JP2001233270A - 自動二輪車の車体フレーム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】燃料タンクの容量を減らすことなくバッテリを
車体の重心近傍に配置可能にした自動二輪車の車体フレ
ームを提供するにある。 【解決手段】タンクレール８後端部に左右一対のシート
レール取付用ブラケット１１を上方に向かって突設する
と共に、燃料タンク１３の底板２０の後端部分をシート
レール取付用ブラケット１１の前縁に沿って後上方に傾
斜させて後壁２１を形成し、この後壁２１に燃料タンク
１３固定用の取付ステー２２を後方に向かって突設する
一方、左右のシートレール取付用ブラケット１１間にク
ロスメンバ１２を架設し、このクロスメンバ１２上に取
付ステー２２取付用の取付ブラケット２４をボルト２５
によって締着すると共に、クロスメンバ１２を取付ブラ
ケット締着用ボルト２５の締付け軸線２６が燃料タンク
１３の後壁２１と略平行に傾斜するよう、クロスメンバ
１２を後方に傾斜して配置したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動二輪車の車体
フレームに関する。

【０００２】

【従来の技術】自動二輪車にはその車体フレームを構成
するタンクレール上に燃料タンクを配置したものがあ
る。燃料タンクは、その前後端が例えばビスやボルト等
で車体フレームに固定され、前端はヘッドパイプ近傍の
タンクレールに、後端はタンクレールの後端から後方に
延設されたシートレールにそれぞれ固定されるのが一般
的である。

【０００３】ところで、自動二輪車には電装品用にバッ
テリが搭載されている。バッテリは重量があるので、自
動二輪車の運動性能を向上させるため、車体の重心近傍
に配置されるのが望ましい。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】バッテリはメンテナン
スのために着脱自在である必要があるが、バッテリが配
置される車体の重心近傍には燃料タンクの後部取付部が
存在するため、互いに干渉しないようにするためには燃
料タンクの前後長を短くするかバッテリを後方寄りに配
置するしかない。

【０００５】しかしながら、燃料タンクの前後長を短く
するとタンク容量が減って好ましくない。また、バッテ
リを後方寄りに配置すると重いバッテリが車体の重心か
ら離れ、運動性能が低下するおそれがある。

【０００６】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、燃料タンクの容量を減らすことなくバッテリを
車体の重心近傍に配置可能にした自動二輪車の車体フレ
ームを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係る自動二輪車
の車体フレームは、上述した課題を解決するために、請
求項１に記載したように、ヘッドパイプから左右方向に
拡開し、後斜下方に延びる左右一対のタンクレールを有
する前部フレームを備え、このタンクレールの上方に燃
料タンクを配置すると共に、上記タンクレールの後方に
運転シートを支持するシートレールを有する後部フレー
ムを備えた自動二輪車の車体フレームにおいて、上記タ
ンクレール後端部に左右一対のシートレール取付用ブラ
ケットを上方に向かって突設すると共に、上記燃料タン
クの底板の後端部分を上記シートレール取付用ブラケッ
トの前縁に沿って後上方に傾斜させて後壁を形成し、こ
の後壁に上記燃料タンク固定用の取付ステーを後方に向
かって突設する一方、上記左右のシートレール取付用ブ
ラケット間にクロスメンバを架設し、このクロスメンバ
上に上記取付ステー取付用の取付ブラケットをボルトに
よって締着すると共に、上記取付ブラケット締着用ボル
トの締付け軸線が上記燃料タンクの後壁と略平行に傾斜
するよう、上記クロスメンバを後方に傾斜して配置した
ものである。

【０００８】また、上述した課題を解決するために、請
求項２に記載したように、上記燃料タンク後方の上記運
転シート直下の上記シートレール上にバッテリを着脱可
能に配置したものである。

【０００９】さらに、上述した課題を解決するために、
請求項３に記載したように、上記シートレールを備える
上記後部フレームを上記前部フレームに着脱自在に取り
付けたものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。

【００１１】図１は、この発明を適用した自動二輪車の
一例を示す左側面図である。

【００１２】図１に示すように、この自動二輪車１は車
体フレーム２を有し、その前方にヘッドパイプ３が設け
られる。ヘッドパイプ３には図示しないサスペンション
機構を内装し、前輪４を回動自在に支持する左右一対の
フロントフォーク５やハンドルバー６等から構成される
ステアリング機構７が設けられ、ハンドルバー６により
前輪４が左右に回動自在に操舵される。

【００１３】図２は、車体フレーム２単体の左側面図で
あり、図３は同平面図である。図２および図３に示すよ
うに、車体フレーム２は、例えばツインチューブ型のも
ので、前後に二分割可能に構成される。前部フレーム２
Ｆは、ヘッドパイプ３と、このヘッドパイプ３の直後で
左右方向に拡開された後、互いに平行に後斜下方に延び
る左右一対のタンクレール８と、このタンクレール８の
後端部に接続され、略下方に向かって延びる左右一対の
センターフレーム９とから構成される。また、後部フレ
ーム２Ｒは、複数本のパイプ材から構成される左右一対
のシートレール１０を備え、前部フレーム２Ｆに着脱自
在に取り付けられる。

【００１４】左右のタンクレール８後端部にはシートレ
ール取付用のブラケット１１が上方に向かってそれぞれ
突設され、これらのブラケット１１の上端にシートレー
ル１０のアッパーレール１０ａが着脱自在に取り付けら
れると共に、タンクレール８の後端部にはシートレール
１０のロアーレール１０ｂが着脱自在に取り付けられ
る。そして、図３に示すように、左右のシートレール取
付用ブラケット１１間にはクロスメンバ１２が架設され
る。

【００１５】図１に示すように、タンクレール８の上方
には燃料タンク１３が配置され、シートレール１０の上
方には運転シート１４が着脱または開閉自在に配置され
る。また、センターフレーム９の略中央にはピボット軸
１５が架設され、このピボット軸１５にスイングアーム
１６がピボット軸１５廻りにスイング自在に枢着される
と共に、このスイングアーム１６の後端に後輪１７が回
動自在に軸支される。そして、前後輪４，１７間の車体
中央下部、燃料タンク１３下方にはエンジン１８が配置
される。

【００１６】さらに、この自動二輪車１は車体の前部が
流線形のカウリング１９で覆われており、走行中の空気
抵抗低減と、走行風圧からのライダの保護とが図られて
いる。

【００１７】図４は前部フレーム２Ｆと後部フレーム２
Ｒとの接合部周辺を斜め後方から見た斜視図である。ま
た、図５は前部フレーム２Ｆと後部フレーム２Ｒとの接
合部周辺の拡大左側面図である。

【００１８】図４および図５に示すように、燃料タンク
１３の底板２０はその後端部分がシートレール取付用ブ
ラケット１１の前縁に沿って後上方に傾斜されて後壁２
１を形成し、この後壁２１に燃料タンク１３を車体フレ
ーム２に取り付ける取付ステー２２が後方に向かって突
設される。

【００１９】また、シートレール取付用ブラケット１１
間に架設されたクロスメンバ１２上には上記燃料タンク
１３の取付ステー２２が例えばボルト２３によって締着
される取付ブラケット２４がボルト２５によって締着さ
れる。そして、クロスメンバ１２は取付ブラケット２４
締着用ボルト２５の締付け軸線２６が燃料タンク１３の
後壁２１と略平行に傾斜するよう、後方に傾斜して配置
される。なお、図４に示すように、燃料タンク１３の前
端は例えば二本のボルト２７によってタンクレール８前
端に設けられた取付穴２８（図３参照）に締着される。

【００２０】そして、この自動二輪車１は、図１および
図５に示すように、燃料タンク１３後方の運転シート１
４直下のロアーレール１０ｂ上にバッテリ２９が上下方
向着脱可能に配置される。

【００２１】次に、本実施形態の作用について説明す
る。

【００２２】シートレール取付用ブラケット１１間に架
設されたクロスメンバ１２を燃料タンク１３の取付ブラ
ケット２４締着用ボルト２５の締付け軸線２６が燃料タ
ンク１３の後壁２１と略平行に傾斜するよう、後方に傾
斜して配置したことにより、燃料タンク１３の後壁２１
に設けられる取付ステー２２の後方への突設量が少なく
てもボルト２５の締付工具（図示せず）が燃料タンク１
３の後部と干渉しない。その結果、燃料タンク１３の取
付ブラケット２４が設けられるクロスメンバ１２をより
前方に配置でき、バッテリ２９を運転シート１４直下の
より車体の重心近傍に配置でき、マスの集中化および車
体の小型化が可能になると共に、自動二輪車１の運動性
能を向上させる。

【００２３】また、シートレール１０を備える後部フレ
ーム２Ｒを前部フレーム２Ｆに着脱自在に取り付けたこ
とにより、整備性が向上すると共に、仕様の異なる機種
への移行が安価に、また容易にできる。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る自動
二輪車の車体フレームによれば、ヘッドパイプから左右
方向に拡開し、後斜下方に延びる左右一対のタンクレー
ルを有する前部フレームを備え、このタンクレールの上
方に燃料タンクを配置すると共に、上記タンクレールの
後方に運転シートを支持するシートレールを有する後部
フレームを備えた自動二輪車の車体フレームにおいて、
上記タンクレール後端部に左右一対のシートレール取付
用ブラケットを上方に向かって突設すると共に、上記燃
料タンクの底板の後端部分を上記シートレール取付用ブ
ラケットの前縁に沿って後上方に傾斜させて後壁を形成
し、この後壁に上記燃料タンク固定用の取付ステーを後
方に向かって突設する一方、上記左右のシートレール取
付用ブラケット間にクロスメンバを架設し、このクロス
メンバ上に上記取付ステー取付用の取付ブラケットをボ
ルトによって締着すると共に、上記取付ブラケット締着
用ボルトの締付け軸線が上記燃料タンクの後壁と略平行
に傾斜するよう、上記クロスメンバを後方に傾斜して配
置したため、バッテリを運転シート直下の車体の重心近
傍に配置できる。

【００２５】また、上記燃料タンク後方の上記運転シー
ト直下の上記シートレール上にバッテリを着脱可能に配
置したため、マスの集中化および車体の小型化が可能に
なり、自動二輪車の運動性能が向上する。

【００２６】さらに、上記シートレールを備える上記後
部フレームを上記前部フレームに着脱自在に取り付けた
ため、整備性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る自動二輪車の車体フレームの一実
施形態を示す自動二輪車の左側面図。

【図２】車体フレーム単体の左側面図。

【図３】車体フレーム単体の平面面図。

【図４】前部フレームと後部フレームとの接合部周辺を
斜め後方から見た斜視図。

【図５】前部フレームと後部フレームとの接合部周辺の
拡大左側面図。

【符号の説明】

１ 自動二輪車 ２ 車体フレーム ２Ｆ 前部フレーム ２Ｒ 後部フレーム ３ ヘッドパイプ ８ タンクレール １０ シートレール １１ シートレール取付用ブラケット １２ クロスメンバ １３ 燃料タンク １４ 運転シート ２０ 燃料タンクの底板 ２１ 燃料タンクの後壁 ２２ 燃料タンク固定用の取付ステー ２４ 取付ステー取付用の取付ブラケット ２５ 取付ブラケット締着用ボルト ２６ ボルトの締付け軸線 ２９ バッテリ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ヘッドパイプから左右方向に拡開し、後
   斜下方に延びる左右一対のタンクレールを有する前部フ
   レームを備え、このタンクレールの上方に燃料タンクを
   配置すると共に、上記タンクレールの後方に運転シート
   を支持するシートレールを有する後部フレームを備えた
   自動二輪車の車体フレームにおいて、上記タンクレール
   ８後端部に左右一対のシートレール取付用ブラケット１
   １を上方に向かって突設すると共に、上記燃料タンク１
   ３の底板２０の後端部分を上記シートレール取付用ブラ
   ケット１１の前縁に沿って後上方に傾斜させて後壁２１
   を形成し、この後壁２１に上記燃料タンク１３固定用の
   取付ステー２２を後方に向かって突設する一方、上記左
   右のシートレール取付用ブラケット１１間にクロスメン
   バ１２を架設し、このクロスメンバ１２上に上記取付ス
   テー２２取付用の取付ブラケット２４をボルト２５によ
   って締着すると共に、上記取付ブラケット締着用ボルト
   ２５の締付け軸線２６が上記燃料タンク１３の後壁２１
   と略平行に傾斜するよう、上記クロスメンバ１２を後方
   に傾斜して配置したことを特徴とする自動二輪車の車体
   フレーム。
2. 【請求項２】 上記燃料タンク１３後方の上記運転シー
   ト１４直下の上記シートレール１０上にバッテリ２９を
   着脱可能に配置した請求項１記載の自動二輪車の車体フ
   レーム。
3. 【請求項３】 上記シートレール１０を備える上記後部
   フレーム２Ｒを上記前部フレーム２Ｆに着脱自在に取り
   付けた請求項１または２記載の自動二輪車の車体フレー
   ム。