JP2018150160A - テープカッター - Google Patents
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Abstract
【課題】テープを一定の長さだけ送り出して切断し対象物に貼付するという一連の動作をユーザの一回の操作により確実に実行できるテープカッターを提供する。【解決手段】本体20と、テープ13がロール状に巻き付けられたテープ巻体11を収容するよう本体20に設けられたテープ収容部10と、テープ収容部10に収容されたテープ巻体11から引き出したテープ13を本体20に設けられた開口部26から送り出す送出部40と、開口部26の近傍に設けられ、カッター52を有するカット部50と、送出部40およびカット部50を作動させるカム機構30と、を備え、カム機構30が本体20に対してスライドすることにより、送出部40によってテープ13が開口部26から送り出されるとともに、カット部50によってカッター52が開口部26を塞ぐように移動してテープ13が所望の位置で切断されて押し出される。【選択図】図1
Description
本発明は、テープを切断するテープカッターに関する。
従来、印刷物、写真、新聞の切り抜きなどの貼り付けたい物を、ノート、壁面などの平らな対象物に貼り付ける場合、両面または片面粘着テープが用いられている。粘着テープで貼り付ける場合、ロール状に巻かれた粘着テープから所望の長さだけ粘着テープを引き出し、切断し、切断した粘着テープ部分を対象物に貼付するという各作業を順に行う必要がある。従来、ユーザは両手を用いてこれらの作業を個別の動作で行なっていた。
そこで、粘着テープに対する上記の各作業を片手で行うことができるテープカッターが開発されてきた。例えば、ロール状に巻かれた粘着テープから一定の長さの粘着テープ部分を送り出し、切断して対象物に貼付するという一連の作業が可能なテープカッターが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図12(a)に示すように、特許文献1には、ロール状に巻かれた粘着テープ109から一定の長さの粘着テープ部分を切り離すために粘着テープ109を切断するように構成された切断装置112と、切断した粘着テープ部分を対象物に押圧するように構成されたスタンプ装置111と、を備えた粘着テープスタンプ100が開示されている。スタンプ装置111は、スタンププレート111aと2つのクランプ110a、110bとを有し、粘着テープ109の自由端がスタンププレート111aの一端面に2つのクランプ110a、110bによってクランプされた状態で、図12(b)に示すように、スタンププレート111aを回転させて対象物に粘着テープ部分を押圧し貼付するように構成されている。
しかしながら、特許文献1に記載のものにあっては、粘着テープ109の端部をスタンププレート111aの狭い端面にクランプ110a、110bで固定した状態で90°以上回転させて対象物上に押圧するので、回転の途中で粘着テープが外れる懸念があった。特に、一方の面に剥離紙が貼られた腰のつよい両面粘着テープの場合には、スタンププレート111aの回転に伴って粘着テープを帯同するのが困難であった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、テープを一定の長さだけ送り出して切断し対象物に貼付するという一連の動作をユーザの一回の操作により確実に実行できるテープカッターを提供することを目的とする。
本発明に係るテープカッターは、上記目的達成のため、本体と、テープがロール状に巻き付けられたテープ巻体を収容するよう前記本体に設けられたテープ収容部と、前記テープ収容部に収容された前記テープ巻体から引き出した前記テープを前記本体に設けられた開口部から送り出す送出部と、前記開口部の近傍に設けられ、カッターを有するカット部と、前記送出部および前記カット部を作動させるカム機構と、を備え、前記カム機構が前記本体に対してスライドすることにより、前記送出部によって前記テープが前記開口部から送り出されるとともに、前記カット部によって前記カッターが前記開口部を塞ぐように移動して前記テープが所望の位置で切断されて押し出されることを特徴とする。
上述のように、本発明に係るテープカッターは、カム機構が本体に対してスライドすることにより、送出部によってテープが開口部から送り出されるとともに、カット部によってカッターが開口部を塞ぐように移動してテープが所望の位置で切断されて押し出される構成としている。このように、カム機構のスライドにより送出部、カット部を駆動することにより、開口部から引き出された一定長のテープ部分を開口部のところで切断して対象物に対して押し出すようにしている。これにより、特許文献1に記載のように一定の長さ分を確保するために粘着テープをスタンププレートに巻き付ける必要がなくなった。
したがって、テープを一定の長さだけ送り出して切断し対象物に貼付するという一連の動作をユーザの一回の操作により確実に実行するという目的を達成することができる。
また、本発明に係る前記送出部は、一方向に回転可能なローラを備え、前記ローラの外周面に前記テープの粘着面が粘着した状態で前記ローラが回転した後、前記テープの前記粘着面が前記ローラの前記外周面から剥離することで前記テープを送り出す構成としてもよい。
この構成により、テープの粘着力を利用して送り出しを行っているので、特許文献1に記載のようなテープを固定するためのクランプが不要となり、簡単な構成でテープの送り出しを行うことができる。
また、本発明は、前記ローラの前記外周面にシリコンチューブが被せられた構成としてもよい。
この構成により、送出部によりテープを送り出す際に、ローラの外周面に一時的に粘着したテープを該外周面から容易に剥離することができる。
また、本発明では、前記カット部は、一端が前記カッターに連結されかつ他端が前記本体に軸支されたリンクをさらに備え、前記カム機構が前記本体に対してスライドすることにより、前記リンクによって前記カッターを移動させる構成としてもよい。
この構成により、ユーザのスタンプ動作によりカット部のカッターをスタンプ方向(例えば、対象物の表面に垂直な方向)とは異なる方向(例えば、対象物の表面に平行な方向)に移動させることができる。
また、本発明に係る前記カッターは、前記カム機構の前記本体に対する1往復のスライド移動により、前記開口部を塞ぐように移動する動作を2回行う構成としてもよい。
この構成により、開口部を塞ぐように移動する1回目のカッター動作によりテープを切断し、それに続いて開口部を塞ぐように移動する2回目のカッター動作により、切断されたテープ端部が本体の開口部の方向を向くように整えること(テープ慣らし)ができる。
また、本発明は、前記カッターが前記テープを切断するとき前記テープの切断箇所の近傍を固定するテープ押え部をさらに備えてもよい。
この構成により、カッターによるテープの切断をより確実に実行することができる。
また、本発明は、前記送出部と前記開口部との間に設けられ、前記テープを前記開口部に案内するテープガイド部をさらに備える構成としてもよい。
この構成により、テープをより確実に本体の開口部に案内することができる。特に、送出部がローラの外周面にテープの粘着面を粘着した状態で回転することによりテープ送りを行う構成において、ローラ外周面に粘着したテープをより確実に剥離することができる。
また、本発明に係る前記カム機構の前記本体に対するスライド方向は、切断した前記テープを押し出す前記本体の底面に垂直な方向に対して傾斜していてもよい。
この構成により、テープのカールによる貼付ミスを効果的に防止することができる。
本発明によれば、テープを一定の長さだけ送り出して切断し対象物に貼付するという一連の動作をユーザの一回の操作により確実に実行できるテープカッターを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
本実施の形態に係るテープカッター1は、ユーザの1回の操作(スタンプ動作)によって、テープ13を一定の長さだけ送り出し、切断し、対象物60(例えば、紙、シート、プレートなど)に貼付するためのものである。ここで、1回の操作であるスタンプ動作とは、テープカッター1を対象物に押し付けるユーザの一動作である。
図1および図2に示すように、本実施の形態に係るテープカッター1は、本体20と、テープ収容部10と、送出部40と、カット部50と、カム機構30とを備えている。以下、各部について詳細に説明する。
(本体)
図1および図2に示すように、本体20は、テープカッター1の各部品およびテープ巻体11を収容するものであり、上カバー21aおよび下カバー21bで覆われて1つのケースを形成するようになっている。また、本体20は、テープ巻体11から引き出したテープ13を開口部26に案内するためのガイド29や、コイルバネ35の上端部を取り付けるための柱状のバネ取付部35aなども有している。
図1および図2に示すように、本体20は、テープカッター1の各部品およびテープ巻体11を収容するものであり、上カバー21aおよび下カバー21bで覆われて1つのケースを形成するようになっている。また、本体20は、テープ巻体11から引き出したテープ13を開口部26に案内するためのガイド29や、コイルバネ35の上端部を取り付けるための柱状のバネ取付部35aなども有している。
上カバー21aは、テープ巻体11が脱落するのを防止するとともに、テープカッター1内でテープ13が搬送される際に蛇行するのを防止する機能を有している。
下カバー21bは、カッター52にユーザの指が触れないように、カッター52が移動する範囲を覆うとともに、カッター52の移動に関わる部品(カッター駆動リンク51など)の取り付け用ベースとなっている。下カバー21bはまた、プルローラ42の脱落を防止する機能を有するとともに、プルローラ42の回転に関わる部品(プルローラ駆動部41など)の取り付け用ベースとなっている。
(テープ収容部)
図1に示すように、テープ収容部10は、テープ13がテープコア12を中心にロール状に巻き付けられたテープ巻体11を収容するように、本体20の上部に設けられたものである。具体的には、テープ収容部10は、テープ巻体11を収容可能なスペースと、テープ巻体11のテープコア12を回転自在に取り付けるための円筒状のテープ巻体取付部22とを有している。
図1に示すように、テープ収容部10は、テープ13がテープコア12を中心にロール状に巻き付けられたテープ巻体11を収容するように、本体20の上部に設けられたものである。具体的には、テープ収容部10は、テープ巻体11を収容可能なスペースと、テープ巻体11のテープコア12を回転自在に取り付けるための円筒状のテープ巻体取付部22とを有している。
本実施の形態に係るテープカッター1に用いるテープ13は、基材の両面に粘着層が形成され、一方の粘着層に剥離紙が貼付されている両面粘着テープであるが、これに限定されるものではない。使用するテープ13は、基材の片面にだけ粘着層が形成された片面粘着テープであってもよい。
(送出部)
送出部40は、後で詳細に説明するように、テープ収容部10に収容されたテープ巻体11から引き出したテープ13を本体20に設けられた開口部26から送り出すようになっている。図2に示すように、この送出部40は、一定角度回転することにより一定長さのテープ13を送り出すよう構成されたプルローラ42と、プルローラ42を回転駆動するプルローラ駆動部41とを有している。
送出部40は、後で詳細に説明するように、テープ収容部10に収容されたテープ巻体11から引き出したテープ13を本体20に設けられた開口部26から送り出すようになっている。図2に示すように、この送出部40は、一定角度回転することにより一定長さのテープ13を送り出すよう構成されたプルローラ42と、プルローラ42を回転駆動するプルローラ駆動部41とを有している。
具体的には、説明のために内部構造が描かれた図3に示すように、プルローラ42は、一方向に回転可能なローラであり、ローラ外周面にテープ13の粘着面が粘着した状態でプルローラ42が回転した後、テープ13の粘着面がローラ外周面から剥離することでテープ13を送り出すようになっている。一時的に粘着したテープ13をローラ外周面から容易に引き離すことができるように、プルローラ42のローラ外周面には、シリコンチューブ43が装着されている。すなわち、シリコンチューブ43は、送り出されているテープ13の粘着面と接触して、送り出しに必要な適切な摩擦力を与えるとともに、適切な剥離性を付与するようになっている。
プルローラ駆動部41は、プルローラ駆動ピン41aをカム機構30により作動させることにより、本体20のスタンプ動作(すなわち上下往復運動)を、プルローラ42の回転運動に変換するものである。プルローラ42とプルローラ駆動部41は、図3(a)に示すようなラチェット機構を介して係合しており、プルローラ42を一方向にのみ回転させるようになっている。
図3(b)は、図3(a)のA部を模式的に例示するものであり、プルローラ42側の歯42aの傾斜面角度を45°とし、プルローラ駆動部41側の爪41bの傾斜面角度を30°としている。このようなラチェット構成により、プルローラ42は、同図右方向には回転できるが、同図左方向には回転できないようになっている。上記傾斜面角度は例示であり、ラチェット機構が実現できるならば他の任意の角度を採用できる。
(テープガイド部)
図1に示すように、本実施の形態に係るテープカッター1は、送出部40と開口部26との間に、送出部40により送り出されるテープ13を開口部26に案内するテープガイド部44をさらに備えている。このテープガイド部44は、テープ13をカッター52で切断する際にテープ13の粘着面が接する座となるものである。具体的には、図6に示すように、テープガイド部44は、ガイド板44aとガイド部用シリコンチューブ45とを有している。このガイド部用シリコンチューブ45は、テープガイド部44においてテープ13の粘着面が接触する箇所に装着され、テープ切断時に必要とされる適切な保持力を与えるとともに、適切な剥離性を付与するものである。
図1に示すように、本実施の形態に係るテープカッター1は、送出部40と開口部26との間に、送出部40により送り出されるテープ13を開口部26に案内するテープガイド部44をさらに備えている。このテープガイド部44は、テープ13をカッター52で切断する際にテープ13の粘着面が接する座となるものである。具体的には、図6に示すように、テープガイド部44は、ガイド板44aとガイド部用シリコンチューブ45とを有している。このガイド部用シリコンチューブ45は、テープガイド部44においてテープ13の粘着面が接触する箇所に装着され、テープ切断時に必要とされる適切な保持力を与えるとともに、適切な剥離性を付与するものである。
(カット部)
図1および図2に示すように、カット部50は本体20の開口部26の近傍に設けられ、カッター52とカッター駆動リンク51とテープ押え部53とを有している。
図1および図2に示すように、カット部50は本体20の開口部26の近傍に設けられ、カッター52とカッター駆動リンク51とテープ押え部53とを有している。
図2に示すように、カッター52は、同形状のものを2枚表裏合わせて構成され、先端が三角形状に尖っており、各種テープを容易に切断できるようになっている。
図4に示すように、カッター駆動リンク51は、一端がカット部50のカッター52およびテープ押え部53に連結され、他端が回転軸部51cにより本体20に回転自在に軸支されている。この回転の際、カッター駆動リンク51に設けられたカッター駆動ピン51aが、本体20に形成されたカッター駆動ピンガイド溝28にガイドされるようになっている。カッター駆動リンク51は、カッター駆動ピン51aをカム機構30により作動させることにより、本体20のスタンプ動作(上下運動)を、カッター52およびテープ押え部53の水平運動に変換するものである。
図4に示すように、テープ押え部53は、カッター52の下に配置され、上方に突出した突出部53aを有している。この突出部53aに、リンクバネ部51bの下端部が接触している。リンクバネ部51bの上端部は、カッター駆動リンク51の上端部に連結されており、カッター駆動リンク51が同図右側に旋回する際、リンクバネ部51bの下端部がテープ押え部53の突出部53aを右側に押すことにより、テープ押え部53が右方向に移動するようになっている。そして、テープ押え部53は、カッター52がテープ13を切断する際にテープ13の切断箇所の近傍を固定するようになっている。テープ押え部53は、スライドするカッター52の摺動座およびカッター52の安全カバーの機能を有している。
(カム機構)
図2に示すように、カム機構30は、カム機構本体部31とカムカバー38とを有しており、カム機構30により送出部40およびカット部50を作動させるようになっている。具体的には、カム機構30が本体20に対して相対的にスライドすることにより、送出部40によってテープ13が開口部26から送り出されるとともに、カット部50によってカッター52を開口部26を塞ぐように移動してテープ13が所望の位置で切断されて押し出されるようになっている。ここで、相対的にスライドするとは、本体20とカム機構30の一方または両方の移動により、本体20に対するカム機構30の相対位置がスライドすることをいう。以下では、相対的なスライドを単にスライドとも称する
図2に示すように、カム機構30は、カム機構本体部31とカムカバー38とを有しており、カム機構30により送出部40およびカット部50を作動させるようになっている。具体的には、カム機構30が本体20に対して相対的にスライドすることにより、送出部40によってテープ13が開口部26から送り出されるとともに、カット部50によってカッター52を開口部26を塞ぐように移動してテープ13が所望の位置で切断されて押し出されるようになっている。ここで、相対的にスライドするとは、本体20とカム機構30の一方または両方の移動により、本体20に対するカム機構30の相対位置がスライドすることをいう。以下では、相対的なスライドを単にスライドとも称する
図5(a)に示すように、カム機構本体部31は、本体20に対するカム機構30の相対的な上下スライド往復運動を送出部40およびカット部50の周期的な動作に変換するために、送出部駆動用溝32とカット部駆動用溝33とスライドガイド溝37とを備えている。送出部駆動用溝32は、略L字状の溝であり、同図略横に延びる溝長の短い横溝部32aと、同図略縦に延びる溝長の長い縦溝部32bとを有している。カット部駆動用溝33は、同図略縦に延びる第1溝部33aと、同図右方に傾斜した第2溝部33bおよび第3溝部33cとを有している。
送出部駆動用溝32によりガイドされてプルローラ駆動ピン41aが移動することにより、プルローラ42が所定角度だけ回転してテープ13の送り出しの動作を行うようになっている。また、カット部駆動用溝33によりガイドされてカッター駆動ピン51aが移動することにより、カッター52およびテープ押え部53が移動動作を行うようになっている。スライドガイド溝37は、図5(a)において略縦方向に真っ直ぐに延びて形成され、本体20の外面に形成されたピンのスライド移動をガイドするようになっている。これにより、カム機構30が本体20に対して安定してスライド移動できるようになっている。
図5(b)に示すように、カムカバー38は、カム機構本体部31と協働して、本体20に対するカム機構30の相対的な上下スライド往復運動を送出部40およびカット部50の周期的な動作に変換するために、カット部駆動用溝39(39a、39b、39c)とスライドガイド溝39d、39eとを備えている。
カム機構本体部31の凹状のバネ収容部34bには柱状のバネ取付部35bが設けられ、本体20の凹状のバネ収容部34aにも柱状のバネ取付部35aが設けられている。コイルバネ35の一端部がカム機構本体部31側のバネ取付部35bに嵌められ、他端部が本体20側のバネ取付部35aに嵌められており、本体20とカム機構本体部31とを弾力的に連結している。これにより、スタンプ動作によりカム機構本体部31が本体20側にスライドした際、コイルバネ35による反発力によってカム機構本体部31を元の位置に戻すように復元力が働くようになっている。
カム機構30の本体20に対するスライド方向は、図1に示すように、開口部26を含む本体20の底面に垂直な方向に対して傾斜している。この底面は、切断したテープ13を対象物60に押し出す機能を有している。上記の傾斜角度は、例えば、5〜15°程度とするのが好ましい。このように傾斜させることにより、テープ13のカールによる貼付ミスを効果的に防止することができる。もちろん、傾斜角度を0°、すなわち対象物60に対して垂直方向にスタンプ動作を行うように構成してもよい。
図7は、テープカッター1の本体20の底部の構成を示している。本体20と下カバー21bとが組み合わされて、テープ13を引き出すための開口部26が形成されている。また、開口部26に隣接して本体20の底部には平らな押圧部26aが設けられている。ユーザのスタンプ動作に従って、カット部50のカッター52により所定長さに切断されたテープ部分は、さらに、この押圧部26aにより対象物60に向けて押し出されることで、該テープ部分を対象物に押圧し貼付するようになっている。また、この押圧部26aには、テープ部分の貼付を容易にするように弾性パッドを装着してもよい。具体的には、例えば、弾性のある素材を、両面テープで本体20および下カバー21bの底部に貼り付けるようにしてもよい。
次に、本実施の形態に係るテープカッター1の動作について説明する。
図8(a)は、ユーザがスタンプ動作を開始する前の初期状態を示す。初期状態では、コイルバネ35の反発力によって、カム機構30が下方に押し下げられており、カッター52およびテープ押え部53は同図左方向に待機し、テープ13の出口である開口部26は全開となっている。テープ13は、同図右側の側面に粘着面が形成されており、同図左側の側面に剥離紙が貼付されている。
具体的には、図9(a)に示すように、プルローラ駆動ピン41aが、送出部駆動用溝32の横溝部32aに位置し、カッター駆動ピン51aが、カット部駆動用溝33の第1溝部33aの上端に位置している。
また、図4に示すように、カッター駆動リンク51は、回転軸部51cを中心に同図左方向に回転した位置にあり、このため、カッター52およびテープ押え部53も左側に位置し、開口部26は全開となっている。
次に、図8(b)は、テープ13の送り出し工程を示す。送り出し工程では、カム機構30をスライドさせつつ本体20を押し下げることにより、カム機構30を介してプルローラ駆動部41が回転してプルローラ42およびプルローラ42に装着されたシリコンチューブ43が一定角度回転する。このとき、シリコンチューブ43の外周面にテープ13の粘着面が粘着した状態で回転するので、回転角度分だけテープ13が送り出される。
具体的には、図9(b)に示すように、送り出し工程では、プルローラ駆動ピン41aは、送出部駆動用溝32の横溝部32aに位置し、一方、カッター駆動ピン51aは、カット部駆動用溝33の第1溝部33aの中途に位置している。すなわち、プルローラ駆動部41が回転している間、カッター52は元の位置に停止したままである。
次に、図8(c)は、テープ13の押え込み工程を示す。押え込み工程では、プルローラ駆動部41の回転が停止後、カム機構30によりカッター駆動リンク51が回転し、それに連結されたカッター52およびテープ押え部53が同図右方向へ移動する。そして、テープ押え部53が開口部26の近傍でテープ13を押え込んで固定するとともに、テープ13の粘着面側が下方を向くように強制する。押え込み工程では、このときテープ13の出口である開口部26は全閉となる。
具体的には、図9(c)に示すように、押え込み工程では、プルローラ駆動ピン41aは、送出部駆動用溝32の縦溝部32bに位置し、一方、カッター駆動ピン51aは、カット部駆動用溝33の第2溝部33bの中途に位置している。
また、図10(a)に示すように、カッター駆動リンク51は、回転軸部51cを中心に同図右方向に回転し、テープ押え部53の先端が、本体20側のテープ押え止め部27に係止している。このため、テープ押え部53の先端とテープ押え止め部27とによって、開口部26の近傍でテープ13を挟持することができるようになっている。
次に、図8(d)は、テープ13の切断工程を示す。切断工程では、テープ押え部53が本体20のテープ押え止め部27に接触して停止後、さらにカム機構30をスライドさせつつ本体20が押し下げられ、図10(b)に示すように、カッター駆動リンク51が最大位置まで同図右方向に回転するとともに、カッター52が同図右方向へ移動してテープ13を切断する。このとき、切断されたテープ部分は粘着面側を下方に向けたまま本体20に貼り付き待機する。
次に、図8(e)は、テープ貼付工程を示す。テープ貼付工程では、カム機構30をスライドさせつつ本体20が最大まで押し下げられ、カッター駆動リンク51が同図左方向へ回転し、テープ出口である開口部26は半開となる。このため、テープ切断後に本体20の内部に残るテープ13は開口部26から露出し難くなっている。そして、待機状態にある切断されたテープ部分が対象物60に押し付けられて圧着される。
次に、図8(f)は、テープ慣らし工程を示す。テープ慣らし工程では、テープ貼付工程の後、コイルバネ35の反発力により本体20が上方へ戻るのと同時に本体20に貼り付いていたテープ13が引き剥がされ、対象物60側に貼付される。さらに、本体20が上方へ移動すると、再度カッター駆動リンク51が同図右方向へ回転して開口部26が全閉となる。この動作により本体20の内部に残るテープ13の切断位置が慣らされ、次にテープ13が送り出される際のテープ詰まりを防止する。
その後、さらに本体20が上方へ移動すると、図8(a)の初期状態に復帰する。復帰する際、プルローラ駆動部41は図8(b)のテープ送り出し工程とは逆方向に回転するが、ラチェット機構により空転するため、プルローラ42は回転しない。
その後、さらに本体20が上方へ移動すると、図8(a)の初期状態に復帰する。復帰する際、プルローラ駆動部41は図8(b)のテープ送り出し工程とは逆方向に回転するが、ラチェット機構により空転するため、プルローラ42は回転しない。
図11は、ユーザがテープカッター1のカム機構30をスライドさせつつ本体20を押し下げて元の状態に復帰するまでの1回のスタンプ動作における各部の動作タイミングを表した図である。図11には長さや角度など具体的な数値が記載されているが、本実施の形態に係るテープカッター1は、これらの数値に限定されるものではない。
図11において、A図は、例としてストローク約30mmの1回のスタンプ動作を示している。
図11において、A図は、例としてストローク約30mmの1回のスタンプ動作を示している。
B図は、スタンプ動作において送出部40により送り出されるテープ13の長さを示す。B図では1回のスタンプ動作で、テープ13が約15mm送り出されている。実際には、プルローラ42とテープ粘着面との滑りや、テープガイド部44等への接触による抵抗が発生するため、若干変動して、例えば、テープ送り長さが約14mm(公差:+2mm、−4mm)などとなる。
C図は、スタンプ動作におけるプルローラ駆動部41の回転角度を示す。1回のスタンプ動作で、プルローラ駆動部41が約80°回転している。
D図は、スタンプ動作におけるテープ押え部53の位置を示す。テープ押え部53の位置は、図4に示すようにテープ押え部53が同図左側にあるときを基準(0mm)とし、右方向に移動した地点までの基準からの距離で示している。
E図は、スタンプ動作におけるカッター52の位置を示す。カッター52の位置は、図4に示すようにカッター52が同図左側にあるときを基準(0mm)とし、右方向に移動した地点までの基準からの距離で示している。1回のスタンプ動作で、カッター52は2往復している。すなわち、カッター52は、カム機構30の本体20に対する1往復のスライド移動により、開口部26を塞ぐように移動する動作を2回行う。カッター52の1回目の往復移動によりテープ13を切断し、2回目の往復移動によりテープ慣らしを行っている。
次に、作用・効果について説明する。
本発明の実施の形態に係るテープカッター1は、カム機構30が本体20に対してスライドすることにより、送出部40によってテープ13が開口部26から送り出されるとともに、カット部50によってカッター52が開口部26を塞ぐように移動してテープ13が所望の位置で切断されて押し出される構成としている。このように、カム機構30のスライドにより送出部40、カット部50を駆動することにより、開口部26から引き出された一定長のテープ部分を開口部26のところで切断して対象物60に対して押し出すようにしている。これにより、特許文献1に記載のように一定の長さ分を確保するために粘着テープをスタンププレートに巻き付ける必要がなくなった。
したがって、テープを一定の長さ分だけ送り出して切断し対象物に貼付するという一連の動作をユーザの一回の操作により確実に実行することができる。
また、本発明の実施の形態に係る送出部40は、一方向に回転可能なプルローラ42を備え、プルローラ42の外周面にテープ13の粘着面の一部が一時的に粘着した状態でプルローラ42が回転した後、テープ13の粘着面がプルローラ42の外周面から剥離することでテープ13を送り出す構成である。この構成により、テープ13の粘着力を利用して送り出しを行っているので、テープ13を保持するためのクランプ等が不要となり、簡単な構成でテープ13の送り出しを行うことができる。
また、本発明の実施の形態では、プルローラ42の外周面にシリコンチューブ43が被せられた構成である。この構成により、送出部40によりテープ13を送り出す際に、プルローラ42の外周面に一時的に粘着したテープ13を該外周面から容易に剥離することができる。
また、本発明の実施の形態に係るカット部50は、一端がカッター52に連結されかつ他端が本体20に軸支されたカッター駆動リンク51をさらに備え、カム機構30が本体20に対してスライドすることにより、カッター駆動リンク51によってカッター52を移動させる構成である。この構成により、ユーザのスタンプ操作によりカット部50のカッター52をスタンプ方向(例えば、対象物60の表面に垂直な方向)とは異なる方向(例えば、対象物60の表面に平行な方向)に移動させることが容易に実現できる。
また、本発明の実施の形態に係るカッター52は、カム機構30の本体20に対する1往復のスライド移動により、開口部26を塞ぐように移動する動作を2回行う構成となっている。この構成により、開口部26を塞ぐように移動する1回目のカッター動作によりテープ13を切断し、それに続いて開口部26を塞ぐように移動する2回目のカッター動作により、切断されたテープ端部が本体20の開口部26の方向を向くように整えること(テープ慣らし)ができる。これにより、開口部26でテープ詰まりが起こり難くなる。
また、本発明の実施の形態は、カッター52がテープ13を切断するときテープ13の切断箇所の近傍を固定するテープ押え部53をさらに備えている。この構成により、カッター52によるテープ13の切断をより確実に実行することができる。
また、本発明の実施の形態は、送出部40と開口部26との間に、テープ13を開口部26に案内するテープガイド部44をさらに備えている。この構成により、テープ13をより確実に本体20の開口部26に案内することができる。特に、送出部40がシリコンチューブ43の外周面にテープ13の粘着面を粘着した状態で回転することによりテープ送りを行う構成において、シリコンチューブ43の外周面に粘着したテープ13をより確実に剥離することができる。
また、対象物に貼付する前にテープを切断し、本体20に貼り付き待機することで、テープ13の粘着面をより確実に下方へ向けられる。
また、本発明の実施の形態では、カム機構30の本体20に対するスライド方向は、切断したテープ13を押し出す本体20の底面に垂直な方向に対して傾斜している。この構成により、テープ13のカールによる貼付ミスを効果的に防止することができる。
本発明は、テープを一定の長さだけ送り出して切断し対象物に貼付するという一連の動作をユーザの一回の操作により確実に実行できるという効果を有し、テープカッター全般に有用である。
1 テープカッター
10 テープ収容部
11 テープ巻体
13 テープ
20 本体
21a 上カバー
21b 下カバー
22 テープ巻体取付部
26 開口部
26a 押圧部
27 テープ押え止め部
28 カッター駆動ピンガイド溝
30 カム機構
31 カム機構本体部
32 送出部駆動用溝
33 カット部駆動用溝
34 バネ収容部
35 コイルバネ
37 スライドガイド溝
38 カムカバー
40 送出部
41 プルローラ駆動部
41a プルローラ駆動ピン
42 プルローラ(ローラ)
43 シリコンチューブ
44 テープガイド部
44a ガイド板
45 ガイド部用シリコンチューブ
50 カット部
51 カッター駆動リンク(リンク)
51a カッター駆動ピン
52 カッター
53 テープ押え部
60 対象物
10 テープ収容部
11 テープ巻体
13 テープ
20 本体
21a 上カバー
21b 下カバー
22 テープ巻体取付部
26 開口部
26a 押圧部
27 テープ押え止め部
28 カッター駆動ピンガイド溝
30 カム機構
31 カム機構本体部
32 送出部駆動用溝
33 カット部駆動用溝
34 バネ収容部
35 コイルバネ
37 スライドガイド溝
38 カムカバー
40 送出部
41 プルローラ駆動部
41a プルローラ駆動ピン
42 プルローラ(ローラ)
43 シリコンチューブ
44 テープガイド部
44a ガイド板
45 ガイド部用シリコンチューブ
50 カット部
51 カッター駆動リンク(リンク)
51a カッター駆動ピン
52 カッター
53 テープ押え部
60 対象物
Claims (8)
- 本体と、
テープがロール状に巻き付けられたテープ巻体を収容するよう前記本体に設けられたテープ収容部と、
前記テープ収容部に収容された前記テープ巻体から引き出した前記テープを前記本体に設けられた開口部から送り出す送出部と、
前記開口部の近傍に設けられ、カッターを有するカット部と、
前記送出部および前記カット部を作動させるカム機構と、
を備え、前記カム機構が前記本体に対してスライドすることにより、前記送出部によって前記テープが前記開口部から送り出されるとともに、前記カット部によって前記カッターが前記開口部を塞ぐように移動して前記テープが所望の位置で切断されて押し出されることを特徴とするテープカッター。 - 前記送出部は、一方向に回転可能なローラを備え、前記ローラの外周面に前記テープの粘着面が粘着した状態で前記ローラが回転した後、前記テープの前記粘着面が前記ローラの前記外周面から剥離することで前記テープを送り出すことを特徴とする請求項1に記載のテープカッター。
- 前記ローラの前記外周面にシリコンチューブが被せられていることを特徴とする請求項2に記載のテープカッター。
- 前記カット部は、一端が前記カッターに連結されかつ他端が前記本体に軸支されたリンクをさらに備え、前記カム機構が前記本体に対してスライドすることにより、前記リンクによって前記カッターを移動させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のテープカッター。
- 前記カッターは、前記カム機構の前記本体に対する1往復のスライド移動により、前記開口部を塞ぐように移動する動作を2回行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のテープカッター。
- 前記カッターが前記テープを切断するとき前記テープの切断箇所の近傍を固定するテープ押え部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のテープカッター。
- 前記送出部と前記開口部との間に設けられ、前記テープを前記開口部に案内するテープガイド部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のテープカッター。
- 前記カム機構の前記本体に対するスライド方向は、切断した前記テープを押し出す前記本体の底面に垂直な方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のテープカッター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017048748A JP2018150160A (ja) | 2017-03-14 | 2017-03-14 | テープカッター |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017048748A JP2018150160A (ja) | 2017-03-14 | 2017-03-14 | テープカッター |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=63680062
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2017048748A Pending JP2018150160A (ja) | 2017-03-14 | 2017-03-14 | テープカッター |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2018150160A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20200002305U (ko) * | 2019-04-10 | 2020-10-21 | 정재욱 | 절단 기능을 갖는 휴대용 스포츠테이프 케이스 |
CN114364626A (zh) * | 2019-09-05 | 2022-04-15 | 米琪邦株式会社 | 胶带切割器 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS6026569A (ja) * | 1983-07-25 | 1985-02-09 | Wandaa Seiki Kk | 粘着テ−プ繰出し装置 |
JPH07252010A (ja) * | 1994-03-16 | 1995-10-03 | Seikosha Co Ltd | テープカッター |
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-
2017
- 2017-03-14 JP JP2017048748A patent/JP2018150160A/ja active Pending
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KR200493566Y1 (ko) | 2019-04-10 | 2021-04-27 | 정재욱 | 절단 기능을 갖는 휴대용 스포츠테이프 케이스 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20201208 |
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