JPH0817057B2 - 誘電体磁器組成物 - Google Patents

誘電体磁器組成物

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JPH0817057B2
JPH0817057B2 JP2234243A JP23424390A JPH0817057B2 JP H0817057 B2 JPH0817057 B2 JP H0817057B2 JP 2234243 A JP2234243 A JP 2234243A JP 23424390 A JP23424390 A JP 23424390A JP H0817057 B2 JPH0817057 B2 JP H0817057B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、特にセラミックコンデンサ等に用いられる
誘電体組成物にかかり、誘電特性に優れた磁器組成物に
関するものである。
(従来の技術) (発明に最も近い公知例) *特開昭62-100907号『誘電体組成物』 *特開昭61- 28619号『高誘電率系磁器組成物』 *特開昭62- 96357号『誘電体磁器組成物』 最近の電気製品、電子機器の小型・高性能化の潮流に
乗って、コンデンサのような汎用電子部品にも、よりい
っそうの小型化が要求されている。なかでも内部電極材
を表面に塗布したグリーンシート状の誘電体を数層〜数
十層積み重ねた後、成形、焼成、それに外部電極を形成
した積層セラミックコンデンサは、大容量が可能という
点から、その需要を急速に伸ばしている。こうした中
で、誘電体は従来、BaTiO3を主成分とする材料が用いら
れてきたが、焼成温度が1300〜1400℃と高いため焼成に
多量の熱エネルギーを要すること、また内部電極にPt、
Pbなど高価な貴金属を使わなければならないこと、など
からコスト高になる欠点があった。
この問題点を解決すべく、Agを主成分とする安価な金
属を内部電極に使用できるように1100℃以下で焼成でき
る鉛系リラクサーの各種組成物が提供されている。この
中で代表的なものに、キュリー点が0℃付近にあり誘電
率が比較的大きいPb(Mg1/3Nb2/3)O3がある(誘電率は
約18000)。またこれを主体にしたPb(Mg1/3Nb2/3)O3-
PbTiO3系(特公昭61-28619号)、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-P
bTiO3系において必要に応じてPbの一部をCa、Ba、Srで
置換したもの(特開昭62-96357号)などが知られてい
る。これらの磁器組成物は誘電率が比較的大きく、誘電
損失が小さいという優れた特性を有しているが、コンデ
ンサ材料として必要な抵抗値については、大半が1010
12Ωcmオーダーで必ずしも十分とは言えない。一方、こ
のようなリラクサー材料は一般に、誘電率の温度に対す
る変化が大きく、室温の時に比べで、高温または低温で
は、その容量を大きく減じてしまう(80%以上低下)と
いう別の難点がある。こうした温度特性の欠点を改善す
べく、材料の検討が進められ、例えば特開昭62-100907
号において非化学量論Pb(Mg1/2Nb1/2)O3に種々の添加
剤を組み合わせた系を開示している。これらの組成系で
は、85℃で容量変化率が20℃を基準にして、約−60%で
あり改善の効果は見られている。しかしながら、誘電率
の絶対値そのものは小さく、室温で約5000程度である。
また抵抗率に関しては述べられていないが、我々の追試
実験によれば5.0×1012Ωcmであった。
誘電体磁器の抵抗率は、コンデンサの信頼性を確保す
る上で極めて重要な特性であり、その値はできるだけ大
きいものほど好ましい。また誘電率の温度変化はより小
さいほうが良いのは無論であるが、誘電率そのものは高
い値を保持することが望まれる。特に最近では積層セラ
ミックコンデンサに対して小型化、大容量化の要求が強
くなっているため、一層あたりの誘電層の厚さがより薄
くなる傾向にあり、この点からますます高抵抗率、高誘
電率、温度特性良好な誘電体磁器の開発が強く望まれて
いる。
(発明が解決しようとする課題) このような情勢に対して、従来材料では抵抗が小さ
い、また誘電率の温度特性が極端に悪かったり、良いも
のといっても誘電率そのものが小さいなどの問題があっ
た。
本発明は上記の点を考慮してなされたもので、鉛系リ
ラクサー材料の低温焼結性、高誘電率、低誘電損失など
の特性を損なわずに、高抵抗でかつ誘電率の温度特性に
優れた誘電体磁器組成物を提供することを目的としたも
のである。
(問題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、種々の鉛系リラクサー材料
のAサイト及びBサイトの比率、置換成分、添加剤など
を検討した結果、本発明に至った。すなわちそのひとつ
は非化学量論のPb(Mg0.35 0.60Nb0.40 0.75)O3にお
いて、Pbの一部をBa、Sr、Ca、Agのうち少なくとも一種
以上で置き換えた組成系であり、好ましくはこの置換元
素の総量は、Pb量に対して0.5〜25重量%の範囲にある
組成物である。本発明はまた上記組成物を基本にして、
これよりキュリー点の高い他のリラクサー材で複合化し
たものでありPbTiO3、Pb(Fe0.4 0.65Nb0.4 0.65
O3、Pb(Zn0.3 0.5Nb0.4 0.7)O3のうち少なくとも一
種以上を添加し、その添加量は基本物質に対し50重量%
以下であることが望ましい組成物である。
以下、本発明について説明する。
本発明では、まず母材としてリラクサータイプが持つ
優れた特長、すなわち高誘電率、低誘電損失、低温焼成
可能を合わせもつPb(Mg,Nb)O3ペロブスカイト型複合
酸化物を用いた。Pb(Mg,Nb)O3は通常の化学量論組成
ではPb(Mg0.33、Nb0.67)O3であるが、我々はBサイト
の量比を種々検討した結果、後述するように本発明の目
的にあうのは、非化学量論組成のPb(Mg0.35 0.60Nb
0.40 0.75)O3であることがわかった。Bサイト元素に
それぞれ幅があるのは、例えばMgが0.35より少ない、Nb
が0.75より多いときには、パイロクロアが多量に生成し
誘電率を大きく低下させる。Mgが0.60より多い、Nbが0.
40より少ないときは、低温(1100℃以下)で焼結できな
いという問題があり、リラクサーの特長を阻害してしま
い母材として適さない。この母材の抵抗率は、5×1012
Ωcmで、誘電率の温度変化率は、−35〜−85%(−25〜
−85℃、基準温度:20℃)であった。次に母材のPbを一
部、他の元素で置換することで抵抗率を飛躍的に向上さ
せるとともに、温度変化率も改善させ得ることを見出し
たのである。置換元素としてはBa、Sr、Ca、Agが良く、
一種でも複数置換でも効果がある。こうした系の特性
は、例えばBaを2重量%置換した場合、抵抗率は、2×
1013Ωcmとなり、温度変化率も−20〜−65%になってい
る。Baに加えてCuを10重量%置換させたところ、温度変
化率は−10〜−50%とさらに改良されている。このよう
にBa、Sr、Ca、Agの一種以上を置換成分の必須としてい
れば、Cuなどの副成分を複合させても構わない。Pb元素
の置換によって、誘電率(キュリー点での最大値)は母
材に比べて全く変化しないか、1〜2割減じる。しかし
材料としての性能を、CR値、すなわち(容量)×(抵
抗)で比較した場合、抵抗向上の効果が遥かに大きいた
め、実用上ほとんど問題は無く、材料特性としては上回
っていることは明らかである。置換成分元素の総量は、
0.5〜25重量%の範囲にあることが好ましく、0.5重量%
より少ないときには特性向上の効果は見られない。また
25重量%より多いときには焼結温度が1100℃を上回って
しまい、本発明の目的に適さない。本発明はまた、上記
組成物を基本物質とし、これより高いキュリー点を有す
る別のリラクサーを添加し、キュリー点を所望の温度に
制御させられる誘電体磁器組成物である。基本物質のキ
ュリー点は、置換元素の種類、置換量によって異なって
くるが、本発明の範囲では−20〜−10℃にある。これに
キュリー点の高いpbTiO3(Tc=496℃)、Pb(Fe0.4
0.65Nb0.4 0.65)O3(Tc=117℃)、Pb(Zn0.3 0.5Nb
0.4 0.7)O3(Tc=140℃)を添加すると、キュリー点
は添加量に応じて高温側に移動し、その際、基本物質で
得られた抵抗率、温度変化率の向上効果に変わりは見ら
れなかった。第二成分のリラクサーの添加は、一種でも
それ以上でもよいが、総添加量は50重量%以下が望まし
い。これより増やした場合は、抵抗率が減ってきて、本
発明の目的に適さない。また第二成分のリラクサーは表
記したように非化学量論組成でも化学量論組成でも良い
が、Bサイト量を記述した範囲から逸脱した場合には、
先述したように結晶相に変化をもたらし、誘電特性を低
下させてしまい好ましくない。
上記したように本発明では、非化学量論組成のマグネ
シウム・ニオブ酸鉛Pb(Mg、Nb)O3を使って、その鉛の
部分を適当量、Ba、Sr、Ca、Agより選ばれた元素で置換
し、さらにまたキュリー温度の高い別のリラクサーと複
合させることで、抵抗率を飛躍的に上昇させ、同時に誘
電率の値をそれほど減じること無く、その温度変化を従
来よりも小さくできるという特長を与えることが可能と
なる。
(作用) 本発明の組成物は、基本的にはペロブスカイト型の結
晶構造を持つ誘電体である。この構造は、構成元素のイ
オン半径の値によって歪因子(tolerance factor)、す
なわち結晶の安定性が決まり、一方、電気的特性は、各
イオンの電気陰性度、イオン間の静電エネルギーの大小
に支配されると考えられている。本発明の組成物におい
ては鉛サイトを、鉛イオンとは電気的性質(電気陰性度
小;0.8〜1.5、鉛は1.8)及びイオン半径の異なる(1.0
〜1.48A、鉛は1.24A)種々の元素で置き換えることで、
各イオン間がより強固に結合され、安定性が高まるとと
もに抵抗率の飛躍的増大がなされたものと考えられる。
また母材であるペロブスカイト結晶自体が、通常の化学
量論組成とは異なることから、結晶内部歪、振動モード
に変化を与え、誘電率の温度変化を改善し、しかも誘電
率の低減を最小に留めていると思われる。このような効
果が大きいため、これらを基本物質にした場合には、別
のリラクサーと複合させても、それが50重量%以内程度
であれば、この特長を減じることはない。しかしこの範
囲を越えると、添加したリラクサーの特性が効いてき
て、本効果は失われてゆく。
以下に具体的実施例で、本発明を詳細に述べる。
〔実施例〕
(実施例) 出発原料粉には化学的に高純度(99.9%以上)のPb
O、MgO、Nb2 O5、Ag2Oを用いて、第一表に示した組成比
となるように秤量した。これらの原料配合物に溶媒とし
て純水を加え、直径5mmのジルコニア製玉石を用いたボ
ールミルで20時間湿式混合した。この混合物の水分を蒸
発させて乾燥した後、ジルコニア製ルツボに入れて750
〜800℃の電気炉で4時間仮焼した。次に仮焼物をジル
コニア製玉石を用い溶媒を純水としてボールミルで約30
時間粉砕した後、乾燥し、誘電体粉末を得た。この粉末
100重量部に対して、ポリビニルアルコール5wt%水溶液
を5重量部加えてよく混ぜた後、ふるいに通して造粒し
成形粉とした。この成形粉の所定量を秤量して直径10mm
の金型に入れ、1000kg/cm2の圧力を加えて厚さ約1mmに
成形した。成形体はマグネシア製容器内に敷きつめた10
0メッシュ程度のジルコニア粉の上に置き、同質のふた
をして電気炉により大気中で焼成した。焼成は、まず65
0℃まで昇温し1時間保持してポリビニルアルコールを
揮発させ、続いて900〜1250℃まで200℃/hで昇温し所定
温度に2時間保持した後電源を切って炉冷した。得られ
た焼結体は両表面を研磨したのち、両表面にAu-Pb膜を
蒸着し電極とした。焼結体の特性はインピーダンスアナ
ライザーを用いて周波数1kHzにおける容量及び誘電損失
(tanδ)を測定し、試料寸法から誘電率を算出した。
抵抗率は直流電圧500V/mmを2分間印加した後のもれ電
流から求めた。測定温度はいずれも室温である。また試
料を恒温槽内に設置し、−25〜+85℃の範囲で容量(誘
電率)の温度変化率を測定した。
第1表に本発明の範囲内組成物及び比較令として範囲
外組成物の焼成温度、誘電率、誘電損失、抵抗率、キュ
リー温度及び−25℃、+85℃における容量(誘電率)の
変化率(20℃基準)を示した。
第1表に示したように、本発明の範囲内にある母材組
成で、鉛を10重量%銀で置換した場合、試料番号1〜12
に見られるように、1100℃以下で焼結でき、誘電率は14
000〜18000と高く、誘電損失はいずれも0.5以下となっ
ている。最も特徴的なのは抵抗率の上昇で、約2〜5×
1013Ωcmと高い値を示している。また容量(誘電率)の
温度変化率も−20〜−50%である。これらに対して、鉛
元素を置換してない組成(試料番号18,19)において
は、焼成温度、誘電率、誘電損失には問題はないが、抵
抗率は5×1012Ωcmで、温度変化率は約−30〜−80%と
なっている。また鉛元素の置換していても、母材が本発
明の組成外であると(試料番号14,15,16,17)先述した
ように、誘電率の極端な低下(試料番号14,17)、焼成
温度の上昇(1200℃以上、試料番号15,16)を招き本発
明の目的に適さない。母材を通常の化学量論組成にした
場合には、試料番号13と20を比較して分かるように、銅
で置換することで抵抗率は飛躍的に上昇するが、温度変
化率が−30〜−80%のままである。そのため、これは本
発明の範囲からはずした。
なお、本発明による試料のなかには、誘電率が14500
と母材よりも低下しているものもあるが、抵抗率が増大
しているため、誘電体としての性能には実用上なんら問
題は生じない。
このように本発明では、母材として非化学量論組成の
Pb(Mg、Nb)O3を選び、その鉛を一部置換することによ
り、従来材よりも高抵抗、誘電率の温度変化小の新しい
誘電体組成物を得ることができる。次に置換元素につい
て検討した。
(実施例2) 鉛に対する置換の影響を調べるために、表2に示すよ
うな、種々の元素及び量の組成物を(実施例1)と同様
の方法で合成した。なお置換源には酸化物、炭酸化物を
用いた。
第2表から分かるように、鉛に対する置換成分とし
て、Ba,Sr,Ca,Agをそれぞれ単独に加えた場合(試料番
号21〜39)、その置換量が0.5〜25重量%の範囲にあれ
ば、母材単独−Pb(Mg0.4Nb0.6)O3:表1内の試料番号1
8−よりも抵抗率が3〜10倍、容量(誘電率)の温度変
化も−20〜−65%以内になっている。しかし試料番号2
1,26,31,35に見られるように、置換量が0.5重量%より
小さな場合には、抵抗率、温度変化率ともに改善されな
い。また試料番号25,30,34,39のように、置換量が25重
量%を越えると焼結温度が1100℃より高くなってしま
い、低温焼成可能というリラクサーの特性を損ねてしま
い好ましくない。
置換元素のうちBa,Srなどは、母材の誘電率を1〜2
割減少させてしまうが、温度変化率は優れている(試料
番号23,28参照)。またBaとCuとを同時に置換源として
用いた場合、誘電率の減少を最小にし、同時に温度変化
率を改善できるという効果がある(試料番号40〜44参
照)。また試料番号45〜49に見られるように3種同時で
も効果は見られる。しかしこれらの場合でも、試料番号
40,44,45,49のように必須成分の置換総量が0.5重量%よ
り小さい、逆に25重量%より増えた場合には、単独で置
換したときと同様に、改善効果がみられない、焼結温度
が高くなるなどの弊害が見られて、ともに好ましくな
い。なお本実施例は、母材としてPb(Mg0.4Nb0.6)O3
選んだが、非化学量論組成の母材であれば、いずれも本
発明の効果に変わりはない。
(実施例3) Pb(Mg0.4Nb0.6)O3を母材にして、鉛を一部、Cu(5
重量%)とBa(5重量%)で置換した組成物(実施例
2、表2中試料番号42)及びBa(10重量%)で置換した
組成物(同試料番号23)を基本物質として、第3表に示
す各種リラクサーを添加した組成物を合成した。合成方
法は実施例1と同じで、原料粉として純度99.9%以上の
Fe2 O3,ZnO,PbTiO3を追加した。
表3に見られるように、基本物質よりも高いキュリー
点を有するリラクサー(PbTiO3(Tc=496℃),Pb(Fe
0.5Nb0.5)O3(Tc=117℃),Pb(Zn0.33Nb0.67)O3(Tc
=140℃))を、単独あるいは複数添加することによっ
て、そのキュリー点を高温側に移動させることが可能と
なり、これら誘電体磁器の使用温度範囲が広くなるとい
う利点を得られる。このような他のリラクサーの適当量
添加によっても、試料番号51〜53,55,56,58,59,61,62の
ように、抵抗率は高く、また容量(誘電率)の温度変化
も良好という本発明の効果に悪影響を与えない。しかし
ながら、試料番号54,57,60,63のように添加量が基本物
質に対して、50重量%を越えた場合には、誘電率、抵抗
値の低下(No.54,60)、誘電損失の上昇(No.57,63)な
どを招き、誘電体磁器として相応しくなくなる。特性改
善の効果を失うことがないのは、添加量50重量%以内と
考えられる。この傾向は、Pbに対する置換元素が1種の
場合(試料番号64〜68)も同じである。
第3表には添加リラクサーとして化学量論組成のもの
を取り上げたが、非化学量論組成であってもかまわな
い。その検討結果をPb(Fe,Nb)O3を例にして第4表に
示す。なお基本物質は表3と同じ、リラクサー添加量は
基本物質に対して25重量%である。
この結果を見て分かるように、試料番号70,71,72,73,
75のように、リラクサーとしてPb(Fe0.4 0.64Nb0.4
0.65)O3の範囲にあるものであれば、通常の化学量論組
成のときと同様な効果が得られている。しかし試料番号
69、74、76のようにFe、Nbが少なすぎたり、多すぎたり
すると、誘電率の極端な低下(No.69)や焼結温度の上
昇(No.74,76)を招き、本発明の目的から外れるものと
なる。表4はPb(Fe,Nb)O3について調べたが、Pb(Zn,
Nb)O3に関しても同じことが言え、その結果、リラクサ
ーの組成としてはPb(Zn0.3 0.5Nb0.4 0.7)O3が良
い。また添加量についても実施例1、2で選択された基
本物質に対して50重量%以内であれば、本発明の効果を
阻害しないことを確かめている。
(発明の効果) 本発明によれば、低温焼成、高誘電率、低誘電損失と
いうリラクサーの長所をほとんど損なうこと無く、抵抗
を飛躍的に上昇させ、しかも容量(誘電率)の温度に対
する変動を小さくできる磁器組成物を得られるので、こ
れを用いたセラミックコンデンサーは、信頼性が高いも
のとなり、産業界に与える利益は大なるものがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−221506(JP,A) 特開 昭62−40103(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の組成式よりなる鉛、マグネシウム、
    ニオビウムの複合酸化物(ABO3)において、 Pb(Mg0.35 0.60Nb0.40 0.75)O3 ……(a) 鉛の一部が、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、
    銀の少なくとも一種以上の元素で置換されていることを
    特徴とする誘電体磁器組成物。
  2. 【請求項2】特許請求第一項記載の誘電体磁器組成物に
    おいて、置換成分元素の鉛元素に対する比率は、0.5〜2
    5重量%の範囲にあることを特徴とする誘電体磁器組成
    物。
  3. 【請求項3】特許請求第一項、第二項記載の誘電体磁器
    組成物を基本物質として、これより高いキュリー点を有
    する別のリラクサー物質を添加することを特徴とする誘
    電体磁器組成物。
  4. 【請求項4】該リラクサー物質は、PbTiO3、Pb(Fe0.4
    0.65Nb0.4 0.65)O3、Pb(Zn0.3 0.5Nb0.4 0.7)O
    3の一群のうちから少なくとも一種以上のものであるこ
    とを特徴とする誘電体磁器組成物。
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