JPH10139270A - 剥離装置 - Google Patents

剥離装置

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JPH10139270A
JPH10139270A JP31148896A JP31148896A JPH10139270A JP H10139270 A JPH10139270 A JP H10139270A JP 31148896 A JP31148896 A JP 31148896A JP 31148896 A JP31148896 A JP 31148896A JP H10139270 A JPH10139270 A JP H10139270A
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peeling
tape
adhesive tape
projection
release paper
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紀幸 上條
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健二 渡邊
Takanobu Kameda
登信 亀田
Tomoyuki Niimura
朋之 新村
Tomohiro Moriya
智宏 守屋
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  • Folding Of Thin Sheet-Like Materials, Special Discharging Devices, And Others (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘着テープからその剥離紙を剥離する作業を
高信頼度で且つ能率的に実施できる剥離装置を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 一方の面に粘着剤bを塗布した基材テー
プaと粘着剤bを介して基材テープaに貼着した剥離紙
cとを積層して成る粘着テープTから、剥離紙cを部分
的に剥離する剥離装置23において、駆動源21により
回転する回転体73と、回転体73の端面に設けられ、
粘着テープTの端部の基材テープa側に回転接触してこ
れに撓みおよび撓み解除動作させる剥離突起74と、剥
離突起74に向かって粘着テープTの挿入を案内すると
共に剥離突起74に臨む自由端Taを残して粘着テープ
Tの端部を保持する保持手段15とを備えたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、剥離紙付
きテープからその剥離紙を剥離する剥離装置(以下「ピ
ール装置」という)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のピール装置として、特開平5−1
69749号公報に記載されたものが知られている。こ
のピール装置はテープ印刷装置の付属品として用意され
ているものであり、剥離紙付きテープのコーナー部分を
ポンチとダイとの間に挟み込んで剥離紙付きテープを部
分的に永久変形させるようになっている。この場合、剥
離紙付きテープの剥離紙と基材テープとでは、材質の相
違から永久変形における復元形状が異なるため、ポンチ
の打ち込みにより、基材テープから剥離紙がわずかに剥
離した状態となる。そこで、この部分を手がかりとし
て、テープから剥離紙を引き剥し得るようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のピー
ル装置では、基材テープと剥離紙との剛性およびその差
や粘着剤の剥離紙に対する粘着力を考慮して、ポンチお
よびダイの突当て面積や突当て深さを決定する必要があ
り、剥離の信頼性に乏しく、満足できるものではなかっ
た。また、剥離紙と共に基材テープも永久変形してしま
うため、基材テープにいわゆる曲げ癖が生じ、貼着対象
物に貼着した基材テープに凹凸が生じたり、貼着対象物
から基材テープが剥がれ易くなる問題があった。
【0004】本発明は、粘着テープからその剥離紙を剥
離する作業を高信頼度で且つ能率的に実施できる剥離装
置を提供することをその目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の剥離装置は、一
方の面に粘着剤を塗布した基材テープと粘着剤を介して
基材テープに貼着した剥離紙とを積層して成る粘着テー
プから、剥離紙を部分的に剥離する剥離装置において、
駆動源により回転する回転体と、回転体の端面に設けら
れ、粘着テープの端部の基材テープ側に回転接触してこ
れに撓みおよび撓み解除動作させる剥離突起と、剥離突
起に向かって粘着テープの挿入を案内すると共に剥離突
起に臨む自由端を残して粘着テープの端部を保持する保
持手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】この構成によれば、回転体を介して回転す
る剥離突起に対し、保持手段を介して粘着テープの端部
を臨ませると、粘着テープの自由端が剥離突起により撓
みおよび撓み解除動作を繰り返す。その際、剥離突起は
粘着テープの基材テープ側に回転接触するため、粘着テ
ープの自由端は基材テープ側を外側とし、剥離紙側を内
側として撓む。この撓みによる曲率半径(R)は、剥離
紙側で小さく基材テープ側で大きくなるため、基材テー
プと剥離紙との間に粘着剤に抗して層間滑りが生ずる。
また、この層間滑りにより、剥離紙の先端は基材テープ
の先端よりわずかに突出する。このため、剥離突起が粘
着テープを最大限に撓ませた後、粘着テープから離れる
際に、剥離突起の先端はわずかな時間差を持って先ず基
材テープから離れ、次に剥離紙から離れる。剥離突起の
先端が基材テープから離れた状態では、剥離突起の先端
は剥離紙を押さえており、基材テープ(の自由端)は自
由状態となって粘着剤と共に撓んだ状態から元の直線状
態に復元しようとする。その際、基材テープの復元のた
めのばね力が、粘着剤の剥離紙に対する粘着力に勝つと
基材テープから剥離紙が剥離する。剥離しない場合で
も、粘着剤の剥離紙に対する粘着力は小さくなるため、
この動作を繰り返すことにより基材テープから剥離紙が
剥離する。また、この撓みが、基材テープ(の自由端)
にとって弾性変形の領域内であり、剥離紙(の自由端)
にとって永久変形の領域内であれば、撓み解除後、基材
テープは元の形状に復元するが、剥離紙は折れ曲がった
ままとなり、剥離後の剥離紙が基材テープに再貼着する
ことがない。一方、剥離突起が回転体の端面に設けられ
ているため、基材テープの端部を回転体の中心に向かっ
て十分に深く臨ませることができ、剥離突起を回転体の
周面に設ける場合に比して、全体をコンパクトに構成す
ることができる。
【0007】この場合、剥離突起の粘着テープの端部へ
の回転接触が、粘着テープの自由端に対しその先端から
基端に向かって連続的に行われることが、好ましい。
【0008】この構成によれば、粘着テープの自由端に
おいて、貼着面積の小さい部分から大きい部分に向かっ
て徐々に撓ませてゆくことができる。すなわち、剥がれ
易い部分から剥がれ難い部分に向かって剥離動作が為さ
れる。剥離紙に対する粘着剤の貼着力は比較的小さいも
のであり、貼着力だけを考えると剥離し易い状態にある
が、剥離のきっかけを作ることが難しい。したがって、
剥離し易い部分から剥離し難い部分に向かって剥離動作
を為すことにより、剥離のきっかけを容易に作ることが
でき、粘着テープの自由端における剥離紙の剥離を促進
することができる。なお、この回転接触の形態は、粘着
テープの先端を回転体の中心に向かって臨ませる場合に
おいて、剥離突起(の接触面)を回転体の径方向に対し
て傾け或いは湾曲させること、また剥離突起(の接触
面)が回転体の径方向に延設されている場合において、
粘着テープの先端を回転体の中心から偏心させた位置に
向かって臨ませることなどで達成される。一方、粘着テ
ープの先端を回転体の軸方向に向かって臨ませる場合に
おいては、剥離突起(の接触面)を傾け或いは湾曲させ
た突出形態とする。
【0009】これらの場合、保持手段は、粘着テープの
端部の側辺が回転体の端面に沿って挿入されるように案
内する側辺ガイド壁を有することが、好ましい。
【0010】粘着テープの端部は、その隅部が剥離紙を
最も剥離させ易い部位となるため、隅部を剥離突起に回
転接触させる場合には、通常、粘着テープを剥離突起に
斜めに臨ませる必要がある。しかしこの構成によれば、
回転体の中心に向かって挿入した粘着テープの端部に対
し、剥離突起をその一方の隅部に回転接触させることが
できる。すなわち、剥離突起に粘着テープの端部を平行
に臨ませても、隅部を剥離突起に回転接触させることが
できる。このため、装置構成を単純化することができる
と共に、粘着テープを斜めに挿入する煩わしさを解消す
ることができる。
【0011】これらの場合、保持手段は、粘着テープの
端部が表裏方向において挿入方向に対し湾曲して挿入さ
れるように案内する一対の面ガイド壁を有することが、
好ましい。
【0012】この構成によれば、粘着テープの端部は湾
曲することで、自身に剛性により保持手段に保持され
る。すなわち、粘着テープは保持手段に挿入するだけ
で、粘着テープを押さえるような特別に部品を必要とす
ることなく保持される。これにより、保持手段に対する
粘着テープの挿入および引抜きも円滑に行うことができ
る。
【0013】これらの場合、保持手段は、側辺ガイド壁
に対向する部位が外部に開放されていることが、好まし
い。
【0014】この構成によれば、剥離後の粘着テープ
を、側辺ガイド壁の方向と逆方向に保持手段から簡単に
引き抜くことができる。また、湾曲した保持手段から粘
着テープを挿入と逆方向に引き抜く場合と異なり、剥離
した剥離紙が再貼着してしまうのを防止することができ
る。しかも、テープ幅に関係なく、各種の粘着テープを
挿入、すなわち剥離することができる。
【0015】これらの場合、すくなくとも一対の面ガイ
ド壁うち、粘着テープの剥離紙側に位置する面ガイド壁
の剥離突起側の先端に、粘着テープの端部の隅部が自由
端となるようにこれを受ける斜辺部が設けられているこ
とが、好ましい。
【0016】この構成によれば、粘着テープを単純に保
持手段に挿入するだけで、最も剥離し易い粘着テープの
端部の隅部をその自由端として、剥離突起に臨ませるこ
とができる。
【0017】この場合、剥離突起の先端は、対峙した斜
辺部に対し平行に形成されていることが、好ましい。
【0018】この構成によれば、粘着テープの端部の隅
部(自由端)を、一様にかつ十分に撓ませることがで
き、剥離機能を安定化させることができる。
【0019】なお、基材テープの材質にもよるが、具体
的には、平行に対峙した剥離突起の先端と斜辺部との間
隙が、粘着テープの厚みをtとしたときに、t≦間隙≦
10tであることが、好ましい。
【0020】これらの場合、剥離突起は、回転体の端面
において回転方向に略放射状に配設した複数個の剥離突
起片で構成されており、複数個の剥離突起片には、長い
剥離突起片と短い剥離突起片とが混在することが、好ま
しい。
【0021】この構成によれば、長い剥離突起片は、粘
着テープの端部の自由端の全体を撓ませ、短い剥離突起
片は、粘着テープの端部の自由端の先端部を撓ませるこ
とになる。このため、剥離し難い粘着テープでは、長い
剥離突起片が自由端の全体の剥離紙に対する粘着剤の粘
着力を弱め、短い剥離突起片が、より剥離し易い自由端
の先端部を集中的に剥離させようとする。したがって、
剥離のきっかけができ易く、粘着テープ(の剥離紙)の
剥離をより一層、促進することができる。
【0022】これらの場合、粘着テープの先端が剥離突
起の回転軌跡内に挿入される前に、駆動源を駆動させる
駆動制御手段を、更に備えていることが好ましい。そし
て、さらに好ましくは、駆動制御手段は、保持手段に臨
み挿入する粘着テープの先端を検出して駆動源を駆動さ
せるようにする。
【0023】この構成によれば、保持手段への粘着テー
プの挿入途中で、駆動源を介して回転体が回転を開始す
るため、粘着テープの端部が剥離突起に臨んだ状態で
は、既に剥離突起が回転している状態となる。すなわ
ち、粘着テープの端部は、回転する剥離突起の回転軌跡
内に徐々に挿入されてゆくことになり、最終的に自由端
となる部分の先端部から、撓みを受け始めることにな
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本
発明の一実施形態に係る剥離装置(ピール機構)をテー
プ印刷装置に適用した場合について説明する。このテー
プ印刷装置は、剥離紙付きの印刷用テープ(粘着テー
プ)に所望の文字や図形などを印刷(印字)すると共
に、印刷した印刷用テープを所定の長さに切断してラベ
ル状の印刷用テープを構成するものである。また、この
テープ印刷装置は、ラベル状の印刷用テープの隅部をア
ール形状に整形切断する機能、およびラベル状の印刷用
テープの隅部において剥離紙を部分的に剥離する機能を
備えている。
【0025】図1はテープ印刷装置の斜視図であり、図
2はその平面図である。両図に示すように、テープ印刷
装置1は、構成部品を収納する装置ケース2と、装置ケ
ース2の前半部に配設された複数の入力キー3aを有す
る入力部3と、装置ケース2の後半部に配設された表示
部4および開閉蓋5とを備えている。開閉蓋5の内部に
は、印刷用テープTを収容したテープカートリッジ6が
装着されており、テープカートリッジ6は開閉蓋5に形
成した透視窓7を介して外部からその装着が確認できる
ようになっている。
【0026】また、開閉蓋5の内部には、テープカート
リッジ6の近傍に位置して、印刷手段を構成する印刷ヘ
ッド8が、またこの印刷ヘッド8に対向してテープカー
トリッジ6には、テープ送り手段を構成するプラテンロ
ーラ9が、それぞれ配設されれている。印刷用テープT
は、プラテンローラ9によりテープカートリッジ6から
繰り出され、印刷ヘッド8により印刷されながら更に装
置外部に送り出されてゆく。さらに、テープカートリッ
ジ6の左側近傍に位置して装置ケース2内にはカッター
機構10が内蔵され、またカッター機構10に隣接し
て、装置ケース2の左側部には印刷用テープTを装置外
部に送り出すためのテープ排出口11が形成されてい
る。印刷用テープTは、印刷されながらテープ排出口1
1から送り出されてゆくが、印刷が完了すると印刷用テ
ープTの送出し動作が停止し、同時にカッター機構10
が作動して、印刷用テープTを所定の長さ(印刷部分+
余白)に切断する。
【0027】一方、表示部4の後方の装置ケース2の内
部には、印刷用テープTの端部をアール状に整形切断す
ると共に、印刷用テープTから剥離紙cを剥離するテー
プ処理装置12が内蔵されている。また、テープ処理装
置12に対応して装置ケース2の上面には、テープ処理
装置12に印刷用テープTの端部を送り込むためのテー
プ導入口13が形成されている。テープ導入口13は、
装置ケース2の内部に向かって傾斜する整形切断用導入
口14と、整形切断用導入口14を横断するように設け
た剥離用導入口15とで、一体に形成されている。印刷
用テープTを整形切断用導入口14に挿入すると、テー
プ処理装置12が駆動して、印刷用テープTの端部の隅
部をアール形状に整形切断する。同様に、印刷用テープ
Tを剥離用導入口15に挿入すると、テープ処理装置1
2が駆動して、印刷用テープTの端部においてその隅部
の剥離紙cを剥離する。
【0028】このテープ印刷装置1では、先ず、開閉蓋
5を開放して装置ケース2内にテープカートリッジ6を
装着し、開閉蓋5を閉塞する。次いで、電源スイッチ
(図示せず)を操作して電源を投入し、入力部3から印
刷しようとする文字などを入力する。必要に応じて入力
した文字列を仮名漢字変換し、所定の入力キー3aを操
作して印刷を指示すると、印刷ヘッド8がテープカート
リッジ6から繰り出される印刷用テープTに印刷を行
う。印刷と並行して印刷用テープTは、プラテンローラ
9によって送られ、テープ排出口11から外部に送り出
されてゆく。そして、印刷が完了すると印刷用テープT
の送りは停止し、続いてカッター機構10が駆動して印
刷用テープTを切断する。
【0029】一方、切断された印刷用テープTを整形切
断用導入口14に挿入すると、印刷用テープTの隅部が
アール形状に整形切断される。整形切断用導入口14の
開口幅は、最大幅の印刷用テープTに対応しており、最
大幅の印刷用テープTをこれに挿入した場合には、両隅
部が同時に整形切断されるが、これより幅狭の印刷用テ
ープTを挿入した場合には、印刷用テープTを整形切断
用導入口14内で左右に移動させることで、両隅部が片
側ずつ整形切断される。さらに、印刷用テープTの前後
を反転させて上記の挿入を行えば、印刷用テープTの四
隅が整形切断されることになる。また、整形切断を前提
とすることなく印刷用テープTを剥離用導入口15に挿
入すると、印刷用テープTの端部においてその隅部の剥
離紙cが剥離する。そして、この剥離した部分を手がか
りとして、印刷用テープTから剥離紙cを剥すと、印刷
用テープTはラベルとして貼着対象物に貼着可能とな
る。
【0030】印刷用テープTは、いわゆる剥離紙付きの
粘着テープであり、裏面に粘着剤bを塗布した基材テー
プaと、この粘着剤bを介して基材テープaに貼着した
剥離紙c(図9参照)とで構成されている。基材テープ
aは塩化ビニール樹脂やポリプロピレン樹脂などで構成
され、剥離紙cは、剥離し易くなるようにシリコン処理
された紙で構成されている。印刷用テープTには、例え
ば24mm、18mm、12mm、9mmなどのテープ幅のもの
があり、これら幅の異なる各種の印刷用テープTは、巻
回された状態でテープカートリッジ6内に収容され、テ
ープカートリッジ6と共に提供される。
【0031】次に、図3ないし図5を参照して、テープ
処理装置12について詳細に説明する。図3はテープ処
理装置12廻りの正面図、図4はその平面図、図5はそ
の右側面図である。これらの図に示すように、テープ処
理装置12は、正逆回転可能なモータ(駆動源)21
と、印刷用テープTの端部を整形切断するトリム機構2
2と、印刷用テープTからその剥離紙cを部分的に剥離
するピール機構23と、モータ21の動力をトリム機構
22およびピール機構23に伝達するクラッチ機構24
と、これらの構成部品を支持するメインフレーム25お
よびサブフレーム26とを備えている。モータ21は、
後述するトリムスイッチ61のONにより正回転し、ピ
ールスイッチ91のONにより逆回転する。そして、モ
ータ21の回転動力はクラッチ機構24を介して、トリ
ム機構22およびピール機構23に分岐して伝達され
る。その際、クラッチ機構24はモータ21の正逆回転
をトリガとして断続し、モータ21が正転しているとき
にはトリム機構22およびピール機構23に動力を伝達
し、モータ21が逆転しているときにはピール機構23
にのみ動力を伝達する。
【0032】メインフレーム25は、下フレーム部31
と、間隙を存して下フレーム部31に平行に配設した上
フレーム部32と、下フレーム部31および上フレーム
部32を連結する連結フレーム部33と、連結フレーム
部33に平行に配設した背フレーム部34とで構成され
ている。また、サブフレーム26は、下フレーム部31
および上フレーム部32の中間の位置にこれらに平行に
配設されている。そして、モータ21は下フレーム部3
1に支持され、トリム機構22は連結フレーム部33お
よび背フレーム部34に支持され、ピール機構23は下
フレーム部31およびサブフレーム26に支持されてい
る。
【0033】モータ21は、下フレーム部31に下方か
ら取り付けられており、その駆動軸27は下フレーム部
31を貫通して上フレーム部32の近傍まで延びてい
る。そして、この駆動軸27には、クラッチ機構24が
組み込まれている。
【0034】クラッチ機構24は、モータ21の駆動軸
27に固定された入力側クラッチ41と、モータ21の
駆動軸27に回転自在にかつ軸方向に摺動自在に軸支さ
れた出力側クラッチ42とを備えている。入力側クラッ
チ41は駆動軸27の下フレーム部31側に配設され、
ピール機構23に動力を伝達するギヤ部43と、ギヤ部
43の端面から上側に突出した入力側フェースラチェッ
ト44とで一体に形成されている。出力側クラッチ42
は駆動軸27の上フレーム部32側に配設され、トリム
機構22に動力を伝達するウォーム45と、ウォームの
端面から下側に突出した出力側フェースラチェット46
とで一体に形成されている。また、図示では省略したが
ウォーム(出力側クラッチ42)45と駆動軸27との
間には、グリースなどの粘性の高い油脂が介在してお
り、このグリースにより駆動軸27の回転に伴ってウォ
ーム(出力側クラッチ42)45が連れ回りするように
なっている。
【0035】入力側フェースラチェット44と出力側フ
ェースラチェット46とは対向して配設され、両者が接
近して係合(噛み合う)することによりトリム機構22
に動力が伝達され、両者が離間しての係合が解除される
ことにより、トリム機構22への動力が遮断される。具
体的には、入力側フェースラチェット44と出力側フェ
ースラチェット46とが係合している状態で、入力側フ
ェースラチェット44が正転すると、係合状態が維持さ
れて動力の伝達が為され、逆転すると、入力側フェース
ラチェット44により出力側フェースラチェット46が
弾かれて係合状態が解除され、動力の伝達が遮断され
る。
【0036】一方、上記のウォーム45には、トリム機
構22側のアイドルギヤの機能を有するウォームホイー
ル47が噛み合っている。ウォームホイール47は、後
述するクランクホイール56と一体に形成されており、
連結フレーム部33から上方に延びる軸部材48に回転
自在に軸支されている。また、上フレーム部32には駆
動軸27と同軸上にストッパ49が下向きに突設されて
おり、ストッパ49の小径部はウォーム45の上端部に
遊挿されている。ストッパ49は、ウォーム45の上方
への移動を規制するものであり、これにより、ウォーム
45とウォームホイール47との噛み合った状態が、常
に維持されている。なお、ストッパ49の小径部に座金
などを装着して、ウォーム45の移動規制位置を微調整
することも可能である。
【0037】このように構成されたクラッチ機構24で
は、モータ21を介して駆動軸27が正転すると、これ
に伴って入力側クラッチ41が正転すると共に、出力側
クラッチ42がグリースの粘性を受けて連れ回りする。
このとき、出力側クラッチ42のウォーム45はウォー
ムホイール47に噛み合っているため、ウォームホイー
ル47を回転させようとするが、逆にトリム機構22の
負荷を受けているウォームホイール47から反力を受け
る。このため、両者のねじ対偶に基づいて、出力側クラ
ッチ(ウォーム45)42は、ゆっくり連れ回りしなが
ら駆動軸27上を下方に移動し、入力側クラッチ41に
突き当たる。入力側クラッチ41に出力側クラッチ42
が突き当たると、入力側フェースラチェット44と出力
側フェースラチェット46とが係合し、入力側クラッチ
41に出力側クラッチ42が接続して、モータ21の回
転動力が、出力側クラッチ42およびウォームホイール
47を介してトリム機構22に伝達される。
【0038】逆に、モータ21を介して駆動軸27が逆
転すると、入力側フェースラチェット44により出力側
フェースラチェット46が弾かれると共に、上記とは逆
に、ウォーム45とウォームホイール47とのねじ対偶
に基づいて、出力側クラッチ(ウォーム45)42は、
ゆっくり連れ回りしながら駆動軸27上を上方に移動
し、ストッパ49に突き当たる。この一連の動作によ
り、入力側クラッチ41から出力側クラッチ42が完全
に離れ、トリム機構22への動力の伝達が遮断される。
一方、ストッパ49に突き当たった出力側クラッチ42
は、グリースの粘性抵抗を受けながら、その連れ回りを
停止する。なお、ピール機構23には、入力側クラッチ
41のギヤ部43により、駆動軸27の正逆回転のいず
れの場合にも動力が伝達される。
【0039】このように、本実施形態のクラッチ機構2
4によれば、入力側フェースラチェット44および出力
側フェースラチェット46から成るクラッチと、ウォー
ム45およびウォームホイール47とから成るウォーム
ギヤとを組み合わせることにより、両フェースラチェッ
ト44,46の断続をモータ21の正逆回転で自動的に
行うことができる。もちろん、従来のように、出力側フ
ェースラチェット46を入力側フェースラチェット44
に押し付けるばねまたは押し棒を用いても、両フェース
ラチェット44,46の断続は可能であるが、ばねを用
いる場合と異なり、遮断の際には両フェースラチェット
44,46は完全に離れており、両フェースラチェット
44,46に生ずる弾発音(騒音)や両フェースラチェ
ット44,46の摩耗を防止することができる。また、
押し棒を用いる場合と異なり、これを作動させる機構を
省略することができる。したがって、簡単な構造で、作
動音を小さくすることができると共に耐久性を向上させ
ることができる。
【0040】また、詳細は後述するが、トリム機構22
は非切断時でもその作動負荷が大きいのに対し、ピール
機構23の作動負荷は極めて小さい。したがって、ピー
ル機構23を剥離動作させるときに、トリム機構22へ
の動力の伝達を遮断することにより、モータの負荷を小
さくすることができる。もっとも、コストアップにはな
るが、ピール機構23側にも、この種のクラッチ機構2
4を設けるようにしてもよい。
【0041】次に、図11および図12を参照して、グ
リースなどの粘性の高い油脂に代わる他の軽係合手段の
変形例について説明する。図11の第1変形例では、ウ
ォーム(出力側クラッチ42)45と駆動軸27との間
に、樹脂のカラー101が介在しており、このカラー1
01の内周面に3個の締め代用突起101a,101
a,101aが形成されている。各締め代用突起101
aは駆動軸27に接触しており、この締め代用突起10
1aにより、駆動軸27の回転に伴ってウォーム(出力
側クラッチ42)45が連れ回りするようになってい
る。
【0042】同様に、第12図の第2変形例では、ウォ
ーム(出力側クラッチ42)45と駆動軸27との間
に、樹脂のカラー102が介在しており、このカラー1
02の内周面に3個のばね片102a,102a,10
2aが一体に形成されている。各ばね片102aは駆動
軸27を軽く付勢するようにこれに接触しており、この
ばね片102aにより、駆動軸27の回転に伴ってウォ
ーム(出力側クラッチ42)45が連れ回りするように
なっている。この場合、金属性のばね片をカラーに別体
として、組み込むようにしてもよい。また、カラー10
1,102自体をウォーム(出力側クラッチ42)45
と一体に形成してもよい。
【0043】なお、上記のクラッチ機構24は、この種
の電子機器の他、ワンウェイクラッチとして各種の機械
装置に適用可能である。
【0044】次に、トリム機構22について説明する。
図3ないし図5に示すように、トリム機構22は、上記
のクラッチ機構24を上側から覆うように配設した平板
状のカッター51と、カッター51を切断動作させるク
ランク機構52とで構成されている。
【0045】カッター51は、固定刃53および可動刃
54から成り、ばね性を有するステンレスなどの薄板を
プレスにより、打抜きおよび曲げ加工して形成されてい
る。具体的には、方形の薄板を、左右一対の切断部(こ
の部分は切り線を入れる)55,55を残して、略
「U」字状の切り抜き、その内側に固定刃53を、外側
に可動刃54を形成するようにしている。固定刃53
は、後部で背フレーム部34の上端面に載置し、前部で
上フレーム部32にねじ止めされている。一方、可動刃
54は、後部中央でクランク機構52に連結されてい
る。
【0046】左右一対の切断部55,55は、これに臨
む印刷用テープTの左右の隅部をアール形状にそれぞれ
切断する部位であり、それぞれ固定刃53に形成した円
弧状の切り刃部55aと、これと相補形状を為す可動刃
54の切り刃部55bとで構成されている。この場合、
可動刃54の各切り刃部55bは上下方向に捻るように
折曲げられており、可動刃54が前端部を支点に上下方
向に切断動作(回動)したときに、この切り刃部55b
が固定刃53の切り刃部55aに対しハサミ様に擦れ合
うようになっている。そして、この左右一対の切断部5
5,55が装置ケース2内において、上記の整形切断用
導入口14に対峙するように配設されている。
【0047】クランク機構52は、図6の背面図に示す
ように、上記のウォームホイール47と一体に形成され
たクランクホイール56と、クランクホイール56の先
端面に突設した偏心ピン57と、この偏心ピン57が係
合する長孔58aを有するスライダ58とで構成されて
いる。スライダ58は、背フレーム部34と、背フレー
ム部34の後方に配設したガイド板59との間に挟ま
れ、かつ背フレーム部34とガイド板59との間に渡し
た2本のガイドピン60,60により、上下方向にスラ
イド自在に案内されている。スライダ58の上部には、
可動刃54の後部が差し込むようにして固定されてお
り、スライダ58が上下方向にスライドすることによ
り、可動刃54が上下方向に切断動作する。
【0048】スライダ58に形成した長孔58aは、左
右方向に延びており、クランクホイール56を介して回
転(公転)する偏心ピン57は、この長孔58a内を左
右方向にスライドしながらスライダ58を上下動させ
る。すなわち、この部分に回転運動を往復直線運動に変
換するクランク機構が構成されている。そして、このよ
うに構成されたトリム機構22には、印刷用テープTを
整形切断用導入口14に挿入したときに、カッター51
を作動させるべくモータ21を正転させるトリムスイッ
チ61が、さらに設けられている。
【0049】トリムスイッチ61は図5に示すように、
整形切断用導入口14の先端に臨む回動アーム62と、
先端部が回動アーム62に当接するスイッチアーム63
と、スイッチアーム63の基部に当接するスイッチ本体
64とで構成されている。回動アーム62は、装置ケー
ス2に回動自在に支持された円柱状の本体62aと、本
体62aの軸方向の中間位置に設けた複数個の受け部6
2bと、本体62aの軸方向の端部に設けた押し部62
cとで構成されており(図3、図4および図6参照)、
この受け部62bが整形切断用導入口14の先端に臨
み、押し部62cがスイッチアーム63の先端に当接し
ている。整形切断用導入口14に印刷用テープTを挿入
すると、印刷用テープTにより受け部62bが押され、
本体62aを中心に押し部62cが回動してスイッチア
ーム63を押し下げる。
【0050】スイッチアーム63は、基端部を装置ケー
ス2に固定した板ばねで構成されており、回動アーム6
2の押し部62cを介して、回動アーム62の受け部6
2bが整形切断用導入口14に臨むように、回動アーム
62を弱く付勢している。待機状態におけるスイッチア
ーム63は、そのばね力で押し部62cを押し上げてお
り、これに当接するスイッチ本体64はOFFしてい
る。一方、押し部62cにより、スイッチアーム63が
そのばね性に抗して押し下げられると、スイッチアーム
63はスイッチ本体64を押してこれをONさせる。
【0051】すなわち、印刷用テープTを整形切断用導
入口14に適切に挿入すると、回動アーム62およびス
イッチアーム63を介してスイッチ本体64がONし、
整形切断用導入口14から引き抜くとスイッチ本体64
がOFFする。そして、スイッチ本体64がONすると
コントローラ(CPU)28を介してモータ21が正転
してカッター51を切断動作させ、OFFするとモータ
21が停止し、カッター51の切断動作を停止させる。
すなわち、印刷用テープTを整形切断用導入口14に挿
入することで、トリム機構22が自動的に作動し、印刷
用テープTの端部をアール形状に整形切断する。
【0052】次に、ピール機構23について説明する。
図3、図4および図6に示すように、ピール機構23
は、上記の入力側クラッチ41のギヤ部43に噛み合う
中間ギヤ71と、中間ギヤ71に噛み合う入力ギヤ72
と、入力ギヤ72と一体に形成されたピールホイール
(回転体)73とを備えている。ピールホイール73の
上端面には剥離突起74が設けられ、この剥離突起74
がピールホイール73と共に回転することにより、印刷
用テープTの端部を撓みおよび撓み解除動作させる。一
方、印刷用テープは、撓みおよび撓み解除動作の繰り返
しにより剥離されるが、この剥離される部分が自由端T
aとなるように、剥離用導入口(保持手段)15により
保持されている(図8参照)。
【0053】中間ギヤ71は、下フレーム部31とサブ
フレーム26との間に渡した支軸75に回転自在に支持
され、また一体に形成された入力ギヤ72およびピール
ホイール73は、下フレーム部31から上方に延びる軸
部材76に回転自在に支持されている。ピールホイール
73は、モータ21の正逆回転に伴い両ギヤ71,72
を介して回転するが、モータ21が逆転したときの回転
(図7参照)で印刷用テープTを剥離させる。ここで、
剥離突起74の構造を詳述する前に、回転する剥離突起
74に対峙する剥離用導入口15の構造について説明す
る。
【0054】剥離用導入口15は、装置ケース2に一体
に形成されており、挿入する印刷用テープTの表裏方向
を案内する一対の面ガイド壁81,81と、下側の側辺
を案内する側辺ガイド壁82とを備えている。側辺ガイ
ド壁82は、印刷用テープTがピールホイール73の上
端面に沿って導かれて剥離突起74に臨むように、これ
を案内する。また、一対の面ガイド壁81,81は、図
1および図7に示すように挿入方向に対し略「S」字状
に湾曲しており、これに印刷用テープTを挿入すると、
印刷用テープTが略「S」字状に湾曲すると共に、その
端部(自由端)がピールホイール73のほぼ軸心に向か
って突出し、剥離突起74に臨むようになっている。
【0055】このように、一対の面ガイド壁81,81
が湾曲しているため、これに挿入した印刷用テープT
は、自身の剛性により、剥離突起74に臨む自由端Ta
を残して両面ガイド壁間81,81に突っ張るようにし
て保持される。したがって、特別な挟持部材などを必要
とすることなく、印刷用テープTを保持することができ
ると共に、印刷用テープTの挿入を円滑に行うことがで
きる。また、側辺ガイド壁82に対向する部位、すなわ
ち装置ケース2の上面に相当する部位は開放されてお
り、テープ幅の広狭に拘らず、各種の印刷用テープTの
挿入を許容すると共に、印刷用テープTの上方への引抜
きを許容する(図1参照)。このように、印刷用テープ
Tを上方に引き抜けるようになっているため、剥離後の
印刷用テープTを、湾曲する面ガイド壁81を介して引
き抜く必要がなく、剥離後の剥離紙cが基材テープaに
再貼着するのを、防止することができる。
【0056】なお、実施形態の剥離用導入口15および
剥離突起74の回転方向は、印刷面を手前に向けて印刷
用テープTを挿入することを前提として、設計されてい
る。これは、印刷が為されたテープを扱う場合、ユーザ
ーはその印刷面を視認しながら作業を行うことが一般的
であり、これに倣ったものである。したがって、剥離用
導入口15にはその旨の表示が為され(図示省略)、ユ
ーザーは基材テープa側が手前に、隔離紙c側が先方に
なるように印刷用テープTを立てて、剥離用導入口15
への挿入を行うことになる。これに対し、剥離突起74
は基材テープa側に接触して印刷用テープTを撓ませる
ように回転し(図7参照)、また一対の面ガイド壁8
1,81は全体として、この回転方向とは逆方向に湾曲
している。これにより、剥離突起74は、印刷用テープ
Tに加わる曲げ力に抗してこれを撓ませることになる。
【0057】一方、この実施形態では、印刷用テープT
の端部の隅部(一方ずつ)を撓ませて、この部分を三角
形に剥離するようになっている。このため、一対の面ガ
イド壁81,81のうち、剥離紙c側(回転方向の先
方)の面ガイド壁81の先端に位置して、斜辺部83a
を有する受け部材83が配設されている(図3および図
6参照)。受け部材83の斜辺部83aは、回転する剥
離突起74に対向するようになっており、剥離突起74
の回転に伴って撓む印刷用テープTの自由端Taが三角
形になるように、印刷用テープTを剥離紙c側から受け
ている。これにより、印刷用テープTの端部において、
もっとも剥離し易いその隅部を積極的に剥離できるよう
になっている。
【0058】剥離突起74は、図7に示すように、4個
の短い短突起片77と4個の長い長突起片78とで構成
されており、各短突起片77は、ピールホイール73の
上端面の中央に形成した円形突起79から径方向に延
び、各長突起片78は、短突起片77の基部からこれに
ほぼ直角に延びている。この場合、長突起片78および
短突起片77に臨む印刷用テープTの端部は、ピールホ
イール73の軸心からわずかに偏心した位置に向かって
延在しており、短突起片77は、印刷用テープTの端部
(自由端Ta)に対し先端側から基端側に連続的に回転
接触し、印刷用テープTの自由端Taを先端側から撓ま
せてゆく。同様に、長突起片78はピールホイール73
の上端面において、偏心した位置から略径方向に延びて
おり、印刷用テープTの自由端Taに対し先端側から基
端側に連続的に回転接触し、これを先端側から撓ませて
ゆく。
【0059】ところで、剥離紙cに対する粘着剤bの貼
着力は極めて小さいものあり、基材テープaから剥離紙
cを剥離する場合には、剥離のきっかけとなる部分を作
りこの部分から自由端Taの全域に剥離を広げてゆくこ
とが有効となる。また、三角形の自由端Taは、先端に
近づくほど貼着面積が極端に小さくなって、剥がれ易
い。したがって、印刷用テープTの自由端Taにおい
て、先端側から基端側に向かって撓ませることで、自由
端Taの先端部の剥離を促進することができ、かつ自由
端Taの先端部を短突起片77により、集中的に撓みお
よび撓み解除動作(剥離動作)させることで、剥離のき
っかけとなる部分を作ることができる。さらに、この状
態から、長突起片78による剥離動作で、自由端Taの
全域に剥離が広がって自由端Taにおける剥離紙cが剥
がれる。また同時に、長突起片78は自由端Taのうち
の一方の辺側(印刷用テープTの短辺に相当する部分)
を中心に強く接触し、短突起片77は他方の辺側(印刷
用テープTの長辺に相当する部分)を中心に強く接触し
て、自由端Taの全域を均一に撓ませる。
【0060】このように、剥離突起74を複数の長突起
片78と複数の短突起片77とで構成すると共に、印刷
用テープTに対し先端側から基端側に連続的に回転接触
させるようにしているため、印刷用テープTの剥離を促
進することができる。なお、剥離突起74を複数の長突
起片78のみ、或いは単一の長突起片78のみで構成し
てもよい。
【0061】また、長突起片78および短突起片77
は、印刷用テープTに対する接触面がピールホイール7
3の上端面にそれぞれ直角に形成され、かつ先端が、上
記の受け部材83の斜辺部83aと平行に対峙するよう
にそれぞれ面取りされている(図3および図6参照)。
この場合、印刷用テープTの端部(自由端Ta)に剥離
のための適切な撓みを生じさせるためには、印刷用テー
プTの材質にもよるが、一般的には、印刷用テープTの
厚みを「t」とし、平行に対峙する長突起片78の先端
と斜辺部83aとの間の間隙を「δ」としたときに、 t≦δ≦10t となることが好ましい。これにより、基材テープaの剛
性を剥離に活かすことができると共に、基材テープaに
曲げ癖が生ずるのを防止することができる(詳細は後
述)。
【0062】このように構成されたピール機構23で
は、トリム機構22と同様に、剥離用導入口15に印刷
用テープTを挿入したときに、モータ21を逆転駆動さ
せる必要がある。そこで、実施形態のピール機構23に
は、ピールスイッチ(駆動制御手段)91が設けられて
いる。図3および図4に示すように、ピールスイッチ9
1は、ピールホイール73の上方の装置ケース2の内面
に回動自在に取り付けたスイッチアーム92と、スイッ
チアーム92に当接するスイッチ本体93とで構成され
ている。スイッチアーム92は略「L」字状に形成され
ており、先端部が、剥離用導入口15の湾曲部分に臨
み、尾端部がスイッチ本体93に当接している。
【0063】待機状態におけるスイッチアーム92は、
スイッチ本体93に内蔵するばね(図示省略)により押
圧され、先端部が剥離用導入口15の湾曲部分に突出し
ている。この状態から、剥離用導入口15に印刷用テー
プTを挿入すると、スイッチアーム92は印刷用テープ
Tの端部により押されて回動する。スイッチアーム92
が回動すると、内蔵するばねに抗してスイッチ本体93
が押され、ONする。すなわち、印刷用テープTを剥離
用導入口15に挿入すると、スイッチアーム92を介し
てスイッチ本体93がONし、逆に剥離用導入口15か
ら引き抜くとスイッチ本体93がOFFする。そして、
スイッチ本体93がONするとコントローラ(CPU)
28を介してモータ21が逆転し、ピールホイール73
を回転させて剥離突起74を剥離動作させる。
【0064】この場合、挿入した印刷用テープTの先端
が、剥離用導入口15の湾曲部分に達した段階でモータ
21が回転を開始するため、印刷用テープTの先端が剥
離突起(の回転軌跡内)74の位置まで達したときに
は、剥離突起74は既に回転していることになる。した
がって、印刷用テープTの端部が剥離突起74側に深く
挿入されるまでに、印刷用テープTの端部(自由端T
a)は、先端側から長短両突起片77,78により繰り
返し剥離動作を受けることになる。したがって、この構
造によっても、自由端Taにおける剥離紙cの剥離が促
進される。
【0065】具体的には、印刷用テープTの自由端Ta
は、その先端から長突起片78の回転軌跡内に入り込ん
でゆき、深く挿入されるまでの間に、長突起片78(短
突起片77)から繰り返し剥離動作を受ける。このた
め、挿入当初は、剥がれ易い自由端Taの先端部に剥離
動作を受け、剥離のきっかけを生ずる。そして、このき
っかけ部分から自由端Taの全域に剥離が進むことにな
る。この結果、図13(a)のように、湾曲するように
して剥離紙cが剥離する。一方、印刷用テープTを長突
起片78の回転軌跡内に挿入してから長突起片78(短
突起片77)を回転させると、図13(b)のように、
屈曲するようにして剥離紙cが剥離するが、かかる場合
には、剥離のきっかけが生じないため、剥離性はやや劣
る。
【0066】なお、ピールスイッチ91は光センサなど
で構成してもよい。また、ピールスイッチ91は、印刷
用テープTの自由端Taが長突起片78の回転軌跡内に
入り込んむ前に、これを回転させる構成であれば、その
位置や構造は問わない。
【0067】次に、図8および図9を参照して、剥離突
起74による印刷用テープTの剥離動作について、長突
起片78を例に更に詳細に説明する。図8に示すよう
に、印刷用テープTは自由端Taを残して剥離用導入口
15の両面ガイド壁81,812および受け部材83に
保持され、これに長突起片78が回転接触してゆく。長
突起片78は、上述したように、印刷用テープTの基材
テープa側に接触してこれを撓ませてゆく。このため、
印刷用テープTの自由端Taは、基材テープa側を外側
とし、剥離紙c側を内側して撓む。この自由端Taの撓
みでは、図9に示すように、これを受ける受け部材83
の斜辺部83aを中心に曲げられるため、基材テープa
は曲率半径(R)が大きく、剥離紙cは曲率半径(R)
が小さく曲げられる。このため、曲げが進むに従って粘
着剤bと剥離紙cとの間で層間滑りが生じ、粘着剤bの
剥離紙cに対する貼着力が極端に低下する。
【0068】さらに、自由端Taの曲げが最大限に達し
た後、長突起片78の先端は、自由端Taの先端をなぞ
るようにして離れ、自由端Taは跳ね上がるようにして
元の状態に復帰する。その際、上記の層間滑りにより、
基材テープaに対し剥離紙cが突出した状態になってお
り、長突起片78の先端は先ず基材テープaから離れ、
続いて剥離紙cから離れる。長突起片78の先端が基材
テープaから離れると、基材テープaは自身のばね力に
より、また粘着剤bの剥離紙cに対する貼着力に抗し
て、元の直線状態に戻ろうとする。このとき、基材テー
プaのばね力が、層間滑りで弱まった粘着剤bの貼着力
に勝てば、基材テープaから剥離紙cが剥離する。剥離
しない場合でも、粘着剤bの貼着力は更に弱まるため、
この剥離動作の繰り返してにより、基材テープaから剥
離紙cが剥離する。
【0069】一方、長突起片78が基材テープaから離
れた後、剥離紙cから離れるまでに、剥離紙cは、基材
テープaよりわずかに突出している分、更に深く折り曲
げられることになる。ところで、長突起片78による印
刷用テープTの自由端Taの曲げ(撓み)は、基材テー
プaにとっては弾性変形の限度内となるように、剥離紙
cにとっては永久変形の領域に達するように、設定され
ている。したがって、長突起片78による撓みが解除さ
れた状態では、図10に示すように、基材テープaは元
の直線状態に戻るが、剥離紙cは直線状態に戻ることな
く、曲げ癖が付いた状態となる。したがって、一旦曲が
って剥がれた剥離紙cが、再度は基材テープ(の粘着剤
b)aに貼着することがなく、剥離紙cの剥離が完全な
ものになる。
【0070】
【発明の効果】以上のように本発明の剥離装置によれ
ば、保持手段に保持された粘着テープの自由端に対し、
剥離突起を回転接触させるようにしているので、基材テ
ープ側の粘着剤と剥離紙とをその層間滑りを利用して、
効率よく剥離することができる。また、剥離突起を回転
体の端面に設けることにより、装置をコンパクトに構成
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るテープ印刷装置の外
観斜視図である。
【図2】実施形態に係るテープ印刷装置の平面図であ
る。
【図3】テープ印刷装置の内蔵するテープ処理装置の正
面図である。
【図4】テープ印刷装置の内蔵するテープ処理装置の平
面図である。
【図5】テープ印刷装置の内蔵するテープ処理装置の右
側面図である。
【図6】テープ印刷装置の内蔵するテープ処理装置の背
面図である。
【図7】テープ処理装置の剥離突起と剥離用導入口との
関係を表した平面図である。
【図8】印刷用テープの剥離動作を表した平面図であ
る。
【図9】印刷用テープの剥離動作を表した拡大平面図で
ある。
【図10】テープ処理装置によって印刷用テープから剥
離紙が剥離した状態を示す斜視図である。
【図11】軽係合手段の第1変形例を示すウォーム廻り
の拡大断面図である。
【図12】軽係合手段の第2変形例を示すウォーム廻り
の拡大断面図である。
【図13】印刷用テープの2つの剥離形態を表した平面
図である。
【符号の説明】
1 テープ印刷装置 2 装置ケース 12 テープ処理装置 15 剥離用導入口 21 モータ 23 ピール機構 28 コントローラ 73 ピールホイール 74 剥離突起 77 短突起片 78 長突起片 81 面ガイド壁 82 側辺ガイド壁 83 受け部材 83a 斜辺部 91 ピールスイッチ T 印刷用テープ Ta 自由端 a 基材テープ b 粘着剤 c 剥離紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 亀田 登信 東京都千代田区東神田2丁目10番18号 株 式会社キングジム内 (72)発明者 新村 朋之 東京都千代田区東神田2丁目10番18号 株 式会社キングジム内 (72)発明者 守屋 智宏 東京都千代田区東神田2丁目10番18号 株 式会社キングジム内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の面に粘着剤を塗布した基材テープ
    と当該粘着剤を介して当該基材テープに貼着した剥離紙
    とを積層して成る粘着テープから、当該剥離紙を部分的
    に剥離する剥離装置において、 駆動源により回転する回転体と、 当該回転体の端面に設けられ、前記粘着テープの端部の
    基材テープ側に回転接触してこれに撓みおよび撓み解除
    動作させる剥離突起と、 前記剥離突起に向かって前記粘着テープの挿入を案内す
    ると共に当該剥離突起に臨む自由端を残して当該粘着テ
    ープの端部を保持する保持手段とを備えたことを特徴と
    する剥離装置。
  2. 【請求項2】 前記剥離突起の前記粘着テープの端部へ
    の回転接触が、当該粘着テープの自由端に対しその先端
    から基端に向かって連続的に行われることを特徴とする
    請求項1に記載の剥離装置。
  3. 【請求項3】 前記保持手段は、前記粘着テープの端部
    の側辺が前記回転体の端面に沿って挿入されるように案
    内する側辺ガイド壁を有することを特徴とする請求項1
    または2に記載の剥離装置。
  4. 【請求項4】 前記保持手段は、前記粘着テープの端部
    が表裏方向において挿入方向に対し湾曲して挿入される
    ように案内する一対の面ガイド壁を有することを特徴と
    する請求項1、2または3に記載の剥離装置。
  5. 【請求項5】 前記保持手段は、前記側辺ガイド壁に対
    向する部位が外部に開放されていることを特徴とする請
    求項3または4に記載の剥離装置。
  6. 【請求項6】 すくなくとも前記一対の面ガイド壁う
    ち、前記粘着テープの剥離紙側に位置する面ガイド壁の
    前記剥離突起側の先端に、前記粘着テープの端部の隅部
    が自由端となるようにこれを受ける斜辺部が設けられて
    いることを特徴とする請求項4または5に記載の剥離装
    置。
  7. 【請求項7】 前記剥離突起の先端は、対峙した前記斜
    辺部に対し平行に形成されていることを特徴とする請求
    項6に記載の剥離装置。
  8. 【請求項8】 平行に対峙した前記剥離突起の先端と前
    記斜辺部との間隙が、前記粘着テープの厚みをtとした
    ときに、t≦間隙≦10tであることを特徴とする請求
    項7に記載の剥離装置。
  9. 【請求項9】 前記剥離突起は、前記回転体の端面にお
    いて略放射状に配設した複数個の剥離突起片で構成され
    ており、 前記複数個の剥離突起片には、長い剥離突起片と短い剥
    離突起片とが混在することを特徴とする請求項1ないし
    8のいずれかに記載の剥離装置。
  10. 【請求項10】 前記粘着テープの先端が前記剥離突起
    の回転軌跡内に挿入される前に、前記駆動源を駆動させ
    る駆動制御手段を、更に備えていることを特徴とする請
    求項1ないし9のいずれかに記載の剥離装置。
  11. 【請求項11】 前記駆動制御手段は、前記保持手段に
    臨み挿入する前記粘着テープの先端を検出して前記駆動
    源を駆動させることを特徴とする請求項10に記載の剥
    離装置。
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