JPH10161093A - 液晶表示素子用配線基板の製造方法および液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子用配線基板の製造方法および液晶表示素子

Info

Publication number
JPH10161093A
JPH10161093A JP31826296A JP31826296A JPH10161093A JP H10161093 A JPH10161093 A JP H10161093A JP 31826296 A JP31826296 A JP 31826296A JP 31826296 A JP31826296 A JP 31826296A JP H10161093 A JPH10161093 A JP H10161093A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
metal
metal wiring
crystal display
intermediate layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31826296A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyuki Kishimoto
和之 岸本
Hisashi Akiyama
久 秋山
Hideji Saneyoshi
秀治 実吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
UK Government
Sharp Corp
Original Assignee
UK Government
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by UK Government, Sharp Corp filed Critical UK Government
Priority to JP31826296A priority Critical patent/JPH10161093A/ja
Priority to US08/976,241 priority patent/US6008877A/en
Priority to KR1019970063469A priority patent/KR100278695B1/ko
Priority to DE69738444T priority patent/DE69738444D1/de
Priority to EP97309628A priority patent/EP0845696B1/en
Publication of JPH10161093A publication Critical patent/JPH10161093A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0306Inorganic insulating substrates, e.g. ceramic, glass
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/10Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern
    • H05K3/107Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern by filling grooves in the support with conductive material
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/10Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern
    • H05K3/14Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern using spraying techniques to apply the conductive material, e.g. vapour evaporation
    • H05K3/143Masks therefor

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低抵抗の金属配線を有する配線基板を、液晶
の配向乱れの原因となる段差が透光性基板の表面に形成
されないように製造する。 【解決手段】 ガラス基板1上に塗布したフォトレジス
ト21にパターン21a…を形成し、ガラス基板1にエ
ッチングを施して溝1a…を形成する。スパッタリング
または蒸着により、ガラス基板1および金属配線層16
…の両方に密着性が良好な導電性材料22を成膜する。
溝1aの側面(曲面状の部分)に形成された導電性材料
22をイオン衝撃で除去し、平坦な導電性中間層15を
形成する。このとき、溝1a…の側面上の導電性材料2
2は、薄いために他の部分より先に除去される。電解メ
ッキにより溝1a…内に金属配線層16…を形成する。
導電性中間層15が溝1aの底部に平坦に形成されるの
で、金属配線層16は、溝1a…の側面に沿って成膜さ
れる両側縁が僅かに盛り上がるが、ほぼ平坦に形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画素に電圧を印加
するための電極の配線抵抗を低下させる金属配線を有
し、特に大型の液晶表示素子に好適な配線基板の製造方
法およびその配線基板を備えた液晶表示素子に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、一般に、対向して配さ
れる一対の透光性基板間に液晶層が介在される液晶セル
を有している。上記透光性基板には、所定のパターンに
形成された透明電極が液晶層に電圧を印加するために設
けられている。
【0003】このような液晶表示装置は、コンピュータ
などの情報機器やテレビジョンなどの映像機器のディス
プレイとしての利用が進められている。近年では、これ
に対応するように大画面化の要求が高まり、その要求に
対して各種の開発が行われている。
【0004】ところが、液晶表示装置の大型化に伴い、
透明電極の配線抵抗により印加電圧の波形が歪むという
不都合が生じる。このような不都合を解消するには、配
線抵抗が低くなければならない。このため、透明電極を
形成する透明導電膜に代えて抵抗の低い金属配線を用
い、さらに膜厚を大きくする必要がある。しかしなが
ら、大きい膜厚の金属配線を用いると、透光性基板上に
大きな段差が形成されるので、その段差部分において液
晶の配向が乱れ、それにより表示品位が低下してしま
う。
【0005】このような液晶の配向乱れを防ぐには、金
属配線を透光性基板に埋設することが考えられる。例え
ば、本願出願人が先に出願した特願平7−287671
号には、透光性基板にエッチングによって溝を形成し、
その溝に導電体を透光性基板と同一平面をなすように埋
設することが記載されている。上記の導電体として金属
配線を透光性基板に埋設すれば、上記のような不都合を
解消することができる。
【0006】また、J. Electrochem. Soc.,140,No.8,Au
gust 1993, p2410-2414 には、金属配線を基板上にパタ
ーニングした後、SiO2 をLPD(Liquid-phase depo
sition) 法によって金属配線以外の部分に成膜して、基
板表面を平坦化する方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特願平7−
287671号に記載された技術を用いて、金属配線を
透光性基板に埋設する場合、形成される金属配線の膜厚
がせいぜい1μmである。このため、より大型の液晶パ
ネルを作製するには抵抗が高く、金属配線の膜厚が不十
分である。
【0008】金属配線を1μm以上の膜厚に形成するに
は、スパッタリングや蒸着法のみでは、成膜速度やコス
トの面で実用上問題がある。したがって、このような問
題を解決するには、メッキなどの厚膜化プロセスが別途
必要になる。しかしながら、このような膜厚化プロセス
を採用すると、金属配線を透光性基板と同一平面をなす
ように埋設することが非常に困難になる。
【0009】また、図6(a)に示すように、ガラスや
プラスチックのような材料からなる透光性基板31にエ
ッチングを施す場合、透光性基板31が結晶構造を持た
ないため、透光性基板31が等方的にエッチングされて
いく。このため、透光性基板31には、両側に曲面(テ
ーパ面)を有する溝31a…が形成される。
【0010】このような溝31a…に金属を成膜する場
合、溝31a…の形状を反映して膜が成長するので、図
6(b)に示すように、両側縁に盛り上がり部32a…
を有する金属配線32…が形成される。この結果、金属
配線32…が透光性基板31とともに平坦面を形成する
ように金属配線32…を設けることができなくなる。
【0011】しかも、上記の方法では、金属配線32…
の膜厚を大きくするために溝31a…を深く形成するほ
ど、溝31a…のテーパ面が大きくなる。それゆえ、盛
り上がり部32a…も大きくなってしまう。
【0012】一方、J. Electrochem. Soc.に記載された
方法では、平坦な金属配線を得ることができるものの、
SiO2 の成膜速度が非常に遅い(20nm/h)。こ
のため、例えば、2μmの厚みの膜を得ようとするに
は、100hもの時間を要する。また、この方法では、
化学反応によって膜を成長させるため、溶液の温度や溶
液中の各成分の濃度が成膜速度に影響を及ぼす。それゆ
え、成膜に供する溶液に厳密な管理が要求されるといっ
た問題がある。
【0013】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、液晶の配向乱れの原因となる段差が透光性
基板の表面に現れない低抵抗の金属配線を短時間で形成
する方法およびそのような金属配線が形成された透光性
基板を有する液晶表示素子を提供することを目的として
いる。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の液晶表示素子用配線基板の製造方法は、少なくとも金
属配線と透明導電膜とからなる所定パターンの電極を透
光性基板上に形成する液晶表示素子用配線基板の製造方
法において、上記の課題を解決するために、以下の第1
ないし第4の工程、すなわち、(1)上記透光性基板上
に所定パターンの溝を形成する第1工程と、(2)上記
溝の部分にのみ上記透光性基板と上記金属配線とに密着
する材料からなる導電性中間層を形成する第2工程と、
(3)上記導電性中間層を平坦化する第3工程と、
(4)平坦化された上記導電性中間層上の上記溝内に金
属メッキにより上記金属配線を形成する第4工程とを含
んでいることを特徴としている。
【0015】上記の方法では、第1工程で得た溝におい
て、第2工程により形成された導電性中間層が第3工程
により平坦化されるので、第4工程でメッキにより形成
される金属配線の両側縁が大きく盛り上がることはなく
なる。これにより、金属配線の表面がほぼ平坦になるの
で、金属配線を透光性基板と同一平面をなすように形成
することができる。
【0016】また、導電性中間層が透光性基板と金属配
線とに密着する材料からなるので、透光性基板上に直接
金属配線が形成される構成に比べて、金属配線が基板上
に強固に固定される。
【0017】さらに、メッキの成膜速度がスパッタリン
グや蒸着のそれに比べて速いことから、設備や材料に要
するコストが安い。それゆえ、メッキは、比較的大きい
膜厚が要求される金属配線を形成するのに適している。
【0018】上記の方法における第2工程は、請求項2
に記載のように、金属、金属酸化物または金属と金属酸
化物との組み合わせにより上記導電性中間層を形成する
ことが好ましい。このように、金属、金属酸化物または
金属と金属酸化物との組み合わせから、透光性基板の材
料と金属配線の材料との双方に良好な密着性を示す材料
を選択することができる。
【0019】請求項1または2の方法における第3工程
は、請求項3に記載のように、イオン衝撃により上記溝
の側面に形成された上記導電性中間層を除去することが
好ましい。このように、イオン衝撃を用いれば、導電性
中間層の表面を削ることにより導電性中間層を除去する
ので工程数が少ない。
【0020】請求項1または2の方法における第3工程
は、請求項4に記載のように、リフトオフにより上記溝
の側面に形成された上記導電性中間層を除去することが
好ましい。このように、リフトオフを用いれば、イオン
衝撃を用いるよりも工程数が多くなるものの、イオン衝
撃のように導電性中間層の表面を削らないので、導電性
中間層を厚めに成膜しなくてもよい。また、リフトオフ
は、イオン衝撃のように装置を汚染することがないの
で、それだけ保守に手間がかからない。
【0021】請求項1ないし4のいずれかの方法では、
請求項5に記載のように、第4工程におけるメッキ処理
を電解メッキ法により行うことが好ましい。このよう
に、電解メッキ法を用いれば、導電体すなわち導電性中
間層の上にのみ金属をメッキすることができる。
【0022】請求項5の方法では、請求項6に記載のよ
うに、上記メッキ処理に銅メッキ液を用いることが好ま
しい。これにより、金属配線が銅により形成される。銅
は、銀に次いで抵抗率が低く、かつ銀や金に比べてコス
トがかからない。
【0023】請求項1ないし6のいずれかの方法におけ
る上記第4工程は、請求項7に記載のように、1〜6μ
mの厚みで上記金属配線を形成することが好ましい。金
属配線の厚さ(膜厚)は、金属配線を形成する金属の抵
抗率と、必要とされる配線抵抗値とで決定される。大型
(40インチ程度)の液晶表示素子の場合、配線抵抗
は、シート抵抗値でいえば0.01〜0.03Ω/□程
度必要とされる。
【0024】したがって、金属配線として適した金属の
最低の抵抗率が2μΩcmであれば、膜厚は0.7〜2
μmとなる。また、金属配線として適した金属の最高の
抵抗率が6μΩcmであれば、膜厚は2〜6μmとな
る。したがって、膜厚の範囲は0.7〜6μmとなる
が、1μmより薄い膜は、スパッタリングにより形成す
ることができるので、メッキを用いる場合の膜厚の好適
な範囲は1〜6μmに定められる。
【0025】本発明の請求項8に記載の液晶表示素子
は、少なくとも金属配線と透明導電膜とからなる所定パ
ターンの電極を有する一対の透光性基板と、対向して配
される上記透光性基板の間に形成される液晶層とを備え
た液晶表示素子において、上記の課題を解決するため
に、上記透光性基板に設けられた所定パターンの溝に上
記透光性基板と上記金属配線とに密着する材料により平
坦に形成された導電性中間層を備え、上記金属配線が上
記導電性中間層上の上記溝内に金属メッキにより形成さ
れていることを特徴としている。
【0026】上記の液晶表示素子では、金属配線が平坦
な導電性中間層上に金属メッキにより形成されているの
で、金属配線の両側縁が大きく盛り上がることはなくな
る。このように、金属配線の表面がほぼ平坦になるの
で、金属配線を透光性基板と同一平面をなすように形成
することができる。
【0027】また、導電性中間層が透光性基板と金属配
線とに密着する材料からなるので、透光性基板上に直接
金属配線が形成される構成に比べて、金属配線が基板上
に強固に固定される。
【0028】さらに、メッキの成膜速度がスパッタリン
グや蒸着のそれに比べて速いことから、設備や材料に要
するコストが安い。それゆえ、メッキは、比較的大きい
膜厚が要求される金属配線を形成するのに適している。
【0029】上記液晶表示素子における上記導電性中間
層は、請求項9に記載のように、金属、金属酸化物また
は金属と金属酸化物との組み合わせにより形成されてい
ることが好ましい。これにより、金属、金属酸化物また
は金属と金属酸化物との組み合わせから、透光性基板の
材料と金属配線の材料との双方に良好な密着性を示す材
料を選択することができる。
【0030】請求項8または9の液晶表示素子における
上記金属配線は、請求項10に記載のように、電解メッ
キ法により形成されていることが好ましい。電解メッキ
法によれば、導電体すなわち導電性中間層の上にのみ金
属をメッキすることができる。
【0031】請求項10の液晶表示素子における上記金
属配線は、請求項11に記載のように、銅メッキにより
形成されていることが好ましい。これにより、金属配線
が銅により形成される。銅は、銀に次いで抵抗率が低
く、かつ銀や金に比べてコストがかからない。
【0032】請求項8ないし11に記載のいずれかの液
晶表示素子における上記金属配線は、1〜6μmの厚み
に形成されていることが好ましい。このような厚みで金
属メッキにより金属配線が形成されることにより、前述
のように、大型の液晶表示素子に適した配線抵抗値を得
ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図5に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。
【0034】本実施の形態に係る液晶表示素子は、図3
に示すように、互いに対向する2枚のガラス基板1・2
を透光性基板として備えている。なお、透光性かつ絶縁
性を有しておれば、ガラス基板1・2の代わりにポリメ
チルメタクリレートのように樹脂からなる基板を用いて
もよい。
【0035】ガラス基板1の表面には、例えばインジウ
ム錫酸化物(一般にITOと称される)からなる複数の
信号電極3…(透明導電膜)が互いに平行に配置され、
さらにその上に、例えば酸化シリコン(SiO2 )から
なる透明な絶縁膜4が積層される。
【0036】一方、ガラス基板2の表面には、例えばI
TOからなる複数の透明な走査電極5…(透明導電膜)
が信号電極3…と直交するように互いに平行に配置され
ている。これらの走査電極5…は、SiO2 などからな
る透明な絶縁膜6で被覆されている。
【0037】上記の絶縁膜4・6上には、ラビング処理
などの一軸配向処理が施された配向膜7・8がそれぞれ
形成されている。配向膜7・8としては、ポリイミド、
ナイロン、ポリビニルアルコールなどの有機高分子から
なる膜やSiO2 斜方蒸着膜が用いられる。
【0038】上記のようにして信号電極3…、絶縁膜4
および配向膜7が形成されたガラス基板1と、走査電極
5…、絶縁膜6および配向膜8が形成されたガラス基板
2は、一定の間隔(セルギャップ)をおいて対向するよ
うにシール剤9で貼り合わされている。そのガラス基板
1・2の間に形成される空隙には、液晶10が充填され
て液晶層を形成している。液晶10は、シール剤9に設
けられた図示しない注入口から注入され、その注入口が
封止剤11で封止されることにより封入される。
【0039】ガラス基板1・2は、偏光軸が互いに直交
するように配置された2枚の偏光板12・13で挟まれ
ている。また、表示面積が広い場合には、セルギャップ
が一定となるように、配向膜7・8の間にスペーサ14
…が配置される。
【0040】上記の信号電極3…および走査電極5…が
対向する各方形の領域により、図示しない画素領域が形
成されている。この画素領域においては、信号電極3と
走査電極5とに電圧が印加されると、液晶10の分子の
配向状態が切り替わることにより、表示状態を明と暗と
で変化させて表示を行うようになっている。
【0041】また、ガラス基板1には、信号電極3…の
下面側に、導電性中間層15…および金属配線層16…
が埋設されている。一方、図示はしないが、ガラス基板
2にも、走査電極5…の下面側に、導電性中間層15…
および金属配線層16…と同様の導電性中間層および金
属配線層が埋設されている。
【0042】金属配線をなす金属配線層16…は、導電
性中間層15上にメッキ(電解メッキ)により形成され
ている。また、金属配線層16…は、ガラス基板1と同
一平面をなすようにほぼ平坦に形成されている。金属配
線層16を形成する材料としては、コストおよび抵抗率
の点で銅が好適であるが、銀、金、ニッケルなどでもよ
い。ただし、銀および金は、コストが高くなるという欠
点があり、ニッケルは、抵抗率が高いので、所望の配線
抵抗値を得るには6μmより厚く成膜しなければならな
いという欠点がある。これに対し、銅は、銀に次いで抵
抗率が低く、銀および金に比較して安価である。
【0043】導電性中間層15は、ガラス基板1と金属
配線層16との密着性を補うために設けられる層であ
り、スパッタリングまたは蒸着により形成される。一般
に、ガラス基板1・2のような透光性基板は、金属配線
層16を形成するために用いられる金属材料(特に銅)
との密着性が良くない。このため、導電性中間層15
は、ガラス基板1と金属配線層16の双方に密着性の良
好な金属、金属酸化物または金属と金属酸化物との組み
合わせにより形成されている。
【0044】金属としては、ニッケル、クロムなどが好
適であり、金属酸化物としては、ITO、酸化錫などが
好適である。また、金属酸化物により形成される薄膜
は、透光性基板との密着性は良好であるが、メッキによ
り金属配線層16を形成する金属材料との密着性はそれ
ほど良好ではない。一方、スパッタリングや蒸着により
形成された金属薄膜は、上記の金属材料との密着性が良
好である。そこで、金属と金属酸化物とを組み合わせた
導電性中間層15によって、ガラス基板1・2と金属配
線層16との密着性をより向上させることができる。
【0045】なお、ガラス基板1・2の材料および金属
配線層16…の材料に応じて導電性中間層15…の材料
を適宜選択すれば、導電性中間層15…とガラス基板1
・2および金属配線層16…との密着性を良好にするこ
とができる。
【0046】また、図4に示すように、導電性中間層1
5と銅で形成される金属配線層16…との間およびその
金属配線層16…の表面には、酸化されにくい金属から
なるコーティング層17・18が形成されることが好ま
しい。銅は、酸化されやすいので、難酸化性のコーティ
ング層17・18によりコーティングされることによ
り、酸化が防止される。
【0047】コーティング層17は、導電性中間層15
…と同様に、スパッタリングまたは蒸着により形成され
る。一方、コーティング層18は、金属配線層16…と
同様に、メッキにより形成される。コーティング層17
・18の形成用材料としては、コーティング層17が導
電性中間層15を兼ねるとともに、スパッタリングまた
は電解メッキの両方で成膜が可能であるニッケルが好適
である。その他の材料としては、銀が挙げられる。しか
しながら、銀は、導電性中間層15としての適性がニッ
ケルより劣ると考えられ、かつニッケルよりも高価であ
るという不都合がある。
【0048】ここで、ガラス基板1に導電性中間層15
…および金属配線層16…を形成する方法について説明
する。本実施の形態では、導電性中間層15…および金
属配線層16…を形成するために、イオン衝撃を用いる
方法およびリフトオフを用いる方法を採用している。
【0049】なお、以下には、導電性中間層15…およ
び金属配線層16…をガラス基板1上に形成する方法を
説明するが、ガラス基板2についても同様に形成するの
で、便宜上その説明を省略する。
【0050】イオン衝撃を用いる方法では、まず、図1
(a)に示すように、ガラス基板1上にフォトレジスト
21を塗布し、導電性中間層15…および金属配線層1
6…を形成する領域に所定のパターニングを施して信号
電極3…に平行なパターン21a…を形成する。次に、
図1(b)に示すように、フォトレジスト21を介して
ガラス基板1をエッチングする。その結果、ガラス基板
1には、両側に曲面状のテーパ面を有する溝1a…が形
成される。
【0051】続いて、図1(c)に示すように、スパッ
タリングや蒸着により導電性材料22を成膜する。この
とき、導電性材料22として金属と金属酸化膜とを組み
合わせて用いる場合は、ガラス基板1との密着性の良い
金属酸化膜を先に成膜し、その上に金属を成膜する。導
電性材料22が成膜された結果、溝1a…の全面が導電
性材料22により覆われる。溝1a…内の導電性材料2
2は、導電性中間層15をなしている。
【0052】その後、溝1a…のテーパ面(側面)に形
成された導電性材料22をイオン衝撃により除去するこ
とにより、図1(d)に示すように導電性中間層15を
平坦化する。この工程において、導電性材料22の膜厚
はイオン衝撃により全体に薄くなるが、溝1a…の側面
上の導電性材料22は、フォトレジスト21上および溝
1a…の底面(平坦面)上の導電性材料22より薄いた
め、先に除去される。
【0053】さらに、図1(e)に示すように、フォト
レジスト21とともにその上の導電性材料22をリフト
オフにより除去する。また、図1(f)に示すように、
電解メッキにより溝1a…内に銅などを成膜することに
より、金属配線層16…を形成する。そして、図1
(g)に示すように、ガラス基板1上に金属配線層16
…を覆うように、透明導電膜すなわち信号電極3…を形
成する。
【0054】溝1a…内では、金属配線層16の下地層
である導電性中間層15が平坦な底面および側面の一部
の上に平坦に形成されている。これにより、金属配線層
16は、溝1a…の側面に沿って成膜される両側縁が僅
かに盛り上がってはいるが、ほぼ平坦に形成される。
【0055】上記のようなイオン衝撃を用いる方法で
は、後述するリフトオフを用いる方法より工程数を少な
くすることができる。しかしながら、イオン衝撃によれ
ば、導電性材料22を全面にわたってその表面から削っ
ていくので、リフトオフを用いる方法と同様の厚みで導
電性材料22を成膜すると、導電性中間層15…が薄く
形成されてしまう。したがって、導電性中間層15…を
所望の厚みに形成するには、導電性材料22を厚めに成
膜しておく必要がある。また、イオン衝撃装置は、イオ
ン衝撃により汚染されるので、清掃、整備などの保守に
手間がかかる。
【0056】一方、リフトオフを用いる方法では、図2
(a)(b)に示すように、まず、イオン衝撃を用いる
方法と同様に、ガラス基板1上にパターン21a…を有
するフォトレジスト21を形成し、ガラス基板1をエッ
チングする(図1(a)(b)参照)。その結果、ガラ
ス基板1には、両側に曲面状のテーパ面を有する溝1a
…が形成される。
【0057】次いで、図2(c)に示すように、フォト
レジスト21を剥離し、図2(d)に示すように、再び
フォトレジスト23を塗布する。そして、このフォトレ
ジスト23の溝1a…の底面上の部分のみ除去するよう
に、フォトレジスト23をパターニングする。
【0058】続いて、図2(e)に示すように、スパッ
タリングや蒸着により導電性材料22を成膜する。さら
に、図2(f)に示すように、フォトレジスト23とと
もにその上の導電性材料22をリフトオフにより除去す
る。この結果、溝1a…の底面上のみに導電性材料22
が残されて、導電性中間層15が形成される。このよう
な導電性中間層15は、垂直に切り立った両側端を有す
る板状になっている。
【0059】その後は、イオン衝撃を用いる方法と同様
にして、図2(g)に示すように電解メッキにより金属
配線層16…を形成する。そして、図2(h)に示すよ
うにガラス基板1上に金属配線層16…を覆うように、
透明導電膜すなわち信号電極3…を形成する。
【0060】溝1a…内では、金属配線層16の下地層
である導電性中間層15が溝1aの底面上にのみ平坦に
形成されている。これにより、金属配線層16は、溝1
a…の側面に沿って成膜される両側縁が僅かに凹んでは
いるが、ほぼ平坦に形成される。
【0061】上記のようなリフトオフを用いる方法で
は、前述のイオン衝撃を用いる方法より工程数が多くな
るものの、イオン衝撃のように導電性材料22の表面を
削らないので、導電性材料22を厚めに成膜しておく必
要はない。また、リフトオフ装置は、イオン衝撃のよう
に汚染されることがないので、清掃、整備などの保守に
手間がかからない。
【0062】また、イオン衝撃およびリフトオフを用い
るそれぞれの方法では、金属配線層16…を電解メッキ
により形成している。電解メッキによれば、導電体の上
にだけメッキされるので、溝1a…の底面に形成された
導電性中間層15…に選択的に金属配線層16…を形成
することができる。
【0063】なお、他のメッキ法として無電解メッキが
あるが、これでは導電性中間層15…上の選択的なメッ
キを行うことは困難である。
【0064】ところで、金属配線層16の厚さは、金属
配線層16の材料となる金属の抵抗率と必要とされる配
線抵抗値とによって決定される。配線抵抗は、40イン
チ程度の大型の液晶表示素子の場合、後述するように、
シート抵抗値でいえば0.01〜0.03Ω/□必要と
される。
【0065】ここで、抵抗率をρ〔μΩcm〕とし、金
属配線層16の膜厚をd〔cm〕とすれば、シート抵抗
r〔Ω/□〕は、 r=ρ/d と表されるので、ρおよびrが決まれば、 d=ρ/r により必要なdが求められる。
【0066】金属として銅を採用して金属配線層16を
形成した場合、ρ=2〔μΩcm〕であった。したがっ
て、この抵抗率ρを下限値とすれば、r=0.01〔Ω
/□〕であるとき、dは、上式により、 d=2〔μΩcm〕/0.01〔Ω/□〕 =200×10-6〔cm〕=2〔μm〕 となる。また、r=0.03〔Ω/□〕であるとき、d
は、上式により、 d=2〔μΩcm〕/0.03〔Ω/□〕≒0.7〔μ
m〕 となる。
【0067】金属として銅を採用し、上記の金属配線層
16の形成に用いたメッキ液と異なるメッキ液を用いて
別の金属配線層16を形成した場合、ρ=6〔μΩc
m〕であった。したがって、この抵抗率ρを上限値とす
れば、r=0.01〔Ω/□〕であるとき、dは、上式
により、 d=6〔μΩcm〕/0.01〔Ω/□〕=6〔μm〕 となる。また、r=0.03〔Ω/□〕であるとき、d
は、上式により、 d=6〔μΩcm〕/0.03〔Ω/□〕=2〔μm〕 となる。
【0068】上記の計算により、必要とされるdは0.
7〜6μmの範囲の値となる。ただし、1μmより薄い
範囲では、メッキによらずとも、スパッタリングなどの
成膜方法で金属配線層16を形成することができる。し
たがって、メッキにて金属配線層16を形成する場合、
dは1〜6μmの範囲の値となる。
【0069】金属配線層16の抵抗値が高いと、駆動電
圧(液晶印加電圧)の波形に歪が生じて液晶を所望通り
に駆動できない。このため、必要なシート抵抗値を前述
のように0.01〜0.03Ω/□に定めているが、こ
のように定められるのは以下の手順による。
【0070】まず、ある条件(画面サイズ、セルの構
成、駆動方法および液晶の物性値)において、駆動電圧
の波形がどの程度歪むかを計算によりシミュレーション
する。シミュレーションにより、例えば、歪みの小さい
図5(a)に示すような波形と、歪みの大きい図5
(b)に示すような波形とが得られると、その波形を実
際に液晶セルに印加する。その結果、図5(a)に示す
波形では駆動できるが、図5(b)に示す波形では駆動
できないことが分かった。
【0071】なお、図5(a)(b)において、−20
Vから20Vの範囲で変化する交流波形は、走査電極に
印加される電圧を表し、−t0 からt0 の期間で60V
の振幅を有する波形は、信号電極に印加される電圧を表
している。また、t0 =17.36μsである。
【0072】上記のシミュレーションに基づいて、図5
(a)または図5(b)に示す波形が得られるときの金
属配線層16の抵抗値を算出する。そして、駆動可能な
図5(a)の波形での抵抗値と駆動不可能な図5(b)
の波形での抵抗値との間で必要とされる抵抗値を選ぶ。
さらに、金属配線層16の形状から、必要とされるシー
ト抵抗値を算出する。
【0073】このように、上記の手順における計算が、
多くの変数(上記の条件)を含み、複雑であることか
ら、単純に最適なシート抵抗値を求めることは困難であ
る。したがって、上記の手順で得られたシート抵抗値
は、液晶表示素子が実際に使用されるいくつかの条件下
で駆動が正常に行われるようなおおよその値として定め
られる。
【0074】
【実施例】続いて、導電性中間層15…および金属配線
層16…を形成する具体例について以下の通り説明す
る。
【0075】〔実施例1〕本実施例では、前述のイオン
衝撃を用いた方法にしたがって導電性中間層15…およ
び金属配線層16…を形成する。
【0076】まず、ソーダライムガラスからなるガラス
基板1に、フォトレジスト21を塗布し、パターニング
を施すことにより(図1(a))、幅9μm、ピッチ1
20μmのストライプ状のパターン21a…を露光によ
りフォトレジスト21に形成した。次いで、フォトレジ
スト付きのガラス基板1を15%のバッファードフッ酸
(ダイキン工業製の半導体用バッファードフッ酸:品番
110)に15分間浸漬することにより、深さ5.5μ
m、幅20μmの溝1a…をガラス基板1に形成した
(図1(b))。
【0077】なお、バッファードフッ酸とは、フッ酸と
フッ化アンモニウムとの混合物である。
【0078】ガラス基板1を洗浄および乾燥した後、導
電性材料22としてスパッタリングによりITOを30
nm成膜し、さらにその上に銅を400nm成膜した
(図1(c))。その後、アルゴンイオン衝撃を、アル
ゴン分圧3×10-3Torr、出力300Wで15分間
行って、溝1a…内に形成された導電性中間層15を平
坦化した(図1(d))。さらに、リフトオフにより、
フォトレジスト21とその上の導電性材料22とを除去
した(図1(e))。
【0079】電解メッキプロセスでは、まず、希塩酸に
ガラス基板1を浸漬して、銅(導電性中間層15…)の
表面に形成される酸化膜を除去し、純水洗浄の後、活性
化処理を行った。その後、(株)高純度化学研究所製の
銅メッキ液C−100EP中で、メッキ温度55℃、電
流密度14.6mA/cm2 で16分間電解メッキを行
って金属配線層16…を形成した(図1(f))。そし
て、従来のプロセスによって信号電極3…を形成した
(図1(g))。
【0080】上記のようにして得られた金属配線層16
…は、両側縁が僅かに盛り上がるだけであり、ガラス基
板1とともにほぼ同一平面を形成していた。この金属配
線層16…の抵抗率は2.6μΩcmであり、シート抵
抗は4.7×10-3Ω/□であった。
【0081】なお、導電性中間層15の平坦化に際して
は、イオン衝撃の条件を最適化することにより、導電性
中間層15の平坦性をより高めることができる。例え
ば、イオン衝撃の時間を長くするほど導電性材料22を
より削ることができるので、イオン衝撃の時間を長めに
設定すれば、溝1a…の側面に成膜された導電性材料2
2を確実に除去することができる。
【0082】〔比較例〕本比較例では、前記の実施例1
と同じ条件で導電性中間層を形成し、アルゴンイオン衝
撃を行わずに、図1(c)に示す状態から、実施例1と
同じ条件で電解銅メッキを行った。この結果得られた導
電性中間層は、両側縁が大きく盛り上がり、溝からガラ
ス基板の表面に大きくはみ出していた(図6(b)参
照)。
【0083】〔実施例2〕本実施例では、前述のリフト
オフを用いた方法にしたがって導電性中間層15…およ
び金属配線層16…を形成する。
【0084】まず、実施例1と同様にして、ソーダライ
ムガラスからなるガラス基板1に、深さ6μmの溝1a
…を形成した後(図2(b))、フォトレジスト21を
剥離した(図2(c))。次いで、フォトレジスト23
を塗布し、上記のフォトレジスト21をパターニングす
る際に用いたマスクを用いてフォトレジスト23を露光
することにより、溝1a…の底面のみ露出するようにパ
ターニングを行った(図2(d))。続いて、実施例1
と同様にして導電性材料22を成膜し(図2(e))、
リフトオフによって不要な導電性材料22を除去して平
坦な導電性中間層15…を形成した(図2(f))。
【0085】電流密度(18mA/cm2 )と時間(2
0分間)とが異なる以外は実施例1と同じ条件で電解メ
ッキを行って銅からなる金属配線層16…を形成した
(図2(g))。さらに、リフトオフにより、そして、
従来のプロセスによって信号電極3…を形成した(図2
(h))。
【0086】上記のようにして得られた金属配線層16
…は、両側縁が僅かに凹むだけであり、ガラス基板1と
ともにほぼ同一平面を形成していた。この金属配線層1
6…の抵抗率は2.6μΩcmであり、シート抵抗は
4.3×10-3Ω/□であった。
【0087】〔実施例3〕本実施例では、実施例1と同
様にして、ソーダライムガラスからなるガラス基板1を
2枚用意し、それぞれに深さ2μmの溝1a…をした
(図1(b))。次いで、一方のガラス基板1に導電性
材料22としてITO(金属酸化物)を100nm成膜
し、他方のガラス基板1に導電性材料22としてニッケ
ル(金属)を100nm成膜した(図1(c))。さら
に、それぞれのガラス基板1に対し、実施例1と同様に
して、アルゴンイオン衝撃およびリフトオフを行って導
電性中間層15…を形成した(図1(e))。
【0088】そして、実施例1と電流密度(10mA/
cm2 )と時間(8分間)とが異なる以外は同じ条件で
電解メッキを行って銅からなる金属配線層16…を形成
した(図1(f))。
【0089】いずれのガラス基板1においても、上記の
ようにして形成された金属配線層16…は、実施例1で
得られた金属配線層16…と同様、平坦な表面形状をな
している。
【0090】なお、実施例1ないし3と比較例において
得られた金属配線層16…の盛り上がり量または凹み量
は、表1のように計測された。実施例1ないし3と比較
例では、溝1aの深さが統一されていないが、表1にお
いては、比較を容易にするため、溝1aの深さを6μm
に統一した場合の計測値を記載している。
【0091】
【表1】
【0092】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1に記載
の液晶表示素子用配線基板の製造方法は、透光性基板上
に所定パターンの溝を形成する第1工程と、その溝の部
分にのみ上記透光性基板と上記金属配線とに密着する材
料からなる導電性中間層を形成する第2工程と、上記導
電性中間層を平坦化する第3工程と、平坦化された上記
導電性中間層上の上記溝内に金属メッキにより上記金属
配線を形成する第4工程とを含んでいる。
【0093】このように、導電性中間層が平坦化される
ので、メッキにより形成される金属配線の両側縁が大き
く盛り上がることはなくなる。これにより、金属配線を
透光性基板と同一平面をなすように形成することができ
る。また、導電性中間層が透光性基板と金属配線とに密
着する材料からなるので、金属配線が基板上に強固に固
定される。さらに、比較的大きい膜厚が要求される金属
配線を形成するために、成膜速度の速いメッキを用いて
いるので、設備や材料に要するコストを低下させること
ができる。したがって、低抵抗の金属配線を透光性基板
上に平坦かつ短時間に形成することができるという効果
を奏する。
【0094】本発明の請求項2に記載の液晶表示素子用
配線基板の製造方法は、上記請求項1に記載の製造方法
において、上記第2工程が、金属、金属酸化物または金
属と金属酸化物との組み合わせにより上記導電性中間層
を形成する。
【0095】これにより、金属、金属酸化物または金属
と金属酸化物との組み合わせから、透光性基板の材料と
金属配線の材料との双方に良好な密着性を示す材料を選
択することができる。したがって、金属配線の固定性を
より向上させることができるという効果を奏する。
【0096】本発明の請求項3に記載の液晶表示素子用
配線基板の製造方法は、上記請求項1または2に記載の
製造方法において、上記第3工程が、イオン衝撃により
上記溝の側面に形成された上記導電性中間層を除去す
る。
【0097】このように、イオン衝撃を用いれば、導電
性中間層の表面を削ることにより導電性中間層を除去す
るので工程数が少ない。したがって、液晶表示素子用配
線基板の製造プロセスの簡略化を図ることができるとい
う効果を奏する。
【0098】本発明の請求項4に記載の液晶表示素子用
配線基板の製造方法は、上記請求項1または2に記載の
製造方法において、上記第3工程が、リフトオフにより
上記溝の側面に形成された上記導電性中間層を除去す
る。
【0099】このように、リフトオフを用いれば、イオ
ン衝撃を用いるよりも工程数が多くなるものの、イオン
衝撃のように導電性中間層の表面を削らないので、導電
性中間層を厚めに成膜しなくてもよい。また、リフトオ
フは、イオン衝撃のように装置を汚染することがないの
で、それだけ保守に手間がかからない。したがって、材
料の浪費を防止し、かつ保守性を向上させることができ
るという効果を奏する。
【0100】本発明の請求項5に記載の液晶表示素子用
配線基板の製造方法は、上記請求項1ないし4のいずれ
かに記載の製造方法において、上記第4工程におけるメ
ッキ処理を電解メッキ法により行う。
【0101】このように、電解メッキ法を用いれば、導
電体の上にのみ金属をメッキすることができる。したが
って、導電性中間層の上に選択的に金属配線を形成する
ことができるという効果を奏する。
【0102】本発明の請求項6に記載の液晶表示素子用
配線基板の製造方法は、上記請求項5に記載の製造方法
において、上記メッキ処理に銅メッキ液を用いる。
【0103】これにより、金属配線が銅により形成され
る。銅は、銀に次いで抵抗率が低く、かつ銀や金に比べ
てコストがかからない。したがって、液晶表示素子用配
線基板を安価に製造することができるという効果を奏す
る。
【0104】本発明の請求項7に記載の液晶表示素子用
配線基板の製造方法は、上記請求項1ないし6のいずれ
かに記載の製造方法において、上記第4工程が1〜6μ
mの厚みで上記金属配線を形成する。
【0105】これにより、大型の液晶表示素子に好適な
配線抵抗を確保することができ、かつメッキに適した膜
厚で金属配線を形成することができる。したがって、表
示品位の良好な大型の液晶表示素子を容易に提供するこ
とができるという効果を奏する。
【0106】本発明の請求項8に記載の液晶表示素子
は、透光性基板に設けられた所定パターンの溝に上記透
光性基板と上記金属配線とに密着する材料により平坦に
形成された導電性中間層と、上記導電性中間層上の上記
溝内に金属メッキにより形成されている金属配線とを備
えている構成である。
【0107】このように、金属配線が平坦な導電性中間
層上に金属メッキにより形成されているので、金属配線
は両側縁が大きく盛り上がることがなくなる。これによ
り、金属配線を透光性基板と同一平面をなすように形成
することができる。また、導電性中間層が透光性基板と
金属配線とに密着する材料からなるので、金属配線が基
板上に強固に固定される。さらに、比較的大きい膜厚が
要求される金属配線が、成膜速度の速いメッキにより形
成されるので、設備や材料に要するコストを低下させる
ことができる。したがって、低抵抗の金属配線を透光性
基板上に平坦かつ短時間に形成することができるという
効果を奏する。
【0108】本発明の請求項9に記載の液晶表示素子
は、上記請求項8に記載の液晶表示素子において、上記
導電性中間層が、金属、金属酸化物または金属と金属酸
化物との組み合わせにより形成されている構成である。
【0109】これにより、金属、金属酸化物または金属
と金属酸化物との組み合わせから、透光性基板の材料と
金属配線の材料との双方に良好な密着性を示す材料を選
択することができる。したがって、金属配線の固定性を
より向上させることができるという効果を奏する。
【0110】本発明の請求項10に記載の液晶表示素子
は、上記請求項8または9に記載の液晶表示素子におい
て、上記金属配線が電解メッキ法により形成されている
構成である。
【0111】このように、電解メッキ法を用いれば、導
電体の上にのみ金属をメッキすることができる。したが
って、導電性中間層の上に選択的に金属配線を形成する
ことができるという効果を奏する。
【0112】本発明の請求項11に記載の液晶表示素子
は、上記請求項10に記載の液晶表示素子において、上
記金属配線が銅メッキにより形成されている構成であ
る。
【0113】これにより、金属配線が銅により形成され
る。銅は、銀に次いで抵抗率が低く、かつ銀や金に比べ
てコストがかからない。したがって、液晶表示素子用配
線基板を安価に製造することができるという効果を奏す
る。
【0114】本発明の請求項12に記載の液晶表示素子
は、上記請求項8ないし11のいずれかに記載の液晶表
示素子において、上記金属配線が、1〜6μmの厚みに
形成されている構成である。
【0115】これにより、大型の液晶表示素子に好適な
配線抵抗を確保することができ、かつメッキに適した膜
厚で金属配線を形成することができる。したがって、表
示品位の良好な大型の液晶表示素子を容易に提供するこ
とができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る液晶表示素子にお
いてガラス基板に導電性中間層および金属配線層を形成
する方法を示す工程図である。
【図2】本発明の実施の一形態に係る液晶表示素子にお
いてガラス基板に導電性中間層および金属配線層を形成
する他の方法を示す工程図である。
【図3】本発明の実施の一形態に係る液晶表示素子の構
造を示す断面図である。
【図4】図3の液晶表示素子における導電性中間層およ
び金属配線層の構造の一例を示す断面図である。
【図5】金属配線層の必要とされるシート抵抗をシミュ
レーションにて決定する際に用いる液晶印加電圧の波形
を示す波形図である。
【図6】従来の液晶表示素子においてガラス基板に金属
配線を形成する方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1・2 ガラス基板(透光性基板) 1a 溝 3 信号電極(透明導電膜) 5 走査電極(透明導電膜) 10 液晶(液晶層) 15 導電性中間層 16 金属配線層(金属配線)
フロントページの続き (71)出願人 390040604 イギリス国 THE SECRETARY OF ST ATE FOR DEFENCE IN HER BRITANNIC MAJES TY’S GOVERNMENT OF THE UNETED KINGDOM OF GREAT BRITAIN AN D NORTHERN IRELAND イギリス国 ハンプシャー ジーユー14 0エルエックス ファーンボロー アイヴ ェリー ロード(番地なし) ディフェン ス エヴァリュエイション アンド リサ ーチ エージェンシー (72)発明者 岸本 和之 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 秋山 久 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 実吉 秀治 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも金属配線と透明導電膜とからな
    る所定パターンの電極を透光性基板上に形成する液晶表
    示素子用配線基板の製造方法において、 上記透光性基板上に所定パターンの溝を形成する第1工
    程と、 上記溝の部分にのみ上記透光性基板と上記金属配線とに
    密着する材料からなる導電性中間層を形成する第2工程
    と、 上記導電性中間層を平坦化する第3工程と、 平坦化された上記導電性中間層上の上記溝内に金属メッ
    キにより上記金属配線を形成する第4工程とを含んでい
    ることを特徴とする液晶表示素子用配線基板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】上記第2工程は、金属、金属酸化物または
    金属と金属酸化物との組み合わせにより上記導電性中間
    層を形成することを特徴とする請求項1に記載の液晶表
    示素子用配線基板の製造方法。
  3. 【請求項3】上記第3工程は、イオン衝撃により上記溝
    の側面に形成された上記導電性中間層を除去することを
    特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示素子用配
    線基板の製造方法。
  4. 【請求項4】上記第3工程は、リフトオフにより上記溝
    の側面に形成された上記導電性中間層を除去することを
    特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示素子用配
    線基板の製造方法。
  5. 【請求項5】上記第4工程におけるメッキ処理を電解メ
    ッキ法により行うことを特徴とする請求項1ないし4の
    いずれかに記載の液晶表示素子用配線基板の製造方法。
  6. 【請求項6】上記メッキ処理に銅メッキ液を用いること
    を特徴とする請求項5に記載の液晶表示素子用配線基板
    の製造方法。
  7. 【請求項7】上記第4工程は、1〜6μmの厚みで上記
    金属配線を形成することを特徴とする請求項1ないし6
    のいずれかに記載の液晶表示素子用配線基板の製造方
    法。
  8. 【請求項8】少なくとも金属配線と透明導電膜とからな
    る所定パターンの電極を有する一対の透光性基板と、対
    向して配される上記透光性基板の間に形成される液晶層
    とを備えた液晶表示素子において、 上記透光性基板に設けられた所定パターンの溝に上記透
    光性基板と上記金属配線とに密着する材料により平坦に
    形成された導電性中間層を備え、上記金属配線が、上記
    導電性中間層上の上記溝内に金属メッキにより形成され
    ていることを特徴とする液晶表示素子。
  9. 【請求項9】上記導電性中間層は、金属、金属酸化物ま
    たは金属と金属酸化物との組み合わせにより形成されて
    いることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示素子。
  10. 【請求項10】上記金属配線が電解メッキ法により形成
    されていることを特徴とする請求項8または9に記載の
    液晶表示素子。
  11. 【請求項11】上記金属配線が銅メッキにより形成され
    ていることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示素
    子。
  12. 【請求項12】上記金属配線が、1〜6μmの厚みに形
    成されていることを特徴とする請求項8ないし11のい
    ずれかに記載の液晶表示素子。
JP31826296A 1996-11-28 1996-11-28 液晶表示素子用配線基板の製造方法および液晶表示素子 Pending JPH10161093A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31826296A JPH10161093A (ja) 1996-11-28 1996-11-28 液晶表示素子用配線基板の製造方法および液晶表示素子
US08/976,241 US6008877A (en) 1996-11-28 1997-11-21 Liquid crystal display having multilayered electrodes with a layer adhesive to a substrate formed of indium tin oxide
KR1019970063469A KR100278695B1 (ko) 1996-11-28 1997-11-27 액정표시소자및액정표시소자용전극기판의제조방법
DE69738444T DE69738444D1 (de) 1996-11-28 1997-11-28 Flüssigkristallanzeigeelement
EP97309628A EP0845696B1 (en) 1996-11-28 1997-11-28 Liquid crystal display element

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31826296A JPH10161093A (ja) 1996-11-28 1996-11-28 液晶表示素子用配線基板の製造方法および液晶表示素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10161093A true JPH10161093A (ja) 1998-06-19

Family

ID=18097245

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31826296A Pending JPH10161093A (ja) 1996-11-28 1996-11-28 液晶表示素子用配線基板の製造方法および液晶表示素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10161093A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003066864A (ja) * 2001-08-24 2003-03-05 Sharp Corp 埋め込み構造を有する基板およびそれを用いた表示装置ならびにその製造方法
JP2006030502A (ja) * 2004-07-15 2006-02-02 Sony Corp 表示装置および表示装置の製造方法
KR100631358B1 (ko) 2003-05-12 2006-10-09 세이코 엡슨 가부시키가이샤 패턴과 그 형성 방법, 디바이스와 그 제조 방법, 전기광학 장치, 전자 기기 및 액티브 매트릭스 기판의 제조 방법
KR100690000B1 (ko) * 2000-02-21 2007-03-08 엘지.필립스 엘시디 주식회사 액정표시소자 및 그 제조방법
KR100713878B1 (ko) * 2000-06-30 2007-05-07 비오이 하이디스 테크놀로지 주식회사 플랫 패널 디스플레이의 제조 방법

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100690000B1 (ko) * 2000-02-21 2007-03-08 엘지.필립스 엘시디 주식회사 액정표시소자 및 그 제조방법
KR100713878B1 (ko) * 2000-06-30 2007-05-07 비오이 하이디스 테크놀로지 주식회사 플랫 패널 디스플레이의 제조 방법
JP2003066864A (ja) * 2001-08-24 2003-03-05 Sharp Corp 埋め込み構造を有する基板およびそれを用いた表示装置ならびにその製造方法
KR100631358B1 (ko) 2003-05-12 2006-10-09 세이코 엡슨 가부시키가이샤 패턴과 그 형성 방법, 디바이스와 그 제조 방법, 전기광학 장치, 전자 기기 및 액티브 매트릭스 기판의 제조 방법
US7220682B2 (en) 2003-05-12 2007-05-22 Seiko Epson Corporation Pattern and fabricating method therefor, device and fabricating method therefor, electro-optical apparatus, electronic apparatus, and method for fabricating active matrix substrate
JP2006030502A (ja) * 2004-07-15 2006-02-02 Sony Corp 表示装置および表示装置の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3410667B2 (ja) 反射型液晶表示装置およびその製造方法
US7061565B2 (en) Array substrate having double-layered metal patterns and method of fabricating the same
JP3410656B2 (ja) 液晶表示装置及びその製造方法
US8514340B2 (en) Method of fabricating array substrate having double-layered patterns
US10790320B2 (en) Manufacturing method of array substrate
WO2003058332A1 (en) Reflection type liquid crystal display device and method of manufacturing the same
JPH10161093A (ja) 液晶表示素子用配線基板の製造方法および液晶表示素子
US6330042B1 (en) Liquid crystal display and the method of manufacturing the same
CN106990632A (zh) 阵列基板及显示装置
KR100905662B1 (ko) 액정표시장치 제조 방법 및 배선 구조
JP3445402B2 (ja) 薄膜トランジスタとその製造方法およびアクティブマトリックス基板とその製造方法
US5986391A (en) Transparent electrodes
JP2000148042A (ja) 電極配線基板の製造方法及び液晶表示装置の製造方法
JPH075450A (ja) 透明配線付き基板およびその製造方法
JPH04170519A (ja) 平面ディスプレー用配線およびその形成方法と液晶ディスプレー用非線形抵抗素子
KR100691507B1 (ko) 플라스틱 기판의 적층 방법 및 이를 이용한 유연성을 갖는기판의 제조방법
JPH02281237A (ja) 表示装置の電極構造
US6452659B1 (en) Liquid crystal display device having multiple insulating films with different etch characteristics
KR20070104090A (ko) 액상의 유기 반도체물질을 이용한 액정표시장치용 어레이기판의 제조방법
KR100278695B1 (ko) 액정표시소자및액정표시소자용전극기판의제조방법
JP3187004B2 (ja) 液晶表示装置およびその製造方法
KR100737642B1 (ko) 프린지 필드 스위칭 액정표시장치 및 그 제조방법
KR0145898B1 (ko) 액정 표시장치의 패드 형성방법 및 구조
JP3317909B2 (ja) 液晶表示装置
KR100190527B1 (ko) 액정 표시 소자의 제조방법