JP3447491B2 - クラッチ装置 - Google Patents

クラッチ装置

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JP3447491B2
JP3447491B2 JP31148796A JP31148796A JP3447491B2 JP 3447491 B2 JP3447491 B2 JP 3447491B2 JP 31148796 A JP31148796 A JP 31148796A JP 31148796 A JP31148796 A JP 31148796A JP 3447491 B2 JP3447491 B2 JP 3447491B2
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紀幸 上條
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばフェースラ
チッェトを用いて回転動力を断続させるクラッチ装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のクラッチ装置は、駆動源
により正逆回転する駆動軸と、当該駆動軸に固定した入
力側フェースラチッェトと、駆動軸に回転自在にかつ軸
方向に摺動自在に軸支した出力側フェースラチッェト
と、出力側フェースラチッェトを入力側フェースラチッ
ェトに押し付けるばねとで構成されている。駆動軸が正
転すると、入力側フェースラチッェトに、ばねにより押
し付けられた出力側フェースラチッェトが噛み合って、
駆動軸の回転動力が出力側フェースラチッェトに伝達さ
れ、出力側フェースラチッェトから負荷側に出力され
る。一方、駆動軸が逆転すると、入力側フェースラチッ
ェトが、ばねに抗して出力側フェースラチッェトを前方
に押しやって空転し、回転動力が遮断される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のクラ
ッチ装置では、出力側フェースラチッェトを入力側フェ
ースラチッェトに押し付けるばね、或いはばねに代わる
押付け手段が必要となり、部品点数が増加し、コスト高
になる不具合があった。また、入力側フェースラチッェ
トが空転しているときでも、ばねにより出力側フェース
ラチッェトが入力側フェースラチッェトに押し付けられ
ているため、常に、入力側フェースラチッェトが出力側
フェースラチッェトを弾くようにして空転し、大きな回
転騒音が発生する問題があった。
【0004】本発明は、ばね、或いはばねに代わる押付
け手段を不要とすると共に、回転騒音の発生を抑制する
ことができるクラッチ装置を提供することをその目的と
している。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のクラッチ装置
は、駆動源により正逆回転する駆動軸と、駆動軸に固定
された入力側クラッチと、駆動軸に回転自在にかつ軸方
向に摺動自在に軸支されると共に、入力側クラッチに係
合し、入力側クラッチと協働して一方向にのみ回転動力
を伝達する出力側クラッチと、出力側クラッチから第1
負荷部に回転動力を伝達する中間伝達手段とを備え、
力側クラッチは、第2負荷部に回転動力を伝達する出力
部を有し、出力側クラッチは出力側にウォームを有し、
中間伝達手段は入力側にウォームに噛み合うウォームホ
イールを有し、駆動軸とウォームとの間には、ウォーム
を駆動軸に連れ回りさせる軽係合手段が介在しているこ
とを特徴とする。
【0006】この構成によれば、駆動軸が正逆の一方向
に回転すると、入力側クラッチが回転すると共に、軽係
合手段により出力側クラッチが連れ回りする。出力側ク
ラッチが連れ回りすると出力側クラッチのウォームは、
これに噛み合う中間伝達手段のウォームホイールを回転
させようとする。一方、ウォームホイールは第1負荷部
の負荷を受けているため、連れ回り程度の回転力では回
転せず、逆にウォームの連れ回りを阻止しようとする。
その結果、ウォームは、ウォームホイールとのねじ対偶
に基づいて、駆動軸に対し連れ回りしながら軸方向に摺
動する。この摺動は、駆動軸の正逆の回転方向とウォー
ムが右ねじか左ねじかにより規定されるが、例えば駆動
軸の正転により、出力側クラッチが入力側クラッチに接
近するように移動すれば、逆転では、出力側クラッチが
入力側クラッチから離間するように移動する。すなわ
ち、駆動軸が正転すると、正転する入力側クラッチに出
力側クラッチが係合して、入力側クラッチから出力側ク
ラッチを介してウォームホイールに回転動力が伝達さ
れ、改めて第1負荷を作動させる。また逆に、駆動軸が
逆転すると、逆転する入力側クラッチから出力側クラッ
チが離れ(駆動軸に対し軸方向に摺動)、両者間の係合
が解かれて入力側クラッチから出力側クラッチへの回転
動力が遮断される。この場合、ウォームは、ウォームホ
イールとのねじ対偶に基づいて軸方向に摺動し、入力側
クラッチから出力側クラッチが完全に離れる。このた
め、入力側クラッチの逆転は、出力側クラッチとの接触
を伴わず、この部分の騒音の発生は抑制される。さら
に、駆動軸が正逆回転しこれに伴って入力側クラッチが
正逆回転すると、出力部を介して回転動力が第2負荷部
に伝達され、第2負荷部が作動する。すなわち、駆動軸
が正転する場合には、駆動軸の回転動力が第1負荷部と
第2負荷部との2方向に伝達され、駆動軸が逆転する場
合には、駆動軸の回転動力が第2負荷部のみに伝達され
る。したがって、第1負荷部と第2負荷部との間で負荷
の差が大きい場合に、第1負荷部に大きな負荷を設定し
第2負荷部に小さい負荷を設定することで、全体として
駆動源の受ける負荷を小さくすることができる。なお、
入力側クラッチおよび出力側クラッチには、噛合い形式
のものおよび摩擦形式のものなどが含まれる。また、軽
係合手段には、後述する油脂などの粘性剤の他、駆動軸
に接触する締め代用の突起や板ばねを有する、樹脂カラ
ーのような部材も含まれる。
【0007】
【0008】
【0009】本発明の他のクラッチ装置は、駆動源によ
り正逆回転する駆動軸と、駆動軸に固定した入力側クラ
ッチと、駆動軸に回転自在にかつ軸方向に摺動自在に軸
支されると共に、入力側クラッチに係合し、入力側クラ
ッチと協働して一方向にのみ回転動力を伝達する出力側
クラッチと、出力側クラッチから第1負荷部に回転動力
を伝達する中間伝達手段とを備え、出力側クラッチは出
力側にウォームを有し、中間伝達手段は入力側にウォー
ムに噛み合うウォームホイールを有し、駆動軸とウォー
ムとの間には、ウォームを駆動軸に連れ回りさせる軽係
合手段が介在し、入力側クラッチと出力側クラッチとの
係合を解除した状態で、ウォームとウォームホイールと
の噛み合いを保持するようにウォームの軸方向の移動を
規制するストッパが設けられていることを特徴とする。
【0010】この構成によれば、駆動軸が正逆の一方向
に回転すると、入力側クラッチが回転すると共に、軽係
合手段により出力側クラッチが連れ回りする。出力側ク
ラッチが連れ回りすると出力側クラッチのウォームは、
これに噛み合う中間伝達手段のウォームホイールを回転
させようとする。一方、ウォームホイールは第1負荷部
の負荷を受けているため、連れ回り程度の回転力では回
転せず、逆にウォームの連れ回りを阻止しようとする。
その結果、ウォームは、ウォームホイールとのねじ対偶
に基づいて、駆動軸に対し連れ回りしながら軸方向に摺
動する。この摺動は、駆動軸の正逆の回転方向とウォー
ムが右ねじか左ねじかにより規定されるが、例えば駆動
軸の正転により、出力側クラッチが入力側クラッチに接
近するように移動すれば、逆転では、出力側クラッチが
入力側クラッチから離間するように移動する。すなわ
ち、駆動軸が正転すると、正転する入力側クラッチに出
力側クラッチが係合して、入力側クラッチから出力側ク
ラッチを介してウォームホイールに回転動力が伝達さ
れ、改めて第1負荷を作動させる。また逆に、駆動軸が
逆転すると、逆転する入力側クラッチから出力側クラッ
チが離れ(駆動軸に対し軸方向に摺動)、両者間の係合
が解かれて入力側クラッチから出力側クラッチへの回転
動力が遮断される。この場合、ウォームは、ウォームホ
イールとのねじ対偶に基づいて軸方向に摺動し、入力側
クラッチから出力側クラッチが完全に離れる。このた
め、入力側クラッチの逆転は、出力側クラッチとの接触
を伴わず、この部分の騒音の発生は抑制される。 また、
入力側クラッチと出力側クラッチとの係合が解除され
(逆転)、動力の伝達が遮断された状態でも、ウォーム
はストッパにより、駆動軸との連れ回りを阻止された状
態でウォームホイールと噛み合いを保持する。このた
め、駆動軸が逆転から正転に移行すると、ウォームはウ
ォームホイールが抵抗となり、駆動軸と連れ回りしなが
ら軸方向に移動し、出力側クラッチが入力側クラッチに
係合する。出力側クラッチが入力側クラッチに係合する
と、その瞬間から入力側クラッチの回転動力が出力側ク
ラッチに伝達され、ウォームを介してウォームホイール
が回転する。すなわち、入力側クラッチと出力側クラッ
チとの間における回転動力の断続が、駆動軸の正逆回転
により自動的に行われる。なお、入力側クラッチおよび
出力側クラッチには、噛合い形式のものおよび摩擦形式
のものなどが含まれる。また、軽係合手段には、後述す
る油脂などの粘性剤の他、駆動軸に接触する締め代用の
突起や板ばねを有する、樹脂カラーのような部材も含ま
れる。
【0011】これらの場合、入力側クラッチの第1負荷
部側の出力端と出力側クラッチの入力端とが、一組のフ
ェースラチッェトで構成されていることが、好ましい。
【0012】この構成によれば、フェースラチッェトの
鋸歯形状により、入力側クラッチに出力側クラッチが係
合するように駆動軸が回転(例えば正転)している場合
には、出力側クラッチは入力側クラッチからスラスト
(軸)方向の力をほとんど受けることがなく、逆転して
いる場合には、出力側クラッチは離間する方向に入力側
クラッチからスラスト(軸)方向の力を受ける。すなわ
ち、駆動軸が正転すると、ウォームはウォームホイール
から反力をそのまま受け、出力側クラッチは入力側クラ
ッチに押し付けられるが、逆転すると、出力側クラッチ
は入力側クラッチにより弾かれると共に、ウォームを介
してウォームホイールに引かれ、瞬間的に係合状態を解
除する。すなわち、入力側クラッチと出力側クラッチと
の間の係脱が抵抗なく円滑な行われる。
【0013】これらの場合、軽係合手段が粘性剤である
こと、例えば、粘性剤が油脂で構成されていることが、
好ましい。
【0014】この構成によれば、ウォームおよび駆動軸
に一切の加工を必要とすることなく、駆動軸に対するウ
ォームの連れ回りを具現化することができる。また、こ
の連れ回りの構造を安価に達成することができると共
に、これに耐久性を持たせることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本
発明の一実施形態に係るクラッチ装置をテープ印刷装置
に適用した場合について説明する。このテープ印刷装置
は、剥離紙付きの印刷用テープに所望の文字や図形など
を印刷(印字)すると共に、印刷した印刷用テープを所
定の長さに切断してラベル状の印刷用テープを構成する
ものである。また、このテープ印刷装置は、ラベル状の
印刷用テープの隅部をアール形状に整形切断する機能、
およびラベル状の印刷用テープの隅部において剥離紙を
部分的に剥離する機能を備えている。
【0016】図1はテープ印刷装置の斜視図であり、図
2はその平面図である。両図に示すように、テープ印刷
装置1は、構成部品を収納する装置ケース2と、装置ケ
ース2の前半部に配設された複数の入力キー3aを有す
る入力部3と、装置ケース2の後半部に配設された表示
部4および開閉蓋5とを備えている。開閉蓋5の内部に
は、印刷用テープTを収容したテープカートリッジ6が
装着されており、テープカートリッジ6は開閉蓋5に形
成した透視窓7を介して外部からその装着が確認できる
ようになっている。
【0017】また、開閉蓋5の内部には、テープカート
リッジ6の近傍に位置して、印刷手段を構成する印刷ヘ
ッド8が、またこの印刷ヘッド8に対向してテープカー
トリッジ6には、テープ送り手段を構成するプラテンロ
ーラ9が、それぞれ配設されれている。印刷用テープT
は、プラテンローラ9によりテープカートリッジ6から
繰り出され、印刷ヘッド8により印刷されながら更に装
置外部に送り出されてゆく。さらに、テープカートリッ
ジ6の左側近傍に位置して装置ケース2内にはカッター
機構10が内蔵され、またカッター機構10に隣接し
て、装置ケース2の左側部には印刷用テープTを装置外
部に送り出すためのテープ排出口11が形成されてい
る。印刷用テープTは、印刷されながらテープ排出口1
1から送り出されてゆくが、印刷が完了すると印刷用テ
ープTの送出し動作が停止し、同時にカッター機構10
が作動して、印刷用テープTを所定の長さ(印刷部分+
余白)に切断する。
【0018】一方、表示部4の後方の装置ケース2の内
部には、印刷用テープTの端部をアール状に整形切断す
ると共に、印刷用テープTから剥離紙cを剥離するテー
プ処理装置12が内蔵されている。また、テープ処理装
置12に対応して装置ケース2の上面には、テープ処理
装置12に印刷用テープTの端部を送り込むためのテー
プ導入口13が形成されている。テープ導入口13は、
装置ケース2の内部に向かって傾斜する整形切断用導入
口14と、整形切断用導入口14を横断するように設け
た剥離用導入口15とで、一体に形成されている。印刷
用テープTを整形切断用導入口14に挿入すると、テー
プ処理装置12が駆動して、印刷用テープTの端部の隅
部をアール形状に整形切断する。同様に、印刷用テープ
Tを剥離用導入口15に挿入すると、テープ処理装置1
2が駆動して、印刷用テープTの端部においてその隅部
の剥離紙cを剥離する。
【0019】このテープ印刷装置1では、先ず、開閉蓋
5を開放して装置ケース2内にテープカートリッジ6を
装着し、開閉蓋5を閉塞する。次いで、電源スイッチ
(図示せず)を操作して電源を投入し、入力部3から印
刷しようとする文字などを入力する。必要に応じて入力
した文字列を仮名漢字変換し、所定の入力キー3aを操
作して印刷を指示すると、印刷ヘッド8がテープカート
リッジ6から繰り出される印刷用テープTに印刷を行
う。印刷と並行して印刷用テープTは、プラテンローラ
9によって送られ、テープ排出口11から外部に送り出
されてゆく。そして、印刷が完了すると印刷用テープT
の送りは停止し、続いてカッター機構10が駆動して印
刷用テープTを切断する。
【0020】一方、切断された印刷用テープTを整形切
断用導入口14に挿入すると、印刷用テープTの隅部が
アール形状に整形切断される。整形切断用導入口14の
開口幅は、最大幅の印刷用テープTに対応しており、最
大幅の印刷用テープTをこれに挿入した場合には、両隅
部が同時に整形切断されるが、これより幅狭の印刷用テ
ープTを挿入した場合には、印刷用テープTを整形切断
用導入口14内で左右に移動させることで、両隅部が片
側ずつ整形切断される。さらに、印刷用テープTの前後
を反転させて上記の挿入を行えば、印刷用テープTの四
隅が整形切断されることになる。また、整形切断を前提
とすることなく印刷用テープTを剥離用導入口15に挿
入すると、印刷用テープTの端部においてその隅部の剥
離紙cが剥離する。そして、この剥離した部分を手がか
りとして、印刷用テープTから剥離紙cを剥すと、印刷
用テープTはラベルとして貼着対象物に貼着可能とな
る。
【0021】印刷用テープTは、いわゆる剥離紙付きの
粘着テープであり、裏面に粘着剤bを塗布した基材テー
プaと、この粘着剤bを介して基材テープaに貼着した
剥離紙c(図9参照)とで構成されている。基材テープ
aは塩化ビニール樹脂やポリプロピレン樹脂などで構成
され、剥離紙cは、剥離し易くなるようにシリコン処理
された紙で構成されている。印刷用テープTには、例え
ば24mm、18mm、12mm、9mmなどのテープ幅のもの
があり、これら幅の異なる各種の印刷用テープTは、巻
回された状態でテープカートリッジ6内に収容され、テ
ープカートリッジ6と共に提供される。
【0022】次に、図3ないし図5を参照して、テープ
処理装置12について詳細に説明する。図3はテープ処
理装置12廻りの正面図、図4はその平面図、図5はそ
の右側面図である。これらの図に示すように、テープ処
理装置12は、正逆回転可能なモータ(駆動源)21
と、印刷用テープTの端部を整形切断するトリム機構2
2と、印刷用テープTからその剥離紙cを部分的に剥離
するピール機構23と、モータ21の動力をトリム機構
(第1負荷部)22およびピール機構(第2負荷部)2
3に伝達するクラッチ機構(クラッチ装置)24と、こ
れらの構成部品を支持するメインフレーム25およびサ
ブフレーム26とを備えている。モータ21は、後述す
るトリムスイッチ61のONにより正回転し、ピールス
イッチ91のONにより逆回転する。そして、モータ2
1の回転動力はクラッチ機構24を介して、トリム機構
22およびピール機構23に分岐して伝達される。その
際、クラッチ機構24はモータ21の正逆回転をトリガ
として断続し、モータ21が正転しているときにはトリ
ム機構22およびピール機構23に動力を伝達し、モー
タ21が逆転しているときにはピール機構23にのみ動
力を伝達する。
【0023】メインフレーム25は、下フレーム部31
と、間隙を存して下フレーム部31に平行に配設した上
フレーム部32と、下フレーム部31および上フレーム
部32を連結する連結フレーム部33と、連結フレーム
部33に平行に配設した背フレーム部34とで構成され
ている。また、サブフレーム26は、下フレーム部31
および上フレーム部32の中間の位置にこれらに平行に
配設されている。そして、モータ21は下フレーム部3
1に支持され、トリム機構22は連結フレーム部33お
よび背フレーム部34に支持され、ピール機構23は下
フレーム部31およびサブフレーム26に支持されてい
る。
【0024】モータ21は、下フレーム部31に下方か
ら取り付けられており、その駆動軸27は下フレーム部
31を貫通して上フレーム部32の近傍まで延びてい
る。そして、この駆動軸27には、クラッチ機構24が
組み込まれている。
【0025】クラッチ機構24は、モータ21の駆動軸
27に固定された入力側クラッチ41と、モータ21の
駆動軸27に回転自在にかつ軸方向に摺動自在に軸支さ
れた出力側クラッチ42とを備えている。入力側クラッ
チ41は駆動軸27の下フレーム部31側に配設され、
ピール機構23に動力を伝達するギヤ部(出力部)43
と、ギヤ部43の端面から上側に突出した入力側フェー
スラチェット44とで一体に形成されている。出力側ク
ラッチ42は駆動軸27の上フレーム部32側に配設さ
れ、トリム機構22に動力を伝達するウォーム45と、
ウォームの端面から下側に突出した出力側フェースラチ
ェット46とで一体に形成されている。また、図示では
省略したがウォーム(出力側クラッチ42)45と駆動
軸27との間には、グリースなどの粘性の高い油脂(軽
係合手段)が介在しており、このグリースにより駆動軸
27の回転に伴ってウォーム(出力側クラッチ42)4
5が連れ回りするようになっている。
【0026】入力側フェースラチェット44と出力側フ
ェースラチェット46とは対向して配設され、両者が接
近して係合(噛み合う)することによりトリム機構22
に動力が伝達され、両者が離間しての係合が解除される
ことにより、トリム機構22への動力が遮断される。具
体的には、入力側フェースラチェット44と出力側フェ
ースラチェット46とが係合している状態で、入力側フ
ェースラチェット44が正転すると、係合状態が維持さ
れて動力の伝達が為され、逆転すると、入力側フェース
ラチェット44により出力側フェースラチェット46が
弾かれて係合状態が解除され、動力の伝達が遮断され
る。
【0027】一方、上記のウォーム45には、トリム機
構22側のアイドルギヤの機能を有するウォームホイー
ル(中間伝達手段)47が噛み合っている。ウォームホ
イール47は、後述するクランクホイール56と一体に
形成されており、連結フレーム部33から上方に延びる
軸部材48に回転自在に軸支されている。また、上フレ
ーム部32には駆動軸27と同軸上にストッパ49が下
向きに突設されており、ストッパ49の小径部はウォー
ム45の上端部に遊挿されている。ストッパ49は、ウ
ォーム45の上方への移動を規制するものであり、これ
により、ウォーム45とウォームホイール47との噛み
合った状態が、常に維持されている。なお、ストッパ4
9の小径部に座金などを装着して、ウォーム45の移動
規制位置を微調整することも可能である。
【0028】このように構成されたクラッチ機構24で
は、モータ21を介して駆動軸27が正転すると、これ
に伴って入力側クラッチ41が正転すると共に、出力側
クラッチ42がグリースの粘性を受けて連れ回りする。
このとき、出力側クラッチ42のウォーム45はウォー
ムホイール47に噛み合っているため、ウォームホイー
ル47を回転させようとするが、逆にトリム機構22の
負荷を受けているウォームホイール47から反力を受け
る。このため、両者のねじ対偶に基づいて、出力側クラ
ッチ(ウォーム45)42は、ゆっくり連れ回りしなが
ら駆動軸27上を下方に移動し、入力側クラッチ41に
突き当たる。入力側クラッチ41に出力側クラッチ42
が突き当たると、入力側フェースラチェット44と出力
側フェースラチェット46とが係合し、入力側クラッチ
41に出力側クラッチ42が接続して、モータ21の回
転動力が、出力側クラッチ42およびウォームホイール
47を介してトリム機構22に伝達される。
【0029】逆に、モータ21を介して駆動軸27が逆
転すると、入力側フェースラチェット44により出力側
フェースラチェット46が弾かれると共に、上記とは逆
に、ウォーム45とウォームホイール47とのねじ対偶
に基づいて、出力側クラッチ(ウォーム45)42は、
ゆっくり連れ回りしながら駆動軸27上を上方に移動
し、ストッパ49に突き当たる。この一連の動作によ
り、入力側クラッチ41から出力側クラッチ42が完全
に離れ、トリム機構22への動力の伝達が遮断される。
一方、ストッパ49に突き当たった出力側クラッチ42
は、グリースの粘性抵抗を受けながら、その連れ回りを
停止する。なお、ピール機構23には、入力側クラッチ
41のギヤ部43により、駆動軸27の正逆回転のいず
れの場合にも動力が伝達される。
【0030】このように、本実施形態のクラッチ機構2
4によれば、入力側フェースラチェット44および出力
側フェースラチェット46から成るクラッチと、ウォー
ム45およびウォームホイール47とから成るウォーム
ギヤとを組み合わせることにより、両フェースラチェッ
ト44,46の断続をモータ21の正逆回転で自動的に
行うことができる。もちろん、従来のように、出力側フ
ェースラチェット46を入力側フェースラチェット44
に押し付けるばねまたは押し棒を用いても、両フェース
ラチェット44,46の断続は可能であるが、ばねを用
いる場合と異なり、遮断の際には両フェースラチェット
44,46は完全に離れており、両フェースラチェット
44,46に生ずる弾発音(騒音)や両フェースラチェ
ット44,46の摩耗を防止することができる。また、
押し棒を用いる場合と異なり、これを作動させる機構を
省略することができる。したがって、簡単な構造で、作
動音を小さくすることができると共に耐久性を向上させ
ることができる。
【0031】また、詳細は後述するが、トリム機構22
は非切断時でもその作動負荷が大きいのに対し、ピール
機構23の作動負荷は極めて小さい。したがって、ピー
ル機構23を剥離動作させるときに、トリム機構22へ
の動力の伝達を遮断することにより、モータの負荷を小
さくすることができる。もっとも、コストアップにはな
るが、ピール機構23側にも、この種のクラッチ機構2
4を設けるようにしてもよい。
【0032】次に、図11および図12を参照して、グ
リースなどの粘性の高い油脂に代わる他の軽係合手段の
変形例について説明する。図11の第1変形例では、ウ
ォーム(出力側クラッチ42)45と駆動軸27との間
に、樹脂のカラー101が介在しており、このカラー1
01の内周面に3個の締め代用突起101a,101
a,101aが形成されている。各締め代用突起101
aは駆動軸27に接触しており、この締め代用突起10
1aにより、駆動軸27の回転に伴ってウォーム(出力
側クラッチ42)45が連れ回りするようになってい
る。
【0033】同様に、第12図の第2変形例では、ウォ
ーム(出力側クラッチ42)45と駆動軸27との間
に、樹脂のカラー102が介在しており、このカラー1
02の内周面に3個のばね片102a,102a,10
2aが一体に形成されている。各ばね片102aは駆動
軸27を軽く付勢するようにこれに接触しており、この
ばね片102aにより、駆動軸27の回転に伴ってウォ
ーム(出力側クラッチ42)45が連れ回りするように
なっている。この場合、金属性のばね片をカラーに別体
として、組み込むようにしてもよい。また、カラー10
1,102自体をウォーム(出力側クラッチ42)45
と一体に形成してもよい。
【0034】なお、上記のクラッチ機構24は、この種
の電子機器の他、ワンウェイクラッチとして各種の機械
装置に適用可能である。
【0035】次に、トリム機構22について説明する。
図3ないし図5に示すように、トリム機構22は、上記
のクラッチ機構24を上側から覆うように配設した平板
状のカッター51と、カッター51を切断動作させるク
ランク機構52とで構成されている。
【0036】カッター51は、固定刃53および可動刃
54から成り、ばね性を有するステンレスなどの薄板を
プレスにより、打抜きおよび曲げ加工して形成されてい
る。具体的には、方形の薄板を、左右一対の切断部(こ
の部分は切り線を入れる)55,55を残して、略
「U」字状の切り抜き、その内側に固定刃53を、外側
に可動刃54を形成するようにしている。固定刃53
は、後部で背フレーム部34の上端面に載置し、前部で
上フレーム部32にねじ止めされている。一方、可動刃
54は、後部中央でクランク機構52に連結されてい
る。
【0037】左右一対の切断部55,55は、これに臨
む印刷用テープTの左右の隅部をアール形状にそれぞれ
切断する部位であり、それぞれ固定刃53に形成した円
弧状の切り刃部55aと、これと相補形状を為す可動刃
54の切り刃部55bとで構成されている。この場合、
可動刃54の各切り刃部55bは上下方向に捻るように
折曲げられており、可動刃54が前端部を支点に上下方
向に切断動作(回動)したときに、この切り刃部55b
が固定刃53の切り刃部55aに対しハサミ様に擦れ合
うようになっている。そして、この左右一対の切断部5
5,55が装置ケース2内において、上記の整形切断用
導入口14に対峙するように配設されている。
【0038】クランク機構52は、図6の背面図に示す
ように、上記のウォームホイール47と一体に形成され
たクランクホイール56と、クランクホイール56の先
端面に突設した偏心ピン57と、この偏心ピン57が係
合する長孔58aを有するスライダ58とで構成されて
いる。スライダ58は、背フレーム部34と、背フレー
ム部34の後方に配設したガイド板59との間に挟ま
れ、かつ背フレーム部34とガイド板59との間に渡し
た2本のガイドピン60,60により、上下方向にスラ
イド自在に案内されている。スライダ58の上部には、
可動刃54の後部が差し込むようにして固定されてお
り、スライダ58が上下方向にスライドすることによ
り、可動刃54が上下方向に切断動作する。
【0039】スライダ58に形成した長孔58aは、左
右方向に延びており、クランクホイール56を介して回
転(公転)する偏心ピン57は、この長孔58a内を左
右方向にスライドしながらスライダ58を上下動させ
る。すなわち、この部分に回転運動を往復直線運動に変
換するクランク機構が構成されている。そして、このよ
うに構成されたトリム機構22には、印刷用テープTを
整形切断用導入口14に挿入したときに、カッター51
を作動させるべくモータ21を正転させるトリムスイッ
チ61が、さらに設けられている。
【0040】トリムスイッチ61は図5に示すように、
整形切断用導入口14の先端に臨む回動アーム62と、
先端部が回動アーム62に当接するスイッチアーム63
と、スイッチアーム63の基部に当接するスイッチ本体
64とで構成されている。回動アーム62は、装置ケー
ス2に回動自在に支持された円柱状の本体62aと、本
体62aの軸方向の中間位置に設けた複数個の受け部6
2bと、本体62aの軸方向の端部に設けた押し部62
cとで構成されており(図3、図4および図6参照)、
この受け部62bが整形切断用導入口14の先端に臨
み、押し部62cがスイッチアーム63の先端に当接し
ている。整形切断用導入口14に印刷用テープTを挿入
すると、印刷用テープTにより受け部62bが押され、
本体62aを中心に押し部62cが回動してスイッチア
ーム63を押し下げる。
【0041】スイッチアーム63は、基端部を装置ケー
ス2に固定した板ばねで構成されており、回動アーム6
2の押し部62cを介して、回動アーム62の受け部6
2bが整形切断用導入口14に臨むように、回動アーム
62を弱く付勢している。待機状態におけるスイッチア
ーム63は、そのばね力で押し部62cを押し上げてお
り、これに当接するスイッチ本体64はOFFしてい
る。一方、押し部62cにより、スイッチアーム63が
そのばね性に抗して押し下げられると、スイッチアーム
63はスイッチ本体64を押してこれをONさせる。
【0042】すなわち、印刷用テープTを整形切断用導
入口14に適切に挿入すると、回動アーム62およびス
イッチアーム63を介してスイッチ本体64がONし、
整形切断用導入口14から引き抜くとスイッチ本体64
がOFFする。そして、スイッチ本体64がONすると
コントローラ(CPU)28を介してモータ21が正転
してカッター51を切断動作させ、OFFするとモータ
21が停止し、カッター51の切断動作を停止させる。
すなわち、印刷用テープTを整形切断用導入口14に挿
入することで、トリム機構22が自動的に作動し、印刷
用テープTの端部をアール形状に整形切断する。
【0043】次に、ピール機構23について説明する。
図3、図4および図6に示すように、ピール機構23
は、上記の入力側クラッチ41のギヤ部43に噛み合う
中間ギヤ71と、中間ギヤ71に噛み合う入力ギヤ72
と、入力ギヤ72と一体に形成されたピールホイール7
3とを備えている。ピールホイール73の上端面には剥
離突起74が設けられ、この剥離突起74がピールホイ
ール73と共に回転することにより、印刷用テープTの
端部を撓みおよび撓み解除動作させる。一方、印刷用テ
ープは、撓みおよび撓み解除動作の繰り返しにより剥離
されるが、この剥離される部分が自由端Taとなるよう
に、剥離用導入口15により保持されている(図8参
照)。
【0044】中間ギヤ71は、下フレーム部31とサブ
フレーム26との間に渡した支軸75に回転自在に支持
され、また一体に形成された入力ギヤ72およびピール
ホイール73は、下フレーム部31から上方に延びる軸
部材76に回転自在に支持されている。ピールホイール
73は、モータ21の正逆回転に伴い両ギヤ71,72
を介して回転するが、モータ21が逆転したときの回転
(図7参照)で印刷用テープTを剥離させる。ここで、
剥離突起74の構造を詳述する前に、回転する剥離突起
74に対峙する剥離用導入口15の構造について説明す
る。
【0045】剥離用導入口15は、装置ケース2に一体
に形成されており、挿入する印刷用テープTの表裏方向
を案内する一対の面ガイド壁81,81と、下側の側辺
を案内する側辺ガイド壁82とを備えている。側辺ガイ
ド壁82は、印刷用テープTがピールホイール73の上
端面に沿って導かれて剥離突起74に臨むように、これ
を案内する。また、一対の面ガイド壁81,81は、図
1および図7に示すように挿入方向に対し略「S」字状
に湾曲しており、これに印刷用テープTを挿入すると、
印刷用テープTが略「S」字状に湾曲すると共に、その
端部(自由端)がピールホイール73のほぼ軸心に向か
って突出し、剥離突起74に臨むようになっている。
【0046】このように、一対の面ガイド壁81,81
が湾曲しているため、これに挿入した印刷用テープT
は、自身の剛性により、剥離突起74に臨む自由端Ta
を残して両面ガイド壁間81,81に突っ張るようにし
て保持される。したがって、特別な挟持部材などを必要
とすることなく、印刷用テープTを保持することができ
ると共に、印刷用テープTの挿入を円滑に行うことがで
きる。また、側辺ガイド壁82に対向する部位、すなわ
ち装置ケース2の上面に相当する部位は開放されてお
り、テープ幅の広狭に拘らず、各種の印刷用テープTの
挿入を許容すると共に、印刷用テープTの上方への引抜
きを許容する(図1参照)。このように、印刷用テープ
Tを上方に引き抜けるようになっているため、剥離後の
印刷用テープTを、湾曲する面ガイド壁81を介して引
き抜く必要がなく、剥離後の剥離紙cが基材テープaに
再貼着するのを、防止することができる。
【0047】なお、実施形態の剥離用導入口15および
剥離突起74の回転方向は、印刷面を手前に向けて印刷
用テープTを挿入することを前提として、設計されてい
る。これは、印刷が為されたテープを扱う場合、ユーザ
ーはその印刷面を視認しながら作業を行うことが一般的
であり、これに倣ったものである。したがって、剥離用
導入口15にはその旨の表示が為され(図示省略)、ユ
ーザーは基材テープa側が手前に、隔離紙c側が先方に
なるように印刷用テープTを立てて、剥離用導入口15
への挿入を行うことになる。これに対し、剥離突起74
は基材テープa側に接触して印刷用テープTを撓ませる
ように回転し(図7参照)、また一対の面ガイド壁8
1,81は全体として、この回転方向とは逆方向に湾曲
している。これにより、剥離突起74は、印刷用テープ
Tに加わる曲げ力に抗してこれを撓ませることになる。
【0048】一方、この実施形態では、印刷用テープT
の端部の隅部(一方ずつ)を撓ませて、この部分を三角
形に剥離するようになっている。このため、一対の面ガ
イド壁81,81のうち、剥離紙c側(回転方向の先
方)の面ガイド壁81の先端に位置して、斜辺部83a
を有する受け部材83が配設されている(図3および図
6参照)。受け部材83の斜辺部83aは、回転する剥
離突起74に対向するようになっており、剥離突起74
の回転に伴って撓む印刷用テープTの自由端Taが三角
形になるように、印刷用テープTを剥離紙c側から受け
ている。これにより、印刷用テープTの端部において、
もっとも剥離し易いその隅部を積極的に剥離できるよう
になっている。
【0049】剥離突起74は、図7に示すように、4個
の短い短突起片77と4個の長い長突起片78とで構成
されており、各短突起片77は、ピールホイール73の
上端面の中央に形成した円形突起79から径方向に延
び、各長突起片78は、短突起片77の基部からこれに
ほぼ直角に延びている。この場合、長突起片78および
短突起片77に臨む印刷用テープTの端部は、ピールホ
イール73の軸心からわずかに偏心した位置に向かって
延在しており、短突起片77は、印刷用テープTの端部
(自由端Ta)に対し先端側から基端側に連続的に回転
接触し、印刷用テープTの自由端Taを先端側から撓ま
せてゆく。同様に、長突起片78はピールホイール73
の上端面において、偏心した位置から略径方向に延びて
おり、印刷用テープTの自由端Taに対し先端側から基
端側に連続的に回転接触し、これを先端側から撓ませて
ゆく。
【0050】ところで、剥離紙cに対する粘着剤bの貼
着力は極めて小さいものあり、基材テープaから剥離紙
cを剥離する場合には、剥離のきっかけとなる部分を作
りこの部分から自由端Taの全域に剥離を広げてゆくこ
とが有効となる。また、三角形の自由端Taは、先端に
近づくほど貼着面積が極端に小さくなって、剥がれ易
い。したがって、印刷用テープTの自由端Taにおい
て、先端側から基端側に向かって撓ませることで、自由
端Taの先端部の剥離を促進することができ、かつ自由
端Taの先端部を短突起片77により、集中的に撓みお
よび撓み解除動作(剥離動作)させることで、剥離のき
っかけとなる部分を作ることができる。さらに、この状
態から、長突起片78による剥離動作で、自由端Taの
全域に剥離が広がって自由端Taにおける剥離紙cが剥
がれる。また同時に、長突起片78は自由端Taのうち
の一方の辺側(印刷用テープTの短辺に相当する部分)
を中心に強く接触し、短突起片77は他方の辺側(印刷
用テープTの長辺に相当する部分)を中心に強く接触し
て、自由端Taの全域を均一に撓ませる。
【0051】このように、剥離突起74を複数の長突起
片78と複数の短突起片77とで構成すると共に、印刷
用テープTに対し先端側から基端側に連続的に回転接触
させるようにしているため、印刷用テープTの剥離を促
進することができる。なお、剥離突起74を複数の長突
起片78のみ、或いは単一の長突起片78のみで構成し
てもよい。
【0052】また、長突起片78および短突起片77
は、印刷用テープTに対する接触面がピールホイール7
3の上端面にそれぞれ直角に形成され、かつ先端が、上
記の受け部材83の斜辺部83aと平行に対峙するよう
にそれぞれ面取りされている(図3および図6参照)。
この場合、印刷用テープTの端部(自由端Ta)に剥離
のための適切な撓みを生じさせるためには、印刷用テー
プTの材質にもよるが、一般的には、印刷用テープTの
厚みを「t」とし、平行に対峙する長突起片78の先端
と斜辺部83aとの間の間隙を「δ」としたときに、 t≦δ≦10t となることが好ましい。これにより、基材テープaの剛
性を剥離に活かすことができると共に、基材テープaに
曲げ癖が生ずるのを防止することができる(詳細は後
述)。
【0053】このように構成されたピール機構23で
は、トリム機構22と同様に、剥離用導入口15に印刷
用テープTを挿入したときに、モータ21を逆転駆動さ
せる必要がある。そこで、実施形態のピール機構23に
は、ピールスイッチ91が設けられている。図3および
図4に示すように、ピールスイッチ91は、ピールホイ
ール73の上方の装置ケース2の内面に回動自在に取り
付けたスイッチアーム92と、スイッチアーム92に当
接するスイッチ本体93とで構成されている。スイッチ
アーム92は略「L」字状に形成されており、先端部
が、剥離用導入口15の湾曲部分に臨み、尾端部がスイ
ッチ本体93に当接している。
【0054】待機状態におけるスイッチアーム92は、
スイッチ本体93に内蔵するばね(図示省略)により押
圧され、先端部が剥離用導入口15の湾曲部分に突出し
ている。この状態から、剥離用導入口15に印刷用テー
プTを挿入すると、スイッチアーム92は印刷用テープ
Tの端部により押されて回動する。スイッチアーム92
が回動すると、内蔵するばねに抗してスイッチ本体93
が押され、ONする。すなわち、印刷用テープTを剥離
用導入口15に挿入すると、スイッチアーム92を介し
てスイッチ本体93がONし、逆に剥離用導入口15か
ら引き抜くとスイッチ本体93がOFFする。そして、
スイッチ本体93がONするとコントローラ(CPU)
28を介してモータ21が逆転し、ピールホイール73
を回転させて剥離突起74を剥離動作させる。
【0055】この場合、挿入した印刷用テープTの先端
が、剥離用導入口15の湾曲部分に達した段階でモータ
21が回転を開始するため、印刷用テープTの先端が剥
離突起(の回転軌跡内)74の位置まで達したときに
は、剥離突起74は既に回転していることになる。した
がって、印刷用テープTの端部が剥離突起74側に深く
挿入されるまでに、印刷用テープTの端部(自由端T
a)は、先端側から長短両突起片77,78により繰り
返し剥離動作を受けることになる。したがって、この構
造によっても、自由端Taにおける剥離紙cの剥離が促
進される。
【0056】具体的には、印刷用テープTの自由端Ta
は、その先端から長突起片78の回転軌跡内に入り込ん
でゆき、深く挿入されるまでの間に、長突起片78(短
突起片77)から繰り返し剥離動作を受ける。このた
め、挿入当初は、剥がれ易い自由端Taの先端部に剥離
動作を受け、剥離のきっかけを生ずる。そして、このき
っかけ部分から自由端Taの全域に剥離が進むことにな
る。この結果、図13(a)のように、湾曲するように
して剥離紙cが剥離する。一方、印刷用テープTを長突
起片78の回転軌跡内に挿入してから長突起片78(短
突起片77)を回転させると、図13(b)のように、
屈曲するようにして剥離紙cが剥離するが、かかる場合
には、剥離のきっかけが生じないため、剥離性はやや劣
る。
【0057】なお、ピールスイッチ91は光センサなど
で構成してもよい。また、ピールスイッチ91は、印刷
用テープTの自由端Taが長突起片78の回転軌跡内に
入り込んむ前に、これを回転させる構成であれば、その
位置や構造は問わない。
【0058】次に、図8および図9を参照して、剥離突
起74による印刷用テープTの剥離動作について、長突
起片78を例に更に詳細に説明する。図8に示すよう
に、印刷用テープTは自由端Taを残して剥離用導入口
15の両面ガイド壁81,812および受け部材83に
保持され、これに長突起片78が回転接触してゆく。長
突起片78は、上述したように、印刷用テープTの基材
テープa側に接触してこれを撓ませてゆく。このため、
印刷用テープTの自由端Taは、基材テープa側を外側
とし、剥離紙c側を内側して撓む。この自由端Taの撓
みでは、図9に示すように、これを受ける受け部材83
の斜辺部83aを中心に曲げられるため、基材テープa
は曲率半径(R)が大きく、剥離紙cは曲率半径(R)
が小さく曲げられる。このため、曲げが進むに従って粘
着剤bと剥離紙cとの間で層間滑りが生じ、粘着剤bの
剥離紙cに対する貼着力が極端に低下する。
【0059】さらに、自由端Taの曲げが最大限に達し
た後、長突起片78の先端は、自由端Taの先端をなぞ
るようにして離れ、自由端Taは跳ね上がるようにして
元の状態に復帰する。その際、上記の層間滑りにより、
基材テープaに対し剥離紙cが突出した状態になってお
り、長突起片78の先端は先ず基材テープaから離れ、
続いて剥離紙cから離れる。長突起片78の先端が基材
テープaから離れると、基材テープaは自身のばね力に
より、また粘着剤bの剥離紙cに対する貼着力に抗し
て、元の直線状態に戻ろうとする。このとき、基材テー
プaのばね力が、層間滑りで弱まった粘着剤bの貼着力
に勝てば、基材テープaから剥離紙cが剥離する。剥離
しない場合でも、粘着剤bの貼着力は更に弱まるため、
この剥離動作の繰り返してにより、基材テープaから剥
離紙cが剥離する。
【0060】一方、長突起片78が基材テープaから離
れた後、剥離紙cから離れるまでに、剥離紙cは、基材
テープaよりわずかに突出している分、更に深く折り曲
げられることになる。ところで、長突起片78による印
刷用テープTの自由端Taの曲げ(撓み)は、基材テー
プaにとっては弾性変形の限度内となるように、剥離紙
cにとっては永久変形の領域に達するように、設定され
ている。したがって、長突起片78による撓みが解除さ
れた状態では、図10に示すように、基材テープaは元
の直線状態に戻るが、剥離紙cは直線状態に戻ることな
く、曲げ癖が付いた状態となる。したがって、一旦曲が
って剥がれた剥離紙cが、再度は基材テープ(の粘着剤
b)aに貼着することがなく、剥離紙cの剥離が完全な
ものになる。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明のクラッチ装置によ
れば、クラッチとウォームギヤを組み合わせることによ
り、駆動軸の正逆回転により動力の断続を自動的に行う
ことができると共に、動力遮断時の騒音を防止すること
ができる。したがって、低コストで静かなクラッチを構
成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るテープ印刷装置の外
観斜視図である。
【図2】実施形態に係るテープ印刷装置の平面図であ
る。
【図3】テープ印刷装置の内蔵するテープ処理装置の正
面図である。
【図4】テープ印刷装置の内蔵するテープ処理装置の平
面図である。
【図5】テープ印刷装置の内蔵するテープ処理装置の右
側面図である。
【図6】テープ印刷装置の内蔵するテープ処理装置の背
面図である。
【図7】テープ処理装置の剥離突起と剥離用導入口との
関係を表した平面図である。
【図8】印刷用テープの剥離動作を表した平面図であ
る。
【図9】印刷用テープの剥離動作を表した拡大平面図で
ある。
【図10】テープ処理装置によって印刷用テープから剥
離紙が剥離した状態を示す斜視図である。
【図11】軽係合手段の第1変形例を示すウォーム廻り
の拡大断面図である。
【図12】軽係合手段の第2変形例を示すウォーム廻り
の拡大断面図である。
【図13】印刷用テープの2つの剥離形態を表した平面
図である。
【符号の説明】
1 テープ印刷装置 12 テープ処理装置 21 モータ 22 トリム機構 23 ピール機構 24 クラッチ機構 27 駆動軸 41 入力側クラッチ 42 出力側クラッチ 43 ギヤ部 44 入力側フェースラチェット 45 ウォーム 46 出力側フェースラチェット 47 ウォームホイール 49 ストッパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−175173(JP,A) 特開 平3−272880(JP,A) 特開 平7−71491(JP,A) 実開 平2−17959(JP,U) 実開 昭55−142723(JP,U) 実開 昭59−37459(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 7/02 - 7/04 F16H 35/00 B41J 23/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動源により正逆回転する駆動軸と、当
    該駆動軸に固定した入力側クラッチと、 前記駆動軸に回転自在にかつ軸方向に摺動自在に軸支さ
    れると共に、前記入力側クラッチに係合し、前記入力側
    クラッチと協働して一方向にのみ回転動力を伝達する出
    力側クラッチと、 当該出力側クラッチから第1負荷部に回転動力を伝達す
    る中間伝達手段とを備え、前記入力側クラッチは、第2負荷部に回転動力を伝達す
    る出力部を有し、 前記出力側クラッチは出力側にウォームを有し、前記中
    間伝達手段は入力側に前記ウォームに噛み合うウォーム
    ホイールを有し、 前記駆動軸と前記ウォームとの間には、当該ウォームを
    当該駆動軸に連れ回りさせる軽係合手段が介在している
    ことを特徴とするクラッチ装置。
  2. 【請求項2】 駆動源により正逆回転する駆動軸と、当
    該駆動軸に固定した入力側クラッチと、 前記駆動軸に回転自在にかつ軸方向に摺動自在に軸支さ
    れると共に、前記入力側クラッチに係合し、前記入力側
    クラッチと協働して一方向にのみ回転動力を伝達する出
    力側クラッチと、 当該出力側クラッチから第1負荷部に回転動力を伝達す
    る中間伝達手段とを備え、 前記出力側クラッチは出力側にウォームを有し、前記中
    間伝達手段は入力側に前記ウォームに噛み合うウォーム
    ホイールを有し、 前記駆動軸と前記ウォームとの間には、当該ウォームを
    当該駆動軸に連れ回りさせる軽係合手段が介在し、 前記入力側クラッチと前記出力側クラッチとの係合を解
    除した状態で、前記ウォームと前記ウォームホイールと
    の噛み合いを保持するように前記ウォームの軸方向の移
    動を規制するストッパが設けられていることを特徴とす
    るクラッチ装置。
  3. 【請求項3】 前記入力側クラッチの前記第1負荷部側
    の出力端と前記出力側クラッチの入力端とが、一組のフ
    ェースラチェットで構成されていることを特徴とする
    求項1又は2に記載のクラッチ装置。
  4. 【請求項4】 前記軽係合手段が粘性剤であることを特
    徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のクラッチ
    装置。
  5. 【請求項5】 前記粘性剤が油脂で構成されていること
    を特徴とする請求項4に記載のクラッチ装置。
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