JP3512587B2 - 積層型セラミックコンデンサ - Google Patents

積層型セラミックコンデンサ

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JP3512587B2 JP06628797A JP6628797A JP3512587B2 JP 3512587 B2 JP3512587 B2 JP 3512587B2 JP 06628797 A JP06628797 A JP 06628797A JP 6628797 A JP6628797 A JP 6628797A JP 3512587 B2 JP3512587 B2 JP 3512587B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、積層型セラミック
コンデンサに関するものであり、特に、フィルムコンデ
ンサと同等の特性を有する積層型セラミックコンデンサ
に関するものである。 【0002】 【従来技術】近年のエレクトロニクスの発展に伴い電子
回路の高周波化、小型化が急速に進行し、電子部品も高
周波化、小型化が要求されるようになってきている。 【0003】特に、高周波大電流回路では、損失による
自己加熱が問題となる場合があり、この場合には低損失
のコンデンサが使用されていた。 【0004】従来、このようなコンデンサとしては、低
損失で、温度特性、電圧依存性が小さい等の特性を有す
るフィルムコンデンサが用いられている。 【0005】しかしながら、フィルムコンデンサはモー
ルドタイプが殆どであり、小型化、表面実装に対応でき
ない。 【0006】また、低損失高容量の領域に用いられる誘
電体磁器組成物として、特公昭57−37963号公報
および特公平7−45337号公報に開示されるような
ものが知られている。 【0007】特公昭57−37963号公報に開示され
た誘電体磁器組成物は、Sr、Ti、Bi、Pbおよび
Caからなる基本成分と、CuとMnからなる添加成分
とから構成されている。そして、SrTiO3 、Bi2
3 、TiO2 、PbTiO3 、CaTiO3 、Cu
O、MnCO3 を混合し、930℃で仮焼し、1200
〜1400℃で焼成して作製されている。この誘電体磁
器組成物では、測定周波数1KHzでの比誘電率が50
0〜1500、誘電損失tanδが0.15〜0.5%
であった。 【0008】また、特公平7−45337号公報に開示
された誘電体磁器組成物は、Sr、Ti、Bi、Pb、
CaおよびSnからなる基本成分と、希土類元素酸化物
と、ガラス成分とから構成されている。そして、SrC
3 、Pb3 4 、CaCO3 、Bi2 3 、Ti
2 、SnO2 、希土類元素酸化物を混合し、950℃
で仮焼し、1120〜1160℃で焼成して作製されて
いる。この誘電体磁器組成物では、測定周波数1KHz
での比誘電率が1240〜1470、誘電損失tanδ
が0.25〜0.36%であった。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
57−37963号公報および特公平7−45337号
公報に開示された誘電体磁器組成物では、1500より
大きい比誘電率を有し、かつ0.35%以下の低損失を
達成できなかった。 【0010】即ち、一般的に比誘電率が高い誘電体磁器
組成物は誘電損失が大きくなる傾向があり、比誘電率を
上げれば誘電損失が大きくなるという背反関係にあり、
比誘電率を大きくする一方で誘電損失を小さくすること
は達成できず、例えば、上記したように、高周波大電流
回路では損失による自己加熱が問題となった。 【0011】また、特公昭57−37963号公報で
は、焼成温度が1200℃以上と高いため、内部電極と
して安価なPdを用いて同時焼成した場合には、Pdと
Biが反応し、内部電極にクラック等が入る虞があり、
同時焼成が不可能であった。このため、Pd−Agから
なる内部電極を用いることができなかった。同時焼成す
るためには、内部電極としては、Biと反応しない高価
なPtを用いる必要があった。 【0012】この点については、特公平7−45337
号公報では、940〜1240℃で焼成するとの記載は
あるものの、実施例においては1120〜1160℃の
高温で焼成しているため、上記したように、PdとBi
が反応し、同時焼成が不可能であった。一方、1100
℃以下の低温で焼成した場合には、同時焼成は可能であ
るが、誘電損失が大きく低下するという問題があった。 【0013】本発明は、誘電体層と、Pd含有率が40
%以下のAg−Pd合金からなる内部電極層とを焼成温
度1100℃以下で同時焼成でき、しかも、1100℃
以下で同時焼成したとしても誘電体層の比誘電率が15
00より大きく、誘電損失tanδが0.35%以下の
特性を有するもので、フィルムコンデンサと同等の特性
を有し、特に高周波領域において有用な積層型セラミッ
クコンデンサを提供することを目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明の積層型セラミッ
クコンデンサは、誘電体層と内部電極層を交互に積層し
てなる積層型セラミックコンデンサであって、前記誘電
体層が、モル比による組成式を(Sr 1-w-x-y Ca w Pb
x Bi y )Ti z 3+a と表した時、前記x、y、zおよび
wが 0 ≦w≦0.20 0.05≦x≦0.20 0.01≦y≦0.30 1.00≦z≦1.20 w+x+y≦0.50 aは過剰酸素量を満足する主成分と、該主成分100重
量部に対して、LiおよびBのうち少なくとも一種を含
有する添加成分を0.1〜10重量部含有する ペロブス
カイト型結晶相を主結晶相と、X線回折における前記
ペロブスカイト型結晶相の(110)面の主ピークと、
前記ペロブスカイト型結晶相の(100)面の主ピーク
との間に検出され、かつBiを含有する異相のピークの
強度が、前記(110)面の主ピークの強度の3%以下
の誘電体磁器からなり、前記内部電極層が、Pdの含有
率が40重量%以下のAg−Pd合金からなるものであ
る。 【0015】 【0016】 【作用】本発明の積層型セラミックコンデンサでは、誘
電体層が、ペロブスカイト型結晶相の(110)面の主
ピークと(100)面の主ピークとの間の、Biを含有
する異相のピークの強度が、(110)面の主ピークの
強度の3%以下であるため、Biの殆どはペロブスカイ
ト型結晶相に固溶することになり、高誘電率のペロブス
カイト型結晶相が増加し、低誘電率で誘電損失の大きな
Biを含有する異相が減少することになり、このため、
誘電体層は、測定周波数1kHzでの比誘電率が150
0より大きく、誘電損失が0.35%以下、特には0.
2%以下の特性を有することができる。 【0017】従来の特公昭57−37963号公報およ
び特公平7−45337号公報に開示された誘電体磁器
組成物は、基本成分を950℃程度で仮焼し、高誘電率
のペロブスカイト相を析出させているが、仮焼温度が低
いためBiがペロブスカイト相中に固溶せず、あるいは
固溶してもその固溶量は少なく、本願で言うBiを含有
する異相として存在していると考えられ、このため比誘
電率が1500以下と小さく、しかも誘電損失も大きい
と考えられる。 【0018】本願では、Biをペロブスカイト相中に固
溶させるために、1100℃以上の仮焼温度で反応させ
ている。このため、Biが高誘電率のペロブスカイト相
中に大量に固溶し、Biを含有する異相のピークの強度
が(110)面の主ピークの強度の3%以下となり上記
したような作用効果を有するのである。 【0019】また、本発明の積層型セラミックコンデン
サでは、誘電体層が1100℃以下で焼成した場合で
も、上記したような優れた特性を有するので、コンデン
サとしても優れた特性を有することができ、しかも11
00℃で焼成可能なため、Pdの含有率が40重量%以
下のAg−Pd合金からなる内部電極層と同時焼成する
ことができ、同時焼成した場合でも、Pd含有量が少な
いため内部電極層のPdと誘電体層のBiとは殆ど反応
することがない。 【0020】よって、Pdの含有率が40重量%以下の
Ag−Pd合金からなる内部電極層と誘電体層とを同時
焼成した場合でも、フィルムコンデンサと同等の特性を
有する積層型セラミックコンデンサが得られるのであ
る。 【0021】さらに、誘電体層として、所定の組成から
なる主成分に対して、LiおよびBのうち少なくとも1
種を含有する添加成分を0.1〜10重量部含有するこ
とにより、特性を劣化させることなく、さらに低温焼成
が可能となる。 【0022】 【発明の実施の形態】本発明の積層型セラミックコンデ
ンサの誘電体層は、X線回折におけるペロブスカイト型
結晶相の(110)面の主ピークと、ペロブスカイト型
結晶相の(100)面の主ピークとの間に検出され、か
つBiを含有する異相のピークの強度を、(110)面
の主ピークの強度の3%以下としたものである。 【0023】ここで、Biを含む異相の割合を(11
0)面の主ピークの強度の3%以下と限定した理由は、
Biがペロブスカイト相に固溶することにより、高誘電
率、低損失、温度特性に優れた材料となるからであり、
Biが固溶せずに、(110)面の主ピークの強度の3
%よりも多く異相を形成すると、いずれの特性も劣化し
てしまうからである。この異相のピークは存在しない方
が望ましいが、Biをペロブスカイト相中に固溶させる
ためにBiを添加するため、全く存在しないということ
はあり得ないと考えられる。異相のピーク強度は、(1
10)面の主ピークの強度の2%以下が望ましい。 【0024】尚、ペロブスカイト型結晶相の(110)
面の主ピークと、ペロブスカイト型結晶相の(100)
面の主ピークは、それぞれ単一のピークからなること
が、高誘電率および低損失という観点から望ましい。 【0025】ペロブスカイト型結晶相の(110)面の
ピークは、X線源としてCu−kα線を用いた場合のX
線回折図において、2θ=32度付近に生じ、また、
(100)面のピークは2θ=23度付近に生じる。そ
して、これらのピークの間にBiを含有する異相が生じ
るが、異相としては、Bi4 Ti3 12、Bi2 Ti2
7 、SrBi4 Ti4 13、Sr2 Bi4 Ti
5 14、PbBi4 Ti4 13、Pb2 Bi4 Ti5
14等があり、これらは、主に2θ=30度付近に生じ
る。その他の結晶相としてTiO2 が析出する場合もあ
る。 【0026】また、本発明の誘電体磁器では、Ba、M
g、Zr、Nb、Al、Fe等の不純物が混入しても良
いし、粉砕ボールからボール成分、例えばZrO2 、A
23 が混入する場合もある。さらに、本発明の誘電
体磁器では、CuO、MnO、Al2 3 、希土類元素
酸化物、SnO2 を添加しても良い。 【0027】本発明の誘電体磁器の主成分は、モル比に
よる組成式を(Sr1-w-x-yCawPbxBiy)Tiz
3+aと表した時、x、y、zおよびwが、0≦w≦0.
20、0.05≦x≦0.20、0.01≦y≦0.3
0、1.00≦z≦1.20、w+x+y≦0.50を
満足することが重要である。 【0028】ここで、Aサイト中のSrのCaによる置
換量wを0〜0.2としたのは、Caの置換により比誘
電率が向上し、DCバイアス特性が向上するが、wが
0.2よりも大きい場合には比誘電率が低くなる傾向が
あるからである。wは、比誘電率を向上するという観点
から0.04≦w≦0.13であることが望ましい。 【0029】また、Aサイト中のSrのPbによる置換
量xを0.05〜0.2としたのは、xが0.05より
も小さい場合には比誘電率が低く、一方0.2よりも大
きい場合には誘電損失が大きくなる傾向があるからであ
る。xは、比誘電率および誘電損失の点から、0.10
≦x≦0.17が望ましい。 【0030】さらに、Aサイト中のSrのBiによる置
換量yを0.01〜0.3としたのは、yが0.01よ
りも小さい場合には誘電損失が大きく、yが0.30よ
りも大きくなると比誘電率が低くなる傾向があるからで
ある。yは、比誘電率および誘電損失の点から、0.1
3≦y≦0.24が望ましい。 【0031】また、B/A比を示すzを1〜1.2とし
たのは、zが1よりも小さい場合には比誘電率が低く、
誘電損失が悪く、zが1.20よりも大きくなると比誘
電率が低くなる傾向にあるからである。zは、比誘電率
および誘電損失の点から、1.1≦z≦1.2が望まし
い。 【0032】さらに、Aサイト中のSrのCa、Pb、
Biによる置換量w+x+yを0.50以下としたの
は、0.5よりも多い場合には比誘電率が低くなるから
である。特に、比誘電率向上という観点から、0.30
≦w+x+y≦0.40が望ましい。また、上記組成式
におけるaは、過剰酸素量を示しており、aは0〜0.
55、特には0.15〜0.4であることが望ましい。 【0033】そして、誘電体層としては、上記主成分1
00重量部に対して、LiおよびBのうち少なくとも一
種を含有する添加成分を0.1〜10重量部含有するこ
とが、優れた誘電特性を有し、1100℃以下の焼成温
度とするために重要である。 【0034】ここで、添加成分の量が0.1重量部未満
では添加効果が無く、10重量部以上では比誘電率が低
下し、誘電損失が増大するからである。添加量は、誘電
損失を小さくするという点で0.5〜5重量%が望まし
い。 【0035】内部電極層は、Pdの含有率が40重量%
以下のAg−Pd合金からなるものである。Pdの含有
率を40重量%以下としたのは、1100℃以下で低温
焼成できるというものの、Pdの含有率が40重量%よ
りも多くなると誘電体層のBiと反応し易くなり、内部
電極にクラック等が入る虞があるからである。誘電体層
のBiとの反応を防止するためには、Pdの含有率が3
0重量%以下であることが望ましい。 【0036】本発明の積層セラミックコンデンサは、先
ず、誘電体層原料の仮焼物を作製する。例えば、SrC
3 、CaCO3 、PbO、Bi2 3 、TiO2 の各
原料粉末を所定量となるように秤量し、混合粉砕し、こ
れを1100〜1200℃の温度で大気中で1〜3時間
仮焼する。仮焼温度は、Biのペロブスカイト相への固
溶を促進するという観点から1150℃以上が望まし
い。 【0037】次に、内部電極層を形成する導電性ペース
トを、Ag−Pdを所定の割合にした合金粉をペースト
にすることにより作製する。誘電体層中のBiとの反応
を抑えるという観点から、Agの割合は60重量%以上
(Pd40重量%以下)が良く、特に70重量%以上
(Pd30重量%以下)が望ましい。得られた仮焼物
と、所定量のLi、Bを含有する添加成分を添加し、混
合粉砕し、例えば、ドクターブレード法等の公知手段に
より成形し、上記導電性ペーストをスクリーン印刷法等
により印刷し、成形から印刷を繰り返して積層成形体を
作製し、これを熱圧着した後、所定寸法にカットする。 【0038】この後、脱バインダー処理し、大気中にお
いて1000〜1100℃において0.5〜2時間焼成
を行う。この後タンブリングし、端子電極の焼き付けを
行い、メッキ処理することにより本発明の積層型セラミ
ックコンデンサを得る。 【0039】 【実施例】先ず、純度99%以上のSrCO3 、CaC
3 、PbO、Bi2 3 、TiO2 の各原料粉末を、
表1に示す割合で秤量し、該原料粉末に媒体として純水
を加えて24時間ZrO2 ボールを用いたボールミルに
て混合した後、該混合物を乾燥し、次いで、該乾燥物を
1150℃の温度で大気中2時間仮焼した。得られた仮
焼物に表3に示す組成の添加成分を表1に示す量だけ加
え、分散剤、分散媒とともに、24時間ボールミルにて
混合粉砕し、原料スラリーを調整した。 【0040】このスラリーに有機バインダー、可塑剤を
加え、十分撹拌後ドクターブレード法により厚み45μ
mのフィルム状に成形した。このフィルム上に、Pd含
有量が表2に示す量のAg−Pdペーストをスクリーン
印刷法により印刷し、上記フィルムの作製からAg−P
dペーストの印刷を繰り返して積層成形体を作製し、こ
の積層成形体を熱圧着した後、所定寸法に切断した。 【0041】これを大気中、300℃の温度で4時間加
熱して脱バインダー処理し、引き続いて大気中において
表2に示す温度で2時間焼成した。これをタンブリング
後、端子電極用に調整したAgペーストを端面に塗布
し、700℃で大気中で焼き付け、メッキを行い端子電
極とし、3.2mm×1.6mm、誘電体層厚み30μ
m×10層、内部電極層の有効電極面積が2.5mm2
の積層型コンデンサを作製した。 【0042】次にこれらの積層型コンデンサを、LCR
メーター4284Aを用いて、周波数1.0kHz、入
力信号レベル1.0Vrmsにて静電容量、誘電損失を
測定した。静電容量から比誘電率を算出した。さらに、
積層型コンデンサにDC60Vを印可して静電容量を測
定し、無印可時の静電容量からの変化率(DCバイアス
特性)を算出した。 【0043】また、誘電体層を乳鉢で粉末状に解砕し、
Cu−Kα線を用いたX線回折の測定を行い、ペロブス
カイト型結晶相の主ピーク(110)と、ペロブスカイ
ト型結晶相のピーク(100)との間に検出される、B
iを含む異相のピークの強度比を測定した。強度比は、
ペロブスカイト型結晶相の主ピーク(110)の強度に
対する比として求めた。これらの結果を表2に示した。 【0044】 【表1】【0045】 【表2】 【0046】 【表3】 【0047】これらの表1〜表3によれば、本発明の積
層型コンデンサでは、焼成温度1100℃以下で、Pd
含有量が40重量%以下の内部電極層と、誘電体層との
同時焼成が可能であり、誘電体層が、比誘電率εrが1
500より大きく、1kHzでの誘電損失が0.35%
以下、コンデンサとしてのDCバイアス特性が±10%
以内(DC2kV/mm)の優れた特性を有することが
わかる。従って、Pd含有量が40重量%以下の内部電
極層と誘電体層を同時焼成できるとともに、優れた特性
を有する積層型セラミックコンデンサが得られることが
判る。 【0048】尚、試料No.10、13、14、17につ
いては仮焼温度を950℃とした場合であり、これらの
場合にはBiを含む異相のピークの強度比が3%よりも
大きくなり、比誘電率および誘電損失が悪化することが
判る。本発明の試料No.2と、比較例No.14のX線回
折図を図1、図2に示す。 【0049】また、本発明者等は、試料No.2の組成か
らなる誘電体層に対して、Pd含有量が50重量%のA
g−Pdペーストを用いて、上記と同様にして積層セラ
ミックコンデンサを作製したところ、誘電体層にクラッ
クが発生し、誘電特性を評価できなかった。そこで、本
発明者等は、内部電極層および誘電体層をX線マイクロ
アナライザ(EPMA)により面分析した結果、Biと
Pbが内部電極層および誘電体層に相互に拡散している
ことを確認した。 【0050】 【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の積層型セラ
ミックコンデンサは、内部電極としてPd含有量が少な
いAg−Pd材料を用いて同時焼成が可能であり、誘電
体層が高い比誘電率を有するとともに、誘電損失が小さ
く、コンデンサとしても静電容量の電圧依存性に優れて
いるため、積層型セラミックコンデンサとして優れた特
性を有することが判る。このため、高周波用のコンデン
サとして用いた時、自己発熱が小さく、小型かつ高性能
であり、フィルムコンデンサと同等の特性を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】試料No.2のX線回折図である。 【図2】比較例の試料No.14のX線回折図である。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】誘電体層と内部電極層を交互に積層してな
    る積層型セラミックコンデンサであって、前記誘電体層
    が、モル比による組成式を(Sr 1-w-x-y Ca w Pb x
    y )Ti z 3+a と表した時、前記x、y、zおよびw
    0 ≦w≦0.20 0.05≦x≦0.20 0.01≦y≦0.30 1.00≦z≦1.20 w+x+y≦0.50 aは過剰酸素量を満足する主成分と、該主成分100重
    量部に対して、LiおよびBのうち少なくとも一種を含
    有する添加成分を0.1〜10重量部含有する ペロブス
    カイト型結晶相を主結晶相と、X線回折における前記
    ペロブスカイト型結晶相の(110)面の主ピークと、
    前記ペロブスカイト型結晶相の(100)面の主ピーク
    との間に検出され、かつBiを含有する異相のピークの
    強度が、前記(110)面の主ピークの強度の3%以下
    の誘電体磁器からなり、前記内部電極層が、Pdの含有
    率が40重量%以下のAg−Pd合金からなることを特
    徴とする積層型セラミックコンデンサ。
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