JP3469911B2 - 誘電体磁器組成物 - Google Patents

誘電体磁器組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チタン酸バリウムを主
成分とする誘電体磁器組成物に関し、詳細には、積層型
磁器コンデンサに適し、高温での寿命性能に優れた誘電
体磁器組成物に関する。
【0002】
【従来技術】従来から、BaTiO3 は高誘電率を有す
る材料として知られており、コンデンサ材料として多用
されている。しかしながら、BaTiO3 は、それ自体
では比誘電率の温度依存性が大きいことや誘電損失が大
きいために実用的でないことから、BaTiO3 以外に
各種の金属酸化物を添加することにより特性の改善が行
われている。
【0003】具体的には、特開平3−285209号に
記載されるように、BaTiO3 に対してTa25、Z
nOおよびCaZrO3 を適量添加することにより誘電
損失を小さくでき、さらにMnOの添加により誘電損失
がさらに改善されることが記載されている。
【0004】一方、積層型磁器コンデンサは、その小型
化が進むにつれて、誘電体層の厚みが小さくなる傾向に
あるが、誘電体層の厚みが小さくなると、電界の影響を
大きく受けるので誘電損失が増大する傾向にある。その
ために積層型磁器コンデンサに使用する誘電体材料は、
さらに誘電損失が小さいことが要求され、昨今、誘電体
層が数μmにまでなると誘電体材料の誘電損失(tan
δ)は、0.6%以下であることが必要とされる。ま
た、最近では、特性の経時的劣化の小さいことも望まれ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、上記
先行技術に記載される誘電体磁器組成物によれば、その
ほとんどが、誘電損失が0.6%を越えるものでありこ
の目的には合わない。一部に0.6%以下の組成物も記
載されているが、いずれも比誘電率が3000以下と小
さいためにコンデンサの小型化に限界がある。
【0006】上記先行技術に代表されるようにBaTi
3 を主成分とする従来の誘電体磁器組成物では、誘電
損失が大きく、小型化に適用することができず、ある程
度の誘電損失の低減ができても比誘電率が小さくなると
いう問題があった。また、コンデンサの長寿命化につい
て十分検討されていないのが現状であった。
【0007】よって、本発明の目的は、高い比誘電率を
有しつつ誘電損失の小さい誘電体磁器組成物を提供する
にある。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、上記の
目的に対して検討を重ねた結果、誘電体磁器組成物の主
成分であるBaTiO3 のBa、Tiが化学量論組成よ
りもBaを多く含むことにより誘電損失を大きく低減で
き、しかも高温領域での比誘電率の変化を小さく制御で
きるために他の添加物の添加量を小さくし、比誘電率を
大きくできることさらに、組成物中のSi量が高温での
寿命特性に大きく影響を及ぼすことを知見し、本発明に
至った。
【0009】即ち、本発明の誘電体磁器組成物は、金属
成分として少なくともBa、Ti、Ta、Sm及びZn
を含む複合酸化物からなり、各金属成分の酸化物による
モル比の組成式をaBa1+X TiO3 ・bTa25
cSm23 ・dZnOと表した時、a、b、c、dお
よびx値が0.9705≦a≦0.9850、0.01
00<b≦0.0120、0.0008≦c≦0.00
25、0.0050≦d≦0.0150、0.006≦
x≦0.0180およびa+b+c+d=1を満足する
ことを特徴とするものである。
【0010】本発明において、Ba1+X TiO3 におけ
るx値を上記範囲に限定したのは、x値が0.006よ
り小さいと磁器の誘電損失が大きくなるとともに、温度
特性が劣化し、0.018を越えると磁器密度が小さく
なるからである。
【0011】また、a、b、cおよびdの各値を上記の
範囲に限定したのは、a値が0.9705より小さいと
誘電損失が大きくなるとともに温度特性が劣化し、0.
9850より大きいと半導体化が生じるためである。ま
た、b値が0.0100より小さいと絶縁抵抗が極めて
小さく、コンデンサの機能を有しなくなり、0.012
0より大きいと比誘電率が小さくなるからである。さら
に、c値が0.0025より大きいと温度特性が劣化す
るためである。d値が0.0050より小さいと誘電損
失が大きいとともに温度特性が劣化し、0.0150よ
り大きいと誘電損失が大きくなる。
【0012】a、b、c、dおよびxの各値のより望ま
しい範囲は、0.9725≦a≦0.9832、0.0
110≦b≦0.0125、0.0008≦c≦0.0
025、0.0075≦d≦0.0125、0.006
≦x≦0.018である。
【0013】また、本発明によれば、上述の誘電体磁器
組成物中のSiの酸化物重量換算で20ppm以下であ
ることが望ましい。これは、Si量が、20ppmを越
えると高温高電界下で絶縁抵抗が低下する傾向にあるた
めである。
【0014】さらに、本発明によれば、上述の誘電体磁
器組成物中にMnを実質的に含有しないことが望まし
く、不可避不純物としての混入することを考慮した場
合、酸化物重量換算で300ppm以下であることが望
ましい。Mnは通常、MnOとしてBaTiO3 に添加
することにより誘電損失を低下させたりする効果を有す
るとして多用されるが、本発明によれば、Mn無添加で
誘電損失を十分に低くすることができる。このような本
発明の系によれば、Mnの存在は磁器の寿命性能を劣化
させる要因となることが判明した。即ち、Mn量を上記
の範囲に限定したのは、Mn量が酸化物重量換算量で3
00ppmを越えると、高温高電界を付与した状態で曝
されると絶縁抵抗が大きく劣化するためである。
【0015】本発明の誘電体磁器組成物は、Ba、T
i、Ta、Sm、Znの各金属元素の酸化物、あるいは
BaOとTiO2 とを混合後、仮焼粉砕した複合酸化物
粉末などを用いて、組成物の組成が前述した範囲になる
ように秤量混合した粉末を、あるいは960〜1080
℃の酸化性雰囲気中で仮焼後粉砕した粉末を所望の成形
手段、例えば、ドクターブレード法、金型プレスなどの
方法により成形する。積層型磁器コンデンサを作成する
場合にはシート状に成形すればよい。
【0016】かかる成形体は1300〜1370℃の酸
化性雰囲気中で焼成することにより磁器を作製すること
ができるが、積層型磁器コンデンサを作製する場合に
は、例えば、シート状成形体の表面にPdなどの内部電
極形成用のペーストを塗布し、積層した後に焼成すれば
よい。
【0017】また、本発明によれば、組成物中のSi量
を低減することが重要であるが、Siは、主としてチタ
ン酸バリウム中の不純物や混合、粉砕時のメディアから
混入する場合があるために、最終磁器中のSiの合量が
20ppmを越えないように高純度の原料粉末を用いる
ことおよび製造工程から混入しないようにすることが必
要である。
【0018】
【作用】本発明によれば、チタン酸バリウムとしてBa
の量の化学量論組成よりも多く存在させることにより、
磁器全体の誘電損失を大幅に減少させることができる。
【0019】また、チタン酸バリウムの上記の改良によ
り、磁器の誘電損失を低下させるために添加するTa2
5 の量を少なくすることができ、高い比誘電率を有す
ることになるまた、従来からチタン酸バリウム系におい
て誘電率を高めるためにCaZrO3 を添加されている
が、このCaZrO3 は温度特性を劣化させる。本発明
では、CaZrO3 無添加で高誘電率を有するために温
度特性など他の特性を劣化させることがない。
【0020】本発明の誘電体磁器組成物によれば、比誘
電率3000以上、絶縁抵抗1×1012Ωcm以上、比
誘電率の温度特性(−55℃〜+125℃)が25℃を
基準にして±7.5%以内、エージング率2%/dec
ade以下の優れた誘電特性が得られる。
【0021】これにより、積層型磁器コンデンサにおい
て誘電層の厚みを5μm程度に薄くしても誘電損失が小
さく、高誘電率であるためにコンデンサの小型化を行う
ことができる。
【0022】
【実施例】実施例1 しゅう酸塩法により化学量論組成よりBa過剰側に0.
6〜1.8原子%ずれた組成のしゅう酸バリウムチタノ
ールを合成し、950〜1020℃で仮焼してチタン酸
バリウム粉末を得てこれを主原料とした。この主原料に
Ta25 、Sm23 およびZnO粉末を用いて、組
成が表1および表2の組成となるように秤量混合し、ボ
ールミルで混合し、酢酸ビニル樹脂を粉末100重量部
に対して1重量部添加し顆粒にし、12mmφ×約1.
0mm厚みの円板状に加圧成形した後、大気中で130
0〜1370℃で2時間焼成した。
【0023】得られた磁器に対して嵩密度を測定した
後、銀電極を付与し円板コンデンサを作成し評価試料と
した。そして、1Vrms、1.0KHzの条件で静電
容量及び誘電損失(tanδ)を測定した。また、50
0Vの直流電圧を1分間印加し、絶縁抵抗計にて絶縁抵
抗を測定した。さらに、−55℃〜+125℃の範囲で
静電容量を測定し、25℃の値を基準にして−55℃、
+85℃、+125℃の値から変化率を計算した。その
結果を表1に示した。
【0024】なお表1の試料No.4について、150℃
で1時間熱処理した後、1時間後の静電容量値を基準に
して常温中に100時間放置した直後の静電容量値から
ディケート当たりのエージング率を算出した。尚、比誘
電率は静電容量からAg電極の直径及び磁器厚さから算
出した。これらの測定値及び計算値を表1にそれぞれ記
載した。
【0025】
【表1】
【0026】表1に示すように、a、b、c、dおよび
x値が本発明の範囲を満足する試料は、いずれも高密度
を有し、3000以上の高い比誘電率を示し、0.6%
以下の低い誘電損失、1×1012Ωcmの高い絶縁抵
抗、さらに±7.5%以内の安定した温度特性を有する
ものであった。
【0027】実施例2 実施例1において、不純物としてSi量の異なる原料粉
末を用いて、Ba、Ti、Ta、Sm、Znを用いて、
実施例1と同様にして磁器を作製した。得られた磁器に
対してICP発光分光分析により磁器中のSi量を測定
し表2に示した。
【0028】得られた磁器を直径10mm、厚み約0.
25mmに加工し、かかる磁器に30〜31KV/mm
の電位傾度をもつように直流電圧を印加し、125〜1
27℃の恒温槽中に48時間保存した。そして、試験前
後の絶縁抵抗値(500VDC、1分値)において、試
験後の絶縁抵抗値が試験前のそれの1/4以下に低下し
た場合を劣化とみなし、その割合を表2に示した。
【0029】
【表2】
【0030】表2の結果によれば、不純物としてのSi
の量が30ppmを越えるといずれも絶縁抵抗の低下が
観測された。これは本発明試料について同様な試験を行
ったところ、表2と同様な試験結果を得、かかる傾向が
本発明の誘電体磁器組成物全般にあることを確認した。
【0031】実施例3 同様に、原料中のSi量が1.2ppm、MnO量が
0.5ppmの原料組成物に対してMnO2 粉末を70
〜420ppm添加して秤量混合後、実施例1と同様に
して磁器を作製した。得られた磁器を基に実施例2と同
様にして高温高電圧下での絶縁抵抗の劣化について調
べ、劣化した割合を表3に示した。
【0032】
【表3】
【0033】表3によれば、Mn量が300ppmを越
えると、いずれも絶縁抵抗の低下が観測され、Mn量を
300ppm以下に制御することにより高温高電圧下で
の特性の劣化が抑制されることがわかった。また、表1
の本発明の各試料についても同様な実験を行ったとこ
ろ、表3と同様な結果を得た。
【0034】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明の誘電体磁
器組成物によれば、チタン酸バリウムとしてBaの量の
化学量論組成よりも多く存在させるとともに、Sm、T
aおよびZn量を特定の範囲に制御することにより、磁
器全体の誘電損失を大幅に減少させることができ、比誘
電率3000以上、絶縁抵抗1×1012Ωcm以上、比
誘電率の温度特性(−55℃〜+125℃)が±7.5
%以内、嵩密度5.80g/cm3 以上の高密度の誘電
特性に優れた磁器を得ることができる。
【0035】また、Si量、Mn量を最小限小さくする
ことにより磁器の高温高電界下での特性劣化を防止し、
磁器特性の長寿命化を達成することができる。
【0036】これにより、積層型磁器コンデンサにおい
て誘電層の厚みを5μm程度に薄くしても誘電損失が小
さく、高誘電率であるためにコンデンサの小型化を行う
ことができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも金属成分として、Ba、T
    i、Ta、Sm及びZnを含む複合金属酸化物からな
    り、各金属成分の酸化物によるモル比の組成式をaBa
    1+X TiO3・bTa25 ・cSm23 ・dZnOと
    表した時、 0.9705≦a≦0.9850 0.0100<b≦0.01200.0008 ≦c≦0.0025 0.0050≦d≦0.0150 0.006 ≦x≦0.018 a+b+c+d=1を満足することを特徴とする誘電体
    磁器組成物。
  2. 【請求項2】 少なくとも金属成分として、Ba、T
    i、Ta、Sm及びZnを含む複合金属酸化物からなる
    誘電体磁器組成物であって、該組成物中のSiの酸化物
    重量換算量が20ppm以下、MnのMnO2 重量換算
    量が300ppm以下であることを特徴とする請求項1
    記載の誘電体磁器組成物。
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