JPH10135016A - 膜抵抗体 - Google Patents

膜抵抗体

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JPH10135016A
JPH10135016A JP8285002A JP28500296A JPH10135016A JP H10135016 A JPH10135016 A JP H10135016A JP 8285002 A JP8285002 A JP 8285002A JP 28500296 A JP28500296 A JP 28500296A JP H10135016 A JPH10135016 A JP H10135016A
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JP
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film
resistance
trimming
current
resistor
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JP8285002A
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English (en)
Inventor
Koji Matsubara
浩二 松原
Shigeru Nakao
滋 中尾
宏明 ▲高▼木
Hiroaki Takagi
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Fujitsu VLSI Ltd
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu VLSI Ltd
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】抵抗膜に耐サージ性に優れたトリミング法を施
した膜抵抗体の提供。 【構成】抵抗膜に流れる電流に特定の方向から電磁気力
が作用するように磁界を印加し、その電磁気力の方向と
反対の向きの抵抗膜の側に偏ってトリミングを施すこと
で、耐サージ特性の優れた膜抵抗体とする。この磁界
は、抵抗膜を折り返した構成し、トリミングされた抵抗
膜に隣接する抵抗膜の電流がつくる磁界を使用しても良
いし、また別の手段で発生させた磁界でも良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抵抗膜の抵抗値調整
に関するものであって、特に耐サージ性に優れ、抵抗値
精度も高い膜抵抗体に適応したものである。
【0002】
【従来の技術】耐高電圧で高精度な抵抗体は、電話交換
機やその他電子機器の過電圧保護回路等に広く利用され
ている。図7に電話交換機の一例を示した。落雷等によ
り電話線1から高電圧が誘導されるとアレスタ2が短絡
現象を起こして、電話交換機3への過電圧浸入を阻止す
る。このアレスタ2が動作するのは、電圧が数100V
〜1000V程度で、応答時間は数μsである。電話交
換機3の保護回路4はアレスタ2の動作開始までの間は
前記電圧、電力に耐えることが必要で、保護回路4の抵
抗体5、6も同様の耐電圧、耐電力が要求される(以下
では、サージ電圧、耐サージ等と記述する)。一方、通
常の通話時では、抵抗体5、6、ヒューズ7を経て主要
な回路8へ通話電流が流れる。電流は少ないが、適切な
通話電流を確保するために、抵抗体5、6はバランスの
とれた高精度な抵抗値調整(トリミング等)が要求され
る。
【0003】前記抵抗体は、主としてコスト等の点か
ら、厚膜をセラミック基板に形成した膜抵抗体が使用さ
れ、抵抗膜の形状も矩形が基本になっている。従来の代
表的な例を図8A、B、C、D、に示した(例えば、特
開昭60─109202、特開平3─44901、特開
平5─55015、特開平6─84620)。当初は、
図Aに示す抵抗膜9と電極10で膜抵抗体を構成し、ト
リミング11はL字状になされていた。サージ電圧が印
加されると、点線で図示した電流12のように、特にト
リミングの先端P1やトリミング外角P2の近傍の電流
密度が高くなり、発熱し高温になるため、例えばP1近
辺では抵抗膜にクラックが発生し、抵抗値も経時変化す
る問題があった。図B、C、Dでは、この問題を解決す
る方法を示した(電流の図示は省略した)。図Bは円弧
状のトリミング11で、トリミング位置近傍の電流密度
の増大を抑制している。図Cは電極10の間隔外に凸状
のトリミング部を設け、主電流と平行に凸部を切断する
トリミング11で電流密度の高まりを回避している。図
Dは電極10も同時にトリミング11し、電流密度を均
一化している。又、図示してないが、基板の両面に膜抵
抗体を設け、電流を分散する方法もあるが、スルーホー
ルの形成等の工数が必要となる。
【0004】前記公知例の抵抗膜は酸化ルテニウム系、
酸化ロジウム系等の多量のガラス成分等が充填された厚
膜材料であり、微視的にはガラス粒の間隙の導体性部分
を電流が流れる。この間隙は人為的に制御できず、サー
ジ電流が局部の導体性部分に集中して抵抗膜が損傷する
事を回避するために、マージンを見込んだ幅広の抵抗膜
を形成している。所定の抵抗値を得るために、それに対
応する抵抗膜の長さが必要で、抵抗膜面積が大きくな
る。
【0005】これに対して、ガラス等の不導体成分の少
ない又は含まない面積抵抗の低い抵抗膜を使用する方法
がある。サージ電流に合わせて抵抗膜の幅を狭くし、所
定の抵抗値となる長さの抵抗膜を折り返しパターン状に
形成することで膜抵抗体を小型化する方法である。図9
にはその一例を示し、抵抗膜9と電極10の組合せで、
折り返し形態の膜抵抗体が形成されている。抵抗値の粗
調整は、膜抵抗体が所望の抵抗値に近くなるまで、折り
返し抵抗膜の途中に設けた導体膜13の切断14を、多
数回繰り返すことで行う。抵抗値の微調整は、図の上段
のような幅広の抵抗膜9のトリミング11により行う。
粗調整と微調整を別々に行うので、図8の矩形状の膜抵
抗体の場合より、抵抗値の調整の範囲は広く、精度も高
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の抵抗膜を折り返
しパターン状に形成した膜抵抗体の課題は、抵抗値を微
調整するトリミング11の近傍で電流密度が高くなり
(詳細は後述)、サージ電圧が印加された際のクラック
発生が回避されていないことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】課題を解決する手段の原
理は、トリミングを抵抗膜の適切な位置に行うことで、
折り返しの隣の抵抗膜に流れる電流がつくる磁界又は他
の手段により発生させた磁界の作用によりトリミング位
置近辺の電流密度を低下させ、耐サージ性を高めるもの
である。
【0008】図1では本発明の原理を示し、図Aのトリ
ミングは本発明の図Bと比較として説明するために図示
したものである。図のA、Bは、基板80上に一回折り
返しの抵抗膜を形成した抵抗体の例で、は平面図、
はa−a線断面図である。電極51へ正の、電極52へ
負の電圧を印加すると、電流71は電極51から抵抗膜
61を電極53(折り返し端も電極にした)へ流れ、折
り返し電流72は電極53から抵抗膜62を電極52へ
流れる。抵抗膜61のトリミング11の位置は、抵抗膜
61の幅方向に関して、図Aでは抵抗膜62が配置され
てない側(図9と同様)であり、図Bでは抵抗膜62が
配置されている側である。電流71、72の方向は反対
で、その大きさをIとする(抵抗膜の幅方向で電流分布
があるが、近似的に膜幅の中央に電流Iが流れるとす
る)。電流72により、抵抗膜62の中央から距離Rだ
け離れた抵抗膜61のある部分には、式(1)で表され
る磁束密度Hの磁界が照射される(kを定数とする)。
【0009】 H=kI/R (1) 前記のある部分に流れる電流をiとすると、iには式
(2)で表される電磁気力Fの力が作用する。 F=i×H (2) 又、抵抗膜62を流れる電流72にも、抵抗膜61を流
れる電流71がつくる磁界が前述と同様に作用する。
【0010】図1Aのトリミング21の近傍へはh2の
磁界が、図1Bのトリミング21の近傍へはH2の磁界
が、式(1)により、印加される。これらの磁界は、式
(2)により、そのトリミング近傍に流れる電流に対し
て、それぞれf1、F1の電磁気力を作用させる(力の
方向を示したもので、以下同様)。抵抗膜62へ印加さ
れる磁界や、作用する電磁気力の図示は省略した。図1
Aのトリミング21近傍では、トリミング21により電
流が集中しており、f1の電磁気力の作用も加わって、
更に電流密度が高くなり、トリミング21近傍の発熱が
激しくなる。このような現象が起因して、サージ電圧が
印加されると、その近傍の抵抗膜61にクラックが発生
する。
【0011】一方、図1Bのトリミング21近傍では、
その近傍に流れる電流に対して、トリミング21から離
れる方向へF1の電磁気力が作用するので、トリミング
21による電流集中が緩和され、電流密度は低減され
る。即ち、電磁気力(F1)の方向と反対向きの側(抵
抗膜61の)に偏ってトリミング21をすればよい。こ
の結果、サージ電圧の印加によるクラック発生が抑制さ
れる。前記と逆方向に電圧が印加されると、電流は逆方
向へ流れるが、電磁気力は同様に作用する。
【0012】図2A、Bは二回折り返しの例(折り返し
端も電極で形成)の原理図で、は平面図、はa−a
線断面図である。図2Aでは、抵抗膜61の、図2Bは
抵抗膜62の各幅は他の抵抗膜部分より広く、同所にト
リミング22を実施した例を示した。電極51に正の、
電極52に負の電圧を印加した場合を例として説明する
が、電圧を逆に印加しても、電磁気力の作用は同様にな
る。
【0013】先ず、図2Aのトリミング22への影響を
述べる。抵抗膜61のP1、P2へは抵抗膜62を流れ
る電流72からの磁界h1、H1及び抵抗膜63を流れ
る電流73からの磁界h2、H2が印加される。P1、
P2から抵抗膜62までの距離は、抵抗膜63までの距
離より短いので、h1、H1はそれぞれh2、H2より
大きい。P1、P2に照射される実効的な磁界は(h1
−h2)、(H1−H2)で、作用する電磁気力はこの
磁界に比例するf1、F1である。抵抗膜61のトリミ
ング22近傍(P1)の電流にはf1の電磁気力が働
き、その近傍の電流密度を高め、サージ電圧が印加され
るとクラック発生が加速される。一方、抵抗膜61のト
リミング22と反対側(P2)では、電流へ働く電磁気
力(F1)の方向は膜幅の中央方向であり、この位置に
トリミング(図示せず)すれば耐サージ性は良好にな
る。
【0014】次に、図2Bのトリミング22への影響を
説明する。抵抗膜62のP3、P4へは抵抗膜61を流
れる電流71からの磁界h3、H3及び抵抗膜63の電
流73からの磁界h4、H4が印加される。図では、P
3から抵抗膜61までの距離とP4から抵抗膜61まで
の距離が等しい例を示した。この場合、抵抗膜62のP
3とP4に印加される実効的な磁界は(H3−h4)と
(H4−h3)で、磁界の強さは等しく、方向が反対
で、そこに流れる電流に作用する電磁気力はこの磁界に
比例するf2とF2である。抵抗膜62のトリミング2
2近傍(P3)の電流に働く電磁気力f2は、トリミン
グ22から電流を遠ざける方向に働くので、その近傍の
電流密度を下げ、サージ電圧の印加での電流集中を抑制
し、耐サージ性が改善される。即ち、電磁気力(f2)
が作用している領域では、電磁気力(f2)の作用する
方向と反対向きの抵抗膜62の側に偏ってトリミング2
2を施せばよい。F2(位置P4)も抵抗膜62の側面
からその中央方向に働き、P4の側にトリミング(図示
せず)しても、耐サージ性は良好である。
【0015】次に、P4について、抵抗膜61の位置は
固定しておき、抵抗膜63がP4から離れた場合につい
て述べる。抵抗膜63からP4までの距離が大きくなる
と、式(1)によりH4が小さくなり、P4への実効的
な磁界(H4−h3)も小さくなる。前記距離がP4と
抵抗膜61の距離より大きくなると(H4−h3)は
(即ち、抵抗膜61の磁界が支配的になり、実効的磁界
の方向が反転)となり、P4を流れる電流には、抵抗膜
62の幅の中央とは反対方向への電磁気力が作用する。
この場合には、P4の側のトリミング(図示せず)で
は、P4近傍の電流密度が高まり、耐サージに不都合と
なる。
【0016】多数回繰り返しの例で、n列目の抵抗膜の
ある位置に照射される磁界H(n)は、その抵抗膜の左
右に多数列配置された抵抗膜の電流による磁界H(n−
x)、H(n+x)により式(3)で表される(xはn
列目からの左右に並んだ抵抗膜の列の番号に対応するも
ので、1〜m)。 H(n)=〔H(n+1)−H(n−1)〕+〔−H(n+2)+H(n− 2)〕+・・・+〔H(n+m)−H(n−m)〕 (3) xが大きい程、式(1)のRが大きいので、H(n−
x)、H(n+x)は小さくなり、しかも磁界の向きは
xと共に順に変わる。この結果、n列目の抵抗膜に照射
される磁界は、その隣の(n+1)、(n−1)列目の
抵抗膜に流れる電流による磁界が大きく影響する。(n
+1)、(n−1)列目の抵抗膜の電流は等しいので、
n列目の抵抗膜の各点に印加される磁界は、各点と(n
+1)、(n−1)列目の抵抗膜までの距離により決ま
り、(n+1)列に近い点では(n+1)列の抵抗膜を
流れる電流の磁界が、(n−1)列に近い点では(n−
1)列の抵抗膜の電流の磁界が支配的になる。n列目の
抵抗膜内で、この支配的な磁界をつくる隣の抵抗膜に近
い側では、その点に流れる電流に対して、n列目の抵抗
膜幅の中央方向へ電磁気力が作用する。このような力が
作用される位置でトリミングすれば、電流密度の高まり
が抑制され、耐サージ性を良好にすることができる。
【0017】以上の説明では、トリミング部分に印加さ
れる磁界は、一部にトリミングが施された膜抵抗体にな
がれる電流のつくる磁界を利用した例を示したが、別の
膜抵抗体や導体に流れる電流のつくる磁界でもよく、更
には磁石等が発生する磁界を利用して、電磁気力を作用
させても本発明が実現されることは、前記の原理説明か
ら容易に理解できる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の電極及びトリミング部分
の構成の基本形態について、二回折り返しの膜抵抗体の
例を図3A、B、Cに示した(基板、磁界、電流等の表
記は省略)。図Aは抵抗膜61を折り返して、その両端
に電極51、52を設けた場合で、折り返し端の内側を
半円形にすることで、電流の偏りを緩和した。本発明の
原理説明の通り、L型のトリミング21は折り返し抵抗
膜が隣り合う側に設けた。図Bは折り返し端も電極5
3、54で構成し、折り返し端での電流の偏りを回避し
た例でトリミング21はAと同様である。図CはBと同
様に折り返し端を電極53、54で構成した。更に図示
のようにトリミング22を施す抵抗膜61の幅を拡張
し、同拡張部分の一端は電極53と直線的に接続し、同
部分の他端は斜めにカットされ電極51に接続した。前
記拡張部分を電極51の側からトリミング22を直線型
(L型でない)に行うことができる。トリミング22が
なされる部分の抵抗膜61の幅が広いので、調整できる
抵抗値範囲は図A、Bより広い。
【0019】なお、本実施例では前記のL型と直線型の
トリミングの形状を図示したが、U型にトリミングして
も、又図示した線状のものでなく、面状(トリミングに
より電流が流れない膜部分の全体を除去)にトリミング
しても構わず、本発明ではトリミング形状が特に限定さ
れることはない。又、膜抵抗体を構成する材料等につい
ては記述していないが、後述の図6のAgPd系等の抵抗、
AgPt系等の電極の厚膜やTa系等の抵抗、Au、Al等の電極
の薄膜が適用できるが、特にこれらに限られるものでは
ない(後述の図4も同様)。
【0020】図4は二回折り返し膜抵抗体での、トリミ
ングによる調整の範囲を更に拡げる例と作用を示し、
は平面図、はa−a線断面図である。電極53、54
に接続された抵抗膜62の両側にはトリミング22−
1、22−2を施すための幅拡張の部分を設けた。片側
だけでは調整しきれない時の予備として他側を使用す
る。図では、先ずトリミング22−1を実施し、抵抗値
の不足分を調整するトリミング22−2では、図のW1
よりW2を狭くした。W2が狭いので、トリミング22
−2の単位長さ当りの抵抗値変化率は小さく、調整精度
は高い。
【0021】以下に、抵抗膜62から抵抗膜61、63
までの距離を等しくした例を説明する。電極51へ正
の、電極52へ負の電圧を印加すると、電流は、図4の
の抵抗膜61、63では左から右へ、抵抗膜62では
右から左へ、流れる。図2Bの原理説明のように、抵抗
膜62の両側の幅拡張の部分には、抵抗膜61、63の
それぞれの電流からの、互いに反対向きで、距離に反比
例する大きさの磁界が印加されるので、その差分が実効
的な磁界となる。抵抗膜62の両側の幅拡張の部分へ印
加される実効的な磁界H1、H2は各側に隣接した抵抗
膜を流れる電流がつくる磁界が支配的になる。前記の各
側には互いに反対向きの実効的な磁界が印加され、抵抗
膜62の前記の各側を流れる電流には、図示した電磁気
力F1、F2の抵抗膜の幅の中央方向に向く力が働き、
トリミング22−1、22−2近傍の電流密度の高まり
を緩和する。即ち、電磁気力の方向と反対の向きの側に
偏ってトリミングすれば良い。両側のトリミング22
で、耐サージ性を保持しながら抵抗値調整の範囲が広
く、同時に高精度の調整が可能となる。多くは、抵抗膜
62から抵抗膜61、63までの距離を等分に設計する
が、等分でない場合は、原理説明で既述の通り、支配的
な磁界を印加する抵抗膜が配置された側(抵抗膜62の
幅方向内で)をトリミングすれば良い。
【0022】図5A、Bは基板80に第1の膜抵抗体3
0を粗調整するための膜抵抗体31〜34を形成した実
施例を示す。第1の膜抵抗体30は配線56と電極51
を経由して端子55に接続されている。後述するような
電極51の切断前は、端子55間の抵抗値(第1の膜抵
抗体30の抵抗値にほぼ等しい)が所望する抵抗値より
小さくなるように作った。図Aは、折り返し抵抗膜61
の折り返し端も電極51とした場合で、膜抵抗体31の
抵抗膜61の長さを単位として、膜抵抗体32、33、
34の抵抗膜61の長さはそれぞれ2倍、4倍、8倍に
した例である。端子55間の抵抗値と所望の抵抗値の差
分が、膜抵抗体31の抵抗膜61の抵抗値(以下では膜
抵抗体の抵抗値と略記する)より大きく、膜抵抗体32
の抵抗値より小さい場合は、膜抵抗体31の電極51を
41で示される部分で切断する(以下では切断41のよ
うに略記する)。この結果、端子55間の抵抗値は膜抵
抗体31の抵抗値だけ増加し、所望の抵抗値に近くな
る。前記の差分が、膜抵抗体31の抵抗値の6倍より大
きく、7倍より小さい場合は、膜抵抗体32と膜抵抗体
33の電極51の切断42と切断43を行えば、前記と
同様に所望の抵抗値に近づく。
【0023】本実施例では、膜抵抗体31〜34を選択
して、各膜抵抗体に対応する1か所から4か所の電極5
1を切断することで、膜抵抗体31の抵抗値を単位とし
て、その1倍から15倍までを1単位毎に抵抗値を調整
できる。更に、微調整が必要な場合は、例えば図3のよ
うなトリミングを行えばよい。図5Bでは、膜抵抗体3
1〜33のそれぞれの折り返しの抵抗膜61の途中で、
図示の単位uの抵抗値になる位置に抵抗膜61を短絡す
る導体膜57を設けた。所望の抵抗値と端子55間の抵
抗値の差分を測定し、不足の抵抗値を以下のように追加
した。図5Bでは膜抵抗体32の電極51の切断41と
導体膜57の切断42及び膜抵抗体31の電極51の切
断43を行った。これらの切断により、膜抵抗体32の
抵抗値と単位uの抵抗値が追加された。本実施例では、
膜抵抗体31〜33の電極51に近い側に導体膜57を
設け、単位uの抵抗値調整を可能にしたが、膜抵抗体3
1〜33の折り返し端に近い側に導体膜57を設け、単
位uの抵抗値調整を可能にしてもよい。図5A、Bを設
計、製造する際は、第1の膜抵抗体30の抵抗値を所望
の抵抗値より小さめにする必要があることは明らかであ
る。
【0024】図5A、Bの実施例の電極または導体膜の
切断による抵抗値調整は、電流集中を伴わないので、耐
サージ性に優れていると同時に、一般の抵抗体の調整法
としも簡便性の効果が発揮できる。又、この抵抗体を構
成する材料等は、例えば抵抗膜には後述の図6のAgPd系
の厚膜が使用できるのは勿論のこと、通常に用いられる
材料で良く、抵抗体の用途に応じた選択が可能である。
【0025】図6A、Bは1枚のセラミック基板80に
2個の膜抵抗体90、91を対称に設け、それぞれの抵
抗値を粗調整と微調整ができる構成例を示した(以下で
は膜抵抗体90について主に記述する)。図Aでは、面
積抵抗が120ミリオーム/□のAgPd系の厚膜の抵抗膜
61、62と3ミリオーム/□のAgPt系の厚膜の電極5
1(配線を含む)、端子55及び導体膜57を使用し
た。抵抗膜61の幅は600μm、抵抗膜62の幅は1
000μmに、また抵抗膜の間隙は200μmとした。
抵抗値の調整は、端子55の抵抗値と所望の抵抗値の差
分に応じて、導体膜57(一部は電極51)の切断41
〜44の選択とトリミング22の組合せにより行った。
即ち、粗調整は、切断41の選択で増加する抵抗値を1
単位とすれば、切断42では2単位、切断43(電極5
1の切断)では4単位、切断43と切断44では8単位
の調整が可能である。これら切断の組合せによる調整法
は図5Aと同様である。微調整は、トリミング22の長
さで調整する。膜抵抗体91も前記と同様に調整し、膜
抵抗体90、91の抵抗値のバランスをとった。
【0026】本実施例での耐サージ電圧は1300V
で、図9に示したトリミング11の方法を適用した場合
の耐サージ電圧800Vより向上した(この理由は、図
2A、B等で説明した原理による)。図7のアレスタ2
の作動は数百V〜1000Vであり、耐サージ電圧13
00Vの実用上の意義は大きい。粗調整についても、図
9の多数回の切断14に比べ、特に広範の抵抗値調整を
必要とする場合には、本実施例の適用で調整が容易にな
ることは理解される。
【0027】図6Bは、350ミリオーム/□のAgPd系
の抵抗膜61、62、63、64と10ミリオーム/□
のAgPt系の電極51(配線を含む)、端子55を使用し
た例である。抵抗膜61は600μm幅にした。抵抗膜
62は1200μm幅で、その両側のトリミング21で
微調整が可能である。抵抗膜63、64は400、20
0μm幅で、抵抗膜61と並列に配置し、抵抗膜63、
64の切断41、42の選択による粗調整が可能である
(この粗調整の方法は、並列の抵抗値の調整のため、通
常、調整可能な抵抗値範囲が図6Aの方法より狭い)。
この粗調整と微調整により、端子55間の抵抗値を所望
の抵抗値にし、膜抵抗体90、91の抵抗値のバランス
を取った。本実施例の図Bも図Aと同等の耐サージ電圧
を保持していた。
【0028】以上の通り、厚膜で構成した膜抵抗体の例
を示したが、NiCr系やTa系、W系のスパッター等による
薄膜で形成した抵抗膜を適用してもよい。抵抗膜のトリ
ミングや導体膜、電極の切断の方法については、特には
言及していないが、レーザ、サンドブラケット等の通常
に用いられている方法が適用できる。
【0029】
【発明の効果】請求項1、2、3、6では、耐サージに
優れた小型で、抵抗値精度の高い膜抵抗体を実現でき
る。請求項4は請求項1、2、3の効果に加え、トリミ
ングを容易にさせるものである。
【0030】請求項5は請求項1、2、3、4の効果に
加え、耐サージや電流容量を更に向上させるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】A、Bは本発明の原理を示す一例で、は平面
図、はa−a線断面図である。
【図2】A、Bは本発明の原理を示す他の例で、その平
面図とa−a線断面図である。
【図3】A〜Cは本発明の抵抗体の基本形態の例を示す
図である。
【図4】本発明の一例と作用を示し、は平面図、は
a−a線断面図である。
【図5】A、Bは本発明の他の例を示す図である。
【図6】A、Bは、本発明による2つの膜抵抗体を1つ
の基板に形成した例である。
【図7】本発明の係わる抵抗体を使用する装置例のブロ
ック図である。
【図8】A〜Dは従来の膜抵抗体の例を示す図である。
【図9】従来の膜抵抗体の例を示す図である。
【符号の説明】
1,電話線、2,アレスタ、3,交換機、4,保護回
路、5〜6,抵抗体、7,フューズ、8,交換機の主要
な回路、9,抵抗膜、10,電極、11,トリミング、
12,電流、13,導体膜、14切断、21〜22,ト
リミング、30,第1の膜抵抗体、31〜34,第2の
膜抵抗体、41〜44,切断、51〜54,電極、5
5,端子、56,配線、57,導体膜、61〜64,抵
抗膜、71〜73,電流、80,基板、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中尾 滋 愛知県春日井市高蔵寺町二丁目1844番2 富士通ヴィエルエスアイ株式会社内 (72)発明者 ▲高▼木 宏明 愛知県春日井市高蔵寺町二丁目1844番2 富士通ヴィエルエスアイ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抵抗膜に流れる電流に前記抵抗膜面内で特
    定の方向から電磁気力がかかる前記抵抗膜の領域に対
    し、 トリミング部分が、前記領域のうちの前記特定の方向と
    反対向きの側に偏って設けられてなることを特徴とする
    膜抵抗体。
  2. 【請求項2】前記膜抵抗体は、並列に配置された複数の
    抵抗膜が折り返した構成を有しており、前記電磁気力は
    隣接する抵抗膜を流れる電流の作用によるものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の膜抵抗体。
  3. 【請求項3】前記トリミング部分は、抵抗膜の中心線よ
    りも隣接する前記電磁気力を作用させる抵抗膜に近い側
    に設けられてなることを特徴とする請求項2記載の膜抵
    抗体。
  4. 【請求項4】前記複数の抵抗膜は、トリミング部分が設
    けられる抵抗膜とトリミング部分が設けられない抵抗膜
    とを含んでおり、トリミング部分が設けられる抵抗膜の
    幅は、トリミング部分が設けられない抵抗膜の幅よりも
    大きいことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の膜
    抵抗体。
  5. 【請求項5】前記複数の抵抗膜を接続している折り返し
    端にあたる部分の面積抵抗は、それ以外の抵抗膜の面積
    抵抗よりも低いことを特徴とする請求項2乃至請求項4
    記載の膜抵抗体。
  6. 【請求項6】第1抵抗膜と、 前記第1抵抗膜を挟んで隣接して配置され、前記第1抵
    抗膜とは逆の方向に実質的に第1抵抗膜と同じ値の電流
    が流れる第2、第3抵抗膜とを備え、 トリミング部分が、前記第1乃至第3抵抗膜のうち、前
    記第1抵抗膜のみに設けられることを特徴とする膜抵抗
    体。
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