JPH07296637A - 誘電体磁器組成物 - Google Patents

誘電体磁器組成物

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JPH07296637A
JPH07296637A JP6092400A JP9240094A JPH07296637A JP H07296637 A JPH07296637 A JP H07296637A JP 6092400 A JP6092400 A JP 6092400A JP 9240094 A JP9240094 A JP 9240094A JP H07296637 A JPH07296637 A JP H07296637A
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JP
Japan
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dielectric
temperature
small
composition
porcelain
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JP6092400A
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English (en)
Inventor
Takashi Atsuji
孝 厚地
Yasuhiro Tsukada
康博 塚田
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 誘電体磁器組成物の割合をPb〔x(Mg
1/3 Nb2/3 )−y(Zn1/3 Nb2/3 )−z(Sm
1/2 Nb1/2 )〕O3 と表わした時、x、y、z値が図
1の三角ダイヤグラムにおいて座標A、B、C、D、E
の内部の領域(但し、線分AE上を除き、他の線分上を
含む)に位置するとともに、かかる系に対してBaTi
3 を10モル%未満、MnO2 を0.6 重量%以下、Cu
Oを0.1 〜0.6 重量%の割合で添加したことを特徴とす
る。 【効果】 比誘電率が高くかつその温度依存性が小さ
く、絶縁抵抗が高くかつその高温時の低下が小さく、誘
電損失が小さく、しかも磁器密度が大きくて磁器強度が
大きい誘電体材料が得られ、温度特性の優れた高誘電率
系積層型磁器コンデンサが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比誘電率及び絶縁抵抗
が高く、その温度特性に優れた誘電体磁器組成物に関す
るものであり、詳細には、高容量の積層型磁器コンデン
サに適した誘電体磁器組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高誘電率系積層型磁器コンデンサ等に用
いられる誘電体磁器組成物は、その特性上、比誘電率が
高くかつ誘電損失 tanδが低く、また絶縁抵抗が高く、
更にそれらの温度依存性が小さいことが望まれる。これ
らの組成物は強誘電体であるので、その比誘電率εr
は、一般にεr=C/|T−Tc |(式中、Cは定数)
で定義されるキュリー温度Tc で極大になり、Tc を中
心に概ね温度に対して対称的に変化する。そして通常
は、Tc 近傍の高い比誘電率εrを利用して、容積効率
が高い磁器コンデンサが設計されている。この際、目的
とするコンデンサの温度特性に合致させるため、キュリ
ー温度を所望の温度に設定すること、或いは温度依存性
を軽減することについて、考慮される必要がある。その
ために、単一の複合酸化物からなる強誘電体の構成原子
の一部を他の原子で置換し、固溶体として用いることが
行なわれている。
【0003】また、積層型磁器コンデンサが高い環境温
度下で長期に亘って劣化しないで使用されるためには、
誘電体磁器組成物の室温における絶縁抵抗が大きいこと
に加えて、高温、例えば85℃における絶縁抵抗値が大き
いことが要求される。
【0004】従来はBaTiO3 が優れた強誘電体とし
て多用され、EIAJ(日本電子機械工業会)規格にお
ける特性Fの磁器コンデンサには、上記BaTiO3
構成原子であるBaをCaで、またTiをZrやSnで
部分的に置換し、(BaCa)(TiZr)O3 のよう
に表わせる固溶体として用いられている。
【0005】近年、BaTiO3 に代わる誘電体磁器組
成物として、特開昭55-50509号には、Pb(Mg1/3
2/3 )O3 −PbTiO3 の2成分系でMnOを0.00
1 〜1.5 重量%添加する誘電体磁器組成物が開示されて
いる。この組成物によれば、比誘電率が7,000 以上で誘
電損失も0.1 〜1.5 %と小さく、絶縁抵抗も20℃で1×
1012Ω・cm以上と、高誘電率系誘電体の電気的特性に優
れている。
【0006】また特開昭55-144611 号には、Pb(Mg
1/3 Nb2/3 )O3 −PbTiO 3−Pb(Mg1/2
1/2 )O3 の3成分系で、Pb(Mn2/3 1/3 )O3
を0.05〜5.0 重量%添加する誘電体磁器組成物が開示さ
れている。この組成物によれば、比誘電率が3,780 以上
で誘電損失も0.2 〜1.7 %と小さく、絶縁抵抗も20℃で
9×1011Ω・cm以上と、高誘電率系誘電体の電気的特性
に優れている。
【0007】また特開昭62-31905号には、Pb(Mg
1/3 Nb2/3 )O3 −Pb(Zn1/3Nb2/3 )O3
PbTiO3 の3成分系でMgOを1.0 重量%以下の量
で添加する誘電体磁器組成物が開示されている。この組
成物によれば、比誘電率が15,000以上で、誘電損失も3
%以下と小さく、絶縁抵抗も25〜85℃の範囲で1011Ω・
cm以上と、高誘電率系誘電体の電気的特性に優れてい
る。
【0008】更に特開昭62-216106 号には、Pb(F
e,Nd,Nb)O3 系のペロブスカイト型構造化合物
の組成物が開示されている。この組成物によれば、比誘
電率がBaTiO3 系に比べて約2倍と大きいため高容
量化が可能で、同じ容量であれば誘電体層の積層数を低
減できて小型化を図れる。また、低温で焼成できるた
め、安価な銀(Ag)−パラジウム(Pd)系電極材料
が使用できる利点も有するものである。
【0009】更にまた、特開平4-357158号において、P
b(Mg1/3 Nb2/3 )O3 とPb(Zn1/3
2/3 )O3 とPb(Sm1/2 Nb1/2 )O3 とを主成
分とし、BaTiO3 とMnO2 とを添加した誘電体磁
器組成物が提案されている。この組成物によれば、比誘
電率が7,000 以上と高く、かつその温度特性に優れ、し
かも1,050 ℃以下での低温焼成が可能なため、高容量の
積層型磁器コンデンサ用の組成物として有用である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
BaTiO3 を主成分とする組成物、或いは特開昭55-5
0509号、特開昭55-144611 号、特開昭62-31905号、特開
昭62-216106 号にそれぞれ開示された組成物は、比誘電
率の温度依存性が大きかった。例えば特開昭62-216106
号の組成物であっても、−30℃〜+85℃の温度域で、室
温での比誘電率に対して+15%〜−75%と大きく変動す
るため、高容量コンデンサとして一般に用いられる電解
コンデンサに比較して特性が劣っており、実用化の障壁
となっていた。
【0011】また、特開平4-357158号において提案され
た誘電体磁器組成物も、比誘電率が高く、かつその温度
依存性が小さく、更に常温(25℃)での絶縁抵抗が大き
くて絶縁性に優れたものであったが、高温(85℃)での
絶縁抵抗が、常温時の50%以下まで大きく低下してしま
うという問題点があった。従って、絶縁抵抗の温度特性
においてもより優れた特性を有する、高誘電率の誘電体
磁器組成物が望まれていた。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みて本発明者等が
鋭意研究を進めた結果完成されたもので、その目的は、
比誘電率εr及び絶縁抵抗が大きく、かつそれらの温度
依存性が小さく、誘電損失 tanδが小さく、しかも安価
な銀系の電極材料が使用できる低温焼成が可能な誘電体
磁器組成物を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、Pb(M
1/3 Nb2/3 )O3 とPb(Zn1/3 Nb2/3 )O3
とPb(Sm1/2 Nb1/2 )O3 とを主成分とし、かか
る系に対してBaTiO3 を10モル%未満の割合で、ま
たMnO2 を0.6 重量%以下の割合で添加し、更にかか
る系に対してCuOを0.1 〜0.6 重量%の割合で添加し
た誘電体磁器組成物において、比誘電率の温度依存性が
小さい特性を維持しつつ、高温時の絶縁抵抗の低下を抑
制し得ることを知見した。
【0014】即ち、本発明の誘電体磁器組成物は、Pb
(Mg1/3 Nb2/3 )O3 とPb(Zn1/3 Nb2/3
3 とPb(Sm1/2 Nb1/2 )O3 とを含む複合酸化
物主成分の成分割合を、下記の一般式(1) Pb〔x(Mg1/3 Nb2/3 )−y(Zn1/3 Nb2/3 )−z(Sm1/2 Nb1/ 2 )〕O3 ・・・(1) (式中、x+y+z=1)で表わした時、x、y、z値
が図1の三角ダイヤグラムにおいて下記の座標A、B、
C、D、Eの内部(但し、線分AE上を除き、他の線分
上を含む)に位置するとともに、上記一般式(1)で表
わされる複合酸化物主成分に対して、BaTiO3 を1
0モル%未満、MnO2 を0.6重量%以下、CuOを
0.1〜0.6重量%の割合で添加したことを特徴とす
るものである。 A(0.769、0.231、0) B(0.706、0.212、0.082) C(0.399、0.517、0.084) D(0.282、0.658、0.060) E(0.417、0.583、0)
【0015】
【作用】本発明の誘電体磁器組成物(以下、本組成物と
略す)は、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 とPb(Zn
1/3 Nb2/3 )O3 とPb(Sm1/2 Nb1/2 )O3
を含む複合酸化物主成分を、上記所定の割合で調整する
ことにより、比誘電率εrが高くかつその温度依存性が
小さく、常温での絶縁抵抗が高く、しかも誘電損失 tan
δが小さく、磁器強度が高い誘電体となる。
【0016】本組成物の複合酸化物主成分の組成割合を
示す図1の三角ダイヤグラムにおいて、主成分の組成が
上記座標A、B、C、D、Eで囲まれる領域に対して、
線分ABよりもx値が大きい場合は、焼結した後の磁器
密度が低下し、また温度に対する静電容量の変化率が大
きく変動してしまう傾向がある。また、線分BC又は線
分CDよりもz値が大きい場合は、比誘電率εrが4,00
0 未満となり、高誘電率を有する磁器組成物が得られな
くなる傾向がある。また、線分DEを越える場合、即ち
x値が小さくかつy値が大きい場合は、比誘電率εrが
4,000 未満となり、また焼結が困難となる傾向がある。
更に、線分AE上、即ちz=0の場合は、磁器の破断モ
ードが粒内モードから粒界モードとなり、磁器強度が大
きく低下してしまう傾向がある。
【0017】また、本組成物は、上記の組成割合で構成
される複合酸化物主成分に対して、BaTiO3 を10モ
ル%未満の割合の量で添加することにより、磁器を構成
する結晶の純度を高める作用をなし、常温での絶縁抵抗
を向上させることができる。このBaTiO3 の添加量
が10モル%以上に大きくなると、比誘電率εrが大きく
低下してしまう傾向があるため望ましくない。
【0018】加えて、かかる系にMnO2 を0.6 重量%
以下の割合の量で添加することにより、比誘電率εrの
温度依存性を更に低減して小さくすることができる。こ
のMnO2 の添加量が0.6 重量%を越える場合は、比誘
電率εrが低下するとともに、温度に対する静電容量の
変化率が大きくなってしまう傾向があり、好ましくな
い。
【0019】更に、かかる系に対してCuOを0.1 〜0.
6 重量%の割合で添加することにより、磁器の焼結性が
向上し、結晶子間の結合がより一層向上するとともに、
結晶相の純度が向上するため、比誘電率εrを大きく低
下させることなく、高温時(85℃)の絶縁抵抗を常温時
(25℃)の50%以上に維持して高温での低下を抑制する
ことができて、絶縁抵抗についても良好な温度特性を得
ることができる。このCuOの添加量が0.1 重量%未満
の場合には、結晶相の純度が十分でなくなり、いわゆる
パイロクロアー相(主結晶相のペロブスカイトに対する
不純相)となって、高温における絶縁抵抗の低下を低減
する効果が小さくなる。また、CuOの添加量が0.6 重
量%を越える場合には、結晶相に異相が認められない
が、コンデンサ素子の温度特性を所望の範囲内に設定す
ることが困難になる傾向があるため好ましくない。
【0020】以上により本組成物によれば、比誘電率ε
r及び絶縁抵抗が高く、かつそれらの温度依存性が小さ
く、特に高温時における絶縁抵抗の低下が小さく、更に
誘電損失 tanδが小さい誘電体磁器を得ることができ
る。また、磁器密度が大きく、磁器の破断モードが粒内
モードであり、磁器強度が良好な誘電体磁器を得ること
ができる。更に、焼成を1,050 ℃以下の低温で実施する
ことができるので、内部電極材料に、銀の含有率の高い
安価な銀−パラジウム材料を使用でき、積層型磁器コン
デンサの製造コストを低減することができる。
【0021】従って、本組成物を、例えば積層型磁器コ
ンデンサに用いると、比誘電率εr及び絶縁抵抗が高
く、かつその温度変化率が小さい、小型大容量の積層型
磁器コンデンサを得ることができる。また、低温焼成が
可能で安価な電極材料が使用でき、しかも磁器の機械的
強度が優れた、大容量で安価な積層型磁器コンデンサを
得ることができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の誘電体磁器組成物を、実施例
に基づいて詳述する。本組成物の出発原料として、Pb
O、MgO、Nb2 5 、ZnO、Sm2 3 、TiO
2 、BaTiO3 、MnO2 、CuOの各酸化物粉末を
用意した。各酸化物の純度は99.5以上であり、特にSm
2 3 の純度は99.9%以上である。
【0023】各酸化物粉末を表1に示した各組成になる
ように秤量し、ボールミルで混合して調合した。そし
て、これをアルミナ磁器製ルツボに入れて、800 ℃で仮
焼した。次いで、仮焼後に粗砕して、更にジルコニアボ
ールを用いてボールミルで粉砕した。その後、ビニール
アルコールを1%添加して造粒し、直径12mm、厚さ約
1mmの円板状に加圧成形した。この円板状成形体をマ
グネシア製こう鉢に入れ、大気中にて700 ℃で脱脂した
後に、大気中で950 〜1,050 ℃で4時間焼成した。
【0024】得られた各焼結体の電気的特性を評価する
ために、各焼結体の両主面にAg電極を塗布形成して円
板状コンデンサを作製し、試料1〜19とした。
【0025】各試料についての電気的特性の測定は、以
下のように行なった。まず、基準温度25℃で周波数1k
Hz、測定電圧1.0 Vrms の信号を入力し、デジタルL
CRメータ(YHP製4274A)を用いて静電容量及び誘
電損失 tanδを測定し、試料の寸法を考慮して比誘電率
εrを算出した。また、比誘電率εrを−30℃〜+85℃
の温度範囲で測定し、+25℃における比誘電率εrを基
準として、その温度変化率を求めた。更に絶縁抵抗は、
絶縁抵抗計を用いて直流電圧50Vを1分間印加した時の
値を、+25℃と+85℃において測定した。そして、磁器
密度は試料の寸法と重量を測定して算出した。更に、機
械的特性の測定のために3mm×4mm×長さ40mmの
角柱試料を作製し、JISのR1601に準拠して、曲げ強
度を4点曲げ法で測定して求めて、磁器強度を評価し
た。
【0026】これらの測定結果に対しては、以下の値を
評価基準とした。比誘電率εrは、小型で高誘電率のコ
ンデンサを作製するための重要な特性であり、その値が
4,000 を越えるものを良好とした。また、比誘電率εr
の温度変化率は、−30℃及び+85℃において、+20%〜
−30%の範囲内であれば良好とした。絶縁抵抗は、+25
℃で50GΩ以上、+85℃で25GΩ以上であって、更に+
85℃での値が+25℃での値の50%以上であるものを良好
とした。そして磁器密度は、7.80g/cm3 以上を良好
とした。また磁器強度は、曲げ強度が10kgf/mm2
以上のものを良好とした。なお、誘電損失 tanδは、誘
電体磁器のグリーンシートの薄膜化を実現して小型かつ
大容量の積層型磁器コンデンサを作製するための重要な
特性であり、小さい値が望ましい。
【0027】これらの測定結果を表1に示す。磁器強度
については、10kgf/mm2 以上のものを○で、10k
gf/mm2 未満のものを×で表わした。また、表中に
は、これらの結果に基づく評価として、良好な結果を示
したものに○、特性の劣るものに×を示した。なお、表
中において*を付した試料番号のものは比較例であり、
試料番号13、14、15、16及び17は、図1の三角ダイヤグ
ラムの座標(x、y、z)が、それぞれ本発明の範囲を
規定する座標A、B、C、D及びE上に位置しているも
のである。
【0028】
【表1】
【0029】試料番号3〜5、7〜10、12及び14〜16の
ように、x、y、z及びBaTiO3 、MnO2 、Cu
O添加量の各々が本発明の範囲内にある場合は、全ての
結果が良好な特性を示した。これらの結果より、比誘電
率εrが4,000 以上、好適な組成範囲では7,000 以上と
高くしかもその温度変化率が良好で、更に絶縁抵抗が高
く且つ+85℃の高温においても絶縁抵抗の低下が小さ
い、優れた特性の誘電体磁器組成物が得られることが分
かる。また、磁器密度が大きく、誘電損失 tanδも小さ
いものとなる。
【0030】これに対し、試料番号18のように、x、
y、zが本発明の範囲内にない場合には、比誘電率の温
度変化率が大きくなる傾向が見られる。
【0031】また試料番号13及び17のように、x、yが
本発明の範囲内であるが、z=0即ち線分AE上にある
場合は、磁器強度が低下してしまう傾向がある。
【0032】また試料番号11のように、x、y、zが本
発明の範囲内であるが、BaTiO3 添加量が10モル%
を越える場合は、85℃における比誘電率の温度変化率が
−30%以下になり、変化率が大きくなる傾向が見られ
る。
【0033】また試料番号19のように、x、y、z及び
BaTiO3 添加量が本発明の範囲内であるが、MnO
2 添加量が0.6 重量%を越える場合は、比誘電率が小さ
くなり、4,000 を下回るようになる。
【0034】そして、試料番号1、2のように、x、
y、z及びBaTiO3 とMnO2 の添加量が本発明の
範囲内であるが、CuO添加量が0.1 重量%未満の場合
は、比誘電率の温度変化率を小さくする効果が小さくな
り、一方、試料番号6のように0.6 重量%を越える場合
には、85℃における比誘電率の温度変化率が−30%以下
になり、変化率が大きくなる傾向が見られる。
【0035】従って、上記の実施例より分かるように、
本発明の誘電体磁器組成物によって、比誘電率εrが4,
000 以上と高く且つその温度依存性が小さく、絶縁抵抗
が50GΩ以上と高く且つその高温時の低下が小さくて、
しかも誘電損失 tanδが小さく、更に磁器密度が7.80g
/cm3 以上と大きくて曲げ強度が10kgf/mm2
上と優れた特性を有する誘電体磁器が得られる組成物と
するには、上記本組成物の組成構成におけるx、y、z
の座標、並びにBaTiO3 、MnO2 及びCuOの添
加量を、本発明の範囲内に設定することが重要である。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の誘電体磁
器組成物によれば、比誘電率εrが大きく且つその温度
依存性が小さく、絶縁抵抗が高く且つその高温時の低下
が小さくて、しかも誘電損失 tanδが小さく、しかも安
価な銀系の電極材料が使用できる低温焼成が可能な誘電
体磁器組成物を提供することができた。
【0037】そして、本組成物を用いることにより、比
誘電率εrが大きく且つその温度依存性が小さく、絶縁
抵抗が高く且つその高温時の低下が小さくて、しかも誘
電損失 tanδが小さく、更に磁器密度が大きくて曲げ強
度も大きな、優れた特性を有する良好な誘電体磁器が得
られ、高誘電率系で小型大容量の積層型磁器コンデンサ
への応用が可能となる。
【0038】また、本組成物によれば、誘電体磁器を低
温で焼成できるので、安価な銀の含有率が高いAg−P
d電極が使用でき、経済性にも優れた誘電体磁器組成物
並びに積層型磁器コンデンサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の誘電体磁器組成物の主成分組成を示
す、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 、Pb(Zn1/3
2/3 )O3 、Pb(Sm1/2 Nb1/2 )O3の三角ダ
イヤグラムである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 とPb
    (Zn1/3 Nb2/3 )O3 とPb(Sm1/2 Nb1/2
    3 とを含む複合酸化物主成分の成分割合を Pb〔x(Mg1/3 Nb2/3 )−y(Zn1/3
    2/3 )−z(Sm1/2 Nb1/2 )〕O3 (式中、x+y+z=1)で表わした時、x、y、z値
    が図1の三角ダイヤグラムにおいて下記の座標A、B、
    C、D、Eの内部(但し、線分AE上を除き、他の線分
    上を含む)に位置するとともに、上記複合酸化物主成分
    に対してBaTiO3 を10モル%未満、MnO2
    0.6重量%以下、CuOを0.1〜0.6重量%の割
    合で添加したことを特徴とする誘電体磁器組成物。 A(0.769、0.231、0) B(0.706、0.212、0.082) C(0.399、0.517、0.084) D(0.282、0.658、0.060) E(0.417、0.583、0)
JP6092400A 1994-04-28 1994-04-28 誘電体磁器組成物 Pending JPH07296637A (ja)

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