JPH10131929A - ボール締付ピン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 それぞれ１つの孔（５）を有する２枚のプ
レート（６，６′）を解除可能に連結するためのボール
締付ピンにおいて、留めピンを孔（５）に差し込んだ
後、即座にこれらプレートを互いに締め付けて固定する
ことができるものを提供する。 【解決手段】ボール締付ピンが、グリップ（１）と、孔
（５）に差し込まれ第１のバネ（２）に抗して可動の留
めピン（３）とを備え、該留めピンの自由端には錠掛け
部材（７）が備えられる。この錠掛け部材（７）は、突
き棒（８）により、留めピン（３）の突き抜けをさえぎ
る係止状態から、この突き抜けを許容し突き棒（８）の
凹部（９）中に置かれる解除状態へと移行可能である。
突き棒（８）と留めピン（３）との間に第２のバネ（１
０）が配される。凹部（９）は、錠掛け部材（７）の側
の面に、突き棒軸（１１）に対して傾斜して配される側
壁（１２）を有する。この側壁をつたって錠掛け部材
（７）が凹部（９）へと摺動できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、それぞれ１つの孔
を有している２つの部分、特には２枚のプレートを解除
可能に接続するためのボール締付ピンに関する。

【０００２】

【従来の技術】ここで、グリップと、孔を通って差し込
み可能で、第１のバネの力に抗してこのグリップに対し
て相対移動可能である留めピンとを備える。この留めピ
ンが自身の自由端に錠掛け部材を備える。この錠掛け部
材は、留めピンに対して相対移動が可能である突き棒に
よって、孔を通っての留めピンの突き抜けをさえぎる係
止状態から、この突き抜けを自由にし、突き棒が凹部中
に至る解除状態へと移動可能である。

【０００３】このようなボール締付ピンは実地の経験に
より知られている。

【０００４】このボール締付ピンは、静止状態では係止
状態にある。２つのプレートを互いに連結するために、
先ず、錠掛け部材が突き棒の凹部中に入ることができる
まで、突き棒が留めピンに対して相対移動される。この
凹部中でこの錠掛け部材は解除状態にある。その後、留
めピンが、グリップに対して更に相対移動させられ、孔
を突き抜けてプレートに差し込まれる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、突き棒
を放した後、錠掛け部材が解除状態から再び係止状態へ
と移されたときに初めて、これらプレートが確実に連結
される。それまでは、ボール締付ピンによっては、軸方
向に作用する締付力は全く加えられることができない。
その結果、このような連結を作り出す段階においては、
ボール締付ピンがボール係止ピンとしてのみ働く。

【０００６】従って、本発明のベースとなる課題は、プ
レートの孔を通して留めピンを差し込んだ後に、これら
プレートが即座に互いに締め付けられて固定されるよう
に、冒頭に述べたようなボール締付ピンを構成すること
である。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明によると、突き棒
と留めピンの間に第２のバネが配され、凹部が、錠掛け
部材の側の面に、突き棒軸に対して傾斜して配される側
壁を有し、この側壁上で、錠掛け部材が凹部中へと摺動
することができることによって前記課題が解決される。

【０００８】本発明のボール締付ピンによる長所は、錠
掛け部材が、凹部の隣りに位置してそこで係止状態をと
り続けるまで、移されることができることである。一方
または両方のプレートが留めピンに押し当てられ、留め
ピンが孔を通って差し込まれるときに初めて、錠掛け部
材が、傾斜して配される側壁上で、凹部中に押し入れら
れる。このとき、第２のバネが引き延ばされる。その結
果、プレートが錠掛け部材を通過した直後に、このバネ
が、突き棒を再び押し戻し、錠掛け部材を凹部から押し
出すことができる。その結果、該錠掛け部材は差し込み
の短い時間の間のみ解除状態にあり、プレートの孔を通
って留めピンが差し込まれた後、このプレートは即座に
連結状態となる。

【０００９】傾斜して配される、凹部の側壁のすぐ隣り
に錠掛け部材が来るように突き棒を配置するのは困難で
あるので、本発明の特に好ましい実施態様によると次の
ように構成される。突き棒が、錠掛け部材から背けられ
た側の面で突き棒キャップ中に係合し、この突き棒キャ
ップが留めピンへの当接のための当接面を備える。係止
状態においては、留めピンから当接面までの距離が、傾
斜して配される側壁から錠掛け部材までの距離に対応す
るようにされる。このような構成により次のことが達成
できる。突き棒についての最初の操作により、錠掛け部
材は、この錠掛け部材が固定されていて凹部中に摺動す
ることのできない係止状態から、該錠掛け部材が解除状
態へと移動させられることのできる係止状態へと移され
ることができる。これにより、ボール締付ピンの操作が
明らかに簡易化される。もはや、作業者の繊細な感覚に
頼らずに、錠掛け部材を凹部のすぐ隣りに位置決めする
ことができるからである。

【００１０】さらに、突き棒が突き棒頭部を備え、該頭
部は突き棒キャップのめくら穴中に配され、めくら穴中
に、突き棒頭部と距離をおいてリングフランジが備えら
れるように構成される。これにより、錠掛け部材は、突
き棒キャップがほとんど留めピンに当接している解除状
態へと移される際に、突き棒頭部が固定された程度だけ
突き棒キャップに対して移動されることができるように
なる。その結果、錠掛け部材は、凹部中であまり広範に
軸方向に動かされることができず、プレートの孔を通っ
て留めピンが突き抜けた後に、速やかに再び係止状態に
移されることができることとなる。その際、第２のバネ
が突き棒頭部と留めピンの間に配されているなら好都合
であることが知られた。

【００１１】同様に、傾斜して配される側壁が丸味をつ
けられて構成されているなら好都合である。そうする
と、傾斜して配される側壁の始まりと終わりが比較的急
勾配であり、その結果、係止状態から解除状態への移行
の開始のためには、意図しない移動を阻止する比較的大
きな力が必要とされるからである。

【００１２】プレートの孔中における留めピンの傾斜を
防止するために、錠掛け部材が２つ備えられている。ま
た、錠掛け部材は球（ボール）として構成される。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下において、図面に描かれた実
施例を用いて本発明が詳細に説明される。

【００１４】唯一の図は、２枚のプレートを接続したと
きの、本発明のボール締付ピンの縦断面を示す。

【００１５】図示されたボール締付ピンは、グリップ１
と、第１のバネ２の力に抗してグリップ１の軸方向へグ
リップに対して可動の留めピン３とを備える。２枚のプ
レート６，６′を互いに接続するためには、これらプレ
ートの孔５を突き抜けて差し込まれることのできる留め
ピン３の自由端４に、球として構成された２つの錠掛け
部材７が配されている。留めピン３の中央の孔には、突
き棒８がこのピンに対して可動に配されていている。こ
の突き棒８は、留めピン３の自由端４の側の端部に、凹
部９を有している。突き棒８を中央の孔の中で移動させ
ることができるので、錠掛け部材７について、該錠掛け
部材が突き棒８の外周に当接している図示の係止状態か
ら、錠掛け部材７が凹部９中にある解除状態へと移すこ
とができる。

【００１６】突き棒８と留めピン３の間には、第２のバ
ネ１０が配されている。凹部９が錠掛け部材７の側の面
に、突き棒軸１１に対して傾斜して配された側壁１２を
有している。その結果、プレート６，６′の孔５を通し
て留めピン３を差し込む際に、錠掛け部材７は、孔５の
縁部によって凹部９中に押し込まれる。このとき、錠掛
け部材７は、第２のバネ１０の力に抗して、突き棒８を
更に留めピン３の自由端４の方向へ引っ張る。錠掛け部
材７が孔５を通り過ぎた後に、突き棒８が第２のバネ１
０の力を受けて再び自身のスタート状態へと移る。この
とき、錠掛け部材７は、傾斜した側壁１２をつたって再
び凹部９から押し出される。

【００１７】突き棒８が突き棒頭部１３を備える。この
頭部１３は、突き棒キャップ１５のめくら穴１４中に配
される。この突き棒キャップ１５は、留めピン３の側の
面に、当接面１６を備える。突き棒８を移動させると、
この当接面１６にて、突き棒キャップ１５が留めピン３
に当接する。その結果、さらに力を加えると、留めピン
３が軸方向に移動させられる。錠掛け部材７の係止状態
においては、留めピン３から突き棒キャップ１５の当接
面１６までの距離が、傾斜して配される側壁１２から錠
掛け部材７までの距離に対応する。その結果、突き棒８
を作動させると、錠掛け部材７が、傾斜して配される側
壁１２の始点である、凹部９の縁に位置するようにな
る。

【００１８】突き棒キャップ１５のめくら穴１４中に配
された突き棒頭部１３と距離をおいて、リングフランジ
１７が備えられる。このリングフランジ１７によって、
突き棒キャップ１５に対する突き棒８の移動、及び、こ
れによる留めピン３対する突き棒８の移動が制限されて
いる。

【００１９】図示された実施例では、第２のバネ１０
が、突き棒頭部１３と留めピン３との間に配され、傾斜
して配される側壁１２が丸味付けされて形成されてい
る。

【００２０】

【発明の効果】それぞれ１つの孔（５）を有する２枚の
プレート（６，６′）を解除可能に連結するためのボー
ル締付ピンにおいて、留めピンを孔（５）に差し込んだ
後、即座にこれらプレートを互いに締め付けて固定する
ことを可能にする。

【図面の簡単な説明】

【図１】２枚のプレートを接続したときの本発明のボー
ル締付ピンの縦断面である。

【符号の説明】

１ グリップ ２ 第１のバネ ３ 留めピン ４ 留めピンの自由端 ５ 孔 ６，６′ プレート ７ 錠掛け部材 ８ 突き棒 ９ 凹部 １０ 第２のバネ １１ 突き棒軸 １２ 傾斜した側壁 １３ 突き棒頭部 １４ めくら穴 １５ 突き棒キャップ １６ 当接面 １７ リングフランジ

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 それぞれ１つの孔（５）を有する２つの
   部分、特には２枚のプレート（６，６′）を解除可能に
   接続するためのボール締付ピンであって、 グリップ（１）と、孔（５）を通って差し込み可能で第
   １のバネ（２）の力に抗してこのグリップ（１）に対し
   て可動である留めピン（３）とを備え、 この留めピン（３）が自身の自由端に錠掛け部材（７）
   を有し、 この錠掛け部材（７）が、孔（５）を通って留めピン
   （３）が突き抜けるのをさえぎる係止状態から、この突
   き抜けを自由にし、突き棒（８）の凹部（９）に至る解
   除状態へと、留めピン（３）に対して可動である突き棒
   （８）によって移されることができるというものにおい
   て、 突き棒（８）と留めピン（３）との間に第２のバネ（１
   ０）が配され、 凹部（９）が、錠掛け部材（７）の側の面に、突き棒軸
   （１１）に対して傾斜して配される側壁（１２）を備
   え、この側壁上で、錠掛け部材（７）が凹部（９）中へ
   と摺動することができることを特徴とするボール締付ピ
   ン。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のボール締付ピンにおい
   て、 突き棒（８）が、錠掛け部材（７）から背けられた側の
   面において突き棒キャップ（１５）中に係合し、 突き棒キャップ（１５）が、留めピン（３）に当接する
   ための当接面（１６）を備え、 係止状態において、留めピン（３）から当接面（１６）
   までの距離が、傾斜して配される側壁（１２）から錠掛
   け部材（７）までの距離に対応することを特徴とするボ
   ール締付ピン。
3. 【請求項３】 請求項２に記載のボール締付ピンにおい
   て、 突き棒（８）が突き棒頭部（１３）を備え、この突き棒
   頭部（１３）が突き棒キャップ（１５）のめくら穴（１
   ４）中に配され、 めくら穴（１４）中の突き棒頭部（１３）と距離をおい
   て、リングフランジ（１７）が備えられることを特徴と
   するボール締付ピン。
4. 【請求項４】 請求項３に記載のボール締付ピンにおい
   て、第２のバネ（１０）が突き棒頭部（１３）と留めピ
   ン（３）との間に配されていることを特徴とするボール
   締付ピン。
5. 【請求項５】 請求項１〜４のいずれかに記載のボール
   締付ピンにおいて、傾斜して配される側壁（１２）が、
   丸みを付けられて形成されていることを特徴とするボー
   ル締付ピン。
6. 【請求項６】 請求項１〜５のいずれかに記載のボール
   締付ピンにおいて、錠掛け部材（７）が２つ備えられて
   いることを特徴とするボール締付ピン。
7. 【請求項７】 請求項１〜６のいずれかに記載のボール
   締付ピンにおいて、錠掛け部材（７）が球として形成さ
   れていることを特徴とするボール締付ピン。