JPH1032110A - 厚膜抵抗体のレーザトリミング方法 - Google Patents

厚膜抵抗体のレーザトリミング方法

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JPH1032110A
JPH1032110A JP8185753A JP18575396A JPH1032110A JP H1032110 A JPH1032110 A JP H1032110A JP 8185753 A JP8185753 A JP 8185753A JP 18575396 A JP18575396 A JP 18575396A JP H1032110 A JPH1032110 A JP H1032110A
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JP
Japan
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trimming
film resistor
thick film
laser
resistance value
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JP8185753A
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English (en)
Inventor
Kenichi Kakita
健一 柿田
Tsuyoshi Ogino
強 荻野
Masazou Taura
方三 田浦
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚膜抵抗体のレーザトリミング方法に関し、
抵抗値の高精度な調整を図る。 【解決手段】 厚膜抵抗体7を対向する電極導体2を完
全に含んだ形で形成し、電極導体2間を接続する。この
とき、電極導体2間以外にあるレーザトリミング領域8
の第二の電流の流れ10の密度は、電極導体2間の領域
の第一の電流の流れ9の密度よりも小さくなる。従っ
て、このレーザトリミング領域8は抵抗値に関与する割
合の小さな領域となり、この領域をトリミングすること
により、所定の抵抗値を高精度に調整することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は絶縁基板上に形成さ
れた厚膜抵抗体を所定の抵抗値にするために、レーザ光
を用いて厚膜抵抗体をトリミングする厚膜抵抗体のレー
ザトリミング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、厚膜抵抗体のレーザトリミング方
法は、電子機器の高性能化に伴う抵抗器の高精度な調整
方法として行われている。
【0003】従来の厚膜抵抗体のレーザトリミング方法
としては、特公平7−48412号公報に示されたもの
がある。
【0004】以下、図面を参照しながら上記従来の厚膜
抵抗体のレーザトリミング方法を説明する。
【0005】図12(a)は、従来の厚膜抵抗体のレー
ザトリミング方法における要部構成とトリミングの様子
の平面図、図12(b)は、図12(a)のA−A線断
面図である。図12(a)及び(b)において、絶縁基
板1上に対向する電極導体2が形成され、厚膜抵抗体3
が対向する電極導体2間の内側を接続する。ここで、最
初に粗調段階として厚膜抵抗体3にレーザ光を第1の設
定抵抗値となるまで連続的に出射して、厚膜抵抗体3を
完全にカットする粗調トリミングのカット跡4を形成す
る。この後、微調段階として粗調トリミングのカット跡
4の端部に、レーザ光を第2の設定(所定の)抵抗値と
なるまで微小ピッチで一定量ずつ断続的に出射すること
で、微調トリミングのカット跡5を形成する。L1、L
2はそれぞれ粗調トリミング、微調トリミングのカット
長さである。図12中の点線矢印は、トリミング前の厚
膜抵抗体3に流れる電流の方向6を示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の厚膜抵抗体のレーザトリミング方法においては、厚
膜抵抗体3が電極導体2の内側にあるため、流れる電流
の方向6は平行で、その電流密度分布は一様な状態であ
る。この状態において厚膜抵抗体3をレーザ光により流
れる電流の方向6と直交する方向にトリミングすると、
抵抗値の変化が大きすぎて所定の抵抗値への調整精度が
悪くなる欠点が有り、微小ピッチでレーザ光を出射した
としても、厚膜抵抗体3の厚み分を完全にカットするた
め、抵抗値調整精度は±0.1%程度が限界であるとい
う欠点を有していた。
【0007】本発明は従来の課題を解決するもので、抵
抗値を高精度に調整できる厚膜抵抗体のレーザトリミン
グ方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、電極導体間を接続する厚膜抵抗体は電極導
体よりも大きな幅で形成し、電極導体間以外の領域をレ
ーザトリミングする様にしたものである。
【0009】これにより、抵抗値を高精度に調整するこ
とができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、絶縁基板上に形成した対向する電極導体間を接続す
る厚膜抵抗体において、前記厚膜抵抗体は前記電極導体
を完全に含んで形成し、前記電極導体間以外の領域の前
記厚膜抵抗体をレーザトリミングして所定の抵抗値にす
ることにしたものであり、厚膜抵抗体に流れる電流の密
度の小さい、すなわち抵抗値に関与する割合の小さな領
域をレーザトリミングするという作用を有する。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、電極導体間以外の領域の厚膜抵抗体の
レーザトリミングを、前記厚膜抵抗体に流れる電流の方
向と直交する方向にカットする第一のトリミングと、前
記厚膜抵抗体に流れる電流の方向と平行する方向にカッ
トする第二のトリミングにより行うこととしたものであ
り、第一のトリミングでは電流の流れを大きく妨げ、第
二のトリミングでは電流の流れを妨げる割合を粗調トリ
ミングよりも小さくするという作用を有する。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、第一のトリミングは前記厚膜抵抗体を
完全にカットし、第二のトリミングは前記厚膜抵抗体の
表面を削ることで行うこととしたものであり、第一のト
リミングでは電流の流れを完全に遮断し、第二のトリミ
ングでは厚膜抵抗体の表面に流れる電流のみ遮断すると
いう作用を有する。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の発明いおいて、電極導体間以外の領域の厚膜抵抗体の
レーザトリミングを、平行した複数本のカットにより行
うこととしたものであり、同じ長さのカットであっても
1回目よりも2回目、2回目よりも3回目と順に、流れ
る電流を妨げる割合を小さくするという作用を有する。
【0014】請求項5に記載の発明は、絶縁基板上に形
成した対向する電極導体間を接続する厚膜抵抗体におい
て、前記厚膜抵抗体の表面を削ることでレーザトリミン
グして所定の抵抗値にすることにしたものであり、厚膜
抵抗体の表面に流れる電流のみ遮断するという作用を有
する。
【0015】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の発明において、厚膜抵抗体の表面を削ることを同一箇
所で複数回行うこととしたものであり、同一箇所で厚膜
抵抗体の厚みが変わり、遮断する電流量を変えるという
作用を有する。
【0016】以下、本発明による厚膜抵抗体のレーザト
リミング方法の実施の形態について、図面を参照しなが
ら説明する。なお、従来と同一構成については、同一符
号を付して詳細な説明を省略する。
【0017】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1による厚膜抵抗体のレーザトリミング方法におけ
る要部構成の平面図である。図2は、同実施の形態の厚
膜抵抗体のレーザトリミング方法における厚膜抵抗体の
領域分解の平面図である。
【0018】図1及び図2において、1は絶縁基板で、
セラミック基板あるいはステンレス鋼の上下面をガラス
層で覆ったメタルコア基板である。メタルコア基板のガ
ラス層は電気絶縁性・耐熱性の観点から無アルカリ結晶
化ガラスで構成され、ステンレス鋼はガラス層との膨脹
率を整合させる必要があることから、膨脹率100〜1
40×10-7/℃のものが好ましい。2は絶縁基板1上
に形成される対向する電極導体で、銀ー白金・銀ーパラ
ジウム等の導体ペーストを印刷し、乾燥・焼成を経て形
成される。
【0019】7は厚膜抵抗体で、対向する電極導体2を
接続し、電極導体2の幅よりも大きな幅で完全に電極導
体2を含んで形成する。厚膜抵抗体としてはCuーNi
合金・NiーCr合金・酸化ルテニウム等の抵抗ペース
トを使用し、描画法・メタルマクス法・ドクタープレー
ド法・オフセット法等により印刷し、乾燥・焼成を経て
形成され、その厚さは10μm程度である。
【0020】8はレーザトリミング領域で、電極導体2
間以外の厚膜抵抗体7の領域部分(図2中のB部及びC
部)である。9は厚膜抵抗体7の電極導体2間の領域
(図2中のA部)を流れる第一の電流の流れ、10は厚
膜抵抗体7のレーザトリミング領域8を流れる第二の電
流の流れである。
【0021】以上の要に構成された厚膜抵抗体のレーザ
トリミング方法について、以下その方法を説明する。
【0022】図2に示す厚膜抵抗体7のA部、B部及び
C部の平面積をそれぞれSA、SB及びSCとする。A部
を流れる第一の電流の流れ9の密度α、B部及びC部を
流れる第二の電流の流れ10の密度をそれぞれβ及びγ
とすると、厚膜抵抗体7の厚みは均一であるので、全抵
抗値Rは(数1)で表される。
【0023】
【数1】
【0024】ここで電極導体2間の距離はA部、B部、
C部の順で長くなり、距離の短い方が電流の密度が大き
くなるので、同じ平面積であれば、α>β>γの関係が
成立する。したがって、全抵抗値Rに関与する領域は、
A部>B部>C部の割合となる。
【0025】以上の様に本実施の形態の厚膜抵抗体のレ
ーザトリミング方法は、厚膜抵抗体7で対向する電極導
体2間を完全に含んで形成し、電極導体2間以外のレー
ザトリミング領域8(図2のB部及びC部)をレーザト
リミングすることにしたので、従来のトリミング領域
(図2のA部)よりも抵抗値に関与する割合が少なくな
り、従来と同じ長さのカットを行ったとしてもその抵抗
値変化は少さくなり、所定の抵抗値への調整が高精度で
行える。
【0026】なお、本実施の形態において、B部を1回
目に行う粗調トリミングの領域、C部を2回目に行う微
調トリミングの領域とすれば、更に高精度の調整を行う
ことができる。
【0027】(実施の形態2)図3は、本発明の実施の
形態2による厚膜抵抗体のレーザトリミング方法におけ
る要部構成とトリミングの様子の平面図である。図4
は、同実施の形態の厚膜抵抗体のレーザトリミング方法
におけるトリミング長と抵抗値変化率との関係を示す特
性図である。
【0028】なお、実施の形態1と同一構成について
は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0029】図3において、11−aはレーザトリミン
グ領域8のB部を流れる電流の方向と直交する方向にカ
ットする第一のトリミング(a)のカット跡、11−b
はレーザトリミング領域8のC部の第一のトリミング
(a)11−aと同方向にカットする第一のトリミング
(b)である。12はレーザトリミング領域8のC部を
流れる電流の方向と平行する方向にカットする第二のト
リミングのカット跡である。
【0030】以上の様に構成された厚膜抵抗体のレーザ
トリミング方法について、以下図4の特性図を用いてそ
の方法を説明する。
【0031】図4に示す様に従来のA部のレーザトリミ
ングでは、トリミング長の増大に伴い、抵抗値変化率が
急峻に変化する。これに対して、第一のトリミング
(a)11−a、第一のトリミング(b)11−b、第
二のトリミング12の順で、トリミング長の増大に伴う
抵抗値変化率は緩やかになる。これは、領域においては
A部>B部>C部、カットする方向においては電流の方
向に対し、直交>平行の割合で抵抗値に関与するからで
ある。
【0032】以上の様に本実施の形態の厚膜抵抗体のレ
ーザトリミング方法は、電極導体2間以外のレーザトリ
ミング領域8において、流れる電流の方向と直交する方
向にカットする第一のトリミング11−a(B部)、1
1−b(C部)及び流れる電流の方向と平行する方向に
カットする第二のトリミング12で、レーザトリミング
することにしたので、抵抗値変化率が緩やかに変化し、
抵抗値を高精度に調整することができる。
【0033】例えば、第一のトリミング(a)11−a
の場合はトリミング長0.5mmで、抵抗値変化率は7
%であるので、レーザ光の一般的な走査ピッチ0.01
mmで考えると、抵抗値の調整精度は±0.14%とな
る。同様に見ると、第一のトリミング(b)11−bは
±0.04%、第二のトリミング12は±0.02%の
抵抗値調整精度を得ることができる。
【0034】(実施の形態3)図5(a)は、本発明の
実施の形態3による厚膜抵抗体のレーザトリミング方法
における要部構成とトリミングの様子の平面図、図5
(b)は、図5(a)のB−B断面図である。図6は、
同実施の形態の厚膜抵抗体のレーザトリミング方法にお
けるトリミング長と抵抗値変化率との関係を示す特性図
である。
【0035】なお、実施の形態1と同一構成について
は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0036】図5(a)及び(b)において、13はレ
ーザトリミング領域8のB部の厚膜抵抗体7を完全にカ
ットする第一のトリミングのカット跡、14はレーザト
リミング領域8のB部の厚膜抵抗体7の表面を削る第二
のトリミングのカット跡である。
【0037】以上の様に構成された厚膜抵抗体のレーザ
トリミング方法について、以下図6の特性図を用いてそ
の方法を説明する。
【0038】図6に示す様に、第一のトリミング13は
実施の形態2の第一のトリミング(a)11−aと同程
度の抵抗値変化率の変化であるが、第二のトリミング1
4ではトリミング長の増大に伴う抵抗値変化率は更に緩
やかとなる。これは、第二のトリミング14において
は、厚膜抵抗体7の表面を削るカットであるため、表面
を流れる電流のみ遮断し、削られていない部分には電流
が流れているからである。
【0039】以上の様に本実施の形態の厚膜抵抗体のレ
ーザトリミング方法は、電極導体2間以外のレーザトリ
ミング領域8において、厚膜抵抗体7を完全にカットす
る第一のトリミング13、厚膜抵抗体7の表面を削る第
二のトリミング14でレーザトリミングすることにした
ので、抵抗値変化率が緩やかに変化し、抵抗値を高精度
に調整することができる。
【0040】例えば、第二のトリミング14において、
トリミング長0.5mmで抵抗値変化率は0.5%であ
るので、レーザ光の一般的な走査ピッチ0.01mmで
考えると、抵抗値の調整精度は±0.01%となる。
【0041】なお、本実施の形態において、第二のトリ
ミング14はレーザトリミング領域8のB部を流れる電
流の方向と直交する方向としたが、C部において、流れ
る電流の方向と平行する方向のトリミングにすれば、±
1ppmの抵抗値調整精度を得ることも可能である。
【0042】(実施の形態4)図7は、本発明の実施の
形態4による厚膜抵抗体のレーザトリミング方法におけ
る要部構成とトリミングの様子の平面図である。図8
は、同実施の形態の厚膜抵抗体のレーザトリミング方法
におけるトリミング回数と抵抗値変化率との関係を示す
特性図である。
【0043】なお、実施の形態1と同一構成について
は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0044】図7において、15−aはレーザトリミン
グ領域8のB部を流れる電流の方向と直交する方向に1
回目にカットする第一のトリミングのカット跡、15−
bは第一のトリミング15−aのカット跡と距離L3
れた位置を同方向に2回目にカットする第二のトリミン
グのカット跡、15−cは第二のトリミング15−bの
カット跡と距離L3離れた位置を同方向に3回目にカッ
トする第三のトリミングのカット跡である。すなわち、
第一〜第三のトリミング15−a〜cで、ピッチL3
3本の平行したトリミングを構成する。
【0045】以上の様に構成された厚膜抵抗体のレーザ
トリミング方法について、以下図8の特性図を用いてそ
の方法を説明する。
【0046】図8はトリミング長0.5mm、ピッチL
3が0.2mmの場合を示したものである。図8に示す
様に、1回目の抵抗値変化率は7%、2回目は6%、3
回目は5%と順に小さくなる。これは、1回目にカット
する第一のトリミング15ーaにより、この付近に流れ
る電流が少なくなるため、2回目、3回目と順に、流れ
る電流を妨げる割合が小さくなるからである。
【0047】今、N回目に行うトリミングの抵抗値変化
率をΔRNとすると、ΔRNは(数2)で表される。
【0048】
【数2】
【0049】ここで、ΔR1は1回目のトリミングによ
る抵抗値変化率、K1はピッチL3で決まる定数である。
【0050】以上の様に本実施の形態の厚膜抵抗体のレ
ーザトリミング方法は、電極導体2間以外のレーザトリ
ミング領域8において、平行する複数本のカット(本実
施の形態では、第一〜第三のトリミング15−a〜c)
によりレーザトリミングすることにしたので、同じ長さ
のカットであっても回数が増える毎にその抵抗値変化率
は小さくなり、抵抗値を高精度に調整することができ
る。
【0051】本実施の形態では、ピッチL3を0.2m
mとしたが、このピッチL3を大きくすれば同じ回数の
平行するカットでも、抵抗値調整精度を上げることがで
きる。
【0052】なお、本実施の形態において平行する複数
本のカットは、レーザトリミング領域8のB部を流れる
電流の方向と直交する方向としたが、C部を流れる電流
の方向と平行する方向のトリミングにすれば、更に高精
度の調整を行うことができる。
【0053】(実施の形態5)図9(a)は、本発明の
実施の形態5による厚膜抵抗体のレーザトリミング方法
における要部構成とトリミングの様子の平面図、図9
(b)は、図9(a)のC−C断面図である。
【0054】図9(a)及び(b)において、16は電
極導体2間を流れる電流の方向と直交する方向に、厚膜
抵抗体3の表面を削るトリミングのカット跡である。
【0055】以上の様に構成された厚膜抵抗体のレーザ
トリミング方法について、以下その方法を説明する。
【0056】図9(a)及び(b)に示す様に、トリミ
ング16は厚膜抵抗体3の表面を削るカットであるた
め、表面を流れる電流のみ遮断し、削られていない部分
には電流が流れることになる。
【0057】以上の様に本実施の形態の厚膜抵抗体のレ
ーザトリミング方法は、厚膜抵抗体3の表面を削ること
でレーザトリミングすることにしたので、従来の厚膜抵
抗体3を完全にカットする方法よりも抵抗値に関与する
割合が少なくなり、従来と同じ長さのカットを行ったと
しても、その抵抗値変化は小さくなり、所定の抵抗値へ
の調整が高精度で行える。
【0058】例えば、トリミング0.5mmで従来の場
合は±10%、本実施の形態の場合は±1%の抵抗値調
整精度となる。
【0059】なお、本実施の形態において、トリミング
16は電極導体2間を流れる電流の方向と直交する方向
としたが、平行する方向とすれば、更に高精度の調整を
行うことができる。
【0060】(実施の形態6)図10(a)は、本発明
の実施の形態6による厚膜抵抗体のレーザトリミング方
法における要部構成とトリミングの様子の平面図、図1
0(b)は、図10(a)のD−D断面図である。図1
1は、同実施の形態の厚膜抵抗体のレーザトリミング方
法におけるトリミング回数と抵抗値変化率との関係を示
す特性図である。
【0061】図10(a)及び(b)において、17−
aは電極導体2間を流れる電流の方向と直交する方向
に、厚膜抵抗体3の表面を1回目に削る第一のトリミン
グのカット跡で、その深さはD1である。17−bは第
一のトリミング17−aのカット跡と同一箇所を更に深
さD1だけ2回目に削る第二のトリミングのカット跡、
17−cは第二のトリミング17−bのカット跡と同一
箇所を、更に深さD1だけ3回目に削る第三のトリミン
グのカット跡である。
【0062】以上の様に構成された厚膜抵抗体のレーザ
トリミング方法について、以下図11の特性図を用いて
その方法を説明する。
【0063】図11はトリミング長0.5mm、深さD
1が2μmの場合を示したものである。図11に示す様
に、1回目の抵抗値変化率は1%、2回目は0.75
%、3回目は0.5%と順に小さくなる。これは、1回
目に削る第一のトリミング17ーaにより、削られてい
ない部分に流れる電流が初期よりも少なくなるため、2
回目、3回目と順に、流れる電流を妨げる場合が小さく
なるからである。
【0064】今、N回目に行うトリミングの抵抗値変化
率をΔRNとすると、ΔRNは(数3)で表される。
【0065】
【数3】
【0066】ここで、ΔR1は1回目のトリミングによ
る抵抗値変化率、K2は深さD1で決まる定数である。
【0067】以上の様に本実施の形態の厚膜抵抗体のレ
ーザトリミング方法は、厚膜抵抗体3の表面を削ること
を同一箇所で複数回(本実施の形態では、第一〜第三の
トリミング17−a〜c)レーザトリミングすることに
したので、同じ深さのカットであっても回数が増える毎
にその抵抗値変化率は小さくなり、抵抗値を高精度に調
整することができるばかりでなく、同一箇所でトリミン
グを行うので位置ずれ等による精度ダウンを防止するこ
とができる。
【0068】本実施の形態では、深さD1を2μmとし
たが、この深さD1を小さくすれば、抵抗値調整精度を
上げることができる。
【0069】なお、本実施の形態において、第一〜第三
のトリミング17−a〜cは導体電極2間を流れる電流
の方向と直交する方向としたが、平行する方向とすれ
ば、更に高精度の調整を行うことができる。
【0070】
【発明の効果】以上説明した様に本発明は、絶縁基板上
に形成した対向する電極導体間を接続する厚膜抵抗体に
おいて、前記厚膜抵抗体は前記電極導体を完全に含んで
形成し、前記電極導体間以外の領域の前記厚膜抵抗体を
レーザトリミングして所定の抵抗値にすることとしたの
で、抵抗値に関与する割合の少ない厚膜抵抗体の領域で
抵抗値調整が行え、所定の抵抗値への調整を高精度で行
うことができる。
【0071】また、電極導体間以外の領域の厚膜抵抗体
のレーザトリミングを、前記厚膜抵抗体に流れる電流の
方向と直交する方向にカットする第一のトリミングと、
前記厚膜抵抗体に流れる電流の方向と平行する方向にカ
ットする第二のトリミングにより行うこととしたので、
抵抗値の調整精度は第一のトリミングで±0.14%、
第二のトリミングで±0.02%を得ることができ、抵
抗値を高精度に調整することができる。
【0072】また、第一のトリミングは前記厚膜抵抗体
を完全にカットし、第二のトリミングは前記厚膜抵抗体
の表面を削ることで行うこととしたので、抵抗値の調整
精度は第二のトリミングで±0.01%を得ることがで
き、更にトリミング箇所を電極導体付近とすれば、±1
ppmの抵抗値調整精度を得ることが可能になる。
【0073】また、電極導体間以外の領域の厚膜抵抗体
のレーザトリミングを、平行した複数本のカットにより
行うこととしたので、平行する複数本のカットを構成す
るトリミング長、カット本数、カット間ピッチを変更す
ることにより、抵抗値を高精度に調整することができ
る。
【0074】また、絶縁基板上に形成した対向する電極
導体間を接続する厚膜抵抗体において、前記厚膜抵抗体
の表面を削ることでレーザトリミングして所定の抵抗値
にすることとしたので、従来と同じ構成サイズの厚膜抵
抗体であっても、同じ長さのカットで抵抗値変化率は約
1/10にすることができ、所定の抵抗値への調整を高
精度で行うことができる。
【0075】また、厚膜抵抗体の表面を削ることを同一
箇所で複数回行うこととしたので、同一箇所で行うトリ
ミングの回数、カット深さを変更することにより抵抗値
変化率を変えることができ、位置ずれ等による精度ダウ
ンも防止できるので、抵抗値を高精度に調整することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による厚膜抵抗体のレーザトリミング方
法の実施の形態1の要部構成の平面図
【図2】同実施の形態の厚膜抵抗体のレーザトリミング
方法の厚膜抵抗体の領域分解の平面図
【図3】本発明による厚膜抵抗体のレーザトリミング方
法の実施の形態2の要部構成とトリミングの様子の平面
【図4】同実施の形態の厚膜抵抗体のレーザトリミング
方法のトリミング長と抵抗値変化率との関係を示す特性
【図5】(a)本発明による厚膜抵抗体のレーザトリミ
ング方法の実施の形態3の要部構成とトリミングの様子
の平面図 (b)同実施の形態の図5(a)のB−B断面図
【図6】同実施の形態の厚膜抵抗体のレーザトリミング
方法のトリミング長と抵抗値変化率との関係を示す特性
【図7】本発明による厚膜抵抗体のレーザトリミング方
法の実施の形態4の要部構成とトリミングの様子の平面
【図8】同実施の形態の厚膜抵抗体のレーザトリミング
方法のトリミング回数と抵抗値変化率との関係を示す特
性図
【図9】(a)本発明による厚膜抵抗体のレーザトリミ
ング方法の実施の形態5の要部構成とトリミングの様子
の平面図 (b)同実施の形態の図9(a)のC−C断面図
【図10】(a)本発明による厚膜抵抗体のレーザトリ
ミング方法の実施の形態6の要部構成とトリミングの様
子の平面図 (b)同実施の形態の図10(a)のD−D断面図
【図11】同実施の形態の厚膜抵抗体のレーザトリミン
グ方法のトリミング回数と抵抗値変化率との関係を示す
特性図
【図12】(a)従来の厚膜抵抗体のレーザトリミング
方法の要部構成とトリミングの様子の平面図 (b)同従来の図12(a)のA−A断面図
【符号の説明】
1 絶縁基板 2 電極導体 7 厚膜抵抗体 8 レーザトリミング領域 9 第一の電流の流れ 10 第二の電流の流れ 11−a 第一のトリミング(a)のカット跡 11−b 第一のトリミング(b)のカット跡 12 第二のトリミングのカット跡 13 第一のトリミングのカット跡 14 第二のトリミングのカット跡 15−a 第一のトリミングのカット跡 15−b 第二のトリミングのカット跡 15−c 第三のトリミングのカット跡 16 トリミングのカット跡 17−a 第一のトリミングのカット跡 17−b 第二のトリミングのカット跡 17−c 第三のトリミングのカット跡

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に形成した対向する電極導体
    間を接続する厚膜抵抗体において、前記厚膜抵抗体は前
    記電極導体を完全に含んで形成し、前記電極導体間以外
    の領域の前記厚膜抵抗体をレーザトリミングして所定の
    抵抗値にすることを特徴とする厚膜抵抗体のレーザトリ
    ミング方法。
  2. 【請求項2】 電極導体間以外の領域の厚膜抵抗体のレ
    ーザトリミングを、前記厚膜抵抗体に流れる電流の方向
    と直交する方向にカットする第一のトリミングと、前記
    厚膜抵抗体に流れる電流の方向と平行する方向にカット
    する第二のトリミングにより行うことを特徴とする請求
    項1に記載の厚膜抵抗体のレーザトリミング方法。
  3. 【請求項3】 第一のトリミングは前記厚膜抵抗体を完
    全にカットし、第二のトリミングは前記厚膜抵抗体の表
    面を削ることで行うことを特徴とする請求項2に記載の
    厚膜抵抗体のレーザトリミング方法。
  4. 【請求項4】 電極導体間以外の領域の厚膜抵抗体のレ
    ーザトリミングを、平行した複数本のカットにより行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の厚膜抵抗体のレーザ
    トリミング方法。
  5. 【請求項5】 絶縁基板上に形成した対向する電極導体
    間を接続する厚膜抵抗体において、前記厚膜抵抗体の表
    面を削ることでレーザトリミングして所定の抵抗値にす
    ることを特徴とする厚膜抵抗体のレーザトリミング方
    法。
  6. 【請求項6】 厚膜抵抗体の表面を削ることを同一箇所
    で複数回行うことを特徴とする請求項5に記載の厚膜抵
    抗体のレーザトリミング方法。
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