JP2001240465A - 誘電体磁器 - Google Patents
誘電体磁器Info
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Abstract
内部電極と同時焼成可能で、2000以上の高い比誘電
率を有し、X8R特性を満足できる誘電体磁器を提供す
ることにある。特に車載用途において、小型、高性能か
つ高信頼性な誘電体磁器を提供できる。 【解決手段】誘電体磁器1において、誘電体層11は、
金属元素として少なくともBaとTiを含有するペロブ
スカイト型複合酸化物からなる主結晶粒子と、金属元素
として少なくともBiを含有する粒界相とからなる誘電
体磁器であって、粒界相のBiがBiとMa(但しMa
はTiとZrの中から選ばれる少なくとも1種類)を含
有する複合酸化物からなる結晶粒子として存在するとと
もに、Si、Zn及びCaがガラスとして存在する。
Description
し、特に車載用で好適に使用される積層セラミックコン
デンサの誘電体磁器に関するものである。
レクトロニクスの発展に伴い、電子部品の小型化が急速
に進行し、また、広範な電子回路に使用されるようにな
ってきている。
られる誘電体磁器は、表面に内部電極が塗布されたシー
ト状の誘電体を複数枚積層するとともに、各シートの内
部電極を交互に並列に一対の外部端子電極に接続し、こ
れを焼結一体化することにより形成される。
ミックコンデンサ、その誘電体磁器においては、−55
〜125℃まで容量変化率が±15%以内という温度特
性を有している。一般に、この特性を有する誘電体材料
は、BaTiO3を主成分とし、内部電極はPdとAg
の合金が用いられ、1200〜1350℃で同時焼成さ
れる。
ピュータ化に伴い、ECU(エンジンコントロールユニ
ット)等が使用され、制御の高度化、小型軽量化のた
め、積層セラミックコンデンサの誘電体磁器がエンジン
ルーム内に設置されることが多くなっている。
期の始動時には−20℃以下、エンジン始動後は夏期で
は+130℃以上と非常に高温になる。このため、X7
R特性の積層セラミックコンデンサでは、125℃を越
えると容量が急激に低下し、150℃では容量変化率は
−40%と低くなるため、エンジンルーム内に設置され
る場合、高温側に対応できないという問題点があった。
規格のX8R特性、すなわち、−55℃〜150℃まで
容量変化率が±15%以内という温度特性を有する誘電
体磁器組成物が、特開平7−37428号公報に開示さ
れている。
部置換したBaTiO3と、ZnO、Bi2O3、Nb2O
5、Re2O3(Reは希土類元素)からなる主成分粒子
と、SiO2を主成分とするガラス粒子から構成されて
いる。
は、BaTiO3,PbO,TiO2,ZnO,Bi
2O3,Nb2O5,Re2O3粉末を所定の組成比となるよ
うに混合した後、仮焼し、該仮焼物に対して、BaO−
SrO−CaO−Li2O−SiO2からなるガラス粒子
を添加し、これを焼成している。
範囲を150℃まで広げている。しかも、1160℃以
下の低温で焼成ができるため、内部電極材料として、安
価なAgの割合を多くできるという効果もある。
開平7−37428号公報に開示された誘電体磁器組成
物では、BiがBaTiO3結晶粒子の粒界相にBi2O
3粒子として存在するため、いずれも比誘電率が200
0未満と小さくなるという問題があった。
される積層セラミックコンデンサに比べて、均一な焼結
が行われにくく、ボイドの数が多くなり、結晶が均一に
分散化せず、グレインサイズが適正化しないため、高温
負荷寿命が劣るという問題点があった。
たものであり、その目的は、1150℃以下の低温で焼
成でき、比誘電率εrが2000以上と高く、温度特性
がX8R特性(−55℃〜+150℃で容量変化率が±
15%以内)を示し、かつ高温負荷寿命に代表される信
頼性試験においては、従来品に比べて大きく改善された
誘電体磁器を提供することを目的とする。
は、金属元素として少なくともBaとTiを含有するペ
ロブスカイト型複合酸化物からなる主結晶粒子と、金属
元素として少なくともBiを含有する粒界相とからなる
誘電体磁器であって、粒界相のBiがBiとMa(但し
MaはTiとZrの中から選ばれる少なくとも1種類)
を含有する複合酸化物からなる結晶粒子として存在する
とともに、Si、Zn及びCaがガラスとして存在する
ことを特徴とする誘電体磁器を提供する。
以下の比較的低温で、Ag、Pdなどを含有する内部電
極と同時焼成できるとともに、比誘電率が2000以上
と高く、かつ高温側における静電容量の温度変化を小さ
くすることができ、特に車載用のコンデンサの誘電体磁
器として良好な特性を示す。
誘電体磁器組成物では、BiをBi 2O3粉末として添加
しているために作製した誘電体磁器ではBaTiO3結
晶粒子の粒界にBi2O3粒子として存在しており、この
ため、比誘電率が最大でも2000程度と小さかった
が、本発明では、主結晶粒子間のBiが、Bi2O3より
も高い誘電率を示し、キュリー温度が高いBiとMaを
含有する複合酸化物(Bi2Ma2O7)からなる結晶粒
子として存在するため、比誘電率を2000以上と高く
できるのである。これにより高温側における静電容量の
温度変化を小さくでき、EIA規格のX8R特性(+2
5℃における静電容量を基準としたとき、−55℃〜+
150℃の広い温度範囲にわたって静電容量の温度変化
率が±15%以内)を満足することができる。
i、Zn、Caで表される非結晶なガラス成分を含有す
ることにより焼結性が向上し、1150℃以下の比較的
低温で焼成でき、Ag、Pdなどを含有する内部電極と
同時焼成でき、かつ、高温負荷寿命に代表される信頼性
試験においては従来のX8R特製品に比べて大きく改善
することができる。
2−ZnO−CaOで表され、SiO2が30〜70モル
部、ZnOが10〜60モル部、CaOが20〜60モ
ル部の範囲にあることが望ましい。上記ガラス粒子を含
有することにより、均一な焼結が行われるため、ボイド
の数が少なくなり、結晶が均一に分散化し、グレインサ
イズを適正化することができる。このため、高温負荷寿
命に代表される信頼性試験においては、従来のX8R特
性品に比べて大きく改善することができる。
を含有し、これらの金属元素酸化物のモル比による組成
式を (100−a)BaTiO3+a(Bi2O3・2Ma
O2) と表した時、前記aが 2.5≦a≦6.0 を満足する主成分と、該主成分100モル部に対して、
NbがNb2O5換算で0.7〜1.9モル部、希土類元
素がRe2O3換算(Reは希土類元素)で0.5モル部
以下(0モル部は含まず)とを含有し、かつ、該主成分
が100重量部に対して、前記ガラス粒子が0.6〜
2.0重量部からなる誘電体磁器であっても良い。
50℃以下の比較的低温で焼成でき、比誘電率を200
0以上と高くでき、高温側における静電容量の温度変化
を小さくできるため、X8R特製品の値を満足するとと
もに、Ag、Pdを主成分とし、Pdの含有率が40%
以下である内部電極と同時焼成でき、原材料費に占める
内部電極材料費を削減することによるコストダウンを実
現できる。
セラミックコンデンサを例にして図面に基づいて詳説す
る。
ンサ1の断面図である。また、図2は図1の誘電体層中
の誘電体磁器の粒子及び粒界相を説明するための部分拡
大図である。図1のように、本発明の積層セラミックコ
ンデンサ1は、誘電体層11と内部電極12とを交互に
複数枚積層し、その端面に外部端子電極2,3が形成さ
れている。
は、金属元素として少なくともBaとTiを含有するペ
ロブスカイト型複合酸化物からなる主結晶粒子21と、
金属元素として少なくともBiを含有する粒界相24と
からなる誘電体磁器であって、粒界相24のBiがBi
とMa(但しMaはTiとZrの中から選ばれる少なく
とも1種類)を含有する複合酸化物からなる結晶粒子2
2として存在するとともに、Si、Zn及びCaがガラ
ス23として存在するものである。このような構成によ
り、比誘電率が2000以上と高く、かつX8R特性を
示す積層セラミックコンデンサ1を得ることができる。
BiがBaTiO3結晶粒子の粒界相にBi2O3粒子と
して存在するため、比誘電率が最大でも2000程度と
小さかったが、本発明では、Biは金属元素として少な
くともBaとTiを含有するペロブスカイト型複合酸化
物からなる主結晶粒子の間に、BiとMaを含有する複
合酸化物(Bi2Ma2O7)からなる結晶粒子22とし
て存在する。このため、比誘電率を2000以上と高く
でき、高温側における静電容量の温度変化を小さくで
き、EIA規格のX8R特性を満足する。これは、Ba
TiO3結晶粒子の粒界相24に存在するBi2Ma2O7
が、Bi2O3よりもキュリー温度が高く(キュリー温度
は300℃以上)、しかもキュリー温度における比誘電
率が高い(室温での比誘電率は4000以上)ため、高
温側の温度特性の改善と高容量化という相反する特性を
満足できると考えられる。
(Bi2Ma2O7)からなる結晶粒子22としてのみ存
在することは、焼結体のX線回折測定において、複合酸
化物のピークのみが存在し、Bi2O3のピークが存在し
ないことにより確認できる。
iでもZrでも同様の特性を示すが、誘電率を高くする
ためには、Tiが望ましい ここで、前記ガラス粒子23の組成式がSiO2−Zn
O−CaOで表され、SiO2がSiO2換算で20〜7
0モル部、ZnOがZnO換算で10〜60モル部、C
aOがCaO換算で20〜60モル部の範囲にあること
が望ましい。
り、均一な焼結が行われるため、ボイドの数が少なくな
り、結晶が均一に分散化し、グレインサイズを適正化す
ることができる。このため、高温負荷寿命に代表される
信頼性試験においては、従来のX8R特性品に比べて大
きく改善することができる。ここで、ガラスを0.6〜
2.0重量部含有させる理由は、ガラス添加量が0.6
重量部未満の場合は、比誘電率が2000以下に小さく
なり、−55〜+150℃における温度特性が15%よ
り大きくなることによる。一方、2.0重量部を越える
場合は、焼結性が悪くなり、誘電損失が3.0%以上と
なる。また、ガラス組成におけるSiをSiO2換算で
20〜70モル部含有させる理由は、20モル部未満の
場合は、焼結性が悪くなり、誘電損失が3.0%以上と
なることによる。一方、70モル部を越える場合には比
誘電率が小さくなり、上記温度特性が15%より大きく
なる。さらに、誘電体磁器の比誘電率と誘電損失の観点
から40〜50モル部が好ましい。
部含有させる理由は、10モル部未満の場合は、焼結性
が悪くなり、誘電損失が3.0%以上となることによ
る。一方、60モル部を越える場合には比誘電率が小さ
くなり、上記温度特性が15%より大きくなる。さら
に、誘電磁器の比誘電率と誘電損失の観点から20〜3
0モル部が好ましい。
部含有させる理由は、20モル部未満の場合は、焼結性
が悪くなり、誘電損失が3.0%以上となることによ
る。また、60モル部を越える場合には比誘電率が小さ
くなり、上記温度特性が15%より大きくなる。さら
に、誘電体磁器の比誘電率と誘電損失の観点から30〜
40モル部が好ましい。
てBa、Ti及びBiを含有し、これらの金属元素酸化
物のモル比による組成式を(100−a)BaTiO3
+a(Bi2O3・2MaO2)と表した時、前記aが
2.5≦a≦6.0を満足する主成分と、該主成分10
0モル部に対して、NbがNb2O5換算で0.7〜1.
9モル部、希土類元素がRe2O3換算(Reは希土類元
素)で0.5モル部以下(0モル部は含まず)とを含有
し、かつ、該主成分が100重量部に対して、前記ガラ
ス粒子が0.6〜2.0重量部からなることが望まし
い。
(Bi2Ma2O7)のモル比aを2.5≦a≦6.0と
した理由は、モル比aが2.5モル部未満の場合は焼結
性が悪くなり、誘電損失が3.0%以上となることによ
る。また、6.0モル部を越える場合には、比誘電率が
低下したり、上記温度特性が15%より大きくなるため
である。さらに、誘電体磁器の比誘電率と温度特性の観
点からは3.5≦a≦4.4が好ましく、本発明の組成
系では、150℃における静電容量の変化率が最小とな
る。
1.9モル部含有させる理由は、添加量が0.7モル部
未満の場合は、焼結性が悪くなり、誘電損失が3.0%
以上となることによる。また、1.9モル部を越える場
合には比誘電率が小さくなり、温度特性が15%より大
きくなる。さらに、誘電体磁器の比誘電率と誘電損失の
観点から0.9〜1.4モル部が好ましい。
は希土類元素)で0.5モル部以下(0モル部を含ま
ず)含有させる理由は、添加量が0モル部の場合は、焼
結性が悪くなり、誘電損失が3.0%以上となることに
よる。また、0.5モル部を越える場合には比誘電率が
小さくなる。さらに、比誘電率の観点から0.25〜
0.4モル部が好ましい。希土類元素としては、Sc,
Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,G
d,Tb,Dy、Ho、Er、Tm、Yb等があるが、
このうち、Y,La,Ce,Nd,Sm,Tb,Dy,
Ho,Erが好ましく、特にTbが望ましい。
結性が向上し、1150℃以下の比較的低温で焼成でき
るため、Ag、Pdを主成分とし、Pdの含有率が40
%以下である内部電極12と同時焼成できる。すなわ
ち、原材料費に占める内部電極材料費を削減でき、コス
トダウンを実現できる。
1は、内部電極12として、Agを含む合金を使用し、
Agを70%以上含有する内部電極12を用いること
で、電極の形成状態が良好になり、導通抵抗をより低く
できる。また、安価なAgを用いることで、電極材料費
のコストダウンが可能になる。ここで、内部電極12と
誘電体層11の同時焼成において焼成温度は、1150
℃以下、特に1000〜1150℃が望ましい。
2の各原料粉末を表1〜6に示す割合で秤量し、該原料
粉末に媒体として純水を加えて24時間ボールミルにて
混合した後、該混合物を乾燥し、次いで、該乾燥物を9
00℃の温度で大気中1時間仮焼した。
はジルコン酸塩を析出せしめるために、予めBi2O3粉
末と、MaO2粉末を用いてBi2Ma2O7結晶を生成
し、このBi2Ma2O7粉末を平均粒径0.6μmまで
粉砕後、BaTiO3に添加した。
は、予め、二酸化珪素(SiO2)、酸化亜鉛(Zn
O)、酸化カルシウム(CaO)を用意し、SiO2が
30〜70モル部、ZnOが10〜60モル部、CaO
が20〜60モル部の範囲内での組成比率になるように
調合し、水と共にボールミルに入れ、湿式で十分に撹拌
混合して、混合物を得た。次にこの混合物を乾燥した
後、白金坩堝に入れて1400℃に加熱し、溶融した混
合物を水中に滴下して急冷しガラスを得た後、このガラ
スを粉砕して平均粒径1μm程度の微粉末にした。
Tiの化合物、Nb、Tb等の粉末を表2に示す割合と
なるように秤量し、分散剤、分散媒とともに24時間ボ
ールミルにて混合し、原料スラリーを調整した。このス
ラリーに有機バインダー、可塑剤を加え、十分攪拌後ド
クターブレード法によりフィルム状シートに成形した。
このフィルム状シートに、内部電極用に調整したAg−
Pdペースト(Ag:70重量%、Pd:30重量%)
をスクリーン印刷法等により印刷した後、ダミー層を加
えて積層し、熱圧着後切断した。これを大気中、300
℃の温度で2時間加熱して脱バインダー処理し、引き続
いて1100℃で大気中で2時間焼成した。バレル後、
端子電極用に調整したAgペーストを端面に塗布、70
0℃、大気中で焼き付け、メッキを行い端子電極とし、
磁器の寸法3.2mm×1.6mm、有効電極面積2.
2×1.1mm、誘電体厚み25μm×10層の積層コ
ンデンサを作製した。
84Aを用いて、周波数1.0kHz、入力信号レベル
1.0Vrmsにて静電容量を測定し、比誘電率を算出
した。
誘電損失を測定し、誘電損失が3.0%以上のチップを
燒結不十分と判定した。
25℃の時の静電容量を基準として、−55〜150℃
の範囲における容量変化率の最大値を測定した。なお、
本発明の組成系では、150℃で容量変化率が最大値と
なるので、温度特性は150℃における容量変化率を示
す。
粉末状に解砕し、X線回折測定を行いBiがどのような
結晶として存在しているかを確認した。
上、誘電損失:3.0%未満、温度特性:15%以下)
をクリアした条件については、さらに高温負荷試験(1
50℃/400V×125Hr、試料数300ヶ)、す
なわち、上記条件にチップを放置した場合の静電容量、
絶縁抵抗、誘電損失の変化を調べた。ここで、125H
r放置後に試料のチェックを行い、上記特性の悪化する
チップが無い場合をOK、ある場合をNGとした。これ
らの結果を表1、表2に記載する。
とBi2Ti2O7結晶相と、Si、Zn及びCaのガラ
スを有する本発明の資料では、1150℃以下の低温で
焼成できるとともに、比誘電率εrが2000以上であ
ることが理解される。
1150℃以下の低温で焼成できるとともに、比誘電率
εrが2050以上、測定周波数1KHzでの誘電損失
が3.0%以下、EIAのX8R特性(+25℃におけ
る静電容量を基準としたとき、−55℃〜+150℃の
広い温度範囲にわたって静電容量の温度変化率が±15
%以内)、目標特性(静電容量:2000以上、誘電損
失:3.0%未満、温度特性:15%以下)をクリアし
た条件について高温負荷試験(150℃/400V×1
25Hr、試料数300ヶ)も満足していた。図3に資
料番号5についての静電容量の容量変化率を記載した。
末を添加しない場合であり、この場合には、焼結性にお
いて問題があった。また、モル比aが2.4モル部の場
合(試料No2)は焼結性が低下し、誘電損失が3.0
6%になり、一方、6.1モル部の場合(試料No8)
には、比誘電率が1940に低下し、温度特性が15.
9%と低くなったことがわかる。
加した、比較例(試料No9)では、Biの結晶として
Bi2O3結晶のみ析出しており、比誘電率が1820、
誘電損失も2.11%であり、温度特性が40.2%と
悪くなっていることが理解できる。
0)も、目標特性をクリアできたが、比誘電率、温度特
性の点から、Tiである場合(試料No5)の方が比誘
電率、温度特性が優れていることが理解できる。
11)は、焼結性が悪くなり、誘電損失が3.21%と
高くなることが判る。また、bが2.0モル部の場合
(試料No16)は、比誘電率が1950と低くなり、
温度特性が15.2%となることが判る。
(試料No17)は、焼結性が悪くなり、誘電損失が
3.12と高くなることが判る。また、0.55モル部
の場合(試料No22)は、比誘電率が1980になっ
ており、十分な比誘電率が得られないことが理解でき
る。
d,Sm,Ce,Y,Dy,Ho,Erを用いた場合
(試料No23〜30)も、目標特性をクリアしたが、
温度特性の点から、特にTbを用いた場合(試料No
5)が望ましいことがわかった。
31)は、誘電損失が3.12%と高くなり、温度特性
が15.4%となった。また、dが2.1重量部の場合
(試料No36)は、比誘電率が1980となった。
換算で15モル部含有した場合(試料No37)、誘電
損失が3.08と高くなることが判る。SiがSiO2
換算で75モル部含有した場合(試料No38)は比誘
電率が1980となった。ZnをZnO換算で5モル部
含有した場合(試料No39)、誘電損失が3.12%
と高くなった。また、65モル部の場合(試料No4
0)には比誘電率が1980となった。
した場合(試料No41)、誘電損失が3.04%と高
くなった。また、65モル部の場合(試料No42)に
は比誘電率が1940となった。また、試料No1〜4
2は、溶融したガラス粒子をBaTiO3に混合した
が、ガラスを溶融させずに添加した場合(試料No4
3)、高温負荷試験で125Hr放置した結果、導通し
て破壊に至るチップがあった。
コンデンサにおいて、誘電体層は、金属元素として少な
くともBaとTiを含有するペロブスカイト型複合酸化
物からなる主結晶粒子と、金属元素として少なくともB
iを含有する粒界相とからなる誘電体磁器であって、粒
界相のBiがBiとMa(但しMaはTiとZrの中か
ら選ばれる少なくとも1種類)を含有する複合酸化物か
らなる結晶粒子として存在するとともに、Si、Zn及
びCaがガラス23として存在し、前記粒界相のBi
は、BiとTiとを含有する複合酸化物からなる結晶粒
子としてのみ存在するために、比誘電率が2000以上
と高く、かつ温度特性が−55℃〜+150℃迄で±1
5%の容量変化率範囲内のX8R特性を示す誘電体磁器
を得ることができる。
a、Ti及びBiを含有し、これらの金属元素酸化物の
モル比による組成式を(100−a)BaTiO3+a
(Bi2O3・2MaO2)と表した時、前記aが2.5
≦a≦6.0を満足する主成分と、該主成分100モル
部に対して、NbがNb2O5換算で0.7〜1.9モル
部、希土類元素がRe2O3換算(Reは希土類元素)で
0.5モル部以下(0モル部は含まず)とを含有し、か
つ、該主成分が100重量部に対して、前記ガラス粒子
が0.6〜2.0重量部からなるために、さらに前記ガ
ラス粒子23の組成式がSiO2−ZnO−CaOで表
され、SiO2がSiO2換算で20〜70モル部、Zn
OがZnO換算で10〜60モル部、CaOがCaO換
算で20〜60モル部の範囲にあるために、均一な焼結
が行われ、ボイドの数が少なくなり、結晶が均一に分散
化し、グレインサイズを適正化することができる。この
ため、高温負荷寿命に代表される信頼性試験において
は、従来のX8R特性品に比べて大きく改善することが
できる。
比較的低温で焼成できるため、Ag、Pdを主成分と
し、Pdの含有率が40%以下である内部電極と同時焼
成できる。すなわち、原材料費に占める内部電極材料費
を削減でき、コストダウンを実現できる。
クコンデンサの断面図である。
クコンデンサの誘電体中に存在する粒子及び粒界相を説
明するための部分拡大図である。
グラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 金属元素として少なくともBaとTiを
含有するペロブスカイト型複合酸化物からなる主結晶粒
子と、金属元素として少なくともBiを含有する粒界相
とからなる誘電体磁器であって、 粒界相のBiがBiとMa(但しMaはTiとZrの中
から選ばれる少なくとも1種類)を含有する複合酸化物
からなる結晶粒子として存在するとともに、Si、Zn
及びCaがガラスとして存在することを特徴とする誘電
体磁器。 - 【請求項2】前記粒界相のBiは、BiとTiとを含有
する複合酸化物からなる結晶粒子としてのみ存在するこ
とを特徴とする請求項1記載の誘電体磁器。 - 【請求項3】 前記ガラス粒子の組成式がSiO2−Z
nO−CaOで表され、SiO2がSiO2換算で20〜
70モル部、ZnOがZnO換算で10〜60モル部、
CaOがCaO換算で20〜60モル部の範囲にあるこ
とを特徴とする請求項1記載の誘電体磁器。 - 【請求項4】金属元素としてBa、Ti及びBiを含有
し、これらの金属元素酸化物のモル比による組成式を (100−a)BaTiO3+a(Bi2O3・2Ma
O2) と表した時、前記aが 2.5≦a≦6.0 を満足する主成分と、該主成分100モル部に対して、
NbがNb2O5換算で0.7〜1.9モル部、希土類元
素がRe2O3換算(Reは希土類元素)で0.5モル部
以下(0モル部は含まず)とを含有し、かつ、該主成分
が100重量部に対して、前記ガラス粒子が0.6〜
2.0重量部からなることを特徴とする請求項1記載の
誘電体磁器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000050174A JP2001240465A (ja) | 2000-02-25 | 2000-02-25 | 誘電体磁器 |
Applications Claiming Priority (1)
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2000
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CN108409319B (zh) * | 2018-03-06 | 2021-03-26 | 同济大学 | 高储能密度及充放电性能的无铅陶瓷材料及其制备方法 |
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