JPH10226380A - 自動二輪車のカウリング取付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】コストが掛からず、生産性や量産性のよい自動
二輪車のカウリング取付装置を提供するにある。 【解決手段】車体前部を覆うカウリング１７内にヘッド
ライトハウジング３２を備えた自動二輪車１１におい
て、ヘッドライトハウジング３２の背面に合成樹脂製の
カウリングブレース３４を後方に向かって一体的に突設
し、このカウリングブレース３４を車体２３に着脱可能
に取り付けると共に、カウリングブレース３４にカウリ
ング取付部３９を形成し、また、ヘッドライトハウジン
グ３２にカウリング取付ステー５０を形成し、これらの
取付部３９と取付ステー５０とでカウリング１７を支持
したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は自動二輪車のカウリ
ング取付装置に係り、特にフロントカウリングの取付装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動二輪車は、近年、車体を覆うカウリ
ングを備えたものが多く、図９に示すように、例えば車
体前部を覆うフロントカウリング１内にヘッドライトハ
ウジング２やメータパネル３等を設けている。

【０００３】ヘッドライトハウジング２は例えばステー
４を介してフロントカウリング１内に固定されている。
また、このステー４にカウリングブレース５が取り付け
られ、このカウリングブレース５にメータパネル３が固
定されている。そして、このカウリングブレース５が例
えばヘッドパイプ（図示せず）に固定されるようになっ
ている。

【０００４】カウリングブレース５は、必要な長さに切
断し、必要な形状に曲げ加工した複数本の鋼やアルミニ
ウム等からなる金属棒（または管）を組み合わせて溶接
したもので、別部品のメータパネル取付用のブラケット
６やフロントカウリング取付用ブラケット７、前記ステ
ー取付用のブラケット８がカウリングブレース５に溶着
されると共に、剛性や強度を確保するために別部品の補
強部材９もカウリングブレースに溶着されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複数本
の金属棒等を組み合わせて溶接したり、別部品の各種ブ
ラケットや補強部材を溶着するカウリングブレースは、
部品点数の多さ、組立工程数の多さ、溶接作業の複雑
さ、腐食防止の表面処理の必要性、等の要因からコスト
が掛り、また、生産性や量産性も極めて悪い。さらに、
金属材は重量がかさむ。

【０００６】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、コストが掛からず、生産性や量産性のよい自動
二輪車のカウリング取付装置を提供することを目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係る自動二輪車
のカウリング取付装置は、上述した課題を解決するため
に、請求項１に記載したように、車体前部を覆うカウリ
ング内にヘッドライトハウジングを備えた自動二輪車に
おいて、上記ヘッドライトハウジングの背面に合成樹脂
製のカウリングブレースを後方に向かって一体的に突設
し、このカウリングブレースを車体に着脱可能に取り付
けると共に、上記カウリングブレースにカウリング取付
部を形成し、また、上記ヘッドライトハウジングにカウ
リング取付ステーを形成し、これらの取付部と取付ステ
ーとで上記カウリングを支持したものである。

【０００８】また、上述した課題を解決するために、請
求項２に記載したように、上記ヘッドライトハウジング
は二個のライトを左右に並設した二灯式のものであり、
上記カウリングブレースを上記左右のライト間から後方
に向かって突設したものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。

【００１０】図１は、この発明を適用した自動二輪車の
一例を示す左側面図であり、図２はこの自動二輪車の正
面図である。

【００１１】図１および図２に示すように、この自動二
輪車１１は、車体フレーム１２を有し、この車体フレー
ム１２の前方下部にエンジン１３を搭載する。エンジン
１３の上方には燃料タンク１４が配置され、その後方に
シート１５が設けられる。

【００１２】ところで、この自動二輪車１１は車体の前
部が流線形のカウリング１６で覆われており、走行中の
空気抵抗低減と、走行風圧からのライダの保護とが図ら
れている。このカウリング１６は、複数のパーツから構
成されており、特に車体前上方に設けられた部分をフロ
ントカウリング１７と称す。また、エンジン１３の両側
部を覆う部分をロアーカウリング１８、そしてシートの
下部を覆う部分をシートカウリング１９とそれぞれ称
す。

【００１３】カウリング１６は例えば合成樹脂等の材料
で成形され、フロントカウリング１７の上部には透明材
料で形成されたウインドスクリーン２０が設けられる。
また、ロアーカウリング１８前面には走行風取入口２１
が開口されると共に、側面には排風口２２が形成され
る。

【００１４】図３は、図１に示す自動二輪車１１からカ
ウリング１６やエンジン１３等の外装品を取り外した状
態を示す左側面図である。図１〜図３に示すように、車
体フレーム１２の前方にはヘッドパイプ２３が設けら
れ、このヘッドパイプ２３には前輪２４を回動自在に支
持する図示しないサスペンション機構を内装した左右一
対のフロントフォーク２５やフロントフェンダ２６、ハ
ンドルバー２７等から構成されるステアリング機構２８
が設けられる。

【００１５】一方、車体フレーム１２は、例えばツイン
チューブ型のもので、ヘッドパイプ２３の直後で左右方
向に拡開された後、互いに平行に後斜下方に延びる左右
一対のメインフレーム１２ａと、このメインフレーム１
２ａの後端部に設けられたシートレール１２ｂとから構
成され、メインフレーム１２ａの後端下部にはピボット
部１２ｃが設けられる。

【００１６】ピボット部１２ｃにはピボット軸２９が架
設され、このピボット軸２９にスイングアーム３０がピ
ボット軸２９廻りにスイング自在に枢着されると共に、
このスイングアーム３０の後端に後輪３１が回動自在に
軸支される。

【００１７】図３に示すように、ヘッドパイプ２３前方
のフロントカウリング１７内にはヘッドライトハウジン
グ３２とメータパネル３３とが設けられる。また、ヘッ
ドライトハウジング３２およびメータパネル３３はカウ
リングブレース３４を介してヘッドパイプ２３に取り付
けられる。そして、図２に示すように、このヘッドライ
トハウジング３２は二個のライト３５，３５を左右に並
設した二灯式のものである。

【００１８】図４は、カウリングブレース３４の左側面
図である。また、図５は、このカウリングブレース３４
の正面図である。そして、図６にこのカウリングブレー
ス３４の斜視図を示す。図４〜図６に示すように、カウ
リングブレース３４は主に基部３６と、メータ取付部３
７と、ヘッドライト取付部３８と、カウリング取付部３
９とから構成され、各部３６〜３９は合成樹脂により一
体に成形される。

【００１９】カウリングブレース３４の基部３６は例え
ば側面視二等辺三角形状を有し、その底辺にはヘッドパ
イプ２３への取付部４０が形成されると共に、その近傍
には後述する補強プレート４１の取付ボス４２が設けら
れる。また、頂点近傍には正面視略Ｖ字状のメータ取付
部３７が斜前上方に向かって延設される。さらに、この
メータ取付部３７の下部にヘッドライト取付部３８が設
けられる。さらにまた、基部３６の下部からはカウリン
グ取付部３９が左右方向に向かって延設される。そし
て、各部３６〜３９には例えば金属製のスペーサ４３が
補強部材としてインサートまたは圧入される。

【００２０】図７は、ヘッドパイプ２３前方のフロント
カウリング１７内の拡大左側面図である。図６および図
７に示すように、ヘッドライトハウジング３２背面の左
右のライト３５，３５間には例えば取付ボルト４４が突
設され、この取付ボルト４４にカウリングブレース３４
のヘッドライト取付部３８が取付けられて例えばナット
４５で固定される。また、カウリングブレース３４のメ
ータ取付部３７にはメータパネル３３が例えばボルト４
６で固定される。

【００２１】そして、このカウリングブレース３４はそ
の基部３６の取付部４０がヘッドパイプ２３に設けられ
た取付ボス４７に例えば嵌合され、ボルト４８およびナ
ット４９で固定される。このとき、例えばＴ字状の金属
製補強プレート４１が基部３６を両側から挟み込むよう
にして配置され、共締めされる。

【００２２】さらに、図７に示すように、ヘッドライト
ハウジング３２の前部上下面に設けられたカウリング取
付ステー５０がフロントカウリング１７前部の内面に突
設された取付ボルト５１に取付けられて例えばナット５
２で固定されると共に、フロントカウリング１７側部の
内面に形成された取付ボス５３にカウリング取付部３９
がボルト５４およびナット５５で固定される。なお、カ
ウリングブレース３４をヘッドパイプ２３に取り付ける
前にフロントカウリング１７をカウリングブレース３４
に取り付けてもよい。

【００２３】ところで、上述した実施形態ではカウリン
グブレース３４と、メータパネル３３と、ヘッドライト
ハウジング３２とを別体に形成して後に一体化した例を
示したが、図８に示す本発明の第二実施例に示すカウリ
ングブレース３４′のように、メータパネル３３′と、
ヘッドライトハウジング３２′と、ヘッドパイプ２３へ
の取付部４０′と、カウリング取付ステー５０′（ブレ
ース）とをモノコック構造やシェル構造で一体に形成し
てもよい。

【００２４】基部３６と、メータ取付部３７と、ヘッド
ライト取付部３８と、カウリング取付部３９とを合成樹
脂により一体に成形したカウリングブレース３４は、金
属棒等を組み合わせて溶接し、別部品の各種ブラケット
や補強部材を溶着した従来のものに比べ部品点数や組立
工程数が著しく減り、複雑な溶接作業も不要なので、生
産性や量産性が向上し、コストダウンが図れる。

【００２５】また、合成樹脂を素材として用いることに
より腐食防止の表面処理が不要になると共に、形状の自
由度が増し、さらに軽量化を図ることができる。

【００２６】そして、カウリングブレース３４と、メー
タパネル３３と、ヘッドライトハウジング３２とを一体
化することによりカウリングブレース３４に掛る応力が
分散され、カウリングブレース３４自体の剛性や強度が
増す。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る自動
二輪車のカウリング取付装置によれば、車体前部を覆う
カウリング内にヘッドライトハウジングを備えた自動二
輪車において、上記ヘッドライトハウジングは二個のラ
イトを左右に並設した二灯式のものであり、上記ヘッド
ライトハウジングの背面に上記左右のライト間から合成
樹脂製のカウリングブレースを後方に向かって一体的に
突設し、このカウリングブレースを車体に着脱可能に取
り付けると共に、上記カウリングブレースにカウリング
取付部を形成し、また、上記ヘッドライトハウジングに
カウリング取付ステーを形成し、これらの取付部と取付
ステーとで上記カウリングを支持したため、部品点数が
や組立工程数が減り、コストが掛からず、生産性や量産
性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る自動二輪車のカウリング取付装置
の一実施形態を示す自動二輪車の左側面図。

【図２】図１に示す自動二輪車の正面図。

【図３】図１に示す自動二輪車から外装品を取り外した
状態を示す左側面図。

【図４】カウリングブレースの左側面図。

【図５】図４に示すカウリングブレースの正面図。

【図６】図４および図５に示すカウリングブレースおよ
び他の機器の分解斜視図。

【図７】ヘッドパイプ前方のフロントカウリング内の拡
大左側面図。

【図８】本発明の第二実施例を示す斜視図。

【図９】従来のフロントカウリング内の分解斜視図。

【符号の説明】

１１ 自動二輪車 １２ 車体フレーム １６ カウリング １７ フロントカウリング ２３ ヘッドパイプ（車体） ３２ ヘッドライトハウジング ３３ メータパネル ３４ カウリングブレース ３５ ライト ３６ カウリングブレースの基部 ３７ メータ取付部 ３８ ヘッドライト取付部 ３９ カウリング取付部 ４０ ヘッドパイプへの取付部 ５０ カウリング取付ステー

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体前部を覆うカウリング内にヘッドラ
   イトハウジングを備えた自動二輪車において、上記ヘッ
   ドライトハウジング３２の背面に合成樹脂製のカウリン
   グブレース３４を後方に向かって一体的に突設し、この
   カウリングブレース３４を車体２３に着脱可能に取り付
   けると共に、上記カウリングブレース３４にカウリング
   取付部３９を形成し、また、上記ヘッドライトハウジン
   グ３２にカウリング取付ステー５０を形成し、これらの
   取付部３９と取付ステー５０とで上記カウリング１７を
   支持したことを特徴とする自動二輪車のカウリング取付
   装置。
2. 【請求項２】 上記ヘッドライトハウジング３２は二個
   のライト３５，３５を左右に並設した二灯式のものであ
   り、上記カウリングブレース３４を上記左右のライト３
   ５，３５間から後方に向かって突設した請求項１記載の
   自動二輪車のカウリング取付装置。