JPH10138967A - 自動二輪車のスタンド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 トレッドバー５７ｃに、飛散した泥水Ｄ
が車体２，１０、搭乗者Ｐへかからないようにするため
の保護板５７ｄを一体的に設けた。 【効果】 保護板によって、車体、搭乗者に泥水がかか
らず、車体や搭乗者の足元等を汚すことがない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は自動二輪車のスタン
ド装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図９は従来のメインスタンドの要部平面
図であり、図の左側が自動二輪車の進行方向を示し、こ
の進行方向に対してメインスタンドの左半分を表わす。
メインスタンド１００は、図示せぬ車体にレバー１０１
を介して上下動可能に取付けたスタンド本体１０２と、
このスタンド本体１０２の側方に延出させた足踏み操作
用トレッドバー１０３と、このトレッドバー１０３とス
タンド本体１０２とに渡して溶接した補強部材１０４と
からなる。なお、１０５は補強バー、１０６はメインス
タンド１００を起立させた時に地面に接する突出部であ
る。図１０は図９の１０−１０線断面図であり、トレッ
ドバー１０３の前側（自動二輪車の進行方向側）に取付
けた補強部材１０４の断面形状を示す。また、メインス
タンドに保護板を一体に設けたものに特開昭５８−１２
８９７８号がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】図１１は従来のメイン
スタンドの作用を示す側面図であり、自動二輪車１１０
が、図の左方向に走行中に、路面から泥水１０７がメイ
ンスタンド１００に向かい補強部材１０４に当たると、
泥水１０７は車体１０８側に飛んで、車体１０８を汚す
ことがある。また、後席に搭乗者がいれば、この搭乗者
の足元等を汚すことがある。そこで、本発明の目的は、
飛散した泥水等が車体や搭乗者にかからない自動二輪車
のスタンド装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の請求項１は、トレッドバーに、飛散した泥水
が車体、搭乗者へかからないようにするための保護板を
一体的に設けた。保護板を設けたので、車体、搭乗者に
泥水がかからず、車体や搭乗者の足元等を汚すことがな
い。

【０００５】請求項２は、保護板を、メインスタンドの
収納状態で略車両進行方向に指向して設けた。このた
め、泥水が上方にはね上がるのを防止できる。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図１は本発明に係る自動二輪車の側面図で
あり、スクータ型の自動二輪車１は２人乗り自動二輪車
であり、車体フレーム２と、この車体フレーム２を覆う
ボディカバー１０と、前輪２１と、後輪２２と、シート
（座席）２３と、パワーユニット４１等からなる。シー
ト２３は、搭乗者としての運転者並びに同乗者が着座可
能な座部を備えたダブルシートである。ここでは、車体
フレーム２とボディカバー１０とで車体を構成するもの
とし、自動二輪車１を単に車両と記す。２５はスペアタ
イヤであり、車体フレーム２の後部にリヤキャリア２６
とサポート２７にて取付けられる。

【０００７】車体フレーム２はヘッドパイプ３と、この
ヘッドパイプ３に操向可能に支承したフロントフォーク
４と、このフロントフォーク４に連結したハンドル５
と、ヘッドパイプ３から後下方に延出したダウンチュー
ブ６と、このダウンチューブ６の下端から後方に連設し
たリヤフレーム７とからなる。フロントフォーク４の下
端部には前輪２１が懸架される。

【０００８】リヤフレーム７は平面視略楕円状を呈し、
ダウンチューブ６の下端から後方に略水平に延びる左右
１対の前部フレーム部７ａ（この図では一方のみを示
す）と、これらの前部フレーム部７ａの後部から後上方
に斜めに延びる左右１対の中間フレーム部７ｂと、これ
らの中間フレーム部７ｂの後端を相互に連結する後部フ
レーム部７ｃとからなる。

【０００９】ボディカバー１０は、ヘッドパイプ３の前
部及び前輪２１の上部を覆うフロントカバー１１並びに
フロントサイドカバー１２と、ハンドル５周りを覆うハ
ンドルカバー１３と、運転者の脚部前方を覆うレッグシ
ールド１４と、運転者の足元を支持するフロアパネル１
５と、中間フレーム部７ｂの前部を覆うセンターカバー
１６と、車体フレーム２の後部両側面を覆うサイドカバ
ー１７並びにアンダーカバー１８と、車体フレーム２の
後部上部を覆うリヤアッパカバー１９とからなる。サイ
ドカバー１７の後部には、後輪２２の上部を覆うリヤフ
ェンダ３１が配置される。このように、ボディカバー１
０は車体フレーム２とシート２３下部周囲とを覆う。

【００１０】図２は本発明に係る自動二輪車の後部の側
面図であり、パワーユニット４１は２サイクル強制空冷
型エンジン４２と、このエンジン４２の出力を後輪２２
に伝達する無段変速機４３とからなり、この無段変速機
４３は後輪２２と連結したものである。なお、４４はエ
ンジン用エアクリーナである。

【００１１】自動二輪車１のリヤサスペンションは、パ
ワーユニット４１をスイングアームとし、パワーユニッ
ト４１をリヤクッション（ダンパ）４７でリヤフレーム
７後部に吊下げた、スイングアーム方式である。すなわ
ちリヤサスペンションは、パワーユニット４１の前部
を、リンク機構４６を介して中間フレーム部７ｂの前部
に上下動可能に取付け、パワーユニット４１の後部を、
リヤクッション４７を介して中間フレーム部７ｂの後部
に取付けた構成である。

【００１２】自動二輪車１は後部に、シート２３の下方
に前側の収納ボックス５１並びに後側の燃料タンク５２
を配置し、これらの収納ボックス５１と燃料タンク５２
を中間フレーム部７ｂに固定してなる。収納ボックス５
１は上側開放のボックス状であり、それのフランジ５１
ａの上部前部にシート２３をヒンジ５３で取付けたもの
である。収納ボックス５１には、例えばヘルメット５４
を収納する。なお、５６はバッテリである。

【００１３】また、自動二輪車１は、車体下部にスタン
ド装置であるメインスタンド５７を備え、後部下部の車
体左側（この図の手前側）に、同乗者が足を掛けるため
の補助ステップ装置６０を配置してなる。メインスタン
ド５７は、可倒式であり、図はメインスタンド５７をは
ね上げて収納した状態を示す。なお、５８はブラケット
であり、メインスタンド５７を中間フレーム部７ｂに取
付けるためのものである。

【００１４】補助ステップ装置６０は、リヤフレーム７
の中間フレーム部７ｂから垂下したステップ用フレーム
６１と、このステップ用フレーム６１の下方の延出部６
５に固定したプレート状のステップ７２とからなる。

【００１５】図３は本発明に係る自動二輪車の補助ステ
ップ装置の背面図であり、自動二輪車を背面から見た場
合の、補助ステップ装置６０の配置関係を示す。後輪２
２の上側に配置されたリヤフレーム７は、左側の中間フ
レーム部７ｂからステップ用フレーム６１を垂下し、こ
のステップ用フレーム６１はサイドカバー１７内から下
縁１７ａを迂回させて外へ延出し、これの延出部６５に
プレート状のステップ７２を取付けたものである。

【００１６】すなわちリヤフレーム７は、ボディカバー
１０（図２参照）内の車体フレーム２（図２参照）から
ステップ用フレーム６１を垂下し、このステップ用フレ
ーム６１をボディカバー１０下縁より下方に露出させて
延出し、これの延出部６５にプレート状のステップ７２
を車体側方に突出させて取付けたものである。このた
め、ステップ用フレーム６１は、サイドカバー１７の下
縁１７ａと、想像線にて示す上限位置でのスイング式パ
ワーユニット４１との間を通っている。なお、７１はス
テップ用アームである。

【００１７】図４は本発明に係るスタンド装置の側面図
であり、実線で収納状態を示し、想像線でスタンド装置
を立てた状態を示す。このスタンド装置を車体フレーム
に取付けた場合に図の左方が車両進行方向となる。スタ
ンド装置であるメインスタンド５７は、図２に示した中
間フレーム部７ｂのブラケット５８にこのメインスタン
ド５７を上下動可能に取付けるための車体取付部５７
ａ，５７ａ（奥側は省略）と、この車体取付部５７ａの
後部に取付けたスタンド本体５７ｂと、このスタンド本
体５７ｂに側方に延出させて取付けたトレッドバー５７
ｃと、これらスタンド本体５７ｂの上部、トレッドバー
５７ｃの上部に渡して溶接した保護板５７ｄと、この保
護板５７ｄと共にトレッドバー５７ｃをを補強する補強
部材５７ｅとからなる。なお、５７ｆ，５７ｆ（奥側は
省略）は取付孔である。

【００１８】図５は本発明に係るスタンド装置の平面図
であり、このスタンド装置を車体フレームに取付けた場
合に図の左方が車両進行方向となる。メインスタンド５
７のスタンド本体５７ｂは、略Ω字形状であり、側方に
突き出した突出部５７ｇ，５７ｇは、メインスタンド５
７を起立させたときに地面に接する部分である。なお、
５７ｈは補強バーである。トレッドバー５７ｃは、先端
に取付けたペダル部５７ｊを足で踏んでメインスタンド
５７を起立させるためのものであり、保護板５７ｄの下
部に補強部材５７ｅを溶接したものである。

【００１９】図６は図５の６−６線断面図であり、トレ
ッドバー５７ｃに保護板５７ｄを車両進行方向（図の左
方）に指向させて取付けた状態を示す。

【００２０】以上に述べたスタンド装置の作用を次に説
明する。図７は本発明に係るスタンド装置の作用を説明
する図であり、自動二輪車１が図の左方に進行している
状態で、路上から泥水Ｄが矢印のようにメインスタン
ド５７に飛んでも、メインスタンド５７の保護板５７ｄ
によって車両の後上部に飛ぶのを防ぎ、矢印，のよ
うに下方へ飛ばす。従って、泥水Ｄでサイドカバー１
７、リヤアッパカバー１９（図１参照）等を汚すことが
ない。

【００２１】また、シート２３（図２参照）の後席の搭
乗者Ｐがステップ７２に足を掛けている場合でも、搭乗
者Ｐの足元Ｆや衣服等を汚すことがない。更に、例えば
石等がメインスタンド５７に当たった場合にも、保護板
５７ｄによって、石等が車体や搭乗者Ｐに当たるのを防
ぐことができる。

【００２２】更にまた、保護板５７ｄを略車両進行方向
に指向して設けたことで、泥水Ｄが上方にはね上がるの
を防止できる。

【００２３】図８（ａ），（ｂ）は本発明に係るスタン
ド装置の別実施例を示す断面図であり、（ａ）はトレッ
ドバー５７ｃの上部に保護板５７ｄを溶接し、この保護
板５７ｄの下部に平板７５を取付けて、これら保護板５
７ｄ及び平板７５でトレッドバー５７ｃを補強した状態
を示す。この構成において、保護板５７ｄ及び平板７５
で図７に示したサイドカバー１７や搭乗者Ｐに泥水等が
はねないようにすることができる。また、平板７５を用
いたので、加工が容易となり、スタンド装置のコストを
抑えることができる。

【００２４】（ｂ）はトレッドバー５７ｃの前側に断面
視Ｖ字形状の補強部材７６を溶接して補強した状態を示
す。補強部材７６は、平坦部７６ａと傾斜部７６ｂとを
有し、平坦部７６ａが前述の保護板５７ｄに相当する。
この構成において、補強部材７６によって図７に示した
サイドカバー１７や搭乗者Ｐに泥水等がはねないように
することができる。また、補強部材７６を単一部材とし
たことで、プレス加工で容易に成形することができ、溶
接箇所が少なくなってトレッドバー５７ｃへの固定が容
易になる。

【００２５】

【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項１の自動二輪車のスタンド装置は、トレッ
ドバーに、飛散した泥水が車体、搭乗者へかからないよ
うにするための保護板を一体的に設けたので、この保護
板によって、車体、搭乗者に泥水がかからず、車体や搭
乗者の足元を汚すことがない。

【００２６】請求項２の自動二輪車のスタンド装置は、
保護板を、メインスタンドの収納状態で略車両進行方向
に指向して設けたので、泥水が上方にはね上がるのを防
止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る自動二輪車の側面図

【図２】本発明に係る自動二輪車の後部の側面図

【図３】本発明に係る自動二輪車の補助ステップ装置の
背面図

【図４】本発明に係るスタンド装置の側面図

【図５】本発明に係るスタンド装置の平面図

【図６】図５の６−６線断面図

【図７】本発明に係るスタンド装置の作用を説明する図

【図８】本発明に係るスタンド装置の別実施例を示す断
面図

【図９】従来のメインスタンドの要部平面図

【図１０】図９の１０−１０線断面図

【図１１】従来のメインスタンドの作用を示す側面図

【符号の説明】

１…自動二輪車（車両）、２…車体フレーム、１０…ボ
ディカバー、５７…メインスタンド（スタンド装置）、
５７ｃ…トレッドバー、５７ｄ，７６ａ…保護板、Ｄ…
泥水、Ｐ…搭乗者。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体下部に可倒式メインスタンドを設
   け、このメインスタンドに足踏み操作用トレッドバーを
   車体外方へ延出して設けた自動二輪車において、前記ト
   レッドバーに、飛散した泥水が車体、搭乗者へかからな
   いようにするための保護板を一体的に設けたことを特徴
   とする自動二輪車のスタンド装置。
2. 【請求項２】 前記保護板は、前記メインスタンドの収
   納状態で略車両進行方向に指向して設けたことを特徴と
   する請求項１記載の自動二輪車のスタンド装置。