JPH10131125A - プレキャストコンクリート床版の敷設施工用弾性型枠材及びこれを用いたプレキャストコンクリート床版敷設施工法 - Google Patents

プレキャストコンクリート床版の敷設施工用弾性型枠材及びこれを用いたプレキャストコンクリート床版敷設施工法

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JPH10131125A
JPH10131125A JP8307021A JP30702196A JPH10131125A JP H10131125 A JPH10131125 A JP H10131125A JP 8307021 A JP8307021 A JP 8307021A JP 30702196 A JP30702196 A JP 30702196A JP H10131125 A JPH10131125 A JP H10131125A
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precast concrete
elastic
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concrete slab
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JP8307021A
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Morio Danzuka
彬雄 段塚
Hisao Sugiura
久夫 杉浦
Shigeki Yamashita
茂樹 山下
Kozo Kitayama
耕造 北山
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Sumitomo Riko Co Ltd
PS Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
PS Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】縦桁の幅方向両端部に弾性型枠材を固定すると
ともに、縦桁の上側にプレキャストコンクリート床版を
載せた上、これをずらせるようにして最終位置まで位置
移動させ、その後においてプレキャストコンクリート床
版と縦桁の上面及び一対の弾性型枠材にて囲まれた空間
内に無収縮モルタルを打設して、縦桁とプレキャストコ
ンクリート床版とを一体化するに際し、プレキャストコ
ンクリート床版の位置移動によって弾性型枠材が破れた
りちぎれたりしないようにする。 【解決手段】弾性型枠材18を、弾性発泡体から成る基
材38と、基材38の表面に固着形成された、基材38
よりも高強度且つ滑り性の高い補強膜層40との一体積
層構造とする。また基材38の反対側の面に、粘着剤層
42を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は道路橋等の橋梁に
おけるプレキャストコンクリート床版の敷設に際して用
いる弾性型枠材及びこれを用いたプレキャストコンクリ
ート床版の敷設施工法に関する。
【0002】[発明の背景]道路橋等の橋梁の建設工事
は、従来、橋脚上に足場を組んだ上で、橋脚上に延設し
た橋桁上において型枠及び鉄筋を組み、そしてコンクリ
ート打設を行ってコンクリート床版を形成した上、その
表面にアスファルト等の舗装を施していた。或いは予め
鉄筋のみを別の場所で組んでおき、これを橋桁上に運ん
でコンクリート打設を行う工法も用いられていた。
【0003】しかしながらこれらの工法の場合、高い足
場を築いて高架上に大掛かりな型枠を組んだり、鉄筋を
組んだりするなどコンクリート打設のための作業を行わ
なければならず、施工が大変であった。図8はその欠点
を改善すべく案出された工法例を示している。同図にお
いて200はH型鋼から成る鋼製の橋桁(縦桁)、20
2は現場打ちコンクリートから成る床版、204は表面
のアスファルト舗装である。この構造の橋梁の場合、幅
員方向に隣接する縦桁200と200との間に薄いコン
クリート板206を架け渡しておき、そしてコンクリー
ト板206上で鉄筋を組んだ上、縦桁200の上面とコ
ンクリート板206との間をシール材208でシール
し、コンクリートを打設してコンクリート床版202を
形成し、その後表面にアスファルト舗装204を施す。
【0004】この工法例の場合、それほど大掛かりな型
枠を組む必要がない利点がある。しかしながらこの工法
例の場合においても、打設したコンクリートが硬化した
後でなければ次の作業を行うことができないため、工期
が必然的に長くなるといった問題が残されていた。
【0005】そこでコンクリート床版自体を予め工場で
所定寸法の大きさで成形硬化しておき、そのプレキャス
トコンクリート床版を施工現場に搬入して縦桁上に並べ
て敷設し、そしてそれらの継目部分にモルタルを打設し
て隣接するプレキャストコンクリート床版同士を一体化
し、連続したコンクリート床版を形成することが行われ
ている。
【0006】そしてその具体的手法の1つとして、図9
(A)の概念図に示すように上記プレキャストコンクリ
ート床版210を橋梁の幅員方向に長手状をなす形態と
し、これを縦桁200の上面との間に所定の上下間隙を
形成する状態で、縦桁200の延設方向に並べて行っ
て、各プレキャストコンクリート床版210間の継目部
分にモルタルを流し込んで各プレキャストコンクリート
床版210同士を一体化するとともに、同図(B)に示
すように各縦桁200の幅方向両端部において縦桁20
0の上面とプレキャストコンクリート床版210との間
に長尺の弾性材から成る型枠材(弾性型枠材)212を
介設し、それら縦桁200,プレキャストコンクリート
床版210及び弾性型枠材212にて囲まれた打設空間
内部にモルタル214を打設することで、プレキャスト
コンクリート床版210と縦桁200とを一体化する工
法が行われている。
【0007】この工法の場合、コンクリート床版打設用
の型枠を高所で組む必要がなく、施工が容易且つ安全性
が高い利点の外、打設したコンクリート床版が硬化する
のを待たないで次の作業が行えることから、工期を短縮
化できる利点が得られる。
【0008】但しこの工法の場合、プレキャストコンク
リート床版210を縦桁200上且つ最終位置に直接敷
設することがプレキャストコンクリート床版210の接
合端面から突出する鉄筋が競合するなどしてできない場
合があり、一旦縦桁200上に載置したプレキャストコ
ンクリート床版210を最終位置まで縦桁200の延設
方向(長手方向)にずらせる作業を行うことを必要と
し、その際にプレキャストコンクリート床版210によ
って上下に圧縮変形した状態の弾性型枠材212がその
プレキャストコンクリート床版210によって引きちぎ
られてしまうといった問題を生ずることがあった。
【0009】而して弾性型枠材212がちぎられ、破ら
れてしまうと、縦桁200,プレキャストコンクリート
床版210及び弾性型枠材212で囲まれた打設空間に
モルタル打設を行ったとき、モルタル214が外部に流
れ出してしまう問題を生ずる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願の発明はこのような
課題を解決するためになされたものである。而して請求
項1の弾性型枠材は、橋梁における橋桁を構成する縦桁
上に橋梁幅員方向に延びる形態のプレキャストコンクリ
ート床版を該縦桁の上面に対して上下間隙を形成する状
態で載置するとともに、該縦桁の幅方向両端部において
該縦桁と該プレキャストコンクリート床版との間に且つ
それら縦桁及びプレキャストコンクリート床版に密着す
る状態でシール部材兼用の弾性型枠材を該縦桁に沿って
その延設方向に上下に圧縮状態で介設し、それら縦桁と
プレキャストコンクリート床版と弾性型枠材との間に形
成された打設空間にモルタルを打設して該プレキャスト
コンクリート床版と縦桁とを一体化する工法に用いる前
記弾性型枠材であって、弾性発泡体から成る基材と、該
基材の前記プレキャストコンクリート床版側の表面に固
着形成された、該基材よりも高強度且つ滑り性の高い補
強膜層との一体積層構造をなしていることを特徴とす
る。
【0011】請求項2の弾性型枠材は、請求項1におい
て、前記基材の前記プレキャストコンクリート床版側と
は反対側の前記縦桁側の面に粘着剤層が設けられている
ことを特徴とする。
【0012】請求項3はプレキャストコンクリート床版
の敷設工法に係るもので、請求項1又は2の弾性型枠材
を、橋梁における橋桁を構成する縦桁の幅方向端部にお
いて且つ該縦桁に沿ってその上面にセットした上、該橋
梁の幅員方向に延びる形態の複数のプレキャストコンク
リート床版を、該弾性型枠材を上下に圧縮弾性変形させ
る状態で且つ該縦桁の上面との間に上下間隙を形成する
状態で該縦桁の延設方向に並べて載置した後、該プレキ
ャストコンクリート床版を該弾性型枠材に対して滑らせ
るように該延設方向に位置をずらせて最終位置まで移動
させ、しかる後それらプレキャストコンクリート床版の
継目の隙間にモルタルを打設して隣接するプレキャスト
コンクリート床版同士を一体化するとともに、前記縦桁
と弾性型枠材とプレキャストコンクリート床版とで形成
される打設空間内にモルタルを打設して、該プレキャス
トコンクリート床版と縦桁とを一体化することを特徴と
する。
【0013】
【作用及び発明の効果】上記のように本発明の弾性型枠
材は、基材を弾性発泡体にて形成した上、プレキャスト
コンクリート床版側の表面に、基材よりも高強度且つ滑
り性の高い補強膜層を一体に積層形成したもので、この
弾性型枠材を用いることで、プレキャストコンクリート
床版を弾性型枠材に対して上下に圧縮変形を加えつつ縦
桁に沿って位置をずらせたとき、弾性型枠材がプレキャ
ストコンクリート床版によって破られたり、ちぎられた
りするのを良好に防止できることを確認し得た。
【0014】ここで本発明において、プレキャストコン
クリート床版と縦桁の一体化のためのモルタル打設用の
弾性型枠材における基材を、弾性発泡体で形成している
のは次の理由による。即ち、縦桁の上面及びプレキャス
トコンクリート床版の下面は縦桁の延設方向に波打ち形
状をしているなどして必ずしも平坦な形状を成していな
い。従って縦桁とプレキャストコンクリート床版との上
下間隔は、その延設方向に沿って部分的に大となった
り、小となったりしている。
【0015】弾性型枠材はこのような事情の下で、縦桁
とプレキャストコンクリート床版とに圧縮状態の下で確
実に密着できるものでなければならず、そのためには上
下の弾性変形能の大きいものでなければならない。そこ
で本発明では、弾性型枠材の主体を成す基材を弾性変形
能の大きな弾性発泡体で形成しているのである。
【0016】一方においてこの弾性型枠材における基材
は、内部に分散状に存在している空孔に起因して強度の
弱いものであり、しかもプレキャストコンクリート床版
は鋭い角部を有するとともにその下面がざらざらしたも
のであって、同面に大小の凹凸を有している。このた
め、縦桁とプレキャストコンクリート床版とで弾性型枠
材を上下に圧縮した状態でプレキャストコンクリート床
版をずらせたときに、弾性型枠材がプレキャストコンク
リート床版の移動方向に力を受けて破れたり、ちぎれた
りしやすい問題を内包する。
【0017】しかるに本発明に従って基材の表面に高強
度且つ滑り性の高い補強膜層を形成したことで、弾性型
枠材に対するプレキャストコンクリート床版の滑りが良
好となり、しかもその補強膜層は基材に対して高強度で
あるため、かかる補強膜層が基材を効果的に保護し、結
果的に弾性型枠材の破れやちぎれが良好に抑制されるの
である。
【0018】ここで弾性型枠材の大きさは、通常は断面
形状が50mm角以上の大きさのもので、その基材を構
成する弾性発泡体としては天然ゴム,合成ゴム,ポリウ
レタン,ポリエチレン,ポリスチレン,ポリ塩化ビニル
等の各種のものを用いることが可能であるが、ポリウレ
タンフォームが反発弾性を長く維持でき、またモルタル
打設時の内圧によく耐え得る点で望ましい。
【0019】また発泡倍率は10〜40倍、硬さがJI
S−Cスケールで5°〜15°が望ましい。一方補強膜
層としてはポリエチレン,ポリスチレン,ポリエステ
ル,ポリプロピレン,フッ素樹脂等の材質から成るもの
とすることができるが、強度,剛性,滑り性に優れるポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルムが特に望
ましい。
【0020】尚、その膜厚はあまり厚いとプレキャスト
コンクリート床版に対する馴染みが悪くなり、プレキャ
ストコンクリート床版に対する密着性が損なわれてしま
う。また逆に薄すぎると膜強度が不足して本来の保護機
能を果たすことができなくなる。この意味において膜の
厚みは20〜100μmとするのが好適である。
【0021】次に請求項2の弾性型枠材は、基材におけ
る上記補強膜層とは反対側の面、つまり縦桁側の面に粘
着剤層を予め設けたもので、このようにすれば、プレキ
ャストコンクリート床版を縦桁上に敷設施工するに際し
て、弾性型枠材を縦桁の上面に簡便に、容易に固定する
ことができる。
【0022】請求項3は、上記弾性型枠材を用いてプレ
キャストコンクリート床版を縦桁上に敷設施工する工法
に係るもので、その骨子は、予め工場で製作したプレキ
ャストコンクリート床版を縦桁上に且つ縦桁の延設方向
に並べて載置し、そしてこれを弾性型枠材に対して滑ら
せるようにして縦桁の延設方向に位置調整し、その後隣
接するプレキャストコンクリート床版の継目部分にモル
タルを打設して隣接するプレキャストコンクリート床版
同士を一体化するとともに、弾性型枠材と縦桁とコンク
リート床版とで囲まれた打設空間内にモルタルを打設し
て、プレキャストコンクリート床版と縦桁とを一体化す
るもので、この施工法によれば、縦桁上に連続したコン
クリート床版を容易に構築することができる。
【0023】また弾性型枠材として表面の強度及び滑り
性の優れたものを用いているため、プレキャストコンク
リート床版を縦桁上において位置をずらせるときに、弾
性型枠材の破損によるトラブルが発生せず、円滑に作業
を行うことができる。
【0024】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。図1は高架式の道路橋の要部構造を概略的に
示したものであって、図中10はH型鋼から成る橋梁の
橋桁を構成する縦桁で、12はその縦桁10上に敷設さ
れたプレキャストコンクリート床版である。これらプレ
キャストコンクリート床版12は、縦桁10上において
その延設方向(橋軸方向)に並べられており、それらの
継目部分に打設された無収縮モルタル14にて互いに一
体化され、連続した橋梁のコンクリート床版を構築して
いる。
【0025】更にこれらプレキャストコンクリート床版
12と縦桁10とは、図2(A)の拡大図に示している
ように縦桁10のフランジ16とプレキャストコンクリ
ート床版12、及びフランジ16の幅方向両端部におい
て縦桁10とプレキャストコンクリート床版12との間
に介設された弾性型枠材18との間の空間内に打設され
た無収縮モルタル20にて互いに一体化されている。
尚、図1において22は高欄である。
【0026】上記プレキャストコンクリート床版12
は、図1に示しているように橋梁幅員方向(図中左右方
向)に長手状を成す、平面形状が矩形状のもので、その
大きさは例えば図中左右方向寸法が15m、これと直角
(橋軸)方向寸法が2m程度の大きさのものである。
【0027】図2(B)はこのプレキャストコンクリー
ト床版12と12との継目部分(連結部分)の構造を拡
大して示したものであって、図示のようにプレキャスト
コンクリート床版12には、継目に沿って連続した切欠
き24が上部に予め形成されているとともに、図3にも
示しているように切欠き24に突き出す形態でループ状
の鉄筋26が一体に埋設されており、そしてそれら一対
のループ状の鉄筋26が、別途の棒状の鉄筋28に溶接
接合されてそれら一対のループ状の鉄筋26が一体化さ
れた上、切欠き24内に打設された無収縮モルタル14
にて、隣合うプレキャストコンクリート床版12同士が
互いに連結一体化されている。尚、同図に示しているよ
うにプレキャストコンクリート床版12は、その下部が
シール材30を介して実質上当接させられている。
【0028】図1に示しているように上記プレキャスト
コンクリート床版12には、縦桁10に沿って所定間隔
ごとに長孔形状の凹部32が形成されており、図4
(A)に示しているようにその底部を貫通する状態で高
さ調節ボルト34が設けられている。
【0029】各高さ調節ボルト34は、その下端が縦桁
10の上面に当接させられており、これら高さ調節ボル
ト34によって、各プレキャストコンクリート床版12
が、縦桁10に対してその上面から所定寸法浮き上がっ
た位置に支持されている。尚高さ調節ボルト34は、長
孔形状の凹部32の底部に予め埋め込まれた雌ねじ付き
アンカー金具(図示せず)に対して螺合されている。
【0030】プレキャストコンクリート床版12には、
また、縦桁10に沿って所定間隔で注入穴36が設けら
れている(図1参照)。縦桁10とプレキャストコンク
リート床版12とを連結一体化するための前記無収縮モ
ルタル20は、これら注入穴36から注入される(図4
(B))。
【0031】図5に拡大して示す弾性型枠材18は、断
面形状がW=50mm,H=100mmの大きさのもの
で(但し変形前の自由状態での寸法)、縦桁10の延設
方向に長尺(例えば30m)をなしている。即ちこの弾
性型枠材18は、多数のプレキャストコンクリート床版
12に跨って縦桁10の延設方向に延びている。
【0032】この弾性型枠材18は、プレキャストコン
クリート床版12を縦桁10の上に載置した状態で上下
に圧縮弾性変形した状態となり、その状態で無収縮モル
タル20の打設が行なわれるとともに、施工完了後にお
いても取り除かれることなく、そのまま残される。
【0033】図5は弾性型枠材18の変形前の自由状態
での要部を拡大して示したもので、本例においてこの弾
性型枠材18は、その高さの実質上全体をなす基材38
と、プレキャストコンクリート床版12側の表面(図中
上面)に積層一体化された補強膜層40と、反対側の
面、つまり縦桁10側の面(図中下面)に設けられた粘
着剤層42とから成っている。ここで補強膜層40は、
基材38に対し接着により固着されている。
【0034】基材38は、発泡ポリウレタンフォームか
ら成るもので、本例ではその硬度はJIS−Cスケール
で10°,発泡倍率は20倍とされている。
【0035】一方補強膜層40は非発泡のPET膜から
成っており、本例においてその厚みtは50μmであ
る。尚、下面側の粘着剤層42には剥離紙44が貼り付
けられている。但しこの剥離紙44は施工時に剥がされ
て取り除かれる。
【0036】次に本例のプレキャストコンクリート床版
12の敷設施工法について以下に具体的に説明する。本
例の施工法では、図7に示しているように予め長尺の弾
性型枠材18を縦桁10に沿ってその上面、詳しくは上
端のフランジ16の幅方向両端部においてその上面に接
着固定しておく。
【0037】その際弾性型枠材18は、下面の剥離紙4
4を剥がすことによって粘着剤層42により縦枠10の
上面に容易に接着固定することができる。
【0038】次に、図6に示しているように工場で別途
に予め成形硬化してあるプレキャストコンクリート床版
12を縦桁10上において、その延設方向に並べるよう
にして縦桁10上に載置する。このときプレキャストコ
ンクリート床版12は、隣接するプレキャストコンクリ
ート床版12に対して一定距離離した状態で縦桁10上
に載置する。
【0039】図3に示しているようにプレキャストコン
クリート床版12には、幅方向両端にループ状の鉄筋2
6が突出状態で設けられているため、隣接するプレキャ
ストコンクリート床版12において互いのループ状の鉄
筋26が干渉し合わないようにある一定距離離して縦桁
10上に載置するのである。
【0040】このようにしてプレキャストコンクリート
床版12を縦桁10上に載置した時点で、縦桁10の上
面に接着固定された上記弾性型枠材18は、その重みに
よって一定量圧縮弾性変形した状態となる。そのときの
弾性変形量は、当初の高さH=100mmに対して80
mm〜50mmの高さとなる程度の弾性変形量である。
【0041】尚、プレキャストコンクリート床版12を
縦桁10上に載置したとき、前記高さ調節ボルト34の
下端が縦桁10の上面に当接し、プレキャストコンクリ
ート床版12は、その高さ調節ボルト34を介して縦桁
10上に支持される(図4参照)。
【0042】さてプレキャストコンクリート床版12を
縦桁10の上に載置したところで、次にプレキャストコ
ンクリート床版12を縦桁10に沿ってその延設方向に
位置をずらせ、隣接するプレキャストコンクリート床版
12の下部が実質上互いに当接する最終位置までこれを
移動させる(図6参照)。
【0043】このとき、弾性型枠材18に対してプレキ
ャストコンクリート床版12の移動に伴う力が作用す
る。特にプレキャストコンクリート床版12の下面の角
部或いは大小様々な凹凸部による摩擦によって弾性型枠
材18に対し局部的に大きな応力が作用する。
【0044】従ってただ単に弾性型枠材を弾性発泡体の
みにて構成した場合、その際のせん断力によって弾性型
枠材が引きちぎられたり破られたりする不具合を生ず
る。
【0045】而してこのように弾性型枠材が損傷してし
まうと、後において無収縮モルタル20を打設したとき
に、無収縮モルタル20がその損傷部分から外部に漏れ
て流れ出してしまう問題を生ずる。
【0046】しかるに本例においては弾性型枠材18
が、弾性発泡体から成る基材38の上面に、膜強度が強
く且つ滑り性の良好な補強膜層40を積層した形態を成
しているため、プレキャストコンクリート床版12を位
置移動させたときに、プレキャストコンクリート床版1
2がその補強膜層40上を円滑に滑りながら移動する。
しかもその補強膜層40は強度の強いものであるため、
プレキャストコンクリート床版12の移動時において、
弾性型枠材18が破られたり引きちぎられたりすること
がない。
【0047】加えて補強膜層40は厚みの薄いものであ
るため、プレキャストコンクリート床版12の下面に良
好に追従した形状に変形し、プレキャストコンクリート
床版12の下面に対して良好に密着した状態となる。
【0048】さてこのようにしてプレキャストコンクリ
ート床版12を最終位置まで位置移動させたところで、
ループ状の鉄筋26同士を溶接接合するとともに継目部
分に対して、具体的には継目に沿って形成した切欠き2
4の内部に無収縮モルタル14を打設し、隣接するプレ
キャストコンクリート床版12同士を連結一体化する。
【0049】また併せて図1の注入穴36を通じて、縦
桁10の上面と一対の弾性型枠材18及びプレキャスト
コンクリート床版12とで囲まれた打設空間に、上記の
注入穴36を通じて無収縮モルタル20を打設し、以て
縦桁10とプレキャストコンクリート床版12とを一体
化する。尚、長孔形状の凹部32は、その後においてモ
ルタル等にて跡埋めされる。
【0050】以上のようにしてプレキャストコンクリー
ト床版12が互いに連結一体化され、以て連続したコン
クリート床版が形成される。そしてその上にアスファル
ト等の舗装が施される。
【0051】上記のように本例によれば、プレキャスト
コンクリート床版12を弾性型枠材18に対して上下に
圧縮変形を加えつつ、縦桁10に沿って位置をずらせた
とき、弾性型枠材18がプレキャストコンクリート床版
12によって破られたりちぎられたりするのが防止され
る。
【0052】従ってその後においてそれら一対の弾性型
枠材18及び縦桁10、更にプレキャストコンクリート
床版12にて形成される空間内に無収縮モルタル20を
打設して、縦桁10とプレキャストコンクリート床版1
2とを一体化するとき、無収縮モルタル20が外部に漏
出するのを確実に防止できる。
【0053】また本例の弾性型枠材18は、その高さの
実質上全体を成す基材38が弾性発泡体から成っている
ために弾性変形能が高く、従って縦桁10の上面とプレ
キャストコンクリート床版12との間の上下寸法の大小
変化を、その基材38の弾性変形によって良好に吸収す
ることができる。
【0054】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、本発明は弾性型枠材18における
基材38として他の材料を用いることも可能であるし、
また同様に補強膜層40を上例以外の材質にて構成する
ことも可能である。更に場合によっては基材38の下面
の粘着剤層42を省略し、施工現場において縦桁10の
側に粘着テープを貼り付けて、その粘着テープに対し弾
性型枠材を貼り付けるように成すことも可能である。そ
の他本発明はその主旨を逸脱しない範囲において、種々
変更を加えた形態・態様で構成・実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用対象である橋梁の要部構造を概略
的に表す図である。
【図2】図1における要部の拡大断面図である。
【図3】図1におけるプレキャストコンクリート床版1
2単体の図である。
【図4】図1における図2とは異なる要部の拡大断面図
である。
【図5】図2における弾性型枠材を変形前の自由状態で
表す図である。
【図6】本発明の一実施例であるプレキャストコンクリ
ート床版の敷設施工法の要部工程の説明図である。
【図7】図6の一部を拡大して表す斜視図である。
【図8】従来の一般的な橋梁の要部構造を概略的に表す
図である。
【図9】図8の橋梁の工法の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 縦桁 12 プレキャストコンクリート床版 14,20 無収縮モルタル 18 弾性型枠材 38 基材 40 補強膜層 42 粘着剤層
フロントページの続き (72)発明者 山下 茂樹 愛知県名古屋市中区丸の内1−17−19 株 式会社ピー・エス名古屋支店内 (72)発明者 北山 耕造 愛知県名古屋市中区丸の内1−17−19 株 式会社ピー・エス名古屋支店内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 橋梁における橋桁を構成する縦桁上に橋
    梁幅員方向に延びる形態のプレキャストコンクリート床
    版を該縦桁の上面に対して上下間隙を形成する状態で載
    置するとともに、該縦桁の幅方向両端部において該縦桁
    と該プレキャストコンクリート床版との間に且つそれら
    縦桁及びプレキャストコンクリート床版に密着する状態
    でシール部材兼用の弾性型枠材を該縦桁に沿ってその延
    設方向に上下に圧縮状態で介設し、それら縦桁とプレキ
    ャストコンクリート床版と弾性型枠材との間に形成され
    た打設空間にモルタルを打設して該プレキャストコンク
    リート床版と縦桁とを一体化する工法に用いる前記弾性
    型枠材であって弾性発泡体から成る基材と、該基材の前
    記プレキャストコンクリート床版側の表面に固着形成さ
    れた、該基材よりも高強度且つ滑り性の高い補強膜層と
    の一体積層構造をなしていることを特徴とするプレキャ
    ストコンクリート床版の敷設施工用弾性型枠材。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記基材の前記プレ
    キャストコンクリート床版側とは反対側の前記縦桁側の
    面に粘着剤層が設けられていることを特徴とするプレキ
    ャストコンクリート床版の敷設施工用弾性型枠材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の弾性型枠材を、橋梁に
    おける橋桁を構成する縦桁の幅方向端部において且つ該
    縦桁に沿ってその上面にセットした上、該橋梁の幅員方
    向に延びる形態の複数のプレキャストコンクリート床版
    を、該弾性型枠材を上下に圧縮弾性変形させる状態で且
    つ該縦桁の上面との間に上下間隙を形成する状態で該縦
    桁の延設方向に並べて載置した後、該プレキャストコン
    クリート床版を該弾性型枠材に対して滑らせるように該
    延設方向に位置をずらせて最終位置まで移動させ、しか
    る後それらプレキャストコンクリート床版の継目の隙間
    にモルタルを打設して隣接するプレキャストコンクリー
    ト床版同士を一体化するとともに、前記縦桁と弾性型枠
    材とプレキャストコンクリート床版とで形成される打設
    空間内にモルタルを打設して、該プレキャストコンクリ
    ート床版と縦桁とを一体化することを特徴とするプレキ
    ャストコンクリート床版敷設施工法。
JP8307021A 1996-10-31 1996-10-31 プレキャストコンクリート床版の敷設施工用弾性型枠材及びこれを用いたプレキャストコンクリート床版敷設施工法 Pending JPH10131125A (ja)

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