JP4122078B2 - 解除ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、作動スピンドルに接続されていて、該作動スピンドルの軸方向に移動可能な連結棒を有する締付頭部の操作のための装置の解除ユニットであって、作動スピンドルに配された連結リングと係合しているロック位置から、係合のない解除位置へと位置変更可能である少なくとも1つの錠掛け部材と、連結棒に取り付け可能で該連結棒の軸方向の移動のために働くピストンとを備えた解除ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
このような解除ユニットは実務から公知である。このような解除ユニットにおいて、錠掛け部材が二腕レバーとして構成され、該レバーは、作動スピンドル側の第1のレバー腕に、連結リングの溝中に入れられるフックを有している。第2のレバー腕が脚部を有し、該脚部は端部へと向かって半径方向に外側へと曲げられていて、このことによって、半径方向に内側に位置する平面と半径方向に外側に位置する平面とが生じる。該平面は、互いに平行に配されていて、解除ユニットの軸に対して傾斜している。半径方向に内側に位置する平面が、解除ユニットに構成されている溝中に突出している。錠掛け部材としての二腕レバーを、ロック位置から、溝中に係合するフックを用いて、解除位置へと位置変更を行う目的で、解除ユニットに、軸方向に移動可能なリングが備えられている。該リングは、錠掛け部材に向けられた側に、斜めに配された当接面を有していて、該当接面には、レバーにおける半径方向外側に位置する平面が当接している。リングが軸方向に錠掛け部材の向きへと動くと、第2のレバー腕における半径方向外側に位置する平面は当接面に沿って摺動する。これにより、錠掛け部材は、第2のレバー腕における半径方向内側に位置する平面が溝の底部に当接するまで、レバーの回転軸の周りを回転させられる。全体として、製造の際に高いコストが必要な複雑な構造となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の根底をなす課題は、冒頭に述べたような解除ユニットにおいて、より簡単な構造が達成されるとともに、操作が改良されるように構成することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、冒頭に述べた如き構成要件を備える解除ユニットにおいて、連結リングと錠掛け部材とがロック・キー原理に従う相互補完的な構造を有し、ロックには符号化(coding、ロックのキー挿入孔における凹凸)としてのピンが構成されていて、該ピンは、キーが適当な角度をとる解除位置において、切り取り部を通って、キーの溝中に挿入可能であって、ロック位置へと溝壁後方に回転可能であることにより解決される。
【0005】
本発明が提供する利点は、錠掛け部材において、特別に取り付けられねばならなず、また、挟まれて動かなくなることもある可動の幾つかの部分を省くことである。解除ユニットを作動スピンドルに接続するためには、解除ユニットと作動スピンドルとが適当な相対角度をなすようにすることだけが必要である。こうすることにより、キーが切り取り部からロック中に入れられることができる。ロックとキーとの互いに相対的な回転が分離不能な接続をひき起こし、該接続は、最初の角度位置が再びとられる時のみ解除されることができる。これは、例えば、作動スピンドルが解除の目的で正確に規定された位置に停止させられることによって、容易に実現するようにされることができる。錠掛け部材及び連結リングに全く平らな平面を構成することができるが、このような平面は、容易に作り出すことができ、良好な力の伝達を保証するものである。
【0006】
更に、本発明の枠内において、連結リングがピンを有するロックとして構成され、錠掛け部材が切り取り部と溝を有するキーとして構成されることが見込まれる。更に、ピンが数個ずつ備えられ、これにより、ピンが連結リングの構成部分である故に生じる負荷をより良く分配することができる。該構成部分は、解除ユニットと作動スピンドルとの間の軸方向に作用する力を受けるのである。
【0007】
本発明のさらなる改良においては、錠掛け部材が作動スピンドル側の手前の面に孔を有し、この孔は壁部中に溝を備え、ピンを備えた連結リングが適切な角度位置おいて前記孔中に挿入可能であることを特徴としている。このような実施態様においては、錠掛け部材がコンパクトなスリーブとして形成されていて、該スリーブは、容易に作り出されることができ、作動中、非常に耐負荷能力がある。
【0008】
合目的には、ピンがそれぞれ対になって直径方向に対向し合う。このことによって、対称的な構造、例えば、2つのピン対(ペア)の場合に4個の対称を有するものが得られる。その結果、この例においては、ロックとキーとの接続を解除することのできる、作動スピンドルについて角度位置が全部で4つある。
【0009】
ロックとキーとを互いに分離することのできる選ばれた角度位置についての有限の数への限定は、好ましい別の実施態様によると、冒頭に述べた如き解除ユニットにおいて、以下のことによって克服できる。即ち、連結リングが周方向に配された溝を有することと、錠掛け部材が軸の周りを回転可能な回転ピンとして構成されていて、該回転ピンが対向し合う対として2つずつ備えられていることと、各回転ピンが、連結リング側の端部に、自身の輪郭の一方の側に半径方向に突出するピン突出部を有し、ピン突出部が連結リングから背けられた解除位置から、ピン突出部が連結リングの溝中に挿入されたロック位置へと回転可能であることとによって克服できる。
【0010】
この実施態様においては、作動スピンドルと錠掛け部材との間の角度位置を任意にとることができる。更に、錠掛け部材の回転軸が、ピストンと作動スピンドルの軸に平行に配されている。その結果、回転ピンの軸の延長に孔が配されていて、該孔を通って、回転ピンの回転のための工具を差し込むことができるので、錠掛け部材へのアクセスが、より容易になる。そのため、この実施態様において、独自の、解除ユニットに接続された構成部分は、錠掛け部材の位置状態変更のために必要ではない。
【0011】
更に、好ましくは、回転ピンの軸が、該回転ピンに回転不能に接続されたピン棒によって形成され、該ピン棒が偏心に構成されたピン棒フランジを有し、該ピン棒フランジは、解除位置においては孔に対して偏心に構成されためくら穴(blind hole)の手前の面に当接し、回転ピンのロック位置においては該めくら穴に挿入可能であるよう解除ユニットを構成する。回転ピンがこのような形態であると、錠掛け部材がロック位置に固定して停止されるのであり、ピン棒フランジとめくら穴との係合が外れた位置にまで、ピン棒を軸方向に能動的に移動させない限りは、このロック位置から再び離されることがない。
【0012】
また、一方ではバネを用いた挿入を容易にする目的で、他方ではバネの力に抗してめくら穴からピン棒フランジを離すことを可能にする目的で、ピン棒フランジを備えたピンが主にロック位置においてバネの力でめくら穴に挿入可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下において、図面に描かれた実施態様を用いて本発明が詳細に説明される。
【0014】
図1に締付装置1を示すが、この装置により、中空シャフトを有する工具または加工物2が締め付けられる。締付頭部3が、作動スピンドル4の一端に接続されて、連結棒5に接続されている。連結棒5が作動スピンドル4の軸方向に移動可能であるので、締付頭部3は、図1に示された締付位置から、図2に示された解除位置へと位置状態を変更できる。この解除位置において、締付爪6は、中空シャフトテーパー体との係合から外れている。このような締付装置1は従来技術より公知であり、従ってここにおいては詳細に説明する必要がない。
【0015】
作動スピンドル4の、締付頭部3から背けられた側の端部に、連結リング7が配されていて、この連結リング7によって解除ユニット8が締付装置1に接続されている。該解除ユニット8が錠掛け部材9を有している。該錠掛け装置は、作動スピンドル4に配された連結リング7と係合している錠掛け位置から、係合のない解除位置へと移動させられることができる。更に、前記解除ユニット8がピストン10を有している。該ピストンは、圧力媒体によって作用可能であって、該圧力媒体により軸方向に移動させられることができる。この動きは、締付頭部3を締付位置と解除位置との間で往復動させるように、連結棒5に伝達されることができる。
【0016】
図3及び図4には、図1に比べて拡大されて描かれた解除ユニット8によって本発明の第1の実施態様が表されている。この実施態様においては、連結リング7と錠掛け部材9が、ロック・キー原理に従う相互補完的な構造を有している。連結リング7がロックとして、かつ、錠掛け部材9がキーとして構成されている。図示された実施態様においては、連結リング7に、符号化物(coding、ロックのキー挿入孔における凹凸)としての4つのピン11が構成されている。錠掛け部材9が、作動スピンドル4に向けられた正面に孔12を備え、この孔12の内壁には、周方向に設けられた溝11を有している。
【0017】
更に、切り取り部14が存在し、該切り取り部は位置及び数において連結リング7のピンに対応しているので、解除ユニット8の差し込みの際に、ピン11が錠掛け部材9の切り取り部14を通り抜け、溝13中に入れられることができる。錠掛け部材9のその縦軸周りの回転によって、錠掛け部材9は解除位置からロック位置へと運ばれる。ピン11がそれぞれ対になって直径方向に対向し合い、更に、連結リング7の全周にわたり均等となるように配分されている。そのため、図4に描かれた実施態様においては、4つの対称が存在し、これにより、錠掛け部材9と連結リング7が連結可能である4つの角度位置が与えられている。ピン11が連結リング7の全周に均等に配分されておらず、その結果、対の連結直線15が垂直に交わらないなら、対称は減り、これにより、連結及び分離を可能にする角度位置の数が減少する。
【0018】
図5〜図8に描かれた実施態様において、錠掛け部材9と連結リング7が、連結及び分離の目的で、互いに任意の角度位置に位置調整されることができる。そのため、この場合にも、操作が簡易化される。この連結及び分離の目的で、連結リング7が、周方向に走る溝16を有している。ここで、錠掛け部材9が対に備えられていて、軸18の周りを回転可能な回転ピン17として構成されている。各回転ピン17が、連結リング7側の端部に、自身の輪郭の一方の側で半径方向に突出するピン突出部19を有している。このピン突出部は、ピン突出部19が連結リング7から背けられる解除位置から、ピン突出部19が連結リング7の溝16中に突き出るロック位置へと位置変更可能である。
【0019】
回転ピン17は、解除ユニット8中の回転ピン17の軸18の延長に配されている孔20を通って、六角レンチといった工具が差し込まれ、該工具を用いて回転ピン17が回転されることによって操作される。回転ピン17の軸18が、該ピンに回転不能に接続されたピン棒21によって形成されていて、該ピンには、孔20を通って差し込み可能な工具が作用する。ピン棒21が偏心に構成されたピン棒フランジ22を有していて、該ピン棒フランジは、解除位置において、孔20に対して偏心に構成されためくら穴23の手前の面に当接している。ピン棒21が回転され、これにより、回転ピン17が回転されると、ピン棒フランジ22は、めくら穴23の手前の面から、該ピン棒フランジがめくら穴23の手前の面によってはもはや支持されないところまで下方に摺動する。そして、回転ピン17のロック位置ではめくら穴23中に滑り込む。ここで、ピン棒フランジは、このような動きにあたり、押圧バネ24の力に助けられる。連結が解除される時には、また、このバネの力に打ち勝たなければならない。
【0020】
【発明の効果】
解除ユニットにおいて、より簡単な構造が達成されるとともに、操作性が改良される。
【図面の簡単な説明】
【図1】締め付け位置にある締め付け頭部を備えた作動スピンドルを操作するための装置についての断面図である。
【図2】解除位置にある締め付け頭部についての図1に対応する断面図である。
【図3】解除ユニットの第1の実施態様についての、図1に対応する断面図である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】ロック位置にある錠掛け部材を含む、解除ユニットの第2の実施態様についての、図3に対応する断面図である。
【図6】解除位置にある錠掛け部材を含む、図5の解除ユニットの上部についての断面図である。
【図7】図5のVII−VII断面図である。
【図8】解除位置にある錠掛け部材を含む、図7に対応する断面図である。
【符号の説明】
1 締付装置
2 加工物
3 締付頭部
4 作動スピンドル
5 連結棒
6 締付爪
7 連結リング
8 解除ユニット
9 錠掛け部材
10 ピストン
Claims (4)
- 作動スピンドル(4)に接続されていて、該作動スピンドル(4)の軸方向に移動可能な連結棒(5)を有する締付頭部(3)を操作するための装置の解除ユニットであって、 作動スピンドル(4)に配された連結リング(7)と係合するロック位置から、係合しない解除位置へと可動である少なくとも1つの錠掛け部材(9)と、前記連結棒(5)に取付可能で該連結棒の軸方向移動のために働くピストン(10)とを備えたものにおいて、
連結リング(7)が周方向に走る溝(16)を有し、
錠掛け部材(9)が、軸(18)の周りを回転可能な回転ピン(17)として構成され、該回転ピンは、2つずつ互いに対向する対として備えられ、
各回転ピン(17)が、連結リング(7)側の端部に、自身の輪郭の一方の側で半径方向に突出するピン突出部(19)を有し、このピン突出部は、ピン突出部(19)が連結リング(7)から背けられている解除位置から、ピン突出部(19)が連結リング(7)の溝(16)に挿入されるロック位置へと回転可能であることを特徴とする解除ユニット。 - 請求項1に記載の解除ユニットにおいて、回転ピン(17)の軸(18)の延長に孔(20)が配されていて、該孔を通じて、回転ピン(17)の回転のための工具を差し込むことができることを特徴とする解除ユニット。
- 請求項2に記載の解除ユニットにおいて、回転ピン(17)の軸(18)が、該回転ピンに回転不能に接続されたピン棒(21)によって形成され、該ピン棒が偏心に構成されたピン棒フランジ(22)を有し、該ピン棒フランジが、解除位置においては孔(20)に対して偏心に構成されためくら穴(23)の手前の面に当接し、回転ピン(17)のロック位置においてはめくら穴(23)中に挿入可能であることを特徴とする解除ユニット。
- 請求項3に記載の解除ユニットにおいて、ロック位置で、バネ(24)の力を受けて、ピン棒フランジ(22)を備えたピン棒(21)がめくら穴(23)中に挿入可能であることを特徴とする解除ユニット。
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