JPH10156469A - コイルばねの両端内曲げ方法 - Google Patents

コイルばねの両端内曲げ方法

Info

Publication number
JPH10156469A
JPH10156469A JP33494696A JP33494696A JPH10156469A JP H10156469 A JPH10156469 A JP H10156469A JP 33494696 A JP33494696 A JP 33494696A JP 33494696 A JP33494696 A JP 33494696A JP H10156469 A JPH10156469 A JP H10156469A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
coil spring
tool
pressing
forming direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP33494696A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3266528B2 (ja
Inventor
Norifumi Abiru
憲史 阿比留
Hisashi Shibata
久 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Seiki Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Asahi Seiki Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Seiki Manufacturing Co Ltd filed Critical Asahi Seiki Manufacturing Co Ltd
Priority to JP33494696A priority Critical patent/JP3266528B2/ja
Publication of JPH10156469A publication Critical patent/JPH10156469A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3266528B2 publication Critical patent/JP3266528B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Wire Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コイルばねの両端をコイルばね軸方向の内側
に折り曲げて、始端と終端との鋭角な角部がばね座に膨
出しないコイルばねの両端内曲げ方法を提供。 【解決手段】 線ガイド2から所要長の線材Wを繰り出
してコイルばねの始端部が成形された後、線材挟入工具
13で線材Wの始端抑止部Wdを抑止するとともに、始
端押圧工具23で線材Wの始端押圧部Wbをコイルばね
成形方向と逆方向に押圧して線材Wの始端をコイルばね
成形方向と逆方向に内曲げ成形し、引き続き線材Wを繰
り出して所要巻回数のコイルばねが成形された後、線材
挟入工具13で線材Wの終端抑止部を抑止するととも
に、楔形ピッチ工具または押出しピッチ工具で線材Wの
終端押圧部をコイルばね成形方向に押圧して線材Wの終
端をコイルばね成形方向に内曲げ成形するようにした方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コイルばねの両端
内曲げ方法に係るものであって、さらに詳しくは、コイ
ルばね製造機によって成形されるコイルばねの始端部を
反成形方向内側に折り曲げ成形するとともに、終端部を
成形方向内側に折り曲げ成形して、両端をコイルばね軸
方向のそれぞれ内側に曲げる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の技術では、例えば、特開昭61−
226130号公報に記載された技術(以下、従来技術
Aという)、および、特開昭62−114738号公報
に記載された技術(以下、従来技術Bという)が開示さ
れている。
【0003】一方の従来技術Aに開示された発明の目的
は、同公報に記載されたとおり、線材に対して、ピッチ
方向一側方向のみならず、ピッチ方向他方向にも押圧力
を作用させられるようにして、前記線材にピッチ方向の
両方向に自由にピッチがつけられるようにすることによ
り、例えば同公報の第5図に示すような、両端部が平坦
なコイルばねを製作することである。
【0004】また、その構成は、曲げダイス(2)と、
この曲げダイス(2)に線材(A)を送り出す送り手段
(1)とを備えたコイリングマシンにおいて、曲げダイ
ス(2)の線材送出し方向前方側に、線材(A)をその
ピッチ方向一方向に押圧する第1押圧手段(4a)と、
他方向に押圧する第2押圧手段(4b)と、これら各押
圧手段(4a,4b)をピッチ方向に移動する移動手段
(5)とを設けたものである。
【0005】そして、その作用は、曲げダイス(2)で
形成される線材(A)の巻成初期に、線材(A)のピッ
チをゼロピッチにするとともに、線材(A)が一巻き弱
巻成されたときに、第1押圧手段(4a)により線材
(A)を、コイルばねのピッチ方向一方向(イ)に対す
る他方向(ロ)に引き戻して、第1屈曲部を形成し、そ
の後所定長さ線材(A)を送り出したのち、第2押圧手
段(4b)により線材(A)をピッチ方向一方向(イ)
に押し出して第2屈曲部を形成して、線材(A)に所定
にピッチを付けるとともに、線材(A)の巻成最終段階
時にも同様にして、第3屈曲部を形成し、その後、第4
屈曲部を形成して線材(A)のピッチをゼロに設定する
ものである。
【0006】他方の従来技術Bに開示された発明は従来
技術Aの改良発明であって、その目的は同公報に記載さ
れたとおり、線材に対して、初張力を付与し、ピッチツ
ールで一方向のみに段階的に押圧することによって、例
えば同公報の第7図に示すような、両端部が平坦なコイ
ルばねを製作することである。
【0007】また、その構成は、曲げダイス(20)
と、この曲げダイス(20)にガイド部材(30)を介
して線材(A)を送り出す手段と、線材切断用の芯金
(60)ととを備えたコイリングマシンにおいて、ガイ
ド部材(30)における線材出口(31)位置に対し、
曲げダイス(20)の偏向面における線材当り位置を、
線材(A)により形成するコイルばね(8)の初張力付
与方向にずらせて設置するとともに、曲げダイス(2
0)の線材送り出し方向前方側に、線材(A)を初張力
付与方向とは反対方向に押圧するピッチツール(40)
を、線材(A)に対し初張力付与方向に退出可能に設け
たものである。
【0008】そして、その作用は、ガイド部材(30)
の線材出口(31)より出された線材(A)を、曲げダ
イス(20)の偏向面における線材当り位置でずらせて
初張力を付与し、この状態でピッチツール(40)によ
って、線材(A)を一巻き弱巻成して平坦部を形成し、
次に、ピッチツール(40)を急激に前方方向に突出さ
せて線材を大きく押圧して、第1屈曲部を形成し、その
後所定長さ線材(A)を送り出したのち、ピッチツール
(40)を急激に退行させて第2屈曲部を形成して、さ
らに、ピッチツール(40)を前方に突出させて線材
(A)を送り出し粗状巻成部を形成するとともに、線材
(A)の巻成最終段階時にも同様にして、第3屈曲部を
形成し、その後、第4屈曲部を形成して、最後にピッチ
ツール(40)をわずかに突出させて平坦部を形成する
ものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】コイルばねは、コイル
ばね軸方向の両端面に形成されたばね座が2個の構成部
材のばね受け面にそれぞれ当接して2個の構成部材を付
勢するものであるが、コイルばね線材の始端と終端とに
は、コイル軸心と直角なばね座に膨出する鋭角な角部を
有し(線材切断によるバリが残存していると、鋭角な角
部の膨出量はさらに大きくなる)、この鋭角な角部は、
コイルばねの伸縮運動によって2個の構成部材のばね受
け面内で、それぞれコイルばねの押圧力を付勢されなが
ら移動を繰り返す。
【0010】このために、少なくとも一方の構成部材が
例えば、樹脂成形品や軟質金属などである場合には、前
述したばね座に膨出する鋭角な角部によって、その構成
部材のばね受け面に疵が生じるばかりではなく、コイル
ばねの繰り返し伸縮運動でその構成部材のばね受け面が
削り取られるという不都合な問題があった。
【0011】上述した、コイルばねのばね座に膨出する
鋭角な角部によって、構成部材のばね受け面が削り取ら
れるという問題を解決するためには、構成部材のばね受
け面とコイルばねのばね座との間に、例えば硬質金属の
座金を装入するか、または、コイルばねの両端を研削す
ることが思考できるが、前者の硬質金属の座金を装入す
る手段は、構成部品点数が増加するとともに、組付けが
煩雑になり、また、後者の両端を研削する手段は、その
研削角部によって構成部材のばね受け面が削り取られ易
い問題があった。
【0012】従って、コイルばね線材の始端と終端との
角部によって、構成部材のばね受け面が削り取られない
ようにするためには、コイルばね線材の始端と終端とを
コイルばね軸方向の内側に折り曲げることが最善の手段
である。
【0013】ところが、上述した従来技術Aに開示され
た発明では、線材(A)の巻成初期に線材(A)のピッ
チをゼロピッチにするとともに、線材(A)が一巻き弱
巻成されたときに、線材(A)をコイルばねのピッチ方
向一方向(イ)に対する他方向(ロ)に引き戻して、第
1屈曲部を形成し、その後所定長さ線材(A)を送り出
したのち、線材(A)をピッチ方向一方向(イ)に押し
出して第2屈曲部を形成して、線材(A)に所定にピッ
チを付けるとともに、線材(A)の巻成最終段階時にも
同様にして、第3屈曲部を形成し、その後、第4屈曲部
を形成して線材(A)のピッチをゼロに設定するもので
あるから、コイルばねの両端に形成するピッチをゼロに
することは可能であっても、本発明の図15に示すよう
に、コイルばね線材の始端と終端とをコイルばね軸方向
の内側に折り曲げることはできない問題があった。
【0014】また、従来技術Bに開示された発明では、
線材(A)を曲げダイス(20)の偏向面における線材
当り位置でずらせて初張力を付与し、この状態で線材
(A)を一巻き弱巻成して平坦部を形成し、次に、ピッ
チツール(40)を急激に前方方向に突出させて線材を
大きく押圧して第1屈曲部を形成し、その後所定長さ線
材(A)を送り出したのち、ピッチツール(40)を急
激に退行させて第2屈曲部を形成して、さらに、ピッチ
ツール(40)を前方に突出させて線材(A)を送り出
し粗状巻成部を形成するとともに、線材(A)の巻成最
終段階時にも同様にして、第3屈曲部を形成し、その
後、第4屈曲部を形成して、最後にピッチツール(4
0)をわずかに突出させて平坦部を形成するものである
から、コイルばねの両端に平坦部を形成することは可能
であっても、本発明の図15に示すように、コイルばね
線材の始端と終端とをコイルばね軸方向の内側に折り曲
げることはできない問題があった。
【0015】本発明は、上述のような問題点に鑑みてな
されたものであって、その目的とするところは、コイル
ばねの始端部を反成形方向内側に折り曲げ成形するとと
もに、終端部を成形方向内側に折り曲げ成形し、コイル
ばねの始端と終端との両端をコイルばね軸方向のそれぞ
れ内側に曲げて、鋭角な角部がばね座に膨出することな
く、コイルばねの繰り返し伸縮運動でその構成部材のば
ね受け面が削り取られないコイルばねを容易に成形でき
る、コイルばねの両端内曲げ方法を提供しようとするも
のである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明のコイルばねの両端内曲げ方法は、巻回さ
れた線材の始端近傍を線材抑止手段によってコイルばね
成形方向と逆方向に抑止して、この抑止された部分と始
端との間の線材を始端曲げ手段によってコイルばね成形
方向と逆方向に押圧して始端部をコイルばね軸方向内側
に折り曲げ成形し、引き続き線材を巻回工具に衝合させ
て所定巻回数のコイルばねに成形した後、巻回された線
材の終端近傍を前記線材抑止手段によってコイルばね成
形方向に抑止して、この抑止された部分よりも始端側の
近傍の線材を終端曲げ手段によってコイルばね成形方向
に押圧して終端部をコイルばね軸方向内側に折り曲げ成
形し、コイルばねの始端と終端との両端をコイルばね軸
方向のそれぞれ内側に曲げるようにした方法である。
【0017】また、線材抑止手段は、巻回された線材を
挟入可能にコイル軸心に向かって進退可能な先端部に凹
溝が形成され、前記先端部がコイル軸心に向かって進出
して線材の始端近傍または終端近傍が前記凹溝に挟入さ
れた状態において、前記凹溝の一方の内側面で線材をコ
イルばね成形方向と逆方向に抑止するとともに、他方の
内側面で線材をコイルばね成形方向に抑止する線材挟入
工具を用いるようにした方法である。
【0018】また、始端曲げ手段は、巻回された線材の
始端部前面にのみ当接可能にコイルばね成形方向と逆方
向に進退可能な先端部に押圧面が形成され、前記押圧面
がコイルばね成形方向と逆方向に進出して線材の始端部
前面に当接し、さらに前記押圧面が同方向に進出した状
態において、前記押圧面で線材の始端部をコイルばね成
形方向と逆方向に押圧する始端押圧工具を用いるように
した方法である。
【0019】また、一方の終端曲げ手段は、巻回された
線材の終端部後面にのみ当接可能にコイル軸心に向かっ
て進退可能な先端部に傾斜面が形成され、前記先端部が
コイル軸心に向かって進出して線材の終端部後面に当接
し、さらに前記先端部が同方向に向かって進出した状態
において、前記先端部の傾斜面で線材の終端部をコイル
ばね成形方向に押圧する楔形ピッチ工具を用いるように
した方法である。
【0020】さらに、他方の終端曲げ手段は、巻回され
た線材の終端部後面にのみ当接可能にコイルばね成形方
向に進退可能な先端部に押圧面が形成され、前記押圧面
がコイルばね成形方向に進出して線材の終端部後面に当
接し、さらに前記押圧面が同方向に進出した状態におい
て、前記押圧面で線材の終端部をコイルばね成形方向に
押圧する押出しピッチ工具を用いるようにした方法であ
る。
【0021】本発明は上述のように、コイルばねの一方
の始端は、線材の始端近傍をコイルばね成形方向と逆方
向に抑止して、この抑止された部分と始端との間の線材
をコイルばね成形方向と逆方向に押圧して始端部をコイ
ルばね軸方向内側に折り曲げ成形し、また、他方の終端
は、線材の終端近傍をコイルばね成形方向に抑止して、
この抑止された部分よりも始端側の近傍の線材をコイル
ばね成形方向に押圧して終端部をコイルばね軸方向内側
に折り曲げ成形するようにしたので、コイルばねの始端
と終端との両端をコイルばね軸方向のそれぞれ内側に曲
げて、鋭角な角部がばね座に膨出することなく、コイル
ばねの繰り返し伸縮運動でその構成部材のばね受け面が
削り取られないコイルばねを容易に成形できる。
【0022】また、線材抑止手段は、先端部に線材を挟
入可能な凹溝が形成され、この先端部がコイル軸心に向
かって進出して線材の始端近傍または終端近傍が前記凹
溝に挟入された状態において、前記凹溝の一方の内側面
で線材をコイルばね成形方向と逆方向に抑止するととも
に、他方の内側面で線材をコイルばね成形方向に抑止す
る線材挟入工具を用いるようにしたので、線材を確実に
抑止できるとともに、コイルばね成形方向の正逆両方向
に線材を抑止することができ構成が簡素にできる。
【0023】また、始端曲げ手段は、線材の始端部前面
にのみ当接可能に先端部に押圧面が形成され、この押圧
面がコイルばね成形方向と逆方向に進出して線材の始端
部前面に当接し、さらに前記押圧面が同方向に進出した
状態において、前記押圧面で線材の始端部をコイルばね
成形方向と逆方向に押圧する始端押圧工具を用いるよう
にしたので、前述の線材抑止手段と協動して、始端部近
傍の線材を確実にコイルばね軸方向内側に折り曲げ成形
することができる。
【0024】また、一方の終端曲げ手段は、線材の終端
部後面にのみ当接可能に先端部に傾斜面が形成され、こ
の先端部がコイル軸心に向かって進出して線材の終端部
後面に当接し、さらに前記先端部が同方向に向かって進
出した状態において、前記先端部の傾斜面で線材の終端
部をコイルばね成形方向に押圧する楔形ピッチ工具を用
いるようにしたので、前述の線材抑止手段と協動して、
終端部近傍の線材を確実にコイルばね軸方向内側に折り
曲げ成形することができるとともに、楔形ピッチ工具は
コイルばねのコイル胴部に所定のピッチも付与できるの
で構成が簡素にできる。
【0025】さらに、前欄に記載した一方の終端曲げ手
段を用いない場合の別の手段である他方の終端曲げ手段
は、線材の終端部後面にのみ当接可能に先端部に押圧面
が形成され、この押圧面がコイルばね成形方向に進出し
て線材の終端部後面に当接し、さらに前記押圧面が同方
向に進出した状態において、前記押圧面で線材の終端部
をコイルばね成形方向に押圧する押出しピッチ工具を用
いるようにしたので、前述の線材抑止手段と協動して、
終端部近傍の線材を確実にコイルばね軸方向内側に折り
曲げ成形することができるとともに、押出しピッチ工具
はコイルばねのコイル胴部に所定のピッチも付与できる
ので構成が簡素にできる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例にも
とづき、図面を参照して以下のとおり説明する。 図1
1乃至図13は、本発明の第1実施例によってコイルば
ねの両端を内曲げ成形するための装置の説明図であっ
て、図11はコイルばね製造機の主要部正面図、図12
はその縦断面図、図13は図11に示す線材挟入工具1
3の先端部拡大図である。
【0027】コイルばね製造機の前方に前板4が立設さ
れ、この前板4の前面には、 線材Wを矢印方向へ送り
出す一対の送りローラ1,1と、 線材Wを挿通して前
方に案内する線ガイド2と、 この線ガイド2から繰り
出される線材Wを湾曲させて巻回する進退可能な巻回工
具3A,3Bと、 巻回された線材Wにコイルばね成形
方向(図11の手前側)にピッチを付与するコイル軸心
に向かって進退可能な楔形ピッチ工具33と、 この楔
形ピッチ工具33と対向する位置で巻回された線材Wの
終端を切断するコイル軸心に向かって進退可能な切断工
具5と、 この切断工具5に対向する位置の巻回された
線材Wの内側で切断工具5と協動して線材Wの終端を切
断する芯金6とが取着されている。
【0028】また、コイルばねの両端を内曲げ成形する
ための第1実施例の構成要素として、切断工具5近傍の
線ガイド2側に、巻回された線材Wの始端近傍をコイル
ばね成形方向の逆方向に抑止するとともに、終端近傍を
コイルばね成形方向に抑止する線材抑止手段10と、
この線材抑止手段10近傍の線ガイド2側に、この線材
抑止手段10によって抑止された始端近傍部分と始端と
の間の線材Wをコイルばね成形方向と逆方向に押圧して
始端部をコイルばね軸方向内側に折り曲げ成形する始端
曲げ手段20と、 前記線材抑止手段10によって終端
側が抑止された部分よりも始端側の近傍の線材Wをコイ
ルばね成形方向に押圧して終端部をコイルばね軸方向内
側に折り曲げ成形する終端曲げ手段30とが前板4の前
面に設けられている。
【0029】そして、線材抑止手段10は、スライド体
11が前記前板4の前面に取着され、このスライド体1
1に案内され図示しない駆動手段によって進退可能な工
具ホルダ12に線材挟入工具13が取着されている。
この線材挟入工具13の先端部には図13に示すよう
に、線材Wを挟入可能にU字状の凹溝13uが形成さ
れ、前記先端部がコイル軸心に向かって進出して線材W
の始端近傍の始端抑止部Wd(図2参照)、または、終
端近傍の終端抑止部Wy(図5,図9参照)が先端部に
形成された凹溝13uに挟入された状態において、凹溝
13uの一方の内側面13aで線材Wをコイルばね成形
方向と逆方向に抑止するとともに、他方の内側面13b
で線材Wをコイルばね成形方向に抑止するように構成さ
れている。
【0030】また、始端曲げ手段20は、工具取着台2
1が前板4の前面に立設され、この工具取着台21に工
具取着軸22が軸止され、この工具取着軸22の端部に
中継ブロック24が取着され、この中継ブロック24に
中継軸25が軸止され、この中継軸25の他端にシリン
ダ取着台26が取着され、このシリンダ取着台26に立
設されたフランジ面にエアシリンダ27が、進退自在な
ロッド27aの前端が巻回された線材Wの始端部前面に
向かう位置で取着され、そして、このエアシリンダ27
のロッド27aの前端には始端押圧工具23が取着され
ている。
【0031】この始端押圧工具23の先端部には、巻回
された線材Wの始端押圧部Wb(図2参照)の前面にの
み当接可能にコイルばね成形方向と逆方向に進退可能な
先端部に押圧面23aが形成され、この押圧面23aが
コイルばね成形方向と逆方向に進出して線材Wの始端押
圧部Wbの前面に当接する。 さらに始端押圧工具23
の押圧面23aが同方向に進出した状態において、押圧
面23aによって始端押圧部Wbがコイルばね成形方向
と逆方向に押圧されて、後述する図3に示すように線材
Wを始端折曲部Wcで折り曲げるように構成されてい
る。
【0032】また、終端曲げ手段30は、スライド体3
1が前板4の前面に取着され、このスライド体31に案
内され図示しない駆動手段によって進退可能な工具ホル
ダ32に楔形ピッチ工具33が取着されている。 この
楔形ピッチ工具33の先端部には、巻回された線材Wの
終端部の後面側にのみ当接可能に傾斜面33aが形成さ
れ、この傾斜面33aがコイル軸心に向かって進出して
後述する図4に示す線材Wのピッチ付与部Wpの後面側
に当接した状態において、傾斜面33aによってピッチ
付与部Wpがコイルばね成形方向に押圧されてコイルば
ねSに所定のピッチが付与される。 さらに傾斜面33
aが同方向に進出して後述する図6に示す終端押圧部W
wの後面側に当接した状態において、傾斜面33aの楔
作用によって終端押圧部Wwがコイルばね成形方向に押
圧されて、線材Wを終端折曲部Wxで折り曲げるように
構成されている。
【0033】次いで、本発明の第1実施例によってコイ
ルばねの両端を内曲げ成形する方法について、図1乃至
図7および図15の説明図を参照して以下のとおり説明
する。
【0034】図1は加工前の待機位置を示し、 図2は
線材挟入工具13が前進して線材Wの始端近傍が抑止さ
れた状態を示し、 図3は始端押圧工具23が前進して
線材Wの始端部が折曲された状態を示し、 図4は楔形
ピッチ工具33が前進して巻回される線材Wにピッチが
付与されコイルばねSが成形された状態を示し、 図5
は線材挟入工具13が前進して線材Wの終端近傍が抑止
された状態を示し、図6は楔形ピッチ工具33が前進し
て線材Wの終端部が折曲された状態を示し、図7は切断
工具5が前進してコイルばね終端の線材Wが切断された
状態を示し、 図15は両端が内曲げ成形されたコイル
ばねSを示す説明図である。
【0035】まず、図1に示す切断工具5,線材挟入工
具13,始端押圧工具23および楔形ピッチ工具33が
それぞれ後退端に後退して、次のコイルばねの成形加工
に備えて待機位置で待機している状態から、一対の送り
ローラ1,1(図11参照)によって線材Wを送り出
し、線ガイド2から繰り出される所要長の線材Wを巻回
工具3A,3Bに衝合させると線材Wが巻回され、線材
Wの先端部分に、芯金6から突出する図2に示すような
始端部が形成される。 この始端部が形成された後また
はその直前に、線材挟入工具13をコイル軸心に向かっ
て前進させると、その先端部に形成された凹溝13u内
に線材Wの始端抑止部Wdが挟入され、線材Wは、図2
(b)に示すように凹溝13uの一方の内側面13aに
よってコイルばね成形方向と逆方向(図示の左方)に抑
止される。
【0036】そして、始端押圧工具23をコイルばね成
形方向と逆方向に前進させると押圧面23aが線材Wの
始端押圧部Wbに当接し、さらに始端押圧工具23を同
方向に前進させると、線材Wは、押圧面23aの押圧力
によってコイルばね成形方向と逆方向に押圧され、図3
に示すように、この押圧される始端押圧部Wbと線材挟
入工具13の凹溝13u内で抑止されている始端抑止部
Wdとの間の始端折曲部Wcを折曲位置にして、線材W
の始端部はコイルばね軸方向内側に折り曲げ成形され
る。 なお、上述した始端押圧工具23は、図3に示す
前進端位置に到達すると略同時に後退させるとともに、
線材挟入工具13は、始端押圧工具23の押圧面23a
が線材Wから脱離された後に後退させて、それぞれ図4
に示す後退端で待機させる。
【0037】次いで、楔形ピッチ工具33をコイル軸心
に向かって所要位置まで前進させ、一対の送りローラ
1,1によって線材Wを送り出し、線ガイド2から繰り
出される線材Wを巻回工具3A,3Bに衝合させると、
線材Wのピッチ付与部Wpは、後面側が楔形ピッチ工具
33の先端に形成された傾斜面33aと当接し、この傾
斜面33aによって線材Wのピッチ付与部Wpは、図4
(b)に示すようにコイルばね成形方向(図示の右方)
に付勢されて所要リードのピッチが付与され、線ガイド
2から所要長の線材Wを繰り出すことでコイルばねSが
形成される。
【0038】そして、コイルばねSが形成され一対の送
りローラ1,1の回転を停止して、線ガイド2から繰り
出される線材Wを停止させるとともに、楔形ピッチ工具
33を図5に示す位置まで後退させると、線材Wのピッ
チ付与部Wpは、コイルばね成形方向に付勢されない状
態になる。
【0039】次いで、線ガイド2から繰り出される線材
Wを停止させた後またはその直前に線材挟入工具13を
コイル軸心に向かって前進させると、その凹溝13u内
に線材Wの終端抑止部Wyが挟入され、線材Wは、図5
(b)に示すように凹溝13uの他方の内側面13bに
よってコイルばね成形方向(図示の右方)に抑止され
る。
【0040】そして、楔形ピッチ工具33を図5に示す
位置からコイル軸心に向かって前進させると、線材Wの
終端部の後面側が楔形ピッチ工具33の傾斜面33aと
当接し、さらに図6に示す前進端位置まで前進させる
と、線材Wの終端押圧部Wwは、後面側が楔形ピッチ工
具33に形成された傾斜面33aの楔作用によってコイ
ルばね成形方向に押圧され、この押圧される終端押圧部
Wwと線材挟入工具13の凹溝13uで抑止されている
終端抑止部Wyとの間の終端折曲部Wxを折曲位置にし
て、図6に示すように、線材Wの終端部はコイルばね軸
方向内側に折り曲げ成形される。 なお、上述した楔形
ピッチ工具33は、図6に示す前進端位置に到達すると
略同時に後退させるとともに、線材挟入工具13は、楔
形ピッチ工具33の傾斜面33aが線材Wから脱離され
た後に後退させて、それぞれ図7に示す後退端で待機さ
せる。
【0041】次いで、切断工具5をコイル軸心に向かっ
て前進させると、切断工具5の刃面5aに形成された下
端部の切刃が巻回された線材Wの外周側に当接し、さら
に切断工具5を前進させると、線材Wは、切断工具5の
切刃と、芯金6の刃面6aに形成され巻回された線材W
の内周側に当接する上端部の切刃との剪断作用によって
図7に示すように切断され、コイルばねSは終端Wzが
線材Wから切り離され、始端Waと終端Wzとの両端
が、図15に示すようにコイルばね軸方向の内側に曲げ
られたコイルばねSが巻成する。 そして、コイルばね
Sが線材Wから切り離された後、切断工具5を後退させ
て図1に示す後退端で待機させる。
【0042】上述した、第1実施例による線材Wの巻回
始めからコイルばねSが巻成されるまでの1サイクルを
要約すると、 (1)図1に示す状態から線材Wを繰り
出して巻回工具3A,3Bに衝合させると図2に示す始
端部が形成され、 (2)線材挟入工具13で線材Wの
始端抑止部Wdを抑止するとともに、始端押圧工具23
で線材Wの始端押圧部Wbを押圧すると、線材Wの始端
部は、図3に示すようにコイルばね軸方向内側に折り曲
げ成形され、 (3)楔形ピッチ工具33で線材Wにピ
ッチを付与しながら線材Wを繰り出すと、図4に示すよ
うに所要長のコイルばねSが形成され、 (4)図5に
示す線材挟入工具13で線材Wの終端抑止部Wyを抑止
するとともに、楔形ピッチ工具33で線材Wの終端押圧
部Wwを押圧すると、線材Wの終端部は、図6に示すよ
うにコイルばね軸方向内側に折り曲げ成形され、
(5)切断工具5と芯金6との剪断作用によって線材W
の終端Wzが切断されると、図7に示すように両端がコ
イルばね軸方向の内側に曲げられたコイルばねSが巻成
する。
【0043】引き続いて、本発明の第2実施例によって
コイルばねの両端を内曲げ成形するための装置につい
て、図14を参照して以下のとおり説明する。 図14
はコイルばね製造機の主要部正面図であって、この第2
実施例は、上述した第1実施例と終端曲げ手段30のみ
が相違するものであるから、この終端曲げ手段30を除
く他の構成要素は、第1実施例と同一の符号を付して第
1実施例と相違する部分について説明する。
【0044】第2実施例の終端曲げ手段30は、コイル
ばね成形方向に進退可能なロッド35が前板4の後面側
(図12に示す右方)から前面側(図12に示す左方)
に突出して前板4に挿通され、このロッド35の前端部
に押出しピッチ工具34が取着されている。 この押出
しピッチ工具34の先端部には、巻回された線材Wの終
端部の後面側にのみ当接可能に押圧面34aが形成さ
れ、この押圧面34aがコイル軸心に向かって進出して
後述する図8に示すピッチ付与部Wpの後面側に当接し
た状態において、押圧面34aによってピッチ付与部W
pがコイルばね成形方向に押圧されてコイルばねSに所
定のピッチが付与される。
【0045】さらに押圧面34aが同方向に進出して後
述する図10に示す終端押圧部Ww(前記ピッチ付与部
Wpと近似位置)の後面側に当接した状態において、押
圧面34aによって終端押圧部Wwがコイルばね成形方
向に押圧されて、線材Wを終端折曲部Wxで折り曲げる
ように構成されている。
【0046】次いで、本発明の第2実施例によってコイ
ルばねの両端を内曲げ成形する方法について、図8乃至
図10および図15の説明図を参照して以下のとおり説
明する。 図8は押出しピッチ工具34が前進して巻回
される線材Wにピッチが付与されコイルばねSが成形さ
れた状態を示し、 図9は線材挟入工具13が前進して
線材Wの終端近傍が抑止された状態を示し、 図10は
押出しピッチ工具34が前進して線材Wの終端部が折曲
された状態を示し、 図15は両端が内曲げ成形された
コイルばねSを示す説明図である。
【0047】この第2実施例よるコイルばねの両端を内
曲げ成形する方法は、第1実施例の図1乃至図3におい
て上述した、「図1に示す状態から線材Wを繰り出して
巻回工具3A,3Bに衝合させると図2に示す始端部が
形成され、線材挟入工具13で線材Wの始端抑止部Wd
を抑止するとともに、始端押圧工具23で線材Wの始端
押圧部Wbを押圧すると、線材Wの始端部は、図3に示
すようにコイルばね軸方向内側に折り曲げ成形される」
ところまでと、第1実施例の図7において上述した、
「切断工具5と芯金6との剪断作用によって線材Wの終
端Wzが切断されると、図7に示すように両端がコイル
ばね軸方向の内側に曲げられたコイルばねSが巻成す
る」ところとは第1実施例と同一の方法である。 従っ
て、第1実施例と同一の部分については説明を省略し、
相違する部分について説明する。
【0048】相違するところは、第1実施例の図4乃至
図6において上述した、「楔形ピッチ工具33で線材W
にピッチを付与しながら線材Wを繰り出すと、図4に示
すように所要長のコイルばねSが形成され、次いで、図
5に示す線材挟入工具13で線材Wの終端抑止部Wyを
抑止するとともに、楔形ピッチ工具33で線材Wの終端
押圧部Wwを押圧すると、線材Wの終端部は、図6に示
すようにコイルばね軸方向内側に折り曲げ成形される」
ところが相違するものであって、第2実施例において
は、後述する押出しピッチ工具34が第1実施例の楔形
ピッチ工具33と同様の作用をするものである。
【0049】まず、図3に示すように、線材Wの始端部
がコイルばね軸方向内側に折り曲げ成形され後、始端押
圧工具23と線材挟入工具13とを後退させてそれぞれ
図8に示す後退端で待機させた後、次いで、押出しピッ
チ工具34をコイルばね成形方向に向かって所要位置ま
で前進させ、一対の送りローラ1,1(図11参照)に
よって線材Wを送り出し、線ガイド2から繰り出される
線材Wを巻回工具3A,3Bに衝合させると、線材Wの
ピッチ付与部Wpは、後面側が押出しピッチ工具34の
先端に形成された押圧面34aと当接し、この押圧面3
4aによって線材Wのピッチ付与部Wpは、図8(b)
に示すようにコイルばね成形方向(図示の右方)に付勢
されて所要リードのピッチが付与され、線ガイド2から
所要長の線材Wを繰り出すことでコイルばねSが形成さ
れる。
【0050】そして、コイルばねSが形成され一対の送
りローラ1,1の回転を停止して、線ガイド2から繰り
出される線材Wを停止させるとともに、押出しピッチ工
具34を図9に示す位置まで後退させると、線材Wのピ
ッチ付与部Wpは、コイルばね成形方向に付勢されない
状態になる。
【0051】次いで、線ガイド2から繰り出される線材
Wを停止させた後またはその直前に線材挟入工具13を
コイル軸心に向かって前進させると、その先端部に形成
された凹溝13u内に線材Wの終端抑止部Wyが挟入さ
れ、線材Wは、図9(b)に示すように凹溝13uの他
方の内側面13bによってコイルばね成形方向(図示の
右方)に抑止される。
【0052】そして、押出しピッチ工具34を図9に示
す位置からコイルばね成形方向に向かって前進させる
と、線材Wの後面側が押出しピッチ工具34の押圧面3
4aと当接し、さらに図10に示す所要位置まで前進さ
せると、線材Wの終端押圧部Ww(前記ピッチ付与部W
pと近似位置)は、後面側が押出しピッチ工具34に形
成された押圧面34aの押出し作用によってコイルばね
成形方向に押圧され、この押圧される終端押圧部Wwと
線材挟入工具13の凹溝13uで抑止されている終端抑
止部Wyとの間の終端折曲部Wxを折曲位置にして、図
10に示すように、線材Wの終端部はコイルばね軸方向
内側に折り曲げ成形される。 なお、上述した押出しピ
ッチ工具34は、図10に示す前進端位置に到達すると
略同時に後退させるとともに、線材挟入工具13は、押
出しピッチ工具34の押圧面34aが線材Wから脱離さ
れた後に後退させて後退端で待機させる。
【0053】次いで、第1実施例の図7において上述し
たように、切断工具5と芯金6との剪断作用によって線
材Wの終端Wzが切断されると、コイルばねSは終端W
zが線材Wから切り離され、始端Waと終端Wzとの両
端が、図15に示すようにコイルばね軸方向の内側に曲
げられたコイルばねSが巻成する。 そして、コイルば
ねSが線材Wから切り離された後、切断工具5を後退さ
せて図1に示す後退端で待機させる。
【0054】上述した、第2実施例による線材Wの巻回
始めからコイルばねSが巻成されるまでの1サイクルを
要約すると、 (1)図1に示す状態から線材Wを繰り
出して巻回工具3A,3Bに衝合させると図2に示す始
端部が形成され、 (2)線材挟入工具13で線材Wの
始端抑止部Wdを抑止するとともに、始端押圧工具23
で線材Wの始端押圧部Wbを押圧すると、線材Wの始端
部は、図3に示すようにコイルばね軸方向内側に折り曲
げ成形され、 (3)押出しピッチ工具34で線材Wに
ピッチを付与しながら線材Wを繰り出すと、図8に示す
ように所要長のコイルばねSが形成され、 (4)図9
に示す線材挟入工具13で線材Wの終端抑止部Wyを抑
止するとともに、押出しピッチ工具34で線材Wの終端
押圧部Wwを押圧すると、線材Wの終端部は、図10に
示すようにコイルばね軸方向内側に折り曲げ成形され、
(5)切断工具5と芯金6との剪断作用によって線材
Wの終端Wzが切断されると、図7に示すように両端が
コイルばね軸方向の内側に曲げられたコイルばねSが巻
成する。
【0055】なお、本実施例では終端曲げ手段30が、
第1実施例においては楔形ピッチ工具33を備えるコイ
ルばね製造機で、第2実施例においては押出しピッチ工
具34を備えるコイルばね製造機で説明したが、楔形ピ
ッチ工具33と押出しピッチ工具34とを備えるコイル
ばね製造機で、いずれかのピッチツールを選択してコイ
ルばねの両端を内曲げ成形しても本発明の実施ができる
ことは当然である。
【0056】
【発明の効果】本発明は、上述のとおりになされている
ので、以下に記載するような効果を奏する。
【0057】コイルばねの一方の始端は、線材の始端近
傍をコイルばね成形方向と逆方向に抑止して、始端部の
線材Wをコイルばね成形方向と逆方向に押圧して始端部
をコイルばね軸方向内側に折り曲げ成形し、また、他方
の終端は、線材の終端近傍をコイルばね成形方向に抑止
して、終端部の線材をコイルばね成形方向に押圧して終
端部をコイルばね軸方向内側に折り曲げ成形するように
したので、コイルばねの始端と終端との両端をコイルば
ね軸方向のそれぞれ内側に曲げて、鋭角な角部がばね座
に膨出することなく、コイルばねの繰り返し伸縮運動で
その構成部材のばね受け面が削り取られないコイルばね
を容易に成形できる。
【0058】また、線材抑止手段は、先端部に形成され
た凹溝の一方の内側面で線材をコイルばね成形方向と逆
方向に抑止するとともに、凹溝の他方の内側面で線材を
コイルばね成形方向に抑止する線材挟入工具を用いるよ
うにしたので、線材を確実に抑止できるとともに、コイ
ルばね成形方向の正逆両方向に線材を抑止することがで
き構成が簡素にできる。
【0059】また、始端曲げ手段は、先端部に形成され
た押圧面で線材の始端部をコイルばね成形方向と逆方向
に押圧する始端押圧工具を用いるようにしたので、前述
の線材抑止手段と協動して、始端部近傍の線材を確実に
コイルばね軸方向内側に折り曲げ成形することができ
る。
【0060】また、一方の終端曲げ手段は、先端部に形
成された傾斜面で線材の終端部をコイルばね成形方向に
押圧する楔形ピッチ工具を用いるようにしたので、前述
の線材抑止手段と協動して、終端部近傍の線材を確実に
コイルばね軸方向内側に折り曲げ成形することができる
とともに、楔形ピッチ工具はコイルばねのコイル胴部に
所定のピッチも付与できるので構成が簡素にできる。
【0061】さらに、前欄に記載した一方の終端曲げ手
段を用いない場合の別の手段である他方の終端曲げ手段
は、先端部に形成された押圧面で線材の終端部をコイル
ばね成形方向に押圧する押出しピッチ工具を用いるよう
にしたので、前述の線材抑止手段と協動して、終端部近
傍の線材を確実にコイルばね軸方向内側に折り曲げ成形
することができるとともに、押出しピッチ工具はコイル
ばねのコイル胴部に所定のピッチも付与できるので構成
が簡素にできる。
【0062】従って、コイルばねにピッチを付与するピ
ッチ工具は、少なくとも楔形ピッチ工具または押出しピ
ッチ工具のいずれかの機能を備えるコイルばね製造機で
あれば、本発明による、両端をコイルばね軸方向のそれ
ぞれ内側に折り曲げるコイルばねの製造装置が容易に構
成できるので、装置の作製費用およびコイルばね成形品
の原価が安価にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による、加工前の待機位置
を示す説明図であって、(a)は正面図、(b)は側面
図である。
【図2】同じく、線材挟入工具13が前進して、線材W
の始端近傍が抑止された状態を示す説明図であって、
(a)は正面図、(b)は(a)の矢視図である。
【図3】同じく、始端押圧工具23が前進して、線材W
の始端部が折曲された状態を示す説明図であって、
(a)は正面図、(b)は(a)の矢視図である。
【図4】同じく、線材挟入工具13と始端押圧工具23
とが後退し楔形ピッチ工具33が前進して、巻回される
線材Wにピッチが付与されコイルばねSが成形された状
態を示す説明図であって、(a)は正面図、(b)は側
面図である。
【図5】同じく、楔形ピッチ工具33が後退し線材挟入
工具13が前進して、線材Wの終端近傍が抑止された状
態を示す説明図であって、(a)は正面図、(b)は
(a)の矢視図である。
【図6】同じく、楔形ピッチ工具33が前進して、線材
Wの終端部が折曲された状態を示す説明図であって、
(a)は正面図、(b)は(a)の矢視図である。
【図7】同じく、線材挟入工具13と楔形ピッチ工具3
3とが後退し切断工具5が前進して、コイルばね終端の
線材Wが切断された状態を示す説明図であって、(a)
は正面図、(b)は側面図である。
【図8】本発明の第2実施例による、線材挟入工具13
と始端押圧工具23とが後退し押出しピッチ工具34が
前進して、巻回される線材Wにピッチが付与されコイル
ばねSが成形された状態を示す説明図であって、(a)
は正面図、(b)は側面図である。
【図9】同じく、押出しピッチ工具34が後退し線材挟
入工具13が前進して、線材Wの終端近傍が抑止された
状態を示す説明図であって、(a)は正面図、(b)は
(a)の矢視図である。
【図10】同じく、押出しピッチ工具34が前進して、
線材Wの終端部が折曲された状態を示す説明図であっ
て、(a)は正面図、(b)は(a)の矢視図である。
【図11】本発明の第1実施例によって、コイルばねの
両端を内曲げ成形するための装置を示す説明図であっ
て、コイルばね製造機の主要部正面図である。
【図12】図11の縦断面図である。
【図13】図11に示す線材挟入工具13の先端部拡大
図であって、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図14】本発明の第2実施例によって、コイルばねの
両端を内曲げ成形するための装置を示す説明図であっ
て、コイルばね製造機の主要部正面図である。
【図15】本発明によって、両端が内曲げ成形されたコ
イルばねSを示す説明図であって、(a)は正面図、
(b)は側面図である。
【符号の説明】
2 線ガイド 3A,3B 巻回工具 5 切断工具 6 芯金 10 線材抑止手段 13 線材挟入工具 13a 一方の内側面 13b 他方の内側面 20 始端曲げ手段 23 始端押圧工具 23a 押圧面 30 終端曲げ手段 33 楔形ピッチ工具 33a 傾斜面 34 押出しピッチ工具 34a 押圧面 S コイルばね W 線材 Wa 始端 Wb 始端押圧部 Wc 始端折曲部 Wd 始端抑止部 Ww 終端押圧部 Wx 終端折曲部 Wy 終端抑止部 Wz 終端

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一対の送りローラによって線
    ガイドから繰り出される線材を巻回工具に衝合させて巻
    回されるコイルばねの始端と終端との両端をコイルばね
    軸方向のそれぞれ内側に曲げる方法であって、 巻回された線材の始端近傍を線材抑止手段によってコイ
    ルばね成形方向と逆方向に抑止して、この抑止された部
    分と始端との間の線材を始端曲げ手段によってコイルば
    ね成形方向と逆方向に押圧して始端部をコイルばね軸方
    向内側に折り曲げ成形し、引き続き線材を巻回工具に衝
    合させて所定巻回数のコイルばねに成形した後、巻回さ
    れた線材の終端近傍を前記線材抑止手段によってコイル
    ばね成形方向に抑止して、この抑止された部分よりも始
    端側の近傍の線材を終端曲げ手段によってコイルばね成
    形方向に押圧して終端部をコイルばね軸方向内側に折り
    曲げ成形し、コイルばねの始端と終端との両端をコイル
    ばね軸方向のそれぞれ内側に曲げるようにしたことを特
    徴とするコイルばねの両端内曲げ方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された線材抑止手段は、 巻回された線材を挟入可能にコイル軸心に向かって進退
    可能な先端部に凹溝が形成され、前記先端部がコイル軸
    心に向かって進出して線材の始端近傍または終端近傍が
    前記凹溝に挟入された状態において、前記凹溝の一方の
    内側面で線材をコイルばね成形方向と逆方向に抑止する
    とともに、他方の内側面で線材をコイルばね成形方向に
    抑止する線材挟入工具を用いるようにした請求項1に記
    載されたコイルばねの両端内曲げ方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された始端曲げ手段は、 巻回された線材の始端部前面にのみ当接可能にコイルば
    ね成形方向と逆方向に進退可能な先端部に押圧面が形成
    され、前記押圧面がコイルばね成形方向と逆方向に進出
    して線材の始端部前面に当接し、さらに前記押圧面が同
    方向に進出した状態において、前記押圧面で線材の始端
    部をコイルばね成形方向と逆方向に押圧する始端押圧工
    具を用いるようにした請求項1または請求項2に記載さ
    れたコイルばねの両端内曲げ方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載された終端曲げ手段は、 巻回された線材の終端部後面にのみ当接可能にコイル軸
    心に向かって進退可能な先端部に傾斜面が形成され、前
    記先端部がコイル軸心に向かって進出して線材の終端部
    後面に当接し、さらに前記先端部が同方向に向かって進
    出した状態において、前記先端部の傾斜面で線材の終端
    部をコイルばね成形方向に押圧する楔形ピッチ工具を用
    いるようにした請求項1、請求項2または請求項3のい
    ずれかに記載されたコイルばねの両端内曲げ方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載された終端曲げ手段は、 巻回された線材の終端部後面にのみ当接可能にコイルば
    ね成形方向に進退可能な先端部に押圧面が形成され、前
    記押圧面がコイルばね成形方向に進出して線材の終端部
    後面に当接し、さらに前記押圧面が同方向に進出した状
    態において、前記押圧面で線材の終端部をコイルばね成
    形方向に押圧する押出しピッチ工具を用いるようにした
    請求項1、請求項2または請求項3のいずれかに記載さ
    れたコイルばねの両端内曲げ方法。
JP33494696A 1996-11-29 1996-11-29 コイルばねの両端内曲げ方法 Expired - Fee Related JP3266528B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33494696A JP3266528B2 (ja) 1996-11-29 1996-11-29 コイルばねの両端内曲げ方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33494696A JP3266528B2 (ja) 1996-11-29 1996-11-29 コイルばねの両端内曲げ方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10156469A true JPH10156469A (ja) 1998-06-16
JP3266528B2 JP3266528B2 (ja) 2002-03-18

Family

ID=18283009

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33494696A Expired - Fee Related JP3266528B2 (ja) 1996-11-29 1996-11-29 コイルばねの両端内曲げ方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3266528B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003001354A (ja) * 2001-06-15 2003-01-07 High Frequency Heattreat Co Ltd 丸形フープ筋加工装置
JP2016159314A (ja) * 2015-02-27 2016-09-05 日本発條株式会社 コイルばね製造装置とコイルばねの製造方法
CN107410100A (zh) * 2017-09-22 2017-12-01 吴晓彬 一种用于蜜蜂脱粉器中的绕圈装置及其绕圈方法
CN117548591A (zh) * 2024-01-10 2024-02-13 常州泰山弹簧有限公司 一种弹簧加工用弹簧绕制装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003001354A (ja) * 2001-06-15 2003-01-07 High Frequency Heattreat Co Ltd 丸形フープ筋加工装置
JP4608134B2 (ja) * 2001-06-15 2011-01-05 高周波熱錬株式会社 丸形フープ筋加工装置及び丸形フープ筋加工方法
JP2016159314A (ja) * 2015-02-27 2016-09-05 日本発條株式会社 コイルばね製造装置とコイルばねの製造方法
CN107410100A (zh) * 2017-09-22 2017-12-01 吴晓彬 一种用于蜜蜂脱粉器中的绕圈装置及其绕圈方法
CN107410100B (zh) * 2017-09-22 2023-06-20 吴晓彬 一种用于蜜蜂脱粉器中的绕圈装置及其绕圈方法
CN117548591A (zh) * 2024-01-10 2024-02-13 常州泰山弹簧有限公司 一种弹簧加工用弹簧绕制装置
CN117548591B (zh) * 2024-01-10 2024-04-02 常州泰山弹簧有限公司 一种弹簧加工用弹簧绕制装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3266528B2 (ja) 2002-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3725842B2 (ja) パイプ曲げ加工装置およびパイプ曲げ加工方法
US4889327A (en) Multiple-strand torsion spring
JP2000238150A (ja) 紙コップ底及び紙コップ底の製造方法とその装置
JP2018063867A (ja) 圧着端子および端子圧着装置
JP3266528B2 (ja) コイルばねの両端内曲げ方法
JP4355547B2 (ja) 平角導通線材を用いた角形コイルの製造方法及び製造装置
EP4093565A1 (de) Verfahren und drahtverarbeitungsmaschine zur herstellung konfektionierter formteile
US4821390A (en) Multiple-strand torsion spring and method of forming the same
JP3000017B1 (ja) 管素材の曲げ加工方法
JP3030688B2 (ja) 渦巻ばねの成形方法
JP2004322178A (ja) 内曲げフックを有するコイルばねの成形方法およびその装置
JPH10180384A (ja) コイルばねの切断方法
CN108723238B (zh) 成型机、金属材的成型方法、以及停止爪部件的制造方法
DE69823999T2 (de) Spulenwickelvorrichtung und spulenwickelverfahren
WO2020126259A1 (de) Verfahren und vorrichtung zur herstellung eines elektrischen leiters
JP2000042671A (ja) ばね成形方法
JP3320451B2 (ja) ワークの曲げ加工方法
JPH0315230Y2 (ja)
JPH10192965A (ja) 車体構造用筒状部材の製造方法
JP3566101B2 (ja) 曲げ金型のワーク排出装置
JPH0558817B2 (ja)
JP5644912B2 (ja) 芯線切断装置
JPH08215783A (ja) 転造加工方法
EP0283059A1 (en) Method and apparatus for manufacturing a body with a cover locking ring, the manufactured body and a pre-body therefor
US4543071A (en) Apparatus for producing a magnetron

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees