JPH10139910A - 架橋ポリエチレン系樹脂発泡体 - Google Patents

架橋ポリエチレン系樹脂発泡体

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JPH10139910A
JPH10139910A JP30186096A JP30186096A JPH10139910A JP H10139910 A JPH10139910 A JP H10139910A JP 30186096 A JP30186096 A JP 30186096A JP 30186096 A JP30186096 A JP 30186096A JP H10139910 A JPH10139910 A JP H10139910A
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polyethylene resin
foam
weight
density
crosslinked
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JP30186096A
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Masabumi Nishino
正文 西野
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、柔軟性及び抗張力等の機械的強度
に優れた架橋ポリエチレン系樹脂発泡体を提供すること
にある。 【解決手段】 本発明の架橋ポリエチレン系樹脂発泡体
は、密度が0.890g/cc以下のポリエチレン系樹
脂(A)5〜95重量%及び密度が0.890g/cc
より大きいポリエチレン系樹脂(B)95〜5重量%か
らなる架橋ポリエチレン系樹脂発泡体において、該ポリ
エチレン系樹脂(A)及びポリエチレン系樹脂(B)は
共に、エチレンを50重量%以上含有する原料モノマー
を、四価の遷移金属を中心金属とするメタロセン化合物
からなる重合触媒の存在下において重合して得られたも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着テープや医療
用テープ等の基材に好適な柔軟性を有するとともに機械
的強度に優れた架橋ポリエチレン系樹脂発泡体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】粘着シートや医療用テープに用いられる
基材は、建築物の曲面や人体に貼付されるところから、
貼付面に沿った形状に変形しうる柔軟性が必要であると
ともに、貼付過程での伸張等によって容易に破断しない
抗張力等の機械的強度が要求される。
【0003】このような要求を満たす粘着シート基材と
して、特公平2−33387号公報には、酢酸ビニル成
分が2〜45重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体9
0〜40重量部と、線状低密度ポリエチレン10〜60
重量部を含む発泡性樹脂組成物を架橋発泡させてなる独
立気泡性架橋発泡シートが開示されており、一方、医療
用テープ基材として、特公平3−2198号公報には、
線状低密度ポリエチレンと、エチレン−酢酸ビニル共重
合体又はエチレン−アクリル酸エチル共重合体とが含有
されてなる樹脂組成物からなる架橋発泡体が開示されて
いる。
【0004】しかしながら、上記架橋発泡体はいまだ柔
軟性が不十分であり、柔軟性を向上させるべくエチレン
−酢酸ビニル共重合体の含有量を増加させると、柔軟性
は向上するものの機械的強度が低下し、更には酢酸ビニ
ル臭も残るといった問題点があった。特に酢酸ビニル臭
の残存の問題点は、清潔さが要求される医療用テープ基
材にとっては致命的なものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決し、柔軟性及び抗張力等の機械的強度に優れた架
橋ポリエチレン系樹脂発泡体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の架橋ポリエチレ
ン系樹脂発泡体は、密度が0.890g/cc以下のポ
リエチレン系樹脂(A)5〜95重量%及び密度が0.
890g/ccより大きいポリエチレン系樹脂(B)9
5〜5重量%からなる架橋ポリエチレン系樹脂発泡体に
おいて、該ポリエチレン系樹脂(A)及びポリエチレン
系樹脂(B)は共に、エチレンを50重量%以上含有す
る原料モノマーを、四価の遷移金属を中心金属とするメ
タロセン化合物からなる重合触媒の存在下において重合
して得られたものであることを特徴とする。
【0007】上記ポリエチレン系樹脂(A)及び(B)
の原料となる原料モノマーは、得られる発泡体の柔軟性
を保持すべく50重量%以上のエチレンを含有する。更
に、該原料モノマーにはエチレンの他にエチレンと重合
可能なα−オレフィンが含有されていてもよく、このよ
うなα−オレフィンとして、例えば、プロピレン、1−
ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、
1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘプテン等が挙げられ
る。
【0008】そして、上記原料モノマーは、四価の遷移
金属を中心金属とするメタロセン化合物からなる重合触
媒の存在下において重合される。上記四価の遷移金属と
しては、特に限定されず、例えば、チタン、ジルコニウ
ム、ニッケル、パラジウム、ハフニウム、白金等が挙げ
られ、該四価の遷移金属に一以上のシクロペンタジエニ
ル環およびその類縁体がリガンドとして配位しメタロセ
ン化合物が構成される。
【0009】上記シクロペンタジエニル環およびその類
縁体としては、例えば、シクロペンタジエニル環;炭化
水素基、置換炭化水素基または炭化水素−置換メタロイ
ド基により置換されたシクロペンタジエニル環;シクロ
ペンタジエニルオリゴマー環;インデニル環;炭化水素
基、置換炭化水素基または炭化水素−置換メタロイド基
により置換されたインデニル環等が挙げられる。
【0010】上記シクロペンタジエニル環およびその類
縁体以外にも中心金属となる四価の遷移金属にはリガン
ドとして配位する配位子が存在し、このような配位子と
しては、例えば、塩素、臭素等の一価のアニオンリガン
ドまたは二価のアニオンキレートリガンド;メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、イソアミ
ル基、ヘキシル基、イソブチル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、ノニル基、デシル基、セチル基、2−エチルヘキ
シル基、フェニル基等の炭化水素基、アルコキシド基、
アリールアルコキシド基、アリールオキシド基、アミド
基、アリールアミド基、ホスフィド基、アリールフォス
フィド基等が挙げられる。
【0011】上記リガンドが配位したメタロセン化合物
として、例えば、シクロペンタジエニルチタニウムトリ
ス(ジメチルアミド)、メチルシクロペンタジエ ニル
チタニウムトリス(ジメチルアミド)、ビス(シクロペ
ンタジエニ ル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリ
ルテトラメチルシクロペンタジエニル−tert−ブチルア
ミドジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメ
チルシクロペンタジエニル−tert−ブチルアミドハフニ
ウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペ
ンタジエニル−p−n−ブチルフェニルアミドジルコニ
ウムクロリド、メチルフェニルシリルテトラメチルシク
ロペンタジエニル−tert−ブチルアミドハフニウムジク
ロリド、インデニルチタニウムトリス(ジメチルアミ
ド)、インデニルチタニウムトリス(ジエチルアミ
ド)、インデニルチタニウムトリ ス(ジ−n−プロピ
ルアミド)、インデニルチタニウムビス(ジ−n−ブチ
ルアミド)(ジ−n−プロピルアミド)等が挙げられ
る。
【0012】上記原料モノマーは、上記メタロセン化合
物の存在下、メチルアルミノキサン(MAO)やホウ素
系化合物等の共触媒を加えた触媒系で重合される。該共
触媒の添加量は、メタロセン化合物1モルに対して、1
0〜1000000モルが好ましく、50〜5000モ
ルが更に好ましい。
【0013】又、重合方法は、特に限定されず、例え
ば、不活性媒体を用いる溶液重合法、実質的に不活性媒
体が存在しない塊状重合法、気相重合法等のいずれでも
よく、その重合条件も一般に採用される圧力(1〜10
0kg/cm2 )、温度(−100〜300℃)条件下
で行われ、重合条件を調整することで所望密度を有する
ポリエチレン系樹脂が製造される。
【0014】上記の如くして得られたポリエチレン系樹
脂は、分子量分布が狭く、共重合体の場合にはどの分子
量成分にも共重合体成分が略等しい割合で導入されてお
り、本発明の架橋ポリエチレン系樹脂発泡体は、このよ
うにして得られた密度0.890g/cc以下のポリエ
チレン系樹脂(A)と密度0.890g/ccより大き
いポリエチレン系樹脂(B)とが所定割合で混合された
ポリエチレン系樹脂からなり、柔軟性を有するとともに
機械的強度に優れてなるものである。
【0015】即ち、本発明の架橋ポリエチレン系樹脂発
泡体は、密度が0.890g/cc以下のポリエチレン
系樹脂(A)5〜95重量%と密度が0.890g/c
cより大きいポリエチレン系樹脂(B)95〜5重量%
とからなるポリエチレン系樹脂により構成される。
【0016】上記ポリエチレン系樹脂中、密度が0.8
90g/cc以下のポリエチレン系樹脂(A)の含有量
は、多いと、得られる発泡体の柔軟性が低下し、又、少
ないと、得られる発泡体の抗張力等の機械的強度及び柔
軟性が低下するので、5〜95重量%に限定され、20
〜60重量%が好ましい。
【0017】一方、ポリエチレン系樹脂中、密度が0.
890g/ccより大きいポリエチレン系樹脂(B)の
含有量は、多いと、得られる発泡体の抗張力等の機械的
強度及び柔軟性が低下し、又、少ないと、得られる発泡
体の柔軟性が低下するので、95〜5重量%に限定さ
れ、80〜40重量%が好ましい。
【0018】又、ポリエチレン系樹脂(A)及びポリエ
チレン系樹脂(B)からなるポリエチレン系樹脂の密度
は、特に限定されないが、大きいと、得られる発泡体の
抗張力等の機械的強度が低下し、又、小さいと、得られ
る発泡体の耐熱性が低下するので、0.840〜0.9
50g/ccが好ましく、0.850〜0.920g/
ccが更に好ましい。
【0019】なお、上記ポリエチレン系樹脂には、物性
を損なわない範囲内で、酸化防止剤、難燃剤、顔料等が
添加されてもよい。
【0020】次に、本発明の架橋ポリエチレン系樹脂発
泡体の製造方法を説明する。本発明の架橋ポリエチレン
系樹脂発泡体は、上記の様にして得られたポリエチレン
系樹脂(A)及びポリエチレン系樹脂(B)からなるポ
リエチレン系樹脂を架橋、発泡させて得られる。
【0021】即ち、本発明の架橋ポリエチレン系樹脂発
泡体は、上記ポリエチレン系樹脂(A)及びポリエチレ
ン系樹脂(B)からなるポリエチレン系樹脂、発泡剤及
び過酸化物、架橋助剤又はシラン化合物等からなる発泡
性樹脂組成物を加熱発泡させることにより得られる。
【0022】上記発泡剤としては、熱分解型発泡剤と物
理型発泡剤のいずれも用いることができ、採用する加熱
発泡方法に応じて適宜選択される。上記熱分解型発泡剤
としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ヒドラドジ
カルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム塩、ニトロ
ソグアニジン、p,p, −オキシビスベンゼンスルホニ
ルセミカルバジド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、
N,N, −ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トル
エンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベン
ゼンスルホニルヒドラジド)、アゾビスイソブチロニト
リル等が挙げられる。
【0023】上記物理型発泡剤としては、例えば、メタ
ン、エタン、プロパン、ブタン、イソペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、1,1,2−トリメチルシクロプロパ
ン、メチルシクロプロパン、エチルシクロブタン、シク
ロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン等
の脂肪族炭化水素;トリクロロモノフルオロメタン、ジ
クロロフルオロメタン、モノクロロジフルオロメタン、
1,1,1−トリクロロトリフルオロエタン、1,1,
2−トリクロロトリフルオロエタン、1,2−ジクロロ
テトラフルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオ
ロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン等の
ハロゲン化脂肪族炭化水素;ジメチルエーテル、2−エ
トキシエタノール、アセトン、メチルエチル ケトン、
アセチルアセトン等のエーテル、ケトン類;二酸化炭
素、窒素等の不活性ガス等が挙げられる。
【0024】該発泡剤の添加量は、所望の発泡倍率に応
じて適宜調整されるが、多いと破泡し、又少ないと発泡
しないので、ポリエチレン系樹脂100重量部に対し
て、1〜50重量部が好ましい。
【0025】上記過酸化物としては、従来から発泡性樹
脂組成物の架橋に用いられているものであれば、特に限
定されず、例えば、イソブチルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3、1,3−ビス(t
−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチ
ルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、シクロヘキサ
ンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2
−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル
−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ベルレート、
ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカ
ネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルオ
パーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロ
ピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルカーボ
ネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、ジ−t−ブチルパ
ーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシマレイ
ン酸等が挙げられる。
【0026】上記架橋助剤としては、従来から発泡性樹
脂組成物を架橋するのに用いられるものであれば、特に
限定されず、例えば、ジビニルベンゼン、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、1,9−ノナンジオー
ルジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタ
クリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリ
アリルイソシアヌレート、エチルビニルベンゼン、ネオ
ペンチルグリコールジメタクリレート、1,2,4−ベ
ンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、1,6−ヘ
キサンジオールジメタクリレート等が挙げられる。
【0027】上記シラン化合物としては、従来から発泡
性樹脂組成物を架橋するのに用いられているものであれ
ば、特に限定されず、例えば、テトラメチルシラン、メ
チルトリエチルシラン、ジメチルジエチルシラン等が挙
げられる。
【0028】該過酸化物、架橋助剤及びシラン化合物の
添加量は、特に限定されないが、少ないと、架橋密度が
不足し発泡に必要な伸張粘度が得られず、又多いと、架
橋密度が高くなりすぎて発泡しないことがあるので、ポ
リエチレン系樹脂100重量部に対して、0.1〜10
重量部が好ましい。なお、これら過酸化物、架橋助剤及
びシラン化合物の添加量の目安として、架橋後の発泡性
樹脂組成物のゲル分率が、3〜70重量%となるように
調整するのが好ましく、さらに10〜60重量%となる
ように調整するのが好ましく、特に15〜45重量%と
なるように調整するのが好ましい。
【0029】ここで、ゲル分率とは、発泡性樹脂組成物
をAg秤量し、これを120℃のキシレン中に24時間
浸漬し、残差を200メッシュの金網で濾過し、金網上
の不溶解分を真空乾燥し、その時の重量を測定し(B
g)、下記式により算出されたものである。 ゲル分率(重量%)=100×B/A
【0030】発泡性樹脂組成物を加熱し発泡させる方法
としては、通常の方法が用いられ、発泡性樹脂組成物を
成形しておき、後述の架橋処理を施した後、発泡剤の発
泡温度以上に加熱し、発泡させる所謂、「後発泡方法」
の他、発泡性樹脂組成物を押出機で溶融混練すると共
に、発泡剤の発泡温度以上に加熱し、ポリオレフィン系
樹脂を架橋させ、押し出しと同時に発泡させる、所謂
「押出し発泡方法」等が挙げられる。なお、発泡温度と
は、発泡剤が分解又は気化しガスを発生させる温度をい
う。
【0031】又、後発泡方法において用いられる加熱方
法は、特に限定されず、例えば、熱風ヒーター、塩浴、
メタルバス等発泡剤の発泡温度以上に加熱できるもので
あればよい。
【0032】上記発泡性樹脂組成物は、発泡に適した伸
張粘度を得るために、架橋処理が施されるが、架橋処理
方法としては、汎用の処理方法が用いられ、例えば、電
離性放射線照射、上記過酸化物による化学架橋、シラン
化合物による架橋等による処理方法が挙げられる。
【0033】先ず、電離性放射線照射による架橋処理方
法について説明する。電離性放射線照射方法とは、予め
発泡性樹脂組成物シートを成形しておき、これに電離性
放射線を照射する方法をいい、上記後発泡方法を採用す
る場合に用いられる方法である。
【0034】電離性放射線とは、例えば、電子線、X
線、α線、β線、γ線等が挙げられ、照射量は、少ない
と架橋せず、又多いと架橋がかかりすぎる場合があるの
で、1〜50Mradが好ましい。又、かかる処理方法
を用いる場合は、必要に応じて、上記架橋助剤が添加さ
れてもよい。
【0035】次に、過酸化物による化学架橋処理方法に
ついて説明する。化学架橋処理方法とは、発泡性樹脂組
成物に上記過酸化物を添加しておき、発泡させる前又は
同時に、過酸化物を分解させ、ポリエチレン系樹脂を架
橋させる方法をいい、後発泡又は押出し発泡のいずれの
方法においても用いられる。
【0036】最後に、シラン化合物による架橋処理方法
について説明する。シラン化合物による架橋処理方法と
は、発泡性樹脂組成物に上記シラン化合物を添加してお
き、発泡させる前又は同時に、水処理によりシラン化合
物同士を架橋させ、ポリエチレン系樹脂を架橋させる方
法をいい、後発泡方法を採用する場合に用いられる。
【0037】このようにして得られた架橋ポリエチレン
系樹脂発泡体は、抗張力等の機械的強度に優れていると
ともに、柔軟性に優れているので、粘着テープや医療用
テープ等の基材として好適に用いられる。
【0038】即ち、粘着テープの基材として用いられる
場合には、発泡体の片面又は両面に汎用の粘着剤層が積
層される。又、該粘着テープを加圧接着型粘着テープと
する場合には、粘着剤層上に更に非粘着性マスキング部
材や微粘着性マスキング部材が積層される。
【0039】該マスキング部材の材料としては、特に限
定されず、例えば、天然もしくは合成繊維、合成樹脂、
金属等の任意の材料を用いることができ、その形状も特
に限定されず、網状等所望も形状が用いられる。そし
て、その厚みも、ガーゼにより構成された場合には10
0μm以下、不織布で構成された場合には30μm以下
とされる。又、マスキング部材が積層される粘着剤層上
の面積比率は、大きいと、粘着テープの粘着力が低下
し、又、少ないと、マスキング部材をマスキング効果が
発揮されないので、12〜50%が好ましい。なお、本
発明の架橋ポリエチレン系樹脂発泡体を粘着テープ基材
として用いる場合、発泡体の厚みは、用途によって適宜
調節されるが、0.1〜10mmが好ましい。又、医療
用テープの基材として用いられる場合には、上記粘着層
に消炎鎮痛剤等の薬剤が混合されて構成される。
【0040】
【実施例】
(実施例)ポリエチレン系樹脂(A)として、密度が
0.870g/ccのポリエチレン系樹脂(ダウ・ケミ
カル社製 ENGAGE−EG8200、メルトインデ
ックス5.0g/10分)を、ポリエチレン系樹脂
(B)として、密度が0.910g/ccのポリエチレ
ン系樹脂(ダウ・ケミカル社製 AFFINITY−P
L1845、メルトインデックス3.5g/10分)を
用いた。
【0041】該ポリエチレン系樹脂(A)30重量部、
ポリエチレン系樹脂(B)70重量部及びアゾジカルボ
ンアミド5重量部を押出機に供給し、樹脂温190℃で
溶融混練し、発泡性樹脂組成物をシート状に押出した。
【0042】得られた発泡性樹脂組成物シートに3.0
Mradの電子線を照射し、発泡性樹脂組成物を架橋し
た後、250℃に加熱されたオーブン内を通過させるこ
とで、発泡性樹脂組成物シートを加熱、発泡させ、厚さ
が1ミリの架橋ポリエチレン系樹脂発泡体を得た。
【0043】得られた発泡体の見掛け密度、抗張力、柔
軟性、臭いの有無、耐溶剤性及びゲル分率を下記に示し
た方法で測定し、見掛け密度、抗張力、柔軟性及びゲル
分率についてはその結果を表1に示した。又、発泡体の
臭いについて測定したところ臭いはなかった。耐溶剤性
について測定したところ、発泡体表面になんら変化はな
かった。
【0044】(見掛け密度、抗張力)JIS K676
7に準じて測定した。
【0045】(柔軟性)JIS K6767に準じて得
られたSSカーブから弾性限界までのゆがみ量を算出
し、下記式により柔軟性を得た。 〔柔軟性〕=100×(ゆがみ量/伸長前のチャック間
長さ)
【0046】(耐溶剤性)得られた発泡体を30℃のト
ルエンに24時間浸漬した後の該発泡体表面を黙視観察
した。
【0047】(ゲル分率)発泡体を2g秤量し、これを
120℃のキシレン中に24時間浸漬し、残差を200
メッシュの金網で濾過し、金網上の不溶解分を真空乾燥
し、その時の重量を測定し(Bg)、下記式により算出
した。 ゲル分率(重量%)=100×B/2
【0048】(比較例)エチレン−酢酸ビニル共重合体
(昭和電光社製 ショーレックスEL12−5、密度
0.932g/cc、メルトインデックス2.0g/1
0分、酢酸ビニル含有量15重量%)70重量部、線状
低密度ポリエチレン(東ソ社製 ニポロン−L、F2
0)30重量部及びアゾジカルボンアミド5重量部を押
出機に供給し、樹脂温190℃で溶融混練し、発泡性樹
脂組成物をシート状に押出した。
【0049】得られた発泡性樹脂組成物シートに2.2
Mradの電子線を照射し、発泡性樹脂組成物を架橋し
た後、250℃に加熱されたオーブン内を挿通させるこ
とで、発泡性樹脂組成物シートを加熱、発泡させ、厚さ
が1mmの発泡体を得た。
【0050】得られた発泡体の見掛け密度、抗張力、柔
軟性、臭いの有無、耐溶剤性及びゲル分率を実施例と同
様の方法で測定し、見掛け密度、抗張力、柔軟性及びゲ
ル分率の結果を表1に示した。又、発泡体の臭いについ
て測定したところわずかながら酢酸ビニル臭があった。
耐溶剤性について測定したところ、発泡体表面にアレが
発見された。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明で用いられるポリエチレン系樹脂
(A)及びポリエチレン系樹脂(B)は、エチレンを5
0重量%以上含有する原料モノマーを、四価の遷移金属
を中心金属とするメタロセン化合物からなる重合触媒の
存在下において重合して得られたものであるので、両者
とも分子量分布が狭く、共重合体の場合にあっては、ど
の分子量成分にも共重合体成分が略等しい割合で導入さ
れており、これらから構成される本発明の架橋ポリエチ
レン系樹脂発泡体は、均一な品質を有する。
【0053】しかも、本発明の架橋ポリエチレン系樹脂
発泡体は、ポリエチレン系樹脂(A)及びポリエチレン
系樹脂(B)が所定割合で混合されたポリエチレン系樹
脂からなるので、柔軟性に優れ、粘着テープや医療用テ
ープの基材に用いた場合、被粘着層の表面形状に沿って
円滑に変形し、あらゆる曲面に対応できる。又、抗張力
等の機械的強度にも優れているので、特に医療用テープ
の基材に用いた場合、肘や膝等の関節部分における伸張
にも対応でき、あらゆる部位に対応した医療用テープを
提供することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度が0.890g/cc以下のポリエ
    チレン系樹脂(A)5〜95重量%及び密度が0.89
    0g/ccより大きいポリエチレン系樹脂(B)95〜
    5重量%からなる架橋ポリエチレン系樹脂発泡体におい
    て、該ポリエチレン系樹脂(A)及びポリエチレン系樹
    脂(B)は共に、エチレンを50重量%以上含有する原
    料モノマーを、四価の遷移金属を中心金属とするメタロ
    セン化合物からなる重合触媒の存在下において重合して
    得られたものであることを特徴とする架橋ポリエチレン
    系樹脂発泡体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014028925A (ja) * 2012-07-03 2014-02-13 Sekisui Chem Co Ltd 架橋ポリオレフィン樹脂発泡シート

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