JP2001049474A - ステンレス鋼の酸洗方法 - Google Patents

ステンレス鋼の酸洗方法

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JP2001049474A
JP2001049474A JP11230387A JP23038799A JP2001049474A JP 2001049474 A JP2001049474 A JP 2001049474A JP 11230387 A JP11230387 A JP 11230387A JP 23038799 A JP23038799 A JP 23038799A JP 2001049474 A JP2001049474 A JP 2001049474A
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JP
Japan
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pickling
acid
stainless steel
soln
nitrite ion
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JP11230387A
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Tadashi Shimomura
正 下村
Hide Oto
秀 大戸
Hiroya Watanabe
広也 渡辺
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硝酸とフッ酸からなる酸洗液によ
るステンレス鋼の酸洗処理を高効率、低コストで行う方
法を提供する。 【解決手段】 硝酸とフッ酸からなる酸洗液でス
テンレス鋼を酸洗する方法において、酸洗液中の亜硝酸
イオン濃度を酸化剤の添加により0.9g/L以下に維
持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硝酸とフッ酸から
なる酸洗液によるステンレス鋼の脱スケールなどの酸洗
処理を高効率、低コストで行う方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ステンレス鋼の酸洗処理において
は、硝酸とフッ酸の混酸が用いられてきた。このような
酸洗処理においては、処理の進行に伴い、液中の酸濃度
が低下し、処理能力が低下するため、処理中途における
酸の補充が必要である。また、酸洗を繰り返すことによ
り、液中の金属イオン濃度が上昇し、スラッジ等による
汚染が生じて、酸洗効率が著しく低下するようになるた
め、適当な間隔で処理液の交換を行う必要がある。ここ
で、酸の補充や処理液の交換により、処理能力の変動が
生じ、酸洗工程全体の安定性や効率の低下の原因となっ
ている。
【0003】酸洗液の処理能力をより長く保つことは、
酸洗液中に存在する各々の酸濃度や金属濃度を測定し、
その液組成に応じて、酸の補充を連続的または間欠的に
行うことによりある程度は達成できる。しかし、酸洗液
中に存在する酸および金属の濃度を互いの干渉なしに正
確に求めることは難しい。また、酸洗液組成の管理が可
能であっても、処理能力の維持のために、より多量の酸
が必要となる可能性があり、管理に要するその他の作業
やコストなども加味した場合、必ずしも効率の向上が達
成されるとは限らない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決するため、硝酸とフッ酸の混合液によりステンレ
ス鋼の酸洗を行う際に、酸洗液の処理能力の持続性を高
め、酸使用量や処理液交換頻度の低減により、効率的に
酸洗を行う方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、硝酸とフ
ッ酸からなる酸洗液によりステンレス鋼の酸洗を行った
場合、硝酸が鋼の溶解反応に寄与することにより生成す
る亜硝酸イオンの濃度とステンレス鋼の溶解量、すなわ
ち、酸洗液の処理能力との間に相関関係があり、酸洗液
中の亜硝酸イオン濃度を低下させることにより、酸洗液
の処理能力が高くなること、また、亜硝酸イオン濃度を
低い範囲に維持することにより、酸洗液の処理能力をよ
り高いレベルで維持することできることを見出し、本発
明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は、硝酸とフッ酸からな
る酸洗液でステンレス鋼を酸洗する方法において、酸洗
液中の亜硝酸イオン濃度を0.9g/L以下に維持する
ことを特徴とするステンレス鋼の酸洗方法に関するもの
である。
【0007】
【発明の実施の形態】硝酸とフッ酸の混酸によりステン
レス鋼を処理すると、鋼の溶解に伴い亜硝酸が生成す
る。生じた亜硝酸の一部はNOやNO2などのNOxガ
スとして系外へ放出され、一部は酸洗液中に蓄積し、酸
洗を阻害する。酸洗液中の亜硝酸濃度は、イオンクロマ
トグラフィーや定電位電解法などにより亜硝酸イオン濃
度として検出することが可能である。亜硝酸あるいは亜
硝酸イオンの濃度の検出結果に応じて亜硝酸イオン濃度
の低減を行うことから、リアルタイムで迅速な検出が可
能である方法を用いることが望ましい。
【0008】図1に硝酸とフッ酸の混酸からなる酸洗液
における、イオンクロマトグラフィーにより測定した亜
硝酸イオン濃度とSUS304(50×30mm)の溶
解速度との関係を示す。これは、硝酸10重量%、フッ
酸2重量%からなる酸洗液中、50℃でSUS304を
処理し、金属濃度が3g/Lとなった場合の一例であ
る。亜硝酸イオン濃度が0.1g/Lから0.9g/L
に増加するのに伴い、溶解速度は0.30μm/min
から0.15μm/minと2分の1に低下した。酸濃
度や金属濃度などの処理条件が同じであるにもかかわら
ず、亜硝酸イオン濃度の上昇によって、酸洗液の処理能
力は明らかに低下している。
【0009】酸洗液中の亜硝酸イオン濃度は、酸濃度、
金属濃度、処理温度、鋼の処理量などの諸条件による影
響を受けて変化するため、酸洗液の処理能力を最適化す
るための亜硝酸イオン濃度の範囲は異なってくるが、一
般的には、亜硝酸イオン濃度は0.9g/L以下、好ま
しくは0.4g/L以下まで低減することが望ましい。
【0010】亜硝酸イオン濃度を低減する方法として
は、酸洗の阻害や酸洗浴の汚染を引き起こすことなく、
酸洗液中で亜硝酸や亜硝酸イオンと反応する化合物を加
えることが簡便である。具体的な方法として、過酸化水
素、過マンガン酸カリウム、オゾン、酸素または空気な
どの酸化剤を加えることが挙げられる。添加方法として
は、亜硝酸イオンの濃度により連続的に添加する方法が
望ましい。
【0011】
【実施例】以下に本発明を実施例によって詳細に説明す
るが、本発明は実施例によって制限されるものでない。
【0012】実施例1 硝酸10重量%、フッ酸2重量%を含み、金属濃度が4
g/Lである酸洗液により、50℃でスケール付きSU
S304(50×50mm)を処理した。イオンクロマ
トグラフィーで測定した亜硝酸イオン濃度が常に0.1
g/L以下となるように過酸化水素を添加して処理を行
った。表1に脱スケール処理の結果を示す。表におい
て、○は全てのスケールが除去され、△はほとんどのス
ケールが除去され、×は一部のスケールが残存している
ことを示す。
【0013】比較例1 過酸化水素を添加しないこと以外は、実施例1と同様に
処理した。このとき、亜硝酸イオン濃度は、1g/Lで
あった。脱スケール処理の結果を表1に示す。亜硝酸イ
オン濃度を低減した場合の方が脱スケール処理能力が高
い。
【0014】
【表1】
【0015】実施例2 硝酸10重量%、フッ酸2重量%を含む酸洗液1Lによ
り、50℃でスケール付きSUS304(50×50m
m)を処理した。イオンクロマトグラフィーで測定した
亜硝酸イオン濃度が常に0.1g/L以下となるように
過酸化水素を加えて処理を行った。表2に脱スケール処
理の結果を示す。良好な脱スケール処理が可能であった
枚数は20枚であり、酸洗処理能力の低下が抑制され
た。
【0016】比較例2 過酸化水素を添加しないこと以外は、実施例2と同様に
処理した。表2に脱スケール処理の結果を示す。良好な
脱スケール処理が可能であった枚数は、10枚であっ
た。
【0017】
【表2】
【0018】実施例3 硝酸10重量%、フッ酸2重量%を含む酸洗液1Lによ
り、50℃でSUS304(50×30mm)を処理し
た。溶解速度は重量減少量から求め、亜硝酸イオン濃度
はイオンクロマトグラフィーにより測定した。処理開始
直後の溶解速度は0.57μm/minであったが、金
属濃度が4.0g/Lに達すると、0.12μm/mi
nに低下した。このとき、亜硝酸イオン濃度は1.2g
/Lであった。そこに、35重量%過酸化水素約3.0
gを加え、亜硝酸イオン濃度を0.05g/L以下とし
た後の溶解速度は0.29μm/minに上昇した。
【0019】実施例4 硝酸10重量%、フッ酸2重量%を含み、金属濃度が5
g/Lである酸洗液1Lにより、50℃でスケール付き
SUS304(50×50mm)の脱スケール処理を行
った。イオンクロマトグラフィーで測定した亜硝酸イオ
ン濃度が1.0g/Lであったときの重量減少率は0.
23%であった。その後、空気を吹き込むことにより、
亜硝酸イオン濃度が0g/Lとなったときの重量減少率
は0.48%に上昇した。
【0020】
【発明の効果】本発明により、酸洗液の処理能力の低下
が抑えられ、その結果、酸使用量や酸洗液交換頻度を減
らすことが可能となり、酸洗工程の高効率化、低コスト
化が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】亜硝酸イオン濃度とステンレス鋼の溶解度との
関係

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硝酸とフッ酸からなる酸洗液でステンレ
    ス鋼を酸洗する方法において、酸洗液中の亜硝酸イオン
    濃度を0.9g/L以下に維持することを特徴とするス
    テンレス鋼の酸洗方法。
  2. 【請求項2】 酸化剤の添加により亜硝酸イオン濃度を
    維持する請求項1記載の酸洗方法。
JP11230387A 1999-08-17 1999-08-17 ステンレス鋼の酸洗方法 Pending JP2001049474A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101017627B1 (ko) 2004-12-16 2011-02-28 재단법인 포항산업과학연구원 산세공정에서 오존을 이용한 녹스 제거방법
CN106917095A (zh) * 2017-03-23 2017-07-04 合肥协耀玻璃制品有限公司 一种不锈钢酸洗钝化膏及其制备方法

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