JPH10138909A - 電動式ブレーキ倍力装置 - Google Patents

電動式ブレーキ倍力装置

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JPH10138909A
JPH10138909A JP8295994A JP29599496A JPH10138909A JP H10138909 A JPH10138909 A JP H10138909A JP 8295994 A JP8295994 A JP 8295994A JP 29599496 A JP29599496 A JP 29599496A JP H10138909 A JPH10138909 A JP H10138909A
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JP
Japan
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piston
main piston
boost
brake
force
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JP8295994A
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English (en)
Inventor
Shinichi Io
伸一 猪尾
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータから主ピストンまでの各構成部品によ
る慣性モーメントの影響を少なくし、ブレーキペダルの
踏み込み時からアシスト力発生時までの作動応答性を向
上させると共に、電動機の失陥時における十分な制動力
を確保する。 【解決手段】 ブレーキペダルに連結されたプッシュロ
ッド23の先端側に主ピストン27を介してブレーキ液
圧制御機構24を連係すると共に、ケース21内に設け
られた電動機26の回転力をボールねじ機構25を介し
てプッシュロッドに伝達する装置である。主ピストン2
7の外周に、前記電動機とボールねじ機構を介して連係
するブーストピストンを摺動自在に設け、電動機の失陥
時には主ピストンの独立したストローク移動によりマス
ターシリンダ42の液室46a,46b内のブレーキ液
を圧送するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキペダルの
踏力を電動機の動力をブレーキアシスト力として利用し
た電動式ブレーキ倍力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に車両のブレーキ装置は、ブレーキ
ペダルの踏力に対応したピストン推力を液圧(ブレーキ
力)に変換するブレーキ液圧制御機構と、このブレーキ
液圧制御機構からの液圧を車輪に設けられた摩擦板等か
らなるブレーキ機構に伝達し、ブレーキ機構を駆動する
ブレーキ伝達機構と、小さなブレーキペダルの踏力によ
り大きな液圧を発生させる真空式倍力機構や油圧式倍力
機構とを備えている。
【0003】ところが、例えばこの真空式倍力機構を利
用したものは、エンジン負圧を圧力源としているため、
大きな動力を得るためには真空式倍力機構の外径を大き
くしなければならず、必然的に装置の大型化が余儀なく
されるばかりか、負圧配管のレイアウトの困難性及びエ
ンジン停止時にはブレーキ力が激減するおそれがあると
いった種々の問題があった。
【0004】そこで、例えば特公平6−9964号公報
等に開示されている技術のように、真空式倍力機構等に
代えて電動機を利用したものが提供されている。
【0005】図7に基づいて概略を説明すれば、この電
動式ブレーキ倍力装置は、ケース1内にボール状の先端
部2aが挿通配置された入力用プッシュロッド2と、該
プッシュロッド2の先端部2aにピストン軸3を介して
連係されたブレーキ液圧制御機構4と、ケース1内に設
けられて、前記プッシュロッド2にブレーキペダル5の
踏力によって加えられたブレーキ力をアシストする電動
機6と、該電動機6の回転トルクをピストン軸3に伝達
するボールねじ機構7とを備えている。
【0006】前記電動機6は、外周側に有するステータ
8と、該ステータ8の内周側にベアリング9a,9bを
介して回転自在に設けられた筒状のロータ10とを備え
ている。前記ボールねじ機構7は、ロータ10の内周面
に一体に固定された筒状のねじケース7aの内周に雌ね
じが形成されている一方、ねじケース7aの内周側に有
するピストン軸3の外周に雌ねじに螺合する雄ねじ3a
が形成されている。さらに、ピストン軸3は、ブレーキ
ペダル5側の一端部3b内にプッシュロッド2の先端部
2aを連結保持すると共に、他端部3cにスプラインケ
ース11内を挿通したスプライン軸12の端部が同軸上
に固定されている。
【0007】したがって、ブレーキペダル5を踏み込む
と、その踏力がプッシュロッド2に伝達されてピストン
軸3を軸方向へ押圧し、このとき踏力センサ13により
踏力が検出されて、この踏力に応じて電動機6に適切な
電流が与えられ、これによってロータ10は所望のトル
クによって回転して、ボールねじケース7aを回転させ
る。これにより、ピストン軸3は、ボールねじ機構7を
介して軸方向の力に変換されて、ブレーキペダル5から
油圧ブレーキ機構4へ伝達された踏力に対して適切な倍
力(アシスト力)を与えることができるようになってい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の電動式ブレーキ倍力装置にあっては、ロータ10が
前後方向に長い筒状に形成されていると共に、ロータ1
0と一体に固定されたボールねじケース7aもロータ1
0と同じく前後方向へ長くかつ肉厚になっているため、
該ロータ10とボールねじケース7の質量が比較的大き
なものになっていると共に、ピストン軸7a自体の質量
も考慮すると各回転あるいは摺動部品全体の質量が大き
くなっている。このため、かかる各構成部品の慣性モー
メントが大きくなって、図8の破線で示すように、ブレ
ーキペダル踏み込み時から電動機6によるブレーキアシ
スト力発生時、つまり実際の制動力発生時までの応答時
間Xが長くなり、ブレーキング操作のフィーリングが悪
化する。
【0009】一方、他の従来例として特公平6−100
448号公報に記載されている発明のように、ロータを
薄形円板状に形成してケースの軸方向の肉厚を小さく
し、装置全体のコンパクト化を図るようにしたものもあ
る。しかし、この従来例もロータや該ロータの内周部が
固定されるボールねじケース及びピストン軸の質量に関
しては何ら考慮されておらず大きな質量になっているた
め、先の従来例と同様な問題を招来している。
【0010】しかも、薄形ロータであるため、トルク定
数(トルク/電流)が小さく、同じ電流でもトルクが少
なくなってしまう。したがって、所定以上のトルクを確
保するためには必然的に電流を大きくしなければなら
ず、この結果、消費電力が大巾に増加するといった問題
がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記各従来の
課題に鑑みて案出されたもので、請求項1記載の発明
は、一端部がブレーキペダルに連係したピストン推力伝
達機構と、該ピストン推力伝達機構の他端部に連係され
たブレーキ液圧制御機構と、前記ピストン推力伝達機構
に加えられた推力をボールねじ機構を介してアシストす
る電動機とを備えた電動式ブレーキ倍力装置において、
前記ピストン推力伝達機構の主ピストンの外周に、該主
ピストンとは独立して軸方向へストローク移動する筒状
のブーストピストンを摺動自在に設けると共に、該ブー
ストピストンに前記電動機のロータの回転力を直線運動
に変換するボールねじ機構を連繋させ、かつ前記主ピス
トンとブーストピストンとのそれぞれ独立したストロー
ク移動によって前記ブレーキ液圧制御機構のマスターシ
リンダ内にブレーキ液圧を発生させることを特徴として
いる。
【0012】請求項2記載の発明は、前記ブーストピス
トンの外周面に、前記マスターシリンダ内部とリザーバ
タンクとを連通する液圧通路のリリーフポートを開閉す
る弁体を設ける一方、前記主ピストンの先端部に、ブー
ストピストンの周壁に形成されて前記リリーフポートと
ブーストピストン内部とを連通する連通孔を開閉する弁
体を設けたことを特徴としている。
【0013】請求項3記載の発明は、前記主ピストンと
ブーストピストンとの間に、前記電動機の非作動時に主
ピストンが前記マスターシリンダ方向へ所定量ストロー
ク移動した位置からブーストピストンに主ピストンと同
方向の押し出す力を伝達する伝達機構を設けたことを特
徴としている。
【0014】請求項4記載の発明は、前記ブーストピス
トンを、マスターシリンダ側のピストン弁と電動機側の
外筒部とに分割形成すると共に、前記電動機の非作動時
に主ピストンが前記マスターシリンダ方向へ所定量スト
ローク移動した位置から前記ピストン弁に主ピストンと
同方向の押し出す力を伝達する作動伝達機構を設けたこ
とを特徴としている。
【0015】前記構成の発明によれば、主ピストンの外
周にブーストピストンを軸方向へ摺動自在に設けてロー
タと主ピストンとの直接的な連係を遮断し、ロータとブ
ーストピストンのみを連係するようにしたため、ロータ
からブーストピストンまでの各構成部品全体の質量が小
さくなる。そして、ピストン推力伝達機構に押圧力が入
力されて、その押圧力に応じてロータが回転するが、該
ロータ側の慣性モーメントは小さいため、ボールねじ機
構によってブーストピストンがアシスト方向へ速やかに
摺動してアシスト力を付与する。したがって、ブレーキ
踏み込み時から制動力発生時までの応答性が向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明の電動式ブレーキ倍
力装置を自動車のブレーキ装置に適用した第1実施例の
縦断面を示している。
【0017】すなわち、この電動式ブレーキ倍力装置
は、ほぼカップ状のケース21と、該ケース21内に軸
方向へ摺動自在に設けられ、一端部がブレーキペダルに
連係したピストン推力伝達機構22と、該ピストン推力
伝達機構22の他端部に連係されて、該ピストン推力伝
達機構22の押圧力が伝達されることにより制動力を制
御するブレーキ液圧制御機構24と、ケース21内に設
けられて、ボールねじ機構25を介してピストン推力伝
達機構22の押圧力をアシストする電動機26とを備え
ている。
【0018】前記ピストン推力伝達機構22は、一端部
23aがブレーキペダルに連係したプッシュロッド23
と、該プッシュロッド23の球状他端部23bに連結さ
れた主ピストン27と、該主ピストン27の外周に摺動
自在に設けられてケース21内及びブレーキ液圧制御機
構24のマスターシリンダ42内に跨がって挿通配置さ
れた筒状のブーストピストン28とを備えている。
【0019】前記主ピストン27は、小径軸状に形成さ
れ、後端部27aに前記プッシュロッド23の球状他端
部23bが回動自在に連結されていると共に、先端部2
7bにブーストピストン28の先端側周壁に径方向に貫
通形成されて、後述の第1リリーフポート37aと連通
する通孔29を開閉する第1弁体30が設けられてい
る。また、主ピストン27の外周面のほぼ中央位置に
は、ブーストピストン28の内周面に摺接して第1弁体
30との間に有する筒状溝31をシールするシールリン
グ32が設けられている。
【0020】前記ブーストピストン28は、ケース21
内部に位置する外筒部33とマスターシリンダ42内に
位置するピストン弁34とを一体に連結してなり、外筒
部33は、大径な後端部外周面に螺旋状の雄ねじ溝35
が形成されていると共に、前端側外周面にセレーション
36が軸方向に沿って形成されている。一方、ピストン
弁34は、外周面のほぼ中央位置にマスターシリンダ4
2の周壁に形成された後述する第1液圧通路37の第1
リリーフポート37aを開閉する第2弁体38が設けら
れていると共に、前端部外周面にマスターシリンダ42
の第1液室46aをシールする第1シール部材39が設
けられ、また、後端部外周面に第2弁体38側部の第2
環状通路40をシールする第2シール部材41が設けら
れている。
【0021】前記ブレーキ液圧制御機構24は、前述し
た筒状のマスターシリンダ42と、該マスターシリンダ
42の一端部に有するリザーバタンク43と、マスター
シリンダ42の周壁内に軸方向に沿って形成されて、リ
ザーバタンク43とマスターシリンダ42内とを連通す
る第1液圧通路37と、マスターシリンダ42内に摺動
自在に配置されて、前後のスプリング45a,45bに
よって中立位置に付勢されるフリーピストン弁44と、
該フリーピストン44の前後に形成された第1,第2液
室46a,46bとを備えている。そして、前記フリー
ピストン44は、主ピストン27とブーストピストン3
4との摺動位置に応じてマスターシリンダ42内とリザ
ーバタンク43とを連通する第2液圧通路47の第2リ
リーフポート47aを開閉制御するようになっている。
また、ブーストピストン34の第2弁体38と第2シー
ル部材41との間には、筒状溝31内にリークしたブレ
ーキ液を第2環状通路40内に流入させる第1回収用通
路孔34aが形成されている。一方、前記第1リリーフ
ポート37aの側部には、第2環状通路40内のブレー
キ液を第1液圧通路37内に戻す第2回収用通路孔37
bが形成されている。
【0022】前記電動機26は、ケース21の内周面に
固定された円筒状のステータ48と、該ステータ48の
内周側に回転自在に設けられたロータ49とを備えてお
り、このロータ49は、円環状の比較的肉厚に形成さ
れ、後述するボールねじケースを介して前後のベアリン
グ50a,50bにより回転自在に支持されてる。
【0023】前記ボールねじ機構25は、ロータ49の
内周部に一体に有する筒状の前記ボールねじケース51
の内周面に螺旋状に形成されたボール雌ねじ溝52と、
前記ブーストピストン28の前記外筒部33の外周面の
雄ねじ35と、該両ねじ溝35,52間に転動自在に介
装された鋼鉄製のボール53とから構成されている。
【0024】さらに、前記ボールねじケース51の後部
端外周面には、ロータ49の外周に巻装されたコイル5
4に接続された筒状のコンミュテータ55が被嵌されて
いる。該コンミュテータ55の外周面には、図外の電力
供給源に導通された給電触子たる導通スプリング56
a,56bを介してブラシ57a,57bが弾接されて
いる。したがって、コイル54には、図外のブレーキペ
ダルの踏力(または操作変位量)を検出する踏力検出手
段から出力信号に応じてコントローラ制御電流が導通ス
プリング56a,56b、ブラシ57a,57b、コン
ミュテータ55を介して出力されるようになっている。
【0025】また、ケース21とマスターシリンダ42
のフランジ部42aとの間に円環状の規制部材58が介
装されている。この規制部材58は、図2に示すように
内周面に形成されたセレーション58aが外筒部33の
セレーション36cに嵌合してかかる外筒部33の回転
を規制しつつブーストピストン28の軸方向の摺動を案
内するようになっていると共に、外筒部33とピストン
弁34との間に形成された段差部59及び外筒部33の
段差縁60を介してブーストピストン28の前後の最大
ストローク位置を規制するようになっている。
【0026】以下、本実施例の作用について説明する。
まず、車両の走行中にブレーキペダルを踏み込むと、そ
れに連動してプッシュロッド23が図1の左方向に押圧
される。したがって、主ピストン27が、同方向にスト
ローク移動して第1弁体30により連通路29を閉止す
ると同時に、ブーストピストン28の中空部28a内の
ブレーキ液を図中左方向に押圧し、これによって、第1
液室46a内のブレーキ液を左方向へ押し出す。
【0027】ここで、かかるプッシュロッド23の押圧
力が所定以上になると、それを検出した押圧力検出手段
からの出力信号によってコントローラから電動機26の
スプリング56a,56bに制御電流が出力される。こ
れによって、ロータ49とボールねじケース51が一体
に回転して、各ボール53を介してブーストピストン2
8が主ピストン27の外周面上を前方へ直線状にスライ
ド移動し、第2弁体38で第1リリーフポート37aを
閉止すると共に、マスターシリンダ42の第1液室46
a内のブレーキ液を図中左方向に押圧する。
【0028】すなわち、主ピストン27による第1液室
46aのブレーキ液の押圧力に対してアシスト力が付与
された形になる。したがって、フリーピストン44は、
マスターシリンダ42の第1液室46aに作用した高い
ブレーキ液圧によって図中左方向へ移動して、第2リリ
ーフポート47aを閉止しながらマスターシリンダ42
の第2液室46b内のブレーキ液圧を押圧する。したが
って、第1ブレーキ液通路61と第2ブレーキ液通路6
2から各ホィールシリンダに圧送して制動力を付与す
る。
【0029】このように、ロータ33の回転力をボール
ねじ機構25を介して直接的に主ピストン27全体に伝
達するのではなく、まず外筒部33を介してブーストピ
ストン28に伝達するため、ペダルの操作力は、プッシ
ュロッド23からダイレクトに主ピストン27に作用す
るが、マスターシリンダ42内のブレーキ液に対するア
シスト力はブーストピストン28の独自のスライド移動
によって速やかに付与される。換言すれば、主ピストン
27の外周面にブーストピストン28を摺動自在に設け
たため、操作部,補助機構部(49,28,51,5
3)の慣性質量による慣性モーメントの大きな影響が回
避され、ブーストピストン28の速やかな移動によって
第1液室46a内のブレーキ液にアシスト力を付与する
ため、図8の実線で示すように、ブレーキペダル踏み込
み時からブレーキ装置の制動力発生時までの応答時間が
短くなり、ブレーキング操作のフィーリングが良好にな
る。
【0030】また、ロータ49は薄肉ではなく、比較的
厚肉に形成したため、トルク定数が大きくなって小さな
電流で大きな回転トルクを得ることができる。この結
果、消費電力が少なくなり、バッテリーの小型化が図れ
る。
【0031】しかも、主ピストン27とブーストピスト
ン28とは互いに独立にストローク移動してブレーキ液
圧を制御するため、電動機26が故障などにより失陥し
た場合には、ストローク移動する主ピストン27と非ス
トローク状態にあるブーストピストン28の第1シール
部材39の第1液室46aに対するシール作用によっ
て、図5の一点鎖線で示すようにブレーキペダルの踏力
に対する減速度は正常時の場合(実線)に比較して低下
するものの、従来例(破線)の場合よりは十分に大きな
減速度特性が得られる。
【0032】尚、ブレーキペダルの踏み込みを解除する
と、スプリング45a,45bのばね力で後退移動した
ブーストピストン28は、図1に示すように段差部59
が規制部材58に突き当たった位置で最大後退移動位置
が規制されることになる。
【0033】図3は本発明の第2実施例を示し、この実
施例では、主ピストン27とブーストピストン28との
間に、主ピストン27の押圧力をブーストピストン28
に伝達する伝達機構63を設けたものである。
【0034】すなわち、この伝達機構63は、主ピスト
ン27の大径に形成された一端部27a側の段差状外端
面63aと、該一端部27aが摺動する外筒部33の一
端部側の段差状内端面63bとによって構成され、主ピ
ストン27が図中左方向へ所定量ストローク移動した際
に段差状外端面63aが段差状内端面63bに突き当た
ってブーストピストン28に主ピストン27の押し出し
力を伝達するようになっている。他の構成は、第1実施
例と同様である。
【0035】したがって、この実施例によれば、第1実
施例と同様な作用効果が得られることは勿論のこと、電
動機26の故障による失陥時には、ブレーキペダルの踏
み込みにより主ピストン27が前方(図中左方向)へ所
定量ストローク移動すると、段差状外端面63aが段差
状内端面63bに突き当たってその押し出し力をブース
トピストン28に伝達し、該ブーストピストン28も同
方向へ同期ストローク移動させることが可能になる。こ
の結果、ブレーキペダルの踏力に対する減速度は、図6
の実線中の丸印aで示すように正常時と同様な応答性に
より正常時の約半分程度の制動力到達限界になり、破線
で示す従来装置の失陥時における応答性よりも良好にな
ると共に、制動力限界値も高くなる。したがって、失陥
時の優れた制動応答性と制動力が得られる。
【0036】図4は本発明の第3実施例を示し、この実
施例では、ブーストピストン28を外筒部33とピスト
ン弁34とを分割形成し、この間に外筒部33のストロ
ーク力をピストン弁34に伝達する作動伝達機構64を
設けている。また、主ピストン27とピストン弁34と
の間に、主ピストン27のストローク力をピストン弁3
4に伝達する伝達機構65を設けたものである。
【0037】すなわち、外筒部33は、前端部33aが
比較的薄肉に形成されていると共に、その前端縁33b
がピストン弁34の後端縁34aに当接自在に設けられ
ており、この前端縁33bと後端縁34aとによって作
動伝達機構64が構成されている。また、前記伝達機構
65は、主ピストン27の大径な一端部27a側の段差
状外端面65aとピストン弁34の後端縁34a内周側
に形成された段差円環状の内端面65bとから構成され
ている。したがって、電動機26の正常作動時には、ブ
レーキペダルの踏力に応じてロータ49とボールねじケ
ース55が一体に回転すると、各ボール53を介して外
筒部33が前方へ直線状に移動する。これによって、外
筒部33の前端縁33bが、ピストン弁34の後端縁3
4aに突き当たって該ピストン弁34を前方へ押し出
す。このため、第1,第2実施例と同様に応答性良くア
シスト力を付与することが可能になる。特に、外筒部3
3は前端部33aが薄肉に形成されているため、慣性力
が小さくなり、この点でもアシスト力の応答性が向上す
る。
【0038】しかも、電動機26が故障により失陥した
場合は、主ピストン27が所定量ストローク移動する
と、段差状外端面65aがピストン弁34の後端部内端
面65bに突き当たってピストン弁34に押し出し力が
伝達されるため、該ピストン弁34の同方向へストロー
ク移動させることが可能になる。この結果、ブレーキペ
ダルの踏力に対する減速度は図5の二点鎖線で示すよう
に、第1実施例(一点鎖線)とほぼ同様であるが、本実
施例は第1実施例と異なり、ピストン弁34のみをスト
ローク移動させることができるので、質量の低下に伴い
減速度特性が第1実施例のものよりも大きくなる。
【0039】本発明は、前記実施例に限定されるもので
はなく、例えば伝達機構を円環状の突起部等で形成する
ことも可能である。また、本発明は、車両のアンチロッ
クブレーキ装置や車両以外の自動ブレーキ装置に適用す
ることも可能である。
【0040】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
係る電動式ブレーキ倍力装置によれば、ピストン推力伝
達機構の主ピストンの外周に独立に摺動自在に設けられ
たブーストピストンのみをボールねじ機構を介してロー
タと連係させるようにしたため、かかるロータやブース
トピストンの各構成部品の慣性モーメントによる大きな
影響が回避される。したがって、該ブーストピストンの
速やかなアシスト軸方向の移動に伴い主ピストンへのア
シスト力伝達速度が向上し、ブレーキペダルの踏み込み
時からアシスト力発生時までの応答時間が短くなる。こ
の結果、ブレーキング操作時のフィーリングが良好にな
る。
【0041】しかも、主ピストンとブーストピストン
は、前述のように夫々独立にストローク移動してブレー
キ液圧制御機構を制御するようにしたため、電動機の故
障等による失陥が生じたとしても、非作動のブーストピ
ストンによるマスターシリンダの液室の隔成作用と主ピ
ストンのストローク移動とによって十分な制動力が得ら
れる。
【0042】また、請求項3記載の発明によれば、同じ
く電動機の失陥時において主ピストンが所定量ストロー
ク移動後に伝達機構を介してブーストピストンに主ピス
トンの押し出し力を伝達して以後同期ストローク移動さ
せるため、ホィールシリンダへのブレーキ液量不足を解
消できると共に、制動力到達時間の短縮化が図れる。
【0043】さらに、請求項4記載の発明によれば、請
求項3記載の発明と同様な効果が得られると共に、ブー
ストピストンの分割化により電動機と連係する外筒部の
質量の低下に伴って慣性モーメントがさらに小さくな
り、制動応答性が一層助長される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す縦断面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】本発明の第2実施例を示す縦断面図。
【図4】本発明の第3実施例を示す縦断面図。
【図5】第1,第3実施例におけるブレーキペダル踏力
と減速度の関係を示す特性図。
【図6】第2実施例におけるブレーキペダル踏力と減速
度の関係を示す特性図。
【図7】従来の装置を示す縦断面図。
【図8】本実施例と従来例の制動応答性を対比して示す
特性図。
【符号の説明】
21…ケース 22…ピストン推力伝達機構 23…プッシュロッド 24…ブレーキ液圧制御機構 25…ボールねじ機構 26…電動機 27…主ピストン 28…ブーストピストン 28a…中空部 29…通孔 30…第1弁体 33…外筒部 34…ピストン弁 37…液圧通路 37a,37b…第1,第2リリーフポート 38…第2弁体 42…マスターシリンダ 43…リザーバタンク 46a,46b…第1,第2液室 63,65…伝達機構 64…作動伝達機構

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端部がブレーキペダルに連係したピス
    トン推力伝達機構と、該ピストン推力伝達機構の他端部
    に連係されたブレーキ液圧制御機構と、前記ピストン推
    力伝達機構に加えられた推力をボールねじ機構を介して
    アシストする電動機とを備えた電動式ブレーキ倍力装置
    において、 前記ピストン推力伝達機構の主ピストンの外周に、該主
    ピストンとは独立して軸方向へストローク移動する筒状
    のブーストピストンを摺動自在に設けると共に、該ブー
    ストピストンに前記電動機のロータの回転力を直線運動
    に変換するボールねじ機構を連繋させ、かつ前記主ピス
    トンとブーストピストンとのそれぞれ独立したストロー
    ク移動によって前記ブレーキ液圧制御機構のマスターシ
    リンダ内にブレーキ液圧を発生させることを特徴とする
    電動式ブレーキ倍力装置。
  2. 【請求項2】 前記ブーストピストンの外周面に、前記
    マスターシリンダ内部とリザーバタンクとを連通する液
    圧通路のリリーフポートを開閉する弁体を設ける一方、
    前記主ピストンの先端部に、ブーストピストンの周壁に
    形成されて前記リリーフポートとブーストピストン内部
    とを連通する連通孔を開閉する弁体を設けたことを特徴
    とする請求項1記載の電動式ブレーキ倍力装置。
  3. 【請求項3】 前記主ピストンとブーストピストンとの
    間に、前記電動機の非作動時に主ピストンが前記マスタ
    ーシリンダ方向へ所定量ストローク移動した位置からブ
    ーストピストンに主ピストンと同方向の押し出す力を伝
    達する伝達機構を設けたことを特徴とする請求項2記載
    の電動式ブレーキ倍力装置。
  4. 【請求項4】 前記ブーストピストンを、マスターシリ
    ンダ側のピストン弁と電動機側の外筒部とに分割形成す
    ると共に、前記電動機の非作動時に主ピストンが前記マ
    スターシリンダ方向へ所定量ストローク移動した位置か
    ら前記ピストン弁に主ピストンと同方向の押し出す力を
    伝達する作動伝達機構を設けたことを特徴とする請求項
    2記載の電動式ブレーキ倍力装置。
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