JPH07211140A - 誘電体磁器組成物 - Google Patents

誘電体磁器組成物

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JPH07211140A
JPH07211140A JP6004463A JP446394A JPH07211140A JP H07211140 A JPH07211140 A JP H07211140A JP 6004463 A JP6004463 A JP 6004463A JP 446394 A JP446394 A JP 446394A JP H07211140 A JPH07211140 A JP H07211140A
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JP
Japan
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composition
parts
dielectric
main component
niobium oxide
Prior art date
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Application number
JP6004463A
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English (en)
Inventor
Hidenori Kuramitsu
秀紀 倉光
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 絶縁破壊強度が大きい誘電体磁器組成物を提
供することを目的とするものである。 【構成】 一般式として[(SrO)x(CaO)y(M
gO)za[(TiO 21-c(ZrO2cbで表さ
れ、式中のa/bの値が1.00≦a/b≦1.06、
cの値が0.01≦c≦0.20なる範囲にあり、かつ
x,yおよびzはモル比を表し、x+y+z=1でx,
y,zの値が 【表1】 に示すa,b,c,dで囲まれるモル比の範囲にある組
成を有する誘電体磁器組成物を主成分とし、主成分10
0重量部に対し、ニオブ酸化物をNb25に換算して
0.001〜0.006モル部添加含有させるものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子機器用固定磁器コン
デンサに使用される誘電体磁器組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来誘電体磁器組成物としてSrO−C
aO−TiO2系のものが知られている。
【0003】上記の組成において、例えば0.32 S
rO・0.18 CaO・0.50TiO2の組成比から
なる誘電体磁器組成物を使用し、1380℃で焼成し、
円板形磁器コンデンサを作製した場合には、誘電率:2
50、静電容量温度係数:N870ppm/℃、Q:3
000、絶縁抵抗8.0×1011Ω、絶縁破壊強度:2
0kV/mmおよび結晶粒径:5〜20μmの値を示し、ま
た1370℃で焼成すると静電容量温度係数:N950
ppm/℃を示すものが得られるというものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、絶縁抵抗が小さく、また結晶粒径が大き
いため、素体中の気孔率が大きくなるとともに結晶粒子
1個当たりにかかる電界強度が大きくなるので、絶縁破
壊強度が小さいという問題点を有していた。
【0005】本発明は絶縁破壊強度が大きい誘電体磁器
組成物を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
ために本発明による誘電体磁器組成物は、一般式として
[(SrO)x(CaO)y(MgO)za[(Ti
21-c(ZrO2cbで表され、式中のa/bの値
が1.00≦a/b≦1.06、cの値が0.01≦c
≦0.20なる範囲にあり、かつx,yおよびzはモル
比を表し、x+y+z=1でx,y,zの値が(表2)
に示すa,b,c,dで囲まれるモル比の範囲にある組
成を有する主成分100重量部に対し、副成分として、
ニオブ酸化物をNb25に換算して0.001〜0.0
06モル部添加含有させるものである。
【0007】
【表2】
【0008】
【作用】上記構成は、SrO・CaOの一部をMgOで
置換することにより焼結性を改善し、またTiO2に対
するSrO・CaO・MgOのモル比率を大きくするこ
とにより結晶粒径を小さくし、さらにTiO2の一部を
ZrO2で置換することにより焼成温度に対する静電容
量温度特性変動を小さくする。ニオブ酸化物を副成分と
して添加含有させることにより絶縁破壊強度を向上させ
るだけでなく、焼結性と焼成温度に対する静電容量温度
特性変動を改善し、絶縁抵抗を向上させることが可能と
なる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0010】(実施例1)まず、出発原料として、化学
的に高純度のSrCO3,CaCO3,MgO,Ti
2,ZrO2およびNb25粉末を(表3)に示す組成
比になるように秤量し、めのうボールを備えたゴム内張
りのボールミルに純水とともに入れ、湿式混合後、脱水
乾燥した。この乾燥粉末を高アルミナ質のルツボに入
れ、空気中で1100℃にて2時間仮焼した。
【0011】
【表3】
【0012】次に、この仮焼粉末を、めのうボールを備
えたゴム内張りのボールミルに純水とともに入れ、湿式
粉砕後、脱水乾燥した。この粉砕粉末に、有機バインダ
ーを加え、均質とした後、32メッシュのふるいを通し
て整粒し、金型と油圧プレスを用いて成形圧力1ton/c
m2で直径15mm、厚み0.4mmに成形した。次いで、成
形円板をジルコニア粉末を敷いたアルミナ質のサヤに入
れ、空気中にて(表3)に示す焼成温度で2時間焼成
し、(表3)の試料番号1〜6に示す組成比の誘電体磁
器円板を得た。
【0013】このようにして得られた誘電体磁器円板の
厚みと直径を測定した。また、誘電率、Q、静電容量温
度係数を誘電体磁器円板の両面全体に銀電極を焼き付け
て測定した。
【0014】さらに絶縁抵抗、絶縁破壊強度を誘電体磁
器円板の外周より内側に1mmの幅で銀電極の無い部分を
設け、銀電極を焼き付けて測定した。
【0015】なお、誘電率、Q、静電容量温度係数は、
横河ヒューレット・パッカード(株)製デジタルLCR
メータのモデル4275Aを使用し、測定温度20℃、
測定電圧1.0Vrms、測定周波数1MHzでの測定よ
り求めた。
【0016】また、静電容量温度係数は、20℃と85
℃の静電容量を測定し、次式により求めた。
【0017】 TC=(C−Co)/Co×1/65×106 TC:静電容量温度係数(ppm/℃) Co:20℃での静電容量(pF) C:85℃での静電容量(pF) また、誘電率(K)は次式より求めた。
【0018】K=143.8×Co×t/D2 K:誘電率 Co:20℃での静電容量(pF) D:誘電体磁器の直径(mm) t:誘電体磁器の厚み(mm) さらに、絶縁抵抗は、横河ヒューレット・パッカード
(株)製HRメータのモデル4329Aを使用し、測定
電圧50V.D.C.、測定時間1分間による測定より
求めた。
【0019】そして、絶縁破壊強度は、菊水電子工業
(株)製高電圧電源PHS35K−3形を使用し、試料
をシリコンオイル中に入れ、昇圧速度50V/secによ
り求めた絶縁破壊電圧を誘電体厚みで除算し、1mm当り
の絶縁破壊強度とした。
【0020】また、結晶粒径は、倍率400での光学顕
微鏡観察より求めた。上記測定結果を試料番号1〜6別
に(表4)に示す。
【0021】
【表4】
【0022】図1は本発明にかかる組成物の主成分のS
rO,CaO,MgOのモル比範囲を示す三元図であ
り、主成分のSrO,CaO,MgOのモル比範囲を限
定した理由を図1を参照しながら説明する。すなわち、
A,B領域では静電容量温度係数がマイナス側に大きく
なりすぎて実用的でなくなる。また、C領域では誘電率
が小さく実用的でなくなる。
【0023】さらに、TiO2に対するSrO・CaO
・MgOのモル比率a/bを大きくすることにより、結
晶粒径を小さくする効果を有する。しかし、a/bが1
未満では結晶粒径が大きくなり、1.06を越えると焼
結性が著しく低下し、実用的でなくなる。
【0024】そして、TiO2の一部をZrO2で置換す
ることにより焼成温度に対する静電容量温度特性変動を
小さくする効果を有する。しかしその置換率cが0.0
1未満では置換効果がなく、0.20を越えると焼結困
難となり、誘電率、Q、絶縁抵抗が低下し、実用的では
なくなる。
【0025】また、主成分に対し、副成分Nb25を添
加含有することにより、焼結性を改善し、絶縁抵抗、絶
縁破壊強度を大きくする効果を有する。しかし、Nb2
5の含有量が主成分100重量部に対し、0.001
モル部未満の場合はそれほど添加含有効果がなく、0.
06モル部を越えると静電容量温度係数がマイナス側に
大きくなり実用的でなくなる。
【0026】(実施例2)実施例1の高純度のNb25
に代えて、高純度のTa25粉末を(表5)に示す組成
比になるように秤量し、以降の工程を実施例1と同様に
処理して(表5)の試料番号7〜12に示す組成比の誘
電体磁器円板を得、実施例1と同様に処理して特性を測
定した結果を試料番号7〜12別に(表6)に示す。
【0027】
【表5】
【0028】
【表6】
【0029】主成分の組成範囲と構成を限定した理由
は、実施例1と同様であるので説明は省略する。
【0030】主成分に対し、副成分Ta25を添加含有
させることにより、焼結性を改善し、絶縁抵抗、絶縁破
壊強度を大きくする効果を有する。しかし、Ta25
含有量が主成分100重量部に対し、0.001モル部
未満の場合はそれほど添加含有効果がなく、0.006
モル部を越えると静電容量温度係数がマイナス側に大き
くなり実用的でなくなる。
【0031】(実施例3)実施例1の高純度のNb25
に代えて、高純度のV25粉末を(表7)に示す組成比
になるように秤量し、以降の工程を実施例1と同様に処
理して(表7)の試料番号13〜18に示す組成比の誘
電体磁器円板を得、実施例1と同様に処理して特性を測
定した結果を試料番号13〜18別に(表8)に示す。
【0032】
【表7】
【0033】
【表8】
【0034】主成分の組成範囲と構成を限定した理由
は、実施例1と同様であるので説明は省略する。
【0035】主成分に対し、副成分V25を添加含有す
ることにより、焼結性を改善し、絶縁抵抗、絶縁破壊強
度を大きくする効果を有する。しかし、V25の含有量
が主成分100重量部に対し、0.001モル部未満の
場合はそれほど添加含有効果がなく、0.006モル部
を越えると絶縁抵抗が小さくなり、実用的でなくなる。
【0036】(実施例4)実施例1の高純度のNb25
に代えて、高純度のNb25,Ta25およびV 25
末を(表9)に示す組成比になるように秤量し、以降の
工程を実施例1と同様に処理して(表9)の試料番号1
9〜24に示す組成比の誘電体磁器円板を得、実施例1
と同様に処理して特性を測定した結果を試料番号19〜
24別に(表10)に示す。
【0037】
【表9】
【0038】
【表10】
【0039】主成分の組成範囲と構成を限定した理由
は、実施例1と同様であるので説明は省略する。
【0040】主成分に対し、副成分Nb25,Ta
25,V25を添加含有することにより、焼結性を改善
し、絶縁抵抗、絶縁破壊強度を大きくする効果を有す
る。しかし、Nb25,Ta25,V25の含有量の合
計が主成分100重量部に対し、0.001モル部未満
の場合はそれほど添加含有効果がなく、0.006モル
部を越えると絶縁抵抗が小さくなり、静電容量温度係数
がマイナス側に大きくなり実用的でなくなる。また、N
25,Ta25,V25のうち二種以上を含有させる
ことにより、Nb25,Ta25,V25のうちの一種
を含有させるものに比べ、さらに誘電率、絶縁抵抗、絶
縁破壊強度を大きくし、静電容量温度係数を小さくする
ことができる。
【0041】なお、実施例1〜4における誘電体磁器の
作製では、出発原料としてSrCO 3,CaCO3,Mg
O,TiO2,ZrO2,Nb25,Ta25およびV2
5を使用したが、これらに限定されるものではなく、
所望の組成比になるように、SrTiO3などの化合
物、あるいは炭酸塩、水酸化物など空気中での加熱によ
り、SrO,CaO,MgO,TiO2,ZrO2,Nb
25,Ta25およびV25となる化合物を使用しても
実施例と同程度の特性を得ることができる。
【0042】また、主成分をあらかじめ仮焼し、副成分
を添加しても実施例と同程度の特性を得ることができ
る。
【0043】また、上述の基本組成のほかに、Si
2,MnO2,Fe23,ZnO,Al 23など一般に
フラックスと考えられている塩類、水酸化物、酸化物な
どを、特性を損なわない範囲で加えることもできる。
【0044】
【発明の効果】以上、本発明は、一般式として[(Sr
O)x(CaO)y(MgO)za[(TiO21-c(Z
rO2cbで表され、式中のa/bの値が1.00≦
a/b≦1.06、cの値が0.01≦c≦0.20な
る範囲にあり、かつx,yおよびzはモル比を表し、x
+y+z=1でx,y,zの値が
【0045】
【表11】
【0046】に示すa,b,c,dで囲まれるモル比の
範囲にある組成を有する主成分に、ニオブ酸化物、タン
タル酸化物、バナジウム酸化物もしくはそれから選ばれ
る二種以上を副成分として添加含有させた誘電体磁器組
成物である。この構成により絶縁破壊強度が大きいだけ
でなく、結晶粒径が小さく、焼結性が良く、焼成温度に
対する静電容量温度特性変動が小さく、絶縁抵抗が大き
い誘電体磁器を得ることができるものである。さらにニ
オブ酸化物、タンタル酸化物、バナジウム酸化物をそれ
ぞれ単独で添加含有させるより二種以上を添加含有させ
る方がより大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体磁器組成物の主成分の組成範囲
を説明する三元図

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式として[(SrO)x(CaO)y
    (MgO)za[(TiO21-c(ZrO2cbで表
    され、前記一般式中のa/bの値が1.00≦a/b≦
    1.06、cの値が0.01≦c≦0.20なる範囲に
    あり、かつx,yおよびzはモル比を表し、x+y+z
    =1でx,y,zの値が 【表1】 に示すa,b,c,dで囲まれるモル比の範囲にある組
    成を有する主成分100重量部に対し、副成分として、
    ニオブ酸化物をNb25に換算して0.001〜0.0
    06モル部添加含有させた誘電体磁器組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のニオブ酸化物に代えて、
    タンタル酸化物をTa 25に換算して0.001〜0.
    006モル部添加含有させた請求項1記載の誘電体磁器
    組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のニオブ酸化物に代えて、
    バナジウム酸化物をV 25に換算して0.001〜0.
    006モル部添加含有させた請求項1記載の誘電体磁器
    組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のニオブ酸化物に代えて、
    ニオブ酸化物、タンタル酸化物、バナジウム酸化物の中
    から少なくとも二種以上をそれぞれNb25,Ta
    23,V25に換算して0.001〜0.006モル部
    添加含有させる請求項1記載の誘電体磁器組成物。
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