を主成分とし、さらに硬化剤としてビスフェ
ノールA型ノボラック樹脂と、硬化促進剤としてイミダ
ゾールを含むことが好ましい。硬化後の基板が難燃性に
優れ、かつ電気絶縁性・機械的強度に優れるからであ
る。
においては、臭素化された多官能エポキシ樹脂が60〜
80重量部の範囲、硬化剤としてビスフェノールA型ノ
ボラック樹脂が18〜39.9重量部の範囲、硬化促進
剤としてイミダゾールが0.1〜2重量部の範囲である
ことが好ましい。
においては、無機質フィラーが、Al2O3、MgO、B
N及びAlNから選ばれた少なくとも1種のフィラーで
あることが好ましい。これらのフィラーは熱伝導性に優
れるからである。
においては、前記の熱伝導基板用シート状物に、さらに
カップリング剤、分散剤、着色剤及び離型剤から選ばれ
た少なくとも1種を添加したことが好ましい。
基板用シート状物中の熱硬化樹脂成分を硬化させた電気
絶縁性の熱伝導基板であって、熱膨張係数が8〜20p
pm/℃の範囲であり、かつ熱伝導率が1〜10W/m
Kの範囲であることを特徴とする。この熱伝導基板によ
れば、熱変形等を起こさずにかつ半導体の熱膨張係数に
近いものが得られる。
導基板の抗折強度が10Kgf/mm2 以上であること
が好ましい。前記範囲であれば実用的な機械的強度とな
る。ここで抗折強度とは、下記の測定により行う。
(ファインセラミックの曲げ強さ試験方法)により定義
された方法で評価した。評価方法は、一定寸法に加工し
た基板材料を試験片とし、一定距離に配置された2支点
上に置き、支点間の中央の1点に荷重を加えて折れたと
きの、最大曲げ応力を計測することで求められる。3点
曲げ強さとも呼ばれる。
抗折強度が10〜20Kgf/mm2 の範囲であること
が好ましい。
熱伝導基板にさらにリードフレームが一体化されてお
り、前記熱伝導基板がリードフレームの表面まで充填さ
れていることが好ましい。リードフレームに電子部品を
搭載しやすく、かつ放熱させるための熱抵抗を低く抑え
ることができるからである。また、外部取り出し電極と
して新たに端子を半田付けする必要がなく、リードフレ
ームを直接外部信号及び電流取り出し電極として使用で
きることにより、信頼性に優れるからである。
熱伝導基板のリードフレーム接着面の反対面に放熱用金
属板をさらに形成したことが好ましい。さらに熱抵抗を
低く抑えることができ、機械的強度も優れるからであ
る。
熱伝導基板のリードフレーム接着面の一部に2層以上の
配線層を有するプリント基板が一体化されており、前記
熱伝導基板が前記リードフレームと前記2層以上の配線
層を有するプリント基板の表面まで充填されていること
が好ましい。過電流の保護や温度補償などの制御回路を
基板に一体化できるので、小型高密度化できるからであ
る。
熱伝導基板に貫通穴が設けられ、前記貫通穴に導電性樹
脂組成物が充填されているか又は銅メッキによるスルー
ホールが形成されており、さらにその両面に金属箔の配
線パターンが形成一体化されていることが好ましい。放
熱性に優れた両面基板が得られるからである。
複数の熱伝導基板が積層されており、各々の熱伝導基板
には貫通穴が設けられ、前記貫通穴に導電性樹脂組成物
が充填されており、かつ内部配線パターンが導電性樹脂
組成物で構成されており、さらにその両面に金属箔配線
パターンが形成一体化されていることが好ましい。導電
性に優れた層間接続および内部配線パターンが形成でき
るだけでなく、熱伝導性にも優れるからである。
金属箔が少なくとも片面粗面化された面を有する12〜
200μm厚みの銅箔であることが好ましい。また前記
本発明の熱伝導基板においては、導電性樹脂組成物が、
銀、銅及びニッケルから選ばれる少なくとも一つの金属
粉を70〜95重量部と、熱硬化樹脂および硬化剤を5
〜30重量部含むことが好ましい。
無機質フィラーの平均粒子直径が0.1〜100μmの
範囲であることが好ましい。次に本発明の第1番目の熱
伝導基板用シート状物の製造方法は、無機質フィラー7
0〜95重量部と、熱硬化樹脂組成物4.9〜28重量
部と、150℃以上の沸点を有する溶剤0.1〜2重量
部、および100℃以下の沸点を有する溶剤を少なくと
も含む混合物スラリーを作製する工程と、前記スラリー
を所望の厚みに造膜する工程と、前記造膜されたスラリ
ーの前記100℃以下の沸点を有する溶剤を乾燥する工
程とを含むことを特徴とする。
ト状物の製造方法は、無機質フィラー70〜95重量部
と、室温で固形の熱硬化樹脂と室温で液状の熱硬化樹脂
組成物の合計量5〜30重量部および100℃以下の沸
点を有する溶剤からなる混合物スラリーを作製する工程
と、前記スラリーを所望の厚みに造膜する工程と、前記
造膜されたスラリーの前記100℃以下の沸点を有する
溶剤のみを乾燥する工程とからなることを特徴とする。
形の熱硬化樹脂と室温で液状の熱硬化樹脂組成物を10
0重量部としたとき、 1)室温で固形の樹脂が0〜45重量部、 2)室温で液状の樹脂が5〜50重量部、 3)硬化剤が4.9〜45重量部、および 4)硬化促進剤が0.1〜5重量部 の範囲であることが好ましい。
で液状の熱硬化樹脂としての主成分がビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ま
たは液状フェノール樹脂から選ばれた1種以上であるこ
とが好ましい。
無機質フィラーが、Al2O3、MgO、BN及びAlN
から選ばれた少なくとも1種のフィラーであることが好
ましい。
熱硬化樹脂組成物の主成分が、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂及びシアネート樹脂から選ばれた少なくとも一つ
の樹脂であることが好ましい。
熱硬化樹脂組成物が臭素化された多官能エポキシ樹脂を
主成分とし、さらに硬化剤としてビスフェノールA型ノ
ボラック樹脂と、硬化促進剤としてイミダゾールを含む
ことが好ましい。
臭素化された多官能エポキシ樹脂が60〜80重量部の
範囲、硬化剤としてビスフェノールA型ノボラック樹脂
が18〜39.9重量部の範囲、硬化促進剤としてイミ
ダゾールが0.1〜2重量部の範囲であることが好まし
い。
0℃以上の沸点を有する溶剤が、エチルカルビトール、
ブチルカルビトール及びブチルカルビトールアセテート
から選ばれた少なくとも1種の溶剤であることが好まし
い。
100℃以下の沸点を有する溶剤が、メチルエチルケト
ン、イソプロパノール及びトルエンから選ばれた少なく
とも1種の溶剤であることが好ましい。
前記の熱伝導基板用シート状物に、さらにカップリング
剤、分散剤、着色剤及び離型剤から選ばれた少なくとも
1種を添加することが好ましい。
造膜法が、ドクターブレード法、コーター法及び押し出
し成形法から選ばれる少なくとも一つの方法であること
が好ましい。
求項24または25に記載の方法で作製された熱伝導基
板用シート状物にリードフレームを重ね、熱硬化樹脂組
成物の硬化温度以下の温度でかつ10〜200Kg/c
m2 の圧力で成形し、リードフレームの表面まで充填一
体化し、さらに0〜200Kg/cm2 の圧力で加熱加
圧して前記熱硬化性樹脂を硬化させることを特徴とす
る。
リードフレーム接着面の反対面に放熱用金属板をさらに
形成することが好ましい。また本発明の熱伝導基板の製
造方法は、請求項24または25に記載の方法で作製さ
れた熱伝導基板用シート状物にリードフレームと2層以
上の配線層を有するプリント基板を前記リードフレーム
と前記プリント基板が重ならないように配置し、前記熱
伝導基板用シート状物中の熱硬化樹脂組成物の硬化温度
以下の温度でかつ10〜200Kg/cm2 の圧力で成
形し、前記リードフレームと前記2層以上の配線層を有
するプリント基板の表面まで充填一体化し、さらに0〜
200Kg/cm2 の圧力で加熱加圧して前記熱硬化性
樹脂を硬化させることを特徴とする。
求項24または25に記載の方法で作製された熱伝導基
板用シート状物に貫通穴加工を行う工程と、前記貫通穴
に導電性樹脂組成物を充填する工程と、前記充填済シー
ト状物の両面に金属箔を重ねる工程と、10〜200K
g/cm2 の圧力で加熱加圧し前記シート状物の前記熱
硬化性樹脂を硬化させる工程と、前記金属箔を加工して
配線パターンを形成する一連の工程を含むことを特徴と
する。
求項24または25に記載の方法で作製された熱伝導基
板用シート状物の両面に金属箔を重ねる工程と、10〜
200Kg/cm2 の圧力で加熱加圧し、前記熱伝導基
板用シート状物の前記熱硬化性樹脂を硬化させる工程
と、前記硬化済熱シート状物に貫通穴を加工する工程
と、前記貫通穴加工済シート状物の全面に銅メッキを行
う工程と、前記金属箔と銅メッキ層を加工して配線パタ
ーンを形成する工程を含むことを特徴とする。
求項24または25に記載の方法で作製された所望の枚
数の熱伝導基板用シート状物を準備し、前記各々のシー
ト状物に所望の位置に貫通穴加工を行う工程と、前記貫
通穴に導電性樹脂組成物を充填する工程と、前記充填済
シート状物の片面に導電性樹脂組成物を用いて配線パタ
ーンを形成する工程と、前記配線パターンを形成した各
々のシート状物を前記配線パターン面が上になるよう位
置合わせして重ね、かつ最上面に前記貫通穴に導電性樹
脂組成物を充填しただけのシート状物をさらに位置合わ
せして重ねる工程と、さらに前記重ね合わせたシート状
物の積層体の両面に金属箔を重ねる工程と、10〜20
0Kg/cm2 の圧力で加熱加圧し前記熱伝導基板用シ
ート状物の前記熱硬化性樹脂を硬化させる工程と、前記
金属箔を加工して配線パターンを形成する工程を含むこ
とを特徴とする。
ー加工、ドリル加工及びパンチング加工から選ばれる少
なくとも一つの加工によって行われることが好ましい。
また前記方法においては、金属箔が少なくとも片面粗面
化された面を有する12〜200μm厚みの銅箔である
ことが好ましい。
物が、銀、銅及びニッケルから選ばれる少なくとも一つ
の金属粉を70〜95重量部と、熱硬化樹脂および硬化
剤を5〜30重量部含むことが好ましい。
度が170〜260℃の範囲であることが好ましい。前
記した通り、本発明によれば、熱伝導性シート状物の可
撓性を利用して所望の形状に加工し、硬化してリジット
な高熱伝導性基板とすることにより、放熱性を向上させ
パワー用エレクトロニクス実装に好適な高放熱樹脂基板
(熱伝導基板)を提供できる。
に熱伝導基板を製造できる。
未硬化状態の熱硬化性樹脂に高濃度に無機フィラーを添
加し、平面方向の熱膨張係数が半導体とほぼ同じでしか
も高熱伝導性を付与した可撓性を有する熱伝導シート状
物を基本とする。本発明の熱伝導シート状物は、熱硬化
樹脂組成物に高沸点溶剤を添加すること、または熱硬化
樹脂に室温で固形の樹脂と室温で液状の熱硬化樹脂の混
合物を使用すること、および無機フィラーとの混合に低
沸点溶剤を使用し造膜することにより、高濃度に無機質
フィラーを添加できるばかりでなく、前記熱伝導シート
状物中の熱硬化性樹脂が未硬化状態で可撓性を発揮させ
ることが可能となり、また低温低圧で所望の形に成形す
ることができる。またさらに加熱加圧により、前記熱硬
化樹脂が硬化することでリジットな基板とすることがで
きる。この可撓性を有する熱伝導シート状物を用いて、
簡便に半導体を直接実装できる熱伝導性基板を得ること
ができる。
ト状物を用い、リードフレームを重ね、加熱加圧により
前記熱伝導シート状物を硬化させリードフレームと一体
化することで、放熱性を有する半導体を直接実装できる
熱伝導基板を得る。
シート状物に貫通穴を形成し、該貫通穴に導電性樹脂組
成物を充填し、その両面に金属箔パターンを形成するこ
とで両面の電気的導通を可能ならしめた高熱伝導性有す
る両面熱伝導基板を得る。
の貫通穴に銅メッキにより電気的導通を可能にした高熱
伝導両面基板を得る。更にその第5の態様として、前記
の熱伝導シート状物を複数枚使用し、導電性樹脂組成物
が充填された貫通穴と、その熱伝導シート状物の片面に
配線パターンを形成し、前記熱伝導シート状物を多数枚
重ねて多層回路構成とした熱伝導基板(多層基板)を得
る。
実装用の熱伝導基板(片面配線、両面配線、多層配線基
板)を図面に基づき説明する。図1は、本発明の一実施
例による熱伝導シート状物の構成を示す断面図である。
図において熱伝導シート状物100は、離型性フィルム
101上に、造膜されている。その形成方法は、少なく
とも無機質フィラーと熱硬化樹脂組成物と150℃以上
の沸点を有する溶剤および100℃以下の沸点を有する
溶剤からなる混合物スラリーを準備し、前記離型フィル
ム101上に造膜される。造膜の方法は、既存のドクタ
ーブレード法やコーター法さらには押し出し成形法が利
用できる。そして、前記造膜されたスラリーの前記10
0℃以下の沸点を有する溶剤のみを乾燥することで可撓
性を有する熱伝導シート状物を得ることができる。
室温で固形の熱硬化樹脂と室温で液状の熱硬化樹脂組成
物および100℃以下の沸点を有する溶剤の混合物スラ
リーを準備し、前記と同様に離型フィルム101上に造
膜し、前記溶剤を乾燥することでも可撓性を有する熱伝
導シート状物を得ることができる。
シ樹脂、フェノール樹脂及びシアネート樹脂を挙げるこ
とができる。また前記無機フィラーとしては、Al
2O3、MgO、BN、AlNを挙げることができる。前
記150℃以上の沸点を有する溶剤としては、エチルカ
ルビトール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトール
アセテートを挙げることができる。
は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂、および液状フェ
ノール樹脂を挙げることができる。
剤としては、メチルエチルケトン、イソプロパノール、
トルエンを挙げることができる。また必要であれば、熱
伝導シート状物組成物にさらにカップリング剤、分散
剤、着色剤、離型剤を添加することも可能である。
を有する溶剤を添加することや室温で液状の熱硬化樹脂
を添加し、100℃以下の沸点を有する溶剤を乾燥する
ことで、適度な粘度(102 〜105 Pa・s)の半硬
化又は部分硬化状態の熱伝導基板用シート状物が得られ
る。102 Pa・s以下の粘度では、シート状物の粘着
性が強すぎ離型フィルムから剥がせないばかりか、加工
後の変形量が大きいので作業性が悪い。また、105 P
a・s以上の粘度では、可撓性がなく室温での加工が困
難となる。望ましくは103 〜104 Pa・sの範囲の
粘度が作業性、加工性の面で最適である。
体として用いた熱伝導基板は、無機フィラーを大量に充
填することができるので熱膨脹係数が半導体とほぼ同様
にすることができるだけでなく、放熱性に優れた基板と
なる。
を用いて作製される熱伝導基板の製造工程を示す工程別
断面図である。図2Aにおいて、200は前記のように
して作製された熱伝導シート状物であり、図2Bの20
1は、配線を形成するリードフレームである。リードフ
レーム201は、銅板を所望の形状に金型により打抜い
て得ることもできるし、エッチング法で形成することも
可能である。加工されたリードフレームの表面はニッケ
ルメッキにより処理され、銅の酸化を防止したものが一
般的に使用される。
伝導シート状物200を重ね合せたものである。図2D
はリードフレームと熱伝導シート状物を加熱加圧し、リ
ードフレームの表面まで熱伝導シート状物の可撓性を利
用して熱伝導シート状物を充填し、さらに前記熱伝導シ
ート状物の中の熱硬化樹脂を硬化させた状態を示してい
る。次に図2Eは硬化後の熱伝導基板のリードフレーム
の必要部分を残してカットし、さらに取り出し電極とす
るためリードフレームを垂直に曲げ加工したものであ
る。これにより熱伝導基板が作製される。その後半田に
よる部品実装や、絶縁樹脂の充填などの工程があるが、
ここでは本質ではないので省略している。
リードフレーム接着面の反対側にさらに放熱性金属板3
02を形成したものである。図4A〜Fは、前記方法と
は異なる両面配線を有する熱伝導基板の形成方法を示し
ている。図4Aでは、離型性フィルム401上に造膜さ
れた熱伝導シート状物400を示している。図4Bは、
上記熱伝導シート状物400の離型性フィルム401側
から貫通穴402が形成されている。貫通穴の形成は、
炭酸ガスやエキシマなどによるレーザー加工法や金型に
よる加工さらには、ドリルによって形成することができ
る。レーザビームで穴あけ加工すると、微細なピッチで
穴あけでき、しかも削り屑が出ないため好ましい。次の
図4Cは、前記貫通穴402に導電性樹脂組成物403
が充填されている。前記導電性樹脂組成物としては、例
えば銅粉,エポキシ樹脂,及びエポキシ樹脂の硬化剤を
混合してなる導電性ペーストを挙げることができる。図
4Dは、さらに金属箔404を両面に重ねあわせる。こ
の状態で加熱加圧し、図4Eのように前記熱伝導シート
状物を硬化させ、最後に図4Fに示すように両面の金属
箔を加工し、配線パターン405が得られる。これによ
り両面に配線パターンを有する熱伝導基板を得ることが
できる。この時、金属箔の代りに前述のリードフレーム
を用いることも可能であり、その際最後の配線パターン
形成を省略することが可能となる。
両面の電気的接続方法が、導電性樹脂組成物によらず、
加熱加圧による硬化後に貫通穴加工を行い、その後銅メ
ッキ法により層間接続を行う方法により作製された熱伝
導基板の断面図を示したものである。501は貫通穴に
形成された銅メッキ層、502は配線パターン、500
は前記熱伝導シート状物を硬化させた熱伝導基板を示し
ている。
層配線基板の作製方法を示す工程別断面図である。図6
A〜Cは図4に示した熱伝導シート状物に貫通穴加工
し、導電性樹脂組成物を充填したものとまったく同じで
ある。図6D、FおよびGは上記導電性樹脂組成物60
3を充填した熱伝導シート状物であり、さらにその片面
に導電性樹脂組成物603を用いて配線パターン604
を形成したものである。配線パターンの形成方法は、ス
クリーン印刷法や凹版オフセット印刷などにより形成す
ることができる。図6Eは前記導電性樹脂組成物による
配線パターンが形成されていない。
シート状物を図のように重ねさらにその両面に金属箔6
05を重ねたものである。図6Iはこれを加熱加圧し、
前記各々の熱伝導シート状物を硬化接着させたものであ
り、図6Jは、最後に最上層の配線パターン606を形
成したものである。ここでの配線パターンの形成はエッ
チング法により行われる。エッチング法は、一般に例え
ば塩化第二鉄をエッチング液として用いたウエットエッ
チングが使用される。これにより多層配線構造を有する
高密度な熱伝導基板が得られる。
レジストを塗布したり、文字や記号を印刷したり、挿入
部品用の穴を開けるなどの工程があるが、これらの工程
は公知の方法を採用できるので詳細な説明は省略してい
る。
700を用いて作製される熱伝導基板の製造工程を示す
工程別断面図である。図7Aにおいて、700は前記の
ようにして作製された熱伝導基板用シート状物であり、
701は配線を形成するためのリードフレームである。
リードフレーム701は、銅板を所望の形状に金型によ
り打抜いて得ることもできるし、エッチング法で形成す
ることも可能である。加工されたリードフレームの表面
はニッケルメッキにより処理され、銅の酸化を防止した
ものが一般的に使用される。702は、2層以上の配線
層を有するプリント基板であり、配線パターン703と
層間を電気的に接続するためのビア704を持ってい
る。
導基板用シート状物700および2層以上の配線層を有
するプリント基板702を加熱加圧し、リードフレーム
700とプリント基板702の表面まで熱伝導基板用シ
ート状物700の可撓性を利用して熱伝導基板用シート
状物を充填し、さらに前記熱伝導基板用シート状物の中
の熱硬化樹脂を硬化させた状態を示している。以降、図
2のEのように熱伝導基板のリードフレームの必要部分
を残してカットし、さらに取り出し電極とするためリー
ドフレームを垂直に曲げ加工する。これにより熱伝導基
板が作製される。その後半田による部品実装や、絶縁樹
脂の充填などの工程があるが、このような工程は公知の
方法を採用できるので詳細な説明は省略している。
に説明する。 (実施例1)本発明の熱伝導シート状物の作製に際し、
無機フィラーと熱硬化樹脂および溶剤を混合し、十分な
分散状態が得られるようにアルミナボールの玉石を混合
してスラリーを作製した。実施した熱伝導シート状物組
成を表1に示す。
加量を変化させた場合の熱伝導シート状物の性能を評価
したもので、Al2O3は住友化学(株)製(AL−3
3、平均粒径12μm)、エポキシ樹脂として以下の組
成のものを用いた。
解したものを使用した。固形分量は70wt%である。
100℃以下の沸点を有するメチルエチルケトン溶剤を
加えスラリー粘度が約20Pa・sになるまで添加し、
前記の玉石を加え48時間ポット中で500rpmの速
度で回転混合させた。この時、低沸点溶剤は粘度調整用
であり、高濃度の無機フィラーを添加する上で重要な構
成要素となる。ただし、後の乾燥工程で低沸点溶剤は揮
発させてしまうので熱伝導シート状物組成中に残らない
ので表1には記載していない。次に、離型フィルムとし
て厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
を準備し、前記スラリーをドクターブレード法でギャッ
プ約1.4mmで造膜した。次に前記造膜シート中のメ
チルエチルケトン溶剤を100℃の温度で1時間放置し
乾燥させた。これにより表1に示すように適度な粘度を
有する可撓性熱伝導シート状物(750μm)が得られ
た。
から離型フィルムを剥離し、再度耐熱性離型フィルム
(PPS:ポリフェニレンサルファイト75μm厚み)
で挟んで、200℃の温度で圧力50kg/cm2で硬化させ
た。PPS離型フィルムを剥離し、所定の寸法に加工し
て、熱伝導性、熱膨張係数、絶縁耐圧、抗折強度を測定
した。結果を表2に示す。
の表面を加熱ヒータに接触加熱し、反対面への温度の伝
わりかたから計算で熱伝導度を求めた。また表2の結果
に示した絶縁耐圧は、同様に熱伝導基板の厚み方向のA
C電圧による絶縁耐圧を求め単位厚み当たりに計算した
ものである。絶縁耐圧は、熱伝導基板の熱硬化樹脂と無
機フィラーの接着性に影響を受ける。即ち無機フィラー
と熱硬化樹脂の濡れ性が悪いと、その間にミクロな隙間
が生じその結果、基板の強度や絶縁耐圧の低下を招くた
めである。一般に樹脂だけの絶縁耐圧は15KV/mm
程度とされており、10KV/mm以上であれば良好な
接着が得られていると判断できる。
作製された熱伝導シート状物から得られる熱伝導基板
は、従来のガラスエポキシ基板に比べ約20倍以上の熱
伝導性が得られ、また従来の射出成形法に比べても倍以
上の性能が発揮できた。また熱膨張係数もAl2O3を9
0wt%以上添加したもので、シリコン半導体に近い熱
膨張係数のものが得られている。また、基板としての抗
折強度も15kg/mm2以上の値を示しており基板として十
分な強度を有しているといえる。これにより、半導体を
直接実装するフリップチップ用基板としても有望であ
る。
性能を評価した。表3にその組成を示し、表4に評価結
果を示す。
として、Al2O3以外のAlN、MgO、BNなどの粉
末(7〜12μm程度)を用いることで上記と同様多量
添加することができ、無機フィラー特有の性能を発揮さ
せることができる。即ちAlNの良好な熱伝導性を利用
すれば、セラミック基板に近い熱伝導性が得られる(実
施例1h)。またBNを添加した場合、実施例1iに示
すように高熱伝導でしかも低熱膨張性が得られる。この
時の添加量の設定は、無機フィラーの密度と分散性に応
じ最適な状態を得られる様にしたもので、AlNのよう
に分散剤などを添加することでより大量に添加すること
ができる。また熱伝導シート状物に着色を行うことで、
熱放散性に富む熱伝導基板が得られる。また上記の様に
無機フィラーと熱硬化樹脂の接着を改善するため、シラ
ン系のカップリング剤を添加することで、絶縁耐圧に良
好に作用している。
い、可撓性を付与するもう一つの方法である室温で液状
の樹脂を添加した場合の熱伝導シート状物の性能を評価
したもので、Al2O3は住友化学(株)製(AL−3
3、平均粒径12μm)、エポキシ樹脂として日本レッ
ク(株)製(NVR−1010、硬化剤含む)の一部を
表5に示す液状樹脂で置換することで得た。
100℃以下の沸点を有するメチルエチルケトン溶剤を
スラリー粘度が約20Pa・sになるまで添加し、前記
の玉石を加え48時間ポット中で500rpmの速度で
回転混合させた。この時、低沸点溶剤は粘度調整用であ
り、高濃度の無機フィラーを添加する上で重要な構成要
素となる。ただし、後の乾燥工程で低沸点溶剤は揮発さ
せてしまうので熱伝導シート状物組成中に残らないので
表5には記載していない。次に、離型フィルムとして厚
み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを準
備し、前記スラリーをドクターブレード法でギャップ約
1.4mmで造膜した。次に前記造膜シート中のメチル
エチルケトン溶剤を100℃の温度で1時間放置し乾燥
させた。これにより表5に示すように室温で液状の樹脂
を添加することで適度な粘度を有する可撓性熱伝導シー
ト状物(750μmt厚み)が得られた。
から離型フィルムを剥離し、再度耐熱性離型フィルム
(PPS:ポリフェニレンサルファイト75μm厚み)
で挟んで、200℃の温度で圧力50kg/cm2で硬化させ
た。PPS離型フィルムを剥離し、所定の寸法に加工し
て、熱伝導性、熱膨張係数、絶縁耐圧、抗折強度を測定
した。結果を表6に示す。
を添加することでも熱伝導シート状物に可撓性を付与で
き、しかも無機フィラー特有の性能を発揮させることが
できる。このことは、前記実施例の高沸点溶剤を添加す
る方法に比べ、熱伝導シート状物の成型加工時には溶剤
が存在しないため、ボイドによる絶縁耐圧や抗折強度は
良好である。
した熱伝導シート状物を用い、リードフレームと一体化
させた熱伝導基板の実施例を示す。本実施例に使用した
熱伝導シート状物の組成を以下に示す。 (1)無機フィラー:、Al2O3、90重量%(昭和電
工(株)製「AS−40」(商品名)、球状、平均粒子
径12μm) (2)熱硬化樹脂:シアネートエステル樹脂、9重量%
(旭チバ(株)製、「AroCy M30」(商品
名)) (3)150℃以上の沸点溶剤:ブチルカルビトール、
0.5重量%(関東化学(株)試薬1級) (4)その他の添加物:カーボンブラック、0.3重量
%(東洋カーボン(株)製)分散剤:0.2重量%(第一工
業製薬(株)製「プライサーフ、F−208F」(商品
名)) 以上の組成で作製された熱伝導シート状物(厚み770
μm)を用い、リードフレームとして厚み500μmの銅
板をエッチング法で加工し、さらにニッケルメッキを施
したものを重ね合わせて110℃の温度で60kg/cm2の
圧力で加熱加圧した。これによりリードフレームの間隙
に前記熱伝導シート状物が流れ込み、リードフレームの
表面まで充填された図2Dのような構造に成形できた。
この後前記リードフレームと一体化された熱伝導シート
状物を乾燥機を用いて175℃の温度で1時間加熱し、
前記熱伝導シート状物中の熱硬化樹脂を硬化させた。こ
れにより低温で成形だけを行うことで短時間で処理が行
え、かつ成形後まとめて硬化を行うため、全体のプロセ
スとして短時間大量処理が実現できた。さらに図2Eに
示した様にリードフレームの外周部をカットし、端子の
曲げ加工を行うことで、熱伝導基板が完成できた。また
前記成形工程と硬化工程を別々に実施したが、これを加
圧しながら加熱成形から硬化までを一連のプロセスで連
続して行うことも可能であった。
導性を評価したところ、3.7W/mKの値が得られ
た。これにより従来の射出成形法や金属基板に比べ約2
倍の高性能化が図れた。また信頼性の評価として、最高
温度が260℃で10秒のリフロー試験を行った。この
ときの基板とリードフレームとの界面に特に異常は認め
られず。強固な密着が得られていることが確認できた。
した熱伝導シート状物を用い、両面に金属箔配線層を有
しかつその層間を導電性樹脂組成物の充填により電気接
続させた熱伝導基板の実施例を示す。本実施例に使用し
た熱伝導シート状物の組成を以下に示す。 (1)無機フィラー:Al2O3、90重量%(昭和電工
(株)製「AS−40」(商品名)、球状12μm) (2)熱硬化樹脂:(日本レック(株)製「NRV−1
010」(商品名)) 主剤−臭素化された多官能エポキシ樹脂、60重量部 硬化剤−ビスフェノールA型ノボラック樹脂、39.5
重量部 硬化促進剤−イミダゾール、0.5量部 からなる混合物を9重量% (3)150℃以上の沸点溶剤:ブチルカルビトールア
セテート、0.5重量%(関東化学(株)試薬1級) (4)その他の添加物:カーボンブラック、0.3重量
%(東洋カーボン(株)製)、カップリング剤:0.2
重量%(味の素(株)製「プレンアクト、KR−55」
(商品名)) 上記組成で作製した離型性フィルム付熱伝導シート状物
を所定の大きさにカットし、前記離型性フィルム面か
ら、炭酸ガスレーザを用いてピッチが0.2mm〜2m
mの等間隔の位置に直径0.15mmの貫通孔を形成し
た(図4B)。
脂組成物403として、銅の球形状の金属粒子85重量
%と、樹脂組成としてビスフェノールA型エポキシ樹脂
(エピコート828 油化シェルエポキシ製)3重量%
とグルシジルエステル系エポキシ樹脂(YD−171
東都化成製)9重量%および硬化剤としてアミンアダク
ト硬化剤(MY−24 味の素製)3重量%を三本ロー
ルにて混練したものを、スクリーン印刷法により充填し
た(図4C)。ペーストが充填された熱伝導シート状物
からポリエチレンテレフタレートフィルム401を除去
した後、この熱伝導シート状物の両面に35μmの片面
を粗化した銅箔を粗化面を熱伝導シート状物面側にして
張り合わせ、これを熱プレスを用いてプレス温度180
℃、圧力50kg/cm2 で60分間加熱加圧して両面
熱伝導基板を形成した(図4E)。
シ樹脂の硬化により銅箔の粗化面と強固な接着が得られ
ると同時に前記導電性樹脂組成物403中のエポキシ樹
脂も硬化し、両面の銅箔と機械的、電気的接続(インナ
ービアホール接続)が行われる。
用いてエッチングして、インナビアホール上に直径0.
2mmの電極パターンおよび配線パターンが形成された
回路を形成した両面基板を得た。本方法により作製され
た熱伝導基板の熱伝導性能と熱膨張係数を測定したとこ
ろ、熱伝導度は4.1W/mK、熱膨張係数(室温から
150℃の範囲)は、10ppm/℃であり、良好な結
果が得られた。この熱伝導基板を用いて半導体のフリッ
プチップ実装を試みた。その方法は、半導体素子の電極
上に公知のワイヤーボンデンイング法を用いてAuバン
プを形成し、このバンプの頭頂部にAg−Pdを導電物
質として含有する接着剤を塗布し、半導体素子の表面を
下にしたフリップチップ方式にて、両面熱伝導基板上に
形成した電極パターンと接合し、硬化させ、さらに樹脂
モールドして実装を行った。このようにして得られた半
導体が実装された両面熱伝導基板を、最高温度が260
℃で10秒のリフロー試験を20回行った。このときの
基板と半導体との接続を含んだ電気抵抗値の変化は初期
接続抵抗が35mΩ/バンプに対し試験後は40mΩ/バ
ンプと非常に小さい変化量であった。
形成した従来のガラスエポキシ基板では、半導体と基板
の熱膨張係数が異なるために、半導体と基板の接合部で
抵抗値が増大し、10回で断線した。これに対して、基
板の平面方向の熱膨張係数が半導体に近い本実施例の基
板では、リフロー回数による抵抗値の変化はわずかであ
った。
した熱伝導シート状物を用い、両面に金属箔配線層を有
しかつその層間を銅のスルーホールメッキにより電気接
続させた熱伝導基板の実施例を示す。本実施例に使用し
た熱伝導シート状物の組成を以下に示す。 (1)無機フィラー:Al2O3、87重量%(住友化学
(株)製「AM−28」(商品名)、球状、平均粒子
系:12μm) (2)熱硬化樹脂:フェノール樹脂、11重量%(大日
本インキ製「フェノライト、VH4150」(商品
名)) (3)150℃以上の沸点溶剤:エチルカルビトール、
1.5重量%(関東化学(株)試薬1級) (4)その他の添加物:カーボンブラック、0.3重量%
(東洋カーボン(株)製) カップリング剤:0.2重量%(味の素(株)製「プレ
ンアクト、KR−55(商品名)」) 上記組成で作製した熱伝導シート状物の離型フィルムを
剥離した後、この熱伝導シート状物を所定の大きさにカ
ットし、熱伝導シート状物の両面に35μmの片面を粗
化した銅箔を粗化面を熱伝導シート状物面側にして張り
合わせ、これを熱プレスを用いてプレス温度180℃、
圧力50kg/cm2で60分間加熱加圧して両面熱伝導基板
を形成した。
ール樹脂の硬化により銅箔の粗化面と強固な接着が得ら
れる。銅箔を接着させた熱伝導基板をドリルを用いて
0.3mm径の貫通穴加工を行ない、さらに貫通穴を含
む全面に既存の方法で約20μmの厚みになるよう銅メ
ッキを行った。この両面銅張熱伝導基板の銅箔をエッチ
ング技術を用いてエッチングして、配線パターンが形成
した両面熱伝導基板を得た(図5参照)。本方法により
作製された熱伝導基板の熱伝導性能と熱膨張係数を測定
したところ、熱伝導度は2.8W/mK、熱膨張係数
(室温から150℃の範囲)は、18ppm/℃であ
り、良好な結果が得られた。
した熱伝導シート状物を複数枚用い、複数の層に配線層
を有しかつその層間を導電性樹脂組成物により電気接続
させた多層配線熱伝導基板の実施例を示す。本実施例に
使用した熱伝導シート状物の組成を以下に示す。 (1)無機フィラー:Al2O3、92重量%(住友化学
(株)製AM−28)、球状、平均粒径:12μm) (2)熱硬化樹脂:シアネートエステル樹脂、7.3重
量%(三菱ガス化学製、BT2170(商品名)) (3)150℃以上の沸点溶剤:エチルカルビトール、
0.2重量%(関東化学(株)試薬1級) (4)その他の添加剤:カーボンブラック、0.3重量
%(東洋カーボン(株)製)、カップリング剤、0.2
重量%(味の素(株)製「プレンアクトKR−55」
(商品名) 上記組成の離型フィルム(ポリエチレンテレフタレー
ト)601付の熱伝導シート状物600を使用し、この
熱伝導シート状物の片面のポリエチレンテレフタレート
フィルム側から、炭酸ガスレーザを用いてピッチが0.
2mm〜2mmの等間隔の位置に直径0.15mmの貫
通穴602を形成した。図6(b)参照。この貫通穴6
02に導電性樹脂組成物603として銅の球形状の金属
粒子85重量%と、樹脂組成としてビスフェノールA型
エポキシ樹脂(エピコート828油化シェルエポキシ
製)3重量%とグルシジルエステル系エポキシ樹脂(Y
D−171 東都化成製)9重量%および硬化剤として
アミンアダクト硬化剤(MY−24 味の素製)3重量
%を三本ロールにて混練したものをスクリーン印刷法に
て充填した。
剥離面に配線パターン形成用導電性樹脂組成物として針
状のAg粉末80重量%と、樹脂組成としてビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(エピコート828 油化シェル
エポキシ製)10重量%および硬化剤としてアミンアダ
クト硬化剤(MY−24 味の素製)2重量%さらに溶
剤としてテレピン油8重量%を三本ロールにて混練した
ものをスクリーン印刷法にて充填した。図6D参照。同
様にして配線パターンまでを形成した別の熱伝導シート
状物を2枚作製した。図6F,G参照。また同様の方法
で貫通穴602に導電性樹脂組成物603を充填した状
態までの熱伝導シート状物「図6E」を準備し、該熱伝
導シート状物を最上面とし、図6Hの様に位置合わせし
て重ね合せた。重ね合せた最外層に更に銅箔(18μm
厚片面粗化)を粗化面を内側に配して重ねた。この熱伝
導シート状物の積層体を熱プレスを用いてプレス温度1
80℃、圧力50kg/cm2で60分間加熱加圧して多層構
造熱伝導基板を形成した。
を用いてエッチングして配線パターンを形成した。この
多層構造熱伝導基板は最外層部に銅箔を使用するため、
半田付けによる部品実装が可能となった。また内層には
スクリーン印刷による配線パターンが形成されており、
50μm程度の細線が形成可能であるとともに、導電性
樹脂組成物によるインナービアが形成できるため、高密
度な配線が可能となり高密度実装用基板として極めて有
望である。本方法により作製された多層構造を有する熱
伝導基板の熱伝導性能と熱膨張係数を測定したところ、
熱伝導度は4.5W/mK、熱膨張係数(室温から15
0℃の範囲)は、8ppm/℃であり、良好な結果が得
られた。
装により本熱伝導基板のマルチチップモジュールとして
の評価を行った。実施方法は、半導体素子の電極上に公
知のワイヤーボンデンイング法を用いて、Auバンプを
形成し、このバンプの頭頂部にAg−Pdを導電物質と
して含有する接着剤を塗布し、半導体素子の表面を下に
したフリップチップ方式にて、前記熱伝導基板パターン
上に形成した電極と接合し、硬化させ、さらに樹脂モー
ルドして実装を行った。この半導体が実装された基板を
最高温度が260℃で10秒のリフロー試験を20回行
った。このときの基板と半導体との接続を含んだ電気抵
抗値の変化は初期のバンプ接続抵抗が34mΩ/バンプ
であったものが試験後も37mΩ/バンプと極めて安定
であることが確認された。
基板を通して一定電流を流し、1Wの発熱を連続的にさ
せたときの基板と半導体との接続を含んだ電気抵抗値の
変化を測定したところ、本実施例の基板では、インナビ
アホールの数量により抵抗値の変化は問題にならない程
度であった。
成物の導電フィラーとして銅粒子、銀粒子を使用した
が、本発明では導電性粒子は銅粒子に限定されるもので
はなく、他の金属粒子を用いることもできる。特に、ニ
ッケルを用いた場合でも、導電部の電気導電性を高く保
持できる。
伝導シート状物は未硬化状態の熱硬化性樹脂に高濃度に
無機フィラーを添加し、平面方向の熱膨張係数が半導体
とほぼ同じでしかも高熱伝導性を有する熱伝導基板に利
用できる。また本発明の熱伝導シート状物は、高沸点溶
剤を使用することもしくは、室温で液状熱硬化樹脂を用
いることにより、高濃度に無機質フィラーを添加できる
ばかりでなく、前記熱伝導シート状物中の熱硬化性樹脂
が未硬化状態で可撓性を発揮させることが可能となり、
また低温低圧で所望の形に成形することができる。また
さらに加熱加圧により、前記熱硬化樹脂が硬化すること
でリジットな基板とすることができる。この可撓性を有
する熱伝導シート状物を用いて、簡便に半導体を直接実
装できる熱伝導性基板を得ることができる。特に前記熱
硬化樹脂に室温で液状の熱硬化樹脂を混合した熱伝導シ
ート状物では、100℃以下の沸点の溶剤乾燥がすでに
完了しているので、シート状物中に溶剤は存在していな
い。このため本シート状物を加熱し硬化させるときボイ
ドが生じることがなく、熱伝導度が良好であるとととも
に絶縁信頼性も良好である。
シート状物を用いリードフレームを重ね、加熱加圧によ
り前記熱伝導シート状物を硬化させリードフレームと一
体化することで、放熱性を有する半導体を直接実装でき
る熱伝導基板を実現できる。
ート状物に貫通穴を形成し、該貫通穴に導電性樹脂組成
物を充填し、その両面に金属箔パターンを形成すること
で両面の電気的導通を可能ならしめた高熱伝導性を有す
る両面熱伝導基板を実現できる。
メッキにより電気的導通を可能にした高熱伝導両面基板
を実現できる。更に本発明の熱伝導基板は、前記の熱伝
導シート状物を複数枚使用し、導電性樹脂組成物が充填
された貫通穴と、その熱伝導シート状物の片面に配線パ
ターンを形成し、前記熱伝導シート状物を多数枚重ねて
多層回路構成とした熱伝導基板(多層基板)を得ること
ができる。
用いた熱伝導基板(片面、両面、多層配線構造を有する
熱伝導基板)は、高濃度に無機フィラーを充填すること
ができるため通常のプリント基板では得られない高い熱
伝導性を有するものである。また熱伝導シート状物が可
撓性を有するためどのような形状にも成形加工すること
ができるので、簡便なプロセスで基板製造が行え、工業
上極めて有効なものである。しかも硬化後の基板はリジ
ットで機械的にも強固なものであり、セラミック基板に
匹敵する熱伝導と熱膨張係数を有するものである。この
ため、今後益々増大するパワー回路用基板や高電力ロス
を生じるディジタル高速LSI実装用基板として有望で
ある。加えて半導体を直接実装するフリップチップ実装
用マルチチップモジュール用基板としても有効なもので
ある。
構成を示す断面図である。
ト状物を用いて作製される熱伝導基板の製造工程を示す
工程別断面図。
レーム接着面の反対面にさらに放熱金属板を形成した熱
伝導基板の断面図。
ト状物を用いて作製される熱伝導基板の製造工程を示す
工程別断面図。
を製造する工程を示す工程別断面図である。
層配線基板の作製方法を示す工程別断面図である。
ート状物を用いて作製される熱伝導基板の製造工程を示
す工程別断面図である。
Claims (45)
- 【請求項1】 無機質フィラー70〜95重量部と、少
なくとも熱硬化樹脂、硬化剤、および硬化促進剤を含む
樹脂組成物5〜30重量部からなる混合物シートであっ
て、前記混合物シートが半硬化又は部分硬化状態で可撓
性を有する熱伝導基板用シート状物。 - 【請求項2】 半硬化又は部分硬化状態が、粘度:10
2 〜105 (Pa・s)の範囲である請求項1に記載の
熱伝導基板用シート状物。 - 【請求項3】 半硬化又は部分硬化状態が、粘度:10
3 〜104 (Pa・s)の範囲である請求項1に記載の
熱伝導基板用シート状物。 - 【請求項4】 無機質フィラーおよび熱硬化樹脂組成物
の合計量100重量部に対して、さらに150℃以上の
沸点を有する溶剤0.1〜2重量部を添加した請求項1
に記載の熱伝導基板用シート状物。 - 【請求項5】 前記150℃以上の沸点を有する溶剤
が、エチルカルビトール、ブチルカルビトール及びブチ
ルカルビトールアセテートから選ばれた少なくとも1種
の溶剤である請求項4に記載の熱伝導基板用シート状
物。 - 【請求項6】 熱硬化樹脂組成物を100重量部とした
とき、 1)室温で固形の樹脂が0〜45重量部、 2)室温で液状の樹脂が5〜50重量部、 3)硬化剤が4.9〜45重量部、および 4)硬化促進剤が0.1〜5重量部 の範囲である請求項1に記載の熱伝導基板用シート状
物。 - 【請求項7】 前記室温で液状の熱硬化樹脂としての主
成分がビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、または液状フェノール樹脂から選
ばれた1種以上である請求項6に記載の熱伝導基板用シ
ート状物。 - 【請求項8】 前記熱硬化樹脂組成物の主成分が、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂及びシアネート樹脂から選ば
れた少なくとも一つの樹脂である請求項1に記載の熱伝
導基板用シート状物。 - 【請求項9】 前記熱硬化樹脂組成物が臭素化された多
官能エポキシ樹脂を主成分とし、さらに硬化剤としてビ
スフェノールA型ノボラック樹脂と、硬化促進剤として
イミダゾールを含む請求項1に記載の熱伝導基板用シー
ト状物。 - 【請求項10】 前記臭素化された多官能エポキシ樹脂
が60〜80重量部の範囲、硬化剤としてビスフェノー
ルA型ノボラック樹脂が18〜39.9重量部の範囲、
硬化促進剤としてイミダゾールが0.1〜2重量部の範
囲である請求項9に記載の熱伝導基板用シート状物。 - 【請求項11】 前記無機質フィラーが、Al2O3、M
gO、BN及びAlNから選ばれた少なくとも1種のフ
ィラーである請求項1に記載の熱伝導基板用シート状
物。 - 【請求項12】 請求項1に記載の熱伝導基板用シート
状物に、さらにカップリング剤、分散剤、着色剤及び離
型剤から選ばれた少なくとも1種を添加した熱伝導基板
用シート状物。 - 【請求項13】 請求項1から12のいずれかに記載の
熱伝導基板用シート状物中の熱硬化樹脂成分を硬化させ
た電気絶縁性の熱伝導基板であって、熱膨張係数が8〜
20ppm/℃の範囲であり、かつ熱伝導率が1〜10
W/mKの範囲であることを特徴とする熱伝導基板。 - 【請求項14】 前記熱伝導基板の抗折強度が10Kg
f/mm2以上である請求項13に記載の熱伝導基板。 - 【請求項15】 前記熱伝導基板の抗折強度が10〜2
0Kgf/mm2の範囲である請求項13に記載の熱伝
導基板。 - 【請求項16】 熱伝導基板にさらにリードフレームが
一体化されており、前記熱伝導基板がリードフレームの
表面まで充填されている請求項13に記載の熱伝導基
板。 - 【請求項17】 熱伝導基板のリードフレーム接着面の
反対面に放熱用金属板をさらに形成した請求項16に記
載の熱伝導基板。 - 【請求項18】 熱伝導基板のリードフレーム接着面の
一部に2層以上の配線層を有するプリント基板が一体化
されており、前記熱伝導基板が前記リードフレームと前
記2層以上の配線層を有するプリント基板の表面まで充
填されている請求項16に記載の熱伝導基板。 - 【請求項19】 熱伝導基板に貫通穴が設けられ、前記
貫通穴に導電性樹脂組成物が充填されているか又は銅メ
ッキによるスルーホールが形成されており、さらにその
両面に金属箔の配線パターンが形成一体化されている請
求項13に記載の熱伝導基板。 - 【請求項20】 複数の熱伝導基板が積層されており、
各々の熱伝導基板には貫通穴が設けられ、前記貫通穴に
導電性樹脂組成物が充填されており、かつ内部配線パタ
ーンが導電性樹脂組成物で構成されており、さらにその
両面に金属箔配線パターンが形成一体化されている請求
項13に記載の熱伝導基板。 - 【請求項21】 前記金属箔が少なくとも片面粗面化さ
れた面を有する12〜200μm厚みの銅箔である請求
項19または20に記載の熱伝導基板。 - 【請求項22】 前記導電性樹脂組成物が、銀、銅及び
ニッケルから選ばれる少なくとも一つの金属粉を70〜
95重量部と、熱硬化樹脂および硬化剤を5〜30重量
部含む請求項19または20に記載の熱伝導基板。 - 【請求項23】 前記無機質フィラーの平均粒子直径が
0.1〜100μmの範囲である請求項13に記載の熱
伝導基板。 - 【請求項24】 無機質フィラー70〜95重量部と、
熱硬化樹脂組成物4.9〜28重量部と、150℃以上
の沸点を有する溶剤0.1〜2重量部、および100℃
以下の沸点を有する溶剤を少なくとも含む混合物スラリ
ーを作製する工程と、前記スラリーを所望の厚みに造膜
する工程と、前記造膜されたスラリーの前記100℃以
下の沸点を有する溶剤を乾燥する工程とを含む熱伝導基
板用シート状物の製造方法。 - 【請求項25】 無機質フィラー70〜95重量部と、
室温で固形の熱硬化樹脂と室温で液状の熱硬化樹脂組成
物の合計量5〜30重量部および100℃以下の沸点を
有する溶剤からなる混合物スラリーを作製する工程と、
前記スラリーを所望の厚みに造膜する工程と、前記造膜
されたスラリーの前記100℃以下の沸点を有する溶剤
を乾燥する工程とからなることを特徴とする熱伝導基板
用シート状物の製造方法。 - 【請求項26】 室温で固形の熱硬化樹脂と室温で液状
の熱硬化樹脂組成物を100重量部としたとき、 1)室温で固形の樹脂が0〜45重量部、 2)室温で液状の樹脂が5〜50重量部、 3)硬化剤が4.9〜45重量部、および 4)硬化促進剤が0.1〜5重量部 の範囲である請求項25に記載の熱伝導基板用シート状
物の製造方法。 - 【請求項27】 前記室温で液状の熱硬化樹脂としての
主成分がビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂及び液状フェノール樹脂から選ば
れた1種以上である請求項25に記載の熱伝導基板用シ
ート状物の製造方法。 - 【請求項28】 前記無機質フィラーが、Al2O3、M
gO、BN及びAlNから選ばれた少なくとも1種のフ
ィラーである請求項24または25に記載の熱伝導基板
用シート状物の製造方法。 - 【請求項29】 前記熱硬化樹脂組成物の主成分が、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂及びシアネート樹脂から選
ばれた少なくとも一つの樹脂である請求項24または2
5に記載の熱伝導基板用シート状物の製造方法。 - 【請求項30】 前記熱硬化樹脂組成物が臭素化された
多官能エポキシ樹脂を主成分とし、さらに硬化剤として
ビスフェノールA型ノボラック樹脂と、硬化促進剤とし
てイミダゾールを含む請求項24または25に記載の熱
伝導基板用シート状物の製造方法。 - 【請求項31】前記臭素化された多官能エポキシ樹脂が
60〜80重量部の範囲、硬化剤としてビスフェノール
A型ノボラック樹脂が18〜39.9重量部の範囲、硬
化促進剤としてイミダゾールが0.1〜2重量部の範囲
である請求項30に記載の熱伝導基板用シート状物の製
造方法。 - 【請求項32】 前記150℃以上の沸点を有する溶剤
が、エチルカルビトール、ブチルカルビトール及びブチ
ルカルビトールアセテートから選ばれた少なくとも1種
の溶剤である請求項24に記載の熱伝導基板用シート状
物の製造方法。 - 【請求項33】 前記100℃以下の沸点を有する溶剤
が、メチルエチルケトン、イソプロパノール及びトルエ
ンから選ばれた少なくとも1種の溶剤である請求項24
または25に記載の熱伝導基板用シート状物の製造方
法。 - 【請求項34】 請求項24または25に記載の熱伝導
基板用シート状物に、さらにカップリング剤、分散剤、
着色剤及び離型剤から選ばれた少なくとも1種を添加す
る熱伝導基板用シート状物の製造方法。 - 【請求項35】 前記造膜法が、ドクターブレード法、
コーター法及び押し出し成形法から選ばれる少なくとも
一つの方法である請求項24または25に記載の熱伝導
基板用シート状物の製造方法。 - 【請求項36】 請求項24または25に記載の方法で
作製された熱伝導基板用シート状物にリードフレームを
重ね、熱硬化樹脂組成物の硬化温度以下の温度でかつ1
0〜200Kg/cm2 の圧力で成形し、リードフレー
ムの表面まで充填一体化し、さらに0〜200Kg/c
m2 の圧力で加熱加圧して前記熱硬化性樹脂を硬化させ
る熱伝導基板の製造方法。 - 【請求項37】 請求項36に記載の熱伝導基板のリー
ドフレーム接着面の反対面に放熱用金属板をさらに形成
する熱伝導基板の製造方法。 - 【請求項38】 請求項24または25に記載の方法で
作製された熱伝導基板用シート状物にリードフレームと
2層以上の配線層を有するプリント基板を前記リードフ
レームと前記プリント基板が重ならないように配置し、
前記熱伝導基板用シート状物中の熱硬化樹脂組成物の硬
化温度以下の温度でかつ10〜200Kg/cm2 の圧
力で成形し、前記リードフレームと前記2層以上の配線
層を有するプリント基板の表面まで充填一体化し、さら
に0〜200Kg/cm2 の圧力で加熱加圧して前記熱
硬化性樹脂を硬化させる熱伝導基板の製造方法。 - 【請求項39】 請求項24または25に記載の方法で
作製された熱伝導基板用シート状物に貫通穴加工を行う
工程と、前記貫通穴に導電性樹脂組成物を充填する工程
と、前記充填済シート状物の両面に金属箔を重ねる工程
と、10〜200Kg/cm2 の圧力で加熱加圧し前記
シート状物の前記熱硬化性樹脂を硬化させる工程と、前
記金属箔を加工して配線パターンを形成する一連の工程
を含む熱伝導基板の製造方法。 - 【請求項40】 請求項24または25に記載の方法で
作製された熱伝導基板用シート状物の両面に金属箔を重
ねる工程と、10〜200Kg/cm2 の圧力で加熱加
圧し、前記熱伝導基板用シート状物の前記熱硬化性樹脂
を硬化させる工程と、前記硬化済熱シート状物に貫通穴
を加工する工程と、前記貫通穴加工済シート状物の全面
に銅メッキを行う工程と、前記金属箔と銅メッキ層を加
工して配線パターンを形成する工程を含む熱伝導基板の
製造方法。 - 【請求項41】 請求項24または25に記載の方法で
作製された所望の枚数の熱伝導基板用シート状物を準備
し、前記各々のシート状物に所望の位置に貫通穴加工を
行う工程と、前記貫通穴に導電性樹脂組成物を充填する
工程と、前記充填済シート状物の片面に導電性樹脂組成
物を用いて配線パターンを形成する工程と、前記配線パ
ターンを形成した各々のシート状物を前記配線パターン
面が上になるよう位置合わせして重ね、かつ最上面に前
記貫通穴に導電性樹脂組成物を充填しただけのシート状
物をさらに位置合わせして重ねる工程と、さらに前記重
ね合わせたシート状物の積層体の両面に金属箔を重ねる
工程と、10〜200Kg/cm2 の圧力で加熱加圧し
前記熱伝導基板用シート状物の前記熱硬化性樹脂を硬化
させる工程と、前記金属箔を加工して配線パターンを形
成する工程を含む熱伝導基板の製造方法。 - 【請求項42】 前記貫通穴加工がレーザー加工、ドリ
ル加工及びパンチング加工から選ばれる少なくとも一つ
の加工によって行われる請求項39〜41のいずれかに
記載の熱伝導基板の製造方法。 - 【請求項43】 前記金属箔が少なくとも片面粗面化さ
れた面を有する12〜200μm厚みの銅箔である請求
項39〜41のいずれかに記載の熱伝導基板とその製造
方法。 - 【請求項44】 前記導電性樹脂組成物が、銀、銅及び
ニッケルから選ばれる少なくとも一つの金属粉を70〜
95重量部と、熱硬化樹脂および硬化剤を5〜30重量
部含む請求項39または41に記載の熱伝導基板の製造
方法。 - 【請求項45】 前記加熱加圧する温度が170〜26
0℃の範囲である請求項36〜41のいずれかに記載の
熱伝導基板の製造方法。
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