JP3138417B2 - 粘着テープの剥離装置及びテープ印字装置 - Google Patents

粘着テープの剥離装置及びテープ印字装置

Info

Publication number
JP3138417B2
JP3138417B2 JP07310302A JP31030295A JP3138417B2 JP 3138417 B2 JP3138417 B2 JP 3138417B2 JP 07310302 A JP07310302 A JP 07310302A JP 31030295 A JP31030295 A JP 31030295A JP 3138417 B2 JP3138417 B2 JP 3138417B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive tape
peeling
tape
free end
adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07310302A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09151028A (ja
Inventor
紀幸 上條
健二 渡邊
智恵子 会田
登信 亀田
朋之 新村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
King Jim Co Ltd
Original Assignee
Seiko Epson Corp
King Jim Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP07310302A priority Critical patent/JP3138417B2/ja
Application filed by Seiko Epson Corp, King Jim Co Ltd filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to KR1019950072127A priority patent/KR100429326B1/ko
Priority to DE69522309T priority patent/DE69522309T2/de
Priority to CA002165703A priority patent/CA2165703C/en
Priority to US08/575,929 priority patent/US5861077A/en
Priority to EP95120160A priority patent/EP0726222B1/en
Priority to CN95121674A priority patent/CN1059389C/zh
Publication of JPH09151028A publication Critical patent/JPH09151028A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3138417B2 publication Critical patent/JP3138417B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Folding Of Thin Sheet-Like Materials, Special Discharging Devices, And Others (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一方の面に粘着剤
を塗布した基材シートと基材シートに貼着した剥離シー
トとから成る粘着シートから剥離シートを剥す粘着シー
トの剥離装置及びテープ印字装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、テープ等のシート状部材を貼着対
象物に貼るという作業の簡素化から、この種の粘着シー
トが色々な用途に用いられている。この場合、ラベル様
に形成した粘着テープ(粘着シート)には、その基材テ
ープ(基材シート)の表面に印字が施されており、粘着
テープから剥離紙(剥離シート)を剥がした後の粘着剤
付きの基材テープが、貼着対象物に貼着される。指を使
って、粘着テープから剥離紙を剥がす作業は極めて煩雑
であり、従来より各種の剥離方式および装置が提案され
ている。
【0003】従来、この種の剥離方式および装置とし
て、例えば実開昭57−98837号公報に開示のもの
が知られている。この方式では、図13に示すように、
粘着テープ50に対し、その剥離紙51を残して基材テ
ープ52(および粘着剤53)がカッターで切断され、
いわゆるハーフカットが行われる。ユーザーは、粘着テ
ープ50の先端部50aを図13の想像線で示すように
指で折り曲げた後、この粘着テープ50の先端部50a
を手かがかりとして、粘着テープ50(基材テープ5
2)から剥離紙51を引き剥すようにしている。
【0004】また、特開平5−169749号公報に開
示された従来の剥離方式および装置では、粘着テープの
コーナー部をポンチおよびダイ間に挟み込んで、粘着テ
ープを部分的に永久変形させるようにしている。この場
合、基材テープと剥離紙との間の剛性の差により、ポン
チを退却させたときに両者の復元形状が異なるため、粘
着テープから剥離紙が剥離し、この部分を手がかりとし
て、粘着テープから剥離紙を引き剥すようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記前者の剥離方法で
は、剥離紙51を残して基材テープ52(および粘着剤
53)を、数ミクロンから数十ミクロン単位で切断する
ハーフカットを、安定的に行う必要があり、装置の構造
および制御に高い精度が要求される問題があった。ま
た、剥離の手がかりとして、粘着テープ50の先端部5
0aに5mm程度の引剥し代を確保する必要ががあり、
粘着テープ50に無駄が生じてしまう問題があった。
【0006】また、後者の剥離方法では、基材テープと
剥離紙との剛性およびその差や粘着剤の剥離紙に対する
貼着力を考慮して、ポンチおよびダイの突当て面積や突
当て深さを決定する必要があり、剥離の信頼性に乏し
く、満足できるものではなかった。また、剥離紙と共に
基材テープも永久変形してしまうため、基材テープに、
いわゆる曲り癖が生じ、貼着対象物に貼着した基材テー
プに凹凸が生じたり、貼着対象物から基材テープが剥が
れ易くなる問題があった。
【0007】本発明はこれらの課題を解決するものであ
り、粘着シートからその剥離シートを剥離する作業を高
信頼度で且つ能率的に実施でき、更に簡単な構造で自動
化が可能な粘着シートの剥離装置及びテープ印字装置を
提供することをその目的としている。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【課題を解決するための手段】 本発明の粘着テープの剥
離装置は、一方の面に粘着剤を塗布した基材テープと粘
着剤により基材テープに貼着した剥離テープとを積層し
て成る粘着テープから、剥離テープを剥離する粘着テー
プの剥離装置であって、基材テープおよび剥離テープの
端面における摩擦係数が異なるものにおいて、粘着テー
プの縁部を自由端を残して保持する保持手段と、基材テ
ープおよび剥離テープの摩擦係数が小さい方から大きい
方に向かって、自由端の先端面に相対的に擦り合わせる
剥離手段とを、備えたことを特徴とする。
【0019】この構成によれば、剥離手段を用いて、こ
れを一定の押圧力を加えながら粘着シートの自由端の先
端面を擦り合わせると、基材シートおよび剥離シートの
摩擦係数の小さい方は滑りを生じ、摩擦係数の大きい方
は摩擦力を受ける。すなわち、擦合せ方向の先方に位置
する摩擦係数の大きいシート部材は、この摩擦力により
粘着剤の貼着力に抗して剥がれることになる。これによ
り、粘着シートの縁部に、粘着シートから剥離シートを
引き剥がす手かがかり部分を形成することができる。
【0020】この場合、剥離手段は、粘着テープの自由
端に直接接触する剥離部材と、剥離部材を剥離動作させ
るモータとを有することが、好ましい。
【0021】この構成によれば、モータで剥離部材を剥
離動作させることにより、粘着シートから剥離シートを
剥離させる手かがかり部分を形成するのを、自動化する
ことができる。
【0022】この場合、剥離部材の粘着テープの自由端
に接触する部位が、ゴムで構成されていることが、好ま
しい。
【0023】この構成によれば、剥離部材と粘着シート
との間に滑りが生じ難くなるため、粘着シートを十分に
且つ安定に撓ませることができると共に、自由端の先端
面をなぞるときに、滑ることがなく、基材シートの端面
および剥離シートの端面に確実に摩擦力を作用させるこ
とができる。
【0024】これらの場合、剥離部材は、回転運動する
ことで剥離動作する回転部材であることが、好ましい。
【0025】この構成によれば、簡単な構造で且つ安定
して、剥離部材を剥離動作させることができる。
【0026】この場合、剥離部材は、その周面に、回転
運動に伴って各部が剥離動作する複数の凸部を有するこ
とが、好ましい。
【0027】この構成によれば、剥離部材の回転速度遅
くても、剥離動作を迅速に行うことができる。また、1
回転で、剥離部材に複数回の剥離動作を行わせることが
できる。
【0028】また、剥離部材は、平行運動することで剥
離動作する移動部材であることが、好ましい。
【0029】この構成によれば、簡単な構造で無理な
く、剥離部材を剥離動作させることができる。
【0030】この場合、剥離部材は、その表面に、平行
運動に伴って各部が剥離動作する複数の凸部を有するこ
とが、好ましい。
【0031】この構成によれば、剥離部材の移動速度遅
くても、剥離動作を迅速に行うことができる。また、1
回の移動で、剥離部材に複数回の剥離動作を行わせる
とができる。
【0032】これらの場合、剥離手段は、モータを介し
て剥離部材の剥離動作の繰返し回数を調節可能な制御器
を、更に有していることが好ましい。
【0033】この構成によれば、剥離動作の繰返し回数
を適宜、調節することができるため、剥し易さが異なる
各種の粘着シートを扱う場合であっても、この調節によ
り、粘着シートから剥離シートを確実に剥すことができ
る。
【0034】この場合、複数回に亘る剥離動作の繰返し
周期が、粘着テープの自由端における固有振動数の1/
2周期より長いことが、好ましい。
【0035】この構成によれば、粘着シートが1回の剥
離動作を受けてから完全復元するのに要する時間を確保
することができるため、粘着シートに各回の剥離動作を
確実に作用させることができ、粘着シートから剥離シー
トをより確実に剥がすことができる。
【0036】これらの場合、粘着テープの自由端が、粘
着テープの角部であることが好ましい。
【0037】この構成によれば、自由端の突出長さをあ
る程度確保した状態で、粘着シートの剛性や弾性限度を
顕在化することができると共に、自由端の先端にゆくほ
ど粘着剤の粘着力が極端に弱くなる部分を剥すことにな
り、粘着シートから剥離シートをより剥し易くなる。
【0038】この場合、粘着テープの自由端の各辺の長
さが、それぞれ当該自由端の厚さをTとした場合に20
T〜27Tであることが、好ましい。 或いはこれらの場
合、粘着テープの自由端の突出長さは、自由端の厚さを
Tとした場合に5T〜100Tであることが、好まし
い。
【0039】この構成によれば、一般に製造される粘着
シートに、請求項16における作用を十分に発揮させる
ことができる。また、引剥しの手がかりとなる剥離部分
を、摘み易い適度な寸法にすることができる。
【0040】本発明のテープ印字装置は、請求項7ない
し18のいずれかに記載の粘着テープの剥離装置を備え
たことを特徴とする。 この場合、長尺の粘着テープに印
字を行う印字機構と、長尺の粘着テープの印字部分を切
断するカッタとを、更に備えており、粘着テープは、カ
ッタで切断した長尺の粘着テープの印字部分であること
が、好ましい。
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)本発明の第1実施形態について、図1
ないし図7を参照して詳細に説明する。図1は、本発明
の粘着シートの剥離方法および剥離装置が適用されたテ
ープ印字装置の斜視図、図2はテープ印字装置で印刷後
カットされた剥離紙付きの粘着テープ(粘着シート)の
一端部を示す拡大側面図、図3および図4はそれぞれ剥
離装置の斜視図および平面図である。また、図5、6お
よび7は剥離動作を説明する剥離装置の側面図である。
【0055】図1に示すように、テープ印字装置1に
は、前部に多数のキー2aを有するキーボード2が設け
られ、後部には開閉蓋3が設けられている。また、開閉
蓋3を開放したテープ印字装置1の内部には、テープカ
ートリッジ、印字機構など(いずれも図示せず)が設け
られている。一方、テープ印字装置1に側面には、印字
後の粘着テープ10が排出されるテープ排出口4が設け
られ、正面には、テープ印字装置1に内蔵した剥離装置
に連なるテープ挿入口5が設けられている。
【0056】ユーザーは、所望の幅の生の粘着テープ1
0が巻回されたテープカートリッジを、開閉蓋3を開放
してセットした後、必要な文字をキーボード2上のキー
2aを操作して入力し、一定の速度で送られる上記の粘
着テープ10に、熱転写印刷等により印刷を行う。印字
が完了すると、粘着テープ10の送りが停止する。この
とき、粘着テープ10の印字部分は、テープ排出口4か
ら吐き出されており、ユーザーは、手動操作叉は自動操
作により図外のカッタを作動させて、粘着テープ10の
吐き出された部分をカットする。
【0057】このカットされた粘着テープ10が剥離紙
付きの粘着テープ10であり、以下、この粘着テープ1
0の剥離方法および剥離装置について詳細に説明する
が、理解を容易にするため、先ずこの剥離紙付きの粘着
テープ10の構造から説明する。
【0058】図2に示すように、粘着テープ10は、基
材11aに粘着剤11bを塗布した基材テープ(基材シ
ート)11と、この粘着剤11bにより基材テープ11
に貼着した剥離紙(剥離シート)12とで、構成されて
いる。基材11aは、周知の塩化ビニール樹脂やポリプ
ロピレン樹脂等で構成され、また剥離紙12は、普通紙
等で構成されている。基材11aの表面には上記した印
字が施されており、粘着テープ10から剥離紙12を引
き剥した後の基材テープ11が、所望の貼着対象物に貼
着される。したがって、剥離紙12は、粘着テープ(基
材テープ11)10の使用時まで粘着剤11bにゴミ等
が付着しないようにするためのものであり、基材テープ
11から比較的簡単に剥がれるようになっている。すな
わち、剥離紙12にはシリコン処理等がなされており、
粘着剤11bが剥離紙12に及ぼす粘着力は、基材11
aに及ぼす粘着力よりも極端に小さくなっている。
【0059】このように構成された粘着テープ10を、
文字の印刷された基材11a側を上にして、上記のテー
プ挿入口5に挿入すると、図外のセンサまたはスイッチ
により、粘着テープ10の挿入が検出されて剥離装置が
駆動する。これにより、粘着テープ10の先端の一方の
角部において、粘着テープ10から剥離紙12が剥され
る。ユーザーは、テープ挿入口5から粘着テープ10を
引き抜いた後、この角部の剥離紙12が剥された部分を
手がかりとして、粘着テープ(基材テープ11)10か
ら剥離紙12を完全に引き剥して、貼着対象物に貼着す
る。
【0060】図3に示すように、剥離装置6は、モータ
ー(作動機構)7と、モーター7の出力軸7aに取り付
けられた剥離部材8と、粘着テープ10をその自由端
(角部)10aを残して保持する上下一対の保持部材
(保持手段、図4参照)9,9とで構成されている。こ
の場合、モーター7は、剥離部材8を低速で回転させ得
るように、減速機付きのユニット構造のものが、好まし
い。剥離部材8は、周面の5箇所に凸部8aを有する略
星形形状の回転体であり、少なくとも外周部がシリコン
ゴム等で構成されている。なお、剥離部材8は、図示の
想像線で示すローラー形状でもよいし、歯車形状でもよ
い。さらには、凸部が1箇所となるカム形状でもよい
し、出力軸7aを中心に板材を放射状に配設したような
ものでもよい。
【0061】一方、上下一対の保持部材9,9は、上記
のテープ挿入口5に連なる粘着テープ10の挿入通路を
兼ねており、挿入された粘着テープ10を挟むように配
設されている。この場合、一対の保持部材10の離間寸
法が、テープ挿入口5から奥に行くに従って狭くなり、
先端部では、ほぼ粘着テープ10の厚みとなることが好
ましい。なお、挿入された粘着テープ10は、図外のス
トッパに突き当たって位置決めされるようになっている
が、位置決め位置の詳細は後述する。
【0062】上記の構成において、粘着テープ10をテ
ープ挿入口5に完全に挿入すると、粘着テープ10は剥
離部材8に図3に示すように接近し、やがて図5の実線
で示される状態となる。すなわち、粘着テープ10の先
端部の一方の角部が、剥離部材8の回転軌跡内に到達
し、剥離部材8と接触可能な状態となる。
【0063】また、この時、最も好ましくは図3に示さ
れるように、全厚さをTとする粘着テープ10の角部
が、2辺の寸法をB及びCとする三角形の片持ち梁の自
由端10aとなるように、粘着テープ10が一対の保持
部材9,9に保持されることが、好ましい。しかし、粘
着テープ10には後述する剥離動作ではそれほど大きな
力が加わる訳では無いので、保持部材9,9は、剥離動
作中に粘着テープ10に加わる力に対抗する程度の弱い
ばね力で保持していてもよいし、また粘着テープ10と
の間に多少の間隙を存して保持していても問題はない。
【0064】剥離部材8が矢印方向に回転すると、粘着
テープ10の自由端10aは、基材テープ11が外側
に、剥離紙12が内側になるような湾曲形状(撓み形
状)にして、図5の想像線で示すように撓められる。こ
の時、基材テープ11は所定の厚さTを有するため、厚
さに相当する分、内側(下側)に位置する剥離紙12の
曲げR(曲げ半径)と、外側(上側)に位置する基材テ
ープ11の曲げRと違いによるの間で円周長さの違いに
よる滑り、厳密には粘着材11bと剥離紙12との間に
層間滑りが発生する。これにより、図5に示すように、
剥離紙12の端面が基材テープ11の端面に比して突出
した状態となる。なお、この現象は撓み動作を通して徐
々に進行するが、この滑りによる剥離紙12の突出量
は、上記の内側の曲げRと外側の曲げRの比が大きいほ
ど大きい為、内側にある剥離紙12の裏面はR=0(ゼ
ロ)で曲がることが好ましい。これは、剥離部材8の先
端と保持部材9の先端とを近づけることにより、達成さ
れる。
【0065】この撓められる時に発生する該両者11,
12間の長手方向の層間滑りで、基材テープ11の粘着
剤11bに対する剥離紙12の貼着力は、初期状態に対
してかなり弱められ、剥離紙12は、撓み動作前の状態
に対して剥離され易くなっている。
【0066】また、剥離部材8で撓められてゆく工程に
おいて、粘着テープ10の自由端10aの端面(図5に
垂直線で示される左端)に剥離部材8が擦れ合い、かつ
剥離部材8が粘着テープ10から離脱するため、この擦
合い動作(摩擦)によっても基材テープ11に対して剥
離紙12は一層剥離され易くなり、最終的には、剥離紙
12の突出部分が剥離部材8に引っ掛かり、剥離紙12
が粘着テープ10から剥がされる(図7参照)。もちろ
ん、粘着剤11bの貼着力が強い場合には、この1回の
剥離動作で剥離紙12が剥離しない場合もある。
【0067】この場合には、剥離部材8の外周に形成さ
れた一つの凸部8aとの接触が終了した後、剥離部材8
は更に同方向に回転するが、凸部8aとの接触が外れた
時、粘着テープ10は自己の保有する弾性力で、瞬間
的、衝撃的に初期の状態に復元動作する。そして、初期
の状態に復元した粘着テープ10は、剥離部材8の凹部
に非接触状態で対向する(図6参照)。
【0068】このように粘着テープ10が初期の状態に
復元動作するのは、この撓みによる変形が、粘着テープ
10を構成する基材テープ11及び剥離紙12の少なく
とも一方が略弾性変形の域内にあるためである。本実施
形態の場合、前記基材11aが樹脂で構成され、剥離紙
12が通常紙で構成されているため、基材テープ11の
方が剥離紙12よりも剛性および弾性限度が大きく、許
容曲げ応力も大きい為、復元動作は基材テープ11の復
帰力が最も大きく寄与している。
【0069】粘着テープ10の復元完了状態を図6に示
しているが、同図に示すように、復元完了状態の粘着テ
ープ10は、初期の状態よりわずかに曲がった状態に復
元する。これは、粘着テープ10を構成する基材テープ
11の剛性が大きく、この曲げが基材テープ11の弾性
限度内であることを意味すると共に、剥離紙12の剛性
が小さく、この曲げが剥離紙12の弾性限度を越えてい
ることを意味する。結論的には、基材テープ11と剥離
紙12との間の剛性に大きな差があるほど剥離され易
く、また剥離後、基材テープ11は初期の状態に完全に
復元するが、剥離紙12は初期の状態に復元することな
く曲がったままの状態になる。
【0070】すなわち、基材テープ11の剛性が、剥離
紙12の剛性よりも大きい場合、剥離部材8の接触解除
と共に基材テープ11は瞬間的に初期位置へ復帰しよう
とするが、該剥離紙12は略永久変形の状態にあり、復
元作用が無いか叉は弱く、一定の曲げ癖が付くことにな
る。
【0071】基材テープ11の瞬間的な復元動作とその
粘着剤11bの貼着力とにより、剥離紙12も復元動作
させられるが、前述した通り剥離紙12の復元動作は自
発的なものでなく、基材テープ11には、剥離紙12の
曲げ癖によって復元に抗する力が加わる。これにより、
粘着テープ10は、図6に示すように、完全に復元する
ことなく、やや曲がった状態に復元する。すなわち、基
材テープ11と剥離紙12との間では、粘着剤11bを
介して作用、反作用の引っ張り状態が起こり、これは基
材テープ11に対して剥離紙12が剥離される傾向を強
める結果となる。
【0072】次に、再び剥離部材8の凸部8aが粘着テ
ープ10の自由端10aに接触するが、剥離紙12の端
面は一回目の動作時よりも更に突出しており、また撓み
動作により、粘着剤11bと剥離紙12との間の貼着力
は更に弱められている。したがって、剥離部材8が粘着
テープ10の端面に擦れ合うときに、剥離紙12が引っ
掛かって基材テープ11から容易に剥離される(図7参
照)。もちろん、剥離紙12に対する基材テープ11の
貼着力にはバラツキがあるため、完全を期すためには、
上記の剥離動作を複数回、繰り返すことが好ましい。
【0073】なお、この繰返し回数は、図3に示すよう
に、モーター7に接続された制御器20により設定でき
るようにすることが、好ましい。すなわち、剥離紙12
の剥がれ易さは、各種の粘着テープ10により異なるた
め、このテープ印字装置1が扱う粘着テープ10に合わ
せて、繰返し回数を設定できることが好ましい。このよ
うにすれば、この剥離装置6をユニット化して、汎用的
に用いることも可能になる。
【0074】剥離作業の為にユーザーが粘着テープ10
を前記のテープ挿入口5に挿入してから剥離完了までの
時間は、剥離動作を複数回実施したとしても1〜数秒で
ある。その後、ユーザーが、粘着テープ10をテープ挿
入口5から引き抜き、剥離が完了した角部の剥離紙12
を指先で持ち、これを基材テープ11の長手方向に引く
ことで、粘着テープ10から剥離紙12を完全に引き剥
すことができる。こうすることで、従来の指先で剥離の
きっかけを作りながら時間を掛けて実施していた剥離動
作を、極めて短時間で、能率良く実施することができ
る。
【0075】また、本実施形態は、従来例で説明したハ
ーフカット方式の作用、装置よりも簡単な構造で精密さ
もそれほど必要なくコスト的に有利であるほか、剥離が
完了した時の形状を図7に示すが、基材テープ11はほ
ぼ弾性変形領域で、殆ど永久変形しないため、印刷済み
の基材テープ11を貼着対象物に貼付したときも、この
変形は外観上からも殆ど目立たない特徴を有する。
【0076】特に前述した、角部の自由端10aを一定
量、片持ち梁として保持した場合は、等応力梁としての
効果が出る為、永久変形量が少なく、復元力も大きくな
る効果を有する。更に変形量が少ない事から、従来例で
見られた貼付後の粘着テープ(基材テープ11)10の
変形が元の状態に徐々に復元する作用で、粘着テープ1
0が貼着対象物から剥がれるということがなく、極めて
信頼性が向上し、取扱い易くなる。
【0077】上述した通り、本実施形態の剥離装置6で
は、基材テープ11の剛性と、剥離紙12の剛性の差、
両者11,12の弾性限度の差、自由端10aの端面を
剥離部材8が擦る作用、及び撓ませることによる両者1
1,12の間の層間滑り等を効果的に作用させ、また剥
離部材8の粘着テープ10からの瞬間的離脱作用、及び
剥離部材8が剥離紙12の復元を阻止する作用、さらに
はこれらの剥離動作を複数回実施すること等の総合効果
から、剥離紙12を極めて能率よく剥離することがで
き、信頼度を格段に向上させることができる。
【0078】このように本実施形態では、作用の一つに
基材テープ11と剥離紙12との剛性の差を利用してい
る。したがって、剛性の差を大きく利用できる方法、構
造が好ましく、このためには、前述の如く、粘着テープ
10の角部を利用することが好ましい。
【0079】図3に示すように、角部を利用し、想像線
で示す部分を保持したとすると、曲げ(撓み)時の最大
応力は想像線の位置に発生する。このときの曲げモーメ
ントは、曲げによる発生応力に角部の頂点から想像線へ
の垂線の長さLを乗じた値であるが、この長さLに対し
想像線の長さを大きく設定することができる。
【0080】一方、撓み時の発生応力には自由端10a
の幅が影響するが、角部を自由端10aとしてこの部分
を撓めた場合には、想像線の部分から角部の頂部に向か
って自由端10aの幅が徐々に狭く成るため、同一幅の
ものに比して発生応力はそれほど大きくはならない。
【0081】これらの点から、角部の曲げ応力を、ほぼ
等応力で永久変形の無い弾性限度内に保つことができ、
剥離部材8の接触解除に伴って、基材テープ11が瞬間
的に初期位置に復元動作可能となる。この保持形態は、
剥離紙12についても同じであるが、前述の様に、剥離
紙12は普通紙で構成されているため、剛性は小さく従
って復元作用も小さいため、前述の如く効率的に剥離さ
れる。
【0082】しかし、本実施形態では、前記基材テープ
11と前記剥離紙12のそれぞれ剛性に差があることを
一手段として利用しているため、基材テープ11の剛性
の方が必ずしも大きい必要はなく、剥離紙12の剛性が
基材テープ11の剛性よりも大きく設定しても、同様の
効果を生むことができる。なお、この場合でも、剥離部
材8は剛性の大きな部材側から他方へ通り抜ける様に移
動させ、以て、弾性の大きな部材が小さな部材の方へ撓
む様な方法、構造とすればよい。
【0083】又、前述した通り、剥離部材8が粘着テー
プ10を撓めた後、これを急激に解除するが、この解除
から次の撓め動作までの間に、粘着テープ10が復元す
る時間を見込むことが必要である。具体的には、この繰
返し周期が、粘着テープ10の自由端10aが有する固
有振動数の1/2周期よりも長いことが必要であり、こ
れを達成するように、剥離部材8の回転速度が設定され
ている。
【0084】こうすることで、前述の様に、剥離紙12
が基材テープ11につられての復元動作することが阻止
でき、剥離作用に大きく作用する。なぜなら、逆の場合
には、基材テープ11が完全に復元しない状態で、再び
撓み動作に入ることになり、前述の各効果が損なわれる
と共に、基材テープ11の復元と一緒に剥離紙12も復
元するタイミングとなり易い。こうした点で、剥離部材
8はあまり高速で回転しない方が良く、モーター8に減
速機を設けることが、好ましい。
【0085】なお、剥離部材8に代えて、各種の振動発
生手段を粘着テープ10に作用させても、本実施形態と
同様の効果を期待できる。また、一般的には、モーター
7に比して手で行うスピードは速すぎる事が少ないた
め、慣れればモーター7に代えて、手動で剥離部材8を
剥離動作させることも、剥離効果を高める一手段であ
る。
【0086】また、自由端10aである角部は、二等辺
三角形である必要は無く、したがって前記の寸法BとC
は同一で無くとも良い。さらに、必ずしも角部を利用す
る必要もなく、保持部材9の位置を示す想像線が粘着テ
ープ10の端面にほぼ平行になるようにしても本実施例
と同様な効果は、本明細書に記載するいくつかの条件の
下で期待できる。同様に、粘着テープ10の側部を対象
に自由端10aを構成しておいて、剥離動作を行うよう
にしてもよい。この方法では、剥離できる剥離長さ(図
3のB、Cで示す長さ)を長くすることができると同時
に、剥離間隔を大きくすることができる。また、本実施
例の剥離部材8をモーター7で動作する方式でなく、周
知のハンドル等で手動で動作するよう構成しても本実施
例と同様な効果を生む。
【0087】(第2実施形態)本発明の第2実施形態に
付いて、図8を参照して説明する。図8は剥離紙付き粘
着テープ10を第1実施形態と同様に保持部材9、9で
保持し、該テープに直線的に移動可能な移動部材(剥離
部材)22を、矢印で示す水平方向の右側に移動させな
がら別の矢印で示す右下方に斜めに移動させる構造を示
している。図示しないが、この移動部材22は、モータ
ーおよびリンク機構により、適宜移動される。
【0088】こうすることで、移動部材22が剥離紙1
2を集中的に変形させることとなり、基材テープ(粘着
剤11b付き)11の弾性で、これらが実線位置に留ま
ろうとする作用を伴いながら、剥離紙12のみが第1実
施形態と同様に永久変形領域に達する。
【0089】こうして、一度で剥離が完了することもあ
るが、完了しなかった場合には、基材テープ11も剥離
紙12と共に変形しており、両者間に長手方向の層間滑
りが発生し、剥離作用が促進され、また基材テープ11
は弾性変形領域で変形しており、基材テープ11には復
元力が作用している。
【0090】右下方への移動を停止させた後、移動手段
22を水平方向の左側に瞬間的に移動させると、第1実
施形態と同様に基材テープ11の撓みが瞬間的に解除さ
れ、基材テープ11は瞬間的に実線状態に復元しようと
するが、剥離紙12は略永久変形状態まで変形している
ため、基材テープ11の復元力につられて従属的に復元
する状態となり、この作用で、基材テープ11と剥離紙
12との間の貼着力はかなり低下するか、或いはこの段
階で剥離紙12が剥離する。
【0091】なお、前述の通り、移動部材22の瞬間的
移動時に基材テープ11はその接触を解除されるが、剥
離紙12の復元が阻止されるように、すなわち摩擦係数
を大きくできるように、移動部材22の表面に細かな凹
凸(ギザギザ)を設けておくことが、好ましい。この凹
凸は極端である必要は無く、粘着テープ10の厚さの1
/2前後であっても効果は十分である。そして、この動
作を数回繰り返す事で両者11,12を完全に剥離する
ことができる。
【0092】また、本実施形態では、移動部材22を水
平方向且つ斜め方向に移動させる方式を記載したが、こ
れに限ったものでなく、移動部材22を垂直方向に移動
させて粘着テープ10を撓ませ、さらに端面をなぞって
これを離脱させる方式ならば、どのような構造であって
もよい。
【0093】さらに、第1実施形態のように、複数の大
きな凸部8aのある移動部材22を用いれば、一方向
(例えば前述の右下方へ)の移動中に撓み、解除(剥離
動作)が複数回繰り返される方式となり、更に作業性を
向上することができる。また、撓みを効率的に起こさせ
るには、粘着テープ10の材質が樹脂および紙である事
を考え、移動部材22を金属、樹脂の他、摩擦力が大き
いゴム系統の高摩擦材料で構成することが、好ましい。
もちろん、移動部材22を第1実施形態と同様に、モー
ター等で自動的に動作するように構成しても、手動で動
作するように構成してもよい。
【0094】(第3実施形態)第3実施形態を図9を参
照して説明する。第3実施形態は手動による剥離方法を
示している。図中の符号10は剥離紙付き粘着テープで
あり、符号24は移動部材である。移動部材24の材質
は粘着テープ10に対する高摩擦材質が好ましく、更に
は前述の通り、表面に細かな凹凸があることが好まし
い。
【0095】この場合、移動部材24を右手に持ち、左
手で、粘着テープ10を図3に示す様に角部の2辺の寸
法が、それぞれB=0.5mm〜10mm、C=0.5
mm〜10mm(但し、B=Cとなる必要はない)とな
るように親指と人差し指で保持して、粘着テープ10に
自由端10aを構成する。この時、粘着テープ10を構
成する基材テープ11と剥離紙12の内、弾性の高い側
を人差し指側として持った場合、移動部材24を人差し
指側から親指側(上方より下方へ)へ移動させて、粘着
テープ10を撓ませる。
【0096】こうして、粘着テープ10の各構成部材に
層間滑りを発生させ、貼着力を弱くし、復元時の弾性作
用の剥離の促進等の前記作用で剥離を達成する。この方
式は、手動式の安価な方式として好適である。
【0097】(第4実施形態)第4実施形態を図10に
基づいて説明する。図中の符号30は先端にR形状を有
し、表面に凹凸33を有する板状部材、符号31もこの
板状部材30とほぼ同様な板状部材であるが、31には
必ずしも凹凸は無くても良い。これら二つの板状部材3
0、31は支軸32で回転可能に連結されており、両板
状部材30,31の各R部には、切断刃が対向形成され
ている。この板状部材30、31を持ってこれを握り、
各板状部材30,31をP、Q方向にそれぞれ回転させ
ることにより、粘着テープ10の角部をR形状に整形切
断することができるようになっている。
【0098】すなわち、両板状部材30、31の間には
図示しないが、両者を離す方向にばねが介在されてお
り、常時はこれらのR部が相互に当接せずに開いてい
る。ユーザーはまず、剥離紙付きの粘着テープ10を一
方の手に持ち、他方の手でこの板状部材30、31を持
つ。そして、粘着テープ10の角部を両板状部材30、
31で挟み、爪を切るときの要領で角部をカットする。
【0099】この様に粘着テープ10の角部をR付け
し、又は同様な方法で直線的に面取りすることを通常ト
リミングと言うが、こうすることで粘着テープ10を、
いわゆるラベル的な外観に形成することができる。
【0100】本実施形態は、このように構成された爪切
り様のトリミング具の板状部材30の表面に凹凸33を
設けることにより、トリミング具に第3実施形態の移動
部材(剥離部材)24を兼ねさせたものである。
【0101】トリミングし終わった状態の粘着テープ1
0を図10に示しているが、このトリミングした粘着テ
ープ10を、その角部の2辺寸法を前述の様にB=0.
5mm〜10mm、C=0.5mm〜10mmの自由端
を構成するよう手に持ち、板状部材30の凹凸33をR
付けされた粘着テープ10の角部に接触させ、かつ矢印
V方向に移動させて、第3実施形態と同様の剥離動作を
行う。こうすることで、第3実施形態と同様に、粘着テ
ープ10の各構成部材に撓み、解除による剥離動作が行
われる。
【0102】本実施形態は粘着テープ10のトリミング
具に剥離部材を組み込んだ構造になっているため、トリ
ミングする為の器材と剥離用器材を別々に持ち替える必
要がなく、連続してトリミングと剥離作業とを行うこと
ができるため便利であると共に、コスト的にも安価にな
り、好ましい。
【0103】また、これは手動操作の器材に限ったもの
ではなく、自動装置に適用することも可能である。その
際、剥離用のモーターとトリミング用のモーターとを兼
用すれば、テープ印字装置1の構造を簡素化し、機器の
小型化、薄型化、低コスト化を図ることができる。
【0104】(第5実施形態)本実施形態の効果を効率
よく達成できる方式、構造として、粘着テープ10の保
持状態は大きな構成条件であるが、図3に示す粘着テー
プ10の厚さをTとした場合、その角部の2辺の寸法
が、それぞれB=5T〜100T、C=5T〜100T
の範囲の組み合わせが好ましい。
【0105】なぜならこの範囲以下の場合にはたとえ剥
離したとしても、該剥離部分がユーザーに認識できな
く、また、指で引っかけて更に引き剥す作業をやり難
い。逆に、この範囲を超えると、基材テープ11の曲げ
応力が大きくなってしまい、永久変形に近くなり、復元
力が弱くなることで剥離作用が効果的でなくなる。
【0106】本実施形態の剥離作用は粘着テープ10の
各構成部材の剛性を利用しているため、粘着テープ10
の厚さTと、その保持長さ(自由端の長さ)が大きく影
響する。通常、粘着テープ10の厚さは約0.1mm〜
0.3mm位のため、これらを前記式に入れると、図3
に示す角部の2辺の寸法が、それぞれB=0.5mm〜
30mm、C=0.5mm〜30mmとなる。
【0107】また、角部を保持し、その先端側を前記長
さの片持ち梁で自由状態とし、該部分に前記手段で撓み
を発生させ、解除し、剥離する本方式、構造は粘着テー
プ10の構成部材の少なくとも一方を弾性変形させ、他
方を永久変形させる方式であるため、角部を前述の様に
保持すると図3に想像線で示す部分に撓み時の最大応力
が発生するが、第1実施形態の剥離部材8に接触する角
部の頂点から想像線までの垂線の長さLと自由端10a
における梁の幅の関係から曲げモーメントの大きさに対
して各部の発生応力を少なくできる点で、前記一方の材
質を弾性変形内に設定する事が容易である事、また、角
部が粘着剤11bと剥離紙12の接触面積が少なく貼着
力が小さい事、さらには、角部は粘着テープ10の切断
時の切断抵抗で剥離するきっかけができていること等
で、最も剥離しやすい条件を備えており、角部を本発明
の各実施形態に記載した方法、構造で処理すると最も効
率的に剥離することができる点で、好ましい。
【0108】ここで、図11および図12を参照して、
粘着テープ10の厚さをTとした場合、図3に示す角部
の2辺の寸法をB=5T〜100T、C=5T〜100
Tとすることが、好ましいことを実験結果に基づいて説
明する。この実験では、基材11aがポリエチレンテレ
フタレート(PETP)、剥離紙12が普通紙の粘着テ
ープ10であって、その厚さTが0.15mm(基材11
a:0.05mm、粘着剤11b:0.025mm、剥離紙
12:0.075mm)のものを用いた。そして、粘着テ
ープ10の保持部、すなわち保持部材9の先端と剥離部
材8の先端との離間寸法Aが0.5mm(図11)の場合
と1.0mm(図12)の場合とにおいて、それぞれB=
Cの寸法を、2mm、3mm、4mm、5mmに変化させ、剥離
紙12が完全に剥離するまでの剥離動作の回数で、剥離
し易さを評価した。
【0109】図11に示すように、この実験によれば、
B=C=2mmで剥離動作が2〜3回、3mmで3〜6回、
4mmで5〜10回、5mmで6〜14回という結果になっ
た。また、図12では、B=C=2mmで剥離動作が2〜
4回、3mmで6〜9回、4mmで10〜14回、5mmで1
0〜22回という結果になった。これらを総合すると共
に、これが引き剥しの手がかりとしての剥離であること
を考えると、A=0.5mm〜1.0mmの範囲内で、B=
C=3mm〜4mm、すなわちB=C=20T〜27T程度
が好ましいことが解る。
【0110】なお、保持部材9,9により保持する前記
の条件は、基材テープ11および剥離紙12の両者に採
用することが好ましいが、どちらか一方でもほぼ同様な
効果が期待できる。また、前述の条件を最適に設定すれ
ば、角部だけでなく、粘着テープ10の各辺に平行な状
態で保持しても各実施形態の効果を生み出すことは可能
である。
【0111】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、粘
着剤付き粘着テープを大きく永久変形させること無く、
外観を損なわずに、さらには貼着対象物に貼ったあと
も、剥離作業時の変形で徐々に剥がれてしまうというこ
ともなく、特に回転動作による剥離動作の場合には連続
的に能率的に、短時間で確実に粘着テープの剥離紙を剥
離することができ、無用な振動を発生させることもな
い。
【0112】また、本発明は方法、構造が簡素なため、
バラツキ要素が少なく信頼性が高いと共に低コストで実
施できる。
【0113】さらに、自動だけでなく、手動でも簡便に
実施できる方法、構造であり画期的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る剥離装置を内蔵した
テープ印字装置の観斜視図である。
【図2】粘着テープの積層構造を示す拡大側面図であ
る。
【図3】第1実施形態に係る剥離装置の斜視図である。
【図4】第1実施形態に係る剥離装置の平面図である。
【図5】第1実施形態に係る剥離装置の剥離動作(1)
を表した側面図である。
【図6】第1実施形態に係る剥離装置の剥離動作(2)
を表した側面図である。
【図7】第1実施形態に係る剥離装置の剥離動作(3)
を表した側面図である。
【図8】第2実施形態に係る剥離装置の側面図である。
【図9】第3実施形態に係る剥離装置(部材)の斜視図
である。
【図10】第4実施形態に係る剥離装置(部材)の斜視
図である。
【図11】第5実施形態における実験結果(1)を示す
線図である。
【図12】第5実施形態における実験結果(2)を示す
線図である。
【図13】従来例の粘着テープの剥離方法を示す斜視図
である。
【符号の説明】
1 テープ印字装置 6 剥離装置 7 モーター 8 剥離部材 8a 凸部 9 保持部材 10 粘着テープ 10a 自由端 11 基材テープ 11a 基材 11b 粘着剤 12 剥離紙 20 制御器 22 移動部材 24 移動部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 会田 智恵子 東京都千代田区東神田2丁目10番18号 株式会社キングジム内 (72)発明者 亀田 登信 東京都千代田区東神田2丁目10番18号 株式会社キングジム内 (72)発明者 新村 朋之 東京都千代田区東神田2丁目10番18号 株式会社キングジム内 (56)参考文献 特開 平7−239553(JP,A) 特開 平4−294734(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 41/00

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の面に粘着剤を塗布した基材テープ
    と当該粘着剤により当該基材テープに貼着した剥離テー
    プとを積層して成る粘着テープから、当該剥離テープを
    剥離する粘着テープの剥離装置であって、当該基材テー
    プおよび当該剥離テープの端面における摩擦係数が異な
    るものにおいて、 前記粘着テープの縁部を自由端を残して保持する保持手
    段と、 前記基材テープおよび前記剥離テープの摩擦係数が小さ
    い方から大きい方に向かって、前記自由端の先端面に相
    対的に擦り合わせる剥離手段とを、備えたことを特徴と
    する粘着テープの剥離装置。
  2. 【請求項2】 前記剥離手段は、前記粘着テープの自由
    端に直接接触する剥離部材と、 当該剥離部材を剥離動作させるモータとを有することを
    特徴とする請求項に記載の粘着テープの剥離装置。
  3. 【請求項3】 前記剥離部材の前記粘着テープの自由端
    に接触する部位が、ゴムで構成されていることを特徴と
    する請求項に記載の粘着テープの剥離装置。
  4. 【請求項4】 前記剥離部材は、回転運動することで剥
    離動作する回転部材であることを特徴とする請求項2ま
    たは3に記載の粘着テープの剥離装置。
  5. 【請求項5】 前記剥離部材は、その周面に、回転運動
    に伴って各部が剥離動作する複数の凸部を有すること特
    徴とする請求項に記載の粘着テープの剥離装置。
  6. 【請求項6】 前記剥離部材は、平行運動することで剥
    離動作する移動部材であることを特徴とする請求項2ま
    たは3に記載の粘着テープの剥離装置。
  7. 【請求項7】 前記剥離部材は、その表面に、平行運動
    に伴って各部が剥離動作する複数の凸部を有すること特
    徴とする請求項に記載の粘着テープの剥離装置。
  8. 【請求項8】 前記剥離手段は、前記モータを介して前
    記剥離部材の剥離動作の繰返し回数を調節可能な制御器
    を、更に有していることを特徴とする請求項2ないし7
    のいずれかに記載の粘着テープの剥離装置。
  9. 【請求項9】 複数回に亘る前記剥離動作の繰返し周期
    が、前記粘着テープの自由端における固有振動数の1/
    2周期より長いことを特徴とする請求項に記載の粘着
    テープの剥離装置。
  10. 【請求項10】 前記粘着テープの自由端が、当該粘着
    テープの角部であることを特徴とする請求項1ないし9
    のいずれかに記載の粘着テープの剥離装置。
  11. 【請求項11】 前記粘着テープの自由端の各辺の長さ
    が、それぞれ当該自由端の厚さをTとした場合に20T
    〜27Tであることを特徴とする請求項10に記載の粘
    着テープの剥離装置。
  12. 【請求項12】 前記粘着テープの自由端の突出長さ
    は、当該自由端の厚さをTとした場合に5T〜100T
    であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか
    に記載の粘着テープの剥離装置。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし12のいずれかに記載
    の粘着テープの剥離装置を備えたことを特徴とするテー
    プ印字装置。
  14. 【請求項14】 長尺の粘着テープに印字を行う印字機
    構と、当該長尺の粘着テープの印字部分を切断するカッ
    タとを、更に備えており、前記粘着テープは、前記カッ
    タで切断した長尺の粘着テープの印字部分であることを
    特徴とする請求項13に記載のテープ印字装置。
JP07310302A 1994-12-21 1995-11-29 粘着テープの剥離装置及びテープ印字装置 Expired - Fee Related JP3138417B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07310302A JP3138417B2 (ja) 1995-11-29 1995-11-29 粘着テープの剥離装置及びテープ印字装置
DE69522309T DE69522309T2 (de) 1994-12-21 1995-12-20 Verfahren und Vorrichtung zur Abtrennung eines Halterstreifens von einem Klebestreifen
CA002165703A CA2165703C (en) 1994-12-21 1995-12-20 Separation method for adhesive sheet and its device
US08/575,929 US5861077A (en) 1994-12-21 1995-12-20 Separation method for adhesive sheet and its device
KR1019950072127A KR100429326B1 (ko) 1994-12-21 1995-12-20 점착시트의박리방법및그장치
EP95120160A EP0726222B1 (en) 1994-12-21 1995-12-20 Method and device for separating a backing sheet from an adhesive sheet
CN95121674A CN1059389C (zh) 1994-12-21 1995-12-21 粘接片的剥离方法及其装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07310302A JP3138417B2 (ja) 1995-11-29 1995-11-29 粘着テープの剥離装置及びテープ印字装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09151028A JPH09151028A (ja) 1997-06-10
JP3138417B2 true JP3138417B2 (ja) 2001-02-26

Family

ID=18003593

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07310302A Expired - Fee Related JP3138417B2 (ja) 1994-12-21 1995-11-29 粘着テープの剥離装置及びテープ印字装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3138417B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6745745B2 (ja) 2017-03-10 2020-08-26 三菱重工業株式会社 プリプレグシート用保護シートの剥離方法、および、プリプレグシート用保護シートの剥離装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09151028A (ja) 1997-06-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100429326B1 (ko) 점착시트의박리방법및그장치
JP3611249B2 (ja) 印刷装置
JPH0853264A (ja) 剥離紙付き粘着テープの剥離紙分離構造
GB2175272A (en) Tape applicator
JP3138417B2 (ja) 粘着テープの剥離装置及びテープ印字装置
JP3138400B2 (ja) 粘着テープの剥離装置及びテープワープロ
JPH07695U (ja) 印字テープの切断装置
EP0841181B1 (en) Peeling device, tape processing device incorporating the peeling device, and tape printing apparatus incorporating the tape processing device
JP2003024241A (ja) トイレットペーパー用ホルダ
JP4371390B2 (ja) 転写具
EP1075423B1 (en) Separator for a printing laminate
JPH10330021A (ja) 粘着テ−プ貼付器
JP2577003Y2 (ja) 粘着印字テープの切断装置
JPH0753119A (ja) テープ分離装置
JP3660909B2 (ja) 保護フィルム剥離方法及び装置
JPH04311443A (ja) 粘着シート片付きテープと粘着シート片の剥離方法
EP0545481A1 (en) Apparatus and method for the delamination of a laminate
JPH084307Y2 (ja) 背貼り用テープのカートリツジ
JP2998021B2 (ja) 粘着テープカッター
JP2590607Y2 (ja) 粘着テープ印字装置
JPH10139270A (ja) 剥離装置
JP2003340174A (ja) 剥離紙付粘着シート等の剥離紙切断用工具
JP3538621B2 (ja) 電子機器の入力面用樹脂シ−ト貼付装置
JPH0734916Y2 (ja) 紙石鹸パッケージ
JPH0755120Y2 (ja) 転写膜の転写具

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081208

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees