JP3642184B2 - サーミスタ用組成物 - Google Patents
サーミスタ用組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3642184B2 JP3642184B2 JP14388398A JP14388398A JP3642184B2 JP 3642184 B2 JP3642184 B2 JP 3642184B2 JP 14388398 A JP14388398 A JP 14388398A JP 14388398 A JP14388398 A JP 14388398A JP 3642184 B2 JP3642184 B2 JP 3642184B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- atomic
- temperature
- thermistor
- copper
- composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Thermistors And Varistors (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーミスタ用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、マンガンを主成分とし、副成分としてニッケル、銅を添加したサーミスタ組成において、副成分に銅を添加することによって10〜1000Ω・cmの低比抵抗素子が得られることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来組成のマンガン、ニッケル、銅の金属酸化物組成で作製したサーミスタ素子は、高温、高湿条件下の長期間の使用において、サーミスタ素子の抵抗値が大きく変化するという問題点があった。
【0004】
本発明は、高温高湿条件下での長期間の使用においても抵抗値の変化が小さい、低比抵抗のマンガン、ニッケル、銅系サーミスタ素子を形成するためのサーミスタ用組成物を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明のサーミスタ組成は、マンガン40〜80原子%、ニッケル15〜50原子%、銅1〜20原子%の範囲からなる酸化物組成100wt%に対し、更に酸化テルルを0.01〜10wt%を追加して添加することにより、所期の目的が達成されることを見い出した。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、マンガン40〜80原子%、ニッケル15〜50原子%、銅1〜20原子%の範囲からなる酸化物組成100wt%に対し、更に酸化テルルを0.01〜10wt%を追加して添加することを特徴とするサーミスタ用組成物であって、前記、マンガン、ニッケル、銅の三成分系酸化物組成に、酸化テルルを添加することによって、低比抵抗で、かつ高温高湿条件下での長期間の使用においても抵抗値変化の少ない優れたサーミスタ素子を、比較的低い焼成温度で得ることができるという作用を有するものである。
【0007】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
(実施の形態1)
四三酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化銅、及び酸化テルルを(表1)に示す組成になるように秤量し、ボールミルで16時間湿式混合を行った後、脱水乾燥し、800℃の温度で2時間仮焼を行った。
【0008】
次に、仮焼粉末をボールミルで16時間湿式粉砕後、乾燥を行いサーミスタ原料粉末を得た。
【0009】
次いで、得られたサーミスタ原料粉末に、バインダーとしてポリビニルアルコール5%水溶液を10wt%添加し、混練、造粒を行った後、直径10mm、厚さ1.5mmの形状に、1ton/cm3の圧力を加え加圧成形を行った。
【0010】
その後、大気中1100℃の温度で2時間焼成を行い焼結体を作製した。
続いて、得られた焼結体の両面に銀を主成分とする電極ペーストを塗布、焼付けを行いサーミスタ素子を作製した。
【0011】
得られたサーミスタ素子を直流4端子法を用い、25℃の抵抗値(R25)と、50℃の抵抗値(R50)を測定した後、(数1)を用いて25℃での比抵抗(ρ25)と、(数2)を用いて25℃と50℃間のB定数(B25/50)を算出した。更に、サーミスタ素子を150℃の恒温槽と、40℃、90%RHの恒温恒湿槽中にそれぞれ1000時間保持した後、25℃の抵抗値を測定し、(数3)を用い25℃の抵抗変化率(ΔR25)を算出した。その結果も併せて(表1)に示した。
【0012】
【表1】
【0013】
【数1】
【0014】
【数2】
【0015】
【数3】
【0016】
(表1)に示すように、本発明の組成物は比抵抗ρ25が15〜1000Ω、B定数2700〜3900Kとなり、何れも十分実用範囲内にあり、しかも150℃の高温槽、または40℃、95%RHの恒温恒湿槽中に長時間保持においても、25℃の抵抗変化率ΔR25が、2.0〜4.6%と小さく安定していることが分かる。これに対し、マンガンの比率が40原子%未満であると高温槽保持後のΔR25が6.5%以上となり、80原子%を超えると焼結が困難となると共に、高温槽保持後、または恒温恒湿槽保持後のΔR25が20%以上と極めて大きくなる。又、ニッケルの比率が15原子%未満であると高温槽または恒温恒湿槽保持後のΔR25が20以上と極めて大きくなり、50原子%を超えると高温槽保持後、または恒温恒湿槽保持後のΔR25が6.5%以上となる。又更に、銅の比率が1原子%未満であると比抵抗値1900K以上と高く、20原子%を超えると高温槽保持後のΔR25が7%以上となる。一方、酸化テルルの比率が0.01wt%未満であると1000℃の温度で焼結が不十分であると共に、高温槽保持後のΔR25が7%以上となり、10wt%を超えると同様にΔR25が6%を超えてしまうため好ましくない。尚、本発明のマンガン40〜80原子%、ニッケル15〜50原子%、銅1〜20原子%範囲の三成分系酸化物においても酸化テルルを添加しない場合は、1100℃以上の温度で焼成しないと十分なサーミスタ焼結体を得ることができないことが確認されており、酸化テルルを加えることにより焼成温度を1000℃まで低下することが可能となる。
【0017】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、マンガン40〜80原子%、ニッケル15〜50原子%、銅1〜20原子%からなる金属酸化物組成に対し、更に酸化テルルを0.01〜10wt%添加することにより高温、高湿条件下で長期間使用しても抵抗値の変化率が小さい、信頼性の高いサーミスタ素子を比較的低い温度で焼成しても得ることが可能となる。
Claims (1)
- マンガン40〜80原子%、ニッケル15〜50原子%、銅1〜20原子%の範囲からなる酸化物組成100wt%に対し、更に酸化テルルを0.01〜10wt%を追加して添加したことを特徴とするサーミスタ用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14388398A JP3642184B2 (ja) | 1998-05-26 | 1998-05-26 | サーミスタ用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14388398A JP3642184B2 (ja) | 1998-05-26 | 1998-05-26 | サーミスタ用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11335163A JPH11335163A (ja) | 1999-12-07 |
JP3642184B2 true JP3642184B2 (ja) | 2005-04-27 |
Family
ID=15349249
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14388398A Expired - Fee Related JP3642184B2 (ja) | 1998-05-26 | 1998-05-26 | サーミスタ用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3642184B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009249264A (ja) * | 2008-04-10 | 2009-10-29 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 焼結体および熱電変換材料 |
DE102010024863B4 (de) | 2010-06-24 | 2012-03-08 | Epcos Ag | Kobaltfreie NTC-Keramik, Verfahren zur Herstellung einer kobaltfreien NTC-Keramik und ihre Verwendung |
-
1998
- 1998-05-26 JP JP14388398A patent/JP3642184B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11335163A (ja) | 1999-12-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3430023B2 (ja) | サーミスタ用組成物 | |
US3950273A (en) | Medium temperature thermistor | |
CN107226681B (zh) | 一种低电阻率抗老化ntc热敏陶瓷材料及其制备方法 | |
JP3642184B2 (ja) | サーミスタ用組成物 | |
JP2841395B2 (ja) | Ntcサーミスタの製造方法 | |
WO1980000114A1 (en) | Voltage non-linear resistive ceramics | |
US4647895A (en) | Ceramic temperature sensor | |
JP3202273B2 (ja) | サーミスタ用組成物 | |
JP4292057B2 (ja) | サーミスタ用組成物及びサーミスタ素子 | |
JP3559405B2 (ja) | サーミスタ用組成物 | |
JP2572310B2 (ja) | サーミスタ用組成物 | |
JP3202278B2 (ja) | サーミスタ用組成物 | |
JP3202275B2 (ja) | サーミスタ用組成物 | |
JP2581754B2 (ja) | サーミスタ用酸化物半導体組成物 | |
JP3650560B2 (ja) | チップサーミスタ用組成物 | |
JP4850330B2 (ja) | サーミスタ組成物およびその製造方法、サーミスタ素子 | |
JPS63315560A (ja) | サーミスタ磁器組成物 | |
JP3202276B2 (ja) | サーミスタ用組成物 | |
JP3202277B2 (ja) | サーミスタ用組成物 | |
JP2572312B2 (ja) | サーミスタ用組成物 | |
JPH0664931B2 (ja) | 誘電体磁器組成物 | |
JP3202274B2 (ja) | サーミスタ用組成物 | |
JP2948933B2 (ja) | サーミスタ用組成物 | |
JPS6236602B2 (ja) | ||
JP2572313B2 (ja) | サーミスタ用組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040816 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050105 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050118 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080204 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090204 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100204 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |