JPH10150150A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH10150150A
JPH10150150A JP8305293A JP30529396A JPH10150150A JP H10150150 A JPH10150150 A JP H10150150A JP 8305293 A JP8305293 A JP 8305293A JP 30529396 A JP30529396 A JP 30529396A JP H10150150 A JPH10150150 A JP H10150150A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に多電源系の高速アナログ回路を有する半
導体装置において、クロストークを充分に低減し得る半
導体装置の構造を提供する。 【解決手段】 p型シリコン基板100上に設けられた
第1、第2のトランジスタ108、109を第1のトレ
ンチ104、105を挟んで囲むように第3、第4の高
濃度n型埋込層111、112がそれぞれ形成されてい
る。また、これら第3、第4の高濃度n型埋込層11
1、112上にn型層115を介して第1、第2の電極
106、107がそれぞれ形成されている。そして、第
1、第2の電極106、107を通じて第3、第4の高
濃度n型埋込層111、112の電位が固定されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置に関
し、特に多電源系の高速アナログ回路を備え、同回路で
のクロストークを低減し得る半導体装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、アナログ回路を備えた半導体装
置においては、寄生抵抗や寄生容量等の寄生のパスを介
して任意の信号が伝播することで本来の信号処理に不具
合を生じる現象いわゆるクロストークを防止することが
必須である。クロストークには、配線を通じた経路、エ
ピタキシャル層および埋込層を通じた経路、または基板
を通じた経路に起因するものがある。
【0003】このうち、配線を通じた経路については、
電源を分割し個々の電源を独立させることでクロストー
クを低減するという方法が従来から採られていた。ま
た、基板を通じた経路に関しては、特開昭63−181
346号公報にクロストーク低減技術の一例が開示され
ている。この例では、図6に示すように、トランジスタ
を構成するベース領域722、エミッタ領域717、コ
レクタ領域716の下の埋込層723の下にさらに導電
性を有するアースコンタクト層724を設け、このアー
スコンタクト層724を半導体装置のアース電位に接続
して導電層721の電位を固定することによってクロス
トークを低減している。
【0004】一方、バイポーラトランジスタで構成され
たアナログ回路においても、高集積化の要求からLOC
OS(Local Oxidation of Silicon)による素子分離だ
けでなく、トレンチによる素子分離が採用され始めてい
る。図5(a)、(b)にバイポーラトランジスタ10
8、109をトレンチ104、105で素子分離した場
合の素子構造の例を示す。この従来例は、高集積化の要
求から素子間隔が縮小化され、かつ、第1のトランジス
タ108が入出力バッファのような大振幅の信号を処理
する回路を構成する一方、第2のトランジスタ109が
初段アンプのような小信号回路を構成する場合である。
【0005】その場合、トレンチ104、105を介し
た第1のn型埋込層202とp型半導体基板200間、
およびp型半導体基板200と第2のn型埋込層203
間の寄生容量とp型半導体基板200の抵抗を介して第
1のn型埋込層202と第2のn型埋込層203との間
でクロストークを起こしてしまう。なぜならば、素子間
隔が縮小化したため、寄生抵抗が減少し、かつトレンチ
での素子分離により寄生容量が増大したからである。
【0006】そこで、この構造に対して上記公報記載の
クロストーク低減技術を適用する、すなわち図7に示す
ように、n型埋込層202、203の下にアースコンタ
クト層724を形成し、アースコンタクト層724を半
導体装置のアース電位に固定することによって、p型半
導体基板200を介したクロストークを低減することが
できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7に
示した従来のクロストーク低減技術には、次のような問
題点があった。すなわち、第1の問題点は、回路ブロッ
ク毎に電源が分割された多電源系の半導体装置では上記
クロストーク低減構造が有効に機能しないということで
ある。その理由は、アースコンタクト層724が基板全
面にわたって共通であり、出力回路等の電圧変動の大き
い電源の影響がアースコンタクト層724を通じて同一
チップ内の他の回路の動作に影響を与えてしまうためで
ある。特に、アンプ等の小信号回路に対する影響が顕著
である。
【0008】また、第2の問題点は、上記クロストーク
低減構造がトランジスタの高速動作に適さないという点
である。その理由は、npnトランジスタの場合、第
1、第2のn型埋込層202、203が高濃度であり、
高濃度のp型層であるアースコンタクト層724との間
の寄生容量が増加するため、また、トレンチ側面に関し
ても導電層721がアースコンタクト層724に接続さ
れており、薄い絶縁膜を介して導電層721と対向する
ためにトランジスタの対基板容量が極端に増加してしま
うためである。
【0009】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、特に多電源系の高速アナログ回路
を有する半導体装置において、クロストークを充分に低
減し得る半導体装置の構造を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1に記載の半導体装置は、第1導
電型の半導体基板上に設けられた第1の素子形成領域お
よび第2の素子形成領域を囲むように前記第1導電型と
逆の導電型である第2導電型の半導体領域が形成され、
この半導体領域上に形成された電極を介してこの半導体
領域の電位が固定されたことを特徴とするものである。
【0011】また、請求項2に記載の半導体装置は、請
求項1に記載の半導体装置において、前記第1の素子形
成領域および第2の素子形成領域がそれぞれ別個の半導
体領域によって囲まれ、各半導体領域上に形成された各
電極を介してそれら半導体領域の電位がそれぞれ固定さ
れたことを特徴とするものである。
【0012】また、請求項3に記載の半導体装置は、請
求項2に記載の半導体装置において、前記各電極が、そ
れぞれ独立した電源に接続されたことを特徴とするもの
である。
【0013】また、請求項4に記載の半導体装置は、請
求項1ないし3のいずれかに記載の半導体装置におい
て、前記半導体基板がSOI基板であることを特徴とす
るものである。
【0014】また、請求項5に記載の半導体装置は、請
求項1ないし4のいずれかに記載の半導体装置におい
て、前記半導体領域が埋込層で形成されたことを特徴と
するものである。
【0015】また、請求項6に記載の半導体装置は、請
求項5に記載の半導体装置において、前記第1の素子形
成領域および第2の素子形成領域がそれぞれ第1のトレ
ンチによって囲まれ、さらにこれら第1のトレンチを挟
んで前記埋込層によって囲まれたことを特徴とするもの
である。
【0016】また、請求項7に記載の半導体装置は、請
求項6に記載の半導体装置において、前記各第1のトレ
ンチがそれぞれ別個の埋込層によって囲まれ、これら埋
込層が第2のトレンチによってそれぞれ囲まれたことを
特徴とするものである。
【0017】また、請求項8に記載の半導体装置は、請
求項5に記載の半導体装置において、前記第1の素子形
成領域および第2の素子形成領域がそれぞれLOCOS
膜によって囲まれ、さらにこれらLOCOS膜が前記埋
込層によって囲まれたことを特徴とするものである。
【0018】本発明の半導体装置においては、表面の電
極を介して第1、第2の素子形成領域を囲む半導体領域
の電位が固定されているので、各素子間でのエピタキシ
ャル層および埋込層を通じた経路のクロストークが低減
される。また、電極を独立した電源に接続することによ
り配線を介したクロストークが低減される。さらに、S
OI基板を使用した場合には対基板容量を低減すること
ができ、基板を介したクロストークが低減される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
を図1を参照して説明する。図1は本実施の形態の半導
体装置を示す図であって、この半導体装置は2つのトラ
ンジスタ間をトレンチによって素子分離し、各トランジ
スタ形成領域を別個のn型半導体領域で囲んだ場合の例
である。
【0020】図1(a)および(b)に示すように、p
型シリコン基板100(第1導電型の半導体基板)上の
第1のトランジスタを形成すべき領域(第1の素子形成
領域)に第1の高濃度n型埋込層102(第2導電型の
半導体領域)が形成され、第2のトランジスタを形成す
べき領域(第2の素子形成領域)に第2の高濃度n型埋
込層103(第2導電型の半導体領域)が形成されてい
る。これら第1、第2の高濃度n型埋込層102、10
3は、例えば不純物濃度が5×1019cm-3、厚さが2μ
m程度のものである。
【0021】そして、第1、第2の高濃度n型埋込層1
02、103上には、不純物濃度が1016cm-3、厚さが
0.8μm程度のn型エピタキシャル層101がそれぞ
れ形成され、各n型エピタキシャル層101上に、第1
の電源で動作する回路を構成する第1のトランジスタ1
08と、第2の電源で動作する回路を構成する第2のト
ランジスタ109が形成されている。
【0022】また、図1(a)に示すように、第1のト
ランジスタ108および第2のトランジスタ109を囲
むように第1のトレンチ104、105がそれぞれ形成
されている。このトレンチ104、105は、内壁が酸
化膜や窒化膜等の絶縁膜で覆われ、その内部が酸化膜や
ポリシリコン等で埋め込まれたものであり、その幅は1
μm程度、深さが4.0μm程度である。
【0023】各第1のトレンチ104、105の外側に
はさらに第2のトレンチ110、130が形成されてい
る。そして、第1のトレンチ104、105と第2のト
レンチ110、130の間には、第1のトランジスタ1
08下の第1の高濃度n型埋込層102を囲むように第
3の高濃度n型埋込層111(第2導電型の半導体領
域)が形成され、同様に第2のトランジスタ109下の
第2の高濃度n型埋込層103を囲むように第4の高濃
度n型埋込層112(第2導電型の半導体領域)が形成
されている。これら第3、第4の高濃度n型埋込層11
1、112は、不純物濃度、厚さ等が第1、第2の高濃
度n型埋込層102、103と同一のものである。
【0024】そして、第3、第4の高濃度n型埋込層1
11、112上には同様の高濃度のn型層115、11
5がそれぞれ形成され、その上に第3、第4の高濃度n
型埋込層111、112に電位を与えるための第1の電
極106、第2の電極107がそれぞれ形成されてい
る。これら第1、第2の電極106、107はそれぞれ
独立した電源に接続され、第3、第4の高濃度n型埋込
層111、112の電位を独立に固定している。
【0025】なお、ここで固定する電位は回路の最高電
位または最低電位に限らず、中間の電位または外部から
与えられる任意の電位でもかまわない。回路ブロックを
囲んだ領域の電位固定は当該回路の電源または基準電位
で固定するのが最も望ましいが、電圧変動の大きい電源
でなければ他の回路の電源を用いてもよい。
【0026】上記構造の半導体装置によれば、多電源系
の回路において各トランジスタ108、109を囲む第
3、第4の高濃度n型埋込層111、112からなるn
型半導体領域の電位が基板表面の第1、第2の電極10
6、107を介して固定されているので、エピタキシャ
ル層および埋込層を介したクロストークの発生を確実に
防止することができる。さらに、各電極を独立した電源
に接続しているため、配線を介したクロストークも防止
することができる。
【0027】高濃度n型半導体領域の寄生抵抗をr、寄
生容量をc、回路動作周波数をfとした場合、高濃度n
型半導体領域の電位を固定するためには、rc<1/2
πfとなるように電極を配置する必要がある。なぜなら
ば、rc値が大きくなると、高濃度n型半導体領域の一
部(電極から遠い部分)で電位が固定できなくなり、ト
ランジスタ領域の電位変動が高濃度n型埋込層を介して
外部に影響を与えてしまい、クロストークを引き起こし
てしまうからである。
【0028】例えば、第1のトランジスタ108を出力
トランジスタとし、そのサイズを20×30μm2 、第
1のトレンチ104と第2のトレンチ110の間隔を1
0μm、第3の高濃度n型埋込層111のシート抵抗を
15Ω/□とした場合、第1の電極106から第3の高
濃度n型埋込層111への寄生抵抗は50Ω程度、第1
のトレンチ104の寄生容量は0.04pF程度であ
る。rc時定数から決まる周波数は75GHz程度であ
るが、クロストークを1/100に低減しようとする
と、動作周波数は15GHz程度まであることがわか
る。また、第2のトランジスタ109をアンプ等とした
場合の寄生容量は、第2のトレンチ130の寄生容量と
なる。
【0029】以下、本発明の第2の実施の形態を図2を
参照して説明する。図2は本実施の形態の半導体装置を
示す図であって、第1の実施の形態が素子分離にトレン
チを用いたのに対して、本実施の形態は2つのトランジ
スタ間をLOCOS膜によって素子分離する場合の例で
ある。
【0030】図2(a)および(b)に示すように、p
型シリコン基板200(第1導電型の半導体基板)上の
第1のトランジスタを形成すべき領域(第1の素子形成
領域)に第1のn型埋込層202(第2導電型の半導体
領域)が形成され、第2のトランジスタを形成すべき領
域(第2の素子形成領域)に第2のn型埋込層203
(第2導電型の半導体領域)が形成されている。これら
第1、第2のn型埋込層202、203は、例えば不純
物濃度が5×1019cm-3、厚さが2μm程度のものであ
る。
【0031】そして、第1、第2のn型埋込層202、
203上には、例えば不純物濃度が1016cm-3、厚さが
0.8μm程度のn型エピタキシャル層201がそれぞ
れ形成され、各n型エピタキシャル層201上に、第1
の電源で動作する回路を構成する第1のトランジスタ1
08と、第2の電源で動作する回路を構成する第2のト
ランジスタ109が形成されている。
【0032】また、第1、第2のトランジスタ108、
109間のn型エピタキシャル層201表面には、厚さ
が1.0μm程度のLOCOS酸化膜315が形成され
ている。そして、LOCOS酸化膜315の下方には、
チャネルストッパとして不純物濃度が1×1018cm-3
厚さが2μm程度のp型埋込層320が形成されてい
る。これにより、第1、第2のn型埋込層202、20
3はそれぞれp型埋込層320で囲まれた状態となって
いる。すなわち、本実施の形態の場合、第1、第2のト
ランジスタ108、109間の素子分離はLOCOS膜
315とp型埋込層320によるチャネルストッパによ
ってなされている。
【0033】さらに、第1、第2のトランジスタ10
8、109を分離するLOCOS膜315の間には、第
1のn型埋込層202側のp型埋込層320を囲むよう
に第3のn型埋込層211(第2導電型の半導体領域)
が形成され、同様に第2のn型埋込層203側のp型埋
込層320を囲むように第4のn型埋込層212(第2
導電型の半導体領域)が形成されている。そして、第
3、第4のn型埋込層211、212上にはそれぞれ同
様のn型層215、215が形成され、その上に第3、
第4の高濃度n型埋込層211、212に電位を与える
ための第1の電極106、第2の電極107がそれぞれ
形成されている。
【0034】本実施の形態の半導体装置においても、第
1の実施の形態と同様、第1、第2の電極106、10
7を介して各トランジスタ108、109を囲む第3、
第4のn型埋込層211、212の電位が固定されてい
るので、エピタキシャル層および埋込層を介したクロス
トークの発生を確実に防止することができる。さらに、
本実施の形態の場合、素子分離にLOCOS膜315を
用いているので、トレンチ素子分離を用いた第1の実施
の形態に比べて製造工程数を削減することができ、製造
コストの低減および工期の短縮を図ることができる。
【0035】以下、本発明の第3の実施の形態を図3を
参照して説明する。図3は本実施の形態の半導体装置を
示す図であって、本実施の形態は半導体基板としてSO
I基板を用いた例である。
【0036】図3(a)および(b)に示すように、p
型シリコン基板200(第1導電型の半導体基板)上に
厚さが500nm程度のシリコン酸化膜315が形成さ
れ、その上に不純物濃度が5×1019cm-3、厚さが2μ
m程度のn型埋込層202、211、416、212、
203(第2導電型の半導体領域)が全面に形成されて
いる。さらに、その上に不純物濃度が1016cm-3、厚さ
が0.8μm程度のn型エピタキシャル層201が形成
され、n型エピタキシャル層201上に第1の電源で動
作する回路を構成する第1のトランジスタ108と、第
2の電源で動作する回路を構成する第2のトランジスタ
109が形成されている。
【0037】また、第1のトランジスタ108および第
2のトランジスタ109を囲むように第1のトレンチ1
04、105がそれぞれ形成されている。このトレンチ
104、105は、内壁が酸化膜や窒化膜等の絶縁膜で
覆われ、その内部が酸化膜やポリシリコン等で埋め込ま
れたものであり、その幅は1μm程度、深さが2.8μ
m程度である。
【0038】第1のトレンチ104、105の外側には
さらに第2のトレンチ110、130が形成されてい
る。そして、第1のトレンチ104、105と第2のト
レンチ110、130の間には、第1のトランジスタ1
08側、第2のトランジスタ109側それぞれのn型埋
込層211、212上に同様のn型層215、215が
形成され、その上にn型埋込層211、212に電位を
与えるための第1の電極106、第2の電極107がそ
れぞれ形成されている。
【0039】対基板容量を考慮する場合、通常のシリコ
ン基板の場合の対基板容量はpn接合の接合容量となる
のに対して、SOI基板の場合は厚い酸化膜を介した容
量であるため、単位面積当たりの容量値がシリコン基板
の場合に比べて小さくなる。このように、本実施の形態
の場合、SOI基板を使用することでトランジスタの対
基板容量を低減し、基板を介したクロストークを低減す
ることができる。
【0040】また、n型埋込層202、211、41
6、212、203を全面に形成するため、製造工程数
の削減が可能となる。埋込層を全面に形成することで回
路ブロック間のフィールド領域の寄生抵抗が低下し、従
来はクロストークの増大が生じていたが、本実施の形態
ではフィールド領域の電位を固定することになるため、
この問題は発生せず、本実施の形態の効果を充分発揮す
ることができる。また、第5のn型埋込層416を電圧
変動の少ない第3の電源で固定すれば、クロストークを
より低減させることが可能となる。
【0041】以下、本発明の第4の実施の形態を図4を
参照して説明する。図1は本実施の形態の半導体装置を
示す図であって、この半導体装置は2つのトランジスタ
間をトレンチによって素子分離し、各トランジスタ形成
領域を共通のn型埋込層で囲んだ場合の例である。
【0042】図4(a)および(b)に示すように、p
型シリコン基板200(第1導電型の半導体基板)上の
第1のトランジスタを形成すべき領域(第1の素子形成
領域)に第1の高濃度n型埋込層202(第2導電型の
半導体領域)が形成され、第2のトランジスタを形成す
べき領域(第2の素子形成領域)に第2の高濃度n型埋
込層203(第2導電型の半導体領域)が形成されてい
る。
【0043】そして、第1、第2の高濃度n型埋込層2
02、203上にはn型エピタキシャル層201がそれ
ぞれ形成され、各n型エピタキシャル層201上に、第
1の電源で動作する回路を構成する第1のトランジスタ
108と、第2の電源で動作する回路を構成する第2の
トランジスタ109が形成されている。
【0044】また、第1のトランジスタ108および第
2のトランジスタ109を囲むように第1のトレンチ1
04、105がそれぞれ形成されている。このトレンチ
104、105は、内壁が酸化膜や窒化膜等の絶縁膜で
覆われ、その内部が酸化膜やポリシリコン等で埋め込ま
れたものである。
【0045】そして、2つの第1のトレンチ104、1
05は第2のトレンチ110で共通に囲まれている。そ
して、第1のトレンチ104、105と第2のトレンチ
110の間には、第1、第2の高濃度n型埋込層20
2、203を共通に囲むように第3の高濃度n型埋込層
211(第2導電型の半導体領域)が形成されている。
そして、第3の高濃度n型埋込層211上には高濃度の
n型層215が形成され、その上に第3の高濃度n型埋
込層211に電位を与えるための第1の電極106が形
成されている。
【0046】本実施の形態の半導体装置の場合、上記実
施の形態に比べてクロストークの低減効果の点ではやや
劣るが、第1、第2のトランジスタ108、109を第
3の高濃度n型埋込層211で共通に囲み、その上に1
つの電極106のみを設ければよいため、各トランジス
タ領域を個別のn型埋込層で囲んだ第1の実施の形態の
場合に比べてチップ面積の縮小化を図ることができる。
【0047】なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態
に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない
範囲において種々の変更を加えることが可能である。例
えば上記実施の形態においては1個のトランジスタのみ
をn型埋込層で囲んだ構成としたが、必要に応じて回路
ブロックの一部または全体を囲むようにしてもよい。し
かしながら、クロストークの低減策としては高濃度n型
埋込層領域の周囲長を小さくした方が寄生抵抗および寄
生容量が低減されるためにより効果的であり、大信号回
路または小信号回路の一方あるいは両方の最も効果的な
一部を囲むだけでもよい。また、各層の不純物濃度や厚
さ、トレンチの幅や深さ等の具体的な数値に関しては適
宜変更することができる。
【0048】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
半導体装置によれば、特に多電源系の高速アナログ回路
を有する半導体装置において、クロストークを低減する
ことができる。その理由は、各素子形成領域を半導体領
域で囲み、その半導体領域の電位を表面の電極を通じて
固定したためである。また、本発明ではクロストークを
低減するにあたって寄生容量が増大することがなく、高
周波特性の劣化が生じることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態である半導体装置
を示す、(a)平面図、(b)A−A’線に沿う断面
図、である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態である半導体装置
を示す、(a)平面図、(b)C−C’線に沿う断面
図、である。
【図3】 本発明の第3の実施の形態である半導体装置
を示す、(a)平面図、(b)D−D’線に沿う断面
図、である。
【図4】 本発明の第4の実施の形態である半導体装置
を示す、(a)平面図、(b)E−E’線に沿う断面
図、である。
【図5】 従来の半導体装置の一例を示す、(a)平面
図、(b)F−F’線に沿う断面図、である。
【図6】 公知例の半導体装置を示す断面図である。
【図7】 従来技術に公知例の技術を適用した状態を示
す断面図である。
【符号の説明】
100,200 p型シリコン基板(第1導電型の半導
体基板) 101,201 n型エピタキシャル層 102,202 第1の高濃度n型埋込層(第2導電型
の半導体領域) 103,203 第2の高濃度n型埋込層(第2導電型
の半導体領域) 104,105 第1のトレンチ 108 第1のトランジスタ 109 第2のトランジスタ 110,130 第2のトレンチ 111,211 第3の高濃度n型埋込層(第2導電型
の半導体領域) 112,212 第4の高濃度n型埋込層(第2導電型
の半導体領域) 115,215 n型層 106 第1の電極 107 第2の電極 315 LOCOS酸化膜(シリコン酸化膜) 320 p型埋込層 416 第5のn型埋込層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 27/12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の半導体基板上に設けられた
    第1の素子形成領域および第2の素子形成領域を囲むよ
    うに前記第1導電型と逆の導電型である第2導電型の半
    導体領域が形成され、この半導体領域上に形成された電
    極を介してこの半導体領域の電位が固定されたことを特
    徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体装置において、 前記第1の素子形成領域および第2の素子形成領域がそ
    れぞれ別個の半導体領域によって囲まれ、各半導体領域
    上に形成された各電極を介してそれら半導体領域の電位
    がそれぞれ固定されたことを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の半導体装置において、 前記各電極が、それぞれ独立した電源に接続されたこと
    を特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の半
    導体装置において、 前記半導体基板がSOI基板であることを特徴とする半
    導体装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の半
    導体装置において、 前記半導体領域が埋込層で形成されたことを特徴とする
    半導体装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の半導体装置において、 前記第1の素子形成領域および第2の素子形成領域がそ
    れぞれ第1のトレンチによって囲まれ、さらにこれら第
    1のトレンチを挟んで前記埋込層によって囲まれたこと
    を特徴とする半導体装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の半導体装置において、 前記各第1のトレンチがそれぞれ別個の埋込層によって
    囲まれ、これら埋込層が第2のトレンチによってそれぞ
    れ囲まれたことを特徴とする半導体装置。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載の半導体装置において、 前記第1の素子形成領域および第2の素子形成領域がそ
    れぞれLOCOS膜によって囲まれ、さらにこれらLO
    COS膜が前記埋込層によって囲まれたことを特徴とす
    る半導体装置。
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