JPH0912359A - 誘電体磁器組成物 - Google Patents

誘電体磁器組成物

Info

Publication number
JPH0912359A
JPH0912359A JP8102356A JP10235696A JPH0912359A JP H0912359 A JPH0912359 A JP H0912359A JP 8102356 A JP8102356 A JP 8102356A JP 10235696 A JP10235696 A JP 10235696A JP H0912359 A JPH0912359 A JP H0912359A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
composition
dielectric
mol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8102356A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidekazu Koga
英一 古賀
Hidenori Kuramitsu
秀紀 倉光
Eisuke Kurokawa
英輔 黒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP8102356A priority Critical patent/JPH0912359A/ja
Publication of JPH0912359A publication Critical patent/JPH0912359A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶粒径が均一微細で、誘電体磁器密度の大
きい誘電体磁器組成物を提供することを目的とする。 【解決手段】 一般式x[(BaO)1-m(MgO)m
・yTiO2・zR2 3で表され、この一般式中RはL
a,Pr,Nd,Smから選ばれる一種以上の希土類元
素であり、mの値が0.01≦m≦0.50なる範囲に
あり、x,yおよびzはモル比を表し、x+y+z=1
であり、x,y,zの値が(表1)に示すa,b,c,
d,eで囲まれるモル比の範囲にある組成100mol
%に対して、Bi23を5mol%以下の範囲で含有す
る主成分組成物100重量部に対して、副成分としてニ
オブ酸化物をNb23に換算して0.3〜5.0重量部
含有させたものである。 【表1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子機器用磁器コン
デンサ及びマイクロ波領域において誘電体共振器として
利用される誘電体磁器組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下に従来の誘電体磁器組成物について
説明する。誘電体磁器組成物として下記のような系が知
られている。
【0003】BaO・TiO2・Nd23系 BaO・TiO2・Sm23系 Bi23・CaO・Nb25・CuO系 例えば0.09BaO・0.56TiO2・0.35N
dO3/2の組成比からなる誘電体磁器組成物を使用し、
誘電体磁器円板を作製し、電気特性、および結晶粒径お
よび誘電体磁器密度を測定すると、誘電率:67、静電
容量温度係数:N40ppm/℃、Q:3000、絶縁
抵抗:8.0×1012Ω、絶縁破壊強度:30kv/mm
および結晶粒径:1〜5μm、および誘電体磁器密度:
5.6g/cm3の値が得られた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の誘電体磁器
は結晶粒径が大きく、素体密度が小さかった。そしてこ
の誘電体磁器の表面に電極を形成するためにCuメッキ
を行おうとすると、酸溶液中でエッチング処理する際、
磁器の内部まで酸エッチングされて磁器の機械的強度と
磁器の表面に形成されるCu電極の接着強度の低下を招
き、誘電体デバイスの信頼性に悪影響を及ぼすという問
題点を有していた。
【0005】そこで本発明は結晶粒径が均一微細で、誘
電体磁器密度の大きい誘電体磁器組成物を提供すること
を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の誘電体磁器組成物は、一般式x[(BaO)
1-m(MgO)m]・yTiO2・zR23で表され、こ
の一般式中Rは、La,Pr,Nd,Smから選ばれる
一種以上の希土類元素であり、mの値が、0.01≦m
≦0.50なる範囲にあり、x,yおよびzはモル比を
表し、x+y+z=1であり、x,y,zの値が(表
2)に示すa,b,c,d,eで囲まれるモル比の範囲
にある組成100mol%に対してBi23を5mol
%以下(ただし、0mol%を除く)の範囲で含有する
主成分組成物100重量部に対して、副成分としてニオ
ブ酸化物をNb23に換算して0.3〜5.0重量部含
有させたものである。
【0007】
【表2】
【0008】この構成によると、一般式中のRをLa,
Pr,Nd,Smから選ぶことにより、La,Pr,N
d,Smの順で静電容量温度係数をプラス方向に任意に
移行することができる。また主成分に対してニオブ酸化
物を含有させることにより、焼結性が向上し、磁器の緻
密化とともに結晶粒子が均一微細化されるので、絶縁抵
抗、絶縁破壊強度を大きくできるとともに共振器のQの
低下を防ぐことができる。
【0009】また磁器の密度が大きいので、この誘電体
磁器組成物を用いて例えば積層セラミックコンデンサな
どの積層型電子部品を形成し、実装する際通常マンハッ
タン現象と呼ばれるようなチップ立ちを防ぐことができ
る。
【0010】さらに本発明の誘電体磁器組成物を用いて
誘電体共振器を作製する場合無電解Cuメッキにより電
極を形成したとしても誘電体共振器素体と電極との接着
強度が高いので、高信頼性の誘電体共振器を得ることが
できる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は
一般式としてx[(BaO)1-m(MgO)m]・yTi
2・zR23で表され、この一般式中Rは、La,P
r,Nd,Smから選ばれる一種以上の希土類元素であ
り、mの値が0.01≦m≦0.50なる範囲にあり、
x,yおよびzはモル比を表し、x+y+z=1で、
x,y,zの値が(表2)に示すa,b,c,d,eで
囲まれるモル比の範囲にある組成100mol%に対し
て、Bi23を5mol%以下(ただし、0mol%を
除く)の範囲で含有する主成分組成物100重量部に対
して、副成分として、少なくともニオブ酸化物をNb2
5に換算して0.3〜5.0重量部含有してなること
を特徴とする誘電体磁器組成物であり、結晶粒子が均一
微細化された、磁器密度、絶縁抵抗、絶縁破壊強度が大
きく、共振器のQの低下を防ぐことができるものであ
る。
【0012】請求項2に記載の発明は、一般式としてx
[(BaO)1-m(MgO)m]・yTiO2・zR23
で表され、この一般式中Rは、La,Pr,Nd,Sm
から選ばれる一種以上の希土類元素であり、mの値が
0.01≦m≦0.50なる範囲にあり、x,yおよび
zはモル比を表し、x+y+z=1でx,y,zの値が
(表2)に示すa,b,c,d,eで囲まれるモル比の
範囲にある組成100mol%に対して、PbOを10
mol%以下(ただし、0mol%を除く)の範囲で含
有する主成分組成物100重量部に対して、副成分とし
て、少なくともニオブ酸化物をNb25に換算して0.
3〜5.0重量部含有してなることを特徴とする誘電体
磁器組成物であり、結晶粒子が均一微細化された、磁器
密度、絶縁抵抗、絶縁破壊強度が大きく、共振器のQの
低下を防ぐことができるものである。
【0013】請求項3に記載の発明は、一般式としてx
[(BaO)1-m(MgO)m]・yTiO2・zR23
で表され、この一般式中RはLa,Pr,Nd,Smか
ら選ばれる一種以上の希土類元素であり、mの値が0.
01≦m≦0.50なる範囲にあり、x,yおよびzは
モル比を表し、x+y+z=1でx,y,zの値が(表
2)に示すa,b,c,d,eで囲まれるモル比の範囲
にある組成100mol%に対して、Bi23を5mo
l%以下(ただし、0mol%を除く)及びPbOを1
0mol%以下(ただし、0mol%を除く)の範囲で
含有する主成分組成物100重量部に対して、副成分と
して、少なくともニオブ酸化物をNb25に換算して
0.3〜5.0重量部含有してなることを特徴とする誘
電体磁器組成物であり、結晶粒子が均一微細化された、
磁器密度、絶縁抵抗、絶縁破壊強度が大きく、共振器の
Qの低下を防ぐことができるものである。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項1,2及
び3の内いずれか一つに記載の誘電体磁器組成物100
重量部に対して、副成分としてGe,Pb,F,Bi,
Sb,B,Nb,P,Zn,Si,Al,Mo,W,L
i,Na,K,Ca,Ba,Mg,Ti,Zr,Sn,
In,Gd,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,D
y,Yb,Y,Fe,Cr,Mn,Co,Ni,Cu,
Ag及びAuから選ばれる少なくとも二種以上を含有す
る低融点物質またはガラス成分を20重量部(ただし、
0重量部を除く)以下の範囲で添加させて成ることを特
徴とする誘電体磁器組成物であり、900〜1100℃
の低温で焼結できるものである。
【0015】請求項5に記載の発明は、ニオブ酸化物に
代えて、タンタル酸化物をTa25に換算して0.1〜
10.0重量部含有したことを特徴とする請求項1,
2,3及び4のうちいずれか一つに記載の誘電体磁器組
成物であり、絶縁抵抗、絶縁破壊強度及びCu電極の接
着強度の大きいものである。
【0016】請求項6に記載の発明は、ニオブ酸化物に
代えて、バナジウム酸化物がV25に換算して0.00
5〜1.000重量部含有させたことを特徴とする請求
項1,2,3及び4のうちいずれか一つに記載の誘電体
磁器組成物であり、絶縁抵抗、絶縁破壊強度及びCu電
極の接着強度の大きいものである。
【0017】請求項7に記載の発明は、ニオブ酸化物に
代えて、Nb25,Ta25,V25から選ばれる二種
以上を、Nb25が0.3〜5.0重量部、Ta25
0.1〜10.0重量部、V25が0.005〜1.0
重量部の範囲で含有してなることを特徴とする請求項
1,2,3及び4のうちいずれか一つに記載の誘電体磁
器組成物であり、誘電率、Q,絶縁抵抗、絶縁破壊強度
が大きく、正静電容量温度係数の小さいものである。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例について説明する。
【0019】(実施例1)出発原料には化学的に高純度
のBaNb26(所定のモル比のBaCo3とNb25
とを1100℃の温度で3時間仮焼し、その後平均粒径
0.5μmに微粉砕した),La23,Pr611,N
23,Sm23,TiO2,Bi23,PbO,Mg
CO3およびBaCO3粉末を(表3)に示す組成比にな
るように秤量し、めのうボールを備えたゴム内張りのボ
ールミルに純水とともに入れ、湿式混合後、脱水乾燥し
た。
【0020】
【表3】
【0021】この乾燥粉末を高アルミナ質のルツボに入
れ、空気中で1100℃にて2時間仮焼した。この仮焼
粉末を、めのうボールを備えたゴム内張りのボールミル
に純水とともに入れ、湿式粉砕後、脱水乾燥した。この
粉砕粉末に、有機バインダーを加え、均質とした後、3
2メッシュのふるいを通して整粒し、金型と油圧プレス
を用いて成形圧力1ton/cm2で直径15mm、厚み
0.4mmに成形した。次いで、成形円板をジルコニア粉
末を敷いたアルミナ質のサヤに入れ、空気中にて125
0〜1450℃の焼成温度で2時間焼成し、(表3)の
試料番号1〜18に示す組成比の誘電体磁器を得た。
【0022】このようにして得られた誘電体磁器円板
は、厚みと直径と重量を測定し、重量を厚みと直径より
算出した体積で除算し、誘電体磁器密度とした。
【0023】誘電率、Q、静電容量温度係数測定用試料
は、誘電体磁器円板の両面全体に銀電極を焼き付け、絶
縁抵抗、絶縁破壊強度測定用試料は、誘電体磁器円板の
外周より内側に1mmの幅で銀電極の無い部分を設け、銀
電極を焼き付けた。そして、誘電率、Q、静電容量温度
係数は、横河ヒューレット・パッカード(株)製デジタ
ルLCRメータのモデル4275Aを使用し、測定温度
20℃、測定電圧1.0Vrms、測定周波数1MHzで
の測定より求めた。なお、静電容量温度係数は、20℃
と85℃の静電容量を測定し、次式により求めた。
【0024】 TC=(C−Co)/Co×1/65×106 TC:静電容量温度係数(ppm/℃) Co:20℃での静電容量(pF) C :85℃での静電容量(pF) また、誘電率は次式より求めた。
【0025】K=143.8×Co×t/D2 K :誘電率 Co:20℃での静電容量(pF) D :誘電体磁器の直径(mm) t :誘電体磁器の厚み(mm) さらに、絶縁抵抗は、横河ヒューレット・パッカード
(株)製HRメータのモデル4329Aを使用し、測定
電圧50V.D.C.、測定時間1分間による測定より
求めた。
【0026】そして、絶縁破壊強度は、菊水電子工業
(株)製高電圧電源PHS35K−3形を使用し、試料
をシリコンオイル中に入れ、昇圧速度50V/secに
より求めた絶縁破壊電圧を誘電体厚みで除算し、1mm当
りの絶縁破壊強度とした。
【0027】また、結晶粒径は、倍率400での光学顕
微鏡観察より求めた。上記測定結果を試料番号1〜18
別に(表4)に示す。
【0028】
【表4】
【0029】図1は本発明にかかる組成物の主成分の組
成範囲を示す三元図であり、主成分の組成範囲を限定し
た理由を図1を参照しながら説明する。すなわち、A領
域では焼結が著しく困難であり誘電率、Q値、絶縁抵抗
が低下する。また、B領域ではQ値の低下と静電容量温
度係数がマイナス側に大きくなり実用的でなくなる。さ
らに、C領域では静電容量温度係数がマイナス側に大き
くなりすぎて実用的でなくなる。そして、D領域では静
電容量温度係数がプラス方向に移行するが誘電率が小さ
く実用的でなくなる。また、RをLa,Pr,Nd,S
mから選ぶことによりLa,Pr,Nd,Smの順で誘
電率を大きく下げることなく静電容量温度係数をプラス
方向に移行することが可能であり、La,Pr,Nd,
Smの一種あるいは組合せにより静電容量温度係数の調
節が任意に可能である。Mgの置換は、誘電率を大きく
低下させずに静電容量温度係数をプラス方向に移行させ
任意の調節を可能にし、Q値、絶縁抵抗、Cu電極接着
強度を大きくする効果があるが、過剰量の場合、誘電
率、Q値、Cu電極接着強度の低下を招くので置換量は
限定される。また、上記に限定される組成範囲に対して
Bi23,PbOをそれぞれ、もしくは同時に含有させ
た主成分に対して、更にNb25を添加含有させること
で、結晶粒子の均一微細化、緻密化が図られ、絶縁抵
抗、絶縁破壊強度及びCu電極の接着強度を大きくする
ことが可能である。さらに電極による導体損失が小さく
なり、共振器のQの低下を防ぐことができる。Bi
23,PbOの含有量が、全く無い場合、或いは過剰量
の場合、ポーラスな磁器になり、絶縁抵抗、絶縁破壊強
度及びCu電極接着強度が著しく低下する。そして主成
分に対し、必須成分である副成分Nb25を含有するこ
とにより、絶縁抵抗、絶縁破壊強度及びCu電極接着強
度を大きくする効果を有し、Nb25の含有量が主成分
100重量部に対し、0.3重量部未満はそれほど絶縁
破壊強度及び電極接着強度が大きくなく、この発明の範
囲から除外した。一方、Nb25の含有量が主成分に対
し、5.0重量部を越えるとQ、絶縁抵抗が小さくな
り、静電容量温度係数がマイナス側に大きくなり実用的
でなくなる。
【0030】必須の副成分であるNbソースはNb25
を出発原料としても良いが、あらかじめ合成したチタン
酸化物、あるいはBaNb26,RNbTiO6(R=
La,Pr,Nd,Sm),BiNbO4,Pb3Nb4
13など主成分中の1成分以上と合成させた前駆体を出
発原料とし、原料粉の平均粒径が0.8μm以下(粒度
分布の最大値が1.0μm以下)のNbソースを用いる
ことが望ましい。この理由は、出発原料がNb25の時
に比較してセラミックス中に均一に分散、固溶化するた
め組成均質性が向上し、その結果として焼結反応が均一
に進行し、結晶粒子の異常粒成長が抑制されて微細組織
の均一、微細化が図られるからである。粒径1.0μm
以上のNbソース原料粉が混入している場合、組成均質
性の低下によって焼結時に異常粒成長を生じ、絶縁抵
抗、絶縁破壊強度、およびCu電極接着強度の低下を招
く場合がある。
【0031】(実施例2)実施例1で用いた(表3)に
示す試料番号9を基本成分とし、1100℃以下で液相
となる低融点物質またはガラス成分を平均粒径0.4〜
0.6μm(粒度分布の最大値が1.0μm以下)まで
微粉砕したものを添加し、適当な仮焼温度、焼成温度に
変更した以外は実施例1と同様に処理して(表5)に示
す試料番号19〜33に示す誘電体磁器を得、実施例1
と同様に処理して特性を測定し、その結果を試料番号1
9〜33別に(表6)に示す。
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】主成分の組成範囲と構成を限定した理由
は、実施例1と同様であるので説明は省略する。
【0035】主成分に対し、低融点物質またはガラス成
分を含有させることにより、主成分原料粉の周囲を11
00℃以下の低温度で充分濡らして焼結を促進させると
同時に、主成分組成と反応するため焼成温度を低下させ
ることができる。低融点物質またはガラス成分の含有量
が、主成分100重量部に対し、20重量部を越えると
低誘電率、低Qおよび、機械的強度の弱い2次相が析出
したり、焼結を阻害する場合がある。このため、誘電率
が低下したりQ値および電極の接着強度の低下を招き実
用的でなくなるため、本発明の範囲から除外した。
【0036】また、低融点物質、ガラス成分の粒径は、
大きな粒径のものが混入している場合焼結時に粒界部に
偏析して、機械的強度やCu電極の接着強度に悪影響を
与えることがある。したがって最大でも1.0μm以下
であることが望ましい。
【0037】なお、本実施例において試料番号19〜2
2,24〜26,28,30〜32で示した低融点物
質、ガラス成分以外でもGe,Pb,Bi,B,Nb,
P,Zn,Si,Al,Mo,Li,Ca,Ba,M
g,Ti,Zr,Sn,In,Gd,La,Ce,P
r,Nd,Sm,Eu,Dy,Yb,Y,Fe,Cr,
Mn,Co,Ni,Cu,Ag及びAuから選ばれる少
なくとも二種以上から成る低融点物質またはガラス成分
を添加含有させることで、前記組成の特徴を有する90
0〜1100℃の低温で焼結できる誘電体磁器組成物を
得ることができる。従って高周波特性に優れた低融点の
Ag,Ag−Pd,Au等の高導電率電極と同時焼成で
きることとなり、高信頼性の積層型高周波誘電体フィル
タの実現及び積層磁器コンデンサの高周波特性を良好に
することができる。
【0038】(実施例3)実施例1の高純度のBaNb
26に代えて、あらかじめ同様に合成した高純度のBa
Ta26粉末を(表7)に示す組成比になるように秤量
し、以降の工程を実施例1と同様に処理して(表7)の
試料番号34〜38に示す組成比の誘電体磁器円板を
得、実施例1と同様に処理して特性を測定し、その結果
を試料番号34〜38別に(表8)に示す。
【0039】
【表7】
【0040】
【表8】
【0041】主成分の組成範囲と構成を限定した理由
は、実施例1と同様であるので説明は省略する。
【0042】主成分に対し副成分Ta25を含有するこ
とにより、絶縁抵抗、絶縁破壊強度及びCu電極接着強
度を大きくする効果を有し、Ta25の含有量が主成分
100重量部に対し、0.1重量部未満はそれほど絶縁
破壊強度とCu電極接着強度が大きくなく、この発明の
範囲から除外した。一方、Ta25の含有量が主成分に
対し、10.0重量部を越えるとQ、絶縁抵抗及びCu
電極接着強度が小さくなり、静電容量温度係数がマイナ
ス側に大きくなり実用的でなくなる。また、実施例2と
同様に低融点物質またはガラス成分を含有させても同様
の効果が得られる。
【0043】(実施例4)実施例1の高純度のBaNb
26に代えて、あらかじめ同様に合成した高純度のBa
26粉末を(表9)に示す組成比になるように秤量
し、以降の工程を実施例1と同様に処理して(表9)の
試料番号39〜43に示す組成比の誘電体磁器円板を
得、実施例1と同様に処理して特性を測定した結果を試
料番号39〜43別に(表10)に示す。
【0044】
【表9】
【0045】
【表10】
【0046】主成分の組成範囲と構成を限定した理由
は、実施例1と同様であるので説明は省略する。
【0047】主成分に対し、副成分V25を含有するこ
とにより、絶縁抵抗、絶縁破壊強度及びCu電極接着強
度を大きくする効果を有し、V25の含有量が主成分1
00重量部に対し、0.005重量部未満はそれほど絶
縁破壊強度及びCu電極接着強度が大きくなく、この発
明の範囲から除外した。一方、V25の含有量が主成分
に対し、1.000重量部を越えるとQ、絶縁抵抗、C
u電極接着強度が小さくなり、実用的でなくなる。ま
た、実施例2と同様に低融点物質またはガラス成分を含
有させても同様の効果が得られる。
【0048】(実施例5)実施例1の高純度のBaNb
26に代えて、平均粒径0.5μmに微粉砕した高純度
のNb25,Ta25およびV25粉末を(表11)に
示す組成比になるように秤量し、以降の工程を実施例1
と同様に処理して(表11)の試料番号44〜48に示
す組成比の誘電体磁器円板を得、実施例1と同様に処理
して特性を測定した結果を試料番号44〜48別に(表
12)に示す。
【0049】
【表11】
【0050】
【表12】
【0051】主成分の組成範囲と構成を限定した理由
は、実施例1と同様であるので説明は省略する。
【0052】主成分に対し、副成分Nb25,Ta
25,V25を含有することにより、絶縁抵抗、絶縁破
壊強度及びCu電極接着強度を大きくする効果を有し、
Nb25,Ta25,V25の含有量が主成分に対し、
特定量未満はそれほど絶縁破壊強度及びCu電極接着強
度が大きくなく、この発明の範囲から除外した。一方、
Nb25,Ta25,V25の含有量が主成分に対し、
特定量を越えるとQ、絶縁抵抗が小さくなり、静電容量
温度係数がマイナス側に大きくなり実用的でなくなる。
また、Nb25,Ta25,V25から選ばれる二種以
上を含有することにより、Nb25,Ta25,V25
から選ばれる一種を含有するものに比べ、誘電率、Q、
絶縁抵抗、絶縁破壊電圧が大きく、静電容量温度係数を
小さくすることができる。また、実施例2と同様に低融
点物質またはガラス成分を含有させても同様の効果が得
られる。
【0053】なお、実施例における誘電体磁器の作製方
法では、BaNb26,BaTa26,BaV26,V
25,Ta25,Nb25,La23,Pr611,N
23,Sm23,TiO2,MgCO3およびBaCO
3を使用したが、この方法に限定されるものではなく、
所望の組成比になるように、BaTiO3,Bi2Ti 3
9,R2Ti27(R=La,Pr,Nd,Sm)など
の化合物、あるいは炭酸塩、水酸化物など空気中での加
熱により、V25,Ta25,Nb25,La 23,P
611,Nd23,Sm23,TiO2,MgOおよび
BaOとなる化合物を使用しても実施例と同程度の特性
を得ることができる。
【0054】また、主成分をあらかじめ仮焼し、副成分
を添加しても実施例と同程度の特性を得ることができ
る。
【0055】また、誘電体磁器用として一般に使用され
る工業用原料の二酸化チタン、例えばチタン工業(株)
製二酸化チタンKA−10C、古河鉱業(株)製二酸化
チタンFA−55Wには最大0.45重量%のNb25
が含まれるが、これらの二酸化チタンを使用して実施例
1の主成分の誘電体磁器を作製しても主成分100重量
部に対して、Nb25の含有量は最大で0.2重量部で
あり、この発明の範囲外であるが、工業用原料の二酸化
チタン中のNb25量を考慮し、不足分のNb 25を含
有させることにより、実施例と同程度の特性を得ること
ができる。
【0056】また、上述の基本組成のほかに、Si
2,MnO2,Fe23,ZnO,Al 23など一般に
フラックスと考えられている塩類、酸化物などを、特性
を損なわない範囲で加えることもできる。
【0057】
【発明の効果】以上本発明の誘電体磁器組成物は、一般
式x[(BaO)1-m(MgO)m]・yTiO2・zR2
3で表され、この一般式中Rは、La,Pr,Nd,
Smから選ばれる一種以上の希土類元素であり、mの値
が、0.01≦m≦0.50なる範囲にあり、x,yお
よびzはモル比を表し、x+y+z=1であり、x,
y,zの値が(表2)に示すa,b,c,d,eで囲ま
れるモル比の範囲にある組成100mol%に対して、
Bi23を5mol%以下(ただし、0mol%を除
く)の範囲で含有する主成分組成物100重量部に対し
て、副成分としてニオブ酸化物をNb23に換算して
0.3〜5.0重量部含有させたものであり、前記一般
式中のRをLa,Pr,Nd,Smから選ぶことによ
り、La,Pr,Nd,Smの順で静電容量温度係数を
プラス方向に任意に移行することができる。
【0058】また主成分に対してニオブ酸化物を含有さ
せることにより、焼結性が向上し、磁器の緻密化ととも
に結晶粒子が均一微細化されるので、絶縁抵抗、絶縁破
壊強度を大きくできるとともに共振器のQの低下を防ぐ
ことができる。
【0059】さらに誘電体磁器の密度が大きいので、こ
の誘電体磁器組成物を用いて例えば積層セラミックコン
デンサなどの積層型電子部品を形成し、実装する際通常
マンハッタン現象と呼ばれるようなチップ立ちを防ぐこ
とができる。
【0060】また、本発明の誘電体磁器組成物を用いて
誘電体共振器を作製する場合無電解Cuメッキにより電
極を形成したとしても誘電体共振器素体と電極との接着
強度が高いので、高信頼性の誘電体共振器を得ることが
できる。
【0061】その上本発明の誘電体磁器組成物を用いた
コンデンサ、マイクロ波用誘電体共振器および積層型誘
電体フィルタは電気機器、通信機器の小型化および高信
頼性化に寄与するところが大であり工業的利用価値が大
きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の誘電体磁器組成物の主成分
の組成範囲を説明する三元図

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式としてx[(BaO)1-m(Mg
    O)m]・yTiO2・zR23で表され、この一般式中
    Rは、La,Pr,Nd,Smから選ばれる一種以上の
    希土類元素であり、mの値が0.01≦m≦0.50な
    る範囲にあり、x,yおよびzはモル比を表し、x+y
    +z=1でx,y,zの値が(表1)に示すa,b,
    c,d,eで囲まれるモル比の範囲にある組成100m
    ol%に対してBi23を5mol%以下(ただし、0
    mol%を除く)の範囲で含有する主成分組成物100
    重量部に対して、副成分として少なくともニオブ酸化物
    をNb25に換算して0.3〜5.0重量部添加含有し
    てなることを特徴とする誘電体磁器組成物。 【表1】
  2. 【請求項2】 一般式としてx[(BaO)1-m(Mg
    O)m]・yTiO2・zR23で表され、この一般式中
    Rは、La,Pr,Nd,Smから選ばれる一種以上の
    希土類元素であり、mの値が0.01≦m≦0.50な
    る範囲にあり、x,yおよびzはモル比を表し、x+y
    +z=1でx,y,zの値が(表1)に示すa,b,
    c,d,eで囲まれるモル比の範囲にある組成100m
    ol%に対してPbOを10mol%以下(ただし、0
    mol%を除く)の範囲で含有する主成分組成物100
    重量部に対して、副成分として少なくともニオブ酸化物
    をNb25に換算して0.3〜5.0重量部含有してな
    ることを特徴とする誘電体磁器組成物。
  3. 【請求項3】 一般式としてx[(BaO)1-m(Mg
    O)m]・yTiO2・zR23で表され、この一般式中
    Rは、La,Pr,Nd,Smから選ばれる一種以上の
    希土類元素であり、mの値が、0.01≦m≦0.50
    なる範囲にあり、x,yおよびzはモル比を表し、x+
    y+z=1でx,y,zの値が(表1)に示すa,b,
    c,d,eで囲まれるモル比の範囲にある組成100m
    ol%に対してBi23を5mol%以下(ただし、0
    mol%を除く)及びPbOを10mol%以下(ただ
    し、0mol%を除く)の範囲で含有する主成分組成物
    100重量部に対して、副成分として少なくともニオブ
    酸化物をNb25に換算して0.3〜5.0重量部含有
    してなることを特徴とする誘電体磁器組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1,2及び3のうちいずれか一つ
    に記載の誘電体磁器組成物100重量部に対して、副成
    分としてGe,Pb,F,Bi,Sb,B,Nb,P,
    Zn,Si,Al,Mo,W,Li,Na,K,Ca,
    Ba,Mg,Ti,Zr,Sn,In,Gd,La,C
    e,Pr,Nd,Sm,Eu,Dy,Yb,Y,Fe,
    Cr,Mn,Co,Ni,Cu,Ag及びAuから選ば
    れる少なくとも2種以上からなる低融点物質またはガラ
    ス成分を20重量部(ただし、0重量部を除く)以下の
    範囲で添加させてなることを特徴とする誘電体磁器組成
    物。
  5. 【請求項5】 ニオブ酸化物に代えて、タンタル酸化物
    をTa25に換算して0.1〜10.0重量部含有して
    なることを特徴とする請求項1,2,3及び4のうちい
    ずれか一つに記載の誘電体磁器組成物。
  6. 【請求項6】 ニオブ酸化物に代えて、バナジウム酸化
    物をV25に換算して0.005〜1.000重量部含
    有してなることを特徴とする請求項1,2,3及び4の
    うちいずれか一つに記載の誘電体磁器組成物。
  7. 【請求項7】 ニオブ酸化物に代えて、Nb25,Ta
    25,V25から選ばれる二種以上を、Nb25が0.
    3〜5.0重量部、Ta25が0.1〜10.0重量
    部、V25が0.005〜1.0重量部の範囲で含有し
    てなることを特徴とする請求項1,2,3及び4のうち
    いずれか一つに記載の誘電体磁器組成物。
JP8102356A 1995-04-26 1996-04-24 誘電体磁器組成物 Pending JPH0912359A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8102356A JPH0912359A (ja) 1995-04-26 1996-04-24 誘電体磁器組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-102103 1995-04-26
JP10210395 1995-04-26
JP8102356A JPH0912359A (ja) 1995-04-26 1996-04-24 誘電体磁器組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0912359A true JPH0912359A (ja) 1997-01-14

Family

ID=26442839

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8102356A Pending JPH0912359A (ja) 1995-04-26 1996-04-24 誘電体磁器組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0912359A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008114619A1 (ja) * 2007-03-16 2008-09-25 Kyocera Corporation 誘電体磁器およびコンデンサ
CN115180941A (zh) * 2022-07-04 2022-10-14 江苏贝孚德通讯科技股份有限公司 一种高Q值近零Tf复合微波介质陶瓷材料及其制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008114619A1 (ja) * 2007-03-16 2008-09-25 Kyocera Corporation 誘電体磁器およびコンデンサ
US8097552B2 (en) 2007-03-16 2012-01-17 Kyocera Corporation Dielectric ceramics and capacitor
CN115180941A (zh) * 2022-07-04 2022-10-14 江苏贝孚德通讯科技股份有限公司 一种高Q值近零Tf复合微波介质陶瓷材料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1767507A1 (en) Dielectric ceramic composition and laminated ceramic capacitor
JPH0912364A (ja) 誘電体磁器組成物
JP3395514B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JPH0912361A (ja) 誘電体磁器組成物
JP3528417B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP3528416B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JPH0912359A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH0912362A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH0912357A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH0912358A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH0912360A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH07211140A (ja) 誘電体磁器組成物
JP2917455B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP2921048B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP2936661B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP2850399B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ用誘電体磁器組成物
JP2917454B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP2917453B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP2684754B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP2850398B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ用誘電体磁器組成物
JPH08301657A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH08301658A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH09148180A (ja) 積層型コンデンサ
JP4782539B2 (ja) 誘電体磁器
JP2917463B2 (ja) 誘電体磁器組成物