JPH0831232A - 非還元性誘電体磁器組成物 - Google Patents
非還元性誘電体磁器組成物Info
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- JPH0831232A JPH0831232A JP6166554A JP16655494A JPH0831232A JP H0831232 A JPH0831232 A JP H0831232A JP 6166554 A JP6166554 A JP 6166554A JP 16655494 A JP16655494 A JP 16655494A JP H0831232 A JPH0831232 A JP H0831232A
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- dielectric constant
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Ceramic Capacitors (AREA)
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
Abstract
iO3 +aRE2 O3 +bMnO+cMgOと表した時
(REは、Ho、Er及びYbのうち少なくとも1
種)、式中のa,b,cが 0.25≦a≦3、0≦b
≦8、1≦c≦9、1≦b+c≦11.2、1.0≦c
/a≦11.0を満足するものである。 【効果】焼成しても還元することがなく、また内部電極
として使用するニッケルなどの卑金属粉末粒子も酸化す
ることがなく、高い比誘電率と優れた絶縁性を有し、か
つ誘電率の温度変化率が広い温度範囲にわたって小さ
く、誘電正接が小さい極めて経済性の高い高誘電率系の
非還元性誘電体磁器組成物として実用性に優れたもので
ある。
Description
ニッケル,銅等の卑金属を主成分とする内部電極を有す
る積層型磁器コンデンサに適した非還元性誘電体磁器組
成物に関するものである。
面に内部電極が塗布されたBaTiO3 を主成分とする
誘電体シートを複数枚積層するとともに、各シートの内
部電極を交互に並列に一対の外部接続用電極に接続し、
これを焼結一体化することにより形成されている。この
ような積層型磁器コンデンサは、近年のエレクトロニク
スの発展に伴い電子部品の小型化が急速に進行し、広範
な電子回路に使用されるようになってきている。
従来のBaTiO3 を主成分とする誘電体材料を誘電体
として使用した積層型磁器コンデンサは、内部電極とし
て高価な貴金属であるパラジウム(融点1555℃)ま
たはその合金が使用され、特に静電容量が大きいもので
は内部電極枚数が大となってコスト高となるという問題
があった。従って、従来の積層コンデンサでは容積効率
が高く、誘電的特性に優れ、かつ高信頼性であるにも拘
らず価格面がその発展に大きな障害となっていた。
高価となる欠点を解消するために、内部電極として安価
な卑金属、例えばニッケルを使用することが試みられて
いる。しかしながら、ニッケルなどの卑金属を内部電極
として使用すると、チタン酸バリウム(BaTiO3 )
等からなる誘電体と卑金属内部電極とを同時焼結する
際、前記卑金属が酸化する事なく金属膜として焼結する
条件はNi/NiOの平衡酸素分圧が1300℃におい
て約0.03Paであるから、それ以下の酸素分圧でな
ければならず、この場合BaTiO3 またはその固溶体
からなる誘電体は、一般に前記の酸素分圧下では還元さ
れてしまって絶縁性を失い、その結果、積層型磁器コン
デンサとしての実用的な誘電特性が得られなくなるとい
う欠点を有していた。
積層型磁器コンデンサとして使用できる磁器組成物とし
て、チタン酸バリウム固溶体(Ba,Ca,Sr)Ti
O3において、塩基性酸化物である(Ba,Ca,S
r)Oを酸性酸化物であるTiO2 に対して化学量論比
より過剰とした非還元性誘電体磁器組成物が特公昭57
−42588号公報等において提案されている。
は、酸素八面体(ペロブスカイト)構造の中心に位置す
るBイオンに対して、Bイオンより大きい酸素に対して
12配位をとるAイオンが化学量論比より過剰である場
合、結晶格子が酸素原子を強く引きつけ、還元され難い
ことが知られており、前記公報に記載された発明は、こ
の化学量論比のずれに立脚し、誘電体の非還元性を向上
させたものである。しかしながら、前記公報に記載され
た誘電体磁器組成物は+25℃を基準にした時の−55
〜125℃における比誘電率の温度変化率が+20〜−
80と大きく、誘電特性が低下するという欠点を有して
いた。
しても還元することがなく、また内部電極として使用す
るニッケルなどの卑金属粉末粒子も酸化することがなく
金属膜として焼結し、高い比誘電率と優れた絶縁性を有
し、かつ誘電率の温度変化率が広い温度範囲にわたって
小さく、誘電正接が小さい極めて経済性の高い高誘電率
系の非還元性誘電体磁器組成物を提供することを目的と
するものである。
組成物は、金属元素のモル比による組成式を、100B
aTiO3 +aRE2 O3 +bMnO+cMgO(RE
は、Ho、Er及びYbのうち少なくとも1種)と表し
た時、式中のa,b,cが、0.25≦a<3.00、
0≦b<8.00、1.00≦c<9.00、1.00
≦b+c≦11.20、1.00≦c/a≦11.00
を満足するものである。
r及びYb等の希土類元素を含有させることにより、ズ
プレッサー効果が得られ、BaTiO3 のキュリー点近
傍の誘電率の極大値を低くし、誘電率の温度変化率を小
さくするとともに、絶縁抵抗を向上することができる
が、BaTiO3 100モルに対する希土類元素酸化物
RE2 O3 のモル比を0.25≦a<3.00としたの
は、aが0.25よりも小さい場合には絶縁抵抗が低く
なり、積層型磁器コンデンサとしての実用的な誘電特性
が得られなくなるからであり、aが3以上になると、比
誘電率が低く、また、焼結性が低下し、絶縁抵抗が低く
なり、積層型磁器コンデンサとしての実用的な誘電特性
が得られなくなるからである。aは0.50≦a≦1.
00であることが望ましい。
モル比を0≦b<8.00したのは、bが8.00以上
になると絶縁抵抗が低くなり、積層型磁器コンデンサと
しての実用的な誘電特性が得られなくなるからである。
bは0.10≦b≦2.20、エージング特性を向上す
るには特に0.10≦b≦0.50であることが望まし
い。
gOのモル比を1.00≦c<9.00としたのは、c
が1よりも小さい場合には絶縁抵抗が低下するからであ
り、cが9.00以上の場合には比誘電率が低く、また
絶縁抵抗が低くなるからである。cは1.00≦c≦
2.00であることが望ましい。
MnOとMgOの合量のモル比を1.00≦b+c≦1
1.20としたのは、b+cが1.00よりも小さい場
合には絶縁抵抗が低くなり、積層型磁器コンデンサとし
ての実用的な誘電特性が得られなくなり、b+cが1
1.20よりも大きい場合には比誘電率が低下するから
である。b+cは、3.10≦b+c≦5.30である
ことが望ましい。
に対するMgOの比を1.00≦c/a≦11.00と
したのは、c/aが1.00よりも小さい場合には絶縁
抵抗が低くなり、c/aが11.00よりも大きい場合
には比誘電率が低下するからである。c/aは1.00
≦c/a≦4.00であることが望ましい。
する希土類元素酸化物RE2 O3 のモル比を0.50≦
a≦1.00、0.10≦b≦2.20、1.00≦c
≦2.00、3.10≦b+c≦5.30、1.00≦
c/a≦4.00であることが望ましい。
は、金属元素のモル比による組成式を、100BaTi
O3 +aRE2 O3 +bMnO+cMgO+dLi2 O
+eSiO2 (REは、Y、Gd、Dy、Ho、Er及
びYbのうち少なくとも1種)と表した時、式中のa,
b,c,d及びeが、0.25≦a≦2.50、0.0
5≦b≦0.50、0.50≦c≦8.00、1.50
≦d≦4.50、0.75≦e<2.00を満足するも
のである。
3 +aRE2 O3 +bMnO+cMgO+dLi2 O+
eSiO2 と表した時、BaTiO3 100モルに対す
る希土類元素酸化物RE2 O3 のモル比aを、0.25
≦a≦2.50としたのは、aが0.25よりも小さい
場合には絶縁抵抗が小さくなり、積層型磁器コンデンサ
としての実用的な誘電特性が得られなくなり、aが2.
50よりも大きい場合には比誘電率が低くなり、焼結性
が低下し、絶縁抵抗が小さくなるからである。
望ましい。
nOのモル比bを、0.05≦b≦0.50としたの
は、bが0.05よりも小さい場合には、絶縁抵抗が低
くなり積層型磁器コンデンサとしての実用的な誘電特性
が得られなくなり、bが0.50よりも大きい場合に
は、エージングレートが大きくなり、積層型磁器コンデ
ンサとしての実用的な誘電特性が得られなくなるからで
ある。bは0.10≦b≦0.40、特に0.10≦b
≦0.20であることが望ましい。
モル比cを、0.50≦c≦8.00としたのは、cが
0.50よりも小さい場合には絶縁抵抗が低下するから
であり、cが8.00よりも大きい場合には、比誘電率
が低く、絶縁抵抗も低くなるからである。cは1.00
≦c≦2.00であることが望ましい。
i2 Oのモル比dを、1.50≦d≦4.50としたの
は、dが1.50よりも小さい場合には比誘電率の温度
特性が悪くなり、dが4.50よりも大きい場合には比
誘電率が低くなるからである。dは1.50≦d≦2.
50であることが望ましい。
SiO2 のモル比eを、0.75≦e<2.00とした
のは、eが0.75よりも小さい場合には、焼結性が低
下し、焼成温度1350℃で緻密な磁器が得られなくな
り、eが2.00以上となると比誘電率が低く、絶縁抵
抗が低くなるからである。eは0.75≦e≦1.5
0、特には0.75≦e≦1.00であることが望まし
い。
する希土類元素酸化物RE2 O3 のモル比を0.50≦
a≦1.00、0.10≦b≦0.20、1.00≦c
≦2.00、1.50≦d≦2.50、0.75≦e≦
1.50であることが望ましい。
物は、金属元素のモル比による組成式を、100(Ba
1-x Cax )1+k TiO3 +aRE2 O3 +bMnO+
cMgO+dLi2 O+eSiO2 (REは、Y、G
d、Dy、Ho、Er及びYbのうち少なくとも1種)
と表した時、式中のa,b,c,d,e,x及びkが、
0.25≦a≦2.50、0.05≦b≦0.50、
0.50≦c≦8.00、1.50≦d≦4.50、
0.75≦e<2.00、0<x≦0.025、0≦k
<a/50を満足するものである。
(Ba1-x Cax )1+k TiO3 +aRE2 O3 +bM
nO+cMgO+dLi2 O+eSiO2 と表した時、
BaTiO3 100モルに対するモル比a,b,c,
d,e,x及びkを上記のように限定したのは、上記理
由と同様である。そして、BaのCaによる置換量xを
0<x≦0.025としたのは、xが0.025よりも
多くなると、比誘電率が低くなり、絶縁抵抗も低くなる
からである。xは0<x≦0.010であることが望ま
しい。
0としたのは、kが0よりも小さい場合には絶縁抵抗が
低くなり、kがa/50以上となる場合には焼結性が低
下し緻密化しないからである。kは0.010≦k≦
0.020であること望ましい。また、本発明において
は、BaTiO3 の平均結晶粒径は1.5μm以下であ
ることが望ましい。これは、BaTiO3 の平均結晶粒
径が1.5μmよりも大きくなると絶縁抵抗が低くな
り、誘電率の温度変化率の絶対値が大きくなる傾向にあ
るからである。
する希土類元素酸化物RE2 O3 のモル比を0.50≦
a≦1.00、0.10≦b≦0.40、1.00≦c
≦2.00、1.50≦d≦2.50、0.75≦e≦
1.50、0<x≦0.010、0.01≦k≦0.0
2であることが望ましい。
えば、BaCO3 粉末、TiO2 粉末、またはこれらと
CaCO3 粉末を用い混合後所定温度にて固相反応さ
せ、BaTiO3 粉末または(Ba,Ca)TiO3 粉
末を合成し、粒径1.5μm 以下に微粉砕する。次にこ
の合成微粉末BaTiO3 または(Ba,Ca)TiO
3 粉末とMnCO3 粉末、MgCO3 粉末に、Ho2
O3 、Er2 O3 、Yb2 O3 から選ばれる少なくとも
1種の粉末、或いはY2 O3 、Gd2 O3 、Dy2 O
3 、Ho2 O3 、Er2 O3 、Yb2 O3 から選ばれる
少なくとも1種の粉末と、Li2 CO3 粉末と、SiO
2 粉末とを加えてそれぞれ所定の割合になるように秤量
し、分散剤、分散媒とともにボールミルにて混合し、原
料スラリーを調整した。このスラリーに有機バインダ
ー、可塑剤を加え、十分撹拌後ドクターブレード法によ
りフィルム状に成形した。このフィルムを積み重ね熱圧
着後所定形状に切断する。そして、この成形体を酸素分
圧3×10-5〜3×10-3Paに制御し、キャリアガス
を窒素ガスとして1150〜1350℃にて焼成するこ
とにより得られる。
焼成しても磁器が還元することがなく、また内部電極と
して使用するニッケルなどの卑金属粉末粒子も酸化する
ことがなく金属膜として焼結し、高い比誘電率と優れた
絶縁性を有し、かつ誘電率の温度変化率が広い温度範囲
にわたって小さく、誘電正接が小さく極めて経済性が高
い。
3 )の添加は、耐還元性、信頼性の向上に有効に作用す
る。これらはアクセプタ準位を形成するものであり、こ
れらを添加することにより、3×10-5〜3×10-3P
aの低い酸素分圧下で焼成する際に生ずる酸素欠陥によ
って形成されるドナー準位電子を、MnO、MgO、希
土類酸化物を添加することによって形成されるアクセプ
タ準位で再結合せしめることにより、誘電体磁器の半導
体化を抑制し、高い絶縁性を保持するものである。
比例し、MnO量を限定する事により、エージングの小
さい誘電体磁器組成物が得られる。
2 粉末を用い混合後1150℃にて固相反応させBaT
iO3 を合成し、粒径1.5μm 以下に微粉砕した。次
にこの合成微粉末BaTiO3 とMnCO3 粉末、Mg
CO3 粉末に、Ho2 O3 、Er2 O3 、Yb2 O3 か
ら選ばれる少なくとも1種の粉末を加えてそれぞれ表
1,2の割合になるように秤量し、分散剤、分散媒とと
もにボールミルにて混合し、原料スラリーを調整した。
加え、十分撹拌後ドクターブレード法によりフィルム状
に成形した。このフィルムを積み重ね熱圧着後切断して
(縦)10mm×(横)10mm×(厚み)0.5mm
の試料を得た。この試料を酸素分圧3×10-5Paに制
御し、キャリアガスを窒素ガスとして1250℃にて2
時間焼成した。最後に得られた焼結体の上下両面にIn
−Ga合金を塗布して電気特性用電極とした。
放置した後、周波数1.0kHz、入力信号レベル1.
0Vrmsにて静電容量および誘電正接を測定した。静
電容量から比誘電率を算出した。その後、直流50Vを
1分間印加し、そのときの絶縁抵抗を測定した。また、
−55〜125℃の温度範囲においても上記と同様の条
件にて静電容量および誘電正接を測定し、+25℃での
静電容量に対する各温度での静電容量の変化率を算出し
た。
3 100モルに対するモル比を示しており、単位はモル
部である。また、絶縁抵抗は静電容量(C,μF)と絶
縁抵抗(R,MΩ)との積(CR,MΩ・μF)で表わ
した。単位はMΩ・μFである。
素酸化物の添加量aが0.25モル部を下回るNo1で
は絶縁抵抗が低く、逆に3モル部を超えるNo.11、
16、20では比誘電率が低い傾向にあるとともに焼結
性が低下し、絶縁抵抗が低くなる。MgOの量cが1モ
ル部を下回るNo.6では絶縁抵抗が低く、逆に9モル
部を超えるNo.21では比誘電率が低く、絶縁抵抗も
低い。
o.26、27では絶縁抵抗が低く、(b+c)値が1
1.2モル部を超えるNo.21、26、34では比誘
電率が低くなる。
いずれも比誘電率2500以上、誘電正接(tanδ)
が1.5%以下、絶縁抵抗1000MΩ・μF以上、比
誘電率の温度変化率が±15%以下と優れた特性を示し
た。
O2 粉末を用い混合後1150℃にて固相反応させBa
TiO3 を合成し、粒径1.5μm以下に微粉砕した。
次にこの合成微粉末BaTiO3 とMnCO3 粉末、M
gCO3 粉末にY2 O3 、Gd2 O3 、Dy2 O3 、H
o2 O3 、Er2 O3 、Yb2 O3 から選ばれる少なく
とも1種の粉末を加え、さらに、Li2 CO3 粉末、S
iO2 粉末をそれぞれ表5の割合になるように秤量し、
分散剤、分散媒とともにボールミルにて混合し、原料ス
ラリーを調整した。
加え、十分撹拌後ドクターブレード法によりフィルム状
に成形した。このフィルムを積み重ね熱圧着後切断して
(縦)10mm×(横)10mm×(厚み)0.5mm
の試料を得た。この試料を酸素分圧3×10-5Paに制
御し、キャリアガスを窒素ガスとして1250℃にて2
時間焼成した。最後に得られた焼結体の上下両面にIn
−Ga合金を塗布して電気特性用電極とした。
にして比誘電率、絶縁抵抗、誘電正接および+25℃で
の静電容量に対する各温度での静電容量の変化率を測定
するとともに、評価試料を150℃で1時間熱処理後、
25℃で放置し、1時間後の静電容量に対する10時間
後の静電容量の変化率(エージングレート)を算出し
た。この結果を表6に示す。
絶縁抵抗(R,MΩ)との積(CR,MΩ・μF)で表
わした。また、表5中におけるa,b,c,d,eはB
aTiO3 100モルに対するモル比を示しており、単
位はモル部である。
化物Re2 O3 の添加量aが0.25モル部を下回るN
o13では絶縁抵抗が低く、逆にaが2.5モル部を超
えるNo17では比誘電率が低い傾向にあるとともに焼
結性が低下し、絶縁抵抗が低くなる。また、イオン半径
が大きい希土類元素であるSmを添加したNo25の場
合、誘電損失が大きく、絶縁抵抗が低く、温度特性も悪
い。MgOの量cが0.5モル部を下回るNo7では絶
縁抵抗が低く、逆にcが8モル部を超えるNo12では
比誘電率が低い。また、MnO量bが0.05モル部を
下回るNo1では絶縁抵抗が低く、bが0.5モル部を
超えるNo6ではエージングレートが大きい。Li2 O
の量dが1.50モル部を下回るNo32では温度特性
が悪く、4.5モル部を上回るNo24では比誘電率が
低い。SiO2 量eが0.75モル部を下回るNo18
は焼結性が悪く、eが2.0モル部よりも多いNo31
は比誘電率が低く、絶縁抵抗が悪い。
いずれも比誘電率2500以上、誘電正接(tanδ)
が1.14%以下、絶縁抵抗1500MΩ・μF以上、
比誘電率の温度変化率が±15%以下と優れた特性を示
した。
O2 粉末、CaCO3粉末を用い混合後1000℃にて
固相反応させ(Ba、Ca)TiO3 を合成し、粒径
1.5μm以下に微粉砕した。次にこの合成微粉末(B
a、Ca)TiO3 とMnCO3 粉末、MgCO3 粉末
にY2 O3 、Gd2 O3 、Dy2 O3 、Ho2 O3 、E
r2 O3 、Yb2 O3 から選ばれる少なくとも1種の粉
末を加え、Li2 CO3 粉末、SiO2 粉末をそれぞれ
表7の割合になるように秤量し、分散剤、分散媒ととも
にボールミルにて混合し、原料スラリーを調整した。
加え、十分撹拌後ドクターブレード法によりフィルム状
に成形した。このフィルムを積み重ね熱圧着後切断して
(縦)10mm×(横)10mm×(厚み)0.5mm
の試料を得た。この試料を酸素分圧3×10-5Paに制
御し、キャリアガスを窒素ガスとして1250℃にて2
時間焼成した。最後に得られた焼結体の上下両面にIn
−Ga合金を塗布して電気特性用電極とした。
様にして、比誘電率、絶縁抵抗、誘電正接および+25
℃での静電容量に対する各温度での静電容量の変化率を
測定するとともに、評価試料を150℃で1時間熱処理
後、25℃で放置し、1時間後の静電容量に対する10
時間後の静電容量の変化率(エージングレート)を算出
した。この結果を表8に示す。
絶縁抵抗(R,MΩ)との積(CR,MΩ・μF)で表
わした。
ル比xが0.025モルを越えるNo39では比誘電率
低く、絶縁抵抗も低い。また、kの値が0を下回るNo
40では絶縁抵抗が低く、kの値がa/50以上のNo
42では焼結性が悪く緻密化せず、比誘電率が低い。ま
た、イオン半径が大きい希土類元素であるSmを添加し
たNo43の場合、誘電損失が大きく、絶縁抵抗が低
く、温度特性も悪い。
いずれも比誘電率2500以上、誘電正接(tanδ)
が1.0%以下、絶縁抵抗2700MΩ・μF以上、比
誘電率の温度変化率が±15%以下と優れた特性を示し
た。
電体磁器組成物は焼成温度が1150〜1350℃の範
囲で、酸素分圧がNi/NiOの平衡酸素分圧以下の焼
成条件で焼成しても、比誘電率、誘電正接、絶縁抵抗、
比誘電率の温度特性において優れた特性を示すことか
ら、ニッケルを主成分とする内部電極を用いた積層形磁
器コンデンサ用の誘電体磁器組成物として実用性に優れ
たものである。
Claims (3)
- 【請求項1】金属元素のモル比による組成式を 100BaTiO3 +aRE2 O3 +bMnO+cMg
O (REは、Ho、Er及びYbのうち少なくとも1種)
と表した時、式中のa,b,cが 0.25≦a<3.00 0 ≦b<8.00 1.00≦c<9.00 1.00≦b+c≦11.20 1.00≦c/a≦11.00 を満足することを特徴とする非還元性誘電体磁器組成
物。 - 【請求項2】金属元素のモル比による組成式を 100BaTiO3 +aRE2 O3 +bMnO+cMg
O+dLi2 O+eSiO2 (REは、Y、Gd、Dy、Ho、Er及びYbのうち
少なくとも1種)と表した時、式中のa,b,c,d及
びeが 0.25≦a≦2.50 0.05≦b≦0.50 0.50≦c≦8.00 1.50≦d≦4.50 0.75≦e<2.00 を満足することを特徴とする非還元性誘電体磁器組成
物。 - 【請求項3】金属元素のモル比による組成式を 100(Ba1-x Cax )1+k TiO3 +aRE2 O3
+bMnO+cMgO+dLi2 O+eSiO2 (REは、Y、Gd、Dy、Ho、Er及びYbのうち
少なくとも1種)と表した時、式中のa,b,c,d,
e,x及びkが 0.25≦a≦2.50 0.05≦b≦0.50 0.50≦c≦8.00 1.50≦d≦4.50 0.75≦e<2.00 0 <x≦0.025 0 ≦k<a/50 を満足することを特徴とする非還元性誘電体磁器組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16655494A JP3450903B2 (ja) | 1994-07-19 | 1994-07-19 | 非還元性誘電体磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16655494A JP3450903B2 (ja) | 1994-07-19 | 1994-07-19 | 非還元性誘電体磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0831232A true JPH0831232A (ja) | 1996-02-02 |
JP3450903B2 JP3450903B2 (ja) | 2003-09-29 |
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Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP3450903B2 (ja) |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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