JP3765476B2 - ブレーキ倍力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車等のブレーキに用いられるブレーキ倍力装置に関し、より詳しくは、ソレノイドを備え、そのソレノイドの励磁により弁機構が作動可能なブレーキ倍力装置の弁機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ブレーキ倍力装置として、ハウジング内に摺動自在に設けたバルブボディと、このバルブボディに設けられて上記ハウジング内を定圧室と変圧室に区画するパワーピストンと、上記バルブボディに設けられて上記変圧室への流体の給排を行う弁機構と、この弁機構を作動させる入力軸と、上記バルブボディに摺動自在に設けられたソレノイドプランジャを進退動させて上記弁機構を作動させるソレノイドとを備えたものは知られている。
上述した従来のブレーキ倍力装置においては、ソレノイドの励磁時にソレノイドプランジャに対してブレーキ反力を伝達する際にソレノイドプランジャへ伝達される反力のバラツキが大きい等の欠点があり、ソレノイドに供給する電流や電圧を制御してブレーキ出力を高精度に制御するのは困難であった。そこで、このような欠点を解消するために、例えば図5に示すように、本件の出願人は先に特願2001−222138号により、弁機構を改良したブレーキ倍力装置を提案したところである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記特願2001−222138号においては、図5に示すように、バルブボディ(3)に摺動自在に筒状の第2真空弁座部材(11)を設けるとともに、この第2真空弁座部材(11)のリヤ側端部に第2真空弁座(12)を形成してあり、ソレノイド(8)を励磁した時にソレノイドプランジャ(26)によって第2真空弁座部材(11)を弁体に向けてリヤ側へ移動させるようにしている。これにより、第2真空弁座(12)が弁体(16)に着座してから大気弁座(14)が弁体(16)から離座することで、ブレーキペダルを踏み込むことなくブレーキ倍力装置が作動するようになっている。
ところで、上記特願2001−222138号で提案したブレーキ倍力装置においては、バルブボディ(3)内のソレノイドプランジャ(26)のリヤ側となる位置にソレノイド(8)の磁路を構成するコア部材(27)をバルブボディ(3)に固定して設けていた。ソレノイド(8)が励磁されるとソレノイドプランジャ(26)はバルブボディに対してリヤ側へ移動されるので、非作動状態において、ソレノイドプランジャ(26)と上記コア部材(27)との間に、ソレノイドが移動された際に両部材が当接しないだけの間隙を維持する必要があった。
このように非作動状態においてソレノイドプランジャとそのリヤ側のコア部材との間に間隙を維持することに伴って、ソレノイドプランジャを移動させるためにソレノイドに励磁する電流を大きくする必要があり、したがって、上記特願2001−222138号においては、ソレノイドが大型化し、ひいてはブレーキ倍力装置が大型化するという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述した事情に鑑み、本発明は、ハウジング内に摺動自在に設けたバルブボディと、このバルブボディに設けられて上記ハウジング内を定圧室と変圧室に区画するパワーピストンと、上記バルブボディ内に設けられて上記定圧室と変圧室と大気との連通状態を切換える弁機構と、この弁機構を作動させる入力軸と、上記バルブボディに摺動自在に設けられたソレノイドプランジャを進退動させて上記弁機構を作動させるソレノイドとを備え、上記弁機構は、上記定圧室と変圧室との連通状態を切換える真空弁の構成部材である第1弁手段と、入力軸に連動して進退動する弁プランジャと、この弁プランジャに形成されて上記定圧室と大気との連通状態を切換える大気弁の構成部材である第2弁手段とを備えたブレーキ倍力装置において、
上記バルブボディ内に上記第1弁手段を形成する弁部材を摺動自在に設け、上記ソレノイドを励磁すると上記ソレノイドプランジャに連動して上記弁部材が上記バルブボディに対して相対移動して上記弁機構が作動するように構成し、上記ソレノイドの磁路の一部を構成するコア部材を、上記ソレノイドプランジャの作動方向と対向する位置に、上記弁プランジャに一体的に連結して、上記バルブボディに対して相対移動可能にしたものである。
【0005】
このような構成によれば、ソレノイドの非作動状態において上記ソレノイドプランジャに対してコア部材を出来るだけ近接した位置に配置することができる。そのため、ソレノイドに供給できる電流を従来のものよりも小さくすることができる。したがって、上記先願のものよりもソレノイドを小型化することが可能となり、ひいてはブレーキ倍力装置を小型化することが出来る。
【0006】
【発明の実施形態】
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1において、ブレーキ倍力装置1のシェル2(本願のハウジングに相当)内には概略筒状のバルブボディ3を摺動自在に設けてあり、このバルブボディ3の外周部にパワーピストン4を連結するとともに、このパワーピストン4の裏面にダイアフラム5を張設し、それによりシェル2内を定圧室A1と変圧室B1とに区画している。
上記バルブボディ3の内部に変圧室B1への流体の給排を行う弁機構6を設けている。この弁機構6は、図示しないブレーキペダルに連結された入力軸7によって切換え制御される一方で、図示しない制御装置によって作動を制御されるソレノイド8によって切換え制御されるようになっている。
上記弁機構6は、バルブボディ3内に摺動自在に設けた概略円筒状の弁座部材11(本願の弁部材に相当)と、その弁座部材11のリヤ側の端部に形成した環状の真空弁座12と、バルブボディ3に摺動自在に設けた弁プランジャ13にリア側に向けて形成した環状の大気弁座14(本願の第2弁手段に相当)と、さらに上記真空弁座12および大気弁座14のリア側からばね15の弾発力によってこれらに着座する筒状の弁体16とを備えている。
上記真空弁座12とそれに接離する弁体16のシート部S1とによって真空弁17を構成してあり、この真空弁17よりも外周側の空間は、バルブボディ3に形成した軸方向の定圧通路18を介して定圧室A1に連通させている。
上記大気弁座14とそれに接離する弁体16のシート部S2とによって大気弁21を構成している。上記真空弁17と大気弁21との間の空間は、バルブボディ3に形成した半径方向の変圧通路22を介して変圧室B1に連通させている。さらに大気弁21よりも内周側の空間はバルブボディ3の末端筒状部3a内の大気通路23を介して大気に連通させてあり、この大気通路23内にはフィルタ24を設けている。また上記定圧室A1はシェル2に設けた図示しない負圧導入管を介して負圧源に連通されており、これにより定圧室A1内には常時負圧が導入されている。
【0007】
上記バルブボディ3内にフロント側から概略円筒状のヨーク25を嵌着してあり、そのヨーク25内に、ともに磁性体からなる円筒状のソレノイドプランジャ26および概略リング状のコア部材27を摺動自在に設けている。
ヨーク25は、リヤ側に位置してバルブボディ3の内周面に嵌着される段付筒状のアウター部材25Aと、このアウター部材25Aのフロント側の内周部にフロント側から圧入されるインナー部材25Bとを備えており、これらアウター部材25Aとインナー部材25Bとの間の空間内に上記ソレノイド8を収納している。上記インナー部材25Bの内周面におけるリヤ側に薄肉の円筒部材28を嵌着するとともに、該円筒部材28のリヤ側の部分をインナー部材25Bよりもリヤ側の位置まで突出させている。円筒部材28は非磁性体からなり、その内周面にソレノイドプランジャ26におけるフロント側の小径部を摺動自在に嵌合している。
上記円筒部材28およびソレノイドプランジャ26の隣接フロント側となるインナー部材25Bの内周部に非磁性体からなる環状部材31を嵌着している。また、この環状部材31のフロント側となるインナー部材25Bの内周部にリアクションディスク32を嵌合するとともに、その近接リヤ側となる上記環状部材31の内部にプランジャプレート33を摺動自在に嵌合している。そして、インナー部材25Bのフロント側の内周部に出力軸34の基部34aを摺動自在に嵌合すると同時に、この基部34aの端面を上記リアクションディスク32のフロント側の端面に当接させている。この状態でリアクションディスク32のリヤ側の端面は環状部材31の端面及びその外方となるインナー部材25Bの段部端面に当接している。また、図示非作動状態ではプランジャプレート33のフロント側の端面はリアクションディスク32のリヤ側の端面から僅かに離隔しており、プランジャプレート33のリヤ側の端面に弁プランジャ13のフロント側の端面を当接させている。
上記出力軸34のフロント側の先端部は、シェル2のフロント側の軸部から図示しないシール部材を介して外部に突出させた後、図示しないマスタシリンダのピストンに係合している。出力軸34のリヤ側の外周部およびインナー部材25Bのフロント側の外周部とにわたっては、漏斗状のリテーナ35を嵌装してあり、さらにこのリテーナ35とそれに対向するシェル2のフロント側の壁面とにわたってリターンスプリング36を弾装している。したがって、バルブボディ3は上記リターンスプリング36の弾発力によって常時リヤ側に向けて付勢されており、図示非作動状態ではシェル2のリヤ側の壁面にキー部材37が当接し、さらにこのキー部材37に段部端面3bが当接する後退端位置の位置にバルブボディ3が保持されるようになっている。
【0008】
環状部材31におけるリヤ側に半径方向内方へ伸びる支持部31aを形成してあり、この支持部31aとそれに対向するソレノイドプランジャ26の軸部とにわたってセット荷重が小さなばね38を弾装してあり、これによってソレノイドプランジャ26を常時リヤ側に向けて付勢している。
本実施例のソレノイドプランジャ26はフロント側を小径部とする一方、リヤ側を大径部としてあり、それら小径部と大径部との境界部分にテーパ部を形成している。そして、上述したようにソレノイドプランジャ26におけるフロント側の小径部を上記円筒部材28に摺動自在に嵌合している。ソレノイドプランジャ26のリヤ側端面には、係合部材41のフロント側の端部を当接させてあり、この係合部材41は上記ばね38よりもセット荷重が大きなばね42によってフロント側へ常時付勢されている。そのため、図示非作動状態では、ソレノイドプランジャ26は、係合部材41のリヤ側端部に当接している環状プレート44がアウター部材25Aのリヤ側端部に当接する最もフロント側の位置に保持されるようになっている。
上記アウター部材25Aにおけるリヤ側の部分は小径部25A’としてあり、その内周面に円筒状のベアリング部材43を嵌着している。このベアリング部材43は磁性体からなり、ベアリング部材43の内周面全域には、非磁性体のコーティングを施している。そして、ベアリング43の内周面に磁性体からなる上記コア部材27の外周部を摺動自在に嵌合している。ベアリング部材43の軸方向寸法は、上記小径部25A’の軸方向寸法と同じにしてあり、ベアリング部材43の内径は、上記ソレノイドプランジャ26のリヤ側の大径部より少し小さくしている。
【0009】
後に詳述するが、コア部材27の内周部を弁プランジャ13の所定位置に取り付けてあるので、このコア部材27は弁プランジャ13とともにバルブボディ3に対して軸方向に進退動されるようになっている。このコア部材27のフロント側の端面は上記ソレノイドプランジャ26のリヤ側の端面と対向させている。
図示しない制御装置によってソレノイド8が励磁された際には、アウター部材25A、インナー部材25B、ソレノイドプランジャ26及びコア部材27によって磁路が形成されて、ソレノイドプランジャ26がばね42に抗してバルブボディ3に対してリヤ側へ向けて移動されるようになっている。このようにソレノイドプランジャ26がリヤ側へ移動されると、それに連動して弁座部材11もリヤ側へ移動されるようになっており、それに伴って真空弁座12がシート部S1に当接して弁体16をリヤ側へ押し戻すようになっている。これにより、真空弁17が閉鎖される一方、大気弁座14がシート部S2から離座して大気弁12が開放されるようになっている。つまり、図示非作動状態からソレノイド8を励磁することにより、ブレーキペダルを踏込むことなくブレーキ倍力装置1を作動させることができるようになっている。
なお、ソレノイド8が励磁されることでリヤ側へ移動されるソレノイドプランジャ26は、係合部材41と連動する環状プレート44を接合したダイアフラム45がバルブボディ3の段部端面3cに当接する位置まで移動できるようになっている。つまり、環状プレート44が段部端面3cとアウター部材25Aとの間で移動可能な範囲だけ上記ソレノイドプランジャ26および弁座部材11がバルブボディ3に対して軸方向に移動可能となっている。
そして、本実施例においては、ソレノイド8が励磁された際にリヤ側へ移動されるソレノイドプランジャ26のリヤ側の端面がコア部材27に当接しないようにしてあり、図示非作動状態においてソレノイドプランジャ26から離隔するコア部材27の距離は、上記ソレノイド8の励磁時に両部材が当接しない最小の距離に設定している。
換言すると、上記ソレノイド8が励磁されていない非作動状態における上記ソレノイドプランジャ26に対するコア部材27の停止位置を、上記ソレノイド8が励磁されてソレノイドプランジャ26がリヤ側へ移動される際に上記コア部材27と当接しない範囲に設定している。
このように、後で詳述するが、本実施例においては、ソレノイドプランジャ26のリヤ側への移動に応じてコア部材27もリヤ側へ移動するようにしているので、非作動状態において、コア部材27を従来よりもソレノイドプランジャ26に近接した位置に設けることができるようになっている。そのため、コア部材27をバルブボディ3内に固定して設けていた図5に示す先願(特願2001−222138)のものと比較して、ソレノイドプランジャ26を移動させるためにソレノイド8に供給する電流を小さくすることが可能となる。そのため、本実施例においては、上記先願のものと比較すると、ソレノイド8を小型化することが可能となり、ひいてはブレーキ倍力装置1を小型化することが出来る。
【0010】
次に、ソレノイドプランジャ26と弁座部材11との連動関係について説明する。弁座部材11はバルブボディ3の内周部に気密を保持して摺動自在に嵌合してあり、上記ばね42によって常時バルブボディ3に対してフロント側に向けて付勢されている。
弁座部材11のフロント側の端部と上記アウター部材25Aのリヤ側の端部との間に上記ダイアフラム45を配置してあり、このダイアフラム45におけるフロント側の所定位置に上記環状プレート44を貼り付けている。弁座部材11はばね42によってフロント側へ付勢されているので、この弁座部材11のフロント側の端部が環状プレート44を接合した位置のダイアフラム45に当接し、さらに環状プレート44は係合部材41のリヤ側端部に当接している。そして、この係合部材41のフロント側端部は上記ソレノイドプランジャ26に当接している。上記コア部材27の所定位置には軸方向の貫通孔を穿設してあり、その貫通孔に係合部材41を貫通させてからソレノイドプランジャ26に当接させているので、コア部材27とソレノイドプランジャ26とは相互に近接しあるいは離隔できるようになっている。
係合部材41、環状プレート44、ダイアフラム45及び弁座部材11を介してソレノイドプランジャ26は常時ばね42によって付勢されており、上述したように、図示非作動状態においては、環状プレート44がアウタープレート25Aのリヤ側端部に当接する最もフロント側の位置にソレノイドプランジャ26が停止している。
ソレノイド8が消勢されているときには、ソレノイドプランジャ26は図示非作動位置に保持されており、この状態では、真空弁座12がシート部S1から離隔して真空弁17は開放されている。
これに対して、上述したように、ソレノイド8が励磁された際には、ソレノイドプランジャ26は軸方向リヤ側へ向けて移動されるので、弁座部材11もリヤ側へ移動されて真空弁17が閉鎖される一方、大気弁21が開放されるようになっている。
受圧部としての上記ダイアフラム45の外周部は環状部材46によってバルブボディ3の内周部に気密を保持して連結してあり、他方、ダイアフラム45の内周部は弁プランジャ13の外周部に気密を保持して連結している。これにより、ダイアフラム45のフロント側に定圧室A2が形成されるとともに、ダイアフラム45のリヤ側に変圧室B2が形成されている。上記定圧室A2はバルブボディ3に形成した半径方向の連通路47を介して定圧室A1に連通させてあり、上記定圧室B2は変圧通路22を介して変圧室Blに連通させている。
ダイアフラム45は可撓性を備えているので、環状プレート44がアウター部材25Aに当接した図示非作動状態であっても、弁プランジャ13はバルブボディ3に対して進退動することができる。
上述したように、本実施例では、図示非作動状態からソレノイド8が励磁された際に、ソレノイドプランジャ26および弁座部材11がリヤ側へ移動されることにより、真空弁17が閉鎖される一方大気弁21が開放されるのでブレーキ倍力装置1が作動される。そして、その際に、定圧室A2と変圧室B2の差圧が受圧部としての環状プレート44及びダイアフラム45をフロント側へ付勢することになるが、その差圧によるフロント側への付勢力と上記ソレノイド8を励磁してソレノイドプランジャ26をリヤ側へ付勢した付勢力とがバランスするように変圧室B1の圧力を制御するようにしている。
【0011】
次に、上記コア部材27およびダイアフラム45の内周部を取り付けた弁プランジャ13について説明する。本実施例の弁プランジャ13は、リヤ側に位置するプランジャ部材13Aと、フロント側に位置するロッド部材13Bと、このロッド部材13Bのリヤ側外周部にダイアフラム45を固定するための円筒部材48とから構成している。
リヤ側のプランジャ部材13Aにおけるリヤ側の端面に上記大気弁座14を形成してあり、また、プランジャ部材13Aのリヤ側端面に穿設した有底孔内に上記入力軸7を連結している。プランジャ部材13Aにおけるフロント側の外周部に上記小径部13cを形成してあり、この小径部13cにキー部材37を係合させている。
このプランジャ部材13Aの外周部は上記弁座部材11内に挿通してからバルブボディ3の内周部に摺動自在に嵌合している。また、プランジャ部材13Aにおけるフロント側の端面に有底孔13a’を形成してあり、この有底孔13a’にロッド部材13Bにおけるリヤ側の小径部を嵌着することで、ロッド部材13Bとプランジャ部材13Aを一体に連結している。
ロッド部材13Bにおけるリヤ側の小径部13aには円筒部材48を嵌装してあり、この円筒部材48のリヤ側端面の凹部とロッド部材13Bの外周部との間にダイアフラム45の内周部を係合させ、さらに、その状態におけるダイアフラム45をロッド部材13Bのリヤ側の端面とプランジャ部材13Aのフロント側端面とによって挟持している。これにより、ダイアフラム45の内周部を円筒部材48の外周部に気密を保持して連結している。
さらに、ロッド部材13Bの小径部13aに上記コア部材27の内周部を遊嵌合させている。このコア部材27は、ロッド部材13Bの段部13bと上記円筒部材48との間に挟み込まれているので、このコア部材27は弁プランジャ13の軸方向所定位置に実質的に一体に連結されている。ロッド部材13Bにおけるフロント側の大径部は、上記ソレノイドプランジャ26を貫通させてから環状部材31の支持部31aを摺動動自在に貫通させている。そして、弁プランジャ13のフロント側の端面となるロッド部材13Bのフロント側の端面を上記プランジャプレート33に当接させている。
このようにして弁プランジャ13を構成するとともに、この弁プランジャ13にコア部材27を連結してあり、したがって、上記コア部材27は弁プランジャ13とともに進退動されるようになっている。
【0012】
次に、入力軸7に設けたプレート51とバルブボディ3内に設けたリテーナ52とにわたってポペットリターンスプリング53を弾装してあり、ポペットリターンスプリング53によって入力軸7およびそれに連結した弁プランジャ13をリヤ側へ常時付勢している。
上記弁プランジャ13の環状溝13cに上記キー部材37の先端部を係合させている。このキー部材37は変圧通路22内でバルブボディ3の軸方向に変位できるようになっており、このキー部材37と弁プランジャ13は上記環状溝13cの軸方向長さの範囲内でバルブボディ3の軸方向に移動できるようになっている。
そして、図示非作動状態においては、上記キー部材37がシェル2の壁面に当接して停止するとともに、そのキー部材37に段部端面3bが当接することバルブボディ3が非作動位置に保持されており、さらに、環状溝13cのフロント側の端面がキー部材37に当接することで弁プランジャ13も非作動位置に保持されている。また、上記弁座部材11およびソレノイドプランジャ26は、ばね42に付勢された環状プレート44がアウター部材25Aのリヤ側の端部に当接する位置で停止している。
この非作動状態では、コア部材27は、上記ソレノイド8の励磁時にリヤ側へ移動されるソレノイドプランジャ26と当接しない範囲で最もソレノイドプランジャ26に近接する位置に保持されるようになっている。
なお、本実施例では、上記環状部材31をインナー部材25Bの内方に嵌着しているので、リアクションディスク32にブレーキ反力が作用したときには、プランジャプレート33および弁プランジャ13を介して入力軸7にブレーキ反力が伝達されるようになっている。
【0013】
------------(第1実施例の作動説明)
以上の構成において、図1に示した非作動状態では、図示しない制御装置はソレノイド8を消勢させており、この状態では弁座部材11とソレノイドプランジャ26は図示非作動位置に保持されている。
他方、キー部材37はシェル2のリヤ側の壁面に当接してその後退が規制されており、またバルブボディ3はその段部端面3bがキー部材37に当接することで後退が規制されている。また、弁プランジャ13は環状溝13cのフロント側の端面がキー部材37に当接して図示非作動位置に保持されている。この弁プランジャ13に取り付けたコア部材27も図示非作動位置に保持されている。
この非作動状態では、大気弁座14に弁体16のシート部S2が着座して大気弁21が閉鎖されているので、変圧室B1および変圧室B2と大気との連通が遮断されるとともに、真空弁座12から弁体16のシート部S1が離座して真空弁17が開放されているので、定圧室A1と変圧室B1および変圧室B2が連通している。そのため、パワーピストン4の前後の定圧室A1と変圧室B1とは同圧となる一方、上記ダイアフラム45の前後の定圧室A2と変圧室B2も同圧となっている。
【0014】
------------(通常のブレーキ作動時)
この非作動状態から図示しないブレーキペダルが踏込まれると、入力軸7および弁プランジャ13がバルブボディ3に対してフロント側に前進される。なお、弁プランジャ13とともに上記コア部材27もバルブボディ3内をフロント側へ移動されるが、ソレノイドプランジャ26とは当接しない。
このように弁プランジャ13が前進されると、弁体16のシート部S1が真空弁座12に着座して真空弁17が閉鎖される一方、弁体16のシート部S2が弁プランジャ13の大気弁座14から離座して大気弁21が開放される。これにより、定圧室A1と変圧室B1の連通が遮断されて変圧室B1が大気に連通する。これによりパワーピストン4の前後の定圧室A1と変圧室B1との間に差圧が生じるようになり、そのパワーピストン4の差圧による出力が出力軸34を介して図示しないマスタシリンダのピストンに伝達され、マスタシリンダ液圧が発生する。
このとき、出力軸34に伝達された出力の一部が、反力としてリアクシヨンディスク32からそれに当接したプランジャプレート33を介して弁プランジャ13に伝達されて、この反力と入力軸7に加えられた入力とがバランスするように出力が制御される。つまり、真空弁17及び大気弁21が同時に閉鎖されたサーボバランス状態になる。
上述したサーボバランス状態からブレーキペダルの踏込みが解除されると、弁プランジャ13はポペットリターンスプリング53の弾発力によって上記両方の差圧に打ち勝って入力軸7と共にバルブボディ3に対して後退され、それにより真空弁座12から弁体16のシート部S1が離座するので変圧室B1および変圧室B2は再び定圧室A1に連通される。これにより、変圧室B1および変圧室B2に導入されていた大気は定圧室A1に逃げるので、バルブボディ3を図示非作動位置まで後退させることができる。
なお、上記通常のブレーキ作動時においては、ソレノイドプランジャ26、係合部材41、環状プレート44および弁座部材11は、ばね42のフロント側への付勢力が作用しているために、バルブボディ3に対して軸方向に移動することはない。
【0015】
---------(自動ブレーキ時の作動)
次に、図示非作動状態から制御装置によりソレノイド8が励磁されると、上記ばね42に抗してソレノイドプランジャ26およびそれに連動する弁座部材11がリア側に向けて移動される。すると、弁座部材11の真空弁座12が弁体16のシート部S1に着座して真空弁17を閉鎖させて、定圧室A1と変圧室B1および変圧室B2との連通を遮断し、さらにこの弁座部材11により弁体16がリア側に移動される(図2参照)。そのため、弁体16のシート部S2が弁プランジャ13の大気弁座14から離座して大気弁21が開放されて、変圧室Blを大気に連通させる。
これによりパワーピストン4の前後の定圧室A1と変圧室B1との間に差圧が生じるようになり、それによりバルブボディ3が前進されてブレーキ出力が出力されるようになる。
このとき、変圧室B2には変圧室Blの圧力が供給されるので、受圧部としてのダイアフラム45(環状プレート44)に定圧室A2の圧力と変圧室B2の圧力が作用し、この差圧によるフロント側への付勢力が係合部材41を介してソレノイドプランジャ26をフロント側へ付勢するように作用する。これによりソレノイドプランジャ26からの励磁によるリヤ側への付勢力と上記ダイアフラム45の前後の差圧によるソレノイドプランジャ26をフロント側へ付勢する付勢力とがバランスするように変圧室B1の圧力が制御される。なお、この時には、上記プランジャプレート33を環状部材31に収納しているために、リアクションディスク32からのブレーキ反力は環状プレート31とインナー部材25Bによって全て支持されるので弁プランジャ13には作用しないようになっている。
このサーボバランス状態では、弁座部材11がバルブボディ3に対してリヤ側へ移動し、それに伴ってリヤ側へ移動した弁体16のシート部S2に大気弁座14が当接するように弁プランジャ13がバルブボディ3に対してリヤ側へ移動する。その際には、弁プランジャ13に取り付けた上記コア部材27もバルブボディ3に対してリヤ側へ移動するので、ソレノイドプランジャ26がリヤ側に移動しても、該ソレノイドプランジャ26がコア部材27に当接することはない。そのため、上記非作動状態において、ソレノイドプランジャ26に出来るだけ近接した位置にコア部材27を位置させることが出来、それによって、ソレノイドプランジャ26を移動させる為にソレノイド8を励磁する際の供給電流を小さくすることが出来る。そのため、本実施例においては、ソレノイド8そのものを小型化することが出来、ひいては、ブレーキ倍力装置1全体を小型化することが出来る。
上記サーボバランス状態からソレノイド8が消勢されると、ばね42によって弁座部材11およびソレノイドプランジャ26が元の非作動位置まで押し戻されるとともに、リターンスプリング36によってバルブボディ3なども図示非作動位置に復帰する。
【0016】
--------(緊急ブレーキ時のブレーキアシスト時の作動説明)
次に、ブレーキ倍力装置1は、緊急ブレーキ時のアシストブレーキとしても機能させることが出来、その場合の作動を説明する。
すなわち、図示非作動状態からブレーキペダルが急激に踏み込まれた場合には、図示しないセンサからの信号により制御装置はブレーキアシストが必要であると判断するようになっている。この場合には、制御装置はブレーキアシストが必要であると判断した時点で、直ちに上記ソレノイド8を励磁する。
ソレノイド8が励磁されると、上述した自動ブレーキ作動時と同様にソレノイドプランジャ26および弁座部材11がバルブボディ3に対してリヤ側へ移動されるので(図2参照)、真空弁座12がシート部S1に着座して迅速に真空弁17が閉鎖される一方、大気弁21が大きく開放されて、ブレーキ倍力装置1が作動されて迅速に大きな出力が得られるようになっている。
なお、アシストブレーキとしての作動後のサーボバランス状態におけるソレノイドプランジャ26に作用する作用力の関係は次のようになる。
ダイアフラム45の前後の定圧室A2と変圧室B2の差圧によるフロント側への作用力をDP1とし、ソレノイド8の磁力によるソレノイドプランジャ26をリヤ側へ付勢する作用力をSP2とし、入力軸7に作用する入力をIP3とし、さらにばね38の付勢力をS1とし、ばね42の付勢力をS2とすると次の関係となる。
DP1=SP2−IP3+S1−S2
ダイアフラム45の差圧によるフロントへの作用力DP1は、ブレーキ倍力装置1の出力に比例するので、入力に応じてソレノイド8に供給する電流を制御装置によって制御することにより、ブレーキ倍力装置1の出力を上述した通常ブレーキ作動時の場合よりも大きくすることが出来る。
【0017】
------------(第2実施例の説明)
次に図3は本発明の第2実施例を示したものである。上記第1実施例においては、弁座部材11のリヤ側端部のみで真空弁座12を構成していたが、この第2実施例では、バルブボディ3の段部と弁座部材11のリヤ側端部とによってそれぞれ並列に配置される真空弁座を形成したものである。すなわち、バルブボディ3におけるリヤ側を向けた段部端面に従来公知のものと同様に環状の第1真空弁座10を形成してあり、弁座部材11のリヤ側の端部を上記第1実施例と同様に第2真空弁座12としている。そして、図示非作動状態においては、第2真空弁座12が第1真空弁座10よりもフロント側に位置するように構成している。したがって、この第2実施例においては、両真空弁座10、12とそれに接離する弁体16のシート部S1とによって真空弁17が構成される。その他の構成は、上記第1実施例と同じである。
この第2実施例においては、ソレノイド8が励磁されない限り、弁座部材11はバルブボディ3に対して軸方向に移動されることはないので、ブレーキペダルが緩やかに踏み込まれる通常のブレーキ作動時においては、第1真空弁座10だけがシート部S1と接離して真空弁17が開閉されるようになっている。
これに対して、ソレノイド8が励磁される自動ブレーキ時およびブレーキペダルが急激に踏み込まれる緊急ブレーキ時においては、ソレノイドプランジャ26がバルブボディ3内でリヤ側へ移動されることに伴って、上記弁座部材11もリヤ側へ移動されるので、第2真空弁座12が第1真空弁座10よりもリヤ側まで突出して弁体16のシート部S1に着座し、該弁体16をリヤ側へ移動させるようになっている。
したがって、このような構成の第2実施例であっても、上記第1実施例と同様の作用効果を得ることが出来ることは明らかである。
【0018】
------------(第3実施例)
次に、図4は本発明の第3実施例を示したものである。この第3実施例は、上記第1実施例におけるダイアフラム45、環状プレート44を省略し、かつ、並列に配置した第1真空弁座10および第2真空弁座12とシール部S1とによって真空弁17を構成したものである。また、ダイアフラム45を省略したことに伴い、環状部材46も省略してあり、定圧室A2及び変圧室B2も設けていない。アウター部材25Aの小径部25A’を第1実施例のものよりも肉厚とすることで、この小径部25A’の外径を大きくしてそこをバルブボディ3の内周部に嵌合している。この小径部25A’の外周部に環状シール部材58を装着して、小径部25A’の外周面とバルブボディ3の内周部の気密を保持している。また、アウター部材25Aおよびインナー部材25Bにおけるソレノイド8のスプールの両端面と対向する箇所にそれぞれ環状シール部材59を装着して、その位置の気密を保持している。
さらに、係合部材41のリヤ側の端部はL状に折り曲げてあり、その折り曲げ部41Aをバルブボディ3の段部端面3cとアウター部材25A(小径部25A’)のリヤ側端面との間に位置させている。上記折り曲げ部41Aには弁座部材11のフロント側の端部を当接させてあるので、図示非作動状態では、折り曲げ部41Aはアウター部材25A(小径部25A’)のリヤ側端面と当接してその位置に停止している。
このように構成しているので、この第3実施例では、上記折り曲げ部41Aがバルブボディ3の段部端面3cとアウター部材25A(小径部25A’)のリヤ側端面との間で移動できる距離だけ、ソレノイドプランジャ26及び弁座部材11がバルブボディ3に対して軸方向に相対移動することが出来る。
そして、この第3実施例においては、第2実施例と同様に、第2真空弁座12が第1真空弁座10よりもフロント側に位置するように構成している。その他の構成は上記第1実施例と同じなので、同一部分に関する説明は省略する。
このように構成したことにより、この第3実施例は、ソレノイド8を励磁させた際にソレノイドプランジャ26をリヤ側へ付勢する付勢力は、弁プランジャ13及び入力軸7には作用しないようになっている。
【0019】
-----------(第3実施例の作動説明)
以上の構成に基づく第3実施例の作動を説明すると、図4に示した非作動状態においては、図示しない制御装置はソレノイド8を消勢させており、この状態では弁座部材11とソレノイドプランジャ26は図示非作動位置に保持されている。
他方、キー部材37はシェル2のリヤ側の壁面に当接してその後退が規制されており、またバルブボディ3はその段部端面3bがキー部材37に当接することで後退が規制されている。また、弁プランジャ13は環状溝13cのフロント側の端面がキー部材37に当接して図示非作動位置に保持されている。この弁プランジャ13に取り付けたコア部材27も図示非作動位置に保持されている。
この非作動状態では、大気弁座14に弁体16のシート部S2が着座して大気弁21が閉鎖されているので、変圧室B1と大気との連通が遮断されるとともに、第1真空弁座10および第2真空弁座12から弁体16のシート部S1が離座して真空弁17が開放されている。そのため、定圧室A1と変圧室B1とが連通して、それらの内部に負圧が導入されている。
-----(通常のブレーキ作動時)
次に上記非作動状態から図示しないブレーキペダルが踏込まれると、入力軸7および弁プランジャ13がバルブボディ3に対してフロント側に前進される。なお、弁プランジャ13とともに上記コア部材27もバルブボディ3内をフロント側へ移動するが、ソレノイドプランジャ26とは当接しない。
すると、弁体16のシート部S1が第1真空弁座10に着座して真空弁17が閉鎖される一方、弁体16のシート部S2が弁プランジャ13の大気弁座14から離座して大気弁21が開放される。これにより、定圧室A1と変圧室B1の連通が遮断されて変圧室B1が大気に連通する。これによりパワーピストン4の前後の定圧室A1と変圧室B1との間に差圧が生じるようになり、そのパワーピストン4の差圧による出力が出力軸34を介して図示しないマスタシリンダのピストンに伝達され、マスタシリンダ液圧が発生する。
このとき、出力軸34に伝達された出力の一部が、反力としてリアクシヨンディスク32からプランジャプレート33を介して弁プランジャ13に伝達されて、この反力と入力軸7に加えられた入力とがバランスするように出力が制御される。つまり、真空弁17及び大気弁21が同時に閉鎖されたサーボバランス状態になる。
このサーボバランス状態からブレーキペダルの踏込みが解除されると、弁プランジャ13はポペットリターンスプリング53の弾発力によって入力軸7と共にバルブボディ3に対して後退され、それにより第1真空弁座10から弁体16のシート部S1が離座するので変圧室B1は再び定圧室A1に連通される。これにより、変圧室B1に導入されていた大気は定圧室A1に逃げるので、バルブボディ3を図示非作動位置まで後退させることができる。
なお、上記通常のブレーキ作動時においては、ソレノイドプランジャ26、係合部材41および弁座部材11は、ばね42のフロント側への付勢力が作用しているために、バルブボディ3に対して軸方向に移動することはない。
【0020】
---------(緊急ブレーキ時のブレーキアシスト時の作動)
次に、図示非作動状態からブレーキペダルが急激に踏み込まれた場合には、図示しないセンサからの信号により制御装置はブレーキアシストが必要であると判断するようになっている。この場合には、制御装置はブレーキアシストが必要であると判断した時点で、直ちに上記ソレノイド8を励磁する。すると、ソレノイドプランジャ26および弁座部材11がバルブボディ3に対してリヤ側へ移動される。
これにより、第2真空弁座12が第1真空弁座10よりもリヤ側へ移動されてから弁体16のシート部S1に着座して真空弁17が迅速に閉鎖されるとともに、大気弁21が大きく開放されて、ブレーキ倍力装置1が作動されて迅速に大きな出力が得られるようになっている。
このようにしてブレーキ倍力装置1が作動されると、その後、リヤ側へ移動された弁体16のシート部S2に弁プランジャ13の大気弁座14が当接するまで入力軸7及び弁プランジャ13がバルブボディ3に対してリヤ側へ移動する。そのため、弁プランジャ13(ロッド部13B)のフロント側の端面とリアクションディスク32の端面との隙間が通常作動時よりも大きくなって出力が大きくなる。このようにして弁プランジャ13がバルブボディ3に対してリヤ側へ移動するが、そのときコア部材27も弁プランジャ13とともにバルブボディ3に対してリヤ側へ移動する。そのため、上述したようにソレノイド8の励磁に伴ってリヤ側へ移動されるソレノイドプランジャ26は、コア部材27と当接することはない。
上記作動状態からブレーキペダルの踏み込みが解除されると、制御装置はソレノイド8を消勢させるので、バルブボディ3などが図示非作動状態に復帰する。--------(自動ブレーキ作動時の説明)
次に、非作動状態からブレーキペダルが踏み込まれない状態において、制御装置によってソレノイド8が励磁されると、ソレノイドプランジャ26及び弁座部材11がバルブボディ3に対してリヤ側へ移動される。そのため、第2真空弁座12が第1真空弁座10よりもリヤ側へ移動されてから弁体16のシート部S1に着座して真空弁17が迅速に閉鎖されるとともに、大気弁21が大きく開放されてブレーキ倍力装置1が作動されて迅速に大きな出力が得られるようになっている。
なお、この第3実施例においては、上述した第1実施例におけるダイアフラム45を省略した構成としているので、ソレノイド8が励磁されるとブレーキ倍力装置1は直ちに全負荷で作動されるようになっている。
そして、ソレノイド8が消勢されると、バルブボディ3などは図示非作動状態に復帰する。
このような構成の第3実施例であっても、上記第1実施例と同様の作用、効果を得ることが出来る。
【0021】
------------(第4実施例)
次に、図面は省略するが、第4実施例として次のような構成であっても良い。すなわち、上記図4に示す第3実施例の構成において、バルブボディ3の段部端面に設けた第1真空弁10を省略して、第2真空弁座12のみで真空弁座を構成しても良い。その他の構成は第3実施例と同じ構成とする。このような構成であって上記第3実施例と同様の作用、効果を得ることが出来る。
なお、上述した実施例は、全て真空と大気との差圧を用いて倍力作動を行なう真空倍力装置であるが、それに限定されるものではなく、ソレノイドを備え、そのソレノイドの励磁によりソレノイドプランジャが作動して弁機構を作動させて倍力作動を行なう倍力装置であれば、どのような倍力装置にも本願発明を適用することができる。例えば、液圧により倍力作動を行なう液圧倍力装置や弁機構としてスプール弁などを用いた倍力装置にも本願発明を適用することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ソレノイドの磁路の一部を構成するコア部材をバルブボディに対して相対移動可能に設けるとともに、入力軸に連動可能に構成したので、ソレノイドプランジャとコア部材との間の隙間を小さくすることができる。したがって、ソレノイドに供給する電流を小さくすることができるので、ソレノイドを小型化することができ、ひいてはブレーキ倍力装置を小型化することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すブレーキ倍力装置1の要部の断面図。
【図2】図1に示した弁機構の作動状態を示す概略の構成図。
【図3】本発明の第2実施例を示す要部の断面図。
【図4】本発明の第3実施例を示す断面図。
【図5】先願となる特願2001−222138号のブレーキ倍力装置の断面図。
【符号の説明】
1…ブレーキ倍力装置 3…バルブボディ
4…パワーピストン 6…弁機構
7…入力軸 8…ソレノイド
11…弁座部材 12…真空弁座
26…ソレノイドプランジャ 27…コア部材
A1…定圧室 B1…定圧室

Claims (7)

  1. ハウジング内に摺動自在に設けたバルブボディと、このバルブボディに設けられて上記ハウジング内を定圧室と変圧室に区画するパワーピストンと、上記バルブボディ内に設けられて上記定圧室と変圧室と大気との連通状態を切換える弁機構と、この弁機構を作動させる入力軸と、上記バルブボディに摺動自在に設けられたソレノイドプランジャを進退動させて上記弁機構を作動させるソレノイドとを備え、
    上記弁機構は、上記定圧室と変圧室との連通状態を切換える真空弁の構成部材である第1弁手段と、入力軸に連動して進退動する弁プランジャと、この弁プランジャに形成されて上記定圧室と大気との連通状態を切換える大気弁の構成部材である第2弁手段とを備えたブレーキ倍力装置において、
    上記バルブボディ内に上記第1弁手段を形成する弁部材を摺動自在に設け、上記ソレノイドを励磁すると上記ソレノイドプランジャに連動して上記弁部材が上記バルブボディに対して相対移動して上記弁機構が作動するように構成し、
    上記ソレノイドの磁路の一部を構成するコア部材を、上記ソレノイドプランジャの作動方向と対向する位置に、上記弁プランジャに一体的に連結して、上記バルブボディに対して相対移動可能にしたことを特徴とするブレーキ倍力装置。
  2. 上記ソレノイドが励磁されない非作動状態において上記ソレノイドプランジャに対して上記コア部材が離隔する距離を、上記ソレノイドの励磁時に移動されるソレノイドプランジャが上記コア部材に当接しない距離に設定したことを特徴とする請求項1に記載のブレーキ倍力装置
  3. 上記弁部材は、上記変圧室の圧力と上記定圧室の圧力との差圧が作用する受圧部を備え、上記ソレノイドの励磁時に上記受圧部に作用する差圧による作用力と上記ソレノイドプランジャに作用する上記ソレノイドの励磁力による付勢力とをバランスさせて、上記ソレノイドの励磁力に応じたブレーキ出力を出力させるように構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のブレーキ倍力装置。
  4. 上記第1弁手段は真空弁座であり、また上記第2弁手段は大気弁座であり、さらに上記弁機構は、上記真空弁座と大気弁座に着座可能な弁体を備え、非作動時において、上記真空弁座は上記弁体から離座し、上記大気弁座は上記弁体に着座しており、上記ソレノイドの励磁時に上記ソレノイドプランジャにより上記真空弁座を上記弁体に着座する方向に作動させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のブレーキ倍力装置。
  5. 上記弁部材に形成した第1弁手段を第2真空弁座とするとともに、上記バルブボディに上記第2真空弁座と並列に第1真空弁座を一体に形成したことを特徴とする請求項4に記載のブレーキ倍力装置。
  6. 上記第2真空弁座は、上記ソレノイドの非励磁時において上記第1真空弁座よりもフロント側に位置しており、上記入力軸の前進時に上記第1真空弁座に上記弁体が着座し、上記ソレノイドの励磁時には上記ソレノイドプランジャに連動して上記第2真空弁座が上記弁体に着座することを特徴とする請求項5に記載のブレーキ倍力装置。
  7. 上記ソレノイドが励磁されて上記ソレノイドプランジャによって上記弁機構が作動された後に上記真空弁および大気弁が閉鎖されるサーボバランス状態においては、上記弁部材がバルブボディに対してリヤ側へ移動されるようになっており、この弁部材のリヤ側への移動に伴って上記弁プランジャおよび上記コア部材がバルブボディに対してリヤ側に相対移動することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のブレーキ倍力装置。
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