JPH06283028A - 誘電体磁器組成物 - Google Patents

誘電体磁器組成物

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JPH06283028A
JPH06283028A JP5069598A JP6959893A JPH06283028A JP H06283028 A JPH06283028 A JP H06283028A JP 5069598 A JP5069598 A JP 5069598A JP 6959893 A JP6959893 A JP 6959893A JP H06283028 A JPH06283028 A JP H06283028A
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JP
Japan
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cao
mgo
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JP5069598A
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English (en)
Inventor
Hidenori Kuramitsu
秀紀 倉光
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶粒径が小さく、焼結性が良く、絶縁抵抗
と絶縁破壊強度が大きい誘電体磁器を得ることができる
誘電体磁器組成物を提供する。 【構成】 主成分として、[(SrO)x(CaO)
y(MgO)za(TiO)bで表され、式中のa/bの
値が1.00≦a/b≦1.06なる範囲にあり、かつ
x、yおよびzはモル比を表し、x+y+z=1でx、
y、zの値が、a,b,c,d(ここで、aはx=0.
54,y=0.45,z=0.01、bはx=0.6
9,y=0.30,z=0.01、cはx=0.45,
y=0.15,z=0.40、dはx=0.30,y=
0.30,z=0.40)で囲まれるモル比の範囲にあ
る組成を有する主成分100重量部に対し、副成分とし
てニオブ酸化物、タンタル酸化物、バナジウム酸化物の
うちの一種もしくはそれらから選ばれる二種以上を0.
001〜0.006モル部を添加含有させた組成の構成
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁器コンデンサに使用さ
れる誘電体磁器組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下に従来の誘電体磁器組成物について
説明する。誘電体磁器組成物としてSrO−CaO−T
iO2に示されるような系が知られている。
【0003】上記の組成において、例えば0.32Sr
O・0.18CaO・0.50TiO2の組成比からな
る誘電体磁器組成物を使用し、1380℃で焼成し、円
板形磁器コンデンサを作製した場合には、誘電率:25
0、静電容量温度係数:N870ppm/℃、Q:30
00、絶縁抵抗:8.0×1011Ω、絶縁破壊強度:2
0kv/mmおよび結晶粒径:5〜20μmの値を示すも
のが得られるというものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、絶縁抵抗が小さく、また結晶粒径が大き
いため、素体中の気孔率が大きくなるとともに結晶粒子
1個当たりにかかる電界強度が大きくなるので、絶縁破
壊強度も小さく、そして焼成温度が高いという問題点を
有していた。
【0005】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、結晶粒径が小さく、絶縁抵抗、絶縁破壊強度が大き
く、焼結性の良い誘電体磁器を得ることができる誘電体
磁器組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
ために本発明による誘電体磁器組成物は、一般式として
[(SrO)x(CaO)y(MgO)za(TiO2b
で表され、式中のa/bの値が1.00≦a/b≦1.
06なる範囲にあり、かつx、yおよびzはモル比を表
し、x+y+z=1でx、y、zの値が、上記(表1)
に示すa、b、c、dで囲まれるモル比の範囲にある組
成を有する主成分100重量部に対し、副成分としてニ
オブ酸化物、タンタル酸化物、バナジウム酸化物のうち
の一種以上をそれぞれNb25、Ta25、V25の形
に換算して合計で0.001〜0.006モル部を添加
含有させてなる構成としたものである。
【0007】
【作用】この構成によって、SrO・CaOの一部をM
gOで置換することにより、焼結性を改善し、またTi
2に対するSrO・CaO・MgOのモル比率を大き
くすることにより、結晶粒径を小さくし、さらにニオブ
酸化物、タンタル酸化物、バナジウム酸化物もしくはそ
れらから選ばれる二種以上を副成分として含有させるこ
とにより、焼結性を改善し、絶縁抵抗と絶縁破壊強度を
向上させることが可能となる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例による誘電体磁器組
成物について説明する。
【0009】(実施例1)まず、出発原料には化学的に
高純度のSrCO3、CaCO3、MgO、TiO 2およ
びNb25粉末を(表2)に示す組成比になるように秤
量し、めのうボールを備えたゴム内張りのボールミルに
純水とともに入れ、湿式混合後、脱水乾燥した。この乾
燥粉末を高アルミナ質のルツボに入れ、空気中で110
0℃にて2時間仮焼した。この仮焼粉末を、めのうボー
ルを備えたゴム内張りのボールミルに純水とともに入
れ、湿式粉砕後、脱水乾燥した。この粉砕粉末に、有機
バインダー(ポリビニルアルコール5wt%溶液)を適
量加え、均質とした後、32メッシュのふるいを通して
整粒し、金型と油圧プレスを用いて成形圧力1ton/
cm2で直径15mm、厚み0.4mmの円板状に成形した。
次いで、この成形円板をジルコニア粉末を敷いたアルミ
ナ質のサヤに入れ、空気中にて(表2)に示す焼成温度
で2時間焼成し、(表2)の試料番号1〜5に示す組成
比の誘電体磁器円板を得た。
【0010】このようにして得られた誘電体磁器円板
は、厚みと直径を測定し、誘電率、Q、静電容量温度係
数測定用試料は、誘電体磁器円板の両面全体に銀電極を
焼き付け、絶縁抵抗、絶縁破壊強度測定用試料は、誘電
体磁器円板の外周より内側に1mmの幅で銀電極の無い部
分を設け、銀電極を焼き付けた。
【0011】なお、誘電率、Q、静電容量温度係数は、
横河ヒューレット・パッカード(株)社製デジタルLC
Rメータのモデル4275Aを使用し、測定温度20
℃、測定電圧1.0Vrms、測定周波数1MHzでの測
定より求めた。
【0012】また、静電容量温度係数は、20℃と85
℃の静電容量を測定し、次式により求めた。
【0013】 TC=(C−CO)/CO×1/65×106 TC:静電容量温度係数(ppm/℃) CO:20℃での静電容量(pF) C:85℃での静電容量(pF) また、誘電率(K)は次式より求めた。
【0014】K=143.8×CO×t/D2 K:誘電率 CO:20℃での静電容量(pF) D:誘電体磁器の直径(mm) t:誘電体磁器の厚み(mm) さらに、絶縁抵抗は、横河ヒューレット・パッカード
(株)社製HRメータのモデル4329Aを使用し、測
定電圧50V.D.C.、測定時間1分間による測定よ
り求めた。
【0015】そして、絶縁破壊強度は、菊水電子工業
(株)製高電圧電源PHS35K−3形を使用し、試料
をシリコンオイル中に入れ、昇圧速度50V/secに
より求めた絶縁破壊電圧を誘電体厚みで除算し、1mm当
たりの絶縁破壊強度とした。
【0016】また、結晶粒径は、倍率400での光学顕
微鏡観察より求めた。上記測定結果を試料番号1〜5別
に(表3)に示す。
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】また、図1は本発明にかかる組成物の主成
分のSrO、CaO、MgOのモル比範囲を示す三元組
成図であり、主成分のSrO、CaO、MgOのモル比
範囲を限定した理由を図1を参照しながら説明する。す
なわち、A、B領域では静電容量温度係数がマイナス側
に大きくなりすぎて実用的でなくなる。また、C領域で
は誘電率が小さく実用的でなくなる。
【0020】さらに、TiO2に対するSrO・CaO
・MgOのモル比率a/bを大きくすることにより、結
晶粒径を小さくする効果を有し、a/bが1未満では結
晶粒径が大きく、この発明の範囲から除外した。一方、
a/bが1.06を越えると焼結性が著しく低下し、実
用的でなくなる。
【0021】そして、主成分に対し、副成分Nb25
添加含有することにより、焼結性を改善し、絶縁抵抗、
絶縁破壊強度を大きくする効果を有し、Nb25の含有
量が主成分100重量部に対し、0.001モル部未満
はそれほど添加含有効果がなく、この発明の範囲から除
外した。一方、Nb25の含有量が主成分に対し、0.
006モル部を越えると静電容量温度係数がマイナス側
に大きくなり、実用的でなくなる。
【0022】(実施例2)実施例1の高純度のNb25
に代えて、高純度のTa25粉末を(表4)に示す組成
比になるように秤量し、以降の工程を実施例1と同様に
処理して(表4)の試料番号6〜10に示す組成比の誘
電体磁器円板を得、実施例1と同様に処理して特性を測
定した結果を試料番号6〜10別に(表5)に示す。
【0023】
【表4】
【0024】
【表5】
【0025】ここで、主成分の組成範囲と構成を限定し
た理由は、実施例1と同様であるので説明は省略する。
【0026】そして、主成分に対し、副成分Ta25
添加含有することにより、焼結性を改善し、絶縁抵抗、
絶縁破壊強度を大きくする効果を有し、Ta25の含有
量が主成分100重量部に対し、0.001モル部未満
はそれほど添加含有効果がなく、この発明の範囲から除
外した。一方、Ta25の含有量が主成分に対し、0.
006モル部を越えると静電容量温度係数がマイナス側
に大きくなり、実用的でなくなる。
【0027】(実施例3)実施例1の高純度のNb25
に代えて、高純度のV25粉末を(表6)に示す組成比
になるように秤量し、以降の工程を実施例1と同様に処
理して(表6)の試料番号11〜15に示す組成比の誘
電体磁器円板を得、実施例1と同様に処理して特性を測
定した結果を試料番号21〜30別に(表7)に示す。
【0028】
【表6】
【0029】
【表7】
【0030】ここで、主成分の組成範囲と構成を限定し
た理由は、実施例1と同様であるので説明は省略する。
【0031】そして、主成分に対し、副成分V25を添
加含有することにより、焼結性を改善し、絶縁抵抗、絶
縁破壊強度を大きくする効果を有し、V25の含有量が
主成分100重量部に対し、0.001モル部未満はそ
れほど添加含有効果がなく、この発明の範囲から除外し
た。一方、V25の含有量が主成分に対し、0.006
モル部を越えると絶縁抵抗が小さくなり、実用的でなく
なる。
【0032】(実施例4)実施例1の高純度のNb25
に代えて、高純度のNb25、Ta25およびV 25
末を(表8)に示す組成比になるように秤量し、以降の
工程を実施例1と同様に処理して(表8)の試料番号1
6〜20に示す組成比の誘電体磁器円板を得、実施例1
と同様に処理して特性を測定した結果を試料番号16〜
20別に(表9)に示す。
【0033】
【表8】
【0034】
【表9】
【0035】ここで、主成分の組成範囲と構成を限定し
た理由は、実施例1と同様であるので説明は省略する。
【0036】そして、主成分に対し、副成分Nb25
Ta25、V25を添加含有することにより、焼結性を
改善し、絶縁抵抗、絶縁破壊強度を大きくする効果を有
し、Nb25、Ta25、V25の含有量の合計が主成
分100重量部に対し、0.001モル部未満はそれほ
ど添加含有効果がなく、この発明の範囲から除外した。
一方、Nb25、Ta25、V25の含有量の合計が主
成分に対し、0.006モル部を越えると絶縁抵抗が小
さくなり、静電容量温度係数がマイナス側に大きくなり
実用的でなくなる。また、Nb25、Ta25、V25
から選ばれる二種以上を含有することにより、Nb
25、Ta25、V25から選ばれる一種を含有するも
のに比べ、誘電率、絶縁抵抗、絶縁破壊強度を大きく
し、静電容量温度係数を小さくすることができる。
【0037】なお、実施例における誘電体磁器の作製方
法では、SrCO3、CaCO3、MgO、TiO2、N
25、Ta25およびV25を使用したが、この方法
に限定されるものではなく、所望の組成比になるよう
に、SrTiO3などの化合物、あるいは炭酸塩、水酸
化物など空気中での加熱により、SrO、CaO、Mg
O、TiO2、Nb25、Ta25およびV25となる
化合物を使用しても実施例と同程度の特性を得ることが
できる。
【0038】また、主成分をあらかじめ仮焼し、副成分
を添加しても実施例と同程度の特性を得ることができ
る。
【0039】また、上述の基本組成のほかに、Si
2、MnO2、Fe23、ZnO、Al 23など、一般
にフラックスと考えられている塩類、水酸化物、酸化物
などを、特性を損なわない範囲で加えることもできる。
【0040】
【発明の効果】以上の実施例の説明からも明らかなよう
に本発明は、一般式として[(SrO)x(CaO)
y(MgO)za(TiO2bで表され、式中のa/b
の値が1.00≦a/b≦1.06なる範囲にあり、か
つx、yおよびzはモル比を表し、x+y+z=1で
x、y、zの値が、(表1)に示すa、b、c、dで囲
まれるモル比の範囲にある組成を有する主成分に対し、
ニオブ酸化物、タンタル酸化物、バナジウム酸化物のう
ちの一種もしくはそれらから選ばれる二種以上を副成分
として含有させた誘電体磁器組成物の構成により、結晶
粒径が小さく、焼結性が良く、絶縁抵抗と絶縁破壊強度
が大きい誘電体磁器を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の誘電体磁器組成物の主成分
の組成範囲を説明する三元組成図

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式として[(SrO)x(CaO)y
    (MgO)za(TiO2bで表され、式中のa/bの
    値が1.00≦a/b≦1.06なる範囲にあり、かつ
    x、yおよびzはモル比を表し、x+y+z=1でx、
    y、zの値が、 【表1】 に示すa、b、c、dで囲まれるモル比の範囲にある組
    成を有する主成分100重量部に対し、副成分としてニ
    オブ酸化物、タンタル酸化物、バナジウム酸化物のうち
    の一種をそれぞれNb25、Ta25、V25の形に換
    算して0.001〜0.006モル部を添加含有させて
    なる誘電体磁器組成物。
  2. 【請求項2】 副成分として、ニオブ酸化物、タンタル
    酸化物、バナジウム酸化物から選ばれる二種以上をそれ
    ぞれNb25、Ta25、V25の形に換算して合計で
    0.001〜0.006モル部を添加含有させてなる請
    求項1記載の誘電体磁器組成物。
JP5069598A 1993-03-29 1993-03-29 誘電体磁器組成物 Pending JPH06283028A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6627570B2 (en) 2000-02-09 2003-09-30 Tdk Corporation Dielectric ceramic composition, electronic device, and method of producing the same

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6627570B2 (en) 2000-02-09 2003-09-30 Tdk Corporation Dielectric ceramic composition, electronic device, and method of producing the same
US6933256B2 (en) 2000-02-09 2005-08-23 Tdk Corporation Dielectric ceramic composition, electronic device, and method for producing same

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