JPH10139542A - サーミスタ用組成物 - Google Patents

サーミスタ用組成物

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JPH10139542A
JPH10139542A JP8296064A JP29606496A JPH10139542A JP H10139542 A JPH10139542 A JP H10139542A JP 8296064 A JP8296064 A JP 8296064A JP 29606496 A JP29606496 A JP 29606496A JP H10139542 A JPH10139542 A JP H10139542A
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mol
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thermistor
oxide
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寛和 小林
Keiichi Kato
恵一 加藤
Kazuyuki Saito
和志 斎藤
Goro Takeuchi
吾郎 武内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温の抵抗変化率が小さく、しかも低温側(2
5〜−40℃)でのB定数の温度特定を任意に変化でき
るサーミスタ用組成物を提供すること。 【解決手段】金属元素だけの比率が、マンガン10〜7
0モル%、コバルト20〜90モル%、銅0.01〜4
0モル%でその合計が100モル%からなる酸化物に、
2酸化鉄に換算して0.01〜50重量%及び酸化ジル
コニウムに換算して0.01〜10重量%添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はサーミスタ用組成物
に係り、特に高温使用下での抵抗変化率が小さいのみな
らず、低温側(25/−40)でのB定数を広範囲に調
整できるサーミスタ用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、酸化マンガンを主成分とする酸化
物半導体から成るサーミスタ用組成物として、マンガ
ン、コバルト、銅を含有するものが知られている。とこ
ろがマンガン−コバルト−銅の3種の金属元素の酸化物
から成るサーミスタ用組成物においては、銅の混合比が
多い組成物は高温使用下における抵抗変化率が大きいと
いう問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この高温使用下におけ
る抵抗化率を小さくするために、添加物としてFe−C
rを添加すること(特開平3−271153号公報)、
Zrを単独で添加すること(特開平3−271154号
公報)、Ni−Crを添加すること(特開平6−231
905号公報)がこれらの各公報に記載されている。
【0004】しかし、これらのものは、高温使用下にお
ける抵抗変化率はたしかに小さくできるものの、0〜−
40℃の低温側におけるB定数値を広範囲に調整するこ
とができなかった。
【0005】従って本発明の目的は、Mn−Co−Cu
系のサーミスタ組成物において、高温使用下での抵抗変
化率が小さく、更に0〜−40℃の低温側におけるB定
数値を広範囲に調整でき、種々の要求に、低コストで対
応できるサーミスタ用組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載した本発明では、金属元素だけの比
率が、マンガン10〜70モル%、コバルト20〜90
モル%、銅0.01〜40モル%でその合計が100モ
ル%からなる酸化物に、添加物として鉄及びジルコニウ
ムを、2酸化鉄に換算して0.01〜50重量%及び酸
化ジルコニウムに換算して0.01〜10重量%添加し
たサーミスタ組成物を提供する。
【0007】また請求項2に記載した本発明では、金属
元素だけの比率が、マンガン10〜70モル%、コバル
ト20〜90モル%、銅0.01〜40モル%でその合
計が100モル%からなる酸化物に、添加物としてクロ
ム及びジルコニウムを、酸化クロムに換算して0.01
〜10.0重量%及び酸化ジルコニウムに換算して0.
01〜10.0重量%添加したサーミスタ組成物を提供
する。
【0008】これらのサーミスタ組成物により高温使用
下での抵抗変化率が小さく、25/−40の低温側にお
けるB定数の値を広範囲に調整できるサーミスタ用組成
物を提供することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
(実施例1)本発明の実施例1を説明する。
【0010】出発材料として市販の四三酸化マンガン、
酸化コバルト、酸化銅、酸化鉄及び酸化ジルコニウム
を、焼結後の組成が表1の試料番号1〜21に示す組成
比になるように秤量配合し、ボールミルで16時間湿式
混合する。
【0011】その後、脱水乾燥し、乳鉢、乳棒を用いて
粉体にする。次にアルミナこう鉢にこの粉体を入れ、8
00〜1200℃で2時間仮焼成する。この仮焼成体を
ボールミルにより微粉砕したのち脱水乾燥し、バインダ
ーとしてポリビニールアルコール(PVA)を加え、乳
鉢、乳棒で顆粒に造粒したのち、直径16mm、厚さ
2.5mmの円板状に加圧成形する。
【0012】次に大気中で600℃で2時間加熱し、バ
インダーを除脱したのちに、大気中で900〜1300
℃で2時間本焼成して試料を得る。得られた試料の両面
に銀ペーストをスクリーン印刷し、800℃で焼き付け
を行い電極を形成する。
【0013】完成した各試料を直流4端子法を用いて、
25℃の抵抗値(R25)、−40℃の抵抗値(R−4
0)及び85℃の抵抗値(R85)を測定し、(1)式
を用いてB定数(B25/−40)を算出し、(2)式
を用いてB定数(B25/85)を算出した。
【0014】更に各試料を、125℃で1000時間の
高温保管後に25℃の室温に戻したときの抵抗値を測定
し、125℃で高温保管する前に25℃の室温で測定し
た抵抗値と比較して抵抗変化率(δR25)を算出し、
表1の試料番号1〜21に示す如き結果を得た。
【0015】
【数1】
【0016】
【数2】
【0017】
【表1】
【0018】表1において、試料番号1〜21は実施例
1の場合を示し、そのうち試料番号1、2、3、5、
7、8、10、11、13、15、16、18、20、
21は本発明の範囲外のものであり、×印でこれを表し
ている。
【0019】この表1から明らかな如く、マンガン10
〜70モル%、コバルト20〜90モル%、銅0.01
〜40モル%でその合計が100モル%からなる酸化物
に、添加物として鉄及びジルコニウムを2酸化鉄に換算
して0.01〜50重量%及び酸化ジルコニウムに換算
して0.01〜10重量%添加することにより125℃
において1000時間保持後の抵抗変化率が5%以下と
小さい非常に安定したサーミスタ用組成物が得られるの
みならず、低温側(25/−40)でのB定数の温度特
性を任意に変化することができる組成物を提供すること
ができ、回路設計の容易性及び低コスト化等の種々の要
求に対応することができる。
【0020】次に本発明の請求項1における組成の数値
限定理由を説明する。マンガンの比率が10モル%未満
のものは高温保持後の抵抗変化率が大きく、実用性に乏
しい(例えば表1の試料番号2参照)。またマンガンの
比率が70モル%を越えるものはこれまた高温保持後の
抵抗変化率が大きく実用的でない(例えば表1の試料番
号21参照)。
【0021】コバルトの比率が20モル%未満のものは
高温保持後の抵抗変化率が大きく実用性に乏しい(例え
ば表1の試料番号11参照)。コバルトの比率が90モ
ル%を越えるものは高温保持後の抵抗変化率が大きく実
施的でない(例えば表1の試料番号2参照)。
【0022】銅の比率が0.01モル%未満のものは高
温保持後の抵抗変化率が大きく実用性に乏しい(例えば
表1の試料番号7参照)。銅の比率が40モル%を越え
るものは高温保持後の抵抗変化率が大きく実用的でない
(例えば表1の試料番号3、8参照)。
【0023】また2酸化鉄の添加量が0.01wt%未
満のもの、及び酸化ジルコニウムの添加量が0.01w
t%未満のものは、高温保持試験後の抵抗変化率が大き
く実用性に乏しい(例えば表1の試料番号1参照)。
【0024】そして2酸化鉄の添加量が50.0wt%
を越えるもの、及び酸化ジルコニウムの添加量が10.
0wt%を越えるものは、これまた高温保持後の抵抗変
化率が大きく実用的ではない(例えば表1の試料番号1
5参照)。
【0025】表1より明らかな如く、前記の如く、添加
物の含有されないものはB定数(25/85)とB定数
(25/−40)の差が70と小さいが(表1の試料番
号1参照)、前記の割合の添加物の含有されたものはそ
の差が150以上あり(表1の試料番号12等参照)、
低温側(25〜−40℃)でのB定数の温度特性を適宜
に変化選択できることになり、幅広い要求の回路設計に
対応可能となる。
【0026】(実施例2)本発明の実施例2を説明す
る。出発材料として市販の四三酸化マンガン、酸化コバ
ルト、酸化銅、酸化クロム及び酸化ジルコニウムを、焼
結後の組成が表1の試料番号22〜41に示す組成比に
なるように秤量配合し、ボールミルで16時間湿式混合
する。
【0027】その後、脱水乾燥し、乳鉢、乳棒を用いて
粉体にする。次にアルミナこう鉢にこの粉体を入れ、8
00〜1200℃で2時間仮焼成する。この仮焼成体を
ボールミルにより微粉砕したのち脱水乾燥し、バインダ
ーとしてポリビニールアルコール(PVA)を加え、乳
鉢、乳棒で顆粒に造粒したのち、直径16mm、厚さ
2.5mmの円板状に加圧成形する。
【0028】次に大気中で600℃で2時間加熱し、バ
インダーを除脱したのちに、大気中で900〜1300
℃で2時間本焼成して試料を得る。得られた試料の両側
に銀ペーストをスクリーン印刷し、800℃で焼き付け
を行い電極を形成する。
【0029】完成した各試料を直流4端子法を用いて2
5℃の抵抗値(R25)、−40℃の抵抗値(R−4
0)及び85℃の抵抗値(R85)を測定し、前記
(1)式を用いてB定数(B25/−40)を算出し、
(2)式を用いてB定数(B25/85)を算出した。
【0030】更に各試料を、125℃で1000時間の
高温保管後に25℃の室温に戻したときの抵抗値を測定
し、125℃で高温保管する前に、25℃の室温で測定
した抵抗値と比較して抵抗変化率(δR25)を算出
し、表1の試料番号22〜41に示す如き結果を得た。
【0031】表1において試料番号22〜41は実施例
2の場合を示し、そのうち試料番号22、23、25、
27、28、30、31、33、35、36、38、4
0、41は本発明の範囲外のものであり、×印で区別し
ている。
【0032】この表1から明らかな如く、マンガン10
〜70モル%、コバルト20〜90モル%、銅0.01
〜40モル%でその合計が100モル%からなる酸化物
に、添加物としてクロム及びジルコニウムを酸化クロム
に換算して0.01〜10.0重量%及び酸化ジルコニ
ウムに換算して0.01〜10.0重量%添加すること
により125℃において1000時間保持後の抵抗変化
率が5%以下と小さい非常に安定したサーミスタ用組成
物が得られるのみならず、低温側(25/−40)での
B定数の温度特性を任意に変化することができる組成物
を得ることができ、これまた回路設計の容易性及び低コ
スト化等の種々の要求に対応することができる。
【0033】次に本発明の請求項2における組成の数値
限定理由を説明する。マンガンの比率が10モル%未満
のものは高温保持後の抵抗変化率が大きく実用性に乏し
い(例えば表1の試料番号22参照)。マンガンの比率
が70モル%を越えるものはこれまた高温保持後の抵抗
変化率が大きく実用的ではない(例えば表1の試料番号
41参照)。
【0034】コバルトの比率が20モル%未満のものは
高温保持後の抵抗変化率が大きく実用性に乏しい(例え
ば表1の試料番号31参照)。コバルトの比率が90モ
ル%を越えるものは高温保持後の抵抗変化率が大きく実
用的ではない(例えば表1の試料番号22参照)。
【0035】銅の比率が0.01モル%未満のものは高
温保持後の抵抗変化率が大きく実用性に乏しい(例えば
表1の試料番号27参照)。銅の比率が40モル%を越
えるものは高温保持後の抵抗変化率が大きく実用的では
ない(例えば表1の試料番号23、28参照)。
【0036】また酸化クロムの添加量が0.01wt%
未満のもの、及び酸化ジルコニウムの添加量が0.01
wt%未満のものは高温保持後の抵抗変化率が大きく実
用性に乏しい(例えば表1の試料番号1参照)。
【0037】そして酸化クロムの添加量が10.0wt
%を越えるもの、及び酸化ジルコニウムの添加量が1
0.0wt%を越えるものは高温保持後の抵抗変化率が
大きくこれまた実用的ではない(例えば表1の試料番号
25、27、30、35、36、38、40参照)。
【0038】表1より明らかな如く、添加物の含有され
ないものはB定数(25/85)とB定数(25/−4
0)の差が70と小さいが(表1の試料番号1参照)、
前記の割合の添加物の含有されたものはその差が150
以上あり(表1の試料番号32等参照)、低温側(25
〜−40℃)でのB定数の温度特性を適宜に変化選択で
きることになり、幅広い要求の回路設計に対応可能とな
る。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、125℃の高温下で長
時間使用しても、その抵抗変化率が非常に小さい安定し
た特性を有するのみならず、低温側(25〜−40℃)
でのB定数の温度特性を任意に変化することのできるサ
ーミスタ用組成物を得ることができる。
【0040】従って幅広い要求の回路設計に対応可能と
なる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武内 吾郎 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ −ディ−ケイ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属元素だけの比率が、マンガン10〜7
    0モル%、コバルト20〜90モル%、銅0.01〜4
    0モル%でその合計が100モル%からなる酸化物に、 2酸化鉄に換算して0.01〜50重量%及び酸化ジル
    コニウムに換算して0.01〜10重量%添加したこと
    を特徴とするサーミスタ用組成物。
  2. 【請求項2】金属元素だけの比率が、マンガン10〜7
    0モル%、コバルト20〜90モル%、銅0.01〜4
    0モル%でその合計が100モル%からなる酸化物に、 酸化クロムに換算して0.01〜10.0重量%及び酸
    化ジルコニウムに換算して0.01〜10.0重量%添
    加したことを特徴とするサーミスタ用組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009125871A1 (ja) * 2008-04-10 2009-10-15 住友化学株式会社 焼結体および熱電変換材料

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009125871A1 (ja) * 2008-04-10 2009-10-15 住友化学株式会社 焼結体および熱電変換材料
JP2009249264A (ja) * 2008-04-10 2009-10-29 Sumitomo Chemical Co Ltd 焼結体および熱電変換材料

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