JP2003060346A - 回路基板の製造方法および回路基板とそれを用いた電力変換モジュール - Google Patents

回路基板の製造方法および回路基板とそれを用いた電力変換モジュール

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JP2003060346A JP2002152763A JP2002152763A JP2003060346A JP 2003060346 A JP2003060346 A JP 2003060346A JP 2002152763 A JP2002152763 A JP 2002152763A JP 2002152763 A JP2002152763 A JP 2002152763A JP 2003060346 A JP2003060346 A JP 2003060346A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貫通穴の加工の生産性を向上させ、低コスト
で穴加工を行える高放熱性を有する回路基板の製造方法
を提供する。 【解決手段】 無機質フィラー70〜95質量%と、液
状の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂粉末および潜在性硬化
剤を少なくとも含む樹脂組成物5〜30質量%とからな
る熱伝導樹脂組成物を金属箔と接着させるとともに、前
記熱硬化性樹脂が硬化を開始する温度よりも低い温度で
加熱加圧して前記熱伝導樹脂組成物を非可逆的に増粘さ
せて固形化し、その後貫通穴を形成してから熱硬化性樹
脂を硬化させて絶縁基板とし、スルーホールの形成及び
回路パターンの形成を行う。また、前記熱伝導樹脂組成
物は、補強材と一体化されていることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気電子機器に使
用される回路基板およびその製造方法に関するものであ
り、特に比較的大電流を使用するパワーエレクトロニク
ス分野に好適な回路基板の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の高性能化、小型化の要
求に伴い、半導体等の高密度、高機能化が要請されてい
る。これにより半導体等を実装するための回路基板もま
た小型高密度なものが望まれている。その結果、回路基
板の放熱を考慮した設計が重要となってきている。回路
基板の放熱性を改良する技術として、一般的なガラス−
エポキシ樹脂によるプリント基板に対し、絶縁基材自体
の熱伝導率を高め、局所的な温度上昇を押さえる基板が
求められている。ガラス−エポキシ樹脂よりも高い熱伝
導率を持つ基板としては、銅やアルミニウムなどの金属
板を使用し、この金属板の片面に電気絶縁層を介して回
路パターンを形成する金属ベース基板が知られている。
しかし、金属ベース基板は比較的厚い金属板を使用する
ために重量が大きくなり、小型軽量化が困難である。ま
た、基板の熱伝導を高めるためには絶縁層の厚みを薄く
しなければならず、絶縁耐圧の低下や浮遊容量が大きく
なるなどの課題がある。また、セラミック基板やガラス
−セラミック基板はガラス−エポキシ基板よりも熱伝導
率は高いが、導電体として金属粉末やその焼成体を使用
しているため比較的配線抵抗が高くなり、大電流を使用
する場合の損失や、そこで発生するジュール熱が大きく
なるという課題がある。
【0003】これらの課題を解決して、一般的なガラス
−エポキシ基板に近いプロセスで作製でき、高い熱伝導
性を持つ回路基板としては、例えば特開平10−173
097号公報に開示されている。その熱伝導基板の製造
方法を図7に示す。これによると、無機質フィラーと熱
硬化性樹脂とを少なくとも含む混合物スラリーを造膜し
てシート状の熱伝導混合物71を作製し、それを乾燥さ
せた後、図7(a)に示すように金属箔72と重ね合わ
せ、次いで図7(b)に示すように加熱加圧してシート
状の熱伝導混合物71を硬化させ電気絶縁層73とす
る。その後、図7(c)に示すように貫通穴74の加工
を行い、その後銅メッキ法により層間接続を行い、回路
パターン75を形成して図7(d)に示すような熱伝導
基板を作製している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような方法によっ
て回路基板を製造する場合には、貫通穴加工法としてド
リル加工を行うことが一般的である。しかしながら、熱
伝導率を高めるために熱伝導混合物中の無機質フィラー
の比率を高くすると、絶縁体中の堅い無機質フィラーに
よりドリルの磨耗が著しくなり、またチッピングなどが
発生しやすくなるため、穴品質の劣化が高頻度で発生す
るようになる。これを防ぐためにドリル交換を頻繁に行
うと、通常のプリント配線板に比べてその生産性は大幅
に低下し、穴加工コストが増大するという課題を有して
いた。
【0005】また、熱硬化性樹脂が未硬化状態である熱
伝導混合物に穴加工し、その後金属箔を接着させて加熱
加圧して硬化させると、加熱により熱伝導混合物が軟化
して穴形状を保つことができず、貫通穴を形成すること
が困難であり、その後のメッキ加工ができなくなるとい
う課題を有していた。
【0006】そこで、本発明は前記従来の課題を解決す
るためになされたものであり、貫通穴加工の生産性を向
上させ、低コストで穴加工を行える高放熱性を有する回
路基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の回路基板の製造方法は、(1)無機質フィ
ラー70〜95質量%と、未硬化の熱硬化性樹脂、熱可
塑性樹脂および潜在性硬化剤を少なくとも含む樹脂組成
物5〜30質量%と、からなる熱伝導樹脂組成物を作製
する工程と、(2)前記熱伝導樹脂組成物中の前記熱硬
化性樹脂が硬化を開始する温度よりも低い温度で加熱加
圧して前記熱伝導樹脂組成物を非可逆的に固形化して回
路基板前駆体を作製する工程と、(3)前記回路基板前
駆体の任意の位置に貫通穴を形成する工程と、(4)前
記回路基板前駆体中の前記熱硬化性樹脂を硬化させる工
程とを含んでいることを特徴とする。
【0008】また、本発明の回路基板の製造方法は、前
記回路基板前駆体を作製する工程(2)が、金属箔と前
記熱伝導樹脂組成物とを接触させ、前記熱伝導樹脂組成
物中の前記熱硬化性樹脂が硬化を開始する温度よりも低
い温度で加熱加圧して前記金属箔と前記熱伝導樹脂組成
物とを接着させるとともに前記熱伝導樹脂組成物を非可
逆的に固形化して回路基板前駆体を作製する工程からな
り、さらに別工程として、前記金属箔を加工して回路パ
ターンを形成する工程を含むことができる。
【0009】また、本発明の回路基板の製造方法は、前
記回路基板前駆体を作製する工程(2)が、2枚の金属
箔で前記熱伝導樹脂組成物を挟みこみ、前記熱伝導樹脂
組成物中の前記熱硬化性樹脂が硬化を開始する温度より
も低い温度で加熱加圧して前記金属箔と前記熱伝導樹脂
組成物とを接着させるとともに前記熱伝導樹脂組成物を
非可逆的に固形化して回路基板前駆体を作製する工程か
らなり、さらに別工程として、前記貫通穴に銅メッキに
よるスルーホールを形成して前記金属箔を電気的に接続
させる工程と、前記金属箔を加工して回路パターンを形
成する工程とを含むことができる。
【0010】これらの回路基板の製造方法によれば、熱
伝導樹脂組成物中の熱硬化性樹脂が未硬化状態のまま前
記熱伝導樹脂組成物を固形化して金属箔と接着させるこ
とができるため、回路基板を所望の平板形状に加工する
ことができる。また、固形化した後での加工が容易なた
め、簡便な方法で貫通穴の形成ができる。更に、その後
に熱硬化性樹脂を硬化させた場合でも、通常のプリント
配線板の形成時のような加圧が必要でないため、貫通穴
の変形や埋まりがなく、また硬化収縮による寸法変化を
小さくすることができる。
【0011】また、本発明の回路基板の製造方法は、前
記熱伝導樹脂組成物を作製する工程(1)の後で、前記
熱伝導樹脂組成物を補強材と一体化する工程を追加する
ことが好ましい。これにより回路基板の強度が向上す
る。また、補強材が含まれるために金属箔との接着時に
絶縁層の厚みが保持され、熱伝導樹脂組成物の過剰な流
出を防ぐことができる。
【0012】また、本発明の回路基板の製造方法は、前
記補強材がセラミック繊維もしくはガラス繊維からなる
ことが好ましい。これらは強度が高く、また比較的熱伝
導性に優れているからである。
【0013】また、本発明の回路基板の製造方法は、前
記回路基板前駆体を作製する工程(2)における加熱加
圧が真空中で行われることが好ましい。これにより、基
板のボイドが低減でき、また金属箔の劣化を防止するこ
とができる。
【0014】また、本発明の回路基板の製造方法は、前
記回路基板前駆体中の前記熱硬化性樹脂を硬化させる工
程(4)における硬化が加熱加圧して行われることが好
ましい。これにより金属箔と絶縁基体との接着性が向上
する。
【0015】また、本発明の回路基板の製造方法は、前
記熱伝導樹脂組成物の粘度が100〜100000Pa
・sの範囲であり、前記熱伝導樹脂組成物を非可逆的に
固形化させたときの粘度が8×104〜3×106Pa・
sであることが好ましい。この粘度範囲にある場合に
は、基板状に形状加工することが容易であり、また固形
化させた場合にも貫通穴の加工が容易に行える。
【0016】また、本発明の回路基板の製造方法は、前
記回路基板前駆体の任意の位置に貫通穴を形成する工程
(3)における貫通穴の加工の方法が、パンチングマシ
ンによる打ち抜き加工、金型による打ち抜き加工および
ドリル加工からなる群から選択された1つの方法である
ことが好ましい。
【0017】また、本発明の回路基板の製造方法は、前
記回路基板前駆体の任意の位置に貫通穴を形成する工程
(3)における貫通穴の加工を行う際に、同時に基板の
少なくとも一部分に外形加工を行って所望の形状に加工
することが好ましい。
【0018】また、本発明の回路基板の製造方法は、前
記金属箔の少なくとも片面が粗化された厚さ12〜20
0μmの銅箔であることが好ましい。
【0019】また、本発明の回路基板の製造方法は、前
記熱伝導樹脂組成物を非可逆的に固形化させるときの温
度が、70〜140℃であることが好ましい。
【0020】また、本発明の回路基板の製造方法は、前
記無機質フィラーがAl23、SiO2、MgO、Be
O、Si34、SiC、AlN、BNからなる群から選
択された少なくとも1種類を含んでいることが好まし
い。
【0021】また、本発明の回路基板は、(a)無機質
フィラー70〜95質量%と、(b)未硬化の熱硬化性
樹脂、熱可塑性樹脂および潜在性硬化剤を少なくとも含
む樹脂組成物5〜30質量%と、からなる熱伝導樹脂組
成物を硬化させた絶縁基板の少なくとも一方の面に、回
路パターンが形成され、かつ前記絶縁基板の両面を貫通
する貫通穴が形成されていることを特徴とする。
【0022】また、本発明の回路基板は、前記絶縁基板
が前記熱伝導樹脂組成物にセラミック繊維もしくはガラ
ス繊維のいずれかを少なくとも含む補強材を一体化して
硬化させたものであることが好ましい。
【0023】また、本発明の電力変換モジュールは、前
記製造方法で製造した回路基板に、少なくとも半導体お
よび受動部品を実装してなることを特徴とする。なお、
ここでいう電力変換モジュールとは、単体もしくは補助
的な回路と接続することにより、電圧や電力を変換させ
る機能を有するモジュールのことを指し、例えばDC−
DCコンバータやインバータなどを指す。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態にかかる回路
基板の製造方法においては、無機質フィラーと、未硬化
の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂および潜在性硬化剤を少
なくとも含む樹脂組成物とからなる熱伝導樹脂組成物を
基本要素とする。前記の熱伝導樹脂組成物は形状の自由
度が高いため、シート状や層状に加工することが容易で
あり、また補強材に塗布あるいは含浸させることも容易
である。また、熱伝導樹脂組成物はその中に含まれる樹
脂が未硬化であるため、配線パターンであるリードフレ
ームや放熱板と加熱加圧により接着させることが可能で
あり、高い絶縁性、気密性、接着性を得ることができ
る。更に、無機質フィラーを高い比率で混合させること
が可能であるため、高い熱伝導性を実現でき、また基板
の熱膨張係数を低下させることができる。更に、熱可塑
性樹脂を含むことにより、この熱可塑性樹脂が、未硬化
の熱硬化性樹脂をそれが硬化を開始する温度より低い温
度で吸収して増粘して固体化できるため、形状を維持し
て貫通穴の加工を行うことが可能であり、生産性に優れ
高精度の貫通穴の加工が可能になる。このように、上記
熱伝導樹脂組成物を用いることにより、高い電気的絶縁
性と熱伝導性や信頼性を両立することが可能になり、簡
便な方法で放熱性に優れた回路基板を得ることができ
る。
【0025】本発明の実施の形態1にかかる回路基板の
製造方法は、金属箔と前記熱伝導樹脂組成物を接触さ
せ、前記熱伝導樹脂組成物中の前記熱硬化性樹脂が硬化
を開始する温度よりも低い温度で加熱加圧して前記金属
箔と前記熱伝導樹脂組成物を接着させるとともに前記熱
伝導樹脂組成物を非可逆的に固形化して回路基板前駆体
を作製する工程と、前記回路基板前駆体の任意の位置に
貫通穴を形成する工程と、前記回路基板前駆体中の前記
熱硬化性樹脂を硬化させる工程と、前記金属箔を加工し
て回路パターンを形成する工程とをこの順で含んだもの
である。
【0026】本発明の実施の形態2にかかる回路基板の
製造方法は、2枚の金属箔で前記熱伝導樹脂組成物を挟
みこみ、前記熱伝導樹脂組成物中の前記熱硬化性樹脂が
硬化を開始する温度よりも低い温度で加熱加圧して前記
金属箔と前記熱伝導樹脂組成物を接着させるとともに前
記熱伝導樹脂組成物を非可逆的に固形化して回路基板前
駆体を作製する工程と、前記回路基板前駆体の任意の位
置に貫通穴を形成する工程と、前記回路基板前駆体中の
前記熱硬化性樹脂を硬化させる工程と、前記貫通穴に銅
メッキによるスルーホールを形成して前記金属箔を電気
的に接続させる工程と、前記金属箔を加工して回路パタ
ーンを形成する工程とをこの順で含んだものである。
【0027】本発明の実施の形態3にかかる回路基板の
製造方法は、前記熱伝導樹脂組成物を補強材に塗布もし
くは含浸して一体化する工程と、2枚の金属箔で前記熱
伝導樹脂組成物を挟みこみ、前記熱伝導樹脂組成物中の
前記熱硬化性樹脂が硬化を開始する温度よりも低い温度
で加熱加圧して前記金属箔と前記熱伝導樹脂組成物を接
着させるとともに前記熱伝導樹脂組成物を非可逆的に固
形化して回路基板前駆体を作製する工程と、前記回路基
板前駆体の任意の位置に貫通穴を形成する工程と、前記
回路基板前駆体中の前記熱硬化性樹脂を硬化させる工程
と、前記貫通穴に銅メッキによるスルーホールを形成し
て前記金属箔を電気的に接続させる工程と、前記金属箔
を加工して回路パターンを形成する工程とをこの順で含
んだものである。
【0028】また、本発明の実施の形態4にかかる電力
変換モジュールの製造方法は、上記の各実施の形態で製
造された回路基板上に、少なくとも半導体および受動部
品を実装して電気回路を構成し、電力変換機能を持たせ
たものである。
【0029】以下、本発明の回路基板の製造方法および
その実装体である電力変換モジュールの製造方法を図面
を用いて説明する。
【0030】(実施の形態1)図1に、本発明の実施の
形態における回路基板を示す。図1において、11は上
記熱伝導樹脂組成物を硬化させた絶縁基板であり、12
は回路パターンであり、13は貫通穴である。貫通穴1
3は本回路基板の任意の位置に形成されている。
【0031】図2は、本発明の実施の形態1における回
路基板の製造方法を示す工程別断面図である。図2
(a)に示すように、熱伝導樹脂組成物21と金属箔2
2を重ね合わせる。23は熱伝導樹脂組成物21の接着
を防止するための離型性フィルムである。その後、熱伝
導樹脂組成物21中の熱硬化性樹脂が硬化を開始する温
度よりも低い温度で加熱加圧することで、図2(b)に
示すように、金属箔22と熱伝導樹脂組成物21を接着
させるとともに基板状に成形し、かつ熱伝導樹脂組成物
21を非可逆的に固形化して回路基板前駆体24を形成
する。その後、図2(c)に示すように、穴あけ加工を
施して貫通穴25を設けた後、図2(d)に示すよう
に、加熱して熱伝導樹脂組成物21を硬化させて絶縁基
板26を形成し、更に離型性フィルム23を除去する。
その後、図2(e)に示すように、金属箔22を加工し
て回路パターン27を形成して回路基板を得る。
【0032】熱伝導樹脂組成物21は、無機質フィラー
と、未硬化の液状の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂粉末お
よび潜在性硬化剤を少なくとも含む樹脂組成物とからな
る。無機質フィラーとしては、熱伝導率および絶縁性に
優れた材料を適宜選択すればよいが、特に、Al23
SiO2、MgO、BeO、Si34、SiC、Al
N、BNからなる群のうちの少なくとも1種類の粉末を
主成分として含むことが好ましい。これらの粉末は熱伝
導性に優れており、高い熱放散性を持つ基板を作製する
ことが可能になるからである。特に、Al23やSiO
2を用いた場合、前記樹脂組成物との混合が容易にな
る。また、AlNを用いた場合、絶縁基板26の熱放散
性が特に高くなる。更に、無機質フィラーの粒径が0.
1〜100μmの範囲にあることが好ましい。この範囲
から外れた粒径の場合、フィラーの充填性や基板の放熱
性が低下する。
【0033】熱伝導樹脂組成物21およびその硬化物で
ある絶縁基板26の無機質フィラーの比率は、70〜9
5質量%であることが必要であり、85〜95質量%で
あることがより好ましい。無機質フィラーの配合比率が
この範囲より小さい場合、基板の放熱性が不良になる。
また、この範囲より多い場合には、熱伝導樹脂組成物2
1の流動性および接着性が低下し、金属箔22および回
路パターン27と接着させることが困難になる。
【0034】熱伝導樹脂組成物21は液状の熱硬化性樹
脂を少なくとも含むものであり、熱硬化性樹脂として
は、エポキシ樹脂が耐熱性や機械的強度、電気絶縁性に
優れる点で好ましい。また、液状であるために熱伝導樹
脂組成物の粘度が低減され、溶剤を含まない場合でも熱
伝導樹脂組成物の加工性が良好になり、絶縁基板として
加工することが容易になるという利点がある。更に、溶
剤を含まないために絶縁基板のボイド発生を低減するこ
とができ、絶縁基板の絶縁性を向上させることができる
点で好ましい。液状のエポキシ樹脂としては、室温で液
状を示すものであればよく、例えばビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビス
フェノールAD型エポキシ樹脂、フェノールノボラック
型エポキシ樹脂などが使用できる。また、この他にも室
温で固体状であるエポキシ樹脂を添加してもよく、その
場合でも上記と同様なエポキシ樹脂が使用できる。ま
た、一部を臭素化したエポキシ樹脂を添加してもよく、
この場合熱伝導樹脂組成物およびその硬化物である絶縁
基板の難燃性が向上する点で好ましい。
【0035】また、熱伝導樹脂組成物21は熱可塑性樹
脂を少なくとも含むものであり、この熱可塑性樹脂は前
記熱伝導樹脂組成物中の液状の熱硬化性樹脂を吸収して
膨潤する作用を有する。前記熱可塑性樹脂としては、特
にその種類は限定されず上記の作用を発揮する粉末状の
ものが好ましく、例えばポリ塩化ビニル、ポリメタクリ
ル酸メチル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビ
ニルなどの粉末が使用できる。また、上記熱可塑性樹脂
粉末の粒径は1〜100μmにあることが好ましい。こ
の場合、無機質フィラーと液状エポキシ樹脂との混合が
容易になるからである。
【0036】また、熱伝導樹脂組成物21は潜在性硬化
剤を少なくとも含むものである。潜在性硬化剤としては
特に限定されず熱硬化性樹脂に使用可能であればよく、
例えばアミンアダクト系硬化剤やジシアンジアミド系硬
化剤が使用できる。
【0037】また、上記の液状熱硬化性樹脂、熱可塑性
樹脂粉末および潜在性硬化剤を少なくとも含む樹脂組成
物に、更にカップリング剤、分散剤、着色剤から選ばれ
た少なくとも1種が添加されていることが好ましい。カ
ップリング剤は無機質フィラーおよび金属箔と樹脂組成
物との接着性を向上させることができ、例えばエポキシ
シラン系カップリング剤やアミノシラン系カップリング
剤、チタネート系カップリング剤などが使用できる。分
散剤は熱伝導樹脂組成物の分散性を向上させて均質化さ
せる点で好ましく、例えばリン酸エステルが使用でき
る。着色剤は熱伝導樹脂組成物に着色することでその熱
輻射性を向上させることが可能な点で好ましく、例えば
カーボンが使用できる。
【0038】熱伝導樹脂組成物21の製造方法として
は、各原料を秤量して混合すればよい。混合の方法とし
ては、例えばボールミル、プラネタリーミキサー、攪拌
機を使用できる。また、熱伝導樹脂組成物21の性状と
しては粘土状もしくはペースト状であることが好まし
く、このときの熱伝導樹脂組成物21の粘度は100〜
100000Pa・sであることが好ましく、1000
〜80000Pa・sであることがより好ましい。この
範囲であれば熱伝導樹脂組成物の取り扱いが容易にな
り、またその後の加熱加圧により絶縁基板状に加工する
ことが容易になるからである。なお、この粘度は図2
(b)で用いた加熱温度よりも低い温度での粘度を示し
ており、室温から上記加熱温度の範囲におけるある一定
温度での粘度が上記範囲に該当すればよい。
【0039】また、熱伝導樹脂組成物21をシート状に
加工することが好ましい。これにより、熱伝導樹脂組成
物の取り扱いが容易になり、また図2(b)で示すよう
に絶縁基板状に加工することが容易になり、かつ熱伝導
樹脂組成物中のボイドの含有量を減少させることができ
る。シート状に加工する方法としては特に限定されず、
熱伝導樹脂組成物の粘度や性状に応じて適宜選択すれば
よいが、例えば、押出し成形機による押出し方法、ロー
ルコーターやカーテンコーターによる塗膜方法、印刷に
よる方法、ドクターブレード法等が使用できる。
【0040】金属箔22としては、導電性に優れ回路パ
ターンを形成できるものであればよく、例えば銅、ニッ
ケル、アルミニウムおよびこれらのいずれかの金属を主
成分とする合金が使用できるが、特に銅および銅を主成
分とする合金が好ましい。銅は電気伝導性に優れ、安価
で回路パターン形成が容易に行えるからである。また、
金属箔22の熱伝導樹脂組成物と接する片方の面は粗化
されていることが好ましい。金属箔22と熱伝導樹脂組
成物21との接着強度が向上するからである。また、金
属箔の厚さとしては、12〜200μmの範囲にあるこ
とが好ましく、特には35〜100μmの範囲にあるこ
とがより好ましい。金属箔が好ましい範囲より薄すぎる
と単位幅あたりの許容電流値が低下するため、大電流に
対応するためには回路面積が増大し、小型化に不利であ
る。また、金属箔が好ましい範囲より厚すぎると、高精
度で回路パターンを形成するのが困難になる。
【0041】離型性フィルム23は本発明の回路基板の
製造に必須な要素ではないが、簡便に離型性を得られる
点で好ましく、例えばポリエチレンテレフタレート(P
ET)やポリフェニレンサルファイド(PPS)のフィ
ルムが使用できる。また、それらのフィルム表面にシリ
カなどによる離型処理が施されたものが好ましい。
【0042】図2(b)に示した回路基板前駆体24を
形成する工程においては、熱伝導樹脂組成物21を加熱
加圧して金属箔22と熱伝導樹脂組成物21を接着させ
るとともに基板状に成形し、同時に熱伝導樹脂組成物2
1中の熱可塑性樹脂粉末に液状のエポキシ樹脂を吸収さ
せて膨潤させることによって粘度上昇を起こさせて非可
逆的に固形化している。このときの加熱温度は熱硬化性
エポキシ樹脂が硬化を開始する温度よりも低い温度でな
ければならず、同時に熱可塑性樹脂粉末のガラス転移点
温度もしくは軟化点より高く、溶融開始温度よりも低い
温度であることが好ましい。具体的には70〜140℃
であることが好ましく、80〜130℃であることがよ
り好ましい。加圧圧力は特に限定されず、金属箔と熱伝
導樹脂組成物との接着や基板状に成形することが可能で
あれば良いが、通常2〜20MPa、好ましくは2〜5
MPaである。上記の加熱加圧には、例えば熱板付プレ
ス装置が使用できる。更に、上記の加熱加圧が真空中で
行われることが好ましい。金属箔の酸化を防止し、熱伝
導樹脂組成物中のボイドを除去する効果が得られるから
である。この場合の真空とは大気圧以下の減圧状態を示
す。
【0043】上記の加熱加圧により、前記熱伝導樹脂組
成物を非可逆的に固形化させたときの粘度は、8×10
4〜3×106Pa・sであることが好ましく、1×10
5〜1×106Pa・sであることがより好ましい。この
好ましい範囲にあれば、通常の取り扱いにおいても基板
形状の状態を保持することができ、かつ図2(c)に示
したような貫通穴の加工が容易に行えるからである。こ
の好ましい範囲よりも粘度が低い場合は、基板形状を保
持したまま貫通穴の加工を行うことが困難になる。ま
た、この好ましい範囲よりも粘度が高い場合は、貫通穴
の加工が困難になる。上記の好ましい粘度に調整するた
めには、熱伝導樹脂組成物21中の液状エポキシ樹脂と
熱可塑性樹脂粉末との配合比率を調整すればよい。配合
比率は熱可塑性樹脂粉末の種類により異なるが、通常液
状エポキシ樹脂100質量部に対して熱可塑性樹脂粉末
が10〜100質量部程度である。
【0044】図2(c)に示した貫通穴25の加工方法
は特に限定されず、絶縁基板26の厚みや所望の穴径に
応じて適宜選択すればよいが、例えばパンチングマシン
による打ち抜き加工法や金型による打ち抜き加工法、ド
リルによる加工法が使用でき、これらは簡便で高い位置
精度で穴加工できる点で好ましい。特に、パンチングマ
シンによる打ち抜き加工法がより好ましい。パンチング
加工はドリル加工に比べて加工具と基板材料との接触が
少なく、加工具の磨耗が低減されてその耐久性が大きく
向上し、工業上大きく優位であるからである。
【0045】また、これと同時に前記回路基板前駆体2
4の少なくとも一部に外形加工を行い、基板を分割もし
くは部分的に分割することが好ましい。この方法による
と、熱硬化性樹脂の硬化後に外形加工を行うのに比べて
外形加工が容易になり、また1枚の基板に複数の回路パ
ターンを形成する場合においても、その分割が容易にな
るからである。外形加工の方法としては上記の貫通穴の
加工と同時に行えるものが好ましく、上記の貫通穴加工
方法の好ましい例と同様に、例えばパンチングマシンに
よる打ち抜き切断、金型による切断、ドリルによる加工
が使用できる。
【0046】図2(d)に示した絶縁基板26は加熱に
よる熱硬化性エポキシ樹脂の硬化により形成される。加
熱温度はエポキシ樹脂および潜在性硬化剤の反応に応じ
て適宜選択すればよいが、140〜240℃であること
が好ましく、150〜200℃であることがより好まし
い。この好ましい範囲よりも低い場合、硬化が不十分に
なる恐れや硬化に時間がかかる恐れがあり、好ましい範
囲より高い場合、樹脂が熱分解を開始する恐れがある。
また、この加熱時に同時に加圧することが好ましい。こ
れにより、熱硬化時の基板のそりが抑制され平坦度の高
い基板が作製でき、また金属箔と絶縁基板との接着性が
向上する。加圧圧力は適宜決定すればよいが、通常3M
Pa以下、好ましくは0.001〜1MPaである。こ
の範囲より高い場合、貫通穴が変形する恐れがある。ま
た、加熱硬化時に金属箔の酸化防止のために真空もしく
は非酸化性雰囲気中で加熱を行うことが好ましい。な
お、図2(d)においては、離型性フィルム23をこの
時点で剥離しているが、剥離は離型性フィルムが不用に
なった時点で剥離してもよく、例えば図2(c)に示し
た貫通穴加工時に除去してもよい。
【0047】図2(e)に示した回路パターン27の形
成方法としては特に限定されず、従来公知の方法が使用
でき、例えば化学的エッチングによる方法が使用でき
る。
【0048】(実施の形態2)図3に、本発明の別の実
施の形態における回路基板を示す。図3において、31
は熱伝導樹脂組成物を硬化させた絶縁基板であり、32
は回路パターンであり、33は絶縁基板31中に設けら
れた貫通穴にめっきを施して両面の回路パターンを電気
的に接続させるスルーホールである。
【0049】図4は、本発明の実施の形態2における回
路基板の製造方法を示す工程別断面図である。図4
(a)に示すように、複数の熱伝導樹脂組成物41を金
属箔42で挟み込み、熱伝導樹脂組成物41中の熱硬化
性樹脂が硬化を開始する温度よりも低い温度で加熱加圧
することで、図4(b)に示すように、金属箔42と熱
伝導樹脂組成物41を接着させるとともに、複数の熱伝
導樹脂組成物41を一体化して基板状に成形し、かつ一
体化した熱伝導樹脂組成物41を非可逆的に固形化して
回路基板前駆体43を形成する。その後、図4(c)に
示すように、回路基板前駆体43に穴あけ加工を施して
貫通穴44を形成してから加熱して、図4(d)に示す
ように、貫通穴44の形状を保持したまま熱伝導樹脂組
成物41を硬化させて絶縁基板45にする。その後、図
4(e)に示すように、めっきを施して両面の金属箔4
2を電気的に接続させるスルーホール46を形成し、更
に図4(f)に示すように、金属箔42を加工して回路
パターン47を形成して回路基板を得る。
【0050】本実施の形態2で使用した熱伝導樹脂組成
物41、金属箔42は実施の形態1で使用したものと同
様のものが使用できる。また、回路基板前駆体43の形
成方法、貫通穴44の形成方法、絶縁基板45の製造方
法、回路パターン47の形成方法として、実施の形態1
で説明した各方法が使用できる。
【0051】図4(e)に示したスルーホール46の形
成方法としては、全面銅めっきによる接続方法が好まし
い。抵抗値が低く許容電流値が大きいからである。この
場合にも金属箔42は銅箔であることが好ましい。金属
箔とめっき間の熱膨張係数がマッチして信頼性が向上す
るからである。
【0052】(実施の形態3)図5は、本発明の別の実
施の形態における回路基板の製造方法を示す工程別断面
図である。図5(a)で示した51は、補強材に熱伝導
樹脂組成物を塗布あるいは含浸させて一体化したシート
状熱伝導樹脂組成物である。図5(b)に示すように、
シート状熱伝導樹脂組成物51を金属箔52で挟み込
み、シート状熱伝導樹脂組成物51中の熱硬化性樹脂が
硬化を開始する温度よりも低い温度で加熱加圧すること
で、金属箔52とシート状熱伝導樹脂組成物51を接着
させるとともに基板状に成形し、かつシート状熱伝導樹
脂組成物51を非可逆的に固形化して回路基板前駆体5
3を形成する。その後、図5(c)に示すように、回路
基板前駆体53に穴あけ加工を施して貫通穴54を形成
してから加熱して、図5(d)に示すように、貫通穴5
4の形状を保持したままシート状熱伝導樹脂組成物51
を硬化させて絶縁基板55にする。その後、図5(e)
に示すように、めっきを施して両面の金属箔52を電気
的に接続させるスルーホール56を形成し、更に図5
(f)に示すように金属箔52を加工して回路パターン
57を形成して回路基板を得る。
【0053】本実施の形態3で使用したシート状熱伝導
樹脂組成物51中の熱伝導樹脂組成物、金属箔52は実
施の形態1で使用したものと同様のものが使用できる。
また、回路基板前駆体53の形成方法、貫通穴54の形
成方法、絶縁基板55の製造方法、回路パターン57の
形成方法として、実施の形態1で説明した各方法が使用
できる。更に、スルーホール56の形成方法としては、
実施の形態2で説明したものと同様な方法が使用でき
る。
【0054】本実施の形態で使用した補強材としては、
例えばセラミック繊維、ガラス繊維、樹脂繊維を使用し
た布などが使用できるが、特にセラミック繊維もしくは
ガラス繊維が好ましい。セラミックやガラスは耐熱性に
優れているので高信頼性であり、また樹脂に比べてその
熱伝導率が高いため基板の熱伝導性が良好になる。セラ
ミックとしては、例えばアルミナやシリカ、窒化珪素が
使用できる。また、前記の繊維を使用した場合、補強材
が不織布であることが好ましい。不織布は織布に比べて
補強材の密度が低くポーラスであるので、熱伝導樹脂組
成物を塗布もしくは含浸させる際に無機質フィラーを取
り込みやすく、前記熱伝導樹脂組成物の組成比を変化さ
せずに塗布もしくは含浸することが容易になるからであ
る。更に、前記の繊維の直径は10μm以下であること
が好ましい。これより大きすぎると、基板成形時の圧縮
性が減少し、無機質フィラー同士の熱伝導が妨げられや
すくなり、その結果基板の熱抵抗が高くなる恐れがあ
る。
【0055】上記の補強材と熱伝導樹脂組成物とを一体
化してシート状熱伝導樹脂組成物51を製造する方法と
しては特に限定されず、例えば熱伝導樹脂組成物を補強
材に塗布する方法、熱伝導樹脂組成物を補強材に含浸さ
せる方法、シート状に加工した熱伝導樹脂組成物を補強
材に張り合わせる方法が使用できる。
【0056】なお、本実施の形態3ではシート状熱伝導
樹脂組成物51を使用して両面配線がスルーホール接続
された基板について説明したが、上記実施の形態1と同
様な方法を用いることにより、補強材と一体化した熱伝
導樹脂組成物を絶縁基板とした片面配線回路基板を製造
することができる。
【0057】(実施の形態4)図6は、本発明の別の実
施の形態における電力変換モジュールを示す断面図であ
る。図6において、61は上記各実施の形態で説明した
方法で作製した回路基板であり、その上に各種の半導体
素子62および受動部品63が実装されて電力変換回路
を形成しており、更に外部取り出し電極などの機構部品
64が接続されている。
【0058】各部品の実装方法としては、従来公知の技
術を使用すればよく、例えばリフロー半田付け、フロー
半田付け、ワイヤボンディング、フリップチップ接続が
使用できる。半田付けを行う場合、回路基板61上に半
田レジスト膜が形成されていてもよく、半田の不要な流
出を防ぐことができる点で好ましい。また、回路パター
ン表面に金属コートを施して回路パターンである金属箔
の酸化や腐食を防止することが好ましく、金属コートと
してはたとえば半田又はすずが使用できる。
【0059】
【実施例】次に、具体的実施例に基づいて、本発明の回
路基板およびその実装体の製造方法を更に詳しく説明す
る。
【0060】(実施例1)熱伝導樹脂組成物を作製する
ために、無機質フィラーと樹脂組成物を混合した。それ
らの材料および配合比を以下に示す。
【0061】(1)無機質フィラー:Al23(“AS
−40”、昭和電工社製、平均粒径12μm)87質量
% (2)液状の熱硬化性樹脂:ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(“エピコート828”、油化シェルエポキシ社
製)7質量% (3)熱可塑性樹脂粉末:ポリメタクリル酸メチル(関
東化学社製)3.5質量% (4)潜在性硬化剤:アミン系硬化剤(“アミキュアP
N−23”、味の素社製)1.5質量% (5)その他の添加物:カーボンブラック(東洋カーボ
ン社製)0.5質量%、カップリング剤(“プレンアク
トKR−46B”、味の素社製)0.5質量% これらの材料を秤量し、プラネタリーミキサーで混合し
て熱伝導樹脂組成物を作製した。その後、この熱伝導樹
脂組成物をロールコーターで厚さ約0.8mmのシート
状に加工した。この熱伝導樹脂組成物の粘度を動的粘弾
性測定装置(UBM社製)で昇温させながら測定したと
ころ、図8に示すような粘度特性を示した。図8から明
らかなように、温度が約80℃を超えると熱伝導樹脂組
成物の非可逆的な固形化が開始され、温度が約100℃
に達すると非可逆的な固形化が完了する。その後に昇温
を続けると温度が約140℃まではほぼ一定の粘度を維
持するが、さらに昇温すると熱伝導樹脂組成物の硬化が
開始され、温度が約170℃以上になると完全に硬化す
る。
【0062】厚さ70μmのPPS離型性フィルム上に
上記のシート状熱伝導樹脂組成物を配置し、更にその上
に厚さ35μmの片面粗化銅箔(古河電工社製)を、そ
の粗化面が熱伝導樹脂組成物に接するようにして図2
(a)に示したように配置した。これらを減圧した状態
において100℃の熱プレス機で加熱しながら3MPa
の圧力で10分間加圧して、銅箔と熱伝導樹脂組成物を
接着させるとともに、図2(b)に示すような基板形状
に成形し、同時に熱伝導樹脂組成物を非可逆的に固形化
して厚さ約0.8mmの回路基板前駆体を形成した。次
いで、上記の回路基板前駆体にドリル加工により図2
(c)に示すような直径0.6mmの貫通穴を設けた。
その後、上記の回路基板前駆体を窒素雰囲気中で170
℃で1時間加熱して熱伝導樹脂組成物中のエポキシ樹脂
を硬化させ、離型性フィルムを除去して図2(d)に示
すような銅箔付き絶縁基板を作製した。更に、金属箔上
に光硬化性のドライフィルムレジスト(ニチゴーモート
ン社製)をラミネートし、回路パターンを露光、現像し
てから、塩化鉄水溶液中でエッチングして回路パターン
を形成し、その後ドライフィルムレジスト膜を除去して
図2(e)に示すような片面配線回路基板を完成させ
た。
【0063】比較例1として、本実施例1と同じシート
状熱伝導樹脂組成物、銅箔および離型性フィルムを用い
て、図2(a)に示すように重ね合わせ、減圧した状態
で170℃の熱プレス機で加熱しながら3MPaの圧力
で1.5時間加圧して熱伝導樹脂組成物中のエポキシ樹
脂を硬化させ、片面銅張基板を作製した。その後、ドリ
ル加工により直径0.6mmの貫通穴を設け、回路基板
を作製した。
【0064】上記の実施例1と比較例1において、ドリ
ル加工時における超硬合金製のドリル刃(ユニオン・ツ
ール社製)の耐久性を比較した。実施例1の場合、10
00回の穴開け加工した後でもドリル刃の磨耗は少な
く、その後の穴開け加工が可能でありチッピングも発生
しなかった。また、貫通穴の壁面のバリは発生しなかっ
た。しかし、比較例1の場合にはドリル刃の磨耗が激し
く、100回の穴開けで銅箔にバリが生じ、その後の穴
開け加工が不可能になった。このことから本実施例1の
回路基板の製造方法は貫通穴の加工性に優れていること
がわかる。
【0065】(実施例2)熱伝導樹脂組成物を作製する
ために、無機質フィラーと樹脂組成物を混合した。それ
らの材料および配合比を以下に示す。
【0066】(1)無機質フィラー:Al23(“AS
−40”、昭和電工社製、平均粒径12μm)88質量
% (2)液状の熱硬化性樹脂:ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂(“エピコート807”、油化シェルエポキシ社
製)5質量% (3)臭素化されたエポキシ樹脂(“エピコート505
0”、油化シェルエポキシ社製)2質量% (4)熱可塑性樹脂粉末:ポリメタクリル酸メチル(関
東化学社製)3質量% (5)潜在性硬化剤:アミン系硬化剤(“アミキュアP
N−23”、味の素社製)1質量%、ジシアンジアミド
(大日本インク社製)0.4質量% (6)その他の添加物:カーボンブラック(東洋カーボ
ン社製)0.4質量%、カップリング剤(“プレンアク
トKR−46B”、味の素社製)0.2質量% これらの材料を秤量し、攪拌混練機で混合して熱伝導樹
脂組成物を作製した。その後、この熱伝導樹脂組成物を
押出し成形機で厚さ約1.0mmのシート状に加工し
た。この熱伝導樹脂組成物の粘度を測定したところ、5
0℃で約9000Pa・s、110℃で約800000
Pa・sであった。
【0067】厚さ70μmの片面粗化銅箔(古河サーキ
ットフォイル社製)を、その粗化面が熱伝導樹脂組成物
に接するようにして図4(a)に示したように挟み込ん
だ。ただし、本実施例2の熱伝導樹脂組成物はシート状
であり図面とは異なる。これらを減圧した状態で90℃
の熱プレス機で加熱しながら3MPaの圧力で15分間
加圧して、銅箔と熱伝導樹脂組成物を接着させるととも
に図4(b)に示すような基板形状に成形し、同時に熱
伝導樹脂組成物を非可逆的に固形化して厚さ約1.0m
mの回路基板前駆体を形成した。次いで、上記の回路基
板前駆体にパンチングマシン(UHT社製)による加工
により図4(c)に示すような直径0.5mmの貫通穴
を設けた。その後、上記の回路基板前駆体に0.01M
Paの加重を加えながら170℃で2時間加熱して熱伝
導樹脂組成物中のエポキシ樹脂を硬化させて図4(d)
に示すような銅箔付き絶縁基板を作製した。その後、全
面に厚さ約30μmの銅めっきを施して図4(e)に示
すような銅めっきスルーホールを形成した。更に、実施
例1と同様な方法で回路パターンを形成して図4(f)
に示すような両面配線回路基板を完成させた。
【0068】なお、本実施例2と同じシート状熱伝導樹
脂組成物、銅箔および離型性フィルムを用いて、図4
(a)に示すように重ね合わせ、減圧した状態で170
℃の熱プレス機で加熱しながら3MPaの圧力で1.5
時間加圧して熱伝導樹脂組成物中のエポキシ樹脂を硬化
させ、厚さ約1.0mmの両面銅張基板を作製した。そ
の後、上記のパンチング加工により直径0.5mmの貫
通穴を設けようとしたが、パンチングマシンのピンが前
記基板を貫通せず、貫通穴が作製できなかった。このこ
とから本実施例2の回路基板の製造方法は貫通穴の加工
性が優れていることがわかる。
【0069】比較例2として、ほぼ同じ厚さの絶縁層、
配線層を持ち、銅めっきスルーホールを形成したガラス
−エポキシプリント両面配線板(ANSIグレードFR
−4相当)を作製した。
【0070】実施例2と比較例2の基板に同様のスルー
ホールチェーンパターン(500穴連結)を形成して、
その抵抗値を測定しながら、20℃と260℃の油中に
各10秒ずつディップを繰り返すホットオイル試験を行
った。その結果、比較例2の基板においては350サイ
クルで抵抗の増大が現れて断線したが、実施例2の基板
においては3000サイクルでも抵抗値の増大はみられ
ず接続性は良好であった。このことから本実施例2によ
る回路基板が高信頼性であることが分かる。
【0071】(実施例3)上記実施例1と同様の材料を
混合して熱伝導樹脂組成物を作製した。
【0072】補強材としてガラス不織布(厚み約0.2
mm、繊維径9μm)を用意し、上記の熱伝導樹脂組成
物をガラス不織布の両面からロールで塗布して、図5
(a)に示すような厚さ0.8mmの補強材入り熱伝導
樹脂組成物を作製した。
【0073】厚さ35μmの片面粗化銅箔(古河電工社
製)を、その粗化面が熱伝導樹脂組成物に接するように
して図5(b)に示したように挟み込んだ。これらを減
圧した状態で100℃の熱プレス機で加熱しながら3M
Paの圧力で10分間加圧して、銅箔と熱伝導樹脂組成
物を接着させるとともに図5(c)に示すような基板形
状に成形し、同時に熱伝導樹脂組成物を非可逆的に固形
化して厚さ約0.8mmの回路基板前駆体を形成した。
次いで、上記の回路基板前駆体に金型により図4(c)
に示すような直径0.8mmの貫通穴を設け、同時に上
記回路基板前駆体の回路形成部分とその外周部分との間
に、数個所のつなぎ部分を残して幅1mmのスリットを
設けた。その後、上記の回路基板前駆体を窒素雰囲気中
で170℃で2時間加熱して熱伝導樹脂組成物中のエポ
キシ樹脂を硬化させて、図5(d)に示すような両面銅
箔付き絶縁基板を作製した。その後、全面に厚さ約30
μmの銅めっきを施して図5(e)に示すような銅めっ
きスルーホールを形成した。更に、実施例1と同様な方
法で回路パターンを形成して図5(f)に示すような両
面配線回路基板を完成させた。その後、つなぎ部分を割
ることで所望の外形寸法を持つ回路基板を容易に得るこ
とができた。
【0074】実施例1と本実施例3の基板を同サイズに
加工し、銅箔を除去してからその抗折強度を測定したと
ころ、実施例1の基板の抗折強度が210MPaであっ
たのに対し、実施例3の基板では280MPaであっ
た。この結果から、実施例1の基板においても基板とし
て実用的な強度があるが、更に補強材を入れることによ
り基板の強度が向上していることがわかる。
【0075】また、実施例1、3および比較例2の基板
の熱抵抗を測定した。熱抵抗は基板に発熱素子が搭載さ
れた場合の、出力電力に対する温度上昇を表したもので
あり、この値が小さいほど温度上昇が小さくなり部品の
動作許容範囲が大きくなる。熱抵抗測定は、熱抵抗測定
機(キャッツ電子設計社製)を用いた。すなわち、各基
板の同一パターン上にFET(TO−220パッケー
ジ)を取り付け、理想定温熱溜としてのフィン付きヒー
トシンクに回路基板のFET実装面の反対面を接着し、
その状態で半導体に一定の電力を与えたときの半導体の
PN接合部の電圧変化から半導体温度の変化を見積も
り、温度差を電力で割った値を求めた。その結果、実施
例1の基板の熱抵抗が1.02℃/Wであったのに対
し、実施例3では1.11℃/Wであり、比較例2では
8.4℃/Wであった。この結果から、補強材が内蔵さ
れていても基板の熱抵抗に大きな差はなく、比較例2の
ような一般的なプリント配線板に比べて本実施例の基板
の熱抵抗が非常に小さく、熱的に有利であることが分か
る。
【0076】(実施例4)上記実施例2および比較例2
で作製した回路基板に、メタルマスクを用いてスクリー
ン印刷法で半田ペースト(千住金属社製)を印刷し、そ
の上に半導体素子(三菱電機社製)およびコンデンサ、
トランス、チョーク、抵抗などの各種受動部品(松下電
子部品社製)および外部取り出し端子などの機構部品を
搭載してからリフロー炉(松下電工社製)で半田付けを
行い、電力変換モジュールとしてDC−DCコンバータ
を作製した。
【0077】このDC−DCコンバータに30Wの負荷
を与え、負荷開始から10分後のパワー半導体の温度を
サーモビュアー(ニコン社製)で測定したところ、実施
例2の回路基板を用いた場合では48℃であったが、比
較例2の回路基板を用いた場合では63℃であった。こ
の結果から、実施例2の基板を用いた電力変換モジュー
ルは部品の温度上昇が小さく、動作および信頼性の面で
有利であることがわかる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の回路基板
の製造方法によれば、樹脂組成物に無機質フィラーを高
濃度に混合して熱伝導性を高めた絶縁基板の貫通穴の加
工が容易に行え、実用上困難であった貫通穴を有した高
熱伝導絶縁基板の製造を簡便に行うことが可能になる。
またこれにより、貫通穴にめっきを施したスルーホール
を有する両面配線基板の製造を簡便に行うことが可能に
なる。更に、補強材を含むことにより、より強度の高い
高熱伝導な回路基板を製造することが可能になる。
【0079】また、本発明によれば、熱伝導性に優れ十
分な強度を保持し、大電流に対応することが可能な回路
基板を提供することが可能になる。また、本発明の回路
基板の実装体である電力変換モジュールによれば、熱放
散性に優れ部品の温度上昇が抑制されることにより、大
電流が使用可能になり、高密度な部品実装が可能にな
り、機器を小型高密度化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における回路基板を示
す断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1における回路基板の製
造方法を示す工程別断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態2における回路基板を示
す断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態2における回路基板の製
造方法を示す工程別断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態3における回路基板の製
造方法を示す工程別断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態4における電力変換モジ
ュールを示す断面図である。
【図7】 従来例の回路基板の製造方法を示す工程別断
面図である。
【図8】 本発明の実施例1における熱伝導樹脂組成物
の粘度を示す図である。
【符号の説明】
11、26、31、45、55 絶縁基板 12、27、32、47、57、75 回路パターン 13、25、44、54、74 貫通穴 21、41 熱伝導樹脂組成物 22、42、52、72 金属箔 23 離型性フィルム 24、43、53 回路基板前駆体 33、46、56 スルーホール 51 シート状熱伝導樹脂組成物 61 回路基板 62 半導体素子 63 受動部品 64 機構部品 71 熱伝導混合物 73 電気絶縁層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/00 H05K 3/00 R H01L 23/12 J (72)発明者 中谷 誠一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E317 AA24 BB12 CC33 CD27 CD32 GG16

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)無機質フィラー70〜95質量%
    と、未硬化の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂および潜在性
    硬化剤を少なくとも含む樹脂組成物5〜30質量%と、
    からなる熱伝導樹脂組成物を作製する工程と、(2)前
    記熱伝導樹脂組成物中の前記熱硬化性樹脂が硬化を開始
    する温度よりも低い温度で加熱加圧して前記熱伝導樹脂
    組成物を非可逆的に固形化して回路基板前駆体を作製す
    る工程と、(3)前記回路基板前駆体の任意の位置に貫
    通穴を形成する工程と、(4)前記回路基板前駆体中の
    前記熱硬化性樹脂を硬化させる工程とを含んでいること
    を特徴とする回路基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記回路基板前駆体を作製する工程
    (2)が、金属箔と前記熱伝導樹脂組成物とを接触さ
    せ、前記熱伝導樹脂組成物中の前記熱硬化性樹脂が硬化
    を開始する温度よりも低い温度で加熱加圧して前記金属
    箔と前記熱伝導樹脂組成物とを接着させるとともに前記
    熱伝導樹脂組成物を非可逆的に固形化して回路基板前駆
    体を作製する工程からなり、さらに別工程として、前記
    金属箔を加工して回路パターンを形成する工程を含んで
    いる請求項1に記載の回路基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記回路基板前駆体を作製する工程
    (2)が、2枚の金属箔で前記熱伝導樹脂組成物を挟み
    こみ、前記熱伝導樹脂組成物中の前記熱硬化性樹脂が硬
    化を開始する温度よりも低い温度で加熱加圧して前記金
    属箔と前記熱伝導樹脂組成物とを接着させるとともに前
    記熱伝導樹脂組成物を非可逆的に固形化して回路基板前
    駆体を作製する工程からなり、さらに別工程として、前
    記貫通穴に銅メッキによるスルーホールを形成して前記
    金属箔を電気的に接続させる工程と、前記金属箔を加工
    して回路パターンを形成する工程とを含んでいる請求項
    1に記載の回路基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記熱伝導樹脂組成物を作製する工程
    (1)の後で、前記熱伝導樹脂組成物を補強材と一体化
    する工程を追加した請求項1に記載の回路基板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記補強材が、セラミック繊維もしくは
    ガラス繊維からなる請求項4に記載の回路基板の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記回路基板前駆体を作製する工程
    (2)における加熱加圧が真空中で行われる請求項1に
    記載の回路基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記回路基板前駆体中の前記熱硬化性樹
    脂を硬化させる工程(4)における硬化が加熱加圧して
    行われる請求項1に記載の回路基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記熱伝導樹脂組成物の粘度が100〜
    100000Pa・sの範囲であり、前記熱伝導樹脂組
    成物を非可逆的に固形化させたときの粘度が8×104
    〜3×106Pa・sである請求項1に記載の回路基板
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記回路基板前駆体の任意の位置に貫通
    穴を形成する工程(3)における貫通穴の加工の方法
    が、パンチングマシンによる打ち抜き加工、金型による
    打ち抜き加工およびドリル加工からなる群から選択され
    た1つの方法である請求項1に記載の回路基板の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記回路基板前駆体の任意の位置に貫
    通穴を形成する工程(3)における貫通穴の加工を行う
    際に、同時に基板の少なくとも一部分に外形加工を行っ
    て所望の形状に加工する請求項1に記載の回路基板の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 前記金属箔が、少なくとも片面が粗化
    された厚さ12〜200μmの銅箔である請求項2また
    は3に記載の回路基板の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記熱伝導樹脂組成物を非可逆的に固
    形化させるときの温度が、70〜140℃である請求項
    1に記載の回路基板の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記無機質フィラーが、Al23、S
    iO2、MgO、BeO、Si34、SiC、AlN、
    BNからなる群から選択された少なくとも1種類を含ん
    でいる請求項1に記載の回路基板の製造方法。
  14. 【請求項14】 (a)無機質フィラー70〜95質量
    %と、(b)未硬化の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂およ
    び潜在性硬化剤を少なくとも含む樹脂組成物5〜30質
    量%と、からなる熱伝導樹脂組成物を硬化させた絶縁基
    板の少なくとも一方の面に、回路パターンが形成され、
    かつ前記絶縁基板の両面を貫通する貫通穴が形成されて
    いることを特徴とする回路基板。
  15. 【請求項15】 前記絶縁基板が、前記熱伝導樹脂組成
    物にセラミック繊維もしくはガラス繊維のいずれかを少
    なくとも含む補強材を一体化して硬化させたものである
    請求項14に記載の回路基板。
  16. 【請求項16】 請求項1に記載の方法で製造した回路
    基板に、少なくとも半導体および受動部品を実装してな
    ることを特徴とする電力変換モジュール。
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