JPH10167814A - 誘電体磁器組成物 - Google Patents

誘電体磁器組成物

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JPH10167814A
JPH10167814A JP8332041A JP33204196A JPH10167814A JP H10167814 A JPH10167814 A JP H10167814A JP 8332041 A JP8332041 A JP 8332041A JP 33204196 A JP33204196 A JP 33204196A JP H10167814 A JPH10167814 A JP H10167814A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】比誘電率εrが高く、誘電損失が小さい等の特
長を有し、フィルムコンデンサと同等の特性を有し、自
己加熱の小さい、有用な誘電体磁器組成物を提供する。 【解決手段】少なくとも金属元素としてSr、Pb、B
iおよびTiを含有し、ペロブスカイト型結晶相を主結
晶相とする誘電体磁器組成物であって、X線回折におけ
る前記ペロブスカイト型結晶相の(110)面の主ピー
クと、前記ペロブスカイト型結晶相の(100)面の主
ピークとの間に検出され、かつBiを含有する異相のピ
ークの強度が、前記(110)面の主ピークの強度の3
%以下のものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体磁器組成物
に関するものであり、特に、高周波領域で好適に使用さ
れ、かつ高誘電率、低損失の誘電体磁器組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来技術】近年のエレクトロニクスの発展に伴い電子
回路の高周波化、小型化が急速に進行し、電子部品も高
周波化、小型化が要求されるようになってきている。
【0003】特に、高周波大電流回路では、損失による
自己加熱が問題となる場合があり、この場合には低損失
のコンデンサが使用されていた。従来、このようなコン
デンサとしては、低損失で、温度特性、電圧依存性が小
さい等の特性を有するフィルムコンデンサが用いられて
いる。
【0004】しかしながら、フィルムコンデンサはモー
ルドタイプが殆どであり、小型化、表面実装に対応でき
ない。
【0005】また、低損失高容量の領域に用いられる誘
電体磁器組成物として、特公昭57−37963号公報
および特公平7−45337号公報に開示されるような
ものが知られている。
【0006】特公昭57−37963号公報に開示され
た誘電体磁器組成物は、Sr、Ti、Bi、Pbおよび
Caからなる基本成分と、CuとMnからなる添加成分
とから構成されている。そして、SrTiO3 、Bi2
3 、TiO2 、PbTiO3 、CaTiO3 、Cu
O、MnCO3 を混合し、930℃で仮焼し、1200
〜1400℃で焼成して作製されている。この誘電体磁
器組成物では、測定周波数1KHzでの比誘電率が50
0〜1500、誘電損失tanδが0.15〜0.5%
であった。
【0007】また、特公平7−45337号公報に開示
された誘電体磁器組成物は、Sr、Ti、Bi、Pb、
CaおよびSnからなる基本成分と、希土類元素酸化物
と、ガラス成分とから構成されている。そして、SrC
3 、Pb3 4 、CaCO3 、Bi2 3 、Ti
2 、SnO2 、希土類元素酸化物を混合し、950℃
で仮焼し、940〜1240℃で焼成して作製されてい
る。この誘電体磁器組成物では、測定周波数1KHzで
の比誘電率が1240〜1470、誘電損失tanδが
0.25〜0.36%であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
57−37963号公報および特公平7−45337号
公報に開示された誘電体磁器組成物では、1500以上
の比誘電率を有し、かつ0.35%以下の低損失を達成
できなかった。
【0009】即ち、一般的に比誘電率が高い誘電体磁器
組成物は誘電損失が大きくなる傾向があり、比誘電率を
上げれば誘電損失が大きくなり、例えば、上記したよう
に、高周波大電流回路では損失による自己加熱が問題と
なった。
【0010】本発明は、1500以上の比誘電率εrを
有し、かつ誘電損失tanδが0.35%以下の誘電体
磁器組成物を提供することを目的とするもので、フィル
ムコンデンサと同等の特性を有し、特に高周波領域にお
いて有用な誘電体磁器組成物を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の誘電体磁器組成
物では、少なくとも金属元素としてSr、Pb、Biお
よびTiを含有し、ペロブスカイト型結晶相を主結晶相
とする誘電体磁器組成物であって、X線回折における前
記ペロブスカイト型結晶相の(110)面の主ピーク
と、前記ペロブスカイト型結晶相の(100)面の主ピ
ークとの間に検出され、かつBiを含有する異相のピー
クの強度が、前記(110)面の主ピークの強度の3%
以下のものである。
【0012】また、誘電体磁器組成物は、モル比による
組成式を(Sr1-w-x-y Caw Pbx Biy )Tiz
3+a と表した時、前記x、y、zおよびwが、0≦w≦
0.20、0.05≦x≦0.20、0.01≦y≦
0.30、1.00≦z≦1.20、w+x+y≦0.
50を満足することが望ましい。aは過剰酸素量であ
る。さらに、誘電体磁器組成物は、前記主成分100重
量部に対して、LiおよびBのうち少なくとも一種を含
有する添加成分を0.1〜10重量部含有することが望
ましい。
【0013】
【作用】本発明の誘電体磁器組成物は、ペロブスカイト
型結晶相の(110)面の主ピークと(100)面の主
ピークとの間の、Biを含有する異相のピークの強度
が、(110)面の主ピークの強度の3%以下であるた
め、Biの殆どはペロブスカイト型結晶相に固溶するこ
とになり、高誘電率のペロブスカイト型結晶相が増加
し、低誘電率で誘電損失の大きなBiを含有する異相が
減少することになり、このため、測定周波数1KHzで
の比誘電率を1500以上、誘電損失を0.35%以
下、特には0.2%以下とすることができる。
【0014】従来の特公昭57−37963号公報およ
び特公平7−45337号公報に開示された誘電体磁器
組成物は、基本成分を950℃程度で仮焼し、高誘電率
のペロブスカイト相を析出させているが、仮焼温度が低
いためBiがペロブスカイト相中に固溶せず、あるいは
固溶してもその固溶量は少なく、本願でいうBiを含有
する異相として存在していると考えられ、このため比誘
電率が1500以下と小さく、しかも誘電損失も大きい
と考えられる。
【0015】本願では、Biをペロブスカイト相中に固
溶させるために、1100℃以上の仮焼温度で反応させ
ている。このため、Biが高誘電率のペロブスカイト相
中に大量に固溶し、Biを含有する異相のピークの強度
が(110)面の主ピークの強度の3%以下となり、上
記したような作用効果を有するのである。
【0016】さらに、誘電体磁器組成物として、Liお
よびBのうち少なくとも一種を含有する添加成分を0.
1〜10重量部含有することにより、1000〜120
0℃の低温焼成が可能となる。このため、内部電極とし
てPdの含有量の少ないAg−Pd電極材料を用いるこ
とができ、PdとBiとの反応を抑制でき、これにより
Ag−Pd電極材料と誘電体材料との同時焼成が可能と
なる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の誘電体磁器組成物は、X
線回折におけるペロブスカイト型結晶相の(110)面
の主ピークと、ペロブスカイト型結晶相の(100)面
の主ピークとの間に検出され、かつBiを含有する異相
のピークの強度を、(110)面の主ピークの強度の3
%以下としたものである。
【0018】ここで、Biを含む異相の割合を(11
0)面の主ピークの強度の3%以下と限定した理由は、
Biがペロブスカイト相に固溶することにより、高誘電
率、低損失、温度特性に優れた材料となるからであり、
Biが固溶せずに、(110)面の主ピークの強度の3
%よりも多く異相を形成すると、いずれの特性も劣化し
てしまうからである。この異相のピークは存在しない方
が望ましいが、Biをペロブスカイト相中に固溶させる
ためにBiを添加するため、全く存在しないということ
はあり得ないと考えられる。異相のピーク強度は、(1
10)面の主ピークの強度の1%以下、特には0.5%
以下が望ましい。
【0019】尚、ペロブスカイト型結晶相の(110)
面の主ピークと、ペロブスカイト型結晶相の(100)
面の主ピークは、それぞれ単一のピークからなること
が、高誘電率および低損失という観点から望ましい。
【0020】ペロブスカイト型結晶相の(110)面の
ピークは、X線源としてCu−kα線を用いた場合のX
線回折図において、2θ=32度付近に生じ、また、
(100)面のピークは2θ=23度付近に生じる。そ
して、これらのピークの間にBiを含有する異相が生じ
るが、異相としては、Bi4 Ti3 12、Bi2 Ti2
7 、SrBi4 Ti4 13、Sr2 Bi4 Ti
5 14、PbBi4 Ti4 13、Pb2 Bi4 Ti5
14等があり、これらは、主に2θ=30度付近に生じ
る。その他の結晶相としてTiO2 が析出する場合もあ
る。
【0021】また、本発明の誘電体磁器組成物では、B
a、Mg、Zr、Nb、Al、Fe等の不純物が混入し
ても良いし、粉砕ボールからボール成分、例えばZrO
2 、Al2 3 が混入する場合もある。さらに、本発明
の誘電体磁器組成物では、CuO、MnO、Al
2 3 、希土類元素酸化物、SnO2 を添加しても良
い。
【0022】本発明の誘電体磁器組成物は、モル比によ
る組成式を(Sr1-w-x-y Caw Pbx Biy )Tiz
3+a と表した時、x、y、zおよびwが、0≦w≦
0.20、0.05≦x≦0.20、0.01≦y≦
0.30、1.00≦z≦1.20、w+x+y≦0.
50を満足することが望ましい。
【0023】ここで、Aサイト中のSrのCaによる置
換量wを0〜0.2としたのは、Caの置換により比誘
電率が向上し、DCバイアス特性が向上するが、wが
0.2よりも大きい場合には比誘電率が低くなる傾向が
あるからである。wは、比誘電率を向上するという観点
から0.04≦w≦0.13であることが望ましい。
【0024】また、Aサイト中のSrのPbによる置換
量xを0.05〜0.2としたのは、xが0.05より
も小さい場合には比誘電率が低く、一方0.2よりも大
きい場合には誘電損失が大きくなる傾向があるからであ
る。xは、比誘電率および誘電損失の点から、0.10
≦x≦0.17が望ましい。
【0025】さらに、Aサイト中のSrのBiによる置
換量yを0.01〜0.3としたのは、yが0.01よ
りも小さい場合には誘電損失が大きく、yが0.30よ
りも大きくなると比誘電率が低くなる傾向があるからで
ある。yは、比誘電率および誘電損失の点から、0.1
3≦y≦0.24が望ましい。
【0026】また、B/A比を示すzを1〜1.2とし
たのは、zが1よりも小さい場合には比誘電率が低く、
誘電損失が悪く、zが1.20よりも大きくなると比誘
電率が低くなる傾向にあるからである。zは、比誘電率
および誘電損失の点から、1.1≦z≦1.2が望まし
い。
【0027】さらに、Aサイト中のSrのCa、Pb、
Biによる置換量w+x+yを0.50以下としたの
は、0.5よりも多い場合には比誘電率が低くなるから
である。特に、比誘電率向上という観点から、0.30
≦w+x+y≦0.40が望ましい。また、上記組成式
におけるaは、過剰酸素量を示しており、aは0〜0.
55、特には0.15〜0.4であることが望ましい。
【0028】そして、本発明の誘電体磁器組成物では、
上記主成分100重量部に対して、LiおよびBのうち
少なくとも一種を含有する添加成分を0.1〜10重量
部含有することが望ましい。添加成分の量が0.1重量
部未満では添加効果が無く、10重量部以上では比誘電
率が低下し、誘電損失が増大するからである。添加成分
にLiおよびBのうち少なくとも一種を含有せしめたの
は、Li、Bを含まないと誘電特性を劣化させずに、焼
成温度が1100℃以下とならないからである。添加量
は、誘電損失を小さくするという点で0.5〜5重量%
が望ましい。
【0029】本発明の誘電体磁器組成物は、例えば、S
rCO3 、CaCO3 、PbO、Bi2 3 、TiO2
の各原料粉末を所定量となるように秤量し、混合粉砕
し、これを1100〜1200℃の温度で大気中で1〜
3時間仮焼する。仮焼温度は、Biのペロブスカイト相
への固溶を促進するという観点から1150℃以上が望
ましい。
【0030】得られた仮焼物と、所望により所定量の添
加成分を秤量し、混合粉砕し、例えは、ドクターブレー
ド法等の公知手段により成形し、大気中等の酸化性雰囲
気において1050〜1200℃において0.5〜2時
間焼成を行い、本発明の誘電体磁器組成物が得られる。
【0031】
【実施例】
実施例1 先ず、純度99%以上のSrCO3 、CaCO3 、Pb
O、Bi2 3 、TiO2 の各原料粉末を表1に示す割
合で秤量し、該原料粉末に媒体として純水を加えて24
時間ZrO2 ボールを用いたボールミルにて混合した
後、該混合物を乾燥し、次いで、該乾燥物を1150℃
の温度で大気中2時間仮焼した。得られた仮焼物に分散
剤、分散媒とともに、24時間ボールミルにて混合粉砕
し、原料スラリーを調整した。
【0032】このスラリーに有機バインダー、可塑剤を
加え、十分撹拌後ドクターブレード法によりフィルム状
に成形した。このフィルムを積層、熱圧着後切断して試
料を得た。この試料を大気中、300℃の温度で4時間
加熱して脱バインダー処理し、引き続いて1200℃大
気中で2時間焼成し、直径10mm×厚み1mmの試料
を得た。この試料の両面にIn−Ga電極を塗布し、評
価試料を作製した。
【0033】次にこれらの評価試料を、LCRメーター
4284Aを用いて、周波数1.0kHz、入力信号レ
ベル1.0Vrmsにて静電容量を測定した。静電容量
から比誘電率を算出した。また、得られた磁器を乳鉢で
粉末状に解砕し、Cu−Kα線を用いたX線回折の測定
を行い、ペロブスカイト型結晶相の主ピーク(110)
と、ペロブスカイト型結晶相のピーク(100)との間
に検出される、Biを含む異相のピークの強度比を測定
した。強度比は、ペロブスカイト型結晶相の主ピーク
(110)の強度に対する比として求めた。この結果を
表1に示す。また、Sr、Ca、Pb、Biの合計モル
数をAとし、Tiのモル数をBとした時B/Aを求め、
この値も記載した。
【0034】
【表1】
【0035】この表1によれば、本発明の誘電体磁器組
成物は、比誘電率εrが1500以上、測定周波数1k
Hzでの誘電損失が0.35%以下の優れた特性を有す
ることがわかる。また、B/A比が1以上である場合に
は、誘電損失が0.2%以下であることが判る。
【0036】尚、試料No.1、2、10は、仮焼温度を
950℃とした場合であり、これらの場合にはBiを含
む異相のピークの強度比が3%よりも大きくなり、比誘
電率および誘電損失が悪化することが判る。
【0037】実施例2 先ず、純度99%以上のSrCO3 、CaCO3 、Pb
O、Bi2 3 、TiO2 の各原料粉末を表2に示す割
合で秤量し、該原料粉末に媒体として純水を加えて24
時間ZrO2 ボールを用いたボールミルにて混合した
後、該混合物を乾燥し、次いで、該乾燥物を1150℃
の温度で大気中2時間仮焼した。得られた仮焼物を分散
剤、分散媒とともに24時間ボールミルにて混合粉砕
し、原料スラリーを調整した。
【0038】このスラリーに有機バインダー、可塑剤を
加え、十分撹拌後ドクターブレード法によりフィルム状
に成形した。このフィルムを積層、熱圧着後切断して試
料を得た。この試料を大気中、300℃の温度で4時間
加熱して脱バインダー処理し、引き続いて1200℃で
大気中で2時間焼成し、直径10mm×厚み1mmの試
料を得た。この試料の両面にIn−Ga電極を塗布し、
評価試料を作製した。
【0039】また得られた試料を平面研磨を行い厚み1
00μmの試料を得た。この両面にAuを蒸着し、電極
とした。
【0040】次にこれらの評価試料を、LCRメーター
4274Aを用いて、周波数1.0kHz、入力信号レ
ベル1.0Vrmsにて静電容量を測定した。静電容量
から比誘電率を算出した。また、厚み100μmの試料
にDC200Vを印可し、無印可時との容量から、変化
率を算出した。また、得られた磁器を乳鉢で粉末状に解
砕し、Cu−Kα線を用いたX線回折の測定を行い、実
施例1と同様にBiを含む異相のピークの強度比を測定
した。この結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】この表2によれば、本発明の誘電体磁器組
成物は、比誘電率εrが1500以上、1kHzでの誘
電損失が0.35%以下、DCバイアス特性が±10%
以内(DC2kV/mm)の優れた特性を有することが
わかる。尚、試料No.33、38、39については仮焼
温度を950℃とした場合であり、これらの場合にはB
iを含む異相のピークの強度比が3%よりも大きくな
り、比誘電率および誘電損失が悪化することが判る。本
発明の試料No.28と、比較例No.33のX線回折図を
図1、図2に示す。
【0043】実施例3 先ず、純度99%以上のSrCO3 、CaCO3 、Pb
O、Bi2 3 、TiO2 の各原料粉末を表3に示す割
合で秤量し、該原料粉末に媒体として純水を加えて24
時間ZrO2 ボールも用いたボールミルにて混合した
後、該混合物を乾燥し、次いで、該乾燥物を1150℃
の温度で大気中2時間仮焼した。得られた仮焼物に、表
4に示す所定量のガラスを加え、分散剤、分散媒ととも
に24時間ボールミルにて混合粉砕し、原料スラリーを
調整した。
【0044】この後、焼成温度を1100℃で焼成する
以外は、上記実施例2と同様にして試料を得、評価し
た。この結果を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】この表3によれば、本発明の試料では、焼
成温度1100℃で、比誘電率εrが1500以上、1
kHzでの誘電損失が0.35%以下、DCバイアス特
性が±10%以内(DC2kV/mm)の優れた特性を
有することがわかる。尚、試料No.56、61、62、
68については仮焼温度を950℃とした場合であり、
これらの場合にはBiを含む異相のピークの強度比が3
%よりも大きくなり、比誘電率および誘電損失が悪化す
ることが判る。
【0048】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の誘電体磁器
組成物は、1500以上の高い比誘電率を有するととも
に、誘電損失が0.35%以下と小さく、かつ静電容量
の電圧依存性も優れているため、高周波用のコンデンサ
として用いた時、自己発熱が小さく、小型かつ高性能
な、フィルムコンデンサと同等の特性のコンデンサを提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試料No.28のX線回折図である。
【図2】比較例の試料No.33のX線回折図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも金属元素としてSr、Pb、B
    iおよびTiを含有し、ペロブスカイト型結晶相を主結
    晶相とする誘電体磁器組成物であって、X線回折におけ
    る前記ペロブスカイト型結晶相の(110)面の主ピー
    クと、前記ペロブスカイト型結晶相の(100)面の主
    ピークとの間に検出され、かつBiを含有する異相のピ
    ークの強度が、前記(110)面の主ピークの強度の3
    %以下であることを特徴とする誘電体磁器組成物。
  2. 【請求項2】モル比による組成式を (Sr1-w-x-y Caw Pbx Biy )Tiz 3+a と表した時、前記x、y、zおよびwが 0 ≦w≦0.20 0.05≦x≦0.20 0.01≦y≦0.30 1.00≦z≦1.20 w+x+y≦0.50 aは過剰酸素量 を満足することを特徴とする請求項1記載の誘電体磁器
    組成物。
  3. 【請求項3】請求項2記載の主成分と、該主成分100
    重量部に対して、LiおよびBのうち少なくとも一種を
    含有する添加成分を0.1〜10重量部含有することを
    特徴とする誘電体磁器組成物
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100772965B1 (ko) 2005-11-25 2007-11-02 수원대학교산학협력단 트리머 캐패시터용 유전체 세라믹 조성물 및 제조방법
JP2011205067A (ja) * 2010-03-02 2011-10-13 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置並びに圧電素子

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