JPH10152039A - 倍力装置 - Google Patents

倍力装置

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JPH10152039A
JPH10152039A JP8327588A JP32758896A JPH10152039A JP H10152039 A JPH10152039 A JP H10152039A JP 8327588 A JP8327588 A JP 8327588A JP 32758896 A JP32758896 A JP 32758896A JP H10152039 A JPH10152039 A JP H10152039A
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valve seat
cylindrical member
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Tsuyoshi Okuno
強 奥野
Naoto Saito
直人 斉藤
Hitoshi Takaku
均 高久
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 バルブボディ2の内部に筒状部材28を
軸方向に移動可能に取り付けてあり、この筒状部材28
に真空弁座6を形成している。図示した非作動状態から
ブレーキペダル踏み込まれて、弁機構5が作動されてブ
レーキ倍力装置が作動される。そして、真空弁14およ
び大気弁17がともに閉鎖されるサーボバランス状態か
らブレーキペダルの踏み込みが解放されると、それに伴
って弁体13の両シート部S1,S2も後退する。その
際、筒状部材28のリヤ側の半径方向部28bに作用し
ている大気と負圧との差圧によって、筒状部材28(真
空弁座6)が弁体13に付随して後退し、それによって
真空弁14の切り換わりが遅れる。 【効果】 従来に比較して、大きなヒステリシスを得る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は倍力装置に関し、より詳
しくは、大きなヒステリシスを得ることができる倍力装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来一般に、倍力装置は、シェル内に摺
動自在に設けたバルブボディと、このバルブボディに設
けたパワーピストンと、パワーピストンの前後に形成し
た定圧室および変圧室と、バルブボディ内に設けられ
て、上記定圧室と変圧室と大気との間の連通状態を切り
換える弁機構とを備え、上記弁機構は、上記バルブボデ
ィの内周部に設けた環状の真空弁座と、バルブボディに
摺動自在に嵌合されて入力軸と連動する弁プランジャ
と、この弁プランジャに形成した環状の大気弁座と、ば
ねに付勢されて上記真空弁座および大気弁座に着座する
弁体とを備えている。このような従来の倍力装置の作動
時には、出力軸に加わるブレーキ反力の一部をバルブボ
ディで受けさせるとともに残部を弁プランジャに伝達さ
せ、この弁プランジャに加わるブレーキ反力を入力軸お
よびブレーキペダルを介して運転者に感知させるように
している。また、従来、倍力装置の作動状態において、
同一出力が得られる場合のブレーキペダルの踏み込み時
と解放時の入力の差はヒステリシスと称されている。よ
り詳細には、弁機構を構成する大気弁および真空弁が同
時に閉鎖されて出力が変動しないサーボバランス状態が
生じる。このサーボバランス状態は、弁機構を構成する
弁体の弾性変形によって得られるものであり、ブレーキ
ペダルの踏み込み時とブレーキペダルの解放時に生じ
る。そして、倍力装置がサーボバランス状態となって出
力が同一の場合におけるブレーキペダルの踏み込み時と
ブレーキペダルの解放時の入力の差がヒステリシスであ
る。そして、大きなヒステリシスを確保することによっ
て、運転者に良好なブレーキフィーリングを付与するこ
とが出来る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに、従来一般の倍力装置では、弁体の弾性変形によっ
てヒステリシスを得ていたので、大きなヒステリシスを
得ることが困難であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述した事情に鑑み、本
件の第1の発明は、シェル内に摺動自在に設けたバルブ
ボディと、このバルブボディに設けたパワーピストン
と、パワーピストンの前後に形成した定圧室および変圧
室と、バルブボディ内に設けられて、上記定圧室と変圧
室と大気との間の連通状態を切り換える弁機構とを備
え、上記弁機構は、上記バルブボディの内周部に設けた
環状の真空弁座と、バルブボディに摺動自在に嵌合され
て入力軸と連動する弁プランジャと、この弁プランジャ
に形成した環状の大気弁座と、ばねに付勢されて上記真
空弁座および大気弁座に着座する弁体とを備える倍力装
置において、上記バルブボディの内部に筒状部材を軸方
向に移動可能に取り付けて、この筒状部材におけるリヤ
側に上記真空弁座を形成し、上記真空弁座に着座した状
態の弁体がバルブボディに対して後退する際には、上記
筒状部材がバルブボディに対してリヤ側へ所定量だけ相
対移動して真空弁座が弁体とともに後退するように構成
したものである。また、第2の発明は、シェル内に摺動
自在に設けたバルブボディと、このバルブボディに設け
たパワーピストンと、パワーピストンの前後に形成した
定圧室および変圧室と、バルブボディ内に設けられて、
上記定圧室と変圧室と大気との間の連通状態を切り換え
る弁機構とを備え、上記弁機構は、上記バルブボディの
内周部に設けた環状の真空弁座と、バルブボディに摺動
自在に嵌合されて入力軸と連動する弁プランジャと、こ
の弁プランジャに形成した環状の大気弁座と、フロント
側の箇所にプレートを埋設し、ばねに付勢されて上記真
空弁座および大気弁座に着座する弁体とを備える倍力装
置において、上記プレートを設けた弁体におけるフロン
ト側の箇所を囲繞して軸方向に移動可能に円筒部材を配
置し、この円筒部材におけるフロント側に上記真空弁座
と接離する第1シート部を形成して、上記第1シート部
が真空弁座に着座し、かつ弁体が大気弁座に着座したサ
ーボバランス状態から弁体がリヤ側に後退する際には、
弁体のフロント側の箇所がバルブボディおよび筒状部材
に対してリヤ側へ所定量だけ後退するまで上記第1シー
ト部は真空弁座に着座した状態に維持されるように構成
したものである。さらに、第3の発明は、シェル内に摺
動自在に設けたバルブボディと、このバルブボディに設
けたパワーピストンと、パワーピストンの前後に形成し
た定圧室および変圧室と、バルブボディ内に設けられ
て、上記定圧室と変圧室と大気との間の連通状態を切り
換える弁機構とを備え、上記弁機構は、上記バルブボデ
ィの内周部に設けた環状の真空弁座と、バルブボディに
摺動自在に嵌合されて入力軸と連動する弁プランジャ
と、この弁プランジャに形成した環状の大気弁座と、フ
ロント側の箇所にプレートを埋設し、ばねに付勢されて
上記真空弁座および大気弁座に着座する弁体とを備える
倍力装置において、上記プレートを、弁体に固定されて
上記真空弁座に接離する第1シート部の裏面に位置する
第1プレートと、この第1プレートの内周部に摺動自在
に嵌合されるとともに、上記大気弁座に接離する弁体の
第2シート部の裏面に当接する第2プレートから構成
し、上記ばねによって第2プレートをフロント側にむけ
て付勢して上記第1プレートに当接させ、上記弁体の両
シート部が真空弁座および大気弁に同時に着座するサー
ボバランス状態から入力軸が後退される際には、第2プ
レートが第1プレートに対してリヤ側に後退することに
より上記第2シート部のリヤ側への弾性変形を許容し
て、弁体の第1シート部が真空弁座から離座するのを遅
延させるように構成したものである。
【0005】
【作用】上記第1の発明によれば、倍力装置が作動され
て、弁体が真空弁座および大気弁座に同時に着座するサ
ーボバランス状態からブレーキペダルの踏み込みが解放
されて入力軸が後退されると、入力軸とともに弁プラン
ジャとそれに設けた大気弁座および弁体も後退される。
その際、筒状部材もバルブボディに対して相対移動して
真空弁座が所定量だけ弁体とともに後退する。これによ
り、真空弁座が閉鎖状態から開放状態に切り換わるのが
遅れる。つまり、同一出力が得られる場合における入力
の差が大きくなるので、ヒステリシスを大きくすること
ができる。また、上記第2の発明によれば、サーボバラ
ンス状態から入力軸が後退された際には、弁体のフロン
ト側の箇所がバルブボディおよび筒状部材に対してリヤ
側へ所定量だけ後退するまで上記第1シート部は真空弁
座に着座した状態に維持される。これにより、真空弁座
が閉鎖状態から開放状態に切り換わるのが遅れるので、
ヒステリシスを大きくすることができる。さらに、上記
第3の発明によれば、サーボバランス状態から入力軸が
後退された際には、弁体の第1シート部が真空弁座から
離座するのを遅延させることができる。これにより、真
空弁座が閉鎖状態から開放状態に切り換わるのが遅れる
ので、ヒステリシスを大きくすることができる。
【0006】
【実施例】以下図示実施例について本発明を説明する
と、図1において、ブレーキ倍力装置のシェル1内には
概略筒状のバルブボディ2を摺動自在に嵌合している。
バルブボディ2の外周部にはパワーピストン3を連結し
てあり、このパワーピストン3の背面にダイアフラム4
を張設している。このダイアフラム4によってシェル1
内をフロント側の定圧室Aとリヤ側の変圧室Bとに区画
形成している。バルブボディ2内には、定圧室Aと変圧
室Bと大気との間の連通状態を切り換える弁機構5を設
けている。弁機構5は、バルブボディ2の内周部に設け
た環状の真空弁座6と、フロント側の外周部をバルブボ
ディ2の内周部に摺動自在に嵌合し、かつリヤ側の端部
を入力軸7に連結した弁プランジャ8と、この弁プラン
ジャ8のリヤ側の端部に形成した環状の大気弁座11
と、ばね12の弾撥力によって両弁座6,11にリヤ側
から着座する概略筒状でゴム製の弁体13とを備えてい
る。上記真空弁座6とそれに接離する弁体13の第1シ
ート部S1とによって真空弁14を構成してあり、この
真空弁14の外周側はバルブボディ2に形成した軸方向
の定圧通路15によって定圧室Aと常時連通している。
この定圧室A内には負圧導入管16を介して常時負圧が
導入されている。また、大気弁座11とそれに接離する
弁体13の第2シート部S2とによって大気弁17を構
成してあり、この大気弁17と真空弁14との中間部
は、バルブボディ2の半径方向孔からなる変圧通路18
を介して変圧室Bと常時連通している。弁体13の両シ
ート部S1,S2の裏面には、リング状のプレート10
を埋設してあり、このプレート10における内周側の縁
部と入力軸7の段部とにわたって上記ばね12を弾装し
ている。また、弁体13の基部はリテーナ19によって
バルブボディ2の内周部に固定してあり、上記リテーナ
19と入力軸7の段部とにわたってばね20を弾装して
いる。これによって入力軸7を常時リヤ側にむけて付勢
している。さらに、上記大気弁17の内周側は、バルブ
ボディ2の内部空間によって構成した大気通路21を介
して大気と常時連通している。なお、大気通路21内に
はフィルタ22を設けている。上記弁プランジャ8には
キー部材23を係合させてあり、それによって弁プラン
ジャ8がバルブボディ2から脱落するのを防止してい
る。また、バルブボディ2における内周部には、フロン
ト側に向けて突出する環状突起2Aを形成してあり、こ
の環状突起2Aの外周部に、出力軸24の基部に形成し
た凹部24aを摺動自在に嵌装している。この出力軸2
4の凹部24a内にリアクションディスク25を収納し
てあり、このリアクションディスク25を環状突起2A
の端面と凹部24aの底部との間に介在させている。バ
ルブボディ2とシェル1のフロント側の壁面とにわたっ
てはリターンスプリング26を弾装してあり、したがっ
て、非作動状態のバルブボディ2等は、キー部材23が
シェル1のリヤ側の壁面と当接する図示非作動位置に停
止している。この非作動状態では、真空弁14は開放さ
れる一方、大気弁17は閉鎖されている。そのため、定
圧室Aと変圧室Bとが連通し、それら両室A,B内には
負圧が導入されている。また、この非作動状態では、弁
プランジャ8のフロント側の端面と、それに対向したリ
アクションディスク25との間に僅かな間隙が維持され
ている。以上の構成は従来公知のブレーキ倍力装置のも
のと基本的に変わるところはない。
【0007】しかして、本実施例は、上記真空弁座6を
設けたバルブボディ6の内周部を改良することにより、
大きなヒステリシスを得られるようにしたものである。
すなわち、図2に拡大して示すように、弁体13の第1
シート部S1と対向するバルブボディ2の段部2Bの位
置には、該段部2Bの段部端面からフロントが和に伸び
る環状の空間部27を形成してあり、その空間部27に
筒状部材28を摺動自在に嵌合している。筒状部材28
の軸方向の両端部には、半径方向内方に伸びる半径方向
部28a,28bをそれぞれ形成している。また、この
筒状部材28の内周面と対向するバルブボディ2側の周
面には、軸方向に所定間隔を維持して環状溝2C,2D
を形成している。そして、フロント側の環状溝2C内に
上記筒状部材28のフロント側の半径方向部28aを係
合させて、該半径方向部28aが環状溝2C内で軸方向
に移動できるようにしている。これに対して、筒状部材
28のリヤ側の半径方向部28bは、段部2Bの端面よ
りもリヤ側に位置させている。そして、本実施例では、
この半径方向部28bにおけるリヤ側の端面に突設した
環状突起によって上記真空弁座6を構成している。上述
したように構成することで、真空弁座6を形成した筒状
部材28は、そのフロント側の半径方向部28aがバル
ブボディ2の環状溝2C内で軸方向に移動できる範囲内
で、バルブボディ2に対して軸方向に相対移動すること
ができる。そして、図1およびこの図2に示すように、
環状溝2Cにおけるフロント側の端面に半径方向部28
aが当接している状態が、バルブボディ2に対する筒状
部材28の前進端位置となる。他方、環状溝2Cにおけ
るリヤ側の端面に半径方向部28aが当接している状態
が、バルブボディ2に対する筒状部材28の後退端位置
となる。さらに、バルブボディ2のリヤ側の環状溝2D
内には、断面が円弧状をした環状シール部材31を装着
してあり、この環状シール部材31の外周部を上記筒状
部材28の内周面に密着させて摺接させるようにしてい
る。それによって、筒状部材28の内周面とバルブボデ
ィ2の環状溝2Dとの間の気密を保持している。この環
状シール部材31は、リップ状となったその外周部がフ
ロント側に向けて傾斜した状態で筒状部材28の内周面
に密着するように、環状溝2D内に装着されている。環
状シール部材31をこのように環状溝2D内に設けるこ
とにより、筒状部材28が上述した前進端位置と後退位
置とに移動する際に、筒状部材28に対する環状シール
部材31の摺動抵抗を異ならせている。つまり、筒状部
材28が図示前進端位置から後退端位置までバルブボデ
ィ2に対してリヤ側に向けて相対移動する場合には、後
退端位置から図示前進端位置に筒状部材28が移動する
場合よりも、筒状部材28の摺動抵抗が大きくなるよう
にしている。なお、本実施例における筒状部材28は実
質的にバルブボディ2の一部を構成するものである。
【0008】(作動説明)以上の構成において、図1な
いし図2に示すブレーキ倍力装置の非作動状態では、筒
状部材28は前進端位置に位置している。そのため、真
空弁座6と弁体13の第1シート部S1は離隔して真空
弁14が開放されており、他方、大気弁座11に第2シ
ート部S2が着座して大気弁17は閉鎖されている。こ
の非作動状態からブレーキペダルが踏み込まれて入力軸
7および弁プランジャ8が前進されると、従来周知のブ
レーキ倍力装置と同様に弁機構15の流路が切り換えら
れる。すなわち、入力軸7および弁プランジャ8が前進
されると、弁体13の第1シート部S1が真空弁座6に
着座して真空弁23が閉鎖された後、大気弁座11が弁
体13の第2シート部S2から離座して大気弁26が開
放される。これにより、変圧室Bに大気が導入されるの
で、定圧室Aと変圧室Bとの圧力差によりパワーピスト
ン3およびバルブボディ2が前進される。バルブボディ
2の前進に伴って出力軸24が前進されるので、図示し
ないマスターシリンダにブレーキ液圧が発生する。そし
て、上述のようにブレーキ倍力装置が作動されると、リ
アクションディスク25が軸方向に圧縮されるので、こ
のリアクションディスク25の軸部がリヤ側にむけて膨
出して弁プランジャ8の端面に当接する。この時点は、
出力が急上昇するので一般にジャンピングと称されてい
る。そして、このジャンピングの時点から出力軸24に
作用する出力の反力が、リアクションディスク25と弁
プランジャ8、さらに入力軸7を介して図示しないブレ
ーキペダルに伝達される。さらに、上述のようにしてブ
レーキ倍力装置が作動されてから真空弁14だけでなく
大気弁17も同時に閉鎖されるサーボバランス状態で
は、上記筒状部材28は前進端位置に位置したままであ
る。
【0009】これに対して、上記サーボバランス状態か
らブレーキペダルの踏み込みが解放されると、入力軸7
および弁プランジャ8が後退することに伴って、弁体1
3の両シート部S1,S2もバルブボディ2に対してリ
ヤ側に後退する。このとき、筒状部材28におけるリヤ
側の半径方向部28bには、そのリヤ側に負圧が作用す
る一方、フロント側に大気圧が作用する。そのため、筒
状部材28の半径方向部28bの前後の負圧と大気圧と
の差圧によって、半径方向部28bを設けた真空弁座6
が弁体13の第1シート部S1に圧接される。そして、
入力軸7の後退に伴って弁体13の両シート部S1,S
2がリヤ側へ後退すると、上述した差圧によって第1シ
ート部S1に圧接された状態の真空弁座6(筒状部材2
8)も、両シート部S1,S2に追従してバルブボディ
2に対してリヤ側に後退していく(図3参照)。そのよ
うに後退した後に、フロント側の半径方向部28aが環
状溝2Cにおけるリヤ側の端面に当接してバルブボディ
2に対する相対移動が停止されるので、筒状部材28は
バルブボディ2に対する後退端位置となるが、弁体13
の両シート部S1,S2および第2シート部S2に着座
した大気弁座17(弁プランジャ7)はさらに図2に示
した非作動位置まで後退して停止する。このように第1
シート部S1が真空弁座6から離座することにより真空
弁14が開放されると、変圧室B内の大気は真空弁14
から定圧通路15および定圧室Aを経由してシェル1外
に排出されるので、ブレーキ倍力装置は非作動状態に復
帰する。
【0010】以上のように、本実施例は、サーボバラン
ス状態からブレーキペダルが解放された時に、筒状部材
28に設けた真空弁座6が軸方向に所定範囲だけ弁体1
3の後退に追従し、それによって、真空弁座6が弁体1
3の第1シート部S1から離座するのを遅延させるよう
にしている。換言すると、上述した構成により、同一出
力が得られる場合におけるブレーキペダルの踏み込み時
とブレーキペダルの解放時の入力の差であるヒステリシ
スを大きくすることができる。そして、ヒステリシスの
大きさは、上記バルブボディ2の環状溝2Cの幅(軸方
向寸法)を変更することにより任意の大きさに設定する
ことができる。しかも、本実施例では、環状シール部材
31を上述した配置方向で環状溝2D内に設けて筒状部
材28の内周面に摺接させるようにしている。そのた
め、サーボバランス状態からブレーキペダルが解放され
て、筒状部材28が弁体13に追従して後退するときに
は、環状シール部材31によって摺動抵抗が大きくな
る。他方、ブレーキペダルが踏み込まれることによって
後退端位置から前進端位置にむけて筒状部材28がバル
ブボディ2に対して前進するときには、環状シール部材
31による摺動抵抗が小さくなる。このように、環状シ
ール部材31によるブレーキペダルの踏み込み時とブレ
ーキペダルの解放時の摺動抵抗に違いによってもヒステ
リシスを大きくすることができる。したがって、本実施
例では、従来に比較して大きなヒステリシスを確保する
ことができ、それによって、運転者に良好なブレーキフ
ィーリングを付与することができる。
【0011】(第2実施例)次に、図4は本発明の第2
実施例を示したものである。この第2実施例では、筒状
部材28に設けた真空弁座6を磁力によって弁体13の
後退作動に追従させるようにしている。すなわち、この
第2実施例では、弁体13の第1シート部S1のフロン
ト側に位置するバルブボディ2の内周部に、筒状のホル
ダ41を嵌着してあり、このホルダ41の内周部に筒状
部材28を摺動自在に嵌合している。なお、これらホル
ダ41および筒状部材28は実質的にバルブボディ2の
一部を構成するものである。このホルダ41の内周部に
は、軸方向の所定位置に、2つの環状溝41a,41b
を形成している。他方、本実施例の筒状部材28は、例
えば鉄等の磁性体からなり、その軸方向の両端部に半径
方向外方に伸びるフランジ部28a,28bを備えてい
る。フロント側のフランジ部28aを上記ホルダ41に
おけるフロント側の環状溝41aに収納させてあり、ま
たリヤ側のフランジ部28bはホルダ41のリヤ側に位
置させている。これにより、フランジ部28aが環状溝
41a内で軸方向に移動できる範囲内で、筒状部材28
はバルブボディ2に対して軸方向に可動できるようにな
っている。そして、このリヤ側のフランジ部28bにお
ける第1シート部S1との対向位置に真空弁座6を形成
している。また、ホルダ41におけるリヤ側の環状溝4
1bには、環状シール部材31を装着してあり、それに
よって、ホルダ41の内周部と筒状部材28の外周部と
の間の気密を保持している。さらに、この第2実施例で
は、真空弁座6を設けた筒状部材28のフランジ部28
bと対向する弁体13の第1シート部S1およびそれか
ら連続する内外の部分を、環状のラバー磁石13’から
構成している。そのほかの構成は、図1ないし2に示し
た第1実施例の構成と同じである。
【0012】(作動説明)以上のように構成した第2実
施例によれば、ブレーキペダルが踏み込まれてブレーキ
倍力装置が作動されたのち、真空弁14および大気弁1
7がともに閉鎖されるサーボバランス状態からブレーキ
ペダルの踏み込みが解放されると、弁体13がリヤ側に
むけて後退する。その際、磁性体からなる真空弁座6は
ラバー磁石13’からなる第1シート部S1に吸着され
ているので、真空弁座6(筒状部材28)は弁体13と
ともにバルブボディ2に対してリヤ側に後退する。そし
て、そのように後退して、フロント側のフランジ部28
aがホルダ41の環状溝41aのリヤ側の端面に当接す
ることでバルブボディ2に対する真空弁座6(筒状部材
28)のリヤ側への後退が停止されるが、弁体13はさ
らに図示非作動位置まで後退する。これにより、真空弁
座6が第1シート部S1から離座して真空弁14が開放
される。この第2実施例においても、サーボバランス状
態からブレーキペダルの踏み込みが解放されて弁体13
が後退する際には、筒状部材28およびそれに設けた真
空弁座6が弁体13に追従して後退し、真空弁座6が開
放されるのを遅延させるようにしている。したがって、
この第2実施例によっても上述した第1実施例と同様
に、大きなヒステリシスを得ることができる。そして、
ホルダ41に設けた環状溝41aの幅(軸方向寸法)を
変更することによって、ヒステリシスを任意の大きさに
調整することができる。なお、この第2実施例では真空
弁座6を設けた筒状部材28を磁性体とし、第1シート
部S1側をラバー磁石13’から構成しているが、これ
とは逆に、真空弁座6をラバー磁石から構成するととも
に第1シート部S1側を磁性体から構成しても良い。ま
た、上記第2実施例における筒状部材28を磁石から構
成しても良い。
【0013】(第3実施例)次に、図5は本発明の第3
実施例を示したものである。上述した第1実施例および
第2実施例においては、基本的に真空弁座6側を改良す
ることにより、真空弁14の切り換わり時期を遅延させ
ていたのに対して、この第3実施例は、第1シート部S
1を形成した弁体13側を改良したものである。すなわ
ち、この第3実施例では、弁体13におけるフロント側
に設けたプレート10の外周部をリヤ側に伸長させて筒
状部10Aを形成してあり、このプレート10のフロン
ト側の端面の内周部に環状の弾性体を接着し、そこを第
2シート部S2としている。この第2シート部S2より
も外周側となるフロント側の端面には、外周面まで到達
する複数の放射溝を形成してあり、それらの放射溝によ
って半径方向の通路10Bを形成している。また、この
通路10Bのリヤ側となる筒状部10Aの外周面には、
環状シール部材48の内周部を接着している。そして、
この状態のプレート10を囲繞して筒状部材28を配置
してあり、この筒状部材28の内周面に上記環状シール
部材48におけるリップ状の外周部を密着させている。
これによって、筒状部材28とプレート10の筒状部1
0Aとの間の気密を保持している。筒状部材28の軸方
向の両端部には、それぞれ半径方向内方に伸びる半径方
向部28a,28bを形成している。リヤ側の半径方向
部28bとプレート10の端面とにわたってばね49を
弾装している。そのため、筒状部材28はプレート10
に対して常時リヤ側に向けて付勢されており、図示非作
動状態では、筒状部材28は、そのフロント側の半径方
向部28aがプレート10のフロント側の端面に当接す
る後退端に位置している。このフロント側の半径方向部
28aにおけるフロント側の端面には、環状の弾性体を
接着してあり、この環状弾性体によって第1シート部S
1を構成している。このほかの構成は、従来一般に知ら
れている弁機構およびバルブボディ2の構成と同じであ
る。
【0014】(作動説明等)上述のように構成した第3
実施例において、図5に示す非作動状態からブレーキペ
ダルが踏み込まれて、入力軸7および弁プランジャ8が
前進されると、弁体13における両シート部S1,S2
もフロント側にむけて移動される。これにより、第1シ
ート部S1が真空弁座6に着座して真空弁14が閉鎖さ
れた後、大気弁座11が第2シート部S2から離座して
大気弁17が開放される。したがって、変圧室B内に大
気が導入されるので、ブレーキ倍力装置が作動される。
このとき、上述したように、プレート10の端面には通
路10Bを形成しているので、筒状部材28の半径方向
部28aのリヤ側には大気圧が作用する一方、真空弁座
6に着座した状態の第1シートS1よりも外周側となる
半径方向部28aのフロント側には負圧が作用する。こ
のように、筒状部材28の半径方向部28aに作用する
差圧によって第1シート部S1は真空弁座6に圧接され
た状態に維持されている。この作動状態から真空弁14
および大気弁17がともに閉鎖されるサーボバランス状
態となり、さらにサーボバランス状態からブレーキペダ
ルの踏み込みが解放されると、入力軸7および弁プラン
ジャ8が後退する。この弁プランジャ8の後退に伴っ
て、大気弁座11に着座した状態の第2シート部S2お
よびそれを設けたプレート10もバルブボディ2に対し
て後退するが、第1シート部S1は筒状部材28の半径
方向部28aに作用する差圧によって真空弁座6に着座
したままである。そのため、ばね49が圧縮されて、バ
ルブボディ2および筒状部材28に対してプレート10
がリヤ側に相対移動され、やがて、後退しているプレー
ト10における筒状部10Aのリヤ側端部が筒状部材2
8のリヤ側の半径方向部28bに当接することにより、
第1シート部S1を強制的に真空弁座6から離座させ
る。これにより、真空弁14がが開放されてブレーキ倍
力装置の出力が低下する。上述のように、この第3実施
例では、サーボバランス状態からブレーキペダルが解放
されると、プレート10の筒状部10Aのリヤ側端部が
筒状部材28の半径方向部28bに当接するまで、第1
シート部S1が真空弁座6に着座した状態が維持され
て、真空弁14が開放されるのを遅延させることができ
る。したがって、この第3実施例の構成によっても、従
来に比較して大きなヒステリシスを確保することがで
き、かつそのヒステリシスの大きさは、プレート10の
筒状部10Aのリヤ側端部と筒状部材28の半径方向部
28bが隔てた距離を変更することによって任意に設定
することができる。
【0015】(第4実施例)次に、図6は本発明の第4
実施例を示したものである。上記第3実施例がプレート
10の筒状部10Aのリヤ側の端部を筒状部材28のリ
ヤ側の半径方向部28bに当接させることにより、真空
弁座6から第1シート部S1を離座させていたのに対し
て、この第4実施例では所定の移動位置において筒状部
材28の内外を連通させ、その時点から真空弁14を開
放させるようにしたものである。すなわち、この第4実
施例では、筒状部材28の軸方向の任意位置に複数の貫
通孔28cを形成してあり、他方、プレート10におけ
る筒状部10Aの軸方向長さを第3実施例に対し、シー
ル部材48のリップ状の外周部先端が完全に通過した
時、筒状部10Aの軸方向後端と半径方向部28bが各
々当接しない程度に短くしている。そのほかの構成は、
上記図5に示した第3実施例と同じである。
【0016】(作動説明等)このような構成とした第4
実施例においては、真空弁14および大気弁17がとも
に閉鎖されたサーボバランス状態からブレーキペダルの
踏み込みが解放されると、入力軸7および弁プランジャ
8の後退に伴って第2シート部S2およびプレート10
は後退するが、筒状部材28の半径方向部28aに作用
する差圧によって真空弁座6に第1シート部S1は着座
している。そして、後退するプレート10に設けたシー
ル部材48の外周部(摺接箇所)が筒状部材28の貫通
孔28cよりもリヤ側まで移動すると、貫通孔28cに
よって筒状部材28の内外が連通して半径方向部28a
の前後に差圧が作用しなくなる。そのため、ばね49の
付勢力によって筒状部材28がバルブボディ2に対して
リヤ側に移動され、それによって真空弁14が開放され
るようになっている。このような第4実施例において
も、上記第3実施例と同様の作用効果を得ることができ
る。
【0017】(第5実施例)次に、図7ないし図9は本
発明の第5実施例を示したものである。この第5実施例
では、弁体13のフロント側に埋設したプレート10を
2部材に分割することにより、ヒステリシスを大きくし
たものである。すなわち、この第5実施例では、第1シ
ート部S1の裏面の位置に第1プレート55を埋設する
とともに、この第1プレート55の内周部に第2プレー
ト56を摺動自在に嵌合させている。第2プレート56
は、リヤ側の外周部を拡径させてあり、それによって外
周部の所定位置にフロント側を向けた段部端面56aを
形成している。この段部端面56aよりもフロント側に
位置する小径部分の軸方向寸法は、第1プレート55の
内周部の軸方向寸法と同一に設定している。そして、こ
の第2プレート56のリヤ側端面に上記ばね12の一端
を当接させてあり、それによって第2プレート56を常
時フロント側にむけて付勢している。そのほかの構成
は、従来一般に知られているブレーキ倍力装置の弁機構
と同じである。
【0018】(作動説明等)このように構成した第5実
施例の構成においては、図7に示したブレーキ倍力装置
の非作動状態および図8に示した作動後のサーボバラン
ス状態では、ばね12の付勢力によって第2プレート5
6の段部端面56aがリヤ側から第1プレート55に当
接している。これにより、両プレート55,56のフロ
ント側の端面は実質的に同一平面上に位置しており、し
たがって、両プレート55,56を一部材で構成した従
来一般のプレート10と同様に機能する。これに対し
て、図8に示したサーボバランス状態からブレーキペダ
ルの踏み込みが解放されると、入力軸7および弁プラン
ジャ8が後退されるが、この弁プランジャ8の後退に伴
って、図9に示すように、第2プレート56が当接して
いる第2シート部S2のリヤ側の部分がリヤ側にむけて
弾性変形し、第2プレート56をばね12に抗して僅か
に第1プレート55に対してリヤ側に移動させる。この
様にして、第2シート部S2の裏面の箇所がリヤ側にむ
けて限度まで弾性変形される間、真空弁座6に第1シー
ト部S1が着座した状態が維持され、やがて第1シート
部S1が真空弁座6から離座して真空弁14が開放され
るようになっている。このように、第5実施例において
も、サーボバランス状態からブレーキペダルの踏み込み
が解放された際に、真空弁14の開放時期を遅延させる
ことができ、それによって従来よりも大きなヒステリシ
スを得ることができる。なお、上記各実施例は、本発明
をシェル内に一対の定圧室と変圧室を有するシングルタ
イプのブレーキ倍力装置に適用した場合について説明し
たが、本発明はシェル内に複数組の定圧室と変圧室を有
するタンデムブレーキ倍力装置あるいはトリプルタイプ
のブレーキ倍力装置にも適用することができる。
【0019】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、従来と
比較して大きなヒステリシスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す断面図。
【図2】図1に示した要部の拡大図。
【図3】図2に示した要部の作動状態を示す断面図。
【図4】本発明の第2実施例を示す断面図。
【図5】本発明の第3実施例を示す断面図。
【図6】本発明の第4実施例を示す断面図。
【図7】本発明の第5実施例を示す断面図。
【図8】図7に示した第5実施例の作動状態を示す断面
図。
【図9】図7に示した第5実施例の図8とは異なる作動
状態を示す断面図。
【符号の説明】
1 シェル 2 バルブボデ
ィ 5 弁機構 6 真空弁座 8 弁プランジャ 11 大気弁座 13 弁体 28 筒状部材 31 環状シール部材 A 定圧室 B 変圧室

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シェル内に摺動自在に設けたバルブボデ
    ィと、このバルブボディに設けたパワーピストンと、パ
    ワーピストンの前後に形成した定圧室および変圧室と、
    バルブボディ内に設けられて、上記定圧室と変圧室と大
    気との間の連通状態を切り換える弁機構とを備え、上記
    弁機構は、上記バルブボディの内周部に設けた環状の真
    空弁座と、バルブボディに摺動自在に嵌合されて入力軸
    と連動する弁プランジャと、この弁プランジャに形成し
    た環状の大気弁座と、ばねに付勢されて上記真空弁座お
    よび大気弁座に着座する弁体とを備える倍力装置におい
    て、 上記バルブボディの内部に筒状部材を軸方向に移動可能
    に取り付けて、この筒状部材におけるリヤ側に上記真空
    弁座を形成し、上記真空弁座に着座した状態の弁体がバ
    ルブボディに対して後退する際には、上記筒状部材がバ
    ルブボディに対してリヤ側へ所定量だけ相対移動して真
    空弁座が弁体とともに後退するように構成したことを特
    徴とする倍力装置。
  2. 【請求項2】 上記筒状部材におけるリヤ側およびフロ
    ント側には、半径方向内方に伸びる半径方向部を形成し
    てあり、フロント側の半径方向部はバルブボディに形成
    した環状溝内に軸方向に移動可能に係合されており、ま
    た、リヤ側の半径方向部に上記真空弁座が形成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の倍力装置。
  3. 【請求項3】 上記筒状部材の内周部は、バルブボディ
    の所定位置に設けた環状シール部材と摺接するように構
    成されており、また、上記環状シール部材は断面円弧状
    に形成され、かつ、上記筒状部材がバルブボディに対し
    てフロント側に相対移動する場合よりも、筒状部材がバ
    ルブボディに対してリヤ側に相対移動する場合の方が摺
    動抵抗が大きくなるような配置方向でバルブボディに設
    けられていることを特徴とする請求項2に記載の倍力装
    置。
  4. 【請求項4】 上記筒状部材におけるリヤ側およびフロ
    ント側には、半径方向外方に伸びる半径方向部を形成し
    てあり、フロント側の半径方向部はバルブボディに形成
    した環状溝内に軸方向に移動可能に係合されており、ま
    た、リヤ側の半径方向部はバルブボディの段部よりもリ
    ヤ側に位置し、かつ上記真空弁座が形成されており、さ
    らに、両半径方向部の間の位置となる筒状部材の外周部
    は、上記バルブボディに設けた環状シール部材と摺接す
    るように構成されており、また、真空弁座を形成した筒
    状部材のリヤ側の半径方向部は磁性体あるいは磁石から
    なり、上記真空弁座と接離する弁体のシート部はラバー
    磁石からなることを特徴とする請求項1に記載の倍力装
    置。
  5. 【請求項5】 シェル内に摺動自在に設けたバルブボデ
    ィと、このバルブボディに設けたパワーピストンと、パ
    ワーピストンの前後に形成した定圧室および変圧室と、
    バルブボディ内に設けられて、上記定圧室と変圧室と大
    気との間の連通状態を切り換える弁機構とを備え、上記
    弁機構は、上記バルブボディの内周部に設けた環状の真
    空弁座と、バルブボディに摺動自在に嵌合されて入力軸
    と連動する弁プランジャと、この弁プランジャに形成し
    た環状の大気弁座と、フロント側の箇所にプレートを埋
    設し、ばねに付勢されて上記真空弁座および大気弁座に
    着座する弁体とを備える倍力装置において、 上記プレートを設けた弁体におけるフロント側の箇所を
    囲繞して軸方向に移動可能に円筒部材を配置し、この円
    筒部材におけるフロント側に上記真空弁座と接離する第
    1シート部を形成して、上記第1シート部が真空弁座に
    着座し、かつ弁体が大気弁座に着座したサーボバランス
    状態から弁体がリヤ側に後退する際には、弁体のフロン
    ト側の箇所がバルブボディおよび筒状部材に対してリヤ
    側へ所定量だけ後退するまで上記第1シート部は真空弁
    座に着座した状態に維持されることを特徴とする倍力装
    置。
  6. 【請求項6】 上記筒状部材の軸方向の両端部には半径
    方向内方に伸びる半径方向部を形成してあり、この筒状
    部材におけるフロント側の半径方向部に取り付けた弾性
    部材によって上記第1シート部を構成するとともに、こ
    の第1シート部よりも内方側でプレートに設けた弾性部
    材によって上記大気弁座に接離する第2シート部を構成
    し、筒状部材におけるリヤ側の半径方向部とプレートと
    にわたってばねを弾装して筒状部材をプレートに対して
    リヤ側に向けて付勢し、また、上記プレートの外周部に
    リヤ側に伸びる筒状部を形成して、この筒状部の外周面
    に環状シール部材を設けて、該環状シール部材を上記筒
    状部材の内周面に摺接させ、さらにプレートのフロント
    側の端面における上記第2シート部よりも外方の箇所と
    環状シール部材よりもフロント側となるプレートの筒状
    部の外周面とを連通させる半径方向の通路を形成したこ
    とを特徴とする請求項5に記載の倍力装置。
  7. 【請求項7】 上記第1シート部は、プレートにおける
    筒状部のリヤ側端部が筒状部材におけるリヤ側の半径方
    向部に当接するまで真空弁座に着座した状態に維持され
    ることを特徴とする請求項6項に記載の倍力装置。
  8. 【請求項8】 上記筒状部材における軸方向の所定位置
    には、その内外を連通させる貫通孔を形成してあり、上
    記第1シート部は、プレートの筒状部に取り付けた環状
    シール部材が上記筒状部材に設けた貫通孔の位置よりリ
    ヤ側に移動するまで真空弁座に着座した状態に維持され
    ることを特徴とする請求項6項に記載の倍力装置。
  9. 【請求項9】 シェル内に摺動自在に設けたバルブボデ
    ィと、このバルブボディに設けたパワーピストンと、パ
    ワーピストンの前後に形成した定圧室および変圧室と、
    バルブボディ内に設けられて、上記定圧室と変圧室と大
    気との間の連通状態を切り換える弁機構とを備え、上記
    弁機構は、上記バルブボディの内周部に設けた環状の真
    空弁座と、バルブボディに摺動自在に嵌合されて入力軸
    と連動する弁プランジャと、この弁プランジャに形成し
    た環状の大気弁座と、フロント側の箇所にプレートを埋
    設し、ばねに付勢されて上記真空弁座および大気弁座に
    着座する弁体とを備える倍力装置において、 上記プレートを、弁体に固定されて上記真空弁座に接離
    する第1シート部の裏面に位置する第1プレートと、こ
    の第1プレートの内周部に摺動自在に嵌合されるととも
    に、上記大気弁座に接離する弁体の第2シート部の裏面
    に当接する第2プレートから構成し、上記ばねによって
    第2プレートをフロント側にむけて付勢して上記第1プ
    レートに当接させ、上記弁体の両シート部が真空弁座お
    よび大気弁に同時に着座するサーボバランス状態から入
    力軸が後退される際には、第2プレートが第1プレート
    に対してリヤ側に後退することにより上記第2シート部
    のリヤ側への弾性変形を許容して、弁体の第1シート部
    が真空弁座から離座するのを遅延させるように構成した
    ことを特徴とする倍力装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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