JPH09226652A - 電動自転車のバッテリ配置構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 ライダーの乗り降りの邪魔にならず、安価な
構造でバッテリを配置固定することができるとともに、
簡単な操作でバッテリの脱着ができる電動自転車のバッ
テリ配置構造を提供する。 【解決手段】 電動自転車１のシートポスト９（又はシ
ートチューブ８）にバッテリ固定用アタッチメント２６
を取り付け、該アタッチメント２６にバッテリボックス
２５を着脱自在に取り付け、該バッテリボックス２５を
シートポスト９（又はシートチューブ８）の車体後方に
配置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、バッテリを搭載す
る電動自転車のバッテリ配置構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】人力による駆動力をパワーユニットの電
動モータによる補助動力によって補う電動自転車が提案
され、既に実用に供されているが、この種の電動自転車
においてはバッテリを車体に搭載することが不可欠とな
る。

【０００３】ところで、バッテリは充電時の利便を考慮
して車体から容易に取り外すことができる構造とするこ
とが望ましく、又、ライダーの乗降時の邪魔にならない
場所に配置されるべきである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来は電動
自転車のシートチューブの車体後方位置にアウターボッ
クスを配置し、このアウターボックスに対してバッテリ
ボックスを出し入れする構成が採用されていたため、バ
ッテリ収納構造が二重構造となって部品コストが高くな
るという問題があった。

【０００５】又、バッテリをダウンチューブとシートチ
ューブのＶ字状空間に配置する電動自転車も提案されて
いるが、斯かる電動自転車にあっては、バッテリがライ
ダーの乗り降りの邪魔になり易いという問題がある。

【０００６】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、ライダーの乗り降りの邪魔に
ならず、安価な構造でバッテリを配置固定することがで
きるとともに、簡単な操作でバッテリの脱着ができる電
動自転車のバッテリ配置構造を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１記載の発明は、バッテリを収納したバッテ
リボックスとパワーユニットを備える電動自転車のシー
トポスト又はシートチューブにバッテリ固定用アタッチ
メントを取り付け、該アタッチメントに前記バッテリボ
ックスを着脱自在に取り付け、該バッテリボックスをシ
ートポスト又はシートチューブの車体後方に配置したこ
とを特徴とする。

【０００８】又、請求項２記載の発明は、請求項１記載
の発明において、前記アタッチメントを湾曲部と背割部
を含んで平面視Ｕ字状に成形し、湾曲部を前記シートポ
スト又はシートチューブに外嵌せしめ、背割部に前記バ
ッテリボックスのフックを挟み込み、背割部に貫設され
た孔に挿通する締結具を締め付けることによってバッテ
リボックスをアタッチメントに固定することを特徴とす
る。

【０００９】従って、本発明によれば、バッテリを収納
するバッテリボックスは単純で安価なアタッチメントを
介してシートポスト又はシートチューブに着脱可能に固
定されるため、安価な構造でバッテリを配置固定するこ
とができるとともに、簡単な操作でバッテリボックスの
アタッチメントへの固定を解除して該バッテリボックス
をバッテリと共に容易に脱着することができる。

【００１０】又、バッテリボックスはシートポスト又は
シートチューブの車体後方に配置されるため、該バッテ
リボックスがライダーの乗り降りの邪魔になることがな
い。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。

【００１２】＜実施の形態１＞図１は本発明に係るバッ
テリ配置構造を備える電動自転車の側面図、図２は同電
動自転車におけるバッテリボックスの取付構造を示す側
面図、図３は図２のＡ−Ａ線断面図である。

【００１３】先ず、図１に基づいて電動自転車１の概略
構成を説明する。

【００１４】図１において、２は車体前方に位置するヘ
ッドパイプであり、該ヘッドパイプ２にはハンドルステ
ム３が回動自在に挿通している。そして、ハンドルステ
ム３の上端にはハンドル４が結着され、同ハンドルステ
ム３の下端にはフロントフォーク５が結着されており、
該フロントフォーク５の下端部には前輪６が回転自在に
軸支されている。

【００１５】又、前記ヘッドパイプ２からはダウンチュ
ーブ７が車体後方（図１の左方）に向かって斜め下方に
延出しており、該ダウンチューブ７の後端部からはシー
トチューブ８が車体後方に向かって斜め上方に立設され
ている。そして、このシートチューブ８内にはシートポ
スト９が上下動自在に嵌合保持されており、該シートポ
スト９の上端にはシート１０が支持されている。

【００１６】ところで、車体の略中央下部には、パワー
ユニット１１がブラケット１２を介してダウンチューブ
７に吊下支持されている。このパワーユニット１１は人
力を検出してそれに見合う補助動力を発生するものであ
って、人力検出手段１３と電動モータ１４及びコントロ
ーラ１５を含んで構成されている。そして、このパワー
ユニット１１にはクランク軸１６が回転自在に支承され
ており、該クランク軸１６の左右にはクランク１７が取
り付けられ、各クランク１７の端部にはペダル１８が軸
支されている。

【００１７】又、上記ブラケット１２からは左右一対の
チェーンステイ１９が車体後方に向かって延設されてお
り、該チェーンステイ１９の後端部と前記シートチュー
ブ８の上端部とは左右一対のシートステイ２０によって
連結されている。そして、チェーンステイ１９後端の前
記シートステイ２０との連結部には後輪２１が回転自在
に軸支されており、後輪２１にはホイールスプロケット
２３が結着されている。尚、ホイールスプロケット２３
と前記パワーユニット１１に設けられた不図示のドライ
ブスプロケットとの間には無端状のチェーン２４が巻装
されている。

【００１８】而して、本実施の形態に係る電動自転車１
においては、シート１０の下方であって、且つ、シート
ポスト９の車体後方には直方体状のバッテリボックス２
５が配置されており、該バッテリボックス２５はバッテ
リ固定用アタッチメント２６を介してシートポスト９に
脱着可能に取り付けられている。尚、バッテリボックス
２５内には複数の電池をシュリンクパックして成る不図
示のバッテリが収納されており、該バッテリボックス２
５から下方へ延出するリード線２７は前記コントローラ
１５に接続されている。又、バッテリボックス２５の幅
寸法は左右のクランク１７の内側幅よりも狭く設定され
ている。

【００１９】ここで、上記バッテリボックス２５の取付
構造の詳細を図２及び図３に基づいて説明する。

【００２０】前記バッテリ固定用アタッチメント２６は
樹脂又は板金によって平面視Ｕ字状に成形されており、
これには湾曲部２６ａと二股状の背割部２６ｂが設けら
れており、湾曲部２６ａはシートポスト９の上部に外嵌
されている。

【００２１】又、アタッチメント２６の背割部２６ｂの
上下面にはＬ字形に互いに内方に折曲された上下２組の
折り返し部２６ｃが形成されており、左右一対の折り返
し部２６ｃには幅の狭い一対の嵌合溝２６ｂ−１が相対
向して形成されており、同背割部２６ｂの両側壁には円
孔２６ｂ−２が形成されている。そして、背割部２６ｂ
の一方の側壁の外面には、円孔２６ｂ−２に連なるネジ
孔が形成されたナット部材２８が溶着されており、両円
孔２６ｂ−２にはボルト２９が挿通し、該ボルト２９の
ネジ部はナット部材２８に螺合している。尚、ボルト２
９には、これを回すためのレバー３０が設けられてお
り、両者はクイックレリーズ機構を構成している。

【００２２】他方、バッテリボックス２５の背面には逆
Ｕ字状に折曲成形された板金製のフック３１が固着され
ており、クイックレリーズ機構を構成する前記レバー３
０を用いてボルト２９を緩めた状態でフック３１を図示
のようにアタッチメント２６の嵌合溝２６ｂ−１に嵌め
込んだ後、レバー３０を回してボルト２９を締め付けれ
ば、アタッチメント２６の背割部２６ｂがボルト２９に
よって締め込まれて該アタッチメント２６がシートポス
ト９に固定されるとともに、フック３１がアタッチメン
ト２６に固定され、バッテリボックス２５がアタッチメ
ント２６を介してシートポスト９に取り付けられる。

【００２３】そして、上記状態からレバー３０を逆方向
に回してボルト２９を緩めれば、フック３１の固定が解
除されてバッテリボックス２５をアタッチメント２６か
ら容易に取り外すことができるとともに、アタッチメン
ト２６のシートポスト９への固定も解除され、該アタッ
チメント２６（つまり、バッテリ２５）の取付高さを任
意に調整することができる。尚、バッテリボックス２５
のシートポスト９に対する取付位置は固定しても良い。

【００２４】以上のように、本実施の形態においては、
バッテリを収納するバッテリボックス２５は単純で安価
なアタッチメント２６を介してシートポスト９に脱着可
能に固定されるため、安価な構造でバッテリを配置固定
することができるとともに、クイックレリーズ機構を構
成するレバー３０による簡単な操作でフック３１のアタ
ッチメント２６への固定を解除してバッテリボックス２
５をバッテリと共に容易に脱着することができる。

【００２５】尚、図４に示すように、コントローラ１５
に連なるリード線３７をシートチューブ８とシートポス
ト９内に通し、その端部をシートポスト９の上端に固定
されたカプラー３６に接続し、バッテリボックス２５か
ら上方へ導出するリード線２７の端部にカプラー３５を
取り付け、該カプラー３５を前記カプラー３６に接続す
るようにすれば、図１に示すように長いリード線２７が
露出せず、外観性が高められるとともに、バッテリボッ
クス２５の持ち運びが楽に行えるようになる。 ＜実施の形態２＞次に、本発明の実施の形態２を図１、
図５及び図６に基づいて説明する。尚、図５はバッテリ
ボックスの取付構造を示す側面図、図６は図５のＢ−Ｂ
線断面図であり、これらの図においては図２及び図３に
示したと同一要素には同一符号を付している。

【００２６】本実施の形態では、図１に鎖線にて示すよ
うに、バッテリボックス２５をシートチューブ８の車体
後方に配置し、これをアタッチメント２６を介してシー
トチューブ２６の上端部に取り付けている。

【００２７】上記アタッチメント２６の構成は前記実施
の形態１のそれと同様であるが、本実施の形態では、フ
ック３１を締め付ける締結具としてボルト３２とナット
３３を用いている。このボルト３２とナット３３はシー
ト１０の高さ調整用を兼ねるものであって、ボルト３２
はアタッチメント２６の背割部２６ｂに貫設された円孔
２６ｂ−２に挿通され、ナット３３はボルト３２のネジ
部に螺合している。

【００２８】而して、バッテリボックス２５に固着され
たフック３１を図示のようにアタッチメント２６の嵌合
溝２６ｂ−１に嵌め込んでボルト３２を締め付ければ、
フック３１がアタッチメント２６に固定されてバッテリ
ボックス２５がシートチューブ８に取り付けられるとと
もに、アタッチメント２６がシートチューブ８に固定さ
れ、更にシートポスト９もシートチューブ８に固定され
てシート１０の高さが所定の高さに保たれる。

【００２９】そして、上記状態からボルト３２を締めれ
ば、フック３１のアタッチメント２６への固定が解除さ
れてバッテリボックス２５を容易に取り外すことができ
るとともに、シートポスト９の固定が解除されるため、
該シートポスト９をシートチューブ８に沿って上下に摺
動させてシート１０の高さを調整することができる。

【００３０】以上のように、本実施の形態においても、
バッテリを収納するバッテリボックス２５は単純で安価
なアタッチメント２６を介してシートチューブ８に脱着
可能に固定されるため、安価な構造でバッテリを配置固
定することができるとともに、簡単な操作でバッテリボ
ックス２５をバッテリと共に容易に脱着することができ
る。

【００３１】又、バッテリボックス２５はシートチュー
ブ８の車体後方に配置されるため、これがライダーの乗
り降りの邪魔になることがない。

【００３２】尚、以上は本発明を特に補助動力式の電動
自転車に適用した場合について述べたが、本発明は自走
式の電動自転車に対しても同様に適用し得ることは勿論
である。

【００３３】

【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、バッテリを収納するバッテリボックスは単純で
安価なアタッチメントを介してシートポスト又はシート
チューブに着脱可能に固定されるため、安価な構造でバ
ッテリを配置固定することができるとともに、簡単な操
作でバッテリボックスのアタッチメントへの固定を解除
して該バッテリボックスをバッテリと共に容易に脱着す
ることができるという効果が得られる。

【００３４】又、本発明によれば、バッテリボックスは
シートポスト又はシートチューブの車体後方に配置され
るため、該バッテリボックスがライダーの乗り降りの邪
魔になることがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るバッテリ配置構造を備える電動自
転車の側面図である。

【図２】本発明の実施の形態１に係るバッテリボックス
の取付構造を示す側面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】本発明に係るバッテリ配置構造を備える電動自
転車の別形態例を示す側面図である。

【図５】本発明の実施の形態２に係るバッテリボックス
の取付構造を示す側面図である。

【図６】図５のＢ−Ｂ線断面図である。

【符号の説明】

１ 電動自転車 ８ シートチューブ ９ シートポスト １１ パワーユニット ２５ バッテリボックス ２６ バッテリ固定用アタッチメント ２６ａ 湾曲部 ２６ｂ 背割部 ２６ｂ−１ 嵌合溝 ２６ｂ−２ 円孔 ２９，３２ ボルト（締結具） ３０ レバー（締結具） ３１ フック ３３ ナット（締結具）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 バッテリを収納したバッテリボックスと
   パワーユニットを備える電動自転車のシートポスト又は
   シートチューブにバッテリ固定用アタッチメントを取り
   付け、該アタッチメントに前記バッテリボックスを着脱
   自在に取り付け、該バッテリボックスをシートポスト又
   はシートチューブの車体後方に配置したことを特徴とす
   る電動自転車のバッテリ配置構造。
2. 【請求項２】 前記アタッチメントを湾曲部と背割部を
   含んで平面視Ｕ字状に成形し、湾曲部を前記シートポス
   ト又はシートチューブに外嵌せしめ、背割部に前記バッ
   テリボックスのフックを挟み込み、背割部に貫設された
   孔に挿通する締結具を締め付けることによってバッテリ
   ボックスをアタッチメントに固定することを特徴とする
   請求項１記載の電動自転車のバッテリ配置構造。