JPH10168586A - 酸洗液からのNOxガス発生抑制方法 - Google Patents

酸洗液からのNOxガス発生抑制方法

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JPH10168586A
JPH10168586A JP32997096A JP32997096A JPH10168586A JP H10168586 A JPH10168586 A JP H10168586A JP 32997096 A JP32997096 A JP 32997096A JP 32997096 A JP32997096 A JP 32997096A JP H10168586 A JPH10168586 A JP H10168586A
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JP
Japan
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pickling
hno
nitric acid
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acid
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JP32997096A
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English (en)
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Mitsuhiro Hirohata
畠 光 博 廣
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Daido Steel Co Ltd
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Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硝酸(HNO)を用いた酸洗液によって酸
洗を行うに際し、酸洗液からのNOxガスの発生を抑制
する。 【解決手段】 硝酸(HNO)を用いた酸洗液からの
NOxガスの発生を抑制するに際し、酸洗液中のFe
3+/Fe2+比とHNO濃度との関係を [Fe3+/Fe2+]≧1.4×[HNO濃度(W
t/Vol %)]−1.7 に維持することによって酸洗液からのNOxガスの発生
を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼材等の酸洗に属
する技術分野に係わり、とくに、酸洗に際して酸洗液か
らのNOxガスの発生を抑制するのに好適な技術に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】鋼板,鋼棒,鋼線等の鋼材類を熱間圧延
したり、焼鈍,焼入れ,パテンティング等の熱処理をし
た際には、鋼材類の表面にスケール(酸化物)が生成し
ているものとなる。
【0003】したがって、このようなスケールは後工程
において有害であるため、後工程に供する以前に除去す
ることが必要である。
【0004】従来、このようなスケールの除去(脱スケ
ール)に際しては、物理的な方式としてショットブラス
トないしはサンドブラストならびにこれに類するものが
用いられ、化学的な方式として塩浴や酸洗が用いられる
ことが多い(例えば、『第3版 鉄鋼便覧 第VI巻
二次加工・表面処理・熱処理・溶接』 社団法人 日本
鉄鋼協会編 第16頁〜第17頁)。
【0005】そして、酸洗に際しては、酸洗液として塩
酸(HCl)や硫酸(HSO)が用いられることが
多いが、鋼材がCrを含有するステンレス鋼である場合
にはこのCr含有酸化物が緻密なものであるため弗酸と
硝酸との混酸(HF/HNO)が用いられることが多
い。
【0006】このような混酸を用いて実施される酸洗
は、 (1) Fe+2H→Fe2++H↑ (鋼材の溶解) (2) Fe2++HNO→Fe3++OH+NO↑ (Fe3+の生成) (3) 2Fe3++Fe→3Fe2+ (Fe3+による鋼材の溶解) なる反応式をもって進行するが、上記(2)式でみられ
るように有害なNOガス(つまり、NOxガス)が発
生することから、このようなNOxガスの発生を抑制す
ることが課題としてあった。
【0007】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題にかん
がみてなされたものであって、硝酸(HNO)を用い
た酸洗液によって酸洗を行う場合に、この酸洗液からの
NOxガスの発生を抑制することができるようにするこ
とを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる酸洗液か
らのNOxガス発生抑制方法は、請求項1に記載してい
るように、硝酸(HNO)を用いた酸洗液からのNO
xガスの発生を抑制するに際し、酸洗液中のFe3+
Fe2+比とHNO濃度との関係を [Fe3+/Fe2+]≧1.4×[HNO濃度(W
t/Vol %)]−1.7 に維持するようにしたことを特徴としている。
【0009】そして、本発明に係わる酸洗液からのNO
xガス発生抑制方法の実施態様においては、請求項2に
記載しているように、硝酸(HNO)を用いた酸洗液
からのNOxガスの発生を抑制するに際し、酸洗液に窒
素(N)(ないしは硝酸イオンNO )を含まない酸
化剤を添加するようになすことができる。
【0010】同じく、本発明に係わる酸洗液からのNO
xガス発生抑制方法の実施態様においては、請求項3に
記載しているように、硝酸(HNO)を用いた酸洗液
は弗化水素(HF)をも含むものであるものとすること
ができる。
【0011】同じく、本発明に係わる酸洗液からのNO
xガス発生抑制方法の実施態様においては、請求項4に
記載しているように、窒素(N)(ないしは硝酸イオン
NO )を含まない酸化剤として過酸化水素水(H
),重クロム酸(Cr 2−),過マンガン酸
(MnO )のうちから選んで添加するようになすこ
とができる。
【0012】同じく、本発明に係わる酸洗液からのNO
xガス発生抑制方法の実施態様においては、請求項5に
記載しているように、酸洗材としてNi含有量の少ない
鋼材を適用するようになすことができる。
【0013】本発明に係わる酸洗液からのNOxガス発
生抑制方法は、上述した課題解決手段を具備するもので
あるが、本発明者は、弗酸と硝酸との混酸(HF/HN
)を酸洗液として用いて酸洗を行った場合におい
て、酸洗液からのNOxガスの発生は、酸洗液中のFe
3+/Fe2+比とHNO濃度とに関連することに着
目してさらに検討を進めた結果、Fe3+/Fe2+
が小さく(すなわち、Fe2+濃度が高く)かつHNO
濃度が高い程、NOxガスが発生しやすことを確認し
た。
【0014】そして、酸洗液中のFe3+/Fe2+
とHNO濃度との関係によるNOxガス発生について
さらに詳細に調べたところ、図1に示すようなNOxガ
スが発生する領域と、NOxガスが発生しない領域とに
区分できることを確かめた。
【0015】このことから、硝酸(HNO)を用いた
酸洗液からのNOxガスの発生を抑制するに際しては、
酸洗液中のFe3+/Fe2+比とHNO濃度との関
係を [Fe3+/Fe2+]≧1.4×[HNO濃度(W
t/Vol %)]−1.7 に維持する必要があることを確認した。
【0016】そして、このような関係を維持してNOx
ガスの発生を抑制するための具体的な手段として、例え
ば、酸洗中において酸洗液からNOxガスの発生が認め
られた場合に、酸洗液に窒素(N)(ないしはN
)を含まない酸化剤を添加するのがよく、このよ
うな窒素(N)(ないしはNO )を含まない酸化剤
として過酸化水素水(H),重クロム酸(Cr
2−),過マンガン酸(MnO )などの中から
選んで添加するのが良いことが確認された。
【0017】そして、このような酸洗液からのNOxガ
スの発生は、Ni含有量の少ない鋼材、例えば、緻密な
スケールを生成するCr含有量が多くかつNi含有量の
少ないフェライト系ステンレス鋼やマルテンサイト系ス
テンレス鋼において起きやすことから、このようなNi
含有量の少ない鋼材の酸洗において酸洗液からのNOx
ガスの発生抑制のために、過酸化水素水(H),
重クロム酸(Cr 2−),過マンガン酸(MnO
)等の窒素(N)(ないしはNO イオン)を含
まない酸化剤を酸洗液中に添加するのが良いことがわか
った。
【0018】したがって、本発明では、前述の硝酸(H
NO)を用いる(2)式に代えて、例えば過酸化水素
水(H)を用いるようにしているので、 (2´) 3Fe2++2H→2Fe3++Fe
+2HO+O↑(Fe3+の生成) なる反応式により、従来の(2)式による場合のような
NOガス(NOxガス)を発生させることなく、次の
(3)式のためのFe3+の生成を行わせることができ
るようになる。
【0019】
【実施例】弗酸(HF)と硝酸(HNO)との混酸
(HF/HNO)からなる酸洗液(容量24000
l)を用いて、次表に示す化学成分のNi含有量が比較
的少ないオーステナイト系ステンレス鋼線材(直径5.
5mm)の酸洗を行った。
【0020】
【表1】
【0021】ここで使用した酸洗液における弗酸(H
F)の濃度は0.5%、硝酸(HNO)の濃度は4.
0%のものであり、酸洗温度は40℃とした。
【0022】このようなステンレス鋼線材の酸洗におい
て、酸洗液中からNOxガスの発生が認められたため、
過酸化水素水(35%H)を100 l追加した
ところ、NOxガスの発生は停止した。
【0023】したがって、酸洗液よりNOxガスが発生
した際に、過酸化水素水(H)を添加することに
よって、NOxガスの発生を抑制できることが認めら
れ、かつまた、Fe2+を過酸化水素水(H)で
反応させることにより従来と同様にFe3+を生成させ
ることができる。
【0024】
【発明の効果】本発明による酸洗液からのNOxガス発
生抑制方法では、硝酸(HNO)を用いた酸洗液から
のNOxガスの発生を抑制するに際し、酸洗液中のFe
3+/Fe2+比とHNO濃度との関係を [Fe3+/Fe2+]≧1.4×[HNO濃度(W
t/Vol %)]−1.7 に維持するようにしたから、硝酸(HNO)を用いた
酸洗液で酸洗を行うに際して酸洗液から有害なNOxガ
スが発生するのを抑制することが可能であり、酸洗環境
を良好なものにすることが可能であるという著しく優れ
た効果がもたらされる。
【0025】そして、請求項2に記載しているように、
硝酸(HNO)を用いた酸洗液からのNOxガスの発
生を抑制するに際し、酸洗液に窒素(N)を含まない酸
化剤を添加するようになすことによって、従来の硝酸
(HNO)を用いる場合のようにNOxガスを発生す
ることなく、この硝酸を用いる場合と同様にFe3+
生成することが可能であるという著しく優れた効果がも
たらされる。
【0026】また、請求項3に記載しているように、硝
酸(HNO)を用いた酸洗液は弗化水素(HF)をも
含むものであるものとすることによって、処理材に対す
る酸洗を効率的に行うことが可能であるという著しく優
れた効果がもたらされる。
【0027】さらにまた、請求項4に記載しているよう
に、窒素(N)を含まない酸化剤として過酸化水素水
(H),重クロム酸(Cr 2−),過マン
ガン酸(MnO )のうちから選んで添加するように
なすことによって、入手がきわめて容易な酸化剤を用い
て処理コストを上昇させることなく、かつまた酸洗効率
を低下させることなく、酸洗液からのNOxガスの発生
を抑制することが可能であるという著しく優れた効果が
もたらされる。
【0028】さらにまた、請求項5に記載しているよう
に、酸洗材としてNi含有量の少ない鋼材を適用するよ
うになすことによって、NOxガスの発生しやすNi含
有量の少ない鋼材の酸洗に際してもNOxガスの発生を
抑制することが可能であるという著しく優れた効果がも
たらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 酸洗液中におけるFe3+/Fe2+比と酸
洗液中のHNO濃度とによるNOxガス発生への影響
を調べた結果を示す説明図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硝酸(HNO)を用いた酸洗液からの
    NOxガスの発生を抑制するに際し、酸洗液中のFe
    3+/Fe2+比とHNO濃度との関係を [Fe3+/Fe2+]≧1.4×[HNO濃度(W
    t/Vol %)]−1.7 に維持することを特徴とする酸洗液からのNOxガス発
    生抑制方法。
  2. 【請求項2】 硝酸(HNO)を用いた酸洗液からの
    NOxガスの発生を抑制するに際し、酸洗液に窒素
    (N)を含まない酸化剤を添加する請求項1に記載の酸
    洗液からのNOxガス発生抑制方法。
  3. 【請求項3】 硝酸(HNO)を用いた酸洗液は弗化
    水素(HF)をも含むものである請求項1または2に記
    載の酸洗液からのNOxガス発生抑制方法。
  4. 【請求項4】 窒素(N)を含まない酸化剤として過酸
    化水素水(H),重クロム酸(Cr
    2−),過マンガン酸(MnO )のうちから
    選んで添加する請求項2または3に記載の酸洗液からの
    NOxガス発生抑制方法。
  5. 【請求項5】 酸洗材としてNi含有量の少ない鋼材を
    適用する請求項1ないし4のいずれかに記載の酸洗液か
    らのNOxガス発生抑制方法。
JP32997096A 1996-12-10 1996-12-10 酸洗液からのNOxガス発生抑制方法 Pending JPH10168586A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007100170A (ja) * 2005-10-05 2007-04-19 Nippon Yakin Kogyo Co Ltd ステンレス鋼板の酸洗方法及び窒素酸化物の抑制方法
JP2011162812A (ja) * 2010-02-05 2011-08-25 Nisshin Steel Co Ltd ステンレス鋼帯の酸洗操業方法
KR101239473B1 (ko) 2011-08-01 2013-03-06 주식회사 포스코 산세액 및 스테인리스강의 산세방법

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