JPH10149508A - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JPH10149508A
JPH10149508A JP165197A JP165197A JPH10149508A JP H10149508 A JPH10149508 A JP H10149508A JP 165197 A JP165197 A JP 165197A JP 165197 A JP165197 A JP 165197A JP H10149508 A JPH10149508 A JP H10149508A
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magnetic
magnetic head
magnetic core
ferrite
single crystal
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JP165197A
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Atsushi Suzuki
篤 鈴木
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な耐摩耗性を有するとともに、優れた再
生出力も得られる磁気ヘッドを提供する。 【解決手段】 磁気コア半体1,2を構成する単結晶フ
ェライトの結晶面方位を、磁気ギャップ形成面1a,2
aが(111)面、媒体摺動面1b,2bが(110)
面、磁路構成面1c,2cが(211)面となるように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオテープレコ
ーダー等に使用される磁気ヘッドに関し、詳しくは耐摩
耗性が良好でかつ優れた再生出力を得られるようにした
磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、単結晶フェライトよりなる一
対の磁気コア半体が接合一体化され、これら磁気コア半
体の突き合わせ面間に磁気ギャップが形成されてなる磁
気ヘッドが製造され、使用されている。
【0003】そして、このような磁気ヘッドとしては、
以下に示すようなものが例示される。即ち、図10
(A)に示すように、その単結晶フェライトの結晶面方
位を、上記一対の磁気コア半体101,102の突き合
わせ面である磁気ギャップ形成面101a,102aが
(100)面、磁気記録媒体が摺動する媒体摺動面10
1b,102bが(110)面、磁気ギャップ形成面1
01a,102a及び媒体摺動面101b,102bと
直交する磁路構成面101c,102cが(110)面
となるように設定している。この磁気ヘッドは、耐摩耗
性が良好であるという特徴を有している。
【0004】また、図10(B)に示すように、その単
結晶フェライトの結晶面方位を、磁気ギャップ形成面1
01a,102aが(111)面、媒体摺動面101
b,102bが(211)面、磁路構成面101c,1
02cが(110)面となるように設定した磁気ヘッド
も使用されている。この磁気ヘッドは、優れた再生出力
が得られるとの特徴を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁気コ
ア半体を構成する単結晶フェライトの結晶面方位を、磁
気ギャップ形成面101a,102aが(100)面、
媒体摺動面101b,102bが(110)面、磁路構
成面101c,102cが(110)面となるように設
定した上記磁気ヘッドは、耐摩耗性は良好であるが、優
れた再生出力は得ることができない。一方、単結晶フェ
ライトの結晶面方位を、磁気ギャップ形成面101a,
102aが(111)面、媒体摺動面101b,102
bが(211)面、磁路構成面101c,102cが
(110)面となるように設定した上記磁気ヘッドは、
再生出力の面では優れているが、良好な耐摩耗性を得る
ことができない。
【0006】そこで、これまでこれらの磁気ヘッドにお
いては、これらが使用されるシステムの性質によって選
択されて適用されていた。即ち、耐摩耗性を重視するシ
ステムにおいては、上記単結晶フェライトの結晶面方位
を、磁気ギャップ形成面101a,102aが(10
0)面、媒体摺動面101b,102bが(110)
面、磁路構成面101c,102cが(110)面とな
るように設定した磁気ヘッドが使用され、一方、再生出
力を重視するシステムにおいては、上記単結晶フェライ
トの結晶面方位を、磁気ギャップ形成面101a,10
2aが(111)面、媒体摺動面101b,102bが
(211)面、磁路構成面101c,102cが(11
0)面となるように設定した磁気ヘッドが使用されてい
た。したがって、上記磁気ヘッドを適用したシステム
は、耐摩耗性または再生出力のいずれか一方を犠牲にせ
ざるを得ないとの問題を有していた。
【0007】本発明は、従来の実情に鑑みて提案された
ものであり、良好な耐摩耗性を有すると共に、優れた再
生出力を得ることができる磁気ヘッドを提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
を重ねた結果、磁気コア半体を構成する単結晶フェライ
トの結晶面方位を、磁気ギャップ形成面が(111)
面、媒体摺動面が(110)面、磁路構成面が(21
1)面となるように設定することにより、良好な耐摩耗
性を有すると共に、優れた再生出力を有する磁気ヘッド
が得られることを見出した。
【0009】本発明に係る磁気ヘッドは、このような知
見に基づいて完成されたものであって、一対の磁気コア
半体が、突き合わせ面間に磁気ギャップを有して接合一
体化されてなる磁気ヘッドにおいて、磁気コア半体の少
なくとも磁気ギャップ形成部分が単結晶フェライトより
なり、この単結晶フェライトの結晶面方位が、一対の磁
気コア半体の突き合わせ面である磁気ギャップ形成面が
(111)面、磁気記録媒体が摺動する媒体摺動面が
(110)面、上記磁気ギャップ形成面及び媒体摺動面
と直交する磁路構成面が(211)面となされているこ
とを特徴とするものである。
【0010】この磁気ヘッドは、磁気記録媒体が摺動す
る媒体摺動面が耐摩耗性に優れる(110)面で構成さ
れることにより、良好な耐摩耗性を有すると共に、磁気
ギャップ形成面を(111)面、媒体摺動面を(11
0)面、磁路構成面を(211)面にてそれぞれ構成す
ることで、優れた再生出力を得ることができる。
【0011】また、本発明に係る磁気ヘッドは、一対の
磁気コア半体が、単結晶フェライトと多結晶フェライト
を接合した接合フェライトよりなるようにした場合に
は、その単結晶フェライトの結晶面方位により、良好な
摩耗特性と、優れた再生出力が得られるとともに、単結
晶フェライトのボリュームが少なく、多結晶フェライト
が磁気ヘッドの大部分を占めているために、摺動ノイズ
の低減にも効果がある。
【0012】また本発明に係る磁気ヘッドは、一対の磁
気コア半体の媒体摺動面における〈100〉結晶軸方向
を、互いに非平行とすることにより、より優れた再生出
力が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】(実施の形態1)本例の磁気ヘッドは、図
1に示すように、主として、単結晶フェライトよりなる
一対の磁気コア半体1,2が接合されてなる。そして、
接合された一対の磁気コア半体1,2によって閉磁路が
構成され、これら磁気コア半体1,2の突き合わせ面
(以下、磁気ギャップ形成面1a,2aという。)間に
記録再生ギャップとして動作する、所定のアジマス角を
有する磁気ギャップgが形成される。
【0015】上記一対の磁気コア半体1,2のそれぞれ
の磁気ギャップ形成面1a,2aの長手方向の両端縁、
即ち、磁気ギャップgの両端側には、磁気ギャップgの
幅、即ちトラック幅を規制するトラック幅規制溝3,4
が断面略円弧形状をなす溝として、磁気ギャップ形成面
1a,2aの長手方向にわたりそれぞれ形成されてい
る。そして、これら磁気コア半体1,2の磁気ギャップ
形成面1a,2aには、コイルを巻装するための巻線溝
5,6及び融着ガラス11となるガラス棒を挿入するた
めのガラス充填用溝7,8が、断面略コの字状をなす溝
として、相対向するように、磁気コア半体の厚さ方向に
貫通するようにそれぞれ形成されている。また、これら
磁気コア半体1,2の磁気ギャップ形成面1a,2aと
反対側の面、即ち、磁気ヘッドの長手方向の側面には、
上記巻線溝5,6に対応して、コイルの巻装を補助する
巻線ガイド溝9,10が磁気コア半体の厚み方向にわた
り形成されている。そして、これら磁気コア半体1,2
は、融着ガラス11によって接合されて磁気ヘッドを構
成している。
【0016】この磁気ヘッドは、磁気ギャップ形成面1
a,2aと直交する磁気ヘッド側面、即ち、図1におけ
る前後面が、磁路構成面1c,2cとして構成され、磁
気ギャップgを挟んで左右に延在する面、即ち、図1に
おける上面が、媒体摺動面1b,2bとして構成され
る。そして、この磁気ヘッドは、媒体摺動面1b,2b
上を図示しない磁気記録媒体が摺動することにより、こ
の磁気記録媒体に情報信号を記録し、またはこの磁気記
録媒体から情報信号を読み取るようにしている。
【0017】そして、上記磁気コア半体1,2を構成す
る単結晶フェライトの結晶面方位は、それぞれ、磁気ギ
ャップ形成面1a,2aが(111)面、媒体摺動面1
b,2bが(110)面、磁路構成面1c,2cが(2
11)面となされている。
【0018】この磁気ヘッドは、単結晶フェライトの結
晶面方位を上記のように設定することにより、優れた再
生出力と、良好な耐摩耗性を得ることができる。
【0019】また、本例の磁気ヘッドにおいては、上記
磁気ギャップgを挟んで配置される一対の磁気コア半体
1,2の媒体摺動面1b,2bにおける〈100〉結晶
軸方向、言い換えれば、一対の磁気コア半体1,2の
(110)面における結晶軸方向が、互いに非平行とな
されることが望ましい。
【0020】具体的には、以下のような例が示される。
例えば、図2(A)に示すように、一対の磁気コア半体
1,2のうち、磁気記録媒体の摺動方向の摺動始端側に
配置される一方の磁気コア半体1の媒体摺動面1bにお
ける〈100〉結晶軸方向B1は、磁気ギャップ形成面
1aのトラック幅方向に対して平行な方向である図中A
で示す方向に対して、一方の磁路構成面1c側にて接近
し、他方の磁路構成面1c’に向かうに従って離間する
ようになされ、これらの間の角度θ1は35度とされ
る。そして、磁気記録媒体の摺動方向の摺動終端側に配
置される他方の磁気コア半体2の媒体摺動面2bにおけ
る〈100〉結晶軸方向B2は、磁気ギャップ形成面1
aのトラック幅方向に対して平行な方向である図中Aで
示す方向に対して、一方の磁路構成面2c側にて接近
し、他方の磁路構成面2c’に向かうに従って離間する
ようになされ、これらの間の角度θ2は35度とされ
る。このとき、磁気ギャップ形成面1a,2aは突き合
わされていることから、図中矢印B1で示される磁気コ
ア半体1の媒体摺動面1bにおける〈100〉結晶軸方
向と、図中矢印B2で示される磁気コア半体2の媒体摺
動面2bにおける〈100〉結晶軸方向とは非平行とさ
れる。
【0021】また、図2(B)に示すように、一対の磁
気コア半体1,2のうち、磁気記録媒体の摺動方向の摺
動始端側に配置される一方の磁気コア半体1の媒体摺動
面1bにおける〈100〉結晶軸方向B1は、磁気ギャ
ップ形成面1aと平行な方向である図中Aで示す方向に
対して、他方の磁路構成面1c’側にて接近し、一方の
磁路構成面1cに向かうに従って離間するようになさ
れ、これらの間の角度θ1は35度とされる。そして、
磁気記録媒体の摺動方向の摺動終端側に配置される他方
の磁気コア半体2の媒体摺動面2bにおける〈100〉
結晶軸方向B2は、磁気ギャップ形成面1aと平行な方
向である図中Aで示す方向に対して、他方の磁路構成面
2c’側にて接近し、一方の磁路構成面2cに向かうに
従って離間するようになされ、これらの間の角度θ2
35度とされる。このとき、磁気ギャップ形成面1a,
2aは突き合わされていることから、図中矢印B1で示
される磁気コア半体1の媒体摺動面1bにおける〈10
0〉結晶軸方向と、図中矢印B2で示される磁気コア半
体2の媒体摺動面2bにおける〈100〉結晶軸方向と
は非平行とされる。
【0022】本例の磁気ヘッドは、このように磁気ギャ
ップgを挟んで配置される一対の磁気コア半体1,2を
構成する単結晶フェライトの媒体摺動面1b,2bにお
ける〈100〉結晶軸方向、即ち、一対の磁気コア半体
1,2の(110)面における〈100〉結晶軸方向
を、非平行とすることにより、より優れた再生出力を得
ることができる。
【0023】次に上記磁気ヘッドの製造工程について説
明する。
【0024】この磁気ヘッドを製造するには、先ず、図
3に示すように、例えばMn―Zn単結晶フェライト等
からなる一対の単結晶フェライト基板12,13が準備
される。この際、各単結晶フェライト基板12,13
は、その結晶面方位が、最終的に磁気ギャップ形成面1
a、2aとなる主面12a,13aが(111)面、媒
体摺動面1b,2bとなる主面12b,13bが(11
0)面、磁路構成面1c,2cとなる主面12c,13
cが(211)面となるように設定される。また、一方
の単結晶フェライト基板12の、媒体摺動面1bとなる
主面12bの〈100〉結晶軸方向は、他方の単結晶フ
ェライト基板13の、媒体摺動面2bとなる主面13b
の〈100〉結晶軸方向と非平行になるように設定され
ることが望ましい。
【0025】次に、図4に示すように、一対の単結晶フ
ェライト基板12,13のそれぞれの主面12a,13
aに、巻線溝5,6及びガラス充填用溝7,8が、主面
12b,13bに平行となるように形成される。その
後、さらに単結晶フェライト基板12,13の主面12
a,13aに、巻線溝5,6及びガラス充填用溝7,8
に垂直な方向に、トラック幅規制溝3,4が一定のピッ
チで複数形成される。これらの溝加工の結果、単結晶フ
ェライト基板12,13の主面12a,13aは、巻線
溝5,6とトラック幅規制溝3,4に囲まれた一部が残
り、この残った一部が磁気ギャップ形成面1a,2aを
構成することになる。そして、この単結晶フェライト基
板12,13の磁気ギャップ形成面1a,2aに鏡面加
工が施され、一対の磁気コア半体ブロック14,15が
作製される。
【0026】次に、一対の磁気コア半体ブロック14,
15の磁気ギャップ形成面1b,2b上に、SiO2
の非磁性材料からなるギャップ膜(図示は省略)が成膜
される。このギャップ膜は、磁気ギャップとなるもので
あり、各磁気コア半体ブロック14,15に成膜される
ギャップ膜の膜厚は、作製する磁気ヘッドのギャップ長
の半分となるように設定される。
【0027】次に、図5に示すように、ギャップ膜を成
膜した一対の磁気コア半体ブロック14,15はそれぞ
れの磁気ギャップ形成面1a,2aが対向するように突
き合わされる。 そして、相対向する巻線溝5,6及び
ガラス充填用溝7,8にそれぞれガラス棒が挿入され
て、加熱される。この結果、図6に示すように、ガラス
棒が溶け、この融着ガラス11によって磁気コア半体ブ
ロック14,15が接合一体化され、磁気コアブロック
16が形成される。
【0028】なお、一対の磁気コア半体ブロック14,
15の接合は、上述のようなガラス融着による接合に限
られるものではなく、例えば、金属膜同士の熱拡散によ
る低温熱拡散接合等を用いても構わない。ここで熱拡散
結合による磁気コア半体ブロックの接合とは、磁気コア
半体ブロック14,15の突き合わせ面にAu等の金属
薄膜が成膜され、これら金属薄膜同士が突き合わされ
て、所定の圧力が加えられると共に低温で加熱されるこ
とにより接合を行うものである。
【0029】次に、最終的に媒体摺動面1b,2bとな
る磁気コアブロック16の主面16bに円筒研磨が施さ
れると共に、磁気記録媒体の磁気ヘッドに対する当たり
幅を規制する当たり幅規制溝17が上記巻線溝5,6及
びガラス充填用溝7,8を形成した方向と直交する方向
に、所定のアジマス角θを有するように、複数形成され
る。また磁気コアブロック16の側面上巻線溝5,6に
対応する位置に、巻線ガイド溝9,10が形成される。
【0030】そして最後に、磁気コアブロック16が、
図6中A1―A2,B1―B2,C1―C2,D1―D2で示す
方向に、即ち、上面から垂直な方向で、かつ、前面に対
して所定のアジマス角θを有するように切断される。こ
のようにして、先に図1に示したような磁気ヘッドが多
数形成される。
【0031】(実施の形態2)本例の磁気ヘッドは、基
本構成は前述の磁気ヘッドと同様であり、一対の磁気コ
ア半体がそれぞれ単結晶フェライトと多結晶フェライト
を接合した接合フェライトよりなることを特徴としてい
る。以下、前述の磁気ヘッドと同一の構成については、
同一の符号を付して説明する。
【0032】この磁気ヘッドは、図7に示すように、単
結晶フェライト18,19と多結晶フェライト20,2
1とを接合した接合フェライトよりなる一対の磁気コア
半体22,23が接合されてなる。そして、この磁気ヘ
ッドは、上部である磁気ギャップ形成部分が単結晶フェ
ライト18,19で構成され、その他の部分が多結晶フ
ェライト20,21で構成されている。そして、この接
合された一対の磁気コア半体22,23によって閉磁路
が構成され、これら磁気コア半体22,23の突き合わ
せ面(磁気ギャップ形成面)22a,23a間に記録再
生ギャップとして動作する、所定のアジマス角を有する
磁気ギャップgが形成される。
【0033】そして、この磁気ヘッドは、詳細は省略す
るが、前述の磁気ヘッドと同様に、磁気ギャップgの両
端側に、トラック幅規制溝3,4が形成され、磁気コア
半体22,23の磁気ギャップ形成面22a,23a
に、コイルを巻装するための巻線溝5,6が形成され、
磁気ヘッドの長手方向の側面には、上記巻線溝5,6に
対応した巻線ガイド溝9,10が形成されている。そし
て、上記磁気コア半体22,23が、融着ガラス11に
よって接合されて磁気ヘッドを構成している。
【0034】この磁気ヘッドも、前述の磁気ヘッドと同
様に、磁気ギャップ形成面22a,23aと直交する磁
気ヘッド側面、即ち、図7における前後面が、磁路構成
面22c,23cとして構成され、磁気ギャップgを挟
んで左右に延在する面、即ち、図7における上面が、媒
体摺動面22b,23bとして構成される。そして、こ
の磁気ヘッドは、媒体摺動面22b,23b上を図示し
ない磁気記録媒体が摺動することにより、この磁気記録
媒体に情報信号を記録し、またはこの磁気記録媒体から
情報信号を読み取るようにしている。
【0035】そして、上記磁気コア半体22,23の磁
気ギャップ形成部分を構成する単結晶フェライト18,
19の結晶面方位は、それぞれ、磁気ギャップ形成面2
2a,23aが(111)面、媒体摺動面22b,23
bが(110)面、磁路構成面22c,23cが(21
1)面となされている。
【0036】この磁気ヘッドは、磁気ギャップ形成部分
を構成する単結晶フェライトの結晶面方位を上記のよう
に設定することにより、優れた再生出力と、良好な耐摩
耗性を得ることができる。
【0037】また、本例の磁気ヘッドにおいても、前述
した磁気ヘッドと同様に、磁気ギャップgを挟んで配置
される一対の磁気コア半体22,23の媒体摺動面22
b,23bにおける〈100〉結晶軸方向、言い換えれ
ば、一対の磁気コア半体22,23の(110)面にお
ける結晶軸方向が、互いに非平行となされることが望ま
しい。
【0038】このように、媒体摺動面22b,23bに
おける〈100〉結晶軸方向を非平行とすることによ
り、この磁気ヘッドは、前述の磁気ヘッドと同様に、よ
り優れた再生出力を得ることができる。
【0039】次に、この磁気ヘッドの製造工程について
説明する。
【0040】この磁気ヘッドの製造工程は、前述した磁
気ヘッドの製造工程と略同一であるので、同一工程につ
いては詳細を省略する。
【0041】先ず、図8に示すように、一対の平板状の
単結晶フェライト基板18,19と一対の平板状の多結
晶フェライト基板20,21とが接合されて、一対の平
板状の接合フェライト基板22,23が作製される。こ
こで、単結晶フェライト基板18,19には、Mn―Z
n単結晶フェライト等が好適である。
【0042】各単結晶フェライト基板18,19は、多
結晶フェライト基板20,21と接合される際に、その
結晶面方位が、最終的に磁気ギャップ形成面22a,2
3aとなる主面18a,19aが(111)面、媒体摺
動面22b,23bとなる主面18b,19bが(11
0)面、磁路構成面22c,23cとなる主面18c,
19cが(211)面となるように設定される。そし
て、単結晶フェライト基板18,19と多結晶フェライ
ト基板20,21とは、その接合面が媒体摺動面22
b,23bに平行となるように接合される。
【0043】この一対の接合フェライト基板22,23
は、前述した磁気ヘッドのフェライト基板12,13と
同様に、巻線溝5,6とガラス充填用溝7,8とトラッ
ク幅規制溝3,4とがそれぞれ形成され、突き合わされ
て融着ガラス11により接合され、図示しない磁気コア
ブロックが形成される。そして、最終的に媒体摺動面2
2b,23bとなる磁気コアブロックの主面18b,1
9bには、円筒研磨が施されるとともに、当たり幅規制
溝17が形成される。そして、この磁気コアブロックが
切断されて、図7に示すような磁気ヘッドが多数形成さ
れる。
【0044】
【実施例】続いて、本発明の磁気ヘッドの効果を確認す
べく、以下のような実験を行った。
【0045】(磁気ヘッドの作製)実験に供する磁気ヘ
ッドとして、以下のものを作製した。
【0046】従来の磁気ヘッド1:磁気コア半体を構成
する単結晶フェライトの結晶面方位を、磁気ギャップ形
成面が(100)面、媒体摺動面が(110)面、磁路
構成面が(110)面となるように設定した磁気ヘッ
ド。
【0047】従来の磁気ヘッド2:磁気コア半体を構成
する単結晶フェライトの結晶面方位を、磁気ギャップ形
成面が(111)面、媒体摺動面が(211)面、磁路
構成面が(110)面となるように設定した磁気ヘッ
ド。
【0048】本発明に係る磁気ヘッド1:単結晶フェラ
イトの結晶面方位を、磁気ギャップ形成面が(111)
面、媒体摺動面が(110)面、磁路構成面が(21
1)面となるように設定する。そして、図9(A)に示
すように、磁気記録媒体の摺動始端側に配置される一方
の磁気コア半体1の媒体摺動面1bにおける〈100〉
結晶軸方向B1が、図中Aで示す磁気ギャップ形成面1
aと平行な方向に対し、一方の磁路構成面1c側で接近
するようにし、その間の角度θ1を35度とする。ま
た、磁気記録媒体の摺動終端側に配置される他方の磁気
コア半体2の媒体摺動面2bにおける〈100〉結晶軸
方向B2と、図中Aで示す磁気ギャップ形成面2aと平
行な方向に対し、一方の磁路構成面2c側で接近するよ
うにし、その間の角度θ1を35度とし、一方の磁気コ
ア半体1の媒体摺動面1bにおける〈100〉結晶軸方
向と、他方の磁気コア半体2の媒体摺動面2bにおける
〈100〉結晶軸方向とを非平行とした磁気ヘッド。
【0049】本発明に係る磁気ヘッド2:単結晶フェラ
イトの結晶面方位を、磁気ギャップ形成面が(111)
面、媒体摺動面が(110)面、磁路構成面が(21
1)面となるように設定する。そして、図9(B)に示
すように、磁気記録媒体の摺動始端側に配置される一方
の磁気コア半体1の媒体摺動面1bにおける〈100〉
結晶軸方向B1が、図中Aで示す磁気ギャップ形成面1
aと平行な方向に対し、他方の磁路構成面1c’側で接
近するようにし、その間の角度θ1を35度とする。ま
た、磁気記録媒体の摺動終端側に配置される他方の磁気
コア半体2の媒体摺動面2bにおける〈100〉結晶軸
方向B2と、図中Aで示す磁気ギャップ形成面2aと平
行な方向に対し、他方の磁路構成面2c’側で接近する
ようにし、その間の角度θ1を35度とし、一方の磁気
コア半体1の媒体摺動面1bにおける〈100〉結晶軸
方向と、他方の磁気コア半体2の媒体摺動面2bにおけ
る〈100〉結晶軸方向とを非平行とした磁気ヘッド。
【0050】本発明に係る磁気ヘッド3:単結晶フェラ
イトの結晶面方位を、磁気ギャップ形成面が(111)
面、媒体摺動面が(110)面、磁路構成面が(21
1)面となるように設定する。そして、図9(C)に示
すように、磁気記録媒体の摺動始端側に配置される一方
の磁気コア半体1の媒体摺動面1bにおける〈100〉
結晶軸方向B1が、図中Aで示す磁気ギャップ形成面1
aと平行な方向に対し、他方の磁路構成面1c’側で接
近するようにし、その間の角度θ1を35度とする。ま
た、磁気記録媒体の摺動終端側に配置される他方の磁気
コア半体2の媒体摺動面2bにおける〈100〉結晶軸
方向B2と、図中Aで示す磁気ギャップ形成面2aと平
行な方向に対し、一方の磁路構成面2c側で接近するよ
うにし、その間の角度θ1を35度とし、一方の磁気コ
ア半体1の媒体摺動面1bにおける〈100〉結晶軸方
向と、他方の磁気コア半体2の媒体摺動面2bにおける
〈100〉結晶軸方向とを平行とした磁気ヘッド。
【0051】本発明に係る磁気ヘッド4:単結晶フェラ
イトの結晶面方位を、磁気ギャップ形成面が(111)
面、媒体摺動面が(110)面、磁路構成面が(21
1)面となるように設定する。そして、図9(D)に示
すように、磁気記録媒体の摺動始端側に配置される一方
の磁気コア半体1の媒体摺動面1bにおける〈100〉
結晶軸方向B1が、図中Aで示す磁気ギャップ形成面1
aと平行な方向に対し、一方の磁路構成面1c側で接近
するようにし、その間の角度θ1を35度とする。ま
た、磁気記録媒体の摺動終端側に配置される他方の磁気
コア半体2の媒体摺動面2bにおける〈100〉結晶軸
方向B2と、図中Aで示す磁気ギャップ形成面2aと平
行な方向に対し、他方の磁路構成面2c’側で接近する
ようにし、その間の角度θ1を35度とし、一方の磁気
コア半体1の媒体摺動面1bにおける〈100〉結晶軸
方向と、他方の磁気コア半体2の媒体摺動面2bにおけ
る〈100〉結晶軸方向とを平行とした磁気ヘッド。
【0052】(再生出力の測定)次に、上記の各磁気ヘ
ッドの再生出力を測定した。具体的には、記録ヘッドと
してメタルインギャップ(MIG)構造の磁気ヘッドを
用い、相対速度22.5m/sで、周波数が33MHZ
の信号を保持力124KA/mのテープに記録し、これ
を上記各磁気ヘッドにより再生し、その再生出力を測定
した。尚、各磁気ヘッドの再生出力は、上記従来の磁気
ヘッド1を0dBとした相対値として表した。結果を表
1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】表1の結果から明らかなように、本発明に
係る磁気ヘッド1〜4は、従来の磁気ヘッド1に比し、
高い再生出力が得られることが確認された。また、単結
晶フェライトの(110)面内の〈100〉結晶軸方向
を磁気ギャップを挟んで非平行とした本発明に係る磁気
ヘッド1,2は、特に高い再生出力が得られることが確
認された。
【0055】(耐摩耗性の測定)続いて上記各磁気ヘッ
ドの耐摩耗性を調査した。即ち、ソニー株式会社製のベ
ータカムSP用デッキ(機種名:BVW―50)を用
い、ソニー株式会社製のベータカムSP用テープ(商品
名:BCT―90M)を25℃、80%RHの環境下
で、24時間走行させた後、ヘッドの突き出し量の変
化、即ち走行前のヘッドの突き出し量と、走行後のヘッ
ドの突き出し量の差からヘッドの耐摩耗性を調べた。結
果を表1に併せて示す。
【0056】表1の結果から明らかなように、本発明に
係る磁気ヘッド1〜4は、従来の磁気ヘッド2に比し、
良好な耐摩耗性を有することが確認された。
【0057】本発明の磁気ヘッドは上述した実験によ
り、良好な耐摩耗性を有しながら、同時に優れた再生出
力も有していることが確認された。
【0058】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、磁気
ヘッドを構成する単結晶フェライトの結晶面方位を、一
対の磁気コア半体の突き合わせ面である磁気ギャップ形
成面が(111)面、磁気記録媒体が摺動する媒体摺動
面が(110)面、磁路構成面が(211)面となるよ
うに設定した本発明の磁気ヘッドは、良好な耐摩耗性を
有すると同時に、優れた再生出力も得ることができる。
したがって、この磁気ヘッドは、これを使用したシステ
ムの耐摩耗性と再生出力との双方の向上を図ることがで
きる。
【0059】また、この磁気ヘッドは、一対の磁気コア
半体を単結晶フェライトと多結晶フェライトを接合した
接合フェライトからなるように構成した場合には、単結
晶フェライトの結晶面方位により、良好な耐摩耗性およ
び優れた再生出力が得られるとともに、単結晶フェライ
トのボリュームが少なくて済むために、摺動ノイズの低
減も図れる。
【0060】また、この磁気ヘッドは、また、磁気ギャ
ップを挟んで配置される一対の磁気コア半体の媒体摺動
面における〈100〉結晶軸方向を互いに非平行とする
ことにより、より優れた再生出力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気ヘッドの斜視図である。
【図2】媒体摺動面における単結晶フェライトの〈10
0〉結晶軸方向の一例を示す磁気ヘッドの平面図であ
る。
【図3】一対の単結晶フェライト基板の斜視図である。
【図4】一対の磁気コア半体ブロックの斜視図である。
【図5】一対の磁気コア半体ブロックをギャップ面を挟
んで突き合わせた状態の斜視図である。
【図6】磁気コアブロックの斜視図である。
【図7】本発明の他例を示す磁気ヘッドの斜視図であ
る。
【図8】一対の接合フェライト基板の斜視図である。
【図9】媒体摺動面における単結晶フェライトの〈10
0〉結晶軸方向の一例を示す磁気ヘッドの平面図であ
る。
【図10】従来の磁気ヘッドの斜視図である。
【符号の説明】
1,2,22,23 磁気コア半体、1a,2a,22
a,23a 磁気ギャップ形成面、1b,2b,22
b,23b 媒体摺動面、1c,2c,22c,23c
磁路構成面、

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の磁気コア半体が、突き合わせ面間
    に磁気ギャップを有して接合一体化されてなる磁気ヘッ
    ドにおいて、 上記磁気コア半体の少なくとも磁気ギャップ形成部分が
    単結晶フェライトよりなり、この単結晶フェライトの結
    晶面方位が、上記一対の磁気コア半体の突き合わせ面で
    ある磁気ギャップ形成面が(111)面、磁気記録媒体
    が摺動する媒体摺動面が(110)面、上記磁気ギャッ
    プ形成面及び媒体摺動面と直交する磁路構成面が(21
    1)面となされていることを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 上記一対の磁気コア半体が単結晶フェラ
    イトよりなることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 上記一対の磁気コア半体が、単結晶フェ
    ライトと多結晶フェライトを接合した接合フェライトよ
    りなることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 上記一対の磁気コア半体の媒体摺動面に
    おける〈100〉結晶軸方向が、互いに非平行となされ
    ていることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。
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JP8-245233 1996-09-17
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