JP2013124394A - ステンレス鋼の表面処理剤およびその処理方法並びにその管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ステンレス鋼の圧延後の焼鈍における製品表面の酸化スケールを除去するための酸洗工程でフッ酸を使用しないステンレス鋼の表面処理剤およびその処理方法並びにその管理方法を提供する。
【解決手段】 ステンレス鋼の線材、鋼管、継ぎ手材などのバッチ処理ラインにおいて、ソルト処理(溶融塩浸漬)を行った後の表面スケール除去に当たり、塩酸50g/L〜150g/L、酸化性金属イオン濃度(鉄イオン:Fe3+)10g/L〜50g/Lであって、かつ下記式を満たす溶液を用いることを特徴とするステンレス鋼の表面処理剤。Y≦9X/20 … (1)、ただし、X:塩酸の濃度、Y:Fe3+濃度
【選択図】 図1

Description

本発明は、ステンレス鋼の圧延後の焼鈍における製品表面の酸化スケールを除去するための酸洗工程でフッ酸を使用しないステンレス鋼の表面処理剤およびその処理方法並びにその管理方法に関するものである。
従来からステンレス鋼の線材、鋼管、継ぎ手、その他部材などからなるステンレス製品は、一般にステンレス鋼を溶解し、その後造塊し熱間圧延、酸洗後冷間圧延した後焼鈍し、再び酸洗工程を経て製品化されている。このうち熱延圧延後、さらに冷間圧延後の焼鈍において製品表面に酸化スケールが形成されるため、これを酸洗工程により除去して製品化する。この生産工程での焼鈍工程後に行われる酸洗工程では、通常、例えばステンレス鋼材の場合、焼鈍後表面に生成した酸化スケールは、そのまま酸洗液に浸漬処理しても除去できるが、長時間を要し、効率的でないし、また酸洗後の表面にムラが形成されることがある。
そこで、現状の生産工程では、焼鈍後生成した酸化スケールを酸化性ソルト、または還元性ソルトを用いて改質処理し、その後硝酸、フッ酸の混合溶液(以下、NHFという)や硫酸−フッ酸混合溶液(以下、SHFという)に浸漬処理し、短時間で効率的に生産する方法が適用されているのが現状である。しかし、近年、地球環境問題から、環境への負荷が大きい化学物質について、国内的にも世界的にも一段と厳しい使用規制が行われるようになってきた。ステンレス鋼の酸洗においても例外ではなく、前述した酸洗工程で用いられる物質が厳しい規制対象になってきた。
このうち、日本では、窒素成分について、1995年に規制が導入され、現在まで順次排出規制が強化されてきている。特に、閉塞海域(湾、湖)への窒素成分の排出は、次第に総量規制になりつつある。そのため、例えば特許第2819378号公報(特許文献1)等に見られるような窒素成分を含まない酸洗液が開発、提供されてきた。しかし、この方法は、いずれもフッ素成分の規制には対応していない。一方、フッ素の排出規制は一段と厳しく海域によっては、10ppm以下が現状である。ただ、F−イオンは、通常は排水処理工程でCa(OH)2 などの適用によっては規制に満足できる程度まで低減できる状態にある。
しかし、今後EU規制(SEVESOIII)のように、フッ酸の貯蔵、輸送、使用状況も含め、厳しい規制が施行される方向にある。また、フッ素を含む酸洗スラジなどは、簡単にリサイクルができないため、フッ酸を使用しない酸洗方法への要求も一段と高まってきている。この規制への対応として、HFから、フルオロ酸などF−イオン系薬剤を含有させ、特化則の対象とならない成分を添加する方法も提案されているが、連続ラインに適用できるフッ酸を完全に不使用とした薬剤やシステムは実現していない。
このような状況の下で、これまで幾つかの方法が試みてこられたがデスケール性や、表面性状の点で、特に、線間でのデスケール不足、孔食発生が顕著なことから、不十分な結果であった。特に、ステンレス鋼線材の場合、フッ酸の適用は不可欠であるとされ、硝酸、塩酸、硫酸にフッ酸と混合させた酸液が適用されてきている。例えば、特開2006−193808号公報(特許文献2)等などに見られるように最新の技術動向を見ても、線材分野では依然としてHFを含有した方法が適用されている。
また、ステンレスコイル分野では、熱延材コイルへの適用を中心に、熱延コイルを焼鈍後、ショット処理した表面の高速溶解調整に塩酸をベースとした酸洗液の適用が積極的に行われて来た。これは、ショット後の表面を10μmから20μm以上を高速溶解し、圧延による押し疵などを積極的に除去することを狙ったものである。したがって、上記特許の全てが熱延材対象で、薄板分野への適用は皆無である。
特許第2819378号公報 特開2006−193808号公報 特許第4470075号公報
上述したように、薄板の場合、コイル冷延後、最終焼鈍後ソルト処理、あるいは中性塩処理し、硝酸−HF浸漬処理(γ系)、硝酸電解(α系)を経て製品化される。塩化物処理による微量残留を極力避けるため、現在では薄板焼鈍酸洗仕上げ工程には、熱延板に適用されているような方法は適用されていないのが現状である。
特に、従来においてはステンレス鋼の線材は、ステンレスコイルと異なり大気炉や連続雰囲気炉で長時間が焼鈍されるため、酸化スケールが厚く生成する。これを除去し、適切な表面を得るため、前処理工程(前酸洗−ソルト処理)でスケールを改質し、その後改質皮膜除去のため塩酸、硫酸などに浸漬処理され、改質表面を除去した後、最終表面仕上げ工程として硝酸とフッ酸酸洗液が適用されているが、このとき、前記のステンレス鋼コイルに適用されている塩酸ベースフッ酸レス系溶液をすると、素地溶解を促進しすぎること、および線材の重なり部分での液滞留による局部的な反応(凹凸や孔食発生を含む)が起きやすくなるため、塩酸系薬剤は適用されていない。塩酸を含む系の処理工程に合致した新たな成分系の探索が必要であった。
上述したような問題を解消するために、これまで検討不十分であった線材のステンレス鋼酸洗工程で用いられてきたNHF、SHF溶液の代替として、フッ酸を含まない酸洗液について、発明者らは鋭意検討を進めた結果、従来問題となっていた溶液系でも、孔食などを生じない成分組成範囲が存在することを見出した。その知見に基づき、新たにフッ酸を含まない塩酸を基本とした酸洗溶液を開発した。この方法によれば、孔食を誘発せず、綺麗な安定した表面を得ることを可能にしたものである。さらに、酸洗浴の定量的制御ができるように、それぞれの成分を分析機器により分析して適正値に管理できる方法を提供するものである。
その発明の要旨とするところは、
(1)ステンレス鋼の線材、鋼管、継ぎ手材などのバッチ処理ラインにおいて、ソルト処理(溶融塩浸漬)を行った後の表面スケール除去に当たり、塩酸50g/L〜150g/L、酸化性金属イオン濃度(鉄イオン:Fe3+)10g/L〜50g/Lであって、かつ下記式を満たす溶液を用いることを特徴とするステンレス鋼の表面処理剤。
Y≦9X/20 … (1)、ただし、X:塩酸の濃度、Y:Fe3+濃度
(2)前記(1)に記載の溶液に10m3 /min/溶液量1m3 以上の空気を連続して供給し、処理物との反応を均質化することを特徴とするステンレス鋼の表面処理方法。(3)前記(1)に記載の塩酸および酸化性金属イオン濃度を維持するに当たり、塩酸にあっては塩酸の補給、酸化性金属イオンにあっては過酸化水素剤の補給を随時補足添加してなることを特徴とするステンレス鋼の表面処理剤の管理方法にある。
以上述べたように、塩酸濃度範囲を適正化することにより、従来から懸念されていた孔食などの表面欠陥を誘発することなく、ステンレスなどの耐食性材料の酸洗時間を短縮することが可能とした極めて優れた効果を奏するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明では、ステンレス鋼の線材、鋼管、継ぎ手材などのバッチ処理酸洗工程への適用を対象としている。特に、ステンレス線材の場合は、塩酸(塩化物イオンを含む)系での酸洗には、溶液系での反応挙動を的確に把握し管理することにより、過剰溶解、孔食発生しない安定した処理液の管理適用が不可欠である。本発明ではステンレス線材を対象にしたフッ酸を含まない酸洗液の表面仕上げ工程への適用を目的とするものである。
以下、本発明での規制した理由について説明する。
本発明においては、塩酸濃度を50g/L〜150g/Lの水溶液を使用する。塩酸は硫酸に比べ、スケールへの浸透力、素地の溶解力が強く、孔食などを誘発の懸念されることから極力抑制することが必要とされていた。しかし、上述のようにその濃度範囲を適正化することにより、従来から懸念されていた孔食などの表面欠陥を誘発することなく、ステンレスなどの耐食性材料の酸洗時間を短縮することが可能なことから基本成分とした。
NHFに代わって表面処理する塩酸濃度と含有酸化性金属イオン濃度マップにおける50℃、300秒間浸漬処理したときの表面性状は、孔食などの表面性状が不安定な状態は、塩酸濃度が低く、Fe3+イオンが高い領域に顕著に表れる。また、塩酸濃度が高く、Fe3+イオンが高い領域では、表面は均質で、ステンレス線材の表面として特徴的な亀甲模様が現れることが明らかとなった。
図1は、塩酸−Fe3+イオン濃度の領域を孔食有無と亀甲模様が現れる範囲を示した。この結果から、工業的に有効な領域は、図1に示す範囲にある。本発明では、工業的に有効な範囲として、塩酸濃度50〜150g/L、Fe3+イオン濃度10〜50g/Lを規定した。塩酸濃度50g/L未満では、素地溶解能力が不足し、酸洗時間が長くなってしまう。また、150g/Lを超えると溶解能力が飽和する。したがって、塩酸濃度を50〜150g/Lとした。好ましくは70〜120g/Lとする。
さらに、素地の溶解と孔食抑制範囲として塩酸中でのFe3+イオン濃度を制御する必要がある。塩酸にFe3+イオンを添加すると素地溶解が促進されるが、孔食、凹凸のない適正な表面を得るのは、Fe3+イオン濃度が10〜50g/Lの範囲が効果的である。しかし、Fe3+イオン濃度が10g/L未満では、素地溶解が加速されず、時間が掛かり効果的でない。また、Fe3+イオン濃度が50g/Lを超えると、Fe3+イオン濃度管理が難しく効率的でない。すなわち、一定Fe3+イオン濃度を液中に確保するため、過酸化水素系薬剤を用いるが、Fe3+イオン濃度が50g/Lを超えると、過酸化水素によるFe2+→Fe3+の反応促進により、過酸化水素薬剤の自己分解反応が生じやすくなるため経済的でない。
また、上記塩酸濃度50〜150g/L、Fe3+イオン濃度10〜50g/Lであって、かつY≦9X/20を満たす範囲にある。ただし、X:塩酸の濃度、Y:Fe3+濃度とする。すなわち、塩酸濃度が50g/Lの場合は、Fe3+イオン濃度は22.5g/L以下、塩酸濃度が100g/Lの場合は、Fe3+イオン濃度は45g/L以下、塩酸濃度が150g/Lの場合は、Fe3+イオン濃度は50g/L以下である。
なお、初期建浴時に添加する場合、或いは使用中に必要に応じて添加するFe3+イオンは、硫酸第二鉄溶液や塩化第二鉄溶液のいずれでも良い。Fe3+イオン濃度は適宜分析を行い、前述の過酸化水素を浴中に必要量添加して液中に存在するFe2+イオンを酸化して調整補給する方法と第二鉄イオンを塩化物、硫化物の形で添加するいずれの方法でも良い。また、酸化性薬剤として硝酸添加も有効であるが、連続プロセスでの液管理の容易さから、本発明では採用しない。
次に、処理液への空気の導入は、いずれの方法でも良いが、10m3 /min/1m3(浴液量)以上が望ましい。空気バブルの導入により浴液が攪拌される。線材の場合、線間が密に重なっており、静止液に浸漬すると液の入れ替えが起きにくくなる。本発明の酸洗液の最大の効用は、酸洗液中に酸化性金属イオンを含有させていることである。このイオンの線材表面での反応は拡散律速であり、反応を均質化するためには、一定の状態で表面に液の入れ替えを促進すことが必須である。この空気バブル導入により線材表面に常に新しい液の入れ替えを促進し溶解反応を促進、均一化することができる。
酸洗液の分析は、塩酸ベース液は、基本的に塩酸主体であり、簡易法として導電度法を用いる。測定法は、特許第4470075号公報(特許文献3)による非接触型電導度測定による。第二鉄イオン、第一鉄イオン濃度は、通常知られている化学分析法によるが、これを自動化した分析装置で短時間、正確に行うことができる。これらの分析装置と薬剤の供給方法とを組み込んだシステムとして所定濃度に設定された条件を、浴液の分析を必要量設定し浴槽への薬剤供給の一連の作業を行い安定した操業管理を可能とした方法である。
上記操業管理システムの概要を図2に示す。図2は、酸洗薬剤の分析、追酸および酸洗液の廃棄、回収の経路を示す一連の操業管理システムの概要図である。この図2に示すように、塩酸系薬剤1、過酸化水素系薬剤2および酸化性金属イオン液3を備え、分析装置5においては、塩酸系においては電導度測定により、また、第二鉄イオン、第一鉄イオン濃度は、滴下法により測定する。この各々を酸洗槽4に供給する配管を設置する。一方、酸洗槽4においては、分析装置5と循環可能に配管され、廃酸液は廃酸、スラジ排出配管7を介して廃酸ピット6に送られ、また、廃酸ピット6からの上澄液は上澄液戻り配管8を介して酸洗槽4に戻されると共に、スラジは廃酸ピット6外に廃棄される。
以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。
表1は、ステンレス鋼304、430および416を塩酸濃度40〜150g/Lまで、Fe3+イオン濃度を5g/L〜100g/Lまで変化させた溶液にステンレス鋼を浸漬処理したときの表面性状を示した。その評価は、焼鈍処理されたステンレス鋼304、430および416を、前酸洗した後ソルト処理し、後酸洗した後の表面にスケールの残存しない状態で、上記処理液に所要時間浸漬処理後の表面を評価(孔食有無による)した。なお、実処理ライン(前酸洗した後ソルト処理した後酸洗)条件を表2と合わせて図1に示す。なお、図1中の×、△、○印は、孔食発生有無とその程度を示している。×:孔食発生激しい、△:わずかだが孔食発生、○:全く孔食発生せず、にて示した。
Figure 2013124394
Figure 2013124394
表1に示すように、No.6、11〜12、16〜18は本発明例であり、No.1〜5、7〜10、13〜15、19〜20は比較例である。
表1に示すように、比較例No.1〜4は塩酸濃度が低く、かつNo.1の場合は、Fe3+イオン濃度も低いために、いずれのステンレス鋼においても孔食の発生が激しい。比較例No.5はFe3+イオン濃度が低いために、特にステンレス鋼304の場合には孔食がわずかだが発生した。比較例No.7〜8は塩酸濃度とFe3+イオン濃度はいずれも満足しているが、Y≦9X/20を満たさないことから、孔食の発生が生じた。比較例No.9は塩酸濃度とFe3+イオン濃度はいずれも満足しているが、しかし、Y≦9X/20を満たさないことから、孔食の発生が生じた。
比較例No.10は塩酸濃度は満足しているが、しかし、Fe3+イオン濃度が低く、かつY≦9X/20を満たさないことから、ステンレス鋼304の場合には孔食がわずかだが発生した。比較例No.13は塩酸濃度とFe3+イオン濃度はいずれも満足しているが、しかし、Y≦9X/20を満たさないことから、孔食がわずかだが発生した。比較例No.14は塩酸濃度とFe3+イオン濃度はいずれも満足しているが、しかし、Y≦9X/20を満たさないことから、孔食の発生が生じた。
比較例No.15は塩酸濃度は満足しているが、しかし、Fe3+イオン濃度が低く、かつY≦9X/20を満たさないことから、ステンレス鋼304の場合には孔食がわずかだが発生した。比較例No.19は塩酸濃度とFe3+イオン濃度はいずれも満足しているが、しかし、Y≦9X/20を満たさないことから、ステンレス鋼304の場合には孔食の発生が生じた。また、ステンレス鋼430、416の場合には孔食がわずかだが発生した。No.20の場合は、Fe3+イオン濃度が高いために、ステンレス鋼においても孔食の発生が激しい。
これに対し、本発明である、No.6、11〜12、16〜18のいずれも、塩酸濃度50〜150g/Lを含み、酸化性金属イオン濃度(鉄イオン:Fe3+)5g/L〜50g/Lを含有させ、フッ酸を含まない溶液において、孔食の発生しない従来の硝フッ酸溶液や硫酸−フッ酸系溶液と同様な良好な表面が得られた。
酸洗液の濃度分析は、試験途中、または浸漬処理後、塩酸は、検量線作成後電導度法によって濃度測定し、不足必要量を添加して制御した。また、Fe3+イオン濃度は、チオ硫酸ナトリウムによる滴定法によって、Fe2+イオン濃度は、過マンガン酸滴定法によって測定した。このうち、Fe3+イオン濃度が不足する場合は、過酸化水素系薬剤を適正量添加し補正調整した。このように溶液系を適時分析し、浴濃度を調整することにより、フッ酸を含まないステンレス鋼線材の酸洗処理システム(薬剤と薬剤調整系)を確立できた。
塩酸−Fe3+イオン濃度の領域を孔食有無と亀甲模様が現れる範囲を示す図である。 酸洗薬剤の分析、追酸および酸洗液の廃棄、回収の経路を示す一連の操業管理システムの概要図である。
1 塩酸系薬剤
2 過酸化水素系薬剤
3 酸化性金属イオン液
4 酸洗槽
5 分析装置
6 廃酸ピット
7 スラッジ排出配管
8 上澄液戻り配管


特許出願人 株式会社パーカーコーポレイション
代理人 弁理士 椎 名 彊

Claims (3)

  1. ステンレス鋼の線材、鋼管、継ぎ手材などのバッチ処理ラインにおいて、ソルト処理(溶融塩浸漬)を行った後の表面スケール除去に当たり、塩酸50g/L〜150g/L、酸化性金属イオン濃度(鉄イオン:Fe3+)10g/L〜50g/Lであって、かつ下記式を満たす溶液を用いることを特徴とするステンレス鋼の表面処理剤。Y≦9X/20 … (1)、ただし、X:塩酸の濃度、Y:Fe3+濃度
  2. 請求項1に記載の溶液に10m3 /min/溶液量1m3 以上の空気を連続して供給し、処理物との反応を均質化することを特徴とするステンレス鋼の表面処理方法。
  3. 請求項1に記載の塩酸および酸化性金属イオン濃度を維持するに当たり、塩酸にあっては塩酸の補給、酸化性金属イオンにあっては過酸化水素剤の補給を随時補足添加してなることを特徴とするステンレス鋼の表面処理剤の管理方法。
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